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公開番号2020188647
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093486
出願日20190517
発明の名称デマンドレスポンスシステムおよび方法
出願人アズビル株式会社
代理人個人,個人
主分類H02J 3/14 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】節電要請に応じて指定された総削減量を削減しうる需要家を適切に自動選択する。
【解決手段】前回の節電要請に基づいて選択した前回要請先需要家から、前回削減要請で指定した前回削減量に対する実際の削減量との過不足分が通知されている場合、需要家選択部15Bが、前回の総削減量および今回の総削減量と過不足分とに基づいて、総削減量に対する補正量を計算し、得られた補正量に基づき総削減量を補正し、補正後の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択し、要請指示部15Cが、要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、
前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備え、
前記計算機は、
前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択する需要家選択部と、
前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示部とを備え、
前記需要家選択部は、前回の節電要請に基づいて選択した前回要請先需要家から、前回の削減要請で指定した前回削減量に対する実際の削減量との過不足分が通知されている場合、前回の節電要請で指定された前回の総削減量および今回の節電要請で指定された今回の総削減量と前記過不足分とに基づいて、前記総削減量に対する補正量を計算し、得られた補正量に基づき前記今回の総削減量を補正し、補正後の今回の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索する
ことを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載のデマンドレスポンスシステムにおいて、
前記需要家選択部は、前記前回の総削減量をD(t−1)とし、前記今回の総削減量をD(t)とし、前記過不足分をQ(t−1)とした場合、前記補正量ΔQおよび補正後の前記今回の総削減量D(t)を、次の式で計算することを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
ΔQ=Q(t−1)×D(t)/D(t−1)
D(t)=D(t)+ΔQ
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデマンドレスポンスシステムにおいて、
前記要請指示部は、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うことを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデマンドレスポンスシステムにおいて、
前記需要家選択部は、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索することを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
【請求項5】
電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備えるデマンドレスポンスシステムで用いられる、デマンドレスポンス方法であって、
前記計算機が、前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを第1の要請先需要家として選択する需要家選択ステップと、
前記計算機が、前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示ステップとを備え、
前記需要家選択ステップは、前回の節電要請に基づいて選択した前回要請先需要家から、前回の削減要請で指定した前回削減量に対する実際の削減量との過不足分が通知されている場合、前回の節電要請で指定された前回の総削減量および今回の節電要請で指定された今回の総削減量と前記過不足分とに基づいて、前記総削減量に対する補正量を計算し、得られた補正量に基づき前記今回の総削減量を補正し、補正後の今回の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索するステップを含む
ことを特徴とするデマンドレスポンス方法。
【請求項6】
請求項5に記載のデマンドレスポンス方法において、
前記需要家選択ステップは、前記前回の総削減量をD(t−1)とし、前記今回の総削減量をD(t)とし、前記過不足分をQ(t−1)とした場合、前記補正量ΔQおよび補正後の前記今回の総削減量D(t)を、次の式で計算するステップを含むことを特徴とするデマンドレスポンス方法。
ΔQ=Q(t−1)×D(t)/D(t−1)
D(t)=D(t)+ΔQ
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のデマンドレスポンス方法において、
前記要請指示ステップは、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うステップを含むことを特徴とするデマンドレスポンス方法。
【請求項8】
請求項5〜請求項7のいずれかに記載のデマンドレスポンス方法において、
前記需要家選択ステップは、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索するステップを含むことを特徴とするデマンドレスポンス方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給者からの節電要請に応じて、複数の需要家のうちから要請先となる要請先需要家を選択し、消費電力の削減要請を指示するためのデマンドレスポンス技術に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
