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公開番号2020188649
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093555
出願日20190517
発明の名称走行中給電システム
出願人株式会社デンソー
代理人特許業務法人明成国際特許事務所
主分類H02J 50/12 20160101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】セグメントのどこに異常が生じたかを容易に判断する。
【解決手段】走行中給電システム100は、インバータ回路32、フィルタ回路34、共振回路36、送電コイル40を有するセグメントSGが移動体に進行方向に沿って複数並列に接続されたセグメント群を有する送電セクションSCと、セグメントに電力を供給する電源回路10と、セグメントの動作を制御する制御部16と、を備え、制御部は、送電セクションに含まれる複数のセグメントのうち1つのセグメントを送電セグメントSGmとし、他のセグメントを非送電セグメントSGsとし、送電セグメントへの給電により送電セグメントの送電コイルに磁界を発生させ、磁界との磁気結合により非送電セグメントに生じた電流と電圧である電気特性と、送電セグメントの電流と電圧である電気特性と、を用いて送電セグメントと非送電セグメントの異常の有無を検出する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
走行中給電システム(100)であって、
インバータ回路(32)、フィルタ回路(34)、共振回路(36)、送電コイル(40)を有するセグメント(SG)が移動体に進行方向に沿って複数並列に接続されたセグメント群を有する送電セクション(SC)と、
前記セグメントに電力を供給する電源回路(10)と、
前記セグメントの動作を制御する制御部(16)と、
を備え、
前記制御部は、
前記送電セクションに含まれる複数の前記セグメントのうち1つの前記セグメントを送電セグメント(SGm)とし、他の前記セグメントを非送電セグメント(SGs)とし、
前記送電セグメントへの給電により前記送電セグメントの送電コイルに磁界を発生させ、
前記磁界との磁気結合により前記非送電セグメントに生じた電流と電圧である電気特性と、前記送電セグメントの電流と電圧である電気特性と、を用いて前記送電セグメントと前記非送電セグメントの異常の有無を検出する、
走行中給電システム。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
請求項1に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、前記セグメントに異常を検出した場合には、異常が検出された前記セグメントを含む前記送電セクションへの電力供給を停止する、走行中給電システム。
【請求項3】
請求項1に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、前記セグメントに異常を検出した場合には、異常が検出された前記セグメントへの電力供給を停止する、走行中給電システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、複数の前記セグメントのうち1つの前記セグメントを、順番に前記送電セグメントに切り替える、走行中給電システム。
【請求項5】
請求項4に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、前記非送電セグメントのうち前記送電セグメントに隣接して配置された前記非送電セグメントの送電コイルに生じる電流と電圧である電気特性と、前記送電セグメントの電流と電圧である電気特性と、を用いて前記送電セグメントと前記非送電セグメントの異常の有無を検出する、走行中給電システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、前記送電セグメントを切り替えるときに、N個置き(Nは1以上の自然数)に切り替える、走行中給電システム。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、複数の前記セグメントのうち、中央に配置された前記セグメントを前記送電セグメントとする、走行中給電システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の走行中給電システムであって、
前記制御部は、
