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公開番号2020188646
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093485
出願日20190517
発明の名称デマンドレスポンスシステムおよび方法
出願人アズビル株式会社
代理人個人,個人
主分類H02J 3/14 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】節電要請に応じて指定された総削減量を削減しうる需要家を適切に自動選択する。
【解決手段】需要家DB14が、登録需要家Rのうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶しておき、計算機15において、需要家選択部15Bが、節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択し、要請指示部15Cが、要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、
前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備え、
前記計算機は、
前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを前記要請先需要家として選択する需要家選択部と、
前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示部とを備える
ことを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載のデマンドレスポンスシステムにおいて、
前記要請指示部は、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のすべてに対して、前記削減要請を行う前に、前回行った削減要請のキャンセルを行うことを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のデマンドレスポンスシステムにおいて、
前記要請指示部は、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うことを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデマンドレスポンスシステムにおいて、
前記需要家選択部は、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索することを特徴とするデマンドレスポンスシステム。
【請求項5】
電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備えるデマンドレスポンスシステムで用いられる、デマンドレスポンス方法であって、
前記計算機が、前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを前記要請先需要家として選択する需要家選択ステップと、
前記計算機が、前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示ステップと
を備えることを特徴とするデマンドレスポンス方法。
【請求項6】
請求項5に記載のデマンドレスポンス方法において、
前記計算機が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のすべてに対して、前記削減要請を行う前に、前回行った削減要請のキャンセルを行う要請キャンセルステップをさらに含むことを特徴とするデマンドレスポンス方法。
【請求項7】
請求項5に記載のデマンドレスポンス方法において、
前記計算機が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行う要請キャンセルステップをさらに含むことを特徴とするデマンドレスポンス方法。
【請求項8】
請求項5〜請求項7のいずれかに記載のデマンドレスポンス方法において、
前記需要家選択ステップは、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索するステップを含むことを特徴とするデマンドレスポンス方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給者からの節電要請に応じて、複数の需要家のうちから要請先となる要請先需要家を選択し、消費電力の削減要請を指示するためのデマンドレスポンス技術に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
電力を消費する設備の稼働が集中する等の理由で、消費電力量が一時的に上昇して、電力供給が逼迫した状況になると、電力供給者からの電力供給量が不足する事態となることを避けるために、電力供給者側から、消費電力量の調整を求めるデマンド制御の要求、すなわち節電要請を行うことが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。一般には、特許文献1に開示されているように、電力供給者側からの節電要請に応じて需要家が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させることを、デマンドレスポンス(Demand Response:需要応答)という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開WO2016/186081
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力会社などの電力供給者からの節電要請に応じて、個々の需要家側で削減できる電力消費量は、ある程度限られている。このため、電力供給者と需要家との間に位置するアグリゲータ(Aggregator)が、予め登録されている複数の登録需要家の電力需要を束ねて管理し、デマンドレスポンスにおいて、電力供給者からの節電要請をこれら登録需要家に割り振るサービスが提供されつつある。これにより、効率よくデマンドレスポンスを実施できるとともに、より規模の大きいデマンドレスポンスを実現することができる。
【0005】
通常、電力供給者からの節電要請で指定される総削減量(ネガワット)は、電力の需給状況により変化するとともに、実際の節電要請のタイミングも不定期であり、短時間で総削減量が変化する場合もある。したがって、節電要請があった時点からなるべく早期に、登録需要家のうちから、節電対象となる要請先需要家を適切に選択して削減要請を指示する必要がある。
【0006】
