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公開番号2020188671
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019165253
出願日20190911
発明の名称燃料電池システム
出願人株式会社豊田自動織機,トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60L 58/40 20190101AFI20201023BHJP(車両一般)
要約【課題】回生電力を効率良く蓄えることができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】燃料電池スタック10と、走行用モータ70を含む負荷と、高圧蓄電装置20と、FCECU65と、第1低圧蓄電装置40と、第1低圧蓄電装置40に電気的に接続されるとともに高圧蓄電装置20に蓄電されるときの電力の電圧を降圧する第1低圧コンバータ50と、を備え、FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置20が規定の電圧値に達したときに第1低圧コンバータ50を介して回生電力を第1低圧蓄電装置40に蓄電させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックで発電された電力により駆動力を発生させる電動機として機能する一方で回生電力を発生させる発電機として機能するモータを含む負荷と、
前記モータが駆動力を発生させるための電力を蓄電し、且つ前記モータが発生させた回生電力を蓄電する高圧蓄電装置と、
前記燃料電池スタックの動作を制御する制御部と、
補機を動作させる電力が充電されるとともに前記高圧蓄電装置よりも電力を蓄電するときの電圧が低く設定される低圧蓄電装置と、
前記低圧蓄電装置に電気的に接続されるとともに前記高圧蓄電装置に蓄電されるときの電力の電圧を降圧する降圧コンバータと、を備え、
前記制御部は、
前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記降圧コンバータを介して回生電力を前記低圧蓄電装置に蓄電させることを特徴とする燃料電池システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記降圧コンバータは、
三相のスイッチング素子を有するインバータ回路と、
前記インバータ回路及び前記低圧蓄電装置に電気的に接続されるとともに前記低圧蓄電装置に供給される電力の電圧を安定させる平滑回路と、を備え、
前記インバータ回路は、
正極母線と、
前記低圧蓄電装置に電気的に接続される負極母線と、
前記正極母線と前記負極母線とを電気的に接続する第1配線、第2配線、及び第3配線からなる中継配線と、を有し、
前記中継配線のそれぞれに前記スイッチング素子としての上アームスイッチング素子と前記スイッチング素子としての下アームスイッチング素子とを直列接続させ、且つ前記中継配線上において前記正極母線側から前記負極母線側に向けての電流の逆流を防止するためのダイオードが前記上アームスイッチング素子及び前記下アームスイッチング素子に対して逆並列接続されることで構成され、
前記平滑回路は、
前記負極母線と、
前記第2配線における前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との間に電気的に接続される第1平滑配線と、
前記第3配線における前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との間に電気的に接続される第2平滑配線と、
前記第1平滑配線と前記第2平滑配線とをまとめることで形成され、前記低圧蓄電装置に電気的に接続される統合平滑配線と、
前記負極母線と前記統合平滑配線とを電気的に接続する平滑中継配線と、
前記平滑中継配線に設けられるコンデンサと、
前記第1平滑配線及び前記第2平滑配線のそれぞれに設けられているリアクトルと、を有し、
前記第1配線における前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との間には、前記モータが発生させる回生電力が入力される回生用配線が接続され、
前記制御部は、
前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記第1配線に設けられている前記スイッチング素子と前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記下アームスイッチング素子とが開状態に維持された状態において、前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子を開閉させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記第2配線に設けられている前記上アームスイッチング素子と前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子とを交互に開閉させることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃料電池スタックの正極は、前記インバータ回路の前記正極母線に電気的に接続され、
前記燃料電池スタックの負極は、前記インバータ回路の前記負極母線に電気的に接続され、
前記燃料電池スタックで発電された電力を前記高圧蓄電装置が蓄電できる電圧まで降圧させる高圧コンバータを備え、
前記高圧コンバータと前記モータとは、前記高圧コンバータにより降圧された電力を前記負荷に送出するための高圧側変換配線で電気的に接続され、
前記回生用配線は、前記高圧側変換配線の正極側に電気的に接続され、
前記制御部は、
前記モータが回生電力を発生させていない場合、前記第1配線に設けられている前記スイッチング素子と前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記下アームスイッチング素子とが開状態に維持された状態において、前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子を開閉させることにより前記燃料電池スタックで発電された電力の電圧を降圧させる降圧制御を実施し、
前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記燃料電池スタックの動作を停止させるとともに前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子を開閉させるタイミングを前記降圧制御と比較して早くする回生降圧制御を実施することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 21,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されるような車両用回生制動装置が知られている。
上記の車両用回生制動装置は、燃料電池車に搭載されている。当該燃料電池車には、燃料電池スタックと、燃料電池スタックで発電される電力により走行用駆動力を発生させる走行用モータと、走行用モータに供給する電力を蓄電している高圧蓄電装置としてのバッテリと、燃料電池スタックの動作を制御する制御部としての燃料電池用ECUと、を備えている燃料電池システムが適用されている。
