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公開番号2020195251
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201203
出願番号2019101045
出願日20190530
発明の名称モータ
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人
主分類H02K 7/00 20060101AFI20201106BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】出力シャフトに対するピン部材の圧入構造の改善を図り、ピン部材に可動可能に取り付けられるコマ部材の円滑な可動を安定して確保可能にしたモータを提供する。
【解決手段】モータのジョイント部20は、出力シャフト12に設けられた貫通孔12aに圧入されるピン部材21と、ピン部材21に対して可動可能に取り付けられるコマ部材22とを備える。コマ部材22が可動可能に取り付けられるピン部材21は、出力シャフト12の貫通孔12aとの圧入に用いられる部位の外周面に、例えば複数周の螺旋状溝よりなる凹部21aを有している。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
出力シャフト(12)を有するモータ本体(11)と、
前記出力シャフトに設けられた貫通孔(12a)に圧入態様にて固定され、前記出力シャフトの軸線(L1)と交差するように設けられたピン部材(21)と、
前記ピン部材が挿入する挿入孔(22c)を有し、前記ピン部材に対して可動可能に取り付けられるとともに、前記出力シャフトと一体回転するコマ部材(22)と、備え、
前記ピン部材は、前記出力シャフトの前記貫通孔との圧入に用いられる部位の外周面に凹部(21a)を有している、モータ。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記凹部は、前記ピン部材の軸方向視で前記ピン部材の全周に亘って設けられている、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記凹部は、前記ピン部材の少なくとも1周の螺旋状に設けられている、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記凹部は、前記ピン部材の全長に亘って連続した螺旋状に設けられている、請求項3に記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
続きを表示(約 6,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば、内燃機関のバルブタイミングを調整する電動バルブタイミング調整装置が周知である。電動バルブタイミング調整装置の駆動源として用いられるモータとしては、自身の出力シャフトに対し軸直交方向に向くように設けられるピン部材と、ピン部材に対し可動可能に設けられ出力シャフトと一体的に回転するコマ部材とを備える。コマ部材は、電動バルブタイミング調整装置の機構部と駆動連結され、モータの駆動力を機構部に伝達することでバルブタイミングの調整を行うものとなっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−188302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出力シャフトにピン部材を圧入する構造を採るものでは、ピン部材の圧入による出力シャフトの貫通孔の通過の際、相互間で生じる大きな摩擦力にて、ピン部材の外周面に出力シャフトの貫通孔内壁の一部が食い付いて剥がれる所謂凝着が発生することがある。一例として、出力シャフトが一般的なステンレス鋼材、ピン部材がそれよりも硬い鋼材を用いる場合等に、凝着が生じ得る。凝着が生じると、例えばピン部材の外径が大きくなる事象が生じ、ピン部材に対して可動可能に取り付けられるコマ部材の可動を阻害する懸念があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、出力シャフトに対するピン部材の圧入構造の改善を図り、ピン部材に可動可能に取り付けられるコマ部材の円滑な可動を安定して確保可能にしたモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するモータは、出力シャフト(12)を有するモータ本体(11)と、前記出力シャフトに設けられた貫通孔(12a)に圧入態様にて固定され、前記出力シャフトの軸線(L1)と交差するように設けられたピン部材(21)と、前記ピン部材が挿入する挿入孔(22c)を有し、前記ピン部材に対して可動可能に取り付けられるとともに、前記出力シャフトと一体回転するコマ部材(22)と、備え、前記ピン部材は、前記出力シャフトの前記貫通孔との圧入に用いられる部位の外周面に凹部(21a)を有している。
