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公開番号2020191260
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201126
出願番号2019096854
出願日20190523
発明の名称コネクタ
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人特許業務法人グランダム特許事務所
主分類H01R 43/01 20060101AFI20201030BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】端子金具の損傷や変形を防止する。
【解決手段】コネクタは、端子収容室を有するハウジングと、筒部と、筒部内に収容された弾性接触片とを有し、端子収容室に挿入された端子金具と、ハウジングの前壁部に形成され、相手側端子のタブが前方から筒部内に進入して弾性接触片と接触するように挿入されるタブ挿入孔とを備え、端子金具のうち弾性接触片よりも前方には、前板部が形成され、ハウジングの前壁部には、タブ挿入孔とは別に開口した検知孔が形成され、検知孔は、前壁部における前板部との対向位置に設けられている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
端子収容室を有するハウジングと、
筒部と、前記筒部内に収容された弾性接触片とを有し、前記端子収容室に挿入された端子金具と、
前記ハウジングの前壁部に形成され、相手側端子のタブが前方から前記筒部内に進入して前記弾性接触片と接触するように挿入されるタブ挿入孔とを備え、
前記端子金具のうち前記弾性接触片よりも前方には、前板部が形成され、
前記ハウジングの前記前壁部には、前記タブ挿入孔とは別に開口した検知孔が形成され、
前記検知孔は、前記前壁部における前記前板部との対向位置に配されているコネクタ。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記前板部が、前記筒部を構成する板状部から片持ち状に延出した形態であり、
前記検知孔が、前記筒部における前記タブの進入方向と直交する断面の中央から偏心して配されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記検知孔が、前記前板部のうち前記板状部に連なる基端部を含む領域と対向している請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記前板部が、前記弾性接触片の少なくとも一部を前方から覆う形態である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記検知孔の後端が、前記端子金具のうち前記前板部が形成されていない領域に対して前後方向に対向するように開口しており、
前記検知孔の内周面のうち少なくとも後端部には、後方に向かうほど前記前板部に接近するように傾斜したガイド斜面が形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子金具は、前記端子収容室に形成した弾性変位可能なランスによって抜止めされており、
前記ガイド斜面が前記端子収容室の内面を凹ませた形態である請求項5に記載のコネクタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コネクタハウジングの端子収容室内に端子金具を挿入したコネクタが開示されている。コネクタハウジングの前壁部には、相手側端子のタブを端子収容室に挿入させるための挿入孔が開口している。挿入孔に挿入されたタブは、端子金具の前端部の電気接触部に接触するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平09−043299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコネクタにおいて導通検査を行う際には、検査ピンを挿入孔に挿入し、検査ピンの先端を電気接触部に突き当てるようになっている。電気接触部は、端子金具としての機能上、重要な部位である。そのため、電気接触部に検査ピンを突き当てると、電気接触部が変形し、端子金具が本来の機能を発揮できなくなることが懸念される。
【0005】
本開示のコネクタは、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具の損傷や変形を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、
端子収容室を有するハウジングと、
筒部と、前記筒部内に収容された弾性接触片とを有し、前記端子収容室に挿入された端子金具と、
