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公開番号2020196159
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201210
出願番号2019102490
出願日20190531
発明の名称繊維強化樹脂体
出願人日立金属株式会社
代理人特許業務法人筒井国際特許事務所
主分類B32B 5/28 20060101AFI20201113BHJP(積層体)
要約【課題】第1の部分と、荷重が入力された場合に第1の部分よりもひずみが大きくなる第2の部分とを有する繊維強化樹脂体において、前記第2の部分を構成する繊維層に含まれる繊維束の配向の乱れを抑制し、当該第2の部分の強度の低下を防止する。
【解決手段】繊維強化樹脂体は、積層された複数の繊維層14a〜14fを有し、第1の部分11と、第1の部分11よりもひずみの大きい第2の部分とを有し、複数の繊維層14a〜14fは、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含む。第1繊維層14bおよび第2繊維層14dには、第1繊維層14bおよび第2繊維層14dが含む繊維束が不連続となる不連続部17aが形成され、不連続部17aは、第1の部分11に存在する。第1繊維層14bおよび第2繊維層14dの間には、第3繊維層14cが介在し、不連続部17aが複数の繊維層14a〜14fの積層方向において離隔している。
【選択図】図1D
特許請求の範囲【請求項1】
他の部材が取り付けられる取付け部を有する、積層された複数の繊維層からなる繊維強化樹脂体であって、
第1の部分と、前記取付け部に荷重が入力された場合に前記第1の部分よりもひずみが大きくなる第2の部分とを有し、
前記複数の繊維層は、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含み、
前記複数の繊維層のうち少なくとも2つの繊維層である第1繊維層および第2繊維層には、前記第1繊維層および前記第2繊維層が含む繊維束が不連続となる不連続部が形成され、
前記第1繊維層および前記第2繊維層に含まれる不連続部は、前記第1の部分に存在し、
前記第1繊維層および前記第2繊維層の間には、前記複数の繊維層のうち前記第1繊維層および前記第2繊維層以外の少なくとも1つの繊維層である第3繊維層が介在しており、
前記第1繊維層および前記第2繊維層に形成された不連続部は、前記第3繊維層により、前記複数の繊維層の積層方向において離隔されていることを特徴とする繊維強化樹脂体。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
請求項1に記載の繊維強化樹脂体であって、
前記第3繊維層には、その繊維束が不連続となる不連続部が形成されており、
前記第3繊維層に含まれる不連続部は、前記第1の部分に存在し、
前記第1繊維層および前記第2繊維層に含まれる不連続部と、前記第3繊維層に含まれる不連続部とは、前記複数の繊維層の積層方向に直交する方向において重複していないことを特徴とする繊維強化樹脂体。
【請求項3】
請求項2に記載の繊維強化樹脂体において、
前記第1繊維層、前記第2繊維層または前記第3繊維層に含まれる不連続部のいずれかは、前記配向された連続繊維からなる繊維束が切断された切断部として形成されていることを特徴とする繊維強化樹脂体。
【請求項4】
請求項2または3に記載の繊維強化樹脂体において、
前記第1繊維層および前記第2繊維層に含まれる不連続部および前記第3繊維層に含まれる不連続部の前記複数の繊維層の積層方向に直交する方向における間隔は、前記第1繊維層、前記第2繊維層または前記第3繊維層のうち、積層方向における厚さが最も厚い繊維層の厚さをtとした場合に、t×125以上であることを特徴とする繊維強化樹脂体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂体において、
前記複数の繊維層の積層方向において、少なくとも前記第1の部分の表部には、繊維束が編み込まれた織物を含む繊維層が配置されており、
前記織物を含む繊維層は、その繊維束が不連続となる不連続部を含まないことを特徴とする繊維強化樹脂体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂体において、
前記第1の部分の樹脂含有率は、前記第2の部分の樹脂含有率を100とした場合に、96以上100以下であることを特徴とする繊維強化樹脂体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂体において、