【0007】
この構成によれば、ピン部材の外周面に設けた凹部は、出力シャフトの貫通孔に対しては非摩擦部位であり凝着が発生しないため、凝着物そのものの発生が少なくなる。また、発生した凝着物を凹部内に逃げさせることも可能なため、凝着物の厚みを薄くすることが期待でき、ピン部材の外径が大きくなる事象の発生を抑制できる。これにより、コマ部材の円滑な可動を安定して確保可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
一実施形態のモータの概略構成図。
同実施形態のジョイント部の拡大図。
同実施形態のジョイント部の分解斜視図。
同実施形態のジョイント部の軸方向視図。
同実施形態のジョイント部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、モータの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、例えば、内燃機関のバルブタイミングを調整する電動バルブタイミング調整装置の駆動源として用いられている。モータ10は、例えばランデル型モータにて構成されたモータ本体11と、モータ本体11により回転駆動される出力シャフト12と、出力シャフト12の先端部位に設けられたジョイント部20とを備えている。モータ10は、出力シャフト12に設けられたジョイント部20を介して、電動バルブタイミング調整装置の機構部(図示略)の入力部材30と駆動連結している。モータ10は、通電駆動による出力シャフト12の回転を通じて、ジョイント部20を介して内燃機関のバルブタイミングの調整を行う。
【0010】
モータ本体11は、出力シャフト12を含むモータ構成部材を収容するハウジング13を備えている。ハウジング13は、軸受収容部13aを有し、軸受収容部13aには出力シャフト12を軸支するボール軸受等の軸受14が収容されている。また、ハウジング13は、軸受収容部13aと連続してシール収容部13bを有し、シール収容部13bには出力シャフト12とハウジング13との間の開口をシールするシール部材15が収容されている。
【0011】
図2に示すように、ジョイント部20は、ピン部材21と、ピン部材21によって出力シャフト12に連結されたコマ部材22とを備えている。ジョイント部20は、出力シャフト12と入力部材30との相互の軸間の偏心、傾斜、及びねじれ等を含む軸ずれを許容する。
【0012】
図3及び図4に示すように、ピン部材21は、略円柱状をなす。ピン部材21は、ハウジング13から突出する出力シャフト12の先端部位に形成された貫通孔12aに圧入され固定されている。ピン部材21は、その軸線L2が出力シャフト12の軸線L1に対して直交するように出力シャフト12に組み付けられている。また、ピン部材21の軸方向両端部は、貫通孔12aからそれぞれ突出している。
【0013】
ここで、ランデル型モータにて構成されるモータ本体11では、出力シャフト12が非磁性であるのが好ましい等の理由から、本実施形態の出力シャフト12は、例えばステンレス鋼の一つであるSUS304にて構成されている。このような出力シャフト12に対し、ピン部材21は、例えばステンレス鋼の一つの高炭素クロム鋼であるSUJ2にて構成され、SUS304である出力シャフト12よりも硬く構成されている。そのため、出力シャフト12の貫通孔12aにピン部材21を圧入する際に、ピン部材21の外周面に凝着の発生が懸念されるところである。
【0014】
それを踏まえ、本実施形態のピン部材21は、出力シャフト12の貫通孔12aとの圧入に用いられる部位の外周面に凹部21aを有している。ピン部材21において、出力シャフト12の貫通孔12aとの圧入に用いられる部位とは、圧入時に貫通孔12aと摩擦を生じる部位を含む。本実施形態の場合、凹部21aは、ピン部材21の軸方向の全域に亘って設けられている。また、凹部21aは、ピン部材21周りに一周を超える螺旋状に設けられている。すなわち、凹部21aは、ピン部材21の全長に亘って連続した複数周の螺旋状溝となっている。このような螺旋状溝の凹部21aは、ピン部材21の外周面に生じ得る凝着の発生を低減する機能を有する。このようなピン部材21の作用効果については後述する。