前記ハウジングの前壁部に形成され、相手側端子のタブが前方から前記筒部内に進入して前記弾性接触片と接触するように挿入されるタブ挿入孔とを備え、
前記端子金具のうち前記弾性接触片よりも前方には、前板部が形成され、
前記ハウジングの前記前壁部には、前記タブ挿入孔とは別に開口した検知孔が形成され、
前記検知孔は、前記前壁部における前板部との対向位置に配されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端子金具の損傷や変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1のコネクタの正面図である。
検知孔に挿入した検知ピンが、端子金具の前板部に接触した状態をあらわす側断面図である。
検知ピンが端子金具を後方へ押し動かした状態をあらわす側断面図である。
端子金具の斜視図である。
検知ピンが端子金具の前板部に接触した状態をあらわす正断面図である。
実施例2の端子金具の正面図である。
実施例3の端子金具の斜視図である。
実施例4の端子金具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)端子収容室を有するハウジングと、
筒部と、前記筒部内に収容された弾性接触片とを有し、前記端子収容室に挿入された端子金具と、
前記ハウジングの前壁部に形成され、相手側端子のタブが前方から前記筒部内に進入して前記弾性接触片と接触するように挿入されるタブ挿入孔とを備え、
前記端子金具のうち前記弾性接触片よりも前方には、前板部が形成され、
前記ハウジングの前記前壁部には、前記タブ挿入孔とは別に開口した検知孔が形成され、
前記検知孔は、前記前壁部における前記前板部との対向位置に配されている。
【0010】
本開示の構成によれば、導通検査の際には、検知ピンを検知孔に挿入して前板部に接触させる。前板部は弾性接触片よりも前方に位置しているので、検知ピンが弾性接触片に接触するおそれはない。検知孔はタブ挿入孔とは別に開口し、タブ挿入孔と検知孔が連通していないので、検知孔に挿入した検知ピンが、タブ挿入孔に誤進入して弾性接触片と接触するおそれもない。したがって、本開示のコネクタによれば、検知ピンの接触に起因する弾性接触片の損傷や変形を防止できる。
【0011】
(2)前記前板部が、前記筒部を構成する板状部から片持ち状に延出した形態であり、前記検知孔が、前記筒部の正面視中央から前記板状部側へ偏心して配されていることが好ましい。
この構成によれば、検知孔が筒部の正面視中央から板状部側へ偏心しているので、検知ピンは、前板部のうち延出端部に近い部位ではなく、前板部のうち板状部に連なる基端部側の部位を押す。したがって、前板部は、検知ピンに押されても後方へ変形するおそれがない。
【0012】
(3)(2)において、前記検知孔が、前記前板部のうち前記板状部に連なる基端部を含む領域と対向していることが好ましい。
この構成によれば、検知ピンが、前板部のうち板状部に連なる基端部を押すことができるので、前板部が検知ピンに押されたときに、前板部が後方へ変形することを確実に防止できる。
【0013】
(4)前記前板部が、前記弾性接触片の少なくとも一部を前方から覆う形態であることが好ましい。
この構成によれば、端子金具が端子収容室の外部に位置する状態においても、異物の干渉に起因する弾性接触片の損傷や変形を防止できる。
【0014】
(5)前記検知孔の後端が、前記端子金具のうち前記前板部が形成されていない領域と前後方向に対向するように開口しており、前記検知孔の内周面のうち少なくとも後端部には、後方に向かうほど前記前板部に接近するように傾斜したガイド斜面が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、検知孔の前端の内径を検知ピンより大きくすることにより、検知ピンを検知孔内に確実に挿入させることができる。検知孔に挿入された検知ピンは、ガイド斜面に摺接させることによって前板部に確実に接触させることができる。
【0015】
(6)(5)において、前記端子金具は、前記端子収容室に形成した弾性変位可能なランスによって抜止めされており、前記ガイド斜面が前記端子収容室の内面を凹ませた形態であることが好ましい。
端子金具と弾性変位可能なランスとの間には、前後方向のクリアランスが生じることが避けられず、このクリアランスの分だけ、端子金具は前後方向に変位可能である。この点に着目し、ガイド斜面は、端子収容室の内面を凹ませた形態となっている。この構成によれば、検知ピンで押された端子金具が、ランスとの間のクリアランスの分だけ後退する過程において、検知ピンは、ガイド斜面に摺接することにより前板部との接触面積を増大させることができる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示のコネクタを具体化した実施例1を、図1〜図5を参照して説明する。本実施例1において、前後の方向については、図2,3における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜5にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図1,5にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0017】