しかしながら、アグリゲータにおいて、電力供給者からの節電要請にオペレータが手動で対応する方式の場合、オペレータが常駐して、節電要請があった時点からなるべく早期に、要請先需要家を適切に選択して削減要請を指示することになる。このため、アグリゲータにおけるオペレータの作業負担が大きくなり、サービスコストが増大するという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、節電要請に応じて指定された総削減量を削減しうる需要家を適切に自動選択できるデマンドレスポンス技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるデマンドレスポンスシステムは、電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備え、前記計算機は、前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを前記要請先需要家として選択する需要家選択部と、前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンスシステムの一構成例は、前記要請指示部が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のすべてに対して、前記削減要請を行う前に、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンスシステムの一構成例は、前記要請指示部が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンスシステムの一構成例は、前記需要家選択部が、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索するようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかるデマンドレスポンス方法は、電力供給者からの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家のうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う計算機と、前記登録需要家のうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する需要家データベースとを備えるデマンドレスポンスシステムで用いられる、デマンドレスポンス方法であって、前記計算機が、前記節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを前記要請先需要家として選択する需要家選択ステップと、前記計算機が、前記要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う要請指示ステップとを備えている。
【0013】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンス方法の一構成例は、前記計算機が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のすべてに対して、前記削減要請を行う前に、前回行った削減要請のキャンセルを行う要請キャンセルステップをさらに含むものである。
【0014】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンス方法の一構成例は、前記計算機が、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、前記要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行う要請キャンセルステップをさらに含むものである。
【0015】
また、本発明にかかる上記デマンドレスポンス方法の一構成例は、前記需要家選択ステップは、前記総削減量以上であって、かつ、前記総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、前記需要家データベースから前記要請先グループとして検索するステップを含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、登録需要家の組み合わせからなる各グループが、電力削減の目標値と対応付けられて、需要家データベースに予め設定されているため、電力供給者からの節電要請に応じて、指定された総削減量に近しい目標値を持つグループを選択するだけで、指定された総削減量を削減しうる需要家を要請先需要家として、一括して適切に自動選択することが可能となる。したがって、アグリゲータにおいて、電力供給者からの節電要請にオペレータが手動で対応する方式と比較した場合、本発明によれば、オペレータを常駐させる必要はなく、節電要請があった時点から極めて短い時間で、要請先需要家を適切に選択して削減要請を指示することができ、オペレータの作業負担を大幅に削減でき、サービスコストの増大を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1は、デマンドレスポンスシステムの構成を示すブロック図である。
図2は、需要家データベースにおけるグループデータの登録例を示す説明図である。
図3は、需要家データベースにおける需要家データの登録例を示す説明図である。
図4は、デマンドレスポンス処理を示すフローチャートである。
図5は、デマンドレスポンス動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[デマンドレスポンスシステム]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるデマンドレスポンスシステム10について説明する。図1は、デマンドレスポンスシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、このデマンドレスポンスシステム10は、電力供給者Pと登録需要家Rとの間に設けられたアグリゲータとして動作し、電力供給者Pからの節電要請に応じて、登録需要家Rのうちから要請先となる要請先需要家を選択し、消費電力の削減要請を指示する計算機システムである。
【0019】
以下では、電力供給者Pとのデマンドレスポンスに応じる登録需要家Rとして、3つの需要家A,B,Cが契約などにより予め登録されている場合を例として説明する。登録需要家Rの数については、3に限定されるものではなく、2以上であれば以下と同様にして本発明を適用できる。
【0020】
デマンドレスポンスシステム10は、主な構成として、通信装置11、操作入力装置12、画面表示装置13、需要家データベース14、および計算機15を備えている。これら装置については、通信回線を介して接続された個別の装置であってもよく、これらのうちの複数あるいは全部が、サーバーなどの1つの装置にまとめて実装されていてもよい。
【0021】
通信装置11は、通信回線Lおよび通信網NWを介して電力供給者Pや登録需要家Rとの間でデータ通信を行う機能を有している。
操作入力装置12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して計算機15へ出力する機能を有している。
画面表示装置13は、LCDなどの画面表示装置からなり、計算機15から出力された、メニュー画面、設定画面、電力消費トレンド画面、デマンドレスポンス処理状況画面などの各種画面を画面表示する機能を有している。
