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公開番号2020188660
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093616
出願日20190517
発明の名称電力変換装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類H02M 7/48 20070101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】装置の小型化を図りつつも、電流検出値に生じるノイズの抑制を図った電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置は、電力変換回路と、シャント抵抗137(電流検出回路)と、マイコン(制御回路)と、基板30と、を備える。シャント抵抗137は、電力変換回路を流れる電流を検出する。マイコンは、シャント抵抗137により検出された電流値に基づき、電力変換回路の作動を制御する。基板30は、電力変換回路、シャント抵抗137およびマイコンが設けられた多層基板である。基板30に形成されているプリント配線には、シャント抵抗137により検出される検出信号をマイコンへ送信する送信パターンPrh、Prgが含まれている。基板30の板面垂直方向から見て、送信パターンPrh、Prgの全体が、電力変換回路のオンオフ変動部と異なる位置に配置されている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
供給される電力を変換して出力する電力変換回路(120、220)と、
前記電力変換回路を流れる電流を検出する電流検出回路(137、138、139、237、238、239)と、
前記電流検出回路により検出された電流値に基づき、前記電力変換回路の作動を制御する制御回路(170、176、270、276)と、
前記電力変換回路、前記電流検出回路および前記制御回路が設けられた多層基板(30)と、
を備え、
前記多層基板に形成されているプリント配線には、前記電流検出回路により検出される検出信号を前記制御回路へ送信する送信パターン(Prh、Prg)が含まれており、
前記電力変換回路のうち、電流のオンオフが切り替わるように変動する部分をオンオフ変動部と称し、
前記多層基板の板面に対して垂直な方向である板面垂直方向から見て、前記送信パターンの全体が、前記オンオフ変動部と異なる位置に配置されている電力変換装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記電力変換回路は、電力供給ラインの高電位側である上ライン(P121)に接続された上アーム(H)、および前記電力供給ラインの低電位側である下ライン(P131)に接続された下アーム(L)を有し、
前記多層基板に形成されているプリント配線には、前記上アームに設けられる上スイッチ素子(121、122、123、221、222、223)と前記上ラインとを接続する上パターン(P122)と、前記下アームに設けられる下スイッチ素子(124、125、126、224、225、226)と前記下ラインとを接続する下パターン(P132、P133)と、前記上スイッチ素子と前記下スイッチ素子とを接続する中点パターン(P123)と、が含まれており、
前記オンオフ変動部は、前記上パターン、前記下パターン、前記上スイッチ素子、前記下スイッチ素子および前記中点パターンを有する、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記下パターンには、前記電流検出回路が有するシャント抵抗(137、138、139、237、238、239)の高電位側が実装される高電位側ランド部(Lrh)と、前記シャント抵抗の低電位側が実装される低電位側ランド部(Lrg)と、が含まれており、
前記高電位側ランド部または前記低電位側ランド部から前記送信パターンが延びる方向は、前記高電位側ランド部および前記低電位側ランド部が並ぶ方向である検出電流方向に対して交差している、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記送信パターンには、
前記高電位側ランド部または前記低電位側ランド部に一端が接続されて直線状に延びる第1パターン部(Prh1、Prg1)と、
前記第1パターン部の他端から向きを変えて直線状に延びる第2パターン部(Prh2、Prg2)と、が含まれており、
前記第1パターン部が延びる方向は、前記検出電流方向に対して交差し、
前記第2パターン部の少なくとも一部は、前記板面垂直方向から見て、前記オンオフ変動部とは別のプリント配線である別パターン(P13a)の少なくとも一部に重畳するように配置されている、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電流検出回路および前記下スイッチ素子が並ぶ方向は、前記上スイッチ素子および前記下スイッチ素子が並ぶ方向に対して交差している、請求項2〜4のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記電流検出回路が有するシャント抵抗、前記上スイッチ素子、および前記下スイッチ素子は、前記板面垂直方向から見て矩形形状であり、