【0003】
上記の車両用回生制動装置は、回生ブレーキと、上記のバッテリと、ヒータと、を備えている。回生ブレーキ、バッテリ、及びヒータは電気的に接続されている。回生ブレーキは、回生制動時に制動力を発生させる。回生制動時に回生ブレーキで発生する回生電力は、バッテリに蓄電される。回生ブレーキで回生電力が発生しているとき、バッテリの蓄電分を超える余剰電力は、ヒータに供給される。そのため、ヒータは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換することで熱を発生させる。
【0004】
また、車両用回生制動装置は、車両温水回路を備えている。車両用温水回路には、水が流動しており、ヒータで発生した熱は車両用温水回路に蓄熱される。また、車両用回生制動装置は、燃料電池スタックを冷却するための冷却水が流動する冷却回路を備えている。冷却回路には、冷却水に含まれた熱を放熱するためのラジエータと、補機としてのロータリーバルブと、補機としての燃料電池用ポンプとが設けられている。燃料電池用ポンプは、冷却水を冷却回路に循環させるための循環ポンプである。ロータリーバルブは、ラジエータに流動させる冷却水の流量を調整している。なお、一般的に補機は、燃料電池スタックに酸素を供給するための電動圧縮機等が含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017−93154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、バッテリの蓄電分を超える余剰電力は、ヒータにより電気エネルギーから熱エネルギーに変換されているが、電気エネルギーから熱エネルギーに変化するときにエネルギー損失が発生する虞がある。なお、当該課題は、車両としての燃料電池車において発生することに限らず、燃料電池システムを搭載し、且つ回生電力をバッテリに蓄電するユニットでも発生しうる。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、回生電力を効率良く蓄えることができる燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する燃料電池システムは、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックで発電された電力により駆動力を発生させる電動機として機能する一方で回生電力を発生させる発電機として機能するモータを含む負荷と、前記モータが駆動力を発生させるための電力を蓄電し、且つ前記モータが発生させた回生電力を蓄電する高圧蓄電装置と、前記燃料電池スタックの動作を制御する制御部と、補機を動作させる電力が充電されるとともに前記高圧蓄電装置よりも電力を蓄電するときの電圧が低く設定される低圧蓄電装置と、
前記低圧蓄電装置に電気的に接続されるとともに前記高圧蓄電装置に蓄電されるときの電力の電圧を降圧する降圧コンバータと、を備え、前記制御部は、前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記降圧コンバータを介して回生電力を前記低圧蓄電装置に蓄電させる。
【0009】
これによれば、モータで発生した回生電力を高圧蓄電装置に蓄電し、高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに降圧コンバータにより回生電力の電圧を降圧させ低圧蓄電装置に蓄電させている。そのため、例えば規定の電圧値が高圧蓄電装置の満充電時の電圧値だとすると、高圧蓄電装置の蓄電分を超える余剰電力は、低圧蓄電装置に蓄電される。よって、高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときの余剰電力は、エネルギー変換されることになく低圧蓄電装置に蓄電される。したがって、上記の燃料電池システムでは、エネルギー変換によるエネルギー損失を発生させず、回生電力を効率良く蓄えることができる。
【0010】
上記の燃料電池システムにおいて、前記降圧コンバータは、三相のスイッチング素子を有するインバータ回路と、前記インバータ回路及び前記低圧蓄電装置に電気的に接続されるとともに前記低圧蓄電装置に供給される電力の電圧を安定させる平滑回路と、を備え、前記インバータ回路は、正極母線と、前記低圧蓄電装置に電気的に接続される負極母線と、前記正極母線と前記負極母線とを電気的に接続する第1配線、第2配線、及び第3配線からなる中継配線と、を有し、前記中継配線のそれぞれに前記スイッチング素子としての上アームスイッチング素子と前記スイッチング素子としての下アームスイッチング素子とを直列接続させ、且つ前記中継配線上において前記正極母線側から前記負極母線側に向けての電流の逆流を防止するためのダイオードが前記上アームスイッチング素子及び前記下アームスイッチング素子に対して逆並列接続されることで構成され、前記平滑回路は、前記負極母線と、前記第2配線における前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との間に電気的に接続される第1平滑配線と、前記第3配線における前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との間に電気的に接続される第2平滑配線と、前記第1平滑配線と前記第2平滑配線とをまとめることで形成され、前記低圧蓄電装置に電気的に接続される統合平滑配線と、前記負極母線と前記統合平滑配線とを電気的に接続する平滑中継配線と、前記平滑中継配線に設けられるコンデンサと、前記第1平滑配線及び前記第2平滑配線のそれぞれに設けられているリアクトルと、を有し、前記第1配線における前記上アームスイッチング素子と前記下アームスイッチング素子との間には、前記モータが発生させる回生電力が入力される回生用配線が電気的に接続され、前記制御部は、前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記第1配線に設けられている前記スイッチング素子と前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記下アームスイッチング素子とが開状態に維持された状態において、前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子を開閉させるとよい。
【0011】
負荷はモータを駆動させるインバータを含むことが一般的である。そのため、燃料電池システムでは、降圧コンバータとインバータとを用いなければならない。
その点、これによれば、降圧コンバータは、インバータ回路を有している。すなわち、降圧コンバータは、負荷に含まれるインバータと同じ構成に対して平滑回路を付加したものである。よって、降圧コンバータを新たに用いる必要がないため、燃料電池システムのコストを低減させることができる。
【0012】
そして、上記の燃料電池システムでは、モータが回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに制御部は、インバータ回路の第1配線に設けられているスイッチング素子と第2配線及び第3配線に設けられている下アームスイッチング素子とが開状態に維持された状態において、第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を開閉させる。例えば、第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を閉状態にしたときを考える。
