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公開番号2020188675
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2020031686
出願日20200227
発明の名称回転電機、及びコアの製造方法
出願人株式会社一宮電機
代理人個人,個人
主分類H02K 1/18 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転電機の溶接箇所に渦電流が生じ難くして、回転電機の損失を低減することにある。
【解決手段】回転電機10は、外周部にマグネット40を有するロータ31と、ロータ31の外周部とギャップを介して対向する複数のティース44を有するステータコア42と、ステータコア42の表面の一部を覆う電気絶縁体45と、電気絶縁体45を介してステータコア42に巻回された複数のコイル39と、を備えている。ステータコア42は、軸方向102に積層された複数枚の鋼板42Aを有している。複数枚の鋼板42Aのうち少なくとも軸方向102において隣り合う2枚は、ステータコア42の表面であって、ステータコア42に生じる閉磁気回路の外側となる位置において溶接されている。複数枚の鋼板42Aは、ステータコア42の表面であって、各ティース44のロータ31と対向する位置では溶接されていない。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
第1方向に延びる軸線周りに回転可能であって、外周部にマグネットを有するロータと、
上記ロータの外周部とギャップを介して対向する複数のティースを有するコアと、
上記コアの表面の一部を覆う絶縁体と、
上記絶縁体を介して上記コアに巻回された複数のコイルと、を備えており、
上記コアは、上記第1方向に積層された複数枚の鋼板を有しており、
上記複数枚の鋼板の各々は、上記第1方向において0.3mm以下の厚さを有しており、
上記複数枚の鋼板のうち、上記第1方向において隣り合う少なくとも2枚は、上記コアの表面であって、上記コアに生じる閉磁気回路の外側となる位置で溶接されており、
上記複数枚の鋼板は、上記各ティースの上記ロータと対向する外面において溶接されていない回転電機。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
上記コアは、
上記第1方向に積層されて接着剤により相互に接着されたm枚(但し、mは2以上の整数)の上記鋼板を有する複数の鋼板ユニットを備え、
上記各鋼板ユニットは、上記第1方向に積層されており、上記各鋼板ユニットにおいて上記第1方向の端に位置して上記第1方向に隣り合う鋼板同士が溶接されている請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
上記各ティースにおける上記ギャップ寄りの部分を包囲する樹脂モールドをさらに備えた請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項4】
第1方向に延びる軸線周りに回転可能であり、外周部にマグネットを有するロータと、
上記軸線と交差する第2方向に上記ロータの外周部から離間するヨークと、上記第1方向及び上記第2方向に交差する第3方向における上記ヨークの両端から延び、且つ上記ロータの外周部とギャップを介して対向する2つのティースと、をそれぞれが有している3個以上の分割コアと、
上記ヨークのそれぞれを覆う3個以上の絶縁体と、
上記絶縁体のそれぞれを介して上記ヨークに巻回された3個以上のコイルと、を備えており、
上記分割コアのそれぞれは、上記第1方向に積層された複数枚の鋼板を有しており、
上記複数枚の鋼板の各々は、上記第1方向において0.3mm以下の厚さを有しており、
上記複数枚の鋼板のうち、上記第1方向において隣り合う少なくとも2枚は、上記分割コアの表面において上記分割コアに生じる閉磁気回路の外側の位置であり且つ上記第3方向における上記ヨークの端である溶接箇所で溶接されており、
上記複数枚の鋼板は、上記各ティースの上記ロータと対向する外面において溶接されていない回転電機。
【請求項5】
上記分割コアのそれぞれは、上記第1方向に積層されて接着剤により相互に接着されたm枚(但し、mは2以上の整数)の上記鋼板を有する3個以上の鋼板ユニットを備え、
上記3個以上の鋼板ユニットは、上記第1方向に積層されており、
上記各鋼板ユニットにおいて上記第1方向の端に位置して上記第1方向に隣り合う鋼板同士は、上記溶接箇所で溶接されており、
上記第1方向において隣り合う2つの上記溶接箇所の一方及び他方は、上記第3方向における上記ヨークの一方端及び他方端にある、請求項4に記載の回転電機。
