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公開番号2020200766
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201217
出願番号2019105868
出願日20190606
発明の名称燃料噴射弁
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー
代理人個人,個人
主分類F02M 61/10 20060101AFI20201120BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】バネを配置するための空間を広く確保しながらも、ダンパー室による減衰の効果を十分に発揮することのできる燃料噴射弁、を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁10は、燃料を噴射するための噴孔511が、長手方向における一端に形成されたハウジング100と、ハウジング100の内部において移動することにより、噴孔511の開閉を切り換えるニードル200と、少なくとも一部が磁性体によって形成された部材であって、ハウジング100の内部に固定されている固定コア400と、少なくとも一部が磁性体によって形成された部材であって、ハウジング100の内部において、ニードル200と共に移動可能な状態で配置されている可動コアと300と、を備える。ニードル200とハウジング100との間には、ニードル200の動作速度を減衰させるためのダンパー室250が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
燃料を噴射するための噴孔(511)が、長手方向における一端に形成されたハウジング(100)と、
前記ハウジングの内部において前記長手方向に沿って移動することにより、前記噴孔の開閉を切り換えるニードル(200)と、
少なくとも一部が磁性体によって形成された部材であって、前記ハウジングの内部に固定されている固定コア(400)と、
少なくとも一部が磁性体によって形成された部材であって、前記ハウジングの内部において、前記長手方向に沿って前記ニードルと共に移動可能な状態で配置されている可動コア(300)と、
前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるコイル(600)と、を備え、
前記ニードルと前記ハウジングとの間には、前記ニードルの動作速度を減衰させるためのダンパー室(250)が形成されている燃料噴射弁。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記ニードルには、
小径部(232)と、前記小径部よりも外径の大きな部分である大経部(231,240)とが、前記長手方向に沿って並ぶように設けられており、
前記ダンパー室は前記小径部の周りに形成されている、請求項1に記載の燃料噴射弁。
【請求項3】
前記ハウジングの内部には、外部から供給された燃料を前記噴孔に導くための燃料通路が形成されており、
前記ニードルと前記ハウジングとが互いに対向している摺動部(271,272,273)とは異なる位置に、前記ダンパー室と前記燃料通路との間を連通させる連通路(233,241,261)が形成されている、請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
【請求項4】
燃料として気体燃料が用いられる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
【請求項5】
燃料として水素が用いられる、請求項4に記載の燃料噴射弁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は燃料噴射弁に関する。
続きを表示(約 5,600 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関に設けられる燃料噴射弁として、磁気吸引力によって内部の可動コアをニードルと共に動作させることにより、燃料の出口である噴孔の開閉を切り換える構成のものが知られている。
【0003】
例えば下記特許文献1に記載の燃料噴射弁は、ハウジングの内部に固定された固定コアと、ハウジングの内部において移動可能な状態で配置された可動コアと、固定コアと可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるコイルと、を備えている。燃料噴射弁から燃料が噴射される際には、コイルに電流が供給される。そのとき発生した磁気吸引力によって、可動コアがニードルと共に固定コア側に移動し、噴孔が開かれた状態となる。
【0004】