前記インバータ回路と、前記フィルタ回路と、前記共振回路と、前記送電コイルの少なくとも1つについて、地絡と、短絡と、開放のうちの少なくとも1つの異常を判断する、走行中給電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、走行中の車両に非接触で電力を供給する走行中給電システムに関する。
続きを表示(約 14,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無線で電力を伝送する無線電力伝送システムが開示されている。この無線電力伝送システムは、電力コントロール装置と、送電装置と、中継装置と、受電装置とを備える。電力コントロール装置は、送電回路と主制御装置を備える。中継装置は負荷回路を備える。主制御装置は、第1負荷指令値を生成して送電回路に送り、第2負荷指令値を生成し、負荷回路に送る。送電装置は、第1負荷指令値を受信すると、第1応答信号および負荷回路に供給される交流電力の電圧値等の情報を返す。負荷回路は、第2負荷指令値を受信すると、第2応答信号を返す。主制御回路は、第2応答信号を第1期間内に受信せず、第1応答信号を受信し且つ電圧情報を第2期間内に受信しなかった場合、負荷回路の故障ではなく中継側受電回路が故障していると判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017−70181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の無線電力伝送システムは、送電装置と、中継装置と、受電装置とがシリーズに配置された構成における故障箇所特定方法であり、送電側のみ備える走行中給電システムにおいて、適用できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、走行中給電システム(100)が提供される。この走行中給電システムは、インバータ回路(32)、フィルタ回路(34)、共振回路(36)、送電コイル(40)を有するセグメント(SG)が移動体に進行方向に沿って複数並列に接続されたセグメント群を有する送電セクション(SC)と、前記セグメントに電力を供給する電源回路(10)と、前記セグメントの動作を制御する制御部(16)と、を備える。前記制御部は、前記送電セクションに含まれる複数の前記セグメントのうち1つの前記セグメントを送電セグメント(SGm)とし、他の前記セグメントを非送電セグメント(SGs)とし、前記送電セグメントへの給電により前記送電セグメントの送電コイルに磁界を発生させ、前記磁界との磁気結合により前記非送電セグメントに生じた電流と電圧である電気特性と、前記送電セグメントの電流と電圧である電気特性と、を用いて前記送電セグメントと前記非送電セグメントの異常の有無を検出する。この形態によれば、送電セグメントに電力を供給して、各セグメントの電流、電圧などの電気特性を取得することで、どのセグメントに異常があるかを容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
走行中非接触給電システムを示す説明図である。
送電セクションの概略構成を示す説明図である。
セグメントの回路構成を示す説明図である。
共振回路が並列のときのセグメントの回路構成を示す説明図である。
送電セグメントと非送電セグメントの設定例を示す説明図である。
送電セグメントと非送電セグメントの共振及び磁気結合を示す説明図である。
健全時の送電セグメントと非送電セグメントの電圧と電流を示すシミュレーション結果である。
制御部が一定時間ごとに実行するセグメントの異常判定のフローチャートである。
異常発生の一例として非送電セグメントの送電コイルがグラウンドに地絡した状態を示す説明図である。
異常発生の一例として非送電セグメントの送電コイルがグラウンドに地絡した状態における電気特性のシミュレーション結果である。
異常発生の一例として非送電セグメントの送電コイルが短絡した状態を示す説明図である。
異常発生の一例として非送電セグメントの送電コイルが開放した状態を示す説明図である。
異常発生の一例としてスイッチングトランジスタが短絡し常時オンと同等の状態になった例を示す説明図である。
異常発生の一例としてスイッチングトランジスタが短絡し常時オンと同等の状態になった時の電気特性のシミュレーション結果である。
異常発生の一例としてスイッチングトランジスタが開放し常時オフと同等の状態になった例を示す説明図である。
異常発生の一例としてスイッチングトランジスタが開放し常時オフと同等の状態になった時の電気特性のシミュレーション結果である。
送電セグメントSGmをどこに設定するかの例を示したものである。
制御部が送電セグメントを順番に切り替える例である。