前記繊維強化樹脂体は、その一部が屈曲する屈曲部を有し、
前記第2の部分は、前記屈曲部に存在していることを特徴とする繊維強化樹脂体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等に組み込まれる構造部材として用いられる繊維強化樹脂体に関するものである。
続きを表示(約 7,800 文字)【背景技術】
【0002】
繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics:FRP)は、優れた機械特性、軽量化等の要求を満たすことから、例えば車両等を構成する構造部材として使用されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、繊維の第1と第2の織糸からなる織物と、熱可塑性樹脂とを有するプリプレグであって、前記第1と第2の織糸に対して斜め方向に伸び、平行に配列された断裂切断線上において、断続的に形成された切込みを備えるプリプレグが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015−163660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所定方向に配向された繊維束を含む繊維層を複数積層してなる繊維強化樹脂体の適用対象である、例えば車両用構造部材のような構造部材は、一般的に、その一部が屈曲した屈曲部を含むような複雑な形状をしており、第1の部分と、当該構造部材へ外力が入力された場合に、例えば屈曲部での応力集中等により第1の部分よりひずみが大きくなる第2の部分を有している。ここで、上記特許文献1記載の従来技術は、繊維強化樹脂体において、繊維層を形成する素材であるプリプレグ(樹脂が含浸された繊維シート)に予め複数の切込みを設けることによって、賦形時における繊維束の配向の乱れを抑制してシワ・ヨレの発生を防止するものである。しかしながら、特許文献1記載の従来技術では、全てのプリプレグに切込みを設けており、繊維層の積層方向においてこれらの切込みが重複している。そのため、第2の部分を有する繊維強化樹脂体に特許文献1記載の技術を適用すると、第2の部分の繊維束の配向の乱れによるシワ・ヨレの発生は防止されるものの、第2の部分を構成する繊維層の繊維含有率が低下し、かつ、当該繊維層に含まれる繊維束の一部が切断されているため、第2の部分を構成する繊維層の強度・剛性が低下し、第1の部分よりも大きなひずみを生じうるような高応力下で、第2の部分を構成する繊維層が破損し、第2の部分が破壊する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、積層された複数の繊維層からなる繊維強化樹脂体であって、第1の部分と、荷重が入力された場合に第1の部分よりもひずみが大きくなる第2の部分とを有し、前記複数の繊維層は、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含む繊維強化樹脂体において、前記第2の部分を構成する繊維層に含まれる繊維束の配向の乱れを抑制し、当該第2の部分の強度の低下を防止できる繊維強化樹脂体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
[1]繊維強化樹脂体は、他の部材が取り付けられる取付け部を有するとともに、積層された複数の繊維層からなり、第1の部分と、前記取付け部に荷重が入力された場合に前記第1の部分よりもひずみが大きくなる第2の部分とを有し、前記複数の繊維層は、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含み、前記複数の繊維層のうち少なくとも2つの繊維層である第1繊維層および第2繊維層には、前記第1繊維層および前記第2繊維層が含む繊維束が不連続となる不連続部が形成され、前記第1繊維層および前記第2繊維層に含まれる不連続部は、前記第1の部分に存在し、前記第1繊維層および前記第2繊維層の間には、前記複数の繊維層のうち前記第1繊維層および前記第2繊維層以外の少なくとも1つの繊維層である第3繊維層が介在しており、前記第1繊維層および前記第2繊維層に形成された不連続部は、前記第3繊維層により、前記複数の繊維層の積層方向において離隔されている。
【0009】