【0015】
コマ部材22は、その軸線L3方向に薄い扁平形状をなしている。コマ部材22は、軸線L3を中心に略円環状に形成された円環部22aと、円環部22aから径方向外側に互いに反対方向に延びさらに軸方向にも延びる一対の腕部22bとを備えている。円環部22aは、出力シャフト12の先端部が内側に挿入される。円環部22aの内径は、出力シャフト12の外径よりも大きく設定されている。円環部22aの内周面と出力シャフト12の外周面との間には、隙間Sが形成されている。
【0016】
円環部22aには、ピン部材21が挿入される挿入孔22cが180度対向位置にそれぞれ形成されている。なお、各挿入孔22cを設けた位置は、各腕部22bを設けた位置に対して例えば60度の角度位置、すなわち90度とは異なる角度位置に設定されている。ピン部材21は、挿入孔22cに遊嵌されている。コマ部材22は、ピン部材21によって揺動可能に支持されている。また、円環部22aと出力シャフト12との間に径方向の隙間Sが設定されているため、コマ部材22は、ピン部材21に沿ってスライド移動可能となっている。つまり、コマ部材22は、出力シャフト12の軸線L1と直交する態様にて取り付けられたピン部材21に対し、そのピン部材21の軸線L2周りの揺動と、ピン部材21の軸線L2に沿ったスライド移動とが可能に設けられている。
【0017】
電動バルブタイミング調整装置の機構部の入力部材30について、入力部材30は略円環状をなし、外周にギヤ歯を有している。入力部材30は、機構部を構成する後段ギヤ(図示略)と噛合されている。入力部材30は、その内側にコマ部材22が配置される。入力部材30の内周面の180度対向位置には、一対の係合溝30aが形成されている。係合溝30aは、入力部材30の軸方向に沿って形成されている。係合溝30aには、コマ部材22の腕部22bがそれぞれ嵌め込まれている。これにより、コマ部材22の回転方向において腕部22bが係合溝30aの内側面と係合するため、コマ部材22の回転が入力部材30に伝達可能となっている。
【0018】
図4に示すように、各係合溝30aにおいて、腕部22bとの間に径方向の間隙Gが設けられている。これにより、コマ部材22は、係合溝30aの周方向内側面に沿って径方向の間隙G方向に相対移動可能となっている。また、コマ部材22は、係合溝30aの周方向内側面に面接触する状態で入力部材30に対して傾斜、すなわち互いの軸線L3,L4同士が傾斜可能となっている。
【0019】
次に、モータ10のジョイント部20、特にジョイント部20のピン部材21に関する作用を図3及び図5を用いて説明する。
図3及び図5に示すように、ジョイント部20の組み付け時、ピン部材21は、挿入方向Kに沿って、コマ部材22の一方側の挿入孔22c、出力シャフト12の貫通孔12a、及びコマ部材22の他方側の挿入孔22cに挿入される。ピン部材21は各挿入孔22cとは遊嵌合のため、ピン部材21の挿入の際に特に大きな摩擦は生じず、その挿入抵抗は小さい。
【0020】
これに対し、ピン部材21は、貫通孔12aに圧入される態様のため、ピン部材21が貫通孔12aを挿通する際に貫通孔12aの内側面との間で大きな摩擦が生じる。その際、出力シャフト12の貫通孔12aを通過する際に、ピン部材21の外周面に貫通孔12aの内壁の一部が食い付いて剥がれる凝着が発生し得る。凝着が発生すると、例えばピン部材21の外周面に凝着物Aが付着する。凝着物Aは、挿入方向Kにおいて両部材間の摩擦距離が長くなると厚くなる傾向がある。
【0021】
ところで、ピン部材21は、外周面に凝着物Aが付着することによって大径化する。ピン部材21の大径化は、遊嵌合の設定となっている挿入孔22cとの間の隙間をなくし、コマ部材22の揺動及びスライド移動といった円滑な可動を阻害することに繋がるため、極力これを回避したい。
【0022】