【請求項6】
上記各ティースは、上記ヨークの上記第3方向における両端から前記ギャップに至るまで上記第2方向に沿って延びる平面を有する、請求項4又は5に記載の回転電機。
【請求項7】
上記各ティースの延出端側において、上記各ティースを包囲する樹脂モールドをさらに備えた請求項4から6のいずれかに記載の回転電機。
【請求項8】
コアの製造方法であって、
上記コアの平面形状を有する複数枚の鋼板を第1方向に積層して溶接する溶接工程を含み、
上記溶接工程で作成された溶接体は、ヨークと、上記第1方向と交差する第2方向に上記ヨークから延びるティースと、を有しており、
上記溶接工程では、上記複数枚の鋼板のうち、上記第1方向において隣り合う少なくとも2枚は、上記ヨークの表面において上記ヨークに生じる閉磁気回路の外側の位置で溶接され、且つ上記ティースにおいて溶接されず、
上記製造方法は更に、
上記溶接体の表面を絶縁体で覆う工程と、
上記ティースの歯先面寄りの部分に治具を取り付けて上記ティースの歯先寄りの部分を上記第1方向において固定した状態で、上記絶縁体の周囲に金属線を巻回する工程とを含む、コアの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機又は発電機である回転電機、及びコアの製造方法に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
インナーロータ型の電動機において、ステータのコアは通常、複数の鋼板が積層されてなる。積層された各鋼板にダボカシメ部がそれぞれ形成される構造が主流となっている。ダボカシメ部は、鋼板の一方の面から凹み、他方の面から突出している。積層されている方向において、各ダボカシメ部が嵌合することによって、複数の鋼板が互いに連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018−11410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動機を高回転化すると、電動機に要するトルクは小さくなる。その結果、電動機の体格を小型にできる。電動機の高回転化に伴って、鋼板に生じる渦電流による電動機の損失が大きくなる。これに対して、例えば、厚さが0.3mm以下の薄い鋼板を使用すると、各鋼板の厚み方向に生じる渦電流を小さくできる。しかし、薄い鋼板にダボカシメ部を形成することは難しい。
【0005】
ダボカシメ部に代えて、レーザ等による溶接によって、積層された鋼板同士を連結することが考えられる。しかし、溶接された箇所は隣り合う鋼板が厚み方向に連続するので、溶接された箇所に生じる渦電流が大きくなる。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転電機の溶接箇所に渦電流が生じ難くして、回転電機の損失を低減する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の一局面に係る回転電機は、第1方向に延びる軸線周りに回転可能であって、外周部にマグネットを有するロータと、上記ロータの外周部とギャップを介して対向する複数のティースを有するコアと、上記コアの表面の一部を覆う絶縁体と、上記絶縁体を介して上記コアに巻回された複数のコイルと、を備えている。上記コアは、上記第1方向に積層された複数枚の鋼板を有している。上記複数枚の鋼板の各々は、上記第1方向において0.3mm以下の厚さを有しておしている。上記複数枚の鋼板のうち、上記第1方向において隣り合う少なくとも2枚は、上記コアの表面であって、上記コアに生じる閉磁気回路の外側となる位置で溶接されている。上記複数枚の鋼板は、上記各ティースの上記ロータと対向する外面において溶接されていない。
【0008】
(2) 上記コアは、上記第1方向に積層されて接着剤により相互に接着されたm枚(但し、mは2以上の整数)の上記鋼板を有する複数の鋼板ユニットを備えている。上記各鋼板ユニットは、上記第1方向に積層されており、上記各鋼板ユニットにおいて上記第1方向の端に位置して上記第1方向に隣り合う鋼板同士が溶接されている。
【0009】
(3) 上記各ティースにおける上記ギャップ寄りの部分を包囲する樹脂モールドをさらに備えている。
【0010】
