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公開番号2020198449
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201210
出願番号2020144267
出願日20200828
発明の名称トンネル層
出願人TDK株式会社
代理人
主分類H01L 29/82 20060101AFI20201113BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】半導体チャンネル層とトンネル層との間の格子定数、及びトンネル層と強磁性層との間の格子定数のずれによって生じる界面でのスピン散乱を抑制するスピン注入電極構造、およびスピン伝導素子を提供する。
【解決手段】半導体チャンネル層に接する側のトンネル層の格子定数と、強磁性層に接する側のトンネル層の格子定数が異なり、半導体チャンネル層に接するトンネル層と強磁性層に接するトンネル層が、単一の結晶構造であるようにする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
スピネル構造を有し、膜厚方向における両端部間の中間部の酸素元素濃度が、膜厚方向における両端部の酸素元素濃度よりも高いことを特徴とするトンネル層。
続きを表示(約 63 文字)【請求項2】
Al、Mg、Si、Znのいずれかの元素を含む酸化物から構成される、請求項1に記載のトンネル層。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スピン注入電極構造、及びスピン伝導素子に関する。
続きを表示(約 6,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体を用いたチャンネルにスピンを蓄積する技術が知られている。半導体を用いたチャンネルにおけるスピン拡散長は、金属を用いたチャンネルにおけるスピン拡散長よりも格段に長い。例えば下記非特許文献1〜4には、シリコンにスピンを注入する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−239011号公報
【非特許文献】
【0004】
Tomoyuki Sasaki et al., Applied Physics Express 2, p053003-1〜053003-3, (2009)
O. M. J. van't Erve et al., APPLIED PHYSICS LETTERS 91, p212109-1〜212109-3, (2007)
Y. Ando et al., APPLIED PHYSICS LETTERS 94, p182105-1〜182105-3, (2009)
Saroj P. Dash et al., nature, vol.462, p491〜494,(2009)
T. Suzuki et al., AppliedPhysics Express 4, p023003-1〜023003-3, (2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シリコンにおけるスピンの注入・伝導・検出の応用のためには、室温での十分な出力特性を得ることが望まれている。上記非特許文献1〜3では、シリコンにおけるスピンの注入・伝導・検出が報告されているものの、いずれも150K以下の低温での事象である。上記非特許文献4では、300Kでのシリコンにおけるスピンの蓄積を観測するものの、室温でのシリコンにおけるスピンの伝導現象は観測されておらず、幅広い応用が期待できないのが現状である。最近上記非特許文献5において、室温でのシリコンにおけるスピンの伝導現象が観測されている。しかしながら、その出力は、十分ではない。室温での高出力化が困難な理由の一つとしては、シリコンとトンネル層との間の格子定数のずれによって界面でのスピン散乱が誘発されてしまうことが考えられる。このように、シリコンに限らず、室温での半導体におけるスピンの伝導を実現する効果的な注入を実現することが望まれている。
【0006】
シリコンとトンネル層との間の格子定数のずれによって界面でのスピン散乱を抑制する方法としては特許文献1に記載されている。特許文献1によると、シリコン上に第一非晶質酸化マグネシウムが形成されることによって、シリコンと酸化マグネシウムの間の格子不整合によるスピン散乱を抑制し、第一非晶質酸化マグネシウム上に第一結晶質酸化マグネシウムが形成されることによって、一部コヒーレント効果を残すことで高出力化している。しかし、トンネル層である酸化マグネシウムと第一強磁性層との界面においてもスピン散乱を抑制する必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、従来よりも室温での半導体チャンネル層におけるスピンの効果的な注入を可能とするスピン注入電極構造、及びスピン伝導素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のスピン注入電極構造は、半導体チャンネル層と、半導体チャンネル層上に設けられたトンネル層と、トンネル層上に設けられた強磁性層とを備え、半導体チャンネル層に接するトンネル層の格子定数と、強磁性層に接するトンネル層の格子定数が異なることを特徴とする。
【0009】
トンネル層はトンネル層下部領域とトンネル層上部領域を有する構造である。トンネル層下部領域とトンネル層上部領域の材料の組成は連続的に変化しており、結晶構造の基本構造は変化しない。すなわち、トンネル層の格子定数は、半導体チャンネル層に接する側から強磁性層に接する側に連続的に変化している。また、前記二つの領域の境目は明確ではない。
【0010】
上記のようなトンネル層を形成するためにトンネル層の材料は、単一の結晶構造である材料で構成される。一般的に、酸化物は酸素の欠陥や構成元素の一部の置換を生じても同じ結晶構造の系を保持することができる。よって、トンネル層内で元素の構成を変化させることによって、半導体チャンネル層とトンネル層の界面、及び、強磁性層とトンネル層の界面の両方の歪が最小限に抑えられたトンネル層が形成できる。
【0011】
また、前記トンネル層は、スピネル構造であることが高出力化に好ましい。スピネル構造は、AB