制御部が送電セグメントを順番に切り替える時に2個置きにする場合の例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、走行中非接触給電システムは、道路105側の走行中給電システム100と、車両202側の走行中受電システム200とを備える。走行中非接触給電システムは、車両202の走行中に走行中給電システム100から車両202に給電することが可能なシステムである。車両202は、例えば、電気自動車やハイブリッド車として構成される。図1において、x軸方向は車両202の進行方向を示し、y軸方向は車両202の幅方向を示し、z軸方向は鉛直上方向を示す。
【0008】
道路105側の走行中給電システム100は、複数の送電用のコイル40(以下「送電コイル40」とも呼ぶ。)と、複数の送電コイル40のそれぞれに交流電圧を供給する複数の送電回路30と、複数の送電回路30に直流電圧を供給する電源回路10と、受電コイル位置検出部20とを備えている。
【0009】
複数の送電コイル40は、x方向に沿って設置されている。送電回路30は、電源回路10から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して送電コイル40に印加する回路であり、インバータ回路、フィルタ回路、共振回路を含んでいる。送電コイル40と送電回路30とを合わせた1つのユニットを「セグメントSG」と呼ぶ。電源回路10は、直流電圧を送電回路30に供給する回路である。例えば、電源回路10は、商用電源から供給される交流電圧を整流して直流電圧を出力するAC/DCコンバータ回路として構成される。なお、電源回路10が出力する直流電圧は、完全な直流電圧でなくてもよく、ある程度の変動(リップル)を含んでいても良い。
【0010】
受電コイル位置検出部20は、車両202に搭載されている受電用のコイル240(以下「受電コイル240」とも呼ぶ。)の位置を検出する。受電コイル位置検出部20は、例えば、複数の送電回路30における送電電力や送電電流の大きさから受電コイル240の位置を検出しても良く、あるいは、車両202との無線通信や車両202の位置を検出する位置センサを利用して受電コイル240の位置を検出しても良い。複数の送電回路30は、受電コイル位置検出部20で検出された受電コイル240の位置に応じて、受電コイル240に近い1つ以上の送電コイル40を用いて送電を実行する。
【0011】
車両202は、メインバッテリ210と、補機バッテリ215と、制御装置220と、受電回路230と、受電コイル240と、DC/DCコンバータ回路260と、インバータ回路270と、モータジェネレータ280と、補機290と、を備えている。受電コイル240は、受電回路230に接続されており、受電回路230の出力には、メインバッテリ210と、DC/DCコンバータ回路260の高圧側と、インバータ回路270と、が接続されている。DC/DCコンバータ回路260の低圧側には、補機バッテリ215と、補機290とが接続されている。インバータ回路270には、モータジェネレータ280が接続されている。
【0012】
受電コイル240は、送電コイル40との間の電磁誘導によって誘導起電力を生じる装置である。受電回路230は、共振回路、フィルタ回路及び受電コイル240から出力される交流電圧を直流電圧に変換する整流回路を含む。なお、受電回路230は、整流回路にて生成した直流の電圧を、メインバッテリ210の充電に適した電圧に変換するDC/DCコンバータ回路を含んでいても良い。受電回路230から出力される直流電圧は、メインバッテリ210の充電や、インバータ回路270を介したモータジェネレータ280の駆動に利用することができ、また、DC/DCコンバータ回路260を用いて降圧することで、補機バッテリ215の充電や、補機290の駆動にも利用可能である。
【0013】
メインバッテリ210は、モータジェネレータ280を駆動するための比較的高い直流電圧を出力する2次電池である。モータジェネレータ280は、3相交流モータとして動作し、車両202の走行のための駆動力を発生する。モータジェネレータ280は、車両202の減速時にはジェネレータとして動作し、3相交流電圧を発生する。インバータ回路270は、モータジェネレータ280がモータとして動作するとき、メインバッテリ210の直流電圧を3相交流電圧に変換してモータジェネレータ280に供給する。インバータ回路270は、モータジェネレータ280がジェネレータとして動作するとき、モータジェネレータ280が出力する3相交流電圧を直流電圧に変換してメインバッテリ210に供給する。
【0014】
DC/DCコンバータ回路260は、メインバッテリ210の直流電圧を、より低い直流電圧に変換して補機バッテリ215及び補機290に供給する。補機バッテリ215は、補機290を駆動するための比較的低い直流電圧を出力する2次電池である。補機290は、車両202の空調装置や電動パワーステアリング装置、ヘッドライト、ウインカ、ワイパー等の周辺装置や車両202の様々なアクセサリーを含む。