(4) 本発明の他の局面に係る回転電機は、第1方向に延びる軸線周りに回転可能であり、外周部にマグネットを有するロータと、上記軸線と交差する第2方向に上記ロータの外周部から離間するヨークと、上記第1方向及び上記第2方向に交差する第3方向における上記ヨークの両端から延び、且つ上記ロータの外周部とギャップを介して対向する2つのティースと、をそれぞれが有している3個以上の分割コアと、上記ヨークのそれぞれを覆う3個以上の絶縁体と、上記絶縁体のそれぞれを介して上記ヨークに巻回された3個以上のコイルと、を備えている。上記分割コアのそれぞれは、上記第1方向に積層された複数枚の鋼板を有している。上記複数枚の鋼板の各々は、上記第1方向において0.3mm以下の厚さを有している。上記複数枚の鋼板のうち、上記第1方向において隣り合う少なくとも2枚は、上記分割コアの表面において上記分割コアに生じる閉磁気回路の外側の位置であり且つ上記第3方向における上記ヨークの端である溶接箇所で溶接されている。上記複数枚の鋼板は、上記各ティースの上記ロータと対向する外面において溶接されていない。
【0011】
(5) 上記分割コアのそれぞれは、上記第1方向に積層されて接着剤により相互に接着されたm枚(但し、mは2以上の整数)の上記鋼板を有する3個以上の鋼板ユニットを備えている。上記3個以上の鋼板ユニットは、上記第1方向に積層されている。上記各鋼板ユニットにおいて上記第1方向の端に位置して上記第1方向に隣り合う鋼板同士は、上記溶接箇所で溶接されている。上記第1方向において隣り合う2つの上記溶接箇所の一方及び他方は、上記第3方向における上記ヨークの一方端及び他方端にある。
【0012】
(6) 上記各ティースは、上記ヨークの上記第3方向における両端から前記ギャップに至るまで上記第2方向に沿って延びる平面を有する。
【0013】
(7) 回転電機は、上記各ティースの延出端側において、上記各ティースを包囲する樹脂モールドをさらに備えている。
【0014】
(8) 本発明の他の局面は、コアの製造方法であって、上記コアの平面形状を有する複数枚の鋼板を第1方向に積層して溶接する溶接工程を含む。上記溶接工程で作成された溶接体は、ヨークと、上記第1方向と交差する第2方向に上記ヨークから延びるティースと、を有している。上記溶接工程では、上記複数枚の鋼板のうち、上記第1方向において隣り合う少なくとも2枚は、上記ヨークの表面において上記ヨークに生じる閉磁気回路の外側の位置で溶接され、且つ上記ティースにおいて溶接されない。上記製造方法は更に、上記溶接体の表面を絶縁体で覆う工程と、上記ティースの歯先面寄りの部分に治具を取り付けて上記ティースの歯先寄りの部分を上記第1方向において固定した状態で、上記絶縁体の周囲に金属線を巻回する工程とを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転電機の溶接箇所に渦電流が生じ難くして、回転電機の損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機10及びコントローラ37の構成を示す模式図である。
図2は、図1の線II−IIに沿う回転電機10の断面を軸方向102から見たときの模式図である。
図3は、図1のマグネット40の配置と、ステータコア42における磁界分布とを示す模式図である。
図4は、ステータコア42における閉磁気回路42Cの一例を示す模式図である。
図5は、ステータコア42の製造工程を示す模式図である。
図6は、ステータ33の変形例を示す模式図である。
図7は、図6の分割コア71を遠心方向111から見たときの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る回転電機10について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0018】
[回転電機10の概略構成]
図1に示されるように、回転電機10は、電動機であり、より特定的にはインナーロータ型のブラシレスモータ30である。ブラシレスモータ30は、ロータ31、シャフト32、及びステータ33等を、ハウジング36の内部に備えている。ブラシレスモータ30は、ハーネス38を介してコントローラ37と電気的に接続されている。コントローラ37は、ハーネス38を介して、ブラシレスモータ30が有する12個のコイル39のそれぞれに、U相、V相、及びW相のいずれかの交流電圧を印加する。
【0019】
[ロータ31]
図1及び図2において、ロータ31は、軸線104周りに回転可能である。軸線104は、図1中、一点鎖線で示されている。軸線104が延びる軸方向102は、第1方向の一例である。ロータ31は、ロータコア49を備えている。ロータコア49は、概ね円環形状を有する薄い複数の鋼板を軸方向102に積層した積層体である。鋼板は、具体的には、電磁鋼板である。ロータコア49は、概ね円筒形状であり、外周面53(外周部の一例)、及び内周面55を有している。外周面53及び内周面55は、互いに異なる径を有する概ね円柱面である。外周面53及び内周面55は、軸線104を中心軸として共有している。内周面55は、貫通孔54を区画する。
【0020】