[2][1]に記載の繊維強化樹脂体であって、前記第3繊維層には、その繊維束が不連続となる不連続部が形成されており、前記第3繊維層に含まれる不連続部は、前記第1の部分に存在し、前記第1繊維層および前記第2繊維層に含まれる不連続部と、前記第3繊維層に含まれる不連続部とは、前記複数の繊維層の積層方向に直交する方向において重複していない。
【0010】
[3][2]に記載の繊維強化樹脂体において、前記第1繊維層、前記第2繊維層または前記第3繊維層に含まれる不連続部のいずれかは、前記配向された連続繊維からなる繊維束が切断された切断部として形成されている。
【0011】
[4][2]または[3]に記載の繊維強化樹脂体において、前記第1繊維層および前記第2繊維層に含まれる不連続部および前記第3繊維層に含まれる不連続部の前記複数の繊維層の積層方向に直交する方向における間隔は、前記第1繊維層、前記第2繊維層または前記第3繊維層のうち、積層方向における厚さが最も厚い繊維層の厚さをtとした場合に、t×125以上である。
【0012】
[5][1]〜[4]のいずれか1つに記載の繊維強化樹脂体において、前記複数の繊維層の積層方向において、少なくとも前記第1の部分の表部には、繊維束が編み込まれた織物を含む繊維層が配置されており、前記織物を含む繊維層は、その繊維束が不連続となる不連続部を含まない。
【0013】
[6][1]〜[5]のいずれか1つに記載の繊維強化樹脂体において、前記第1の部分の樹脂含有率は、前記第2の部分の樹脂含有率を100とした場合に、96以上100以下である。
【0014】
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の繊維強化樹脂体において、前記繊維強化樹脂体は、その一部が屈曲する屈曲部を有し、前記第2の部分は、前記屈曲部に存在している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、積層された複数の繊維層からなる繊維強化樹脂体であって、第1の部分と、荷重が入力された場合に第1の部分よりもひずみが大きくなる第2の部分とを有し、前記複数の繊維層は、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含む繊維強化樹脂体において、前記第2の部分を構成する繊維層に含まれる繊維束の配向の乱れを抑制し、当該第2の部分の強度の低下を防止できる繊維強化樹脂体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
第1実施形態および検討例に係る連結部材を示す斜視図である。
第1実施形態に係る連結部材を示す側面図である。
図1AのA−A’線に沿って切断した構造を示す要部断面図である。
図1BのB−B’線に沿って切断した構造を示す要部断面図である。
第1実施形態に係る連結部材の製造に使用する第2繊維層用シートを示す側面図である。
第1実施形態に係る連結部材の製造に使用する第1繊維層用シートを示す側面図である。
第1実施形態に係る連結部材の製造に使用する第3繊維層用シートを示す側面図である。
第1実施形態に係る連結部材において、疲労解析の結果を示す損傷度コンター図である。
本発明に係る実施例および比較例の試験片の平面図である。
図4Aに示す実施例1の試験片のxz平面に沿う断面図である。
図4Aに示す実施例2の試験片のxz平面に沿う断面図である。
図4Aに示す比較例の試験片のxz平面に沿う断面図である。
本発明に係る実施例1,2および比較例の引張強度試験の結果を示すグラフである。
第1実施形態の連結部材の製造方法に沿い作製した実物の連結部材を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者は、例えば屈曲部を有する繊維強化樹脂体において、当該屈曲部における繊維束の配向の乱れを抑制し、屈曲部の強度の低下を防止することが難しいことを確認した。以下、この理由について、図1Aおよび図1Cに示す検討例の繊維強化樹脂体90に基づいて説明するが、本発明は、屈曲部を有する繊維強化樹脂体に限定されず、下記説明するように、外部から荷重が入力された場合にひずみが大きくなる第2の部分を有し、かつ当該第2の部分において賦形時に繊維束の配向の乱れが生じやすい繊維強化樹脂体に適用することができる。なお、繊維強化樹脂体において、その一部が屈曲部、狭小部その他の形状や寸法が変化する特異部分である場合、当該特異部分は、通常、第1の部分(定常部分)よりもひずみが大きくなる第2の部分であり、かつ、形状や寸法の変化により賦形時に繊維束の配向の乱れが生じやすい部分であるともいえる。すなわち、特異部分である第2の部分を構成する繊維層のせん断変形角度をθ1、定常部分である第1の部分を構成するの繊維層のせん断変形角度をθ2とすると、θ1−θ2>0の関係が成り立つ。繊維束の乱れに起因する強度低下を抑制する点で、θ1−θ2は、10°以下であることが望ましい。