電力を消費する設備の稼働が集中する等の理由で、消費電力量が一時的に上昇して、電力供給が逼迫した状況になると、電力供給者からの電力供給量が不足する事態となることを避けるために、電力供給者側から、消費電力量の調整を求めるデマンド制御の要求、すなわち節電要請を行うことが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。一般には、特許文献1に開示されているように、電力供給者側からの節電要請に応じて需要家が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させることを、デマンドレスポンス(Demand Response:需要応答)という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2016/186081
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力会社などの電力供給者からの節電要請に応じて、個々の需要家側で削減できる電力消費量は、ある程度限られている。このため、電力供給者と需要家との間に位置するアグリゲータ(Aggregator)が、予め登録されている複数の登録需要家の電力需要を束ねて管理し、デマンドレスポンスにおいて、電力供給者からの節電要請をこれら登録需要家に割り振るサービスが提供されつつある。これにより、効率よくデマンドレスポンスを実施できるとともに、より規模の大きいデマンドレスポンスを実現することができる。
【0005】
通常、電力供給者からの節電要請で指定される削減量(ネガワット)は、電力の需給状況により変化するとともに、実際の節電要請のタイミングも不定期であり、短い期間で削減量が変化する場合もある。例えば、2018年のVPP(Virtual Power Plant)実証実験において、最短で15分という短い期間で削減量が変更されたケースもある。
したがって、節電要請があった時点からなるべく早期に、登録需要家のうちから、節電対象となる要請先需要家を適切に選択して削減要請を指示する必要がある。また、要請先需要家に対して削減要請を指示したからといって、その要請先需要家で指示した分だけ必ず消費電力が削減されるわけではない。設備の稼働状況など、要請先需要家の都合によって、実際に削減できる消費電力が指定された総削減量に満たないケースが考えられる。
【0006】
したがって、削減不足分が発生しているような状況で、電力供給者からの節電要請で新たな総削減量が指定された場合、削減不足分を考慮しつつ新たな総削減量を満足しうる新たな要請先需要家を選択する必要がある。しかしながら、新たな総削減量に対して削減不足分を単に加減算して補正した総削減量で、新たな要請先需要家を選択した場合、総削減量が過剰に変更されてしまい、要請先需要家が大幅に変更される場合がある。このような場合には、要請先需要家に対して短い期間で削減要請と削減キャンセルが指示されるため、これに応じて要請先需要家で、設備の稼働停止と再稼働を短い期間で実行することになり、結果として設備さらには要請先需要家への負担が増大するという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電力供給者からの節電要請の通知間隔が短く、かつ、要請先需要家で電力削減量の過不足が発生している場合でも、設備さらには要請先需要家への負担を考慮して、要請先需要家を適切に自動選択できるデマンドレスポンス技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるデマンドレスポンスシステムは、電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備え、前記計算機は、前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択する需要家選択部と、前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示部とを備え、前記需要家選択部は、前回の節電要請に基づいて選択した前回要請先需要家から、前回の削減要請で指定した前回削減量に対する実際の削減量との過不足分が通知されている場合、前回の節電要請で指定された前回の総削減量および今回の節電要請で指定された今回の総削減量と前記過不足分とに基づいて、前記総削減量に対する補正量を計算し、得られた補正量に基づき前記今回の総削減量を補正し、補正後の今回の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索するようにしたものである。
【0009】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンスシステムの一構成例は、前記需要家選択部が、前記前回の総削減量をD(t−1)とし、前記今回の総削減量をD(t)とし、前記過不足分をQ(t−1)とした場合、前記補正量ΔQおよび補正後の前記今回の総削減量D(t)を、次の式で計算するようにしたものである。
ΔQ=Q(t−1)×D(t)/D(t−1)
D(t)=D(t)+ΔQ
【0010】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンスシステムの一構成例は、前記要請指示部が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンスシステムの一構成例は、前記需要家選択部が、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索するようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかるデマンドレスポンス方法は、電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備えるデマンドレスポンスシステムで用いられる、デマンドレスポンス方法であって、前記計算機が、前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを第1の要請先需要家として選択する需要家選択ステップと、前記計算機が、前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示ステップとを備え、前記需要家選択ステップは、前回の節電要請に基づいて選択した前回要請先需要家から、前回の削減要請で指定した前回削減量に対する実際の削減量との過不足分が通知されている場合、前回の節電要請で指定された前回の総削減量および今回の節電要請で指定された今回の総削減量と前記過不足分とに基づいて、前記総削減量に対する補正量を計算し、得られた補正量に基づき前記今回の総削減量を補正し、補正後の今回の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索するステップを含むものである。
