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公開番号2020188654
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093610
出願日20190517
発明の名称駆動装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類H02K 5/04 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】部品同士が良好に接着固定された駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置は、内周開口部29を有する環状カバー20と、環状カバーが装着されている駆動ユニットとを備えている。駆動装置は、環状カバーの内周端部と駆動ユニットとを接着している内周接着剤92と、環状カバーの外周端部と駆動ユニットとを接着している外周接着剤91とを備えている。このため、駆動ユニットと環状カバーとを複数箇所で接着できる。したがって、接着箇所を1箇所とする構成に比べて、部品同士の接着固定を強固にしやすい。よって、部品同士が良好に接着固定された駆動装置を提供できる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
内周開口部(29)を有する環状カバー(20)と、
前記環状カバーが装着されている駆動ユニット(10)と、
前記環状カバーの内周端部(26)と前記駆動ユニットとを接着している内周接着剤(92)と、
前記環状カバーの外周端部(21)と前記駆動ユニットとを接着している外周接着剤(91)とを備えている駆動装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記内周端部は、前記駆動ユニットに向かって突出している環状の内周接着凸部(26)であり、
前記外周端部は、前記駆動ユニットに向かって突出している環状の外周接着凸部(21)であり、
前記駆動ユニットは、
前記内周接着凸部と対向している環状の内周接着凹部(45)と、
前記外周接着凸部と対向している環状の外周接着凹部(35)とを備え、
前記内周接着剤は、前記内周接着凸部と前記内周接着凹部とを接着し、前記外周接着剤は、前記外周接着凸部と前記外周接着凹部とを接着している請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記内周接着剤は、前記内周接着凸部と前記内周接着凹部とを環状に連続して接着し、前記外周接着剤は、前記外周接着凸部と前記外周接着凹部とを環状に連続して接着している請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記外周接着凸部は、
環状の前記外周接着凹部の一部をなす内側側面と対向している内側対向面(21b)と、
環状の前記外周接着凹部の一部をなす外側側面と対向している外側対向面(21a)とを備え、
前記外側対向面と前記外周接着凹部との間に位置している前記外周接着剤の厚さ(Ts)は、前記内側対向面と前記外周接着凹部との間に位置している前記外周接着剤の厚さ(Tu)よりも厚い請求項2または請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記環状カバーは、前記駆動ユニットに対する前記環状カバーの位置を決めるための位置決め部(27)を備えている請求項2から請求項4のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項6】
前記位置決め部は、前記環状カバーから前記内周接着凸部の突出方向に沿う方向に突出して設けられ、
前記位置決め部の突出量(Lp)は、前記内周接着凸部の突出量(Lb)よりも大きい請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記位置決め部は、前記内周接着凸部から離れるほど突出量が大きくなる傾斜部(27a)を備えている請求項5または請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記環状カバーは、前記環状カバーの外表面から突出して設けられ、前記駆動ユニットの端部と対向している外表面凸部(22)を備えている請求項1から請求項7のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項9】
前記駆動ユニットは、
モータ(11)と、
前記モータを固定した状態で収納しているフレーム(30)と、
前記フレームに固定されているコネクタ(41)とを備え、
前記内周接着剤は、前記環状カバーと前記コネクタとを接着し、
前記外周接着剤は、前記環状カバーと前記フレームとを接着している請求項1から請求項8のいずれかに記載の駆動装置。