【0018】
図1Aおよび図1Cに示すように、検討例の繊維強化樹脂体90は、積層された複数の繊維層94を有し(以下、複数の繊維層の積層方向をz軸方向とする。本実施の形態においても同じ。)、複数の繊維層94は、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含んでいる。そして、検討例の繊維強化樹脂体90は、短手方向(y軸方向)における断面視において、平坦面部104および湾曲面部105a,105bを有する略コ字形状である。さらに、図1Aに示すように、検討例の繊維強化樹脂体90は、xy平面における平面視において、略V字形状に形成され、繊維強化樹脂体90の長手方向(x軸方向)において、その一部が屈曲した屈曲部18を有している。検討例の繊維強化樹脂体90では、第1の部分11と、荷重が入力された場合に応力が集中し、拡大した応力のため第1の部分11よりもひずみが大きくなる第2の部分12とを有している。この第2の部分12は、応力集中が生じやすい屈曲部18に主に存在している。
【0019】
繊維強化樹脂体90の製造方法の一例として、プリプレグを複数積層し、オートクレーブ内で加熱・加圧しながら賦形・樹脂硬化し、繊維強化樹脂体90を得る製造方法がある。本発明者は、繊維強化樹脂体90を製造する工程のうち賦形工程において、特に屈曲部18では、当該屈曲部18を構成する繊維層に含まれる繊維束の過度なせん断変形により繊維束の配向が乱れ、その程度が大きい場合にはシワ・ヨレが発生することを確認した。すなわち、検討例の繊維強化樹脂体90のように繊維束の配向が乱れると、強度・剛性が低下するという問題があることを確認した。そして、応力集中が生じやすい屈曲部18に存在する第2の部分12で、繊維束の配向が乱れ第2の部分12の強度が低下すると、応力集中により拡大した応力下で第2の部分12が破損する可能性があることがわかった。
【0020】
以上のように、屈曲部18を有する検討例の繊維強化樹脂体90では、賦形工程によって、屈曲部18を構成する繊維層に含まれる繊維束の配向の乱れが発生し、これによって、繊維強化樹脂体90の強度・剛性が低下するということがわかった。なお、ここでは屈曲部18を有する繊維強化樹脂体90を例に説明したが、上記のように第1の部分11よりもひずみが大きくなる第2の部分12を有し、成形(賦形)の際に、当該第2の部分12を形成すべき繊維層を構成する繊維束がその配向を維持できないような変形を起こしうる繊維強化樹脂体であれば同様の課題を有する。そして、本発明者は、かかる検討例を通じて本発明に係る繊維強化樹脂体を想到した。
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る好ましい実施形態である第1実施形態(以下、第1態様と称する場合がある。)の繊維強化樹脂体について、図面を参照して説明する。
【0022】
<第1態様の繊維強化樹脂体の構成およびその作用効果>
以下、第1態様の繊維強化樹脂体の構成について説明する。第1態様に係る繊維強化樹脂体10は、その好ましい適用例である連結部材として適用した形態である。そのため、第1態様として、繊維強化樹脂体を適用した連結部材を例に以下説明する。図1Aは、第1態様に係る連結部材10を示す斜視図、図1Bは、図1Aの連結部材10の側面図、図1Cは、図1AのA−A’線に沿って切断した構造を示す要部断面図、図1Dは、図1BのB−B’線に沿って切断した構造を示す要部断面図である。
【0023】
まず、第1態様に係る連結部材(繊維強化樹脂体)の特徴的な構成を説明する。図1Dに示すように、第1態様に係る繊維強化樹脂体は、積層された複数の繊維層14a,14b,14c,14d,14e,14fからなっている。そして、図1Aおよび図1Bに示すように、連結部材である繊維強化樹脂体10は、他の部材が取付けられる取付け部である孔部101を有し、さらに、第1の部分11と、孔部(取付け部)101に荷重が入力された場合に第1の部分11よりもひずみが大きくなる第2の部分12とを有している。複数の繊維層14a〜14fは、それぞれ連続繊維からなる配向された繊維束を含んでいる。また、図1Dに示すように、複数の繊維層14a〜14fのうち少なくとも2つの繊維層である第1繊維層14bおよび第2繊維層14dには、第1繊維層14bおよび第2繊維層14dが含む繊維束が不連続となる不連続部(以下、第1不連続部という場合がある。)17aが形成されており、当該第1不連続部17aは、第1の部分11に存在している。