前記下スイッチ素子のうち前記上スイッチ素子と対向する辺を第1辺(H1)とし、前記下スイッチ素子のうち前記第1辺に直交する辺を第2辺(H2)とし、
前記シャント抵抗は、前記第2辺に対向する位置に配置されている、請求項2〜5のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記多層基板に形成されているプリント配線には、前記電力変換回路により変換された電力を出力する出力パターン(P124)が含まれており、
前記中点パターンには、前記上スイッチ素子または前記下スイッチ素子が実装されるスイッチランド部(Lhs、Lld)が含まれており、
前記出力パターンの一端は前記スイッチランド部に接続されている、請求項2〜6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記送信パターンのうち、前記多層基板の表層(31)に位置する部分の配線長さは、前記多層基板の内層(33)に位置する部分の配線長さより短い、請求項1〜7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記電力変換回路は、車両の操舵力を発揮するモータ(80)へ電力を供給するものである、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、供給される電力を変換して出力する電力変換装置に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、供給される直流の電力を交流に変換して出力する電力変換装置が記載されている。この種の電力変換装置は、インバータ回路、電流検出回路および制御回路を備える。電流検出回路は、インバータ回路を流れる電流を検出する。制御回路は、電流検出回路による電流検出値に基づきインバータ回路の作動を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−36244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、インバータ回路、電流検出回路および制御回路を、共通する1枚の多層基板に設ければ、装置の小型化を図ることができる。しかしその背反として、各回路の構成部品やプリント配線パターンが密集配置されることとなり、以下の問題が懸念されるようになる。すなわち、上記プリント配線パターンには、電流検出回路により検出された検出信号を制御回路へ送信する送信パターンが含まれる。この送信パターンで送信される検出信号には、上記密集配置に起因して、インバータ回路の影響によるノイズが発生する。そのため、制御回路で用いられる電流検出値の精度悪化を招いてしまう。
【0005】
開示される1つの目的は、装置の小型化を図りつつも、電流検出値に生じるノイズの抑制を図った電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、開示された1つの態様は、
供給される電力を変換して出力する電力変換回路(120、220)と、
電力変換回路を流れる電流を検出する電流検出回路(137、138、139、237、238、239)と、
電流検出回路により検出された電流値に基づき、電力変換回路の作動を制御する制御回路(170、176、270、276)と、
電力変換回路、電流検出回路および制御回路が設けられた多層基板(30)と、
を備え、
多層基板に形成されているプリント配線には、電流検出回路により検出される検出信号を制御回路へ送信する送信パターン(Prh、Prg)が含まれており、
電力変換回路のうち、電流のオンオフが切り替わるように変動する部分をオンオフ変動部と称し、
多層基板の板面に対して垂直な方向である板面垂直方向から見て、送信パターンの全体が、オンオフ変動部と異なる位置に配置されている電力変換装置とされる。
【0007】
上記装置によれば、電力変換回路、電流検出回路および制御回路が1つの基板に設けられており、その基板には多層基板が用いられている。そのため、各回路のプリント配線パターンを、多層基板の板面垂直方向から見て互いに重畳した配置にできる。これにより、装置の小型化を図ることができる。但し、このように小型化を図ることに伴い、電力変換回路における大電流用の配線パターンと、制御回路における制御用の配線パターンとが密集配置されることになる。上記装置では、以下の点に着目して、上記密集配置による電流検出の精度悪化について対策している。
【0008】