【請求項10】
前記フレームは、
筒状のモータケース(31)と、
前記モータケースに固定されているフレームエンド(32)とを備え、
前記外周接着剤は、前記環状カバーと前記モータケースと前記フレームエンドとを接着している請求項9に記載の駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、駆動装置に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、互いに異なる方向に圧縮された第1シール部材と第2シール部材とを備えている回転電機を開示している。これにより、第1シール部材および第2シール部材それぞれのシール性に対し、組み付け時に発生する応力やねじれ等、互いの組み付け誤差が影響するのを抑制することができる。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−89216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術文献の構成では、シール部材が圧縮された状態でカバーとフレームとを固定する固定手段として係合部および爪部、あるいは、ねじ部材を備えている。先行技術文献の構成では、固定手段として接着剤を使用する開示はない。カバーとフレームの固定を接着剤で行う場合には、接着面を大きく確保する必要がある。接着面が小さすぎる場合には、接着強度が低く、部品同士が接着固定された状態を維持できない恐れがある。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、駆動装置にはさらなる改良が求められている。
【0005】
開示される1つの目的は、部品同士が良好に接着固定された駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された駆動装置は、内周開口部(29)を有する環状カバー(20)と、環状カバーが装着されている駆動ユニット(10)と、環状カバーの内周端部と駆動ユニットとを接着している内周接着剤(92)と、環状カバーの外周端部と駆動ユニットとを接着している外周接着剤(91)とを備えている。
【0007】
開示された駆動装置によると、環状カバーの内周端部と駆動ユニットとを接着している内周接着剤と、環状カバーの外周端部と駆動ユニットとを接着している外周接着剤とを備えている。このため、駆動ユニットと環状カバーとを複数箇所で接着できる。したがって、接着箇所を1箇所とする構成に比べて、部品同士の接着固定を強固にしやすい。よって、部品同士が良好に接着固定された駆動装置を提供できる。
【0008】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
駆動装置を示す上面図である。
図1のII−II線における断面を示す断面図である。
駆動ユニットを示す斜視図である。
環状カバーを示す斜視図である。
駆動ユニットと環状カバーとの接着部分を示す部分拡大図である。
コネクタと環状カバーとの位置決め途中の状態を示す説明図である。
内周接着凸部と内周接着凹部との接着前の状態を示す説明図である。
内周接着凸部と内周接着凹部との接着後の状態を示す説明図である。
外周接着凸部と外周接着凹部との接着前の状態を示す説明図である。
外周接着凸部と外周接着凹部との接着後の状態を示す説明図である。
第2実施形態における内周接着凸部と内周接着凹部との接着後の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0011】
第1実施形態
駆動装置1は、電気的に駆動を行う装置であって、モータ装置や発電装置などの回転電機装置として利用可能である。あるいは、回転を伴わないアクチュエータ装置などにも利用可能である。駆動装置1は、例えば、車両に搭載されて電動パワーステアリング装置の一部を構成する装置として利用できる。駆動装置1が電動パワーステアリング装置の以下では、駆動装置1が車両用の電動パワーステアリング装置の一部として用いられる場合を例に説明を行う。
【0012】
図1および図2において、駆動装置1は、駆動ユニット10と環状カバー20とを備えている。駆動ユニット10は、モータ11と回路基板15とフレーム30とコネクタ41とを備えている。モータ11は、電気エネルギーを回転運動に変換する電動機である。モータ11は、駆動装置1としての駆動力を提供する装置である。モータ11に代えて、アクチュエータなどの装置を用いて駆動力を提供してもよい。フレーム30は、有底筒状である。フレーム30は、筒状体であるモータケース31と、底面をなすフレームエンド32とを備えている。フレーム30は、モータケース31とフレームエンド32とで囲まれる収納空間内にモータ11を収納している。モータケース31とフレームエンド32とは、熱伝導性の高い金属材料で構成されている。