ニードル等の可動部材が動作する際において、その動作速度が大きいままハウジング等の固定部材に衝突すると、衝突箇所において部材の損傷や摩耗が生じ、燃料噴射弁の動作特性が変化してしまうことがある。これを防止するために、燃料噴射弁の内部には、可動部材の動作速度を減衰させるためのダンパー室が形成される。下記特許文献1には、可動コアの動作速度を減衰させるためのダンパー室を、ハウジングの内部、具体的には可動コアとハウジングとの間となる位置に形成した燃料噴射弁の例も記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018−189002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ハウジングの内部には、可動コアを、噴孔と反対側の方向に向けて付勢するためのバネが配置されることが多い。当該バネのばね定数が適切な値となっていない場合には、ハウジングの内部で共振が生じてしまうことがある。共振を確実に防止するためには、バネが配置される空間を比較的広く確保しておき、バネの設計自由度を高めておくことが好ましい。このため、上記のバネは、ハウジングの内部のうち比較的広い空間を確保し得る部分、具体的には、可動コアとハウジングとの間となる位置に配置することが好ましい。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている例のように、可動コアとハウジングとの間となる位置にダンパー室を形成した場合には、バネを配置するための広い空間を同位置に確保することができなくなってしまう。このように、バネを配置するための空間を広く確保することと、ダンパー室による減衰の効果を十分に発揮することと、を両立させるような構成については、従来の燃料噴射弁では更なる改良の余地があった。
【0008】
本開示は、バネを配置するための空間を広く確保しながらも、ダンパー室による減衰の効果を十分に発揮することのできる燃料噴射弁、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る燃料噴射弁(10)は、燃料を噴射するための噴孔(511)が、長手方向における一端に形成されたハウジング(100)と、ハウジングの内部において長手方向に沿って移動することにより、噴孔の開閉を切り換えるニードル(200)と、少なくとも一部が磁性体によって形成された部材であって、ハウジングの内部に固定されている固定コア(400)と、少なくとも一部が磁性体によって形成された部材であって、ハウジングの内部において、長手方向に沿ってニードルと共に移動可能な状態で配置されている可動コア(300)と、固定コアと可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるコイル(600)と、を備える。ニードルとハウジングとの間には、ニードルの動作速度を減衰させるためのダンパー室(250)が形成されている。
【0010】
このような構成の燃料噴射弁では、ニードルの動作速度を減衰させるためのダンパー室が、ニードルとハウジングとの間となる位置に形成されている。可動コアとハウジングとの間となる位置にはダンパー室を形成する必要がないので、当該位置に、バネを配置するための空間を広く確保することができる。これにより、バネを配置するための空間を広く確保しながらも、ダンパー室による減衰の効果を十分に発揮することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、バネを配置するための空間を広く確保しながらも、ダンパー室による減衰の効果を十分に発揮することのできる燃料噴射弁、が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、第1実施形態に係る燃料噴射弁の内部構造を示す断面図である。
図2は、図1のA部における構成を拡大して示す図である。
図3は、第2実施形態に係る燃料噴射弁の内部構造を示す断面図である。
図4は、図3のB部における構成を拡大して示す図である。
図5は、第3実施形態に係る燃料噴射弁の、内部構造の一部を示す断面図である。
図6は、第4実施形態に係る燃料噴射弁の、内部構造の一部を示す断面図である。
図7は、第5実施形態に係る燃料噴射弁の、内部構造の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0014】
第1実施形態に係る燃料噴射弁10の構成について、図1を参照しながら説明する。燃料噴射弁10は、不図示の内燃機関に設けられ、当該内燃機関に燃料を噴射し供給するための装置である。燃料としては、本実施形態では気体燃料、具体的には水素が用いられる。燃料噴射弁10は、ハウジング100と、ニードル200と、可動コア300と、固定コア400と、コイル600と、を備えている。
【0015】
ハウジング100は、その全体が概ね筒状の容器として形成された部材である。図1では、ハウジング100がその長手方向を上下方向に沿わせた状態が描かれている。以下の説明においては、図1における上方側を示すものとして、単に「上方側」等の語を用いることがある。また、図1における下方側を示すものとして、単に「下方側」等の語を用いることがある。後の説明に用いる図2乃至図7においても同様である。
【0016】
後に説明するように、燃料噴射弁10から噴射される燃料は、ハウジング100の内部を上方側から下方側に向かって流れる。後述のニードル200、可動コア300、及び固定コア400は、いずれのハウジング100の内部に収容されている。
【0017】
ハウジング100は、第1筒状部材110と、第2筒状部材120と、第3筒状部材130と、第4筒状部材140と、第5筒状部材150と、を有している。これらはいずれも略円筒状の部材として形成されており、それぞれの中心軸を互いに一致させた状態で配置されている。
【0018】
第1筒状部材110は、ハウジング100のうち、燃料の流れる方向に沿って最も下流側となる位置に配置された部材である。第1筒状部材110はマルテンサイト系ステンレスによって形成されており、その硬度を高めるために焼き入れ処理が施されている。第1筒状部材110の内部には空間111が形成されており、この空間111に後述のニードル200が収容されている。