電力変換回路には、電流のオンオフが切り替わるように変動する部分(オンオフ変動部)と、常時一定の電流が流れる部分(非変動部)とが存在する。そして、上記密集配置の状況では、検出信号を制御回路へ送信する送信パターンを、板面垂直方向から見てオンオフ変動部と重畳させないことが、ノイズ対策に有効である。この点に着目した上記装置では、プリント配線に含まれる送信パターンの全体が、板面垂直方向から見てオンオフ変動部と異なる位置に配置されている。そのため、送信パターンで送信される検出信号に、オンオフ変動部の影響によるノイズが生じることを抑制できる。したがって、装置の小型化を図りつつも、電流検出の精度悪化を抑制できる。
【0009】
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係るステアリングシステムを示す概略構成図である。
図1に示すステアリングシステムに適用された駆動装置の断面図である。
図2に示す駆動装置の回路図である。
図2に示す駆動装置に適用されたインバータを、モータの側から見た底面図である。
図2に示す駆動装置に適用されたインバータを、モータの反対側から見た上面図である。
第1実施形態に係るインバータの断面図である。
第1実施形態に係るプリント配線の配置を模式的に示す図である。
第1実施形態において、オンオフ変動部における電流の時間変化を示す図である。
図4の拡大図である。
第2実施形態に係るプリント配線において、送信パターンの形状と配置を模式的に示す図である。
第3実施形態に係るプリント配線において、出力パターンと送信パターンの配置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態による駆動装置1は、電動のモータ80と、電力変換装置としての電子制御装置(ECU10)と、を備える。この駆動装置1は、車両のステアリング操作を補助するための電動パワーステアリング装置(EPS8)に適用される。図1は、EPS8を備えるステアリングシステム90の全体構成を示すものである。ステアリングシステム90は、操舵部材であるステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、ピニオンギア96、ラック軸97、車輪98、および、EPS8等を備える。
【0013】
ステアリングホイール91は、ステアリングシャフト92と接続される。ステアリングシャフト92には、操舵トルクを検出するトルクセンサ94が設けられる。トルクセンサ94は、系統毎に設けられる2つのトルク検出部941、942を有する。トルク検出部941、942の検出値は、対応するマイクロコンピュータ(図3参照)であるマイコン170、270に出力される。ステアリングシャフト92の先端には、ピニオンギア96が設けられる。ピニオンギア96は、ラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が連結される。
【0014】
運転者がステアリングホイール91を回転させると、ステアリングホイール91に接続されたステアリングシャフト92が回転する。ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換される。一対の車輪98は、ラック軸97の変位量に応じた角度に操舵される。
【0015】
EPS8は、駆動装置1、ならびに、モータ80の回転を減速してステアリングシャフト92に伝える動力伝達部としての減速ギア89等を備える。ステアリングシャフト92がEPS8の駆動対象である。
【0016】
図2および図3に示すように、モータ80は、3相ブラシレスモータである。モータ80は、操舵に要するトルクの一部または全部を出力するものであって、バッテリ199、299から電力が供給されることにより駆動され、減速ギア89を正逆回転させる。
【0017】
モータ80は、巻線組としての第1巻線180および第2巻線280を有する。巻線180、280は、電気的特性が同等であり、共通のステータ840に、互いに電気角を30[deg]ずらしてキャンセル巻きされる。これに応じて、巻線180、280には、位相φが30[deg]ずれた相電流が通電されるように制御される。
【0018】
以下、第1巻線180の通電制御に係る構成の組み合わせを第1系統L1、第2巻線280の通電制御に係る構成の組み合わせを第2系統L2とする。第1系統L1の構成を主に100番台で付番し、第2系統L2の構成を主に200番台で付番し、系統L1、L2にて実質的に同様の構成には下2桁が同じとなるように付番し、適宜説明を省略する。
【0019】
図2に示すように、駆動装置1は、モータ80の軸方向の一方側にECU10が一体的に設けられており、いわゆる「機電一体型」である。ECU10は、モータ80に対して減速ギア89の反対側に設けられている。ECU10は、回転軸870の中心線Axに対して同軸に配置されている。機電一体型とすることで、搭載スペースに制約のある車両において、ECU10とモータ80とを効率的に配置することができる。以下適宜、単に「軸方向」、「径方向」という場合、モータ80における軸方向、径方向を意味するものとする。
【0020】
モータ80は、ステータ840、ロータ860、回転軸870および、これらを収容するハウジング830等を備える。ステータ840は、ハウジング830に固定されており、巻線180、280が巻回される。ロータ860は、ステータ840の径方向内側に設けられ、ステータ840に対して相対回転可能に設けられる。