【0015】
制御装置220は、車両202内の各部を制御する。制御装置220は、走行中非接触給電を受ける際には、受電回路230を制御して受電を実行する。
【0016】
図2に示すように、送電セクションSCの各々は、並列接続された複数のセグメントSGを有するセグメント群と、電源回路10と、を有する。電源回路10は、整流回路11と、力率改善回路12(図2では「PFC」と記載)とを備える。整流回路11は、商用電源15から電線PL1、PL2に供給される交流を直流に変換する。力率改善回路12は、入力電流に発生する高調波電流を抑制し、力率を1に近づける回路である。本実施形態では、1つの電源回路10は、複数のセグメントSGに接続されている。スイッチSW1は、各セクションSCへの電力供給をオンし、あるいはオフするスイッチである。
【0017】
各セグメントSGの内部には、図3Aに示すように、送電回路30と、送電コイル40とが設けられている。送電回路30は、インバータ回路32と、フィルタ回路34と、共振回路36と、を備える。インバータ回路32は、4つのスイッチングトランジスタTr1からTr4と、コンデンサC3を備える。4つのスイッチングトランジスタTr1からTr4は、Hブリッジ回路を構成している。スイッチングトランジスタTr1とTr3が直列に接続され、スイッチングトランジスタTr2とTr4が直列に接続されている。スイッチングトランジスタTr1、Tr2は、プラス側電源ラインV+に接続され、スイッチングトランジスタTr3、Tr4は、マイナス側電源ラインV−に接続されている。スイッチングトランジスタTr1とTr3の中間ノードと、スイッチングトランジスタTr2とTr4の中間ノードは、フィルタ回路34に接続されている。コンデンサC3は、プラス側電源ラインV+とマイナス側電源ラインV−との間に設けられた平滑コンデンサである。フィルタ回路34は、2つのインダクタL1及びL2と、コンデンサC2と、を有するT型フィルタ回路である。共振回路36は、送電コイル40と、フィルタ回路34のインダクタL1との間に直列に挿入されたコンデンサC1により形成されている。なお、共振回路36は、図3Bに示すように、コンデンサC1が送電コイル40と並列に接続される共振回路であってもよい。この場合、フィルタ回路34は、例えば、インダクタLbpfとコンデンサCbpfとが直列に接続されたバンドパスフィルタ回路であってもよい。制御部16は、4つのスイッチングトランジスタTr1からTr4のオンオフを制御する。スイッチングトランジスタTr1とTr4がオンされるときは、スイッチングトランジスタTr2とTr3はオフであり、スイッチングトランジスタTr2とTr3がオンされるときは、スイッチングトランジスタTr1とTr4はオフである。なお、セグメントSGが後述する非送電セグメントになるときには、4つのスイッチングトランジスタTr1からTr4は、オフである。
【0018】
図4に示すように、セクションに含まれる複数のセグメントSGは、走行中給電システム100の検査を実行するときには、送電セグメントと非送電セグメントに分けられる。送電セグメントは、送電される(ON)セグメントであり、セクションSCに含まれるセグメントSGのうち1つが送電セグメントとなる。図4の例では、セグメントSG3が送電セグメントとなっている。非送電セグメントは、送電されない(OFF)セグメントであり、セクションSCに含まれるセグメントSGのうち送電セグメント以外のセグメントが非送電セグメントとなる。図4の例では、セグメントSG1、SG2、SG4、SG5が非送電セグメントとなっている。なお、セグメントSGを区別する場合には、その符号番号の末尾に数字を付記し、例えばSGn(nは自然数)のように記載して区別する。他の構成についても同様である。
【0019】
送電セグメントであるセグメントSG3に送電されると、セグメントSG3のインバータ回路323、フィルタ回路343、共振回路363には、それぞれ、V13、V23、V33の電圧が掛かり、インバータ回路323、フィルタ回路343、共振回路363からそれぞれI13、I23、I33の電流が出力される。ここで電圧、電流の符号番号の末尾の「3」は、セグメントSG3の末尾の「3」に対応している。
【0020】