【0013】
モータが発生させている回生電力は、回生用配線を通じて第1配線に伝達され、第1配線に設けられている上アームスイッチング素子に対して逆並列接続されているダイオードを介して第2配線と第3配線に供給される。第3配線に供給された回生電力は、第2平滑配線のリアクトルを介して統合平滑配線に供給され、低圧蓄電装置に供給される。第3配線に設けられている上アームスイッチング素子が閉状態となったとき、第2平滑配線に設けられているリアクトルが磁化する。これにより、第2平滑配線に設けられているリアクトルには、第3配線から第2平滑回路を介して流れようとする電流を妨げる向きに逆起電力が発生する。よって、第3配線に設けられている上アームスイッチング素子が閉状態となると、第2平滑配線に設けられているリアクトルにより回生電力の電圧が降圧される。また、第2配線に設けられている上アームスイッチング素子が閉状態となる場合も同様であり、第1平滑配線に設けられているリアクトルが磁化することにより、第1平滑配線に設けられているリアクトルには、第2配線から第1平滑配線を介して流れようとする電流を妨げる向きに逆起電力が発生する。よって、第2配線に設けられている上アームスイッチング素子が閉状態となると、第1平滑配線に設けられているリアクトルにより回生電力の電圧が降圧される。ここで、第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を開閉させると平滑中継配線に設けられているコンデンサが充電される。コンデンサには、各リアクトルにより降圧された回生電力が充電される。第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子が開状態となったとしてもコンデンサから第2配線及び第3配線に設けられている下アームスイッチング素子に対して逆並列接続されているダイオードを介して各リアクトルに向けて流れる還流電流が発生する。よって、第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子が開状態で回生電力が低圧蓄電装置に流れなくてもコンデンサによる還流電流により低圧蓄電装置に蓄電される電力の電圧の時間的変化が少なくなる。よって、降圧コンバータの平滑回路により回生電力を降圧させつつ低圧蓄電装置に蓄電される電力の電圧を安定させることができる。
【0014】
上記の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記第2配線に設けられている前記上アームスイッチング素子と前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子とを交互に開閉させるとよい。
【0015】
例えば、第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を同時に開閉させる場合を考える。回生用配線から第1配線に設けられている上アームスイッチング素子に対して逆並列接続されているダイオードを介して第2配線及び第3配線に回生電力が供給されたとき、コンデンサに向けて回生電力が流れない期間がある。第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を開閉させるタイミングによるが、コンデンサによる還流電流により低圧蓄電装置に蓄電される電力の電圧の時間的変化が大きくなる虞がある。
【0016】
その点、これによれば、第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を交互に開閉させている。そのため、コンデンサに向けて回生電力が流れない期間を短くすることができる。よって、低圧蓄電装置に蓄電される電圧をより安定させることができる。
【0017】
上記の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタックの正極は、前記インバータ回路の前記正極母線に電気的に接続され、前記燃料電池スタックの負極は、前記インバータ回路の前記負極母線に電気的に接続され、前記燃料電池スタックで発電された電力を前記高圧蓄電装置が蓄電できる電圧まで降圧させる高圧コンバータを備え、前記高圧コンバータと前記モータとは、前記高圧コンバータにより降圧された電力を前記負荷に送出するための高圧側変換配線で電気的に接続され、前記回生用配線は、前記高圧側変換配線の正極側に電気的に接続され、前記制御部は、前記モータが回生電力を発生させていない場合、前記第1配線に設けられている前記スイッチング素子と前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記下アームスイッチング素子とが開状態に維持された状態において、前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子を開閉させることにより前記燃料電池スタックで発電された電力の電圧を降圧させる降圧制御を実施し、前記モータが回生電力を発生させている場合、前記高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに前記燃料電池スタックの動作を停止させるとともに前記第2配線及び前記第3配線に設けられている前記上アームスイッチング素子を開閉させるタイミングを前記降圧制御と比較して早くする回生降圧制御を実施するとよい。
【0018】
これによれば、モータが回生電力を発生させていない場合、制御部の降圧制御により降圧コンバータは、燃料電池スタックで発電された電力を降圧させる機能を発揮することができる。そして、モータが回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに制御部の回生降圧制御により降圧コンバータは、回生電力を降圧させる機能を発揮することができる。すなわち、燃料電池スタックで発電された電力を降圧させるコンバータと、回生電力を降圧させるコンバータとを別途用意する必要がない。そのため、燃料電池システムのコストを低減させることができる。
【0019】
また、上記の燃料電池システムにおいて、制御部はモータが回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置が規定の電圧値に達したときに燃料電池スタックの動作を停止させる。これにより、降圧コンバータが降圧制御を実施するときの機能と、回生降圧制御を実施するときの機能とを区別することができる。
【0020】
また、燃料電池スタックで発電された電力を降圧する場合と、回生電力を降圧する場合とでは、電圧の降圧幅が異なる。回生電力を降圧できる理由は、リアクトルの磁化による逆起電力である。そのため、降圧幅を変化させるには、リアクトルに発生する逆起電力の大きさを変化させる必要がある。
【0021】