【0022】
需要家データベース(以下、需要家DBという)14は、ハードディスクなどの記憶装置からなり、登録需要家Rのうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶する機能と、登録需要家Rごとに、当該登録需要家Rで削減できる個別削減量を記憶する機能とを有している。
【0023】
図2は、需要家データベースにおけるグループデータの登録例を示す説明図である。図2の例では、グループごとに、当該グループに属する需要家の組み合わせと、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値とが登録されている。例えば、グループ1は、需要家Cのみからなり、目標値は120kWである。またグループ2は、需要家Aと需要家Bとの組み合わせからなり、目標値は180kWである。これらグループは、それぞれの目標値が、電力供給者Pからの節電要請で指定される削減量の範囲に対応できるよう、予め登録構成されている。
【0024】
図3は、需要家データベースにおける需要家データの登録例を示す説明図である。図2の例では、需要家A,B,Cごとに、当該需要家が単独で削減できる個別削減量が登録されている。例えば、需要家Aの個別削減量は100kWである。また需要家Bの個別削減量は80kWであり、需要家Cの個別削減量は120kWである。
【0025】
計算機15は、CPUとその周辺回路を有するコンピュータからなり、CPUとプログラムとを協働させて各種処理部を実現することにより、電力供給者Pからの節電要請に応じて要請先となる要請先需要家を、予め登録されている登録需要家Rのうちから選択し、当該要請先需要家に対して消費電力の削減要請を行う装置である。
計算機15は、主な処理部として、要請取得部15A、需要家選択部15B、および要請指示部15Cを備えている。
【0026】
要請取得部15Aは、通信網NWおよび通信回線Lを介して通信装置11で受信した、電力供給者Pからの節電要請から、当該節電要請で指定された最新の総削減量を取得する機能を有している。
【0027】
需要家選択部15Bは、要請取得部15Aで取得した節電要請で指定された総削減量と、最も近しい目標値を有するグループ、すなわち、総削減量との差(絶対値)が最も小さいグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索する機能と、得られた要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択する機能とを有している。
この際、需要家選択部15Bは、総削減量以上であって、かつ、総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索するようにしてもよい。
【0028】
要請指示部15Cは、需要家選択部15Bで選択した要請先需要家ごとに、通信装置11から通信回線Lおよび通信網NWを介して、削減要請を送信することにより、要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行う機能と、前回の節電要請で削減要請した需要家に対して前回の削減要請のキャンセルを指示する機能とを有している。
【0029】
[本実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるデマンドレスポンスシステム10の動作について説明する。図4は、デマンドレスポンス処理を示すフローチャートである。
計算機15は、電力供給者Pからの節電要請に応じて、図4のデマンドレスポンス処理を実行する。
【0030】
まず、要請取得部15Aは、電力供給者Pからの節電要請から、当該節電要請で指定された最新の総削減量を取得する(ステップS100)。
【0031】
次に、需要家選択部15Bは、需要家DB14にアクセスして、要請取得部15Aで取得した総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、要請先グループとして検索し(ステップS101)、得られた要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択する(ステップS102)。
【0032】
続いて、要請指示部15Cは、前回の要請先需要家のうち、ステップS102で新たに要請先需要家として選択されなかった非選択の前回要請先需要家に、要請キャンセルを送信することにより、前回の削減要請のキャンセルを指示した後(ステップS103)、新たな要請先需要家のそれぞれに、通信装置11から通信回線Lおよび通信網NWを介して、新たに生成した削減要請を送信することにより、新たな消費電力の削減要請を行い(ステップS104)、一連のデマンドレスポンス処理を終了する。これにより、各要請先需要家では、デマンドレスポンスシステム10からの削減要請に応じて、予め申請しておいた削減可能量だけ自己の消費電力を削減する。
【0033】
図4では、各要請先需要家が、削減要請に応じて、予め申請しておいた削減可能量だけ自己の消費電力を削減する場合を例として説明したが、個々の削減要請で各要請先需要家の削減量を指定するようにしてもよい。この際、要請先需要家の削減可能量については、需要家選択部15Bが、要請先グループの検索結果とともに、要請先需要家ごとに需要家DB14から取得してもよい。また、要請指示部15Cが、別途、要請先需要家ごとに需要家DB14から取得してもよく、あるいは、電力供給者Pからの節電要請を受信する前に、各登録需要家Rの削減可能量を需要家DB14から取得しておき、これら削減可能量を要請指示部15Cが利用するようにしてもよい。
【0034】
また、前回送信した削減要請に関する要請キャンセルについては、ステップS104で新たな削減要請を送信する前に、前回の要請先需要家に対して送信すればよい。この際、前回の要請先需要家のすべてに要請キャンセルを送信してもよいが、前回の要請先需要家が新たな要請先需要家として選択されている場合、その後に新たな削減要請が送信されるため、要請キャンセルの送信を省くことができる。
【0035】
したがって、要請指示部15Cが、前回削減要請した需要家のうち、新たな要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家のすべてに対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしてもよい。この際、非選択の需要家に対する要請キャンセルは、新たな削減要請と同時あるいはそれ以降に送信してもよい。
また、前回の要請先グループと新たな要請先グループとが一致している場合や、前回の総削減量が新たな総削減量と等しい場合には、要請先需要家に変化がないため、すべての要請先需要家に対する要請キャンセルの送信を省くようにしてもよい。
【0036】
[本実施の形態の動作例]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるデマンドレスポンスシステム10の動作例について説明