送電セグメントであるセグメントSG3の送電コイル403は、隣接する非送電セグメントであるセグメントSG2、SG4の送電コイル402、404と磁気結合している。また、セグメントSG2の送電コイル402は、セグメントSG1、SG3の送電コイル401、403と磁気結合している。セグメントSG4の送電コイル404は、セグメントSG3、SG5の送電コイル403、405と磁気結合している。そのため、送電セグメントであるセグメントSG3の送電コイル403に交流電力を供給すると、隣接する非送電セグメントであるセグメントSG2、SG4の送電コイル402、404に誘起電圧V32、V34が生じ、誘導電流I32、I34が流れる。さらに、隣接する非送電セグメントであるセグメントSG1、SG5の送電コイル401、405に誘起電圧V31、V35が生じ、誘導電流I31、I35が流れる。このように、送電コイル401、402、404、405に誘起電圧が発生し、共振回路361、362、364、365に誘導電流が流れることで、さらに、フィルタ回路341、342、344、345に電流I21、I22、I24、I25が流れ、電圧がV21、V22、V24、V25が掛かり、インバータ回路321、322、324、325に、電流I11、I12、I14、I15が流れ、電圧がV11、V12、V14、V15が掛かる。制御部16は、これらの電流や電圧を測定することで、セグメントSGnが正常なのか、あるいは、異常が生じているか、が判断可能である。さらに、異常が生じている場合、どのセグメントSGnに異常が生じているか、セグメントSGnのどの回路に異常が生じているか、を判断可能である。
【0021】
図5を用いて、送電セグメントSGmと、非送電セグメントSGs1、SGs2の共振及び磁気結合について説明する。ここで、送電セグメントSGmは、複数のセグメントSGnのうちの1つのセグメントである。非送電セグメントSGs1、SGs2は、送電セグメントSGmに隣接するセグメントである。送電コイル40のインダクタンスをLt、共振回路36のコンデンサC1のキャパシタンスをCt、フィルタ回路34のインダクタL1、L2のインダクタンスをLimi、フィルタ回路34のコンデンサC2のキャパシタンスをCimi、インバータ回路32の動作における周波数をf、角周波数をωとすると、共振条件は、例えば以下の式で示される。
ω=2πf
ωLt=1/(ωCt)
ωLimi=1/(ωCimi)
【0022】
送電セグメントSGmの送電コイル40と、非送電セグメントSGs1、SGs2の送電コイル40とは、磁気結合しているので、送電セグメントSGmの送電コイル40に電流Imを流すと、非送電セグメントSGs1、SGs2の送電コイル40に電流Is1、Is2が生じ、共振回路36に電圧Vs1、Vs2が掛かる。
【0023】
図6は、健全時の送電セグメントSGmと非送電セグメントSGs1、SGs2の電圧Vm、Vs1、Vs2と、電流Im、Is1、Is2を示すシミュレーション結果である。送電セグメントSGmにおける電圧Vmに対し、非送電セグメントSGs1、SGs2における電圧Vs1、Vs2は、π/2に相当する分だけ位相が遅れている。送電セグメントSGmにおける電流Imに対し、非送電セグメントSGs1、SGs2における電流Is1、Is2は、π/2に相当する分だけ位相が進んでいる。制御部16は、送電セグメントSGmを駆動し、非送電セグメントSGs1、SGs2に電流Is1、電圧Vm、Vs1、Vs2及び電流Im、Is1、Is2を用いて、どのセグメントSGに異常が生じたかを判断できる。なお、図6に示すグラフは、シミュレーション結果であり、ロスを考慮していないものである。後述する他のシミュレーション結果についても同様である。
【0024】
図7に、制御部16が一定時間ごとに実行するセグメントの異常判定のフローチャートを示す。なお、この異常判定は、制御部16よりも上位の制御部が行ってもよい。ステップS10では、制御部16は、セクションSCに属する全てのセグメントSGへの電力供給を停止する。なお、セクションSCの上に、当該セクションSCから電力供給を受ける車両が存在している場合には、車両に電力を供給するため、セクションSCをオフにしない。そのため、制御部16は、セクションSCの上に当該セクションSCから電力供給を受ける車両が存在していないときに、ステップS10以降の処理を実行する。制御部16は、セクションSCの上に当該セクションSCから電力供給を受ける車両が存在している場合には、当該車両が存在しなくなってからステップS10以降の処理を実行してもよく、また、一定時間経過してからステップS10以降の処理を実行してもよい。
【0025】
ステップS20では、制御部16は、送電セグメントSGmを駆動する。送電セグメントSGmの送電コイル40と、非送電セグメントSGs1、SGs2の送電コイル40との間の磁気結合により、非送電セグメントSGs1、SGs2の送電コイル40及び共振回路36には、図5に示すように、電流Is1、Is2が流れ、電圧Vs1、Vs2が掛かる。
【0026】