【0021】
回転軸870は、ロータ860に嵌入され、ロータ860と一体に回転する。回転軸870は、軸受835、836により、ハウジング830に回転可能に支持される。回転軸870のECU10側の端部は、ハウジング830からECU10側に突出する。回転軸870のECU10側の端部には、検出対象としてのマグネット875が設けられる。
【0022】
ハウジング830は、筒状のケース834、ケース834の一端に設けられるリアフレームエンド837、および、ケース834の他端に設けられるフロントフレームエンド838を有する。
【0023】
リアフレームエンド837には、回転軸870が挿通配置される開口部837aが形成されている。また、リアフレームエンド837には、リード線挿通孔839が形成される。リード線挿通孔839には、巻線180、280の各相と接続されるリード線285が挿通される。リード線285は、リード線挿通孔839からECU10側に取り出される。リード線285は、モータ線接続部186、286(図4および図5参照)に挿通され、はんだ等により基板30に接続される。
【0024】
ECU10は、基板30、および、基板30に実装される各種電子部品を有する。基板30は、基板接続部155、255に挿通されるボルト259(図2参照)にて、リアフレームエンド837のモータ80とは反対側の面に固定される。ボルト259は、導電材料にて形成されている。基板30のモータ80側の面をモータ面301、モータ80とは反対側の面をカバー面302とする。カバー460は、略有底筒状に形成され、リアフレームエンド837の径方向外側に嵌まり合う。カバー460は、基板30を覆うように設けられ、外部の衝撃からECU10を保護したり、ECU10内への埃や水等の侵入を防止したりする。カバー460の側面には、開口461が設けられる。
【0025】
コネクタ350は、第1電源端子、第1グランド端子、第1信号端子、第2電源端子、第2グランド端子、および、第2信号端子、といったコネクタ端子を有する。第1電源端子、第1グランド端子および第1信号端子の各々は、第1電源端子接続部151、第1グランド端子接続部152および第1信号端子接続部153に、基板30のモータ面301側から挿入されて電気的に接続される(図4および図5参照)。第2電源端子、第2グランド端子および第2信号端子の各々は、第2電源端子接続部251、第2グランド端子接続部252および第2信号端子接続部253に、基板30のモータ面301側から挿入されて電気的に接続される(図4および図5参照)。
【0026】
図3に駆動装置1の回路構成を示す。ECU10は、第1巻線180に対応して設けられる第1インバータ120、第1モータリレー127〜129、第1電源リレー131、132、第1コンデンサ134および第1コイル135を有する。さらにECU10は、第2巻線280に対応して設けられる第2インバータ220、第2モータリレー227〜229、第2電源リレー231、232、第2コンデンサ234および第2コイル235を有する。
【0027】
第1系統L1の第1インバータ120等には、第1バッテリ199から電力が供給される。第2系統L2の第2インバータ220等には、第2バッテリ299から電力が供給される。本実施形態では、グランドについても第1系統L1と第2系統L2とで分離している。また、第1巻線180の通電は、第1マイコン170により制御され、第2巻線280の通電は、第2マイコン270により制御される。すなわち本実施形態では、第1系統L1と第2系統L2とが独立して設けられる完全冗長構成をなしている。
【0028】
第1インバータ120は、3相インバータであって、第1スイッチング素子121〜126がブリッジ接続されている。スイッチング素子121〜123は、高電位側に接続されて上アームHを構成する。スイッチング素子124〜126は、低電位側に接続されて下アームLを構成する。対になるU相のスイッチング素子121、124の接続点は第1U相コイル181の一端に接続される。対になるV相のスイッチング素子122、125の接続点は第1V相コイル182の一端に接続される。対になるW相のスイッチング素子123、126の接続点は第1W相コイル183の一端に接続される。コイル181〜183の他端は結線される。スイッチング素子124〜126の低電位側には、コイル181〜183の電流を検出する電流検出素子であるシャント抵抗137〜139が設けられる。
【0029】
第2インバータ220は第1インバータ120と同様の構成である。すなわち、スイッチング素子221〜223は、高電位側に接続されて上アームHを構成する。スイッチング素子224〜226は、低電位側に接続されて下アームLを構成する。UVW相各々の上下アーム回路の出力点はUVW相コイルの各々に結線される。スイッチング素子224〜226の低電位側には、コイル281〜283の電流を検出する電流検出素子であるシャント抵抗237〜239が設けられる。