【0024】
また、第1繊維層14bおよび第2繊維層14dの間には、複数の繊維層14a〜14fのうち第1繊維層14bおよび第2繊維層14d以外の少なくとも1つの繊維層である第3繊維層14cが介在しており、第1繊維層14bおよび第2繊維層14dに形成された第1不連続部17aは、第3繊維層14cにより、複数の繊維層14a〜14fの積層方向において離隔されている。
【0025】
ここで、連結部材の第1の部分および第2の部分について説明する。図1Aを参照して説明したように、検討例の連結部材90の屈曲部18には、連結部材90に荷重が入力された場合に、応力が集中するとともに製造工程(賦形工程)において、繊維束の配向が乱れるため強度・剛性が低下する第2の部分12が存在する。一方で、上記繊維束の配向の乱れを抑制するため第2の部分12に不連続部(切断部)を形成すると、当該不連続部により第2の部分12の強度が低下するため、応力集中により拡大した応力下で第2の部分12が破損する可能性がある。そこで、本発明では、図1Aおよび図1Bに示すように、連結部材(繊維強化樹脂体)10において、その一部が屈曲した屈曲部18に存在する第2の部分12における繊維束の配向の乱れの発生を抑制し強度・剛性の低下を防止しつつ、第2の部分12を避けるように(つまり第1の部分11に)、第1繊維層14bおよび第2繊維層14dの不連続部17aおよび後述する第3繊維層14cの不連続部(以下、第2不連続部という場合がある。)17bを形成する点に一つの特徴がある。つまり、図1Bに示すように、第1態様の連結部材10においては、孔部(取付け部)101に荷重が入力された場合に、応力集中による拡大した応力下にある第2の部分12よりもひずみが小さくなる第1の部分11に、第1不連続部17aおよび第2不連続部17bを形成している。
【0026】
上記のように、第2の部分12を避け、第1の部分11に第1不連続部17aおよび第2不連続部17bを配置するため、第2の部分12の範囲を適正に画定する必要がある。第2の部分12の範囲の画定方法の一例について以下説明する。本発明者は、第2の部分12を画定するため、連結部材10の孔部(取付け部)101に荷重を入力した場合に生じる応力およびひずみの発生状態を分析した。図3は、検討例の連結部材90の損傷解析の結果を示す損傷度コンター図であり、損傷度、つまりひずみ量が一定以上となる部分が濃く示されている。図3に示すように、損傷度(ひずみ量)が一定以上となる箇所が局所的に存在することがわかる。本発明者は、図3に示す連結部材10の損傷度(ひずみ量)の結果を踏まえて、図1Aおよび図1Bに示すように、第1態様の連結部材10において、このひずみ量が一定以上となる箇所を第2の部分12と画定した。具体的には、孔部101に対し荷重が入力された場合に、下記式1で定義するように、連結部材10の各部分に生じる最大主ひずみε

、最小主ひずみε

の絶対値の最大値を主ひずみDとする。
【0027】
D=Max[|ε

|,|ε

|] (式1)
【0028】
ここで、式中のMaxは括弧内の最大主ひずみの絶対値|ε

|または最小主ひずみの絶対値|ε

|のうち大きい値をとることを意味している。そして、第2の部分12は、連結部材10の破断ひずみをD
max
としたとき、主ひずみDと破断ひずみD
max
の比D/D
max
が、0.9以上となる部分とした。
【0029】
なお、連結部材10における第1の部分11および第2の部分12の占める位置および面積(体積)は、後述する連結部103の形状によって変動する。従って、図1Bに示す不連続部17aおよび不連続部17bの位置は一例であり、連結部103の形状に基づいて定められる第1の部分11に第1不連続部17aおよび第2不連続部17bが形成されていればよい。また、孔部101周辺には応力が集中するため、孔部101を構成する繊維層には第1不連続部17aおよび第2不連続部17bを形成しないことが望ましい。
【0030】
図1A〜図1Dに示す第1態様の連結部材(繊維強化樹脂体)10では、上記のような構成を採用したことにより、第2の部分12を構成する繊維層14a〜14fに含まれる繊維束の配向の乱れを防止し、強度の低下を防止することができる。以下、その理由について具体的に説明する。
(【0031】以降は省略されています)

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