【0013】
回路基板15は、モータ11の制御を行うための回路部品を複数備えている。回路基板15の一部は、フレームエンド32に接触している。回路基板15の回路部品で発生した熱は、フレームエンド32に伝わり、フレームエンド32から放熱される。言い換えると、フレームエンド32は、回路基板15の冷却を促進するヒートシンクとして機能している。コネクタ41は、駆動装置1の外部からの信号や電力をモータ11や回路基板15に伝達するための部品である。モータ11の巻線の端部は、回路基板15を貫通してモータ11が配されている側とは反対側に突出している。
【0014】
環状カバー20は、駆動ユニット10に装着されている。環状カバー20は、中央に開口を形成している内周開口部29を有している。環状カバー20が駆動ユニット10に装着されている状態において、コネクタ41の一部は、内周開口部29が形成している開口から外側に突出している。環状カバー20は、樹脂部品であって、例えばポリブチレンテレフタレートなどの樹脂によって形成されている。
【0015】
環状カバー20が駆動ユニット10に装着された状態では、コネクタ41の一部のみが外部に露出しており、コネクタ41の残りの部分と回路基板15とフレームエンド32とは、外部に露出していない状態となる。言い換えると、環状カバー20を装着することで、回路基板15などに対して水や埃が付着してしまうことを抑制して、保護している。
【0016】
図3において、回路基板15は、略円盤状である。回路基板15は、フレームエンド32を覆うように設けられている。フレーム30には、外周接着凹部35が形成されている。外周接着凹部35は、連続する環状をなしている。外周接着凹部35は、回路基板15よりもモータ11の回転軸の径方向外側に設けられている。外周接着凹部35は、モータケース31とフレームエンド32との2つの部材によって形成されている凹溝である。
【0017】
コネクタ41には、内周接着凹部45が形成されている。内周接着凹部45は、連続する環状をなしている。内周接着凹部45は、外周接着凹部35よりもモータ11の回転軸の径方向内側に設けられている。内周接着凹部45は、フレームエンド32から離れた位置に設けられている。言い換えると、内周接着凹部45は、外周接着凹部35に対してモータ11の回転軸の軸方向にずれた位置に設けられている。
【0018】
図4において、環状カバー20は、有底筒状である。環状カバー20の底面中央には、略円形の開口を形成している内周開口部29が設けられている。内周開口部29の形状は、コネクタ41の少なくとも一部を外部に露出させることができる形状であればよく、略円形に限られない。例えば、四角形状や半円形状でもよく、様々な形状を組み合わせた複雑な形状であってもよい。
【0019】
環状カバー20は、内周開口部29である内周端部と、内周端部の反対側の端部である外周端部とを備えている。外周端部は、内周端部よりも外側、かつ、環状カバー20が駆動ユニット10に装着された場合に、内周端部からフレーム30までの距離よりも、外周端部からフレーム30までの距離の方が短くなる位置に設けられている。
【0020】
外周端部は、フレーム30に対向する側に向かって突出している外周接着凸部21によって構成されている。外周接着凸部21は、外周端部全体にわたって環状に連続して設けられている。外周接着凸部21の近傍には、環状カバー20の外表面から突出している外表面凸部22が形成されている。外周接着凸部21の突出方向と外表面凸部22の突出方向とは、互いに交差する方向である。外表面凸部22は、環状カバー20の外表面に沿って環状に連続して設けられている。外表面凸部22は、モータケース31の端部と対向している。外周接着凸部21は、外周端部の一例を提供する。
【0021】
内周端部は、フレーム30に対向する側に向かって突出している内周接着凸部26によって構成されている。外周接着凸部21の突出方向と内周接着凸部26の突出方向とは、同じ方向である。内周接着凸部26は、内周端部全体にわたって環状に連続して設けられている。内周接着凸部26は、内周端部の一例を提供する。
【0022】
図5において、内周接着凸部26の近傍であって、内周接着凸部26よりも外側には、フレーム30に対向する側に向かって突出している位置決め部27が形成されている。内周接着凸部26の突出方向と位置決め部27の突出方向とは、同じ方向である。位置決め部27は、内周接着凸部26から離れるほど、突出量が大きくなる傾斜部27aを備えている。傾斜部27aは、平坦面をなすテーパ形状である。傾斜部27aはテーパ形状に限られず、位置決め部27の先端部分を曲面に処理するコーナー処理を施すことで提供してもよい。
【0023】