図2に示されるように、ロータ31は、8個のマグネット40を有している。各マグネット40は、永久磁石である。8個のマグネット40は、軸方向102から見た場合に、軸線104を中心とする周方向105において等角度間隔でロータコア49に配置されている。より詳細には、8個のマグネット40は、周方向105においてN極及びS極が交互に外周面53上に現れるように配置され(図2参照)、外周面53から露出している(図3参照)。8個のマグネット40は、互いに同じ形状を有しており、ロータ31において軸方向102の両端面に及ぶ程度の長さを有している(図1参照)。
【0021】
[シャフト32]
図1に示されるように、シャフト32は、軸方向102においてロータ31よりも長い円柱形状を有する部材である。シャフト32は、ロータコア49に形成される貫通孔54の径と実質的に同じ径を有している。シャフト32は貫通孔54に挿入される。シャフト32の両端は貫通孔54から軸方向102に突き出る。このように挿入された状態で、シャフト32は、ロータコア49の内周面55に固定される。シャフト32は、軸方向102の両側で、ハウジング36に設けられている2個のベアリング52を介してハウジング36に支持されている。これにより、シャフト32は、ロータ31とともに周方向105にハウジング36に対して回転可能である。軸方向102におけるシャフト32の一方端は、ハウジング36から軸方向102に突き出ている。
【0022】
[ステータ33の概略構成]
図1及び図2に示されるように、ステータ33は、ステータコア42(コアの一例)、12個の電気絶縁体45(絶縁体の一例)、及び12個のコイル39を備えている。なお、図2には、3個の電気絶縁体45及び1個のコイル39のみが示されている。
【0023】
[ステータコア42]
ステータコア42は、ロータ31の外周面53を包囲するように配置されており、大略的には筒状形状を有している。ステータコア42の内部には、外周面53上のN極からS極(図4参照)に向かう閉磁気回路42Cが形成される。なお、図4には、2個の閉磁気回路42Cのみが示されている。ステータコア42は、ステータヨーク43、及び12個のティース44を有している。なお、図2、図3には、1個のティースにのみ参照符号44が付されている。
【0024】
ステータヨーク43は、筒状形状を有しており、外周面61、及び内周面62を有している。外周面61及び内周面62は、互いに異なる径を有する概ね円柱面である。外周面61及び内周面62は、軸線104を中心軸として共有している。内周面62は、ロータ31の外周面53よりも大きい径を有している。
【0025】
12個のティース44は、互いに同じ形状を有する。12個のティース44は、軸方向102から見た場合に、周方向105において等角度間隔で内周面62上に配置されている。各ティース44は、内周面62から軸線104に向かって、径方向103と平行な延出方向108に延びる。径方向103は、軸線104と直交する方向である。なお、図2等には、径方向103の一例のみが示されている。延出方向108は、第2方向の一例である。なお、図2〜図4には、延出方向108を示す矢印が1つだけ示されている。各ティース44の延出端は歯先面44Aである。各歯先面44Aは、ロータ31の外周面53及び各マグネット40のそれぞれから離間する。即ち、各ティース44は、ロータ31の外周面53とギャップを介して対向する。なお、図2、図3には、1個の歯先面にのみ参照符号44Aが付されている。
【0026】
図2において二点鎖線の枠107内には、一点鎖線IIB−IIBに沿う断面を矢印106の方向から見たときのステータコア42の一部が模式的に示されている。枠107内に示されるように、ステータコア42は、複数枚の鋼板42A(具体的には電磁鋼板)を軸方向102に積層した積層体である。各鋼板42Aは、軸方向102において0.3mm以下の厚さを有することが好ましい。複数枚の鋼板42Aにおける2枚の隣接鋼板42Aは、レーザ等により溶接箇所42Bで溶接される。2枚の隣接鋼板42Aは、軸方向102において隣り合う2枚の鋼板42Aである。
【0027】
枠107内に示されるように、溶接箇所42Bは、鋼板42Aの表面においてステータコア42の表面のうち、外周面61となる位置である。また、図4に示されるように、溶接箇所42Bは、ステータコア42の表面のうち、ステータコア42に生じる閉磁気回路42Cの外側となる鋼板42Aの位置である。また、枠107内に示されるように、複数枚の鋼板42Aは、ステータコア42の表面のうち、ティース44の表面となる位置では溶接されていない。より詳細には、複数枚の鋼板42Aは、各ティース44においてロータ31の外周面53と対向し且つ歯先面44Aとなる位置では溶接されていない。
【0028】