【0030】
これらのシャント抵抗137〜139、237〜239は、各相のアームを流れる電流を検出する「電流検出回路」に相当する。電流検出回路で検出された電流値は、マイコン170、270へ入力される。マイコン170、270は、電流検出回路により検出された電流値に基づきインバータ120、220の作動を制御する「制御回路」に相当する。
【0031】
第1モータリレー127〜129は、第1インバータ120と第1巻線180との間に設けられ、第1インバータ120と第1巻線180とを断接可能に設けられる。U相のモータリレー127はスイッチング素子121、124の接続点とU相コイル181との間に設けられる。V相のモータリレー128はスイッチング素子122、125の接続点とV相コイル182との間に設けられる。W相のモータリレー129はスイッチング素子123、126の接続点とW相コイル183との間に設けられる。第2モータリレー227〜229は、第1モータリレー127〜129と同様の構成であり、UVW相各々について設けられている。
【0032】
第1電源リレー131、132は、寄生ダイオードの向きが逆向きとなるように直列接続され、第1バッテリ199と第1インバータ120との間に設けられる。第2電源リレー231、232は、寄生ダイオードの向きが逆向きとなるように直列接続され、第2バッテリ299と第2インバータ220との間に設けられる。これにより、バッテリ199、299が誤って逆向きに接続された場合に逆向きの電流が流れるのを防ぎ、ECU10を保護する。
【0033】
プリドライバ176は、第1マイコン170からの制御信号に基づいて駆動信号を出力する。この駆動信号により、第1スイッチング素子121〜126、第1モータリレー127〜129および第1電源リレー131、132は、オンオフ作動するように制御される。第2系統L2のプリドライバ276は、第1系統L1のプリドライバ176と同様に機能する。すなわち、第2スイッチング素子221〜226、第2モータリレー227〜229および第2電源リレー231、232は、プリドライバ276によりオンオフ制御される。なお、煩雑になることを避けるため、図3中において、モータリレーおよび電源リレーへの制御線は省略されている。
【0034】
第1コンデンサ134は第1インバータ120と並列に接続され、第2コンデンサ234は第2インバータ220と並列に接続される。コンデンサ134、234は、例えばアルミ電解コンデンサである。第1コイル135は第1バッテリ199と第1電源リレー131との間に設けられ、第2コイル235は第2バッテリ299と第2電源リレー231との間に設けられる。
【0035】
第1コンデンサ134および第1コイル135、ならびに、第2コンデンサ234および第2コイル235は、フィルタ回路を構成する。これらのフィルタ回路は、バッテリ199、299を共用する他の装置から伝わるノイズを低減する。さらにフィルタ回路は、駆動装置1からバッテリ199、299を共用する他の装置に伝わるノイズを低減する。また、コンデンサ134、234は、電荷を蓄えることで、インバータ120、220への電力供給を補助する。
【0036】
系統間グランド接続コンデンサ41は、第1系統グランドG1と、第2系統のグランドG2とを接続する。第1機電接続コンデンサ142は、第1系統グランドG1と、モータ80のハウジング830とを接続する。第2機電接続コンデンサ242は、第2系統グランドG2と、ハウジング830とを接続する。コンデンサ41、142、242は、例えばセラミックコンデンサである。
【0037】
基板30のモータ面301を図4、カバー面302を図5に示す。説明のため、カバー面302の配置を反転し、いずれも紙面左側が第1系統L1、右側が第2系統L2となるように記載した。
【0038】
図4に示すように、基板30のモータ面301には、スイッチング素子121〜126、221〜226とシャント抵抗137〜139、237〜239が実装される。さらにモータ面301には、モータリレー127〜129、227〜229と電源リレー131、132、231、232が実装される。さらにモータ面301には、統合IC175、275と回転角センサ29(センサ素子)が実装される。統合IC175にはプリドライバ176が含まれ、統合IC275にはプリドライバ276が含まれる。回転角センサ29は、回転軸870に設けられたマグネット875による磁界の変化を検出することで、回転軸870の回転角度に応じた検出信号を出力する。
【0039】
図5に示すように、基板30のカバー面302には、コンデンサ134、234とコイル135、235が実装される。さらにカバー面302には、系統間グランド接続コンデンサ41、機電接続コンデンサ142、242(図3参照)とマイコン170、270が実装される。
【0040】
図4および図5に示すように、基板30は、スリット305にて電気的に2つに分離されている。一方の領域のモータ面301およびカバー面302に、第1系統L1に係る部品が実装される。他方の領域のモータ面301およびカバー面302に、第2系統L2に係る部品が実装される。