その点、これによれば、制御部は、回生降圧制御を実施するときに第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を開閉させるタイミングを降圧制御と比較して早くしている。第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子が開状態になっている期間が長いと、コンデンサによる還流電流によりリアクトルは磁気エネルギーを多く蓄える。そのため、第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子が閉状態となりリアクトルが磁化すると、リアクトルに発生する逆起電力が大きくなる。すなわち、回生降圧制御を実施するときに第2配線及び第3配線に設けられている上アームスイッチング素子を開閉させるタイミングを降圧制御よりも早くすることで、リアクトルに蓄えられる磁気エネルギーを少なくすることができ、リアクトルに発生する逆起電力を小さくすることができる。よって、燃料電池スタックで発電される電力を低圧蓄電装置が蓄電できる電圧まで降圧する降圧制御と、回生電力を低圧蓄電装置が蓄電できる電圧まで降圧する回生降圧制御とで降圧幅を適切に変更することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、回生電力を効率良く蓄えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
燃料電池システムの構成を示すブロック図。
第1低圧コンバータの構成を示す概略図。
変更例における第1低圧コンバータの構成を示す概略図。
変更例における第1低圧コンバータの構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、燃料電池システムを具体化した実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1に示すように、この実施形態の燃料電池システム1は、トーイングトラクターに適用されるものである。燃料電池システム1は、車両に搭載される負荷に供給する電力を発電するシステムである。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10を備えている。燃料電池スタック10は、複数の燃料電池セルをスタック化したものである。燃料電池セルとは、例えば固定分子型燃料電池である。燃料電池スタック10は、燃料ガスと、酸化剤ガスとの化学反応によって発電を行う。本実施形態では、水素ガスを燃料ガス、空気中の酸素を酸化剤ガスとして発電が行われる。すなわち、燃料電池システム1は、燃料電池スタック10で発電された電力によって負荷を駆動させるシステムである。なお、燃料電池スタック10で発電される電力の電圧値は、例えば140Vである。
【0025】
本実施形態の負荷は、車両が走行するための駆動力を発生させるモータとしての走行用モータ70を含んでいる。負荷は、図示しないが走行用モータ70を駆動させるためのインバータを含んでいる。また、走行用モータ70は、トーイングトラクターが停止するときの制動力を発生させる回生ブレーキとしても使用される。よって、走行用モータ70は、燃料電池スタック10で発電された電力により駆動力を発生させる電動機として機能する一方で回生制動時に制動力を発生させるとともに回生電力を発生させる発電機として機能する。なお、走行用モータ70は、三相交流回転電機が採用されている。
【0026】
燃料電池システム1は、高圧蓄電装置20と、高圧コンバータ30と、低圧蓄電装置としての第1低圧蓄電装置40と、降圧コンバータとしての第1低圧コンバータ50とを備えている。
【0027】
高圧蓄電装置20には、リチウムイオンキャパシタが採用されている。高圧蓄電装置20は、走行用モータ70が駆動力を発生させるための電力を蓄電し、且つ走行用モータ70が発生させた回生電力を蓄電する機能を有している。高圧蓄電装置20は、例えば電圧値が80Vの電力を蓄電できる。
【0028】
高圧コンバータ30は、例えばDC/DCコンバータが採用されている。高圧コンバータ30は、燃料電池スタック10で発電された電力を降圧する機能を有している。高圧コンバータ30は、燃料電池スタック10で発電された電力を例えば80Vまで降圧する機能を有している。燃料電池スタック10の正極と高圧コンバータ30の入力側における正極とは、高圧側供給正極配線L1により電気的に接続されている。燃料電池スタック10の負極と高圧コンバータ30の入力側の負極とは、高圧側供給負極配線L2により電気的に接続されている。高圧側供給正極配線L1及び高圧側供給負極配線L2は、燃料電池スタック10で発電された電力を高圧コンバータ30に送出するために設けられている。高圧側供給負極配線L2は、グランド配線である。なお、高圧側供給正極配線L1には、燃料電池スタック10に向けて電力の逆流を防止するダイオード105が設けられている。
【0029】
高圧コンバータ30の出力側の正極と高圧蓄電装置20の正極とは、高圧側変換正極配線L3により電気的に接続されている。高圧コンバータ30の出力側の負極と高圧蓄電装置20の負極とは、高圧側変換負極配線L4により電気的に接続されている。高圧側変換負極配線L4は、グランド配線である。また、高圧コンバータ30の出力側の正極及び負極と走行用モータ70とは、高圧側変換正極配線L3及び高圧側変換負極配線L4により電気的に接続されている。高圧側変換正極配線L3及び高圧側変換負極配線L4は、高圧コンバータ30により降圧された電力を負荷及び高圧蓄電装置20に送出するために設けられている。そのため、燃料電池スタック10で発電された電力は、高圧コンバータ30から高圧側変換正極配線L3及び高圧側変換負極配線L4を介して走行用モータ70に供給されつつ、高圧蓄電装置20に蓄電される。すなわち、高圧蓄電装置20には、燃料電池スタック10で発電された電力を走行用モータ70に供給した余剰電力が蓄電される。そして、高圧蓄電装置20に蓄電された電力は、例えば燃料電池スタック10の発電初期に発電量が不足したときに走行用モータ70を駆動させるための電力としても使用される。なお、高圧側変換正極配線L3及び高圧側変換負極配線L4は、高圧側変換配線の一例であり、高圧側変換正極配線L3は、高圧側変換配線の正極側の一例である。
【0030】
第1低圧蓄電装置40には、リチウムイオンキャパシタが採用されている。第1低圧蓄電装置40は、補機としての第1補機60を動作させる電力が充電されるとともに高圧蓄電装置20よりも電力を蓄電するときの電圧が低く設定されている。第1低圧蓄電装置40は、例えば電圧値が48Vの電力を蓄電できる。ここで、第1補機60とは、例えば燃料電池スタック10の動作を補助する電磁弁及び電動圧縮機を示している。電磁弁は、図示しない水素タンクと燃料電池スタック10とを接続する水素供給配管に設けられ、当該水素供給配管を開閉する機能を有している。電動圧縮機は、燃料電池スタック10に酸素を含んだ空気を圧縮させた状態で供給する機能を有している。
【0031】
ここで、燃料電池システム1は、制御部としてのFCECU65を有している。FCECU65は、燃料電池スタック10の動作を制御する。FCECU65は、上記した電磁弁及び電動圧縮機の動作を制御することで燃料電池スタック10の動作を制御する。具体的には、FCECU65は、予め設定された駆動周期や開弁時間に応じて電磁弁を動作させることで水素供給配管の開度を調整する。すなわち、FCECU65は、電磁弁の動作を制御し、水素供給配管の開度を調整することで水素タンクから燃料電池スタック10に供給される水素の供給量を調整している。また、電動圧縮機に設けられた電動モータのトルクを制御することで燃料電池スタック10への空気の供給量を制御している。よって、FCECU65は、電磁弁及び電動圧縮機の動作を制御し、水素の供給量及び空気の供給量を制御することで燃料電池スタック10の発電量を制御している。