本実施形態の場合、ピン部材21の外周面に複数周の螺旋状溝よりなる凹部21aが設けられているため、挿入方向Kへの圧入において、ピン部材21と出力シャフト12の貫通孔12aとの間の摩擦距離が短くなり、凝着物Aそのものの発生が少なくなる。また、摩擦距離が長くなるほど凝着物Aが積み重なり厚みの増大に繋がるが、挿入方向Kにおいて、ピン部材21と出力シャフト12の貫通孔12aとは摩擦部位と非摩擦部位である凹部21aとが交互となるため、凝着物Aの積み重なりが凹部21a毎に途切れる。しかも、凝着物Aが凹部21a内に逃げることも可能となる。これらから、出力シャフト12の貫通孔12aへの圧入時においてピン部材21の外周面への凝着物Aの発生が少なく、厚みも薄くなって大径化が抑制される。そのため、ピン部材21と遊嵌合の設定となっているコマ部材22の挿入孔22cとの間の十分な隙間を安定して確保することが可能となっている。
【0023】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ピン部材21は、出力シャフト12の貫通孔12aとの圧入に用いられる部位の外周面に、複数周の螺旋状溝よりなる凹部21aを備えている。つまり、ピン部材21の外周面に設けた凹部21aは、出力シャフト12の貫通孔12aに対しては非摩擦部位であり凝着が発生しないため、凝着物Aそのものの発生を抑制することができる。また、凹部21aにて凝着物Aの積み重なりを途切れさせることもでき、凝着物Aを凹部21a内に逃げさせることもできるため、凝着物Aの厚みを薄くでき、ピン部材21の外径が大きくなる事象の発生を抑制することができる。これにより、コマ部材22の円滑な可動を安定して確保することができる。
【0024】
(2)複数周の螺旋状溝よりなる凹部21aは、換言すればピン部材21の軸線L2方向視でピン部材21の全周に亘って設けられている。つまり、ピン部材21の全周のいずれにおいても必然的に凹部21aが位置することになるため、凹部21aにて凝着物Aの積み重なりをより確実に途切れさせることができる。これにより、ピン部材21の大径化をより確実に抑制することができる。
【0025】
(3)凹部21aは、ピン部材21に対して少なくとも1周の螺旋状に設けられている。つまり、凹部21aにて凝着物Aの積み重なりをより確実に途切れさせつつも、凝着物Aを凹部21a内に逃げさせ易くすることができる。このことによっても、ピン部材21の大径化をより確実に抑制することができる。
【0026】
(4)凹部21aは、ピン部材21の全長に亘って連続した螺旋状に設けられている。つまり、ピン部材21の全長に亘る凹部21aの形成が一連の加工で行えるため、凹部21aの形成が容易となる。また、凹部21aをピン部材21の全長に設けることによりピン部材21の挿入方向Kが不問となるため、ピン部材21の組み付けを行い易い。
【0027】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・凹部21aを複数周の螺旋状溝として設けたが、これに限定されず、例えば1周の螺旋状溝であってもよい。また、凹部21aは、軸方向の所定間隔毎に独立した環状溝であってもよい。この場合、完全な環状溝であってもよく、また個々の環状溝は完全な環状溝ではないものの軸方向視で複数個が重なることでピン部材21の全周に亘るものとしてもよい。また、凹部21aは、周方向の所定間隔毎に独立し、軸方向に沿った直線溝や蛇行溝であってもよい。また、凹部21aは、複数個が点在する態様であってもよい。この場合も、軸方向視で複数個が重なることでピン部材21の全周に亘るものとしてもよい。
【0028】
・凹部21aをピン部材21の全長に亘って設けたが、これに限定されず、出力シャフト12の貫通孔12aとの圧入に用いられる部位、すなわち圧入時に貫通孔12aと摩擦を生じる部位に少なくとも設けていれば足りる。例えば、凹部21aは、貫通孔12aから突出した両端部にのみ設けられていてもよいし、挿入方向Kの先端側の端部にのみ設けられていてもよい。
【0029】
・コマ部材22は、ピン部材21に対し、揺動及びスライド移動のうち少なくとも一方が可能な連結態様であってもよい。
・ピン部材21を出力シャフト12の貫通孔12aに挿入する際、加工用の油剤が用いられてもよい。例えば、加工用の油剤には、モータ10の潤滑油剤が用いられてもよい。
【0030】
・モータ本体11は、ランデル型モータにて構成されるものであったが、これに限定されず、種々のモータであってもよい。
・電動バルブタイミング調整装置に用いられるモータ10に適用したが、これに特に限定されるものではなく、他の用途に用いられるモータに適用してもよい。
【符号の説明】
(【0031】以降は省略されています)

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