の組成比を基本構造として、Aサイトの元素の量や種類が変化することによって、スピネル構造を崩すことなく連続的に格子定数を変化することができる。特に、半導体チャンネル層がシリコンの場合には、スピネル構造であるトンネル層が最も好ましい。
【0012】
また、前記トンネル層は、Al、Mg、Si、Zn、Tiのいずれかの元素を含む酸化物から構成される非磁性スピネル層であり、膜厚は、0.6nm以上2.2nm以下であることが好適である。前記トンネル層の膜厚が2.2nm以下である場合、非磁性スピネル層と合わせた場合の膜厚が薄く積層膜の抵抗値が小さくなるため、得られるスピン出力に対して界面抵抗率を低くしてノイズを抑えることができるので、スピンの注入が好適にできる。前記トンネル層の膜厚が2.2nmを超えると、スピン出力の増大が抑制され、界面抵抗率の上昇によるノイズ増加が生じるために高い信号比を得ることができない。また、前記トンネル層の膜厚が0.6nm以上である場合、半導体チャンネル層上に均一なトンネル層が成膜できる。なお、前記トンネル層の膜厚が0.6nm未満の場合、膜として形成されず、島状に層が形成されるためトンネル層としての機能を果たさない。
【0013】
半導体チャンネル層は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、あるいは、シリコンとゲルマニウムの化合物の何れかの材料である。これらの材料はスピン拡散長が長く、又、スピン抵抗が高いため、高出力を得ることができる。
【0014】
トンネル層の半導体チャンネル層に接する側すなわちトンネル層下部領域は、アルミニウムを主成分とする酸化膜であることが好ましい。アルミニウムを主成分とする酸化膜の場合には、半導体チャンネル層と格子定数が近いため、半導体チャンネル層とトンネル層の界面におけるスピン散乱を抑制することができる。なお、本願において、主成分とは、組成元素に含まれる全ての陽イオン元素の中で、2/3以上の陽イオン元素を含むことを意味する。
【0015】
トンネル層の強磁性層に接する側すなわちトンネル層上部領域は、アルミニウムを主成分とし、マグネシウム、あるいは、亜鉛の少なくともいずれかを含む酸化膜であることが好ましい。このような酸化膜は、鉄などに代表される強磁性層と格子定数が近いため、強磁性層とトンネル層の界面におけるスピン散乱を抑制することができる。
【0016】
上記のスピン注入電極構造を半導体チャンネル層の第一部分に設け、更に、前記半導体チャンネル層の第二部分上に設けられた第二トンネル層と、第二トンネル層上に設けられた第二強磁性層と、を備えたスピン伝導素子であることが好ましい。第一のスピン注入電極構造と第二のスピン注入電極構造を半導体チャンネル層上に設置することで、スピン注入電極構造から注入されたスピンを別のスピン注入電極構造で検出することができる。これによって、磁気センサ、Spin−MOSFET、あるいは、スピン伝導素子として機能することが出来る。
【0017】
また、強磁性層の結晶構造は、体心立方格子構造(BCC)であることが好適である。この場合、非磁性スピネル構造であるトンネル層上に強磁性層を部分的にエピタキシャル成長させることができる。
【0018】
また、強磁性層は、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、前記群の元素を1以上含む合金、又は前記群から選択される1以上の元素とホウ素(B)とを含む化合物であることが好適である。これらの材料はスピン分極率の大きい強磁性材料であるため、スピンの注入電極としての機能を好適に実現することが可能である。
【0019】
さらに、強磁性層は、ホイスラー合金であることがより好ましい。強磁性層は、X

YZの化学組成をもつ金属間化合物を含み、Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属でありXの元素種をとることもでき、Zは、III族からV族の典型元素である。
例えば、Co