図2に示されるように、溶接箇所42Bは、仮想線109がステータヨーク43の外周面61(コアの外面の一例)と交差する鋼板42Aの表面上の位置でもある。仮想線109は、各ティース44の歯先面44Aと交差し、径方向103及び延出方向108に平行な線である。仮想線109は、図2の一点鎖線IIB−IIBでもある。仮想線109は、より具体的には、歯先面44Aにおける周方向105の中心と交差する。
【0029】
図2の枠107内に示されるように、複数枚の鋼板42Aに含まれる一部の隣接鋼板42Aがレーザ等により溶接され、残りの隣接鋼板42Aは、接着剤42Dにより接着される。
【0030】
図2の枠107内に示されるように、ステータコア42は、複数の鋼板ユニット42Eを備えている。各鋼板ユニット42Eは、軸方向102に積層されて接着剤42Dにより接着されたm枚の鋼板42Aからなる。本実施形態では、m=3の場合、すなわち3枚の鋼板42Aが接着剤42Dにより接着されて1つの鋼板ユニット42Eを構成している。本実施形態では、3個の鋼板ユニット42Eが、軸方向102に積層されている。各鋼板ユニット42Eにおいて軸方向102の端に位置して軸方向102に隣り合う鋼板42A同士は、溶接箇所42Bにおいて溶接されている。
【0031】
図2に示されるように、ステータコア42は、ティース44毎に分割された12個の分割コア42Fを有している。図2、図3には、3個の分割コアにのみ参照符号42Eが付されている。分割位置は、ステータヨーク43において仮想面110が交差する位置である。仮想面110は、周方向105に隣り合う2個のティース44の中間位置と軸線104とを通過する仮想的な平面である。図2、図3には、1つの仮想面110のみが示されている。各分割コア42Fにおける内周面62からは1つのティース44が延出する。また、周方向105において隣り合う2個の分割コア42Fは、接着剤(図示せず)等により接着される。
【0032】
[電気絶縁体45]
12個の電気絶縁体45は、ステータコア42の表面の一部を覆う。12個の電気絶縁体45それぞれは、12個のティース44それぞれの一部を覆っている。各電気絶縁体45は、対応するティース44の表面において歯先面44Aを除く部分を覆っている。各電気絶縁体45は、ステータヨークの内周面62の一部も覆っている。各電気絶縁体45において径方向103における両端部は、両端部間の中間部分よりも周方向105に長い。これにより、中間部分に巻回されるコイル39がティース44から外れることが防止される。各電気絶縁体45は、対応するティース44に固着される樹脂モールドで実現される。樹脂モールドは、電気絶縁性を有する樹脂の成型品である。
【0033】
[コイル39]
図2に示されるように、各コイル39は、各ティース44に電気絶縁体45を介して巻回されている。具体的には、各コイル39は、電気絶縁体45の中間部分に巻回されている。各コイル39には、コントローラ37(図1参照)により、U相、V相及びW相の交流電圧が与えられる。12個のティース44により包囲される空間に、回転磁界が形成される。これにより、ロータ31が回転する。
【0034】
[ステータコア42の製造方法]
以下、図5を参照して、ステータコア42の製造方法について説明する。製造方法は、積層工程、成型工程、及び溶接工程等を含む。
【0035】
積層工程では、複数枚の鋼板が接着剤で接着され積層される。積層工程の詳細は下記の通りである。
【0036】
図5に示されるように、3個の巻回コイル21Aが給送装置21にセットされる。なお、給送装置21には、3個の巻回コイル21Aに限らず、複数の巻回コイル21Aがセットされればよい。各巻回コイル21Aには、厚さが0.3mm以下の帯状鋼板が巻回されている。給送装置21は、3枚の帯状鋼板の位置が幅方向に揃えられた状態で、3枚の帯状鋼板をローラ対23へ給送する。給送装置21とローラ対23との間には、塗布装置22が配置されている。塗布装置22は、3枚の帯状鋼板の接着面に、エポキシ樹脂接着剤等の接着剤を塗布する。ローラ対23は、ローラ対23に送り込まれた3枚の帯状鋼板を、表面側及び裏面側から加圧する。これにより、3枚の帯状鋼板は、接着され、それぞれの表面に直交する方向に積層される。
【0037】
成型工程では、積層された複数枚の帯状鋼板(以下、帯状鋼板の積層体と称する)が、ティース44を有する分割コア42Fに対応する所定形状に打ち抜かれ鋼板ユニット44Eが作製される。成型工程の詳細は下記の通りである。
【0038】
帯状鋼板の積層体は、プレス成形装置25にセットされ、プレス成形装置25内で搬送される。プレス成形装置25は、所定形状に対応する金型で、帯状鋼板の積層体を繰り返し打ち抜く。これにより、プレス成形装置25は、複数の鋼板ユニット44Eを作製する。