外周接着凸部21と外周接着凹部35との間には、外周接着剤91が設けられている。外周接着剤91は、外周接着凸部21と外周接着凹部35とを接着することで、環状カバー20とフレーム30とを固定している。外周接着剤91は、外周接着凸部21と外周接着凹部35との間に環状に連続して設けられている。これにより、外周接着凸部21と外周接着凹部35との間への異物の侵入を防止している。言い換えると、外周接着剤91は、環状カバー20とフレーム30とを接着固定する接着機能と、環状カバー20とフレーム30との間のシールを行うシール機能との2つの機能を備えている。
【0024】
内周接着凸部26と内周接着凹部45との間には、内周接着剤92が設けられている。内周接着剤92は、内周接着凸部26と内周接着凹部45とを接着することで、環状カバー20とコネクタ41とを固定している。内周接着剤92は、内周接着凸部26と内周接着凹部45との間に環状に連続して設けられている。これにより、内周接着凸部26と内周接着凹部45との間への異物の侵入を防止している。言い換えると、内周接着剤92は、環状カバー20とコネクタ41とを接着固定する接着機能と、環状カバー20とコネクタ41との間のシールを行うシール機能との2つの機能を備えている。
【0025】
外周接着剤91および内周接着剤92には、例えばシリコーン系の接着剤を利用できる。ただし、外周接着剤91および内周接着剤92は、部品同士を接着固定する接着機能と、部品同士を接着した部分から水などの異物が侵入することを防止するシール機能を有していればよく、シリコーン系の接着剤に限られない。例えば、アクリル系の接着剤や、エポキシ系の接着剤なども利用可能である。
【0026】
内周接着凸部26と内周接着凹部45とにおける接着について以下に説明する。図6は、環状カバー20の位置が駆動ユニット10に対して位置決めされる前の状態を示している。内周接着剤92は、三方が囲まれた内周接着凹部45内に設けられている。この時点では、内周接着剤92が固まる前の柔らかい状態である。
【0027】
内周接着凸部26と内周接着凹部45とが対向している状態を維持して、コネクタ41に環状カバー20を接近させる。環状カバー20が適切な位置よりもわずかに内側にずれているため、傾斜部27aとコネクタ41とが接触している。傾斜部27aとコネクタ41とが接触した状態のまま、内周接着凸部26を内周接着凹部45にさらに近づけると、環状カバー20の位置が傾斜部27aによって適切な位置に誘導されることになる。言い換えると、傾斜部27aは、環状カバー20を適切な位置にガイドするガイド部として機能する。ここで、位置決め部27の突出量Lpは、内周接着凸部26の突出量Lbよりも大きい。このため、環状カバー20が適切な位置にガイドされている間、内周接着凸部26は、コネクタ41と接触していない。したがって、傾斜部27aのガイド機能が内周接着凸部26などの別の部分によって妨げられることがない。
【0028】
図7は、環状カバー20が駆動ユニット10に対して位置決めされた後であって、内周接着凸部26と内周接着凹部45との接着前の状態を示している。内周接着凸部26と内周接着凹部45とがさらに接近し、内周接着凸部26の一部が内周接着凹部45に挿入されている状態である。この内周接着凸部26を内周接着凹部45に挿入する挿入方向が、環状カバー20の取り付け方向である。言い換えると、内周接着凸部26の突出方向は、環状カバー20の取り付け方向と同じ方向である。一方、内周接着凹部45を構成しているコネクタ41の一部は、内周接着凸部26と位置決め部27との間に挿入されている。
【0029】
環状カバー20は、内周接着凸部26が内周接着剤92と接触する位置を超えて、取り付け方向に移動される。これにより、内周接着凸部26によって内周接着剤92が押し広げられて、内周接着剤92が隅々まで行き渡ることとなる。したがって、接着前の状態において内周接着剤92が不連続に塗布されている場合であっても、内周接着剤92が内周接着凸部26によって押し広げられることで、環状に連続して設けられることとなる。
【0030】
図8は、内周接着凸部26と内周接着凹部45とが接着固定された後の状態を示している。内周接着剤92は、環状カバー20とコネクタ41との2つの部品に接触して接着固定している。この時点では、内周接着剤92が内周接着凸部26と内周接着凹部45との間において、環状に連続して設けられた状態で固まっている。言い換えると、内周接着剤92は、内周接着凸部26と内周接着凹部45との間の空間を隙間なく埋めている。
【0031】
内周接着凹部45をなす側面のうち外側に位置している方の端部と、環状カバー20のうち、内周接着凸部26と位置決め部27との間の部分とは接触している。一方、内周接着凸部26と内周接着凹部45とは、互いに接触していない。内周接着凸部26と内周接着凹部45との間には、内周接着剤92が介在している。
【0032】