本実施例1のコネクタは、ハウジング10(図1,2参照)と、複数の端子金具30(図2〜4参照)とを備えている。ハウジング10は、合成樹脂製のハウジング本体11と、ハウジング本体11の後端部に取り付けた合成樹脂製のリテーナ12とを有し、全体として左右方向に長い直方形をなす。ハウジング10内には、前後方向に細長い複数の端子収容室13が、左右方向に並んだ状態で形成されている。各端子収容室13は、ハウジング10の後方から端子金具30が挿入されるようになっている。尚、以下の説明において、左右方向と端子収容室13の並列方向は、同義で用いる。
【0018】
図2,3に示すように、ハウジング10は、端子収容室13の底面14(請求項に記載の内面)を構成する底壁部15を有する。底壁部15には、前方(端子収容室13に対する端子金具30の挿入方向と同じ方向)へ片持ち状に延出した形態のランス16が形成されている。ランス16は、端子収容室13に臨んだ状態で、ランス16の後端部を支点として上下方向(ランス16の延出方向と直交する方向)に弾性変位し得るようになっている。ランス16の前端部は、端子金具30を抜止めするための抜止部17として機能する。ランス16が上下方向へ弾性変位すると、抜止部17は円弧を描くように変位する。尚、以下の説明において、上下方向とランス16の弾性変位方向は、同義で用いる。
【0019】
ハウジング10は、端子収容室13の前面部を構成する前壁部18を有する。本実施例1において、前壁部18は、ハウジング10の外壁部のうちハウジング10の前面を構成する壁部である。本実施例1では、ハウジング10の前面のうちハウジング10の上面から下面に至る範囲を、前壁部18と定義する。前壁部18は、端子収容室13よりも上方の領域及び端子収容室13よりも下方の領域に亘っている。
【0020】
前壁部18には、複数の端子収容室13と個別に対向する複数のタブ挿入孔19が形成されている。タブ挿入孔19は、前壁部18を前後方向に貫通し、ハウジング10の前面から端子収容室13の前端まで連通している。上下方向において、タブ挿入孔19は前壁部18の上部に配されている。図5に想像線で示すように、左右方向において、タブ挿入孔19は、端子収容室13の左右方向中央に配されている。図2に示すように、タブ挿入孔19には、相手側端子のタブTがハウジング10の前方から挿入されるようになっている。
【0021】
前壁部18には、複数の端子収容室13と個別に対向する複数の検知孔20が形成されている。図2,3に示すように、検知孔20は、軸線方向を前後方向に向け、前壁部18を前後方向に貫通した形態である。検知孔20は、ハウジング10の前面と端子収容室13の前端とを連通させる。検知孔20とタブ挿入孔19は、直接的には連通しておらず、互いに独立した孔部を構成している。
【0022】
上下方向において、検知孔20は、タブ挿入孔19から下方へ離間した位置(前壁部18の下部)に配されている。端子収容室13の底面14(底壁部15の上面)と概ね同じ高さに位置する。詳細には、検知孔20の軸線は、端子収容室13の底面14よりも僅かに上方に位置する。図1,5に示すように、正面視において、検知孔20は、タブ挿入孔19に対して左方へ偏心した位置に配されている。
【0023】
図2,3に示すように、検知孔20は、定径孔部21と誘導部22とガイド孔部23とを有する。定径孔部21は、検知孔20の大部分の領域を構成している。定径孔部21を軸線と直角に切断した断面形状は、円形である。定径孔部21の内径は、定径孔部21の前端から後端まで一定の寸法である。誘導部22は、定径孔部21の前端に連なり、検知孔20の前端部に配されている。誘導部22は、前方に向かって定径孔部21と同心円状に拡径したテーパ状をなす。誘導部22の前端はハウジング10の前面に開口している。即ち、検知孔20は、前壁部18(ハウジング10の前面)において円形に開口している。
【0024】
ガイド孔部23は、定径孔部21の後端に連なり、検知孔20の後端部を構成している。ガイド孔部23は、前後方向において前壁部18(端子収容室13の前端)よりも後方の領域のみに配されている。したがって、前後方向における検知孔20の形成領域は、前壁部18の前端から、前壁部18の後端(端子収容室13の前端)よりも後方の位置に至る範囲である。
【0025】