【0013】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンス方法の一構成例は、前記需要家選択ステップが、前記前回の総削減量をD(t−1)とし、前記今回の総削減量をD(t)とし、前記過不足分をQ(t−1)とした場合、前記補正量ΔQおよび補正後の前記今回の総削減量D(t)を、次の式で計算するステップを含むものである。
ΔQ=Q(t−1)×D(t)/D(t−1)
D(t)=D(t)+ΔQ
【0014】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンス方法の一構成例は、前記要請指示ステップが、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うステップを含むものである。
【0015】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンス方法の一構成例は、前記需要家選択ステップが、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索するステップを含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、総削減量の変更幅が縮小されることになるため、電力供給者からの節電要請の通知間隔が短く、かつ、要請先需要家で電力削減量の過不足が発生している場合でも、総削減量の過剰な変更を抑制できる。したがって、要請先需要家に対する削減要請の大幅変更を回避でき、結果として、要請先需要家に対する負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1は、デマンドレスポンスシステムの構成を示すブロック図である。
図2は、需要家データベースにおけるグループデータの登録例を示す説明図である。
図3は、需要家データベースにおける需要家データの登録例を示す説明図である。
図4は、デマンドレスポンス処理を示すフローチャートである。
図5は、デマンドレスポンス動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[デマンドレスポンスシステム]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるデマンドレスポンスシステム10について説明する。図1は、デマンドレスポンスシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、このデマンドレスポンスシステム10は、電力供給者Pと登録需要家Rとの間に設けられたアグリゲータとして動作し、電力供給者Pからの節電要請に応じて、登録需要家Rのうちから要請先となる要請先需要家を選択し、消費電力の削減要請を指示する計算機システムである。
【0019】
以下では、電力供給者Pとのデマンドレスポンスに応じる登録需要家Rとして、3つの需要家A,B,Cが契約などにより予め登録されている場合を例として説明する。登録需要家Rの数については、3に限定されるものではなく、2以上であれば以下と同様にして本発明を適用できる。
【0020】
デマンドレスポンスシステム10は、主な構成として、通信装置11、操作入力装置12、画面表示装置13、需要家データベース14、および計算機15を備えている。これら装置については、通信回線を介して接続された個別の装置であってもよく、これらのうちの複数あるいは全部が、サーバーなどの1つの装置にまとめて実装されていてもよい。
【0021】
通信装置11は、通信回線Lおよび通信網NWを介して電力供給者Pや登録需要家Rとの間でデータ通信を行う機能を有している。
操作入力装置12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して計算機15へ出力する機能を有している。
画面表示装置13は、LCDなどの画面表示装置からなり、計算機15から出力された、メニュー画面、設定画面、電力消費トレンド画面、デマンドレスポンス処理状況画面などの各種画面を画面表示する機能を有している。
【0022】
需要家データベース(以下、需要家DBという)14は、ハードディスクなどの記憶装置からなり、登録需要家Rのうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する機能と、登録需要家Rごとに、当該登録需要家Rで削減できる個別削減量を記憶する機能とを有している。
【0023】
図2は、第1の実施の形態にかかる需要家データベースにおけるグループデータの登録例を示す説明図である。図2の例では、グループごとに、当該グループに属する需要家の組み合わせと、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値とが登録されている。例えば、グループ1は需要家Cのみからなり目標値は120kWである。また、グループ2は需要家A,Bの組み合わせからなり目標値は180kWである。また、グループ3は需要家B,Cの組み合わせからなり目標値は200kWである。グループ4は需要家A,Cの組み合わせからなり目標値は220kWである。グループ5は需要家A,B,Cの組み合わせからなり目標値は300kWである。また、これらグループは、それぞれの目標値が、電力供給者Pからの節電要請で指定される削減量の範囲に対応できるよう、予め登録構成されている。
【0024】