【0032】
第1低圧コンバータ50は、例えばDC/DCコンバータが採用されている。第1低圧コンバータ50は、燃料電池スタック10で発電された電力を降圧する機能を有している。第1低圧コンバータ50は、燃料電池スタック10で発電された電力を例えば48Vまで降圧する機能を有している。燃料電池スタック10の正極と第1低圧コンバータ50の入力側における正極とは、高圧側供給正極配線L1により電気的に接続されている。燃料電池スタック10の負極と第1低圧コンバータ50の入力側の負極とは、高圧側供給負極配線L2により電気的に接続されている。高圧側供給正極配線L1及び高圧側供給負極配線L2は、上記した高圧コンバータ30だけに限らず、燃料電池スタック10で発電された電力を第1低圧コンバータ50に送出するために設けられている。
【0033】
第1低圧コンバータ50の出力側の正極と第1低圧蓄電装置40の正極とは、第1低圧側変換正極配線L5により電気的に接続されている。第1低圧コンバータ50の出力側の負極と第1低圧蓄電装置40の負極とは、第1低圧側変換負極配線L6により電気的に接続されている。また、第1低圧コンバータ50の出力側の正極及び負極と第1補機60とは、第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6により電気的に接続されている。第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6は、第1低圧コンバータ50により降圧された電力を第1補機60及び第1低圧蓄電装置40に送出するために設けられている。そのため、燃料電池スタック10で発電された電力は、第1低圧コンバータ50から第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6を介して第1補機60に供給されつつ、第1低圧蓄電装置40に蓄電される。すなわち、第1低圧蓄電装置40には、燃料電池スタック10で発電された電力を第1補機60に供給した余剰電力が蓄電される。そして、第1低圧蓄電装置40に蓄電された電力は、例えば燃料電池スタック10の発電初期に発電量が不足したときに第1補機60を駆動させるための電力としても使用される。
【0034】
燃料電池システム1は、第2低圧蓄電装置80と、第2低圧コンバータ90とを備えている。第2低圧蓄電装置80には、12Vバッテリが採用されている。第2低圧蓄電装置80は、第2補機95を動作させる電力が充電されるとともに第1低圧蓄電装置40よりも電力を蓄電するときの電圧が低く設定されている。第2低圧蓄電装置80は、上述したが電圧値が12Vの電力を蓄電できる。ここで、第2補機95とは、例えばエアコン、ナビゲーションシステム、ライト等を示している。なお、本実施形態におけるFCECU65は、第2補機95の一部である。
【0035】
第2低圧コンバータ90は、例えばDC/DCコンバータが採用されている。第2低圧コンバータ90は、第1低圧コンバータ50で降圧された電力を更に降圧する機能を有している。第2低圧コンバータ90は、第1低圧コンバータ50で降圧された電力を例えば12Vまで降圧する機能を有している。第2低圧コンバータ90には、第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6が電気的に接続されている。第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6は、上記した第1補機60及び第1低圧蓄電装置40に限らず、第1低圧コンバータ50により降圧された電力を第2低圧コンバータ90に送出するために設けられている。そのため、第1低圧コンバータ50で降圧された電力は、第1補機60に供給されるとともに第2低圧コンバータ90にも供給される。第2低圧コンバータ90の出力側の正極と第2低圧蓄電装置80の正極とは、第2低圧側変換正極配線L7により電気的に接続されている。第2低圧コンバータ90の出力側の負極と第2低圧蓄電装置80の負極とは、第2低圧側変換負極配線L8により電気的に接続されている。また、第2低圧コンバータ90の出力側の正極及び負極と第2補機95とは、第2低圧側変換正極配線L7及び第2低圧側変換負極配線L8により電気的に接続されている。第2低圧側変換正極配線L7及び第2低圧側変換負極配線L8は、第2低圧コンバータ90により降圧された電力を第2補機95及び第2低圧蓄電装置80に送出するために設けられている。そのため、第1低圧コンバータ50で降圧された電力は、第2低圧コンバータ90から第2低圧側変換正極配線L7及び第2低圧側変換負極配線L8を介して第2補機95に供給されつつ、第2低圧蓄電装置80に蓄電される。すなわち、第2低圧蓄電装置80には、第2低圧コンバータ90で降圧された電力を第2補機95に供給した余剰電力が蓄電される。そして、第2低圧蓄電装置80に蓄電された電力は、例えば燃料電池スタック10の発電初期に発電量が不足したときに第2補機95を駆動させるための電力としても使用される。
【0036】
このように構成された燃料電池システム1では、燃料電池システム1を起動させる場合、FCECU65により電磁弁及び電動圧縮機が動作させられることで燃料電池スタック10が発電を開始する。燃料電池スタック10で発電された電力は、高圧コンバータ30を介して負荷(インバータと走行用モータ70)に供給される一方で、負荷の駆動に用いられなかった余剰電力が高圧側変換正極配線L3及び高圧側変換負極配線L4を介して高圧蓄電装置20に充電される。同様に、燃料電池スタック10で発電された電力は、第1低圧コンバータ50を介して第1補機60に供給される一方で、第1補機60の駆動に用いられなかった余剰電力が第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6を介して第1低圧蓄電装置40に充電される。また、第1低圧コンバータ50で降圧された電力は、第2低圧コンバータ90を介して第2補機95に供給される一方で、第2補機95の駆動に用いられなかった余剰電力が第2低圧側変換正極配線L7及び第2低圧側変換負極配線L8を介して第2低圧蓄電装置80に充電される。
【0037】
FCECU65は、高圧蓄電装置20の充電容量、第1低圧蓄電装置40の充電容量、及び第2低圧蓄電装置80の充電容量を確認しながら燃料電池スタック10の動作を制御している。具体的には、FCECU65は、高圧側変換正極配線L3及び高圧側変換負極配線L4における高圧蓄電装置20の近傍に設けられた電圧センサ101で検出される電圧値が第1規定値となっているか否かを確認している。また、FCECU65は、第1低圧側変換正極配線L5及び第1低圧側変換負極配線L6における第1低圧蓄電装置40の近傍に設けられた電圧センサ102で検出される電圧値が第2規定値となっているか否かを確認している。さらに、FCECU65は、第2低圧側変換正極配線L7及び第2低圧側変換負極配線L8における第2低圧蓄電装置80の近傍に設けられた電圧センサ103で検出される電圧値が第3規定値となっているか否かを確認している。FCECU65は、高圧蓄電装置20の電圧値が第1規定値を、第1低圧蓄電装置40の電圧値が第2規定値を、第2低圧蓄電装置80の電圧値が第3規定値を満たすまで燃料電池スタック10の動作を継続させることで高圧蓄電装置20、第1低圧蓄電装置40、及び第2低圧蓄電装置80の充電を継続する。