外周接着剤91による接着について以下に説明する。図9は、外周接着凸部21と外周接着凹部35との接着前の状態を示している。外周接着剤91は、三方が囲まれた外周接着凹部35内に設けられている。外周接着剤91は、モータケース31とフレームエンド32との2つの部品に接触して塗布されている。この時点では、外周接着剤91が固まる前の柔らかい状態である。外周接着凸部21の先端部分には、テーパ処理が施されており、先端部分が最も厚さが薄くなるように形成されている。
【0033】
外周接着凸部21と外周接着凹部35とを接近させ、外周接着凸部21の先端部分が外周接着凹部35に挿入される直前の状態である。この外周接着凸部21を外周接着凹部35に挿入する挿入方向が、環状カバー20の取り付け方向である。言い換えると、外周接着凸部21の突出方向は、環状カバー20の取り付け方向と同じ方向である。
【0034】
環状カバー20は、外周接着凸部21が外周接着剤91と接触する位置を超えて、取り付け方向に移動される。これにより、外周接着凸部21によって外周接着剤91が押し広げられて、外周接着剤91が隅々まで行き渡ることとなる。したがって、接着前の状態において外周接着剤91が不連続に塗布されている場合であっても、外周接着剤91が外周接着凸部21によって押し広げられることで、環状に連続して設けられることとなる。
【0035】
図10は、外周接着凸部21と外周接着凹部35とが接着固定された後の状態を示している。外周接着剤91は、環状カバー20とモータケース31とフレームエンド32との3つの部品に接触して各部品を接着固定している。この時点では、外周接着剤91が外周接着凸部21と外周接着凹部35との間において、環状に連続して設けられた状態で固まっている。言い換えると、外周接着剤91は、外周接着凸部21と外周接着凹部35との間の空間を隙間なく埋めている。
【0036】
外周接着凸部21は、外周接着凹部35と対向している対向面を複数備えている。外周接着凸部21の対向面のうち、環状カバー20の取り付け方向と交差する方向に対向する面は、側方対向面である。外周接着凸部21の側方対向面は、外側対向面21aと内側対向面21bとを備えている。外側対向面21aは、モータ11の回転軸の径方向外側に位置する外周接着凹部35の外側側面と対向している面である。内側対向面21bは、モータ11の回転軸の径方向内側に位置する外周接着凹部35の内側側面と対向している面である。
【0037】
内側対向面21bと外周接着凹部35との間に位置している外周接着剤91の厚さTsは、外側対向面21aと外周接着凹部35との間に位置している外周接着剤91の厚さTuよりも厚い。外周接着剤91を厚く設けることで、外周接着剤91による接着機能およびシール機能をより強固なものにすることができる。
【0038】
固まる前の外周接着剤91は、外周接着凸部21と外周接着凹部35との間の空間を満たすように広がって、外表面凸部22に達する。外表面凸部22に達した外周接着剤91は、それ以上取り付け方向に沿って環状カバー20の外表面を移動することができない。このため、外周接着剤91は、外表面凸部22によってガイドされて取り付け方向と交差する方向に広がることとなる。
【0039】
外表面凸部22とモータケース31の端部とは、取り付け方向において互いに対向している。一部の外周接着剤91は、外表面凸部22とモータケース31の端部との対向する空間に位置している。言い換えると、一部の外周接着剤91は、外表面凸部22とモータケース31の端部とを接着している。したがって、外表面凸部22を設けていない場合に比べて、接着面を大きく確保できる。
【0040】
駆動装置1の外表面であって、外表面凸部22とフレーム30との間の部分に外周接着剤91が環状に連続して設けられている場合には、駆動ユニット10と環状カバー20とが外周接着剤91によって適切に接着固定されている状態である。この状態では、外周接着凸部21と外周接着凹部35との間を通って異物が内部に侵入することが防止されている状態である。言い換えると、外周接着剤91による接着の完了後に、外表面凸部22とフレーム30との間の部分に外周接着剤91が環状に連続して設けられているか否かを確認することで、部品同士が適切に接着されているか否かを確認できる。この場合、外周接着剤91として不透明の接着剤を使用することが好ましい。また、外周接着剤91の色は、環状カバー20及びフレーム30と異なる色であることが好ましい。これによると、目視で簡単に外周接着剤91が外部に露出しているか否かを確認できる。
【0041】