検知孔20の軸線は端子収容室13の底面14より少し上方に位置に配されているので、ガイド孔部23を軸線と直角に切断した断面形状は、非円形である。ガイド孔部23は、端子収容室13の底面14において上向きに開口している。定径孔部21の後端は、端子収容室13の前面において後向きに開口している。ガイド孔部23の内周のうち下半分の領域には、後方に向かって次第に高くなるように傾斜したガイド斜面24が形成されている。ガイド斜面24は、後方に向かうほど端子収容室13の底面14との高低差が小さくなるような形態で傾斜している。ガイド斜面24は、端子収容室13の底面14(内面)を凹ませた形態である。
【0026】
図2〜4に示すように、端子金具30は、筒部31と圧着部37とを有する雌型の端子である。筒部31は、基板部32(下板部)と左側板部33(請求項に記載の板状部)と右側板部34と上板部35とを有する。基板部32と左側板部33と右側板部34と上板部35は平板状をなすので、筒部31は、前端と後端が開口された角筒状をなしている。つまり、端子金具30を前方から視た正面視において、筒部31は方形をなす。基板部32の前端部には、下方(筒部31の外面側)へ突出した形態の突起部36が形成されている。圧着部37は、オープンバレル状をなし、筒部31の後端に連なっている。圧着部37は、電線38の前端部に導通可能に圧着されている。
【0027】
図2,3に示すように、端子金具30は弾性接触片40を有している。弾性接触片40は、基板部32の前端から弧を描いて後方へ折り返し、後方へ延出した形態であり、箱部内に収容されている。弾性接触片40は、基板部32に繋がる折返部41(前端部)を支点として上下方向(基板部32に対して接近・離間する方向)へ弾性変位し得るようになっている。弾性接触片40は、折返部41の後端に連なる湾曲部42を有する。湾曲部42は、基板部32から遠ざかるように上向きに突出した形状である。湾曲部42のうち上板部35との対向間隔が最小となる上端部は、タブTと接触可能な接点部43となっている。
【0028】
図4,5に示すように、端子金具30は、左右対称な左前板部44(請求項に記載の前板部)と右前板部45とを有する。左前板部44は、左側板部33(弾性接触片40が連なる基板部32とは別の板状部)の前端縁から左側板部33と直角に右方へ片持ち状に延出している。右前板部45は、右側板部34(弾性接触片40が連なる基板部32とは別の板状部)の前端縁から右側板部34と直角に右方へ片持ち状に延出している。正面視において、左側板部33と右側板部34は、筒部31の左右方向中央部で互いに間隔を空けて左右に並んでいる。左側板部33と右側板部34は、いずれも、弾性接触片40の前端(折返部41)よりも前方に位置し、弾性接触片40の少なくとも折返部41を前方から覆うように保護している。
【0029】
左前板部44の正面視形状は、全体として長辺を上下方向に向けた方形をなす。詳細には、左前板部44の下縁における右端部(延出端部)には、突部46が下向きに且つ左前板部44と面一状に突出している。突部46の下縁は、基板部32の下面(外面)と同じ高さに位置する。左前板部44の左右方向の寸法は、筒部31の幅寸法の1/2よりも少し小さい寸法である。左前板部44の上縁は、弾性接触片40の接点部43及びタブ挿入口の下縁よりも下方(基板部32側)に位置する。左前板部44のうち左側板部33に連なる基端部47の下端は、基板部32の上面よりも上方に位置する。
【0030】
右前板部45の正面視形状は、全体として長辺を上下方向に向けた方形をなす。詳細には、右前板部45の下縁における左端部(延出端部)には、突部46が下向きに且つ右前板部45と面一状に突出している。突部46の下縁は、基板部32の下面(外面)と同じ高さに位置する。右前板部45の左右方向の寸法は、筒部31の幅寸法の1/2よりも少し小さい寸法である。右前板部45の上縁は、弾性接触片40の接点部43及びタブ挿入口の下縁よりも下方(基板部32側)に位置する。右前板部45のうち右側板部34に連なる基端部47の下端は、基板部32の上面よりも上方に位置する。
【0031】
端子金具30は、ハウジング10の後方から端子収容室13内に挿入されている。端子金具30の挿入過程では、ランス16が突起部36と干渉して下方へ弾性変形する。端子金具30が正規位置まで挿入されると、突起部36がランス16を通過するので、ランス16が上方へ弾性復帰し、抜止部17が突起部36に対して後方から対向する。したがって、端子金具30が正規挿入位置から後方へ変位しようとしたときには、吐水部付きが抜止部17に突き当たることにより、端子金具30が抜止めされる。
【0032】
端子金具30の挿入過程でランス16が弾性変形したときの抜止部17(ランス16の前端)は、ランス16が弾性変形していないときの抜止部17よりも後方に位置する。したがって、端子金具30が、正規挿入されてランス16により抜止め可能とされている状態では、突起部36と抜止部17との間には前後方向のクリアランスSが生じる。そのため、正規挿入状態の端子金具30は、左前板部44と右前板部45を前壁部18に当たる最前端位置(図2を参照)と、突起部36が抜止部17(ランス16の前端)に当たる最後端位置(図3を参照)との間で上記クリアランスSの分だけハウジング10に対して前後方向に移動可能である。