ステップS30では、制御部16は、全てのセグメントSGの電気特性を取得する。電気特性とは、例えば、図5に示すように、送電コイル40に流れる電流Im、Is1、Is2と、共振回路36に掛かる電圧Vm、Vs1、Vs2である。なお、ここでは、送電セグメントSGmにおける電流、電圧には、末尾に添え字「m」を付し、非送電セグメントSGs1、SGs2における電圧、電流には、末尾に添え字「s1」、「s2」を付してどこの電圧、電流であるかを区別している。
【0027】
ステップS40では、制御部16は、取得した電気特性を用いて、セグメントSGの異常を判定する。制御部16が、取得した電気特性を用いてどのようにセグメントSGの異常を判定するか、については、いくつかの例を挙げて後述する。
【0028】
ステップS50では、制御部16は、電気特性からどのセグメントSGに異常が生じていたか、否かを判断し、セグメントSGに異常が生じていた場合には、ステップS60に移行し、セグメントSGに異常が生じていなかった場合には、処理を終了する。
たか、異常判定を行う。
【0029】
ステップS60では、制御部16は、異常と判定したセグメントSGへの電力供給を停止する。なお、制御部16は、異常と判定したセグメントSGを含むセクションSCへの電力供給を停止してもよい。なお、ステップS60において、制御部16は、異常と判定したセグメントSGの停止や異常と判定したセグメントSGを含むセクションSCを停止せずに、異常の報知をするにとどめてもよい。
【0030】
以下に、ステップS40における異常例を示す。
・インバータ回路32のスイッチングトランジスタTr1〜Tr4、平滑コンデンサC3の地絡、短絡、開放
・フィルタ回路34のインダクタンスL1、L2、コンデンサC2について、地絡、短絡、開放
・共振回路36のコンデンサC1の地絡、短絡、開放
・送電コイル40の地絡、短絡、開放
なお、制御部16は、上記異常の全てを検出する必要は無く、インバータ回路32、フィルタ回路34、共振回路36、送電コイル40のうちの少なくとも1つについて、地絡、短絡、開放のうちの少なくとも1つを検出できれば良い。以下、いくつかの異常について、想定と、その異常が生じたと想定したときの電気特性のシミュレーション結果について説明する。
【0031】
図8に示すように、非送電セグメントSGs1の送電コイル40がグラウンドに地絡したと想定する。この場合、図9のシミュレーション結果に示すように、送電コイル40が地絡した非送電セグメントSGs1における電圧Vs1がゼロとなり、電流Is1がゼロとなる。なお、送電コイル40が地絡していないセグメントSGs2の電圧Vs2、電流Is2は、変わりない。そのため、制御部16は、非送電セグメントSGs1、SGs2の電圧Vs1、Vs2と、電流Is1、Is2を用いて、許容範囲と比較することで、非送電セグメントSGs1の送電コイル40に異常が生じた、と判断できる。
【0032】
図10に示すように、非送電セグメントSGs1の送電コイル40が短絡したと想定した場合、図9のシミュレーション結果と同様のシミュレーション結果が得られた。すなわち、送電コイル40が短絡した非送電セグメントSGs1における電圧Vs1がゼロとなり、電流Is1がゼロとなる。なお、送電コイル40が短絡していないセグメントSGs2の電圧Vs2、電流Is2は、変わりない。そのため、制御部16は、非送電セグメントSGs1、SGs2の電圧Vs1、Vs2と、電流Is1、Is2を用いて、許容範囲と比較することで、非送電セグメントSGs1の送電コイル40に異常が生じた、と判断できる。
【0033】
図11に示すように、非送電セグメントSGs1の送電コイル40が開放したと想定した場合も、図9のシミュレーション結果と同様のシミュレーション結果が得られた。すなわち、送電コイル40が開放した非送電セグメントSGs1における電圧Vs1がゼロとなり、電流Is1がゼロとなる。なお、送電コイル40が開放していないセグメントSGs2の電圧Vs2、電流Is2は、変わりない。そのため、制御部16は、非送電セグメントSGs1、SGs2の電圧Vs1、Vs2と、電流Is1、Is2を用いて、許容範囲と比較することで、非送電セグメントSGs1の送電コイル40に異常が生じた、と判断できる。
【0034】
このように、非送電セグメントSGs1の送電コイル40に、地絡、短絡、開放等の異常が生じたと想定した場合には、シミュレーション結果から、異常が生じたセグメントSGs1の電流Is1がゼロとなり、電圧Vs1がゼロとなるため、非送電セグメントSGs1の送電コイル40に異常が生じたことがわかる。なお、非送電セグメントSGs2の送電コイル40に異常が生じたと想定した場合も同様である。したがって、電流Is1あるいはIs2が許容範囲よりも低く、電圧Vs1あるいはVs2が許容範囲よりも低い場合には、非送電セグメントSGs1あるいはSG2の送電コイル40に、地絡、短絡、開放のいずれかの異常が生じていると判断できる。