環状カバー20の外表面から庇状に突出している外表面凸部22は、外周接着剤91を外部の衝撃から保護する保護機能を備えている。例えば、小石などが駆動装置1の外表面に露出している外周接着剤91に衝突しそうな場合であっても、外表面凸部22に衝突することで、小石が外周接着剤91に直接衝突することを抑制できる。これによると、外部の衝撃によって、外周接着剤91が環状カバー20やフレーム30からはがれてしまうことや、外周接着剤91に亀裂が入ってしまうことなどを抑制できる。したがって、部品同士を接着固定する接着機能と、駆動装置1内部への異物の侵入を防止するシール機能との2つの機能を、外周接着剤91が長期間にわたって安定して発揮しやすい。特に、駆動装置1を車両に搭載する場合には、走行時に駆動装置1が小石などと接触しやすい。このため、外周接着剤91を小石などの衝突から保護する構成は、駆動装置1を車両用として利用する場合に非常に有用である。
【0042】
外周接着剤91による接着と内周接着剤92による接着とは、同時に行われる。言い換えると、外周接着剤91と内周接着剤92とが塗布された駆動ユニット10に対して、環状カバー20が2箇所同時に接着されることとなる。
【0043】
上述した実施形態によると、駆動装置1は、環状カバー20の内周端部と駆動ユニット10とを接着している内周接着剤92と、環状カバー20の外周端部と駆動ユニット10とを接着している外周接着剤91とを備えている。このため、内周端部と外周端部との2箇所で環状カバー20と駆動ユニット10とを接着固定することができる。したがって、環状カバー20と駆動ユニット10とを1箇所で固定する場合に比べて、部品同士の接着固定を強固にしやすい。よって、部品同士が良好に接着固定された駆動装置1を提供できる。特に、内周端部と外周端部とを接着箇所としているため、接着されている部分が離れて配置されることになる。よって、一方の端部の近傍に偏って外力が加えられた場合であっても、他方の端部での接着を良好に維持しやすい。また、一方の端部に集中的に異物が衝突するような場合であっても、他方の端部での接着を良好に維持しやすい。
【0044】
内周接着剤92は、内周接着凸部26と内周接着凹部45とを接着し、外周接着剤91は、外周接着凸部21と外周接着凹部35とを接着している。このため、内周接着剤92や外周接着剤91が、凹凸のない平坦な面同士を接着する場合に比べて、接着面を大きく確保しやすい。したがって、内周接着剤92や外周接着剤91による接着強度を高めやすい。
【0045】
内周接着剤92は、内周接着凸部26と内周接着凹部45とを環状に連続して接着し、外周接着剤91は、外周接着凸部21と外周接着凹部35とを環状に連続して接着している。このため、内周接着剤92や外周接着剤91が、部品同士を接着固定するとともに、部品間への異物の侵入を抑制することができる。したがって、簡単な構成で部品同士の接着固定と部品間のシールを実現できる。
【0046】
外側対向面21aと外周接着凹部35との間に位置している外周接着剤91の厚さTsは、内側対向面21bと外周接着凹部35との間に位置している外周接着剤91の厚さTuよりも厚い。このため、異物の侵入経路における上流側で異物の侵入を安定して防止できる。よって、外周接着剤91が駆動装置1の内部への異物の侵入を防止しやすい。また、外周接着剤91のうち、外部環境にさらされることで劣化しやすい外表面に近い部分の厚さが厚いこととなる。このため、長期間にわたって外周接着剤91による接着機能やシール機能を発揮させやすい。
【0047】
環状カバー20は、環状カバー20の外表面から突出して設けられ、駆動ユニット10の端部と対向している外表面凸部22を備えている。このため、外周接着凹部35と外周接着凸部21との間から溢れ出した外周接着剤91が環状カバー20の外表面に沿って広がることを外表面凸部22が制限できる。したがって、外周接着剤91が外部に露出する位置を制御できる。よって、外部に露出している外周接着剤91を確認することで、外周接着剤91が全周に行き渡っているか否かを確認しやすい。
【0048】
また、外表面凸部22は、外周接着剤91を外部の衝撃から保護する保護機能を備えている。言い換えると、外表面凸部22は、外周保護部である。このため、外周接着剤91が、駆動ユニット10や環状カバー20からはがれてしまうことを抑制できる。したがって、外周接着剤91による接着機能やシール機能を長期間にわたって安定して発揮させやすい。
【0049】
また、外表面凸部22の一部とモータケース31の端部とを外周接着剤91によって接着することができる。このため、外表面凸部22を設けない場合に比べて外周接着剤91の接着面を大きく確保できる。したがって、駆動ユニット10と環状カバー20とが適切に接着およびシールされた状態を安定して維持しやすい。
【0050】
外周接着剤91は、不透明である。このため、外部に露出している外周接着剤91を目視で確認しやすい。したがって、駆動ユニット10と環状カバー20とが外周接着剤91によって適切に接着およびシールされているか否かをスムーズに確認できる。
(【0051】以降は省略されています)

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