【0038】
ここで、第1規定値は、高圧蓄電装置20に充電されている電力が燃料電池スタック10の出力状態が急変したときに走行用モータ70の動作の追従性を保つことができるように設定されている。燃料電池スタック10の出力の急変とは、例えばトーイングトラクター及び燃料電池システム1が起動し、走行用モータ70の動作を急変させることを示している。走行用モータ70の動作を急変させるためには、燃料電池スタック10の発電量を多くするように、出力状態を低出力状態から高出力状態に急変させる必要がある。しかし、燃料電池スタック10の発電量によっては、走行用モータ70の動作を急変させるための電力が不足する場合がある。この場合、高圧蓄電装置20に充電されている電力を負荷に向けて放電することで発電量の不足を補う。よって、第1規定値は、燃料電池スタック10の出力状態が急変したときに走行用モータ70の動作の追従性を保つことができる程度に設定されている。第2規定値は、第1補機60(電磁弁、電動圧縮機、及びFCECU65)を安定的に駆動させることができるように設定されている。すなわち、第2規定値は、燃料電池スタック10の発電初期において発電量が不足したときに第1補機60を安定的に駆動できるように設定されている。第2規定値と同様に、第3規定値は、燃料電池スタック10の発電初期において発電量が不足したときに第2補機95を安定的に駆動できるように設定されている。
【0039】
また、燃料電池システム1は、走行用モータ70が回生電力を発生させているときに当該回生電力を高圧蓄電装置20に蓄電する機能を有している。そして、燃料電池システム1は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置20に蓄電される電力の電圧値が規定の電圧値に達したときに第1低圧コンバータ50を介して高圧蓄電装置20の規定の電圧値を超える余剰電力を第1低圧蓄電装置40に蓄電させる機能を有している。なお、高圧蓄電装置20の規定の電圧値とは、燃料電池システム1の仕様によって高圧蓄電装置20に要求される充電量を考慮して設定することが好ましい。例えば、燃料電池システム1において走行用モータ70に使用する電力が多い場合、可能な限り多くの回生電力を高圧蓄電装置20に充電することが好ましいと考えられる。その場合、高圧蓄電装置20の規定の電圧値は、例えば高圧蓄電装置20の満充電時の電圧値とすることが好ましい。また、走行用モータ70よりも第1補機60に使用する電力が多い場合、可能な限り多くの回生電力を第1低圧蓄電装置40に充電することが好ましいと考えられる。この場合、高圧蓄電装置20の規定の電圧値は、例えば高圧蓄電装置20の第1規定値とすることが好ましい。また、高圧蓄電装置20の規定の電圧値を第1規定値と満充電時の電圧値との間に設定するようにしてもよい。
【0040】
燃料電池システム1において、FCECU65には、高圧コンバータ30と走行用モータ70とを接続している高圧側変換正極配線L3に直列接続されている電流センサ104により検出された電流が入力される。FCECU65は、電流センサ104から入力された電流により高圧側変換正極配線L3に流れる電流の向きを判断し、走行用モータ70が回生電力を発生させているか否かを確認している。FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、燃料電池スタック10の動作を停止させる。具体的には、FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、電磁弁への通電を停止し水素供給配管を閉状態にすることで水素タンクから燃料電池スタック10への水素の供給を停止させる。また、FCECU65は、電動圧縮機の動作を停止させることで燃料電池スタック10への酸素を含む空気の供給を停止させる。これにより、FCECU65は、燃料電池スタック10の動作を停止させる。
【0041】
燃料電池システム1において、第1低圧コンバータ50には、回生用配線Lrが電気的に接続されている。回生用配線Lrは、高圧側変換正極配線L3に電気的に接続されている。回生用配線Lrには、走行用モータ70が発生させる回生電力が高圧側変換正極配線L3を介して入力され、第1低圧コンバータ50に入力される。第1低圧コンバータ50は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置20が規定の電圧値に達したときに走行用モータ70が発生させる回生電力を降圧させる機能を有している。図示しないが回生用配線Lrには、例えばリレーが設けられている。FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させていない場合、リレーを開状態にすることにより高圧コンバータ30で降圧された電力が第1低圧コンバータ50に入力されないようにしている。FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置20が規定の電圧値に達したときにリレーを閉状態にして高圧側変換正極配線L3及び回生用配線Lrを介して第1低圧コンバータ50に回生電力を入力させる。すなわち、FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置20が規定の電圧値に達したときに第1低圧コンバータ50を介して回生電力を第1低圧蓄電装置40に蓄電させている。また、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、FCECU65により燃料電池スタック10の動作が停止されるが、燃料電池スタック10の高電圧状態が少しの期間継続する。すなわち、第1低圧コンバータ50に対して燃料電池スタック10で発電された電力(140V)と回生電力(80V)が同時に作用する期間がある。しかしながら、燃料電池スタック10に酸素を含む空気が供給されない状態となるため、燃料電池スタック10の高電圧状態は回生電力が第1低圧コンバータ50に入力されてすぐに解消され、燃料電池スタック10の電力よりも回生電力の方が優位となる。よって、燃料電池スタック10の高電圧状態が少しの期間継続したとしても回生電力を降圧させる第1低圧コンバータ50の機能を妨げることはない。
【0042】
次に、第1低圧コンバータ50の構成について詳しく説明する。
図2に示すように、第1低圧コンバータ50は、インバータ回路51と、平滑回路52とを備えている。インバータ回路51は、負荷のインバータが有するインバータ回路と同一である。インバータ回路51は、三相のスイッチング素子として6つのスイッチング素子Q1〜Q6を有している。スイッチング素子Q1〜Q6としては、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)やMOSFETが採用されている。インバータ回路51は、正極母線Lpと、負極母線Lnと、中継配線Lmとを有している。正極母線Lpは、高圧側供給正極配線L1に電気的に接続されている。そのため、正極母線Lpは、燃料電池スタック10の正極と電気的に接続されている。負極母線Lnは、高圧側供給負極配線L2に電気的に接続されている。そのため、負極母線Lnは、燃料電池スタック10の負極と電気的に接続されている。負極母線Lnは、第1低圧側変換負極配線L6に電気的に接続されている。そのため、負極母線Lnは、第1低圧蓄電装置40と電気的に接続されている。中継配線Lmは、正極母線Lpと負極母線Lnとを電気的に接続する第1配線Lm1、第2配線Lm2、及び第3配線Lm3から構成されている。