【0035】
次にインバータ回路32に異常があると想定した場合について説明する。図12に示す例は、スイッチングトランジスタTr4が短絡し、常時オンと同等の状態になったと想定した例である。この場合、図13のシミュレーション結果に示すように、短絡したスイッチングトランジスタTr4を有する非送電セグメントSGs1の送電コイル40に流れる電流Is1は、スイッチングトランジスタTr4が短絡していない場合に比べて低下する。また、共振回路36に掛かる電圧Vs1は、スイッチングトランジスタTr4が短絡していない場合に比べて低下する。そのため、制御部16は、例えば、非送電セグメントSGs1の電流Is1と電圧Vs1が許容範囲よりも低い場合には、非送電セグメントSGs1のインバータ回路32のスイッチングトランジスタTr4が短絡したと判断できる。逆に、非送電セグメントSGs2の電流Is2と電圧Vs2が許容範囲よりも低い場合も同様である。
【0036】
図14に示す例は、スイッチングトランジスタTr4が開放し、常時オフと同等の状態となったと想定した例である。この場合、図15のシミュレーション結果に示すように、開放したスイッチングトランジスタTr4を有する非送電セグメントSGs1の送電コイル40に流れる電流Is1は、スイッチングトランジスタTr4が開放していない場合に比べて増加する。また、送電セグメントSGmの送電コイル40に流れる電流Imは、もうひとつの非送電セグメントSGs2の送電コイル40の電流の位相とほぼ一致するまで位相が進んでいる。共振回路36に掛かる電圧Vs1は、スイッチングトランジスタTr4が開放していない場合に比べて増加する。また、送電セグメントSGmの電圧Vmは、減少する。そのため、電流Is1が許容範囲よりも大きく、電流Imの位相が進み、電圧Vs1が許容範囲よりも大きく、電圧Vmが許容範囲よりも小さい場合には、非送電セグメントSGs1のインバータ回路32のスイッチングトランジスタTr4が開放したと判断できる。
【0037】
上記説明した例は、異常が生じた場所の一例である。上記説明した異常と異なる異常が生じた場合、例えば、スイッチングトランジスタTr4が地絡した場合、他のスイッチングトランジスタTr1からTr3に短絡、開放、地絡が生じた場合についても、各セグメントSGの電流Im、Is1、Is2、電圧Vm、Vs1、Vs2がどのように変化するかを、予めシミュレーションにより求めておけば、その結果を用いて、どこに異常が生じたかを判断できる。また、非送電セグメントSGsのフィルタ回路34に異常がある場合や、送電セグメントSGmの各回路32、34、36、送電コイル40に異常がある場合も同様に、各セグメントSGの電流Im、Is1、Is2、電圧Vm、Vs1、Vs2がどのように変化するかを予めシミュレーションにより求めておけば、その結果を用いて、どこに異常が生じたかを判断できる。なお、これらのシミュレーション結果については、説明を省略する。
【0038】
以上、本実施形態によれば、走行中非接触給電システム100は、セグメントSGであってインバータ回路32と、フィルタ回路34と、共振回路36と、送電コイル40と、を有するセグメントSGが、複数並列に接続されたセグメント群を有する送電セクションSC(以下「セクションSC」とも呼ぶ。)と、セグメントSGに電力を供給する電源10と、セグメントの動作を制御する制御部16とを備える。制御部16は、セクションSCに含まれる複数のセグメントSGのうち1つのセグメントSGを送電セグメントSGmとし、他のセグメントSGを非送電セグメントSGs1、SGs2とし、送電セグメントSGmへの給電により送電セグメントSGmの送電コイル40に磁界を発生させ、送電セグメントSGmの送電コイル40の電流Imと電圧Vmである電気特性と、磁界との結合により非送電セグメントSGs1、SGs2の送電コイル40に生じさせた電流Is1、Is2と電圧Vs1、Vs2である電気特性を取得する。制御部16は、電気特性の結果を許容範囲と比較することで、送電セグメントSGmと非送電セグメントSGsの異常の有無を容易に判断できる。さらに、異常が、回路のどこで生じたかを判断できる。
【0039】
上記実施形態では、制御部16は、送電セグメントSGm及び送電セグメントSGmに隣接して配置された非送電セグメントSGs1、SGs2の電流Im、Is1、Is2、電圧Vm、Vs1、Vs2を用いて送電セグメントSGmと非送電セグメントSGsの異常の有無を判断している。さらに、制御部16は、送電セグメントSGmに隣接する非送電セグメントSGs1にさらに隣接する非送電セグメントSGsxの電流Isx、電圧Vsxも用いて、非送電セグメントSGsxの異常を判断することも可能である。