【0033】
端子金具30が正規挿入されたコネクタと、相手側コネクタ(図示省略)と嵌合すると、相手側の相手側端子のタブTが、タブ挿入孔19を貫通して筒部31内に挿入され、弾性接触片40を下方へ弾性変形させながら接点部43と上板部35との間に進入する。これにより、タブTが、上板部35と接点部43との間に挟まれて、端子金具30と弾性的に接続される。
【0034】
検知孔20と、正規挿入された端子金具30との位置関係は、次の通りである。図5に示すように、検知孔20の定径孔部21の開口領域内には、左前板部44の突部46を含む下端部の一部と、右前板部45の下端部の一部が配されている。検知孔20の定径孔部21は、左前板部44のうち左側板部33に連なる基端部47の下端部を含む領域と対向している。換言すると、検知孔20は、左前板部44のうち右側縁部(左側板部33からの延出方向先端縁部であり、筒部31の正面視中央部)から左側板部33側へ偏心した部位と対向している。検知孔20の後端は、端子金具30のうち前板部が形成されていない領域にも対向するように開口している。
【0035】
端子金具30を端子収容室13に挿入した後は、導通検査が行われる。導通検査の際には、ハウジング10の前方から円形断面の棒状をなす検知ピンPが挿入される。検知ピンPの外径寸法は、定径孔部21の直径(内径)よりも小さく、定径孔部21の半径よりも大きい。また、検知ピンPの前端部にはテーパ状の誘導部22が形成されている。したがって、検知ピンPが検知孔20に対して上下左右方向へ位置ずれしても、検知ピンPは確実に検知孔20内に挿入される。
【0036】
検知孔20に挿入された検知ピンPは、定径孔部21内を進み、左前板部44の下端部に接触する。検知ピンPが左前板部44に接触したときに、検知回路が閉成されると、端子金具30が適正な端子収容室13に挿入されていると判断される。検知回路が閉成されない場合は、端子金具30が適正な端子収容室13に挿入されていないと判断される。
【0037】
検知ピンPを検知孔20に挿入して左前板部44を押すと、端子金具30が、突起部36とランス16との間のクリアランスS分だけ後退し、この間に、検知ピンPがガイド斜面24に摺接する。ガイド斜面24は、後方に向かうほど左前板部44に対して下から接近するように傾斜しているので、端子金具30が後退するのに伴って、検知ピンPと左前板部44との接触面積が増大する。
【0038】
本実施例1のコネクタは、複数の端子収容室13を有するハウジング10と、端子収容室13に挿入された複数の端子金具30を有する。端子金具30は、筒部31と、筒部31内に収容された弾性接触片40とを有する。ハウジング10は、前壁部18に形成され、相手側端子のタブTが前方から筒部31内に進入して弾性接触片40と接触するように挿入されるタブ挿入孔19を有する。即ち、ハウジング10の前方からタブ挿入孔19に挿入されたタブTは、筒部31内に進入して弾性接触片40と接触するようになっている。端子金具30のうち弾性接触片40よりも前方には、左前板部44が形成されている。ハウジング10の前壁部18には、タブ挿入孔19とは別に開口した検知孔20が形成されている。検知孔20は、前壁部18のうち左前板部44と前後方向に対向する位置に配されている。即ち、正面視において、タブ挿入孔19の開口部と検知孔20の開口部とは、直接的に連通しておらず、非連通の関係である。
【0039】
本実施例1のコネクタによれば、導通検査の際には、検知ピンPを検知孔20に挿入して左前板部44に接触させる。左前板部44は弾性接触片40よりも前方に位置しているので、検知ピンPが弾性接触片40に接触するおそれはない。検知孔20はタブ挿入孔19とは別に開口し、検知孔20とタブ挿入孔19は互いに非連通なので、検知孔20に挿入した検知ピンPが、タブ挿入孔19に誤進入して弾性接触片40と接触するおそれもない。したがって、本実施例1のコネクタによれば、検知ピンPの接触に起因する弾性接触片40の損傷や変形を防止できる。
【0040】
左前板部44は、筒部31を構成する左側板部33から片持ち状に延出した形態である。この形態に鑑み、検知孔20は、筒部31におけるタブTの進入方向と直交する断面の中央(筒部31の正面視中央)から左側板部33側へ偏心して配されている。これにより、検知ピンPは、左前板部44のうち延出端部(右端部)に近い部位ではなく、左前板部44のうち左側板部33に連なる基端部47側の部位を押す。したがって、左前板部44は、検知ピンPに押されても後方へ変形するおそれがない。
【0041】