【0043】
第1配線Lm1において、u相上アームを構成する上アームスイッチング素子としてのスイッチング素子Q1と、u相下アームを構成する下アームスイッチング素子としてのスイッチング素子Q2とが直列接続されている。第2配線Lm2において、v相上アームを構成する上アームスイッチング素子としてのスイッチング素子Q3と、v相下アームを構成する下アームスイッチング素子としてのスイッチング素子Q4とが直列接続されている。第3配線Lm3において、w相上アームを構成する上アームスイッチング素子としてのスイッチング素子Q5と、w相上アームを構成する下アームスイッチング素子としてのスイッチング素子Q6とが直列接続されている。また、中継配線Lm上において正極母線Lp側から負極母線Lnに向けてに電流の逆流を防止するための6つのダイオードD1〜D6がそれぞれ上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を構成するスイッチング素子Q1〜Q6のそれぞれに対して逆並列接続されている。
【0044】
平滑回路52は、インバータ回路51及び第1低圧蓄電装置40に電気的に接続されるとともに第1低圧蓄電装置40に供給される電力の電圧を安定させる機能を有している。平滑回路52は、インバータ回路51と同様に負極母線Lnを有している。平滑回路52は、インバータ回路51と負極母線Lnを共有している。平滑回路52は、第1平滑配線Ls1と、第2平滑配線Ls2と、統合平滑配線Lstと、平滑中継配線Lsmと、コンデンサ53と、リアクトル54,55とを有している。第1平滑配線Ls1は、第2配線Lm2におけるスイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との間に電気的に接続されている。第2平滑配線Ls2は、第3配線Lm3におけるスイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6との間に電気的に接続されている。統合平滑配線Lstは、第1平滑配線Ls1と第2平滑配線Ls2とをまとめることで形成されている。統合平滑配線Lstは、第1低圧側変換正極配線L5に電気的に接続されている。そのため、統合平滑配線Lstは、第1低圧蓄電装置40と電気的に接続されている。平滑中継配線Lsmは、負極母線Lnと統合平滑配線Lstとの間を電気的に接続している。コンデンサ53は、平滑中継配線Lsmに設けられている。リアクトル54は、第1平滑配線Ls1に設けられている。リアクトル55は、第2平滑配線Ls2に設けられている。ここで、第1配線Lm1におけるスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間には、回生用配線Lrが電気的に接続されている。なお、リアクトル54,55は、インダクタ等の受動素子であり、本実施形態ではコイルにより構成されている。なお、本実施形態の第1低圧コンバータ50は、入力側(燃料電池スタック10側)と出力側(第1低圧蓄電装置40側)電気的に導通している非絶縁型コンバータである。
【0045】
ここで、FCECU65の第1低圧コンバータ50の制御について説明するとともに第1低圧コンバータ50の動作についても説明する。
図1及び図2に示すように、FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させていない場合、燃料電池スタック10で発電された電力を降圧する降圧制御を実施する。降圧制御において、FCECU65は、第1低圧コンバータ50のインバータ回路51における第1配線Lm1に設けられているスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2と、第2配線Lm2及び第3配線Lm3上に設けられたスイッチング素子Q4,Q6を常に開状態に維持する。そして、FCECU65は、スイッチング素子Q1,Q2,Q4,Q6が開状態に維持された状態において、スイッチング素子Q3,Q5を開閉させることで降圧制御を実施する。より詳細には、降圧制御時には、FCECU65は、スイッチング素子Q3,Q5を交互に開閉させる。
【0046】
例えば、第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q5を閉状態にしたときを考える。燃料電池スタック10で発電された電力は、高圧側供給正極配線L1及び正極母線Lpを通じて第2配線Lm2及び第3配線Lm3に供給される。第3配線Lm3に供給された電力は、第2平滑配線Ls2のリアクトル55を介して統合平滑配線Lstに供給され、第1低圧蓄電装置40に供給される。第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q5が閉状態となったとき、第2平滑配線Ls2に設けられているリアクトル55が磁化する。これにより、第2平滑配線Ls2に設けられているリアクトル55には、第3配線Lm3から第2平滑配線Ls2を介して流れようとする電流を妨げる向きに逆起電力が発生する。よって、第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q5が閉状態となると、第2平滑配線Ls2に設けられているリアクトル55により燃料電池スタック10で発電された電力の電圧が低下し、燃料電池スタック10で発電された電力が降圧される。また、第2配線Lm2に設けられているスイッチング素子Q3が閉状態となる場合も同様であり、第1平滑配線Ls1に設けられているリアクトル54が磁化することにより、第1平滑配線Ls1に設けられているリアクトル54には、第2配線Lm2から第1平滑配線Ls1を介して流れようとする電流を妨げる向きに逆起電力が発生する。よって、第2配線Lm2に設けられているスイッチング素子Q3が閉状態になると、第1平滑配線Ls1に設けられているリアクトル54により燃料電池スタック10で発電された電力の電圧が低下し、燃料電池スタック10で発電された電力が降圧される。ここで、第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5を開閉させると平滑中継配線Lsmに設けられているコンデンサ53に充電される。コンデンサ53には、各リアクトル54,55により降圧された燃料電池スタック10の電力が充電される。第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5が開状態となったとしてもコンデンサ53から第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q4,Q6に対して逆並列接続されているダイオードD4,D6を介して各リアクトル54,55に向けて流れる還流電流が発生する。よって、第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5が開状態であり、燃料電池スタック10で発電された電力が第1低圧蓄電装置40に流れなくてもコンデンサ53による還流電流により第1低圧蓄電装置40に蓄電される電力の電圧の時間的変化が少なくなる。よって、第1低圧コンバータ50の平滑回路52により燃料電池スタック10で発電された電力を降圧させつつ第1低圧蓄電装置40に蓄電される電力の電圧を安定させることができる。