【0039】
溶接工程では、複数の鋼板ユニット44Eが積層されて互いに溶接される。溶接工程の詳細は下記の通りである。
【0040】
複数の鋼板ユニット44Eは、プレス成形装置25において、分割コア42Fの形状をなすように積層される。溶接装置26は、プレス成形装置25内に設けられ、分割コア42Fにおける溶接箇所42Bを溶接する。溶接工程では、1個の分割コア42Fが12個作製される。
【0041】
成型工程及び溶接工程が繰り返されて、分割コア42Fが12個作製される。
【0042】
また、12個の電気絶縁体45がモールディング装置(図示せず)により作製される。12個の電気絶縁体45は12個の溶接体に1個ずつ取り付けられる。また、各溶接体において歯先面44Aとなる部分には、治具が取り付けられる。これにより、各溶接体に含まれる複数の鋼板ユニット44Eの歯先面44A側が開くことが抑制される。治具が取り付けられた溶接体のそれぞれは、コイル巻線装置にセットされる。コイル巻線装置は、各電気絶縁体45に金属線を巻回する。これにより、コイル39がそれぞれ巻回された12個の分割コア42Fが作製される。12個の分割コア42Fが完成する。12個の分割コア42Fは、接着剤等で周方向105につなぎ合わされる。これにより、ステータ33が完成する。
【0043】
[回転電機10の作用効果]
回転電機10(即ち、ブラシレスモータ30)では、複数枚の鋼板42Aにおける溶接箇所42Bにおいて溶接される。複数枚の鋼板42Aは、ステータコア42の表面において、各ティース44のロータ31の外周面53と対向する位置で溶接されていない。溶接箇所42Bは、ステータコア42に生じる閉磁気回路42Cの外側又は閉磁気回路42Cの外寄りに位置することになる。ステータコア42において溶接箇所42B及びその周囲の部分で(図3中ハッチングを付した部分を参照)、磁束密度が小さくなる。そのため、ステータコア42を通る磁束(即ち、閉磁気回路42C(図4参照))の全て又は大部分は、各溶接箇所42Bを避けることになる。換言すると、溶接箇所42Bは、ロータ31が軸線104周りに回転する間中、ステータコア42に発生する磁束の密度が相対的に小さい位置である。これにより、回転電機10(即ち、ブラシレスモータ30)の溶接箇所42Bに渦電流が生じ難くして、回転電機10の損失を低減できる。回転電機10によれば、溶接箇所42Bで溶接することで、高速回転時(例えば5000rpm以上)でも、渦電流損が過剰に大きくならないため、回転電機10の効率が向上する。
【0044】
ステータコア42では、全ての鋼板42Aが溶接されていない。また、ステータコア42は、複数の鋼板ユニット42Eを備えている。そのため、ステータコア42における溶接箇所42Bを比較的少なくできる。これにより、マグネット40から出た磁束が溶接箇所42Bを通過することが抑制される。
【0045】
プレス成型工程では、1枚の帯状鋼板が打ち抜かれて鋼板42Aを1枚ずつ作製するのではなく、複数枚の帯状鋼板が打ち抜かれて鋼板ユニット42Eが作製される。これにより、ステータコア42を作製する際のパンチング回数が抑制される。
【0046】
電気絶縁体45は、各ティース44に固着された樹脂モールドである。電気絶縁体45は、ステータコア42の製造工程において、複数の鋼板ユニット44Eの歯先面44A側が開くことを治具とともに防止する。この状態で、各電気絶縁体45にコイル39が巻回されるため、ステータコア42の完成品でも、複数の鋼板ユニット44Eの歯先面44A側が開くことが防止される。
【0047】
ステータコア42は、3個以上の分割コア42Fを有するため、分割コア42Fを有さない場合と比較して、帯状鋼板から多くのステータコア42を作製することができる。
【0048】
[変形例]
次に、図6を参照して、ステータ33の変形例について説明する。以下のステータ33の変形例の説明では、上記実施形態との相違点について説明する。
【0049】
図6に示されるように、ステータ33は、4個の分割コア71(コアの他の一例)、4個の電気絶縁体72、及び4個のコイル73を備えている。
【0050】
4個の分割コア71は、互いに同じ形状を有している。4個の分割コア71は、軸方向102から見た場合に、周方向105において等角度間隔でロータ31の外周面53の周りに配置されている。この点を除き、各分割コア71は互いに類似する構成を有している。そのため、以下では、1個の分割コア71を代表的に説明する。分割コア71は、ステータヨーク81、及び2個のティース82を有している。ステータヨーク81は、ヨークの一例である。
(【0051】以降は省略されています)

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