図3は、第1の実施の形態にかかる需要家データベースにおける需要家データの登録例を示す説明図である。図2の例では、需要家A,B,Cごとに、当該需要家が単独で削減できる個別削減量が登録されている。例えば、需要家Aの個別削減量は100kWであり、需要家Bの個別削減量は80kWである。また、需要家Cの個別削減量は120kWである。
【0025】
計算機15は、CPUとその周辺回路を有するコンピュータからなり、CPUとプログラムとを協働させて各種処理部を実現することにより、電力供給者Pからの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家Rのうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う装置である。
計算機15は、主な処理部として、要請取得部15A、需要家選択部15B、および要請指示部15Cを備えている。
【0026】
要請取得部15Aは、通信網NWおよび通信回線Lを介して通信装置11で受信した、電力供給者Pからの節電要請から、当該節電要請で指定された最新の総削減量を取得する機能を有している。
【0027】
需要家選択部15Bは、要請取得部15Aで取得した節電要請で指定された総削減量と、最も近しい目標値を有するグループ、すなわち、総削減量との差(絶対値)が最も小さいグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索する機能を備えている。
この際、需要家選択部15Bは、総削減量以上であって、かつ、総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索するようにしてもよい。
【0028】
また、需要家選択部15Bは、要請先グループとして検索する際、前回の節電要請に基づいて選択した前回要請先需要家から、前回削減要請で指定した前回削減量に対する実際の削減量との過不足分が通知されている場合、前回の総削減量および今回の総削減量と過不足分とに基づいて、総削減量に対する補正量を計算する機能と、得られた補正量に基づき総削減量を補正し、補正後の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家データベースから要請先グループとして検索する機能とを有している。
【0029】
要請指示部15Cは、需要家選択部15Bで選択した要請先需要家ごとに、通信装置11から通信回線Lおよび通信網NWを介して、削減要請を送信することにより、要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う機能と、前回の節電要請で削減要請した需要家に対して前回の削減要請のキャンセルを指示する機能とを有している。
【0030】
[本実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるデマンドレスポンスシステム10の動作について説明する。図4は、デマンドレスポンス処理を示すフローチャートである。
計算機15は、電力供給者Pからの節電要請に応じて、図4のデマンドレスポンス処理を実行する。
【0031】
まず、要請取得部15Aは、電力供給者Pからの節電要請から、当該節電要請で指定された最新の総削減量を取得する(ステップS100)。
【0032】
次に、需要家選択部15Bは、前回の節電要請に応じて選択した前回要請先需要家から、指定した前回削減量に対する実際の削減量の過不足分を示す前回過不足に関する通知の有無を確認し(ステップS101)、前回過不足に関する通知が届いていない場合(ステップS101:NO)、後述するステップS104へ移行する。
【0033】
一方、前回過不足に関する通知が届いている場合(ステップS101:YES)、前回の総削減量および今回の総削減量と、前回の過不足分とに基づいて総削減量に対する補正量を計算し(ステップS102)、得られた補正量に基づいて今回の総削減量を補正する(ステップS103)。
【0034】
この際、前回の総削減量をD(t−1)とし、今回の総削減量をD(t)とし、前回の過不足分をQ(t−1)とした場合、補正量ΔQは、次の式(1)で計算される。
ΔQ=Q(t−1)×D(t)/D(t−1) …(1)
したがって、補正後の今回の総削減量D(t)は、次の式(2)で計算される。
D(t)=D(t)+ΔQ …(2)
【0035】
この後、需要家選択部15Bは、需要家DB14にアクセスして、今回の総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、要請先グループとして検索し(ステップS104)、得られた要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家(第1の要請先需要家)として選択する(ステップS105)。
【0036】
続いて、要請指示部15Cは、前回の要請先需要家のうち、ステップS105で新たに要請先需要家(第1の要請先需要家)として選択されなかった非選択の前回要請先需要家に、通信装置11から通信回線Lおよび通信網NWを介して、要請キャンセルを送信することにより、前回の削減要請のキャンセルを指示する(ステップS106)。
【0037】
次に、要請指示部15Cは、新たな要請先需要家(第1の要請先需要家)のそれぞれに、通信装置11から通信回線Lおよび通信網NWを介して、新たに生成した削減要請を送信することにより、新たな消費電力の削減要請を行い(ステップS107)、一連のデマンドレスポンス処理を終了する。これにより、各要請先需要家(第1の要請先需要家)は、デマンドレスポンスシステム10からの削減要請に応じて、予め申請しておいた削減可能量だけ自己の消費電力を削減する。
【0038】
図4では、各要請先需要家が、削減要請に応じて、予め申請しておいた削減可能量だけ自己の消費電力を削減する場合を例として説明したが、個々の削減要請で各要請先需要家の削減量を指定するようにしてもよい。この際、要請先需要家の削減可能量については、需要家選択部15Bが、要請先グループの検索結果とともに、要請先需要家ごとに需要家DB14から取得してもよい。また、要請指示部15Cが、別途、要請先需要家ごとに需要家DB14から取得してもよく、あるいは、電力供給者Pからの節電要請を受信する前に、各登録需要家Rの削減可能量を需要家DB14から取得しておき、これら削減可能量を要請指示部15Cが利用するようにしてもよい。