【0047】
図1及び図2に示すように、FCECU65は、走行用モータ70が回生電力を発生させている場合、高圧蓄電装置20が規定の電圧値に達したときに回生電力を降圧する回生降圧制御を実施する。回生降圧制御において、FCECU65は、上述したように燃料電池スタック10の動作を停止させる。また、FCECU65は、第1低圧コンバータ50のインバータ回路51における第1配線Lm1に設けられているスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2と、第2配線Lm2及び第3配線Lm3上に設けられた下アームスイッチング素子であるスイッチング素子Q4,Q6を常に開状態に維持する。そして、FCECU65は、スイッチング素子Q1,Q2,Q4,Q6が開状態に維持された状態において、スイッチング素子Q3,Q5を開閉させることで回生降圧制御を実施する。より詳細には、回生降圧制御時には、FCECU65は、スイッチング素子Q3,Q5を交互に開閉させる。また、回生降圧制御において、FCECU65は、第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5を開閉させるタイミングを上記降圧制御と比較して早くする。
【0048】
例えば、第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q5を閉状態にしたときを考える。走行用モータ70が発生させている回生電力は、回生用配線Lrを通じて第1配線Lm1に伝達され、第1配線Lm1に設けられているスイッチング素子Q1に対して逆並列接続されているダイオードD1を介して第2配線Lm2と第3配線Lm3に供給される。第3配線Lm3に供給された回生電力は、第2平滑配線Ls2のリアクトル55を介して統合平滑配線Lstに供給され、第1低圧蓄電装置40に供給される。第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q5が閉状態となったとき、第2平滑配線Ls2に設けられているリアクトル55が磁化する。これにより、第2平滑配線Ls2に設けられているリアクトル55には、第3配線Lm3から第2平滑配線Ls2を介して流れようとする電流を妨げる向きに逆起電力が発生する。よって、第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q5が閉状態となると、第2平滑配線Ls2に設けられているリアクトル55により回生電力の電圧が降圧される。また、第2配線Lm2に設けられているスイッチング素子Q3が閉状態となる場合も同様であり、第1平滑配線Ls1に設けられているリアクトル54が磁化することにより、第1平滑配線Ls1に設けられているリアクトル54には、第2配線Lm2から第1平滑配線Ls1を介して流れようとする電流を妨げる向きに逆起電力が発生する。よって、第2配線Lm2に設けられているスイッチング素子Q3が閉状態となると、第1平滑配線Ls1に設けられているリアクトル54により回生電力の電圧が降圧される。ここで、第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5を開閉させると、平滑中継配線Lsmに設けられているコンデンサ53が充電される。コンデンサ53には、各リアクトル54,55により降圧された回生電力が充電される。第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5が開状態となったとしてもコンデンサ53から第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q4,Q6に対して逆並列接続されているダイオードD4,D6を介して各リアクトル54,55に向けて流れる還流電流が発生する。よって、第2配線Lm2及び第3配線Lm3に設けられているスイッチング素子Q3,Q5が開状態で回生電力が第1低圧蓄電装置40に流れなくてもコンデンサ53による還流電流により第1低圧蓄電装置40に蓄電される電力の電圧の時間的な変化が少なくなる。よって、第1低圧コンバータ50の平滑回路52により回生電力を降圧させつつ第1低圧蓄電装置40に蓄電される電力の電圧を安定させることができる。
【0049】
ここで、回生降圧制御において降圧制御時よりもスイッチング素子Q3,Q5を開閉させるタイミングを早くする理由について説明する。
燃料電池スタック10で発電された電力を降圧する場合と、回生電力を降圧する場合とでは、電圧の降圧幅が異なる。回生電力を降圧できる理由は、リアクトル54,55の磁化による逆起電力である。そのため、降圧幅を変化させるには、リアクトル54,55に発生する逆起電力の大きさを変化させる必要がある。そこで、FCECU65は、回生降圧制御を実施するときにスイッチング素子Q3,Q5を開閉させるタイミングを降圧制御と比較して早くしている。スイッチング素子Q3,Q5が開状態となっている期間が長いと、コンデンサ53による還流電流によりリアクトル54,55は磁気エネルギーを多く蓄える。そのため、スイッチング素子Q3,Q5が閉状態となりリアクトル54,55が磁化すると、リアクトル54,55に発生する逆起電力が大きくなる。すなわち、回生降圧制御を実施するときにスイッチング素子Q3,Q5を開閉させるタイミングを降圧制御よりも早くすることで、リアクトル54,55に蓄えられる磁気エネルギーを少なくすることができ、リアクトル54,55に発生する逆起電力を小さくすることができる。よって、回生降圧制御において降圧制御よりもスイッチング素子Q3,Q5を開閉させるタイミングを早くする理由は、降圧制御と回生降圧制御とで降圧幅を適切に変更するためである。
【0050】
ここで、FCECU65は、電圧センサ102により検出される電圧値が規定の電圧値となったときに走行用モータ70が回生電力を発生させている状態であっても回生電力が高圧蓄電装置20及び第1低圧蓄電装置40に向けて流れないようにする回生停止制御を実施する。例えば、回生停止制御を実施するにあたって、高圧側変換正極配線L3における高圧蓄電装置20よりも下流側に電力遮断部としてリレーを設けるとよい。そして、FCECU65は、第1低圧蓄電装置40が規定の電圧値に達したときに当該リレーを開状態とすることで回生電力が高圧蓄電装置20及び第1低圧蓄電装置40に向けて流れないようにする。なお、ここで紹介した回生停止制御は一例であり、第1低圧蓄電装置40が規定の電圧値に達したときに高圧蓄電装置20及び第1低圧蓄電装置40に回生電力が流れないようにできればどのように変更してもよい。また、第1低圧蓄電装置40の規定の電圧値とは、高圧蓄電装置20の規定の電圧値と同様に、燃料電池システム1の仕様によって第1低圧蓄電装置40に要求される充電量を考慮して設定することが好ましい。そのため、第1低圧蓄電装置40の規定の電圧値は、例えば第1低圧蓄電装置40の満充電時の電圧値、第1低圧蓄電装置40の第2規定値、又は第1低圧蓄電装置40の満充電時の電圧値と第2規定値との間に設定されてもよい。
(【0051】以降は省略されています)

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