【0041】
回転角センサ29は、基板30のうちリアフレームエンド837の開口部837aに対向する領域(開口対向領域)に配置されている。回転角センサ29は、モータ面301においてスリット305を跨いで実装される。系統間グランド接続コンデンサ41はカバー面302においてスリット305を跨いで実装され、第1系統グランドG1と第2系統グランドG2とを接続する。
【0042】
第1機電接続コンデンサ142は、第1系統L1のグランドパターンP13(図5参照)と、ハウジング接続パターン157とを接続する。第2機電接続コンデンサ242は、第2系統L2のグランドパターンP23(図5参照)と、ハウジング接続パターン257とを接続する。ハウジング830は、車両グランドと接続されている。すなわち、コンデンサ41、142、242は、いずれもグランド間を接続するコンデンサである。また、系統間グランド接続コンデンサ41は、系統L1、L2のパワー系回路のグランド間を接続している、とも言える。
【0043】
本実施形態では、駆動装置1がEPS8に適用されており、短時間で大電流が通電されるため、スイッチングノイズやリンギングノイズが発生する。このようなノイズNの発生源は、主にECU10の回路内であり、発生したノイズがコネクタ350およびモータ80を経由して車両側へ伝搬する虞がある。そこで、ボルトを用いて基板30のグランドとハウジング830とを電気的に接続し、モータ80側からECU10側へのノイズ帰還経路を形成する。これにより、ECU10の回路内で発生したノイズは、ノイズ源に帰還し、車両側へのノイズ伝搬が抑制される。
【0044】
図6に示すように、本実施形態に係る基板30には多層基板が用いられている。基板30には、複数の配線層、絶縁層34、表面レジスト層37およびビア等が形成されている。配線層には、導電性を有する配線が設けられている。配線層の各層の間には、電気絶縁性を有する絶縁層34が配置されている。
【0045】
配線層には、表層31、32および内層33が含まれる。表層31、32は、全配線層のうちの最外部に位置する層である。内層33は、全配線層のうちの内部に位置する層である。図6の例では内層33が4層(複数層)である。表層31、32は、表面レジスト層37で覆われている。表層31を覆う表面レジスト層37は、モータ面301を形成する。表層32を覆う表面レジスト層37は、カバー面302を形成する。
【0046】
ビアには、スルーホールビア(図示せず)とインナービア35a、36aが含まれる。スルーホールビアは、表層31、32および内層33の全て(全配線層)を貫通する形状である。インナービア35aは、1つの表層31、32と、その隣の1つの内層33に跨って延びる形状である。インナービア36aは、表層31、32を除き、全ての内層33に跨って延びる形状である。インナービア35aはレーザ加工により形成され、インナービア36aはドリル加工により形成されている。
【0047】
スルーホールビアとインナービア36aの内面には、導電部材としてのメッキ36が施されている。なお、メッキ36は内部に空間を形成する筒形状である。インナービア36aの筒内部には、図示しない非導電部材が詰め込まれている。その一方で、インナービア35aには導電部材が埋め込まれている。この導電部材は中実形状であり、以下の説明では中実ビア35と記載する。中実ビア35およびメッキ36は、任意の配線層に形成されている配線パターンどうしを電気接続する。メッキ36や中実ビア35の材質の具体例としては銅が挙げられる。
【0048】
配線層に形成されている配線パターンの一部は、図3に示す各電子部品を接続する配線として機能する。この配線パターンには、先述したグランドパターンP13、P23や電源パターンP11、P12、P21、P22が含まれている。さらに配線パターンには、図7を用いて後述する送信パターンPrh、Prgや出力パターンP124、P125等も含まれている。これらのパターンは、第1系統L1および第2系統L2各々に設けられている。
【0049】
<グランドパターンの詳細>
グランドパターンP13、P23は、グランドG1、G2の一部を提供するものであり、先述したグランド端子接続部152、252に電気接続されている。また、グランドパターンP13、P23は、カバー面302側の表層32において、機電接続コンデンサ142、242、および系統間グランド接続コンデンサ41に電気接続される。グランドパターンP13、P23の各々は、モータ面301側の表層31において、コンデンサ134、234の低電位側端子、およびシャント抵抗137〜139、237〜239に電気接続されている。
【0050】
図4および図5に示すグランドパターンP13、P23は、全配線層の各々に設けられたグランドパターンの一部であり、他のグランドパターンは図示省略されている。図示されるグランドパターンP13、P23は、内層33に設けられている。
(【0051】以降は省略されています)

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