【0039】
また、前回送信した削減要請に関する要請キャンセルについては、ステップS107で新たな削減要請を送信する前に、前回の要請先需要家に対して送信すればよい。この際、前回の要請先需要家のすべてに要請キャンセルを送信してもよいが、前回の要請先需要家が新たな要請先需要家として選択されている場合、その後に新たな削減要請が送信されるため、要請キャンセルの送信を省くことができる。
【0040】
したがって、要請指示部15Cが、前回削減要請した需要家のうち、新たな要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしてもよい。この際、非選択の需要家に対する要請キャンセルは、新たな削減要請と同時あるいはそれ以降に送信してもよい。
また、前回の要請先グループと新たな要請先グループとが一致している場合や、前回の総削減量が新たな総削減量と等しい場合には、要請先需要家に変化がないため、すべての要請先需要家に対する要請キャンセルの送信を省くようにしてもよい。
【0041】
また、図4では、削減要請で指定した削減量より実際の削減量が小さく、その過不足分が削減不足分を示す場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。削減要請で指定した削減量より実際の削減量が大きく、その過不足分が削減超過分を示す場合、ステップS106において、総削減量から削減超過分を減算して再要請用の総削減量を再計算すればよい。
【0042】
[本実施の形態の動作例]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるデマンドレスポンスシステム10の動作例について説明する。図5は、デマンドレスポンス動作例を示すシーケンス図である。なお、需要家DB14には、前述の図2に示したグループデータや図3に示した需要家データが、予め登録されているものとする。
【0043】
計算機15は、電力供給者Pから節電要請を受信した場合(ステップS110)、当該節電要請で指定された総削減量300kWとの差が最も小さい目標値を有するグループとして、グループ5を需要家DB14から検索し、グループ5に属する需要家A,B,Cを要請先需要家として選択し、これら需要家A,Bに対して削減要請を送信する(ステップS111)。
【0044】
ここで、例えば需要家Bにおいて、当初の削減可能量80kWをすべて削減できず、40kWだけ削減不足となり、需要家Cにおいて、当初の削減可能量120kWをすべて削減できず、60kWだけ削減不足となった場合、需要家B,Cからこれら削減不足が過不足分として計算機15に通知される(ステップS112)。この際、需要家A,B,Cを合わせても、節電要請で指定された総削減量300kWからは大幅に少ない200kW分しか節電できていないことになる。
【0045】
したがって、計算機15は、電力供給者Pから新たな節電要請を受信した場合(ステップS120)、前回要請先需要家から削減不足が通知されていることから、前回の総削減量D(t−1)=300kWおよび今回の総削減量D(t)=120kWと、前回の過不足分Q(t−1)=100kW(=40kW+60kW)とに基づいて、前述した式(1)から補正量ΔQ=40kW(=100kW×120kW/300kW)を計算し(ステップS121)、得られた補正量ΔQ=40kWに基づいて、前述した式(2)から補正後の今回の総削減量D(t)=160kW(=100kW+60kW)を計算する(ステップS122)。
【0046】
この後、計算機15は、補正後の今回の総削減量160kWを目標値とした検索要求を需要家DB14に通知する(ステップS123)。これにより、図2のグループデータから、目標値が180kWであるグループ2が、検索結果として需要家DB14から返送される(ステップS124)。
【0047】
計算機15は、得られたグループ2を要請先グループとして選択し、グループ2に属する需要家A,Bを要請先需要家として選択し、前回要請先需要家に含まれていた需要家Cに対して要請キャンセルを送信する(ステップS125)。これにより、需要家Cにおいて、それまで実施していた前回の削減要請がキャンセルされて、消費電力の削減が停止される。
【0048】
この後、計算機15は、これら需要家A,Bに対して削減要請を送信する(ステップS126)。これにより、需要家Aで100kW分の消費電力の削減が開始されるとともに、需要家Bで80kW分の消費電力の削減が開始されることになり、補正後の今回の総削減量160kWとほぼ等しい180kW分の節電が実施されることになる。このため、需要家Cでは削減要請がキャンセルされるものの、需要家A,Bの双方では前回の削減要請が継続されることになり、設備の稼働状況を変更する必要はない。
【0049】
したがって、今回の総削減量120kWをそのまま削減要請した場合、総削減量(目標値)が前回の300kWから180kWも大幅に変更されることになるが、本実施の形態によれば、補正後の総削減量160kWが用いられるため、総削減量の変更幅が140kWに縮小されることになる。このため、電力供給者からの節電要請の通知間隔が短く、かつ、要請先需要家で電力削減量の過不足が発生している場合でも、総削減量の過剰な変更が抑制されて、要請先需要家に対する削減要請の大幅変更が回避され、結果として、要請先需要家に対する負担が軽減されることになる。
【0050】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、需要家DB14が、登録需要家Rのうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶しておき、計算機15において、需要家選択部15Bが、節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択し、要請指示部15Cが、要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行うようにしたものである。
(【0051】以降は省略されています)

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