【0040】
図16は、送電セグメントSGmをどのセグメントSGにするかの例を示したものである。セクションSCに含まれるセグメントSGの数が奇数の場合、制御部16は、セクションSCの中の中央に配置されたセグメントSGを送電セグメントSGmとする。セクションSCに含まれるセグメントSGの数が偶数の場合、制御部16は、セクションSCの中の中央に配置された2つのセグメントのうちの一方のセグメントSGを送電セグメントSGmとする。一般に、送電セグメントSGmから離れた非送電セグメントSGsの電流Isは、離れていない非送電セグメントSGsの電流よりも小さく、電圧Vsも同様に小さい。セクションSCの中のほぼ中央に配置されるセグメントSGを送電セグメントSGmとすると、送電セグメントSGmを端部に設けるよりも、送電セグメントSGmから最も離れた非送電セグメントSGsまでの距離を短くできるので、電流Isや電圧Vsが小さくなりにくい。そのため、送電セグメントSGmから最も離れた非送電セグメントSGsにおける異常の判断を容易にできる。
【0041】
図17に示す例は、制御部16が送電セグメントSGmを順番に切り替える例である。制御部16は、1回目は、セグメントSG1を送電セグメントSGmとし、2回目は、セグメントSG2を送電セグメントSGmとし、3回目は、セグメントSG3を送電セグメントSGmとするように、送電セグメントSGmを順番に切り替える。この場合、制御部16は、送電セグメントSGmと、送電セグメントSGmに隣接する2つの非送電セグメントSGs1、Sgs2の電流Im、Is1,Is2と、電圧Vm、Vs1、Vs2を取得し、送電セグメントSGmと2つの非送電セグメントSGs1、Sgs2の異常を判断する。すなわち、制御部16は、送電セグメントSGmに隣接しない非送電セグメントSGsの電流Isや電圧Vsは、取得しなくても良い。この形態によれば、制御部16は、全てのセグメントSGを順に送電セグメントSGmにできる。その結果、ある非送電セグメントSGsは、ある時には送電セグメントSGmから遠く離れていても、別の時には送電セグメントSGmに隣接する。そして、その非送電セグメントの異常の有無は、送電セグメントSGmが隣接したときに判断すれば、非送電セグメントSGsの電流Isや電圧Vsが大きなときに判断できる。その結果、より正確非送電セグメントSGsの異常の有無を判断できる。なお、制御部16は、図7に示すフローチャートを実行するときに、1つのループにおいて全てのセグメントSGを順次送電セグメントSGmとしてもよく、1つのループで1つのセグメントSGを送電セグメントSGmとし、次のループで次のセグメントSGを送電セグメントSGmとしてもよい。
【0042】
図18に示す例は、図17の変形例であり、制御部16が送電セグメントSGmを順番に切り替えるときに、隣接するセグメントSGではなく、間に送電セグメントSGmにしないセグメントSGが存在するように、送電セグメントSGmを切り替える。図18の例では、制御部16は、1回目は、セグメントSG1を送電セグメントSGmとし、2回目は、セグメントSG2とSG3を置いて、セグメントSG4を送電セグメントSGmとし、3回目は、セグメントSG5とSG6を置いて、セグメントSG7を送電セグメントSGmとするように、2つのセグメントSGを飛ばして、送電セグメントSGmを順番に切り替える。このようにすれば、全てのセグメントの異常を判断するための送電セグメントSGmの数を少なくできるので、全てのセグメントの異常を判断するための時間を短くできる。図18に示す例では、制御部16は、2個置きに送電セグメントSGmを切り替えたが、1個置きに送電セグメントSGmを切り替えてもよく、一般にN個置き(nは自然数)に送電セグメントSGmを切り替えても良い。但し、Nは、1か2が好ましい。判定対象の非送電セグメントSGsは、必ず送電セグメントSGmに隣接し、電流Isや電圧Vmが大きいため、セグメントSGの異常を容易に判断できる。また、図18に示す例では、制御部16は、一番端のセグメントSG1を1回目の送電セグメントSGmとしたが、一番端のセグメントSG1に隣接するセグメントSG2を1回目の送電セグメントSGmとしてもよい。
【0043】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 電源回路 16 制御部 32 インバータ回路 34 フィルタ回路 36 共振回路 40 送電コイル 100 走行中非接触給電システム SC (送電)セクション SG セグメント SGm 送電セグメント SGs 非送電セグメント

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