【0019】
第1筒状部材110の下端部では、噴射ノズル500が内側に圧入され溶接されている。噴射ノズル500はハウジング100の一部をなすものであって、円筒部520と閉塞部510とを有している。円筒部520は円筒状に形成された部分である。円筒部520は、その中心軸を第1筒状部材110の中心軸と一致させた状態で、第1筒状部材110の内側に嵌め込まれている。円筒部520の内周面521は、ニードル200の摺接部222(後述)が当接した状態で摺動する面となっている。
【0020】
閉塞部510は、円筒部520のうち下方側の端部を塞ぐように形成された部分である。閉塞部510には噴孔511が形成されている。噴孔511は、閉塞部510の中心を図1の上下方向に貫くように形成された貫通穴である。噴孔511によって、第1筒状部材110の内部の空間111と外部空間とが連通されている。噴孔511は、燃料噴射弁10から噴射される燃料の出口として形成されている。このように、燃料噴射弁10では、燃料を噴射するための噴孔511が、ハウジング100の長手方向における一端に形成されている。
【0021】
閉塞部510の内面には、噴孔511の周囲を囲むように弁座512が形成されている。弁座512は、噴孔511を塞ぐために、ニードル200のシール部221(後述)が当接する部分である。
【0022】
噴射ノズル500は、その全体がマルテンサイト系ステンレスによって形成されており、その硬度を高めるために焼き入れ処理が施されている。また、噴射ノズル500のうちニードル200が当接する部分、すなわち弁座512と内周面521とには、窒化処理が施されている。内周面521には、摩擦力を低下させるためのDLCコートが更に施されている。
【0023】
第1筒状部材110のうち噴射ノズル500とは反対側、つまり上方側の部分は拡径されており、当該部分から更に上方側に向かって伸びるように拡径円筒部112が形成されている。拡径円筒部112の内面は、後に説明するように可動コア300の一部が当接した状態で摺動する部分となっている。このため、拡径円筒部112には窒化処理が施されている。拡径円筒部112の上端、つまり第1筒状部材110の上端には、第2筒状部材120の下端が接続されている。
【0024】
第2筒状部材120は、ハウジング100のうち、燃料の流れる方向に沿って第1筒状部材110の上流側となる位置に配置された円筒形状の部材である。第2筒状部材120の内径及び外径は、拡径円筒部112の内径及び外径とそれぞれ等しい。第2筒状部材120は、磁性体であるフェライト系ステンレスによって形成されている。第2筒状部材120の上端には、第3筒状部材130の下端が接続されている。
【0025】
第3筒状部材130は、ハウジング100のうち、燃料の流れる方向に沿って第2筒状部材120の上流側となる位置に配置された円筒形状の部材である。第3筒状部材130の内径及び外径は、第2筒状部材120の内径及び外径とそれぞれ等しい。第3筒状部材130は、非磁性体であるオーステナイト系ステンレスによって形成されている。第3筒状部材130の上端には、第4筒状部材140の下端が接続されている。
【0026】
第4筒状部材140は、ハウジング100のうち、燃料の流れる方向に沿って第3筒状部材130の上流側となる位置に配置された円筒形状の部材である。第4筒状部材140の内径及び外径は、第3筒状部材130の内径及び外径とそれぞれ等しい。第4筒状部材140は、磁性体であるフェライト系ステンレスによって形成されている。第4筒状部材140の上方側部分では、第5筒状部材150の下端部分が内側に圧入され溶接されている。
【0027】
第5筒状部材150は、ハウジング100のうち、燃料の流れる方向に沿って最も上流側となる位置に配置された略円筒形状の部材である。第5筒状部材150はオーステナイト系ステンレスによって形成されている。第5筒状部材150の上端部には導入口153が形成されている。導入口153は、外部から導入される燃料の入口として形成された開口である。
【0028】
第5筒状部材150の内部に形成された空間151のうち、導入口153の近傍となる位置には、フィルタ152が設けられている。フィルタ152は、導入口153から導入された燃料に含まれる異物を捕集するためのものである。
【0029】
ニードル200は、ハウジング100の内部に配置された棒状の部材である。ニードル200は、その中心軸をハウジング100の中心軸に移動させた状態で、ハウジング100の長手方向、すなわち図1の上下方向に沿って移動可能な状態で配置されている。ニードル200はマルテンサイト系ステンレスによって形成されており、硬度を高めるために焼き入れ処理が施されている。ニードル200のうち噴射ノズル500側の端部には、シール部221が形成されている。
【0030】
ニードル200が、その可動範囲のうち最も下方側まで移動すると、図1に示されるようにシール部221が弁座512に当接し、噴孔511が閉じられた状態となる。これにより、噴孔511からの燃料の噴射が停止される。ニードル200が上方側に移動し、シール部221が弁座512から離れると、噴孔511が開かれた状態となる。これにより、噴孔511からの燃料の噴射が行われる。このように、ニードル200は、ハウジング100の内部において長手方向に沿って移動することにより、噴孔511の開閉を切り換えるための部材として設けられている。
(【0031】以降は省略されています)

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