検知孔20は、左前板部44のうち左側板部33に連なる基端部47を含む領域と対向している。この構成によれば、検知ピンPが、左前板部44のうち左側板部33に連なる基端部47を押すので、左前板部44が検知ピンPに押されたときに、左前板部44が後方へ変形することを確実に防止できる。
【0042】
左前板部44は、右前板部45とともに、弾性接触片40の少なくとも一部(折返部41)を前方から覆う形態である。この構成によれば、端子金具30が端子収容室13の外部に位置する状態においても、異物の干渉に起因する弾性接触片40(特に、折返部41)の損傷や変形を防止できる。折返部41は、弾性接触片40の弾性復元力、即ちタブTとの接触圧を規定するための重要な部位である。したがって、折返部41を左前板部44と右前板部45で覆って保護することにより、端子金具30の機能が損なわれることを防止できる。
【0043】
検知孔20の前端の内径は、検知ピンPの外径よりも大きい寸法に設定されているので、検知ピンPを検知孔20内に確実に挿入させることができるようになっている。その一方で、検知孔20の後端は、端子金具30の前端部のうち左前板部44が形成されていない領域、即ち左前板部44の基端部47よりも下方の領域(図5において、筒部31の左下隅の四半円弧部)に対して前後方向に対向するように開口している。そのため、検知ピンPと左前板部44との接触面積が十分に確保できなくなることが懸念される。
【0044】
そこで、本実施例1では、検知孔20の内周面の後端部(ガイド孔部23)には、後方に向かうほど左前板部44に接近するように斜め上向きに傾斜したガイド斜面24が形成されている。この構成によれば、検知孔20に挿入された検知ピンPは、ガイド斜面24に摺接させることによって左前板部44に確実に接触させることができる。
【0045】
端子金具30は、端子収容室13に形成した弾性変位可能なランス16によって抜止めされている。そのため、端子金具30と弾性変位可能なランス16との間には、前後方向のクリアランスSが生じることが避けられず、このクリアランスSの分だけ、端子金具30は前後方向に変位可能である。この点に鑑み、ガイド斜面24は、端子収容室13の内面を凹ませた形態となっている。この構成によれば、検知ピンPで押された端子金具30が、ランス16との間のクリアランスSの分だけ後退する過程において、検知ピンPは、ガイド斜面24に摺接することにより左前板部44との接触面積を増大させることができる。
【0046】
[実施例2]
本開示を具体化した実施例2を、図6を参照して説明する。本実施例2は、端子金具50の左前板部51(請求項に記載の板状部)と右前板部52を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0047】
左前板部51は、左側板部33の前端縁から左側板部33と直角に右方へ片持ち状に延出している。右前板部52は、右側板部34の前端縁から右側板部34と直角に左方へ片持ち状に延出している。左側板部33からの左前板部51の延出寸法は、右側板部34からの右前板部52の延出寸法よりも小さい。即ち、左前板部51と右前板部52は、左右非対称である。左側板部33と右側板部34は、筒部31の左右方向中央よりも左方において、互いに間隔を空けて左右に並んでいる。
【0048】
検知孔20の定径孔部21の開口領域内には、左前板部51の下端部の一部と、右前板部52の下端部の一部が配されている。検知孔20の定径孔部21は、左前板部51のうち左側板部33に連なる基端部47の下端部を含む領域と対向している。定径孔部21の開口領域内において、左前板部51が占める面積は、右前板部52が占める面積よりも大きい。しかし、左前板部51の左側板部33からの延出寸法は、実施例1に比べて小さい。したがって、検知ピンPが左前板部51を押したときに、左前板部51が後方へ変形し難くなっている。
【0049】
[実施例3]
本開示を具体化した実施例3を、図7を参照して説明する。本実施例3は、端子金具55の前板部56を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0050】
本実施例2の端子金具55が有する前板部56の数は、1枚だけである。前板部56は、左側板部33の前端縁から左側板部33と直角に右方へ片持ち状に延出している。前板部56の延出端縁部(右端縁部)は、右側板部34の前端縁に対して前方から接近して対向し、又は右側板部34の前端縁に対して前方から覆うように接触している。前板部56は、基端部57(左端縁部)と延出端部(右端縁部)の2箇所で、筒部31に支持されている。したがって、検知ピンPが前板部56を後方へ押しても、前板部56が後方へ変形するおそれはない。
(【0051】以降は省略されています)

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