FeSiやCo

MnSiなどが挙げられる。
【0020】
また、強磁性層上に形成された反強磁性層を更に備え、反強磁性層は、強磁性層の磁化の向きを固定することが好適である。反強磁性層が強磁性層と交換結合することにより、強磁性層の磁化方向に一方向異方性を付与することが可能となる。この場合、反強磁性層を設けない場合よりも、高い保磁力を一方向に有する強磁性層を得られる。
【0021】
また、半導体チャンネル層に設けられたスピン注入電極構造の第一部分と第二部分の強磁性層とは、形状異方性によって保磁力差が付けられていることが好適である。この場合、保磁力差をつけるための反強磁性層を省略することができる。
【0022】
一般に、半導体チャンネル層には、導電性を付与するためのイオンが打ち込まれる。半導体チャンネル層の表面は、このイオンの打ち込みに起因するダメージが形成されるおそれがある。そこで、半導体チャンネル層は、第一部分と第二部分との間に窪みを有し、窪みの深さは10nm以上20nm以下であることが好適である。
【0023】
また、スピン伝導デバイスは、上記のスピン注入電極構造を有することが好適であり、室温での半導体チャンネル層におけるスピンの効果的な注入を可能とするスピン伝導デバイスを提供できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来のトンネル層よりも半導体チャンネルとトンネル層の界面におけるスピン散乱を抑制しつつ、トンネル層と強磁性層の界面におけるスピン散乱も同時に抑制できる電極構造である。これによって、室温での半導体チャンネル層におけるスピンの効果的な注入を可能とするスピン注入電極構造、およびこれを用いたスピン伝導素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1は、本実施形態に係るスピン伝導素子の斜視図である。
図2(a)は、本実施形態に係るスピン伝導素子の上面図である。図2(b)は、図2(a)に示す領域Bの拡大図である。
図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。
図4は、第一トンネル層13A及び第二トンネル層13Bをそれぞれ構成する第一トンネル層下部領域16A、第一トンネル層上部領域16B、第二トンネル層下部領域16C、第二トンネル層上部領域16Dの構成図である。
図5は、NL測定法における印加磁場と電圧出力の関係を示すグラフである。
図6は、NL−Hanle測定法における印加磁場と電圧出力の関係を示すグラフである。
図7は、第一トンネル層13A及び第二トンネル層13BをEDXにて評価したスペクトルである。
図8はトンネル層のシリコンチャンネル層との境界を基準とした厚さ方向に対する格子定数の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るスピン伝導素子の好適な実施形態について詳細に説明する。図中には、必要に応じてXYZ直交座標軸系が示されている。図1は、本実施形態に係るスピン伝導素子の斜視図である。図2(a)は、本実施形態に係るスピン伝導素子の上面図である。図2(b)は、図2(a)に示す領域Bの拡大図である。図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。
【0027】
図3に示すように、スピン伝導素子1は、半導体としてシリコンを用いた場合において、シリコン基板10と、酸化珪素膜11と、シリコンチャンネル層12と、第一トンネル層13Aと、第二トンネル層13Bと、第一強磁性層14Aと、第二強磁性層14Bと、第一参照電極15Aと、第二参照電極15Bと、酸化膜7aと、酸化膜7bと、を備える。シリコンチャンネル層12と、第一トンネル層13Aと、第一強磁性層14Aとが、スピン注入電極構造IEを構成している。
【0028】
図4に示すように、第一トンネル層13Aは第一トンネル層下部領域16Aと第一トンネル層上部領域16Bからなる構造である。但し、第一トンネル層下部領域16Aと第一トンネル層上部領域16Bの材料の組成は連続的に変化しており、前記二つの領域の境目は明確ではない。同様に、第二トンネル層13Bは第二トンネル層下部領域16Cと第二トンネル層上部領域16Dからなる構造である。但し、第二トンネル層下部領域16Cと第二トンネル層上部領域16Dの材料の組成は連続的に変化しており、前記二つの領域の境目は明確ではない。(図4は、連続的に変化していることを説明する図としては如何かと。ハッチングを工夫してみては如何でしょう。)
【0029】
基板10、酸化珪素膜11、およびシリコンチャンネル層12として、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を用いることができる。基板10はシリコン基板であり、酸化珪素膜11は基板10上に設けられている。酸化珪素膜11の膜厚は例えば200nmである。また、シリコンチャンネル層12はゲルマニウム、ガリウム砒素、あるいは、シリコンとゲルマニウムの化合物でもほぼ同様の結果が得られる。
【0030】
シリコンチャンネル層12は、スピンが伝導する層として機能する。シリコンチャンネル層12の上面は例えば(100)面である。シリコンチャンネル層12は、例えばZ軸方向(厚み方向)から見てX軸を長軸方向とする矩形状を有している。シリコンチャンネル層12は主としてシリコンからなり(翻訳を考えれば入れておいた方が良いと思います。)、シリコンチャンネル層12には必要に応じて不純物イオンが添加されている。イオン濃度は、例えば5.0×10
19
cm
−3
である。シリコンチャンネル層12の膜厚は例えば100nmである。あるいは、第一トンネル層13Aまたは第二トンネル層13Bと、シリコンチャンネル層12との界面におけるショットキー障壁を調整できるように、当該界面からシリコンチャンネル層12における10nmの深さにイオン濃度のピークがあるような構造を有するシリコンチャンネル層12でもよい。また、シリコンチャンネル層12のイオン濃度が低い場合、酸化珪素膜11に電圧を印加し、シリコンチャンネル層12にキャリアを誘起させるなどの手法がある。
(【0031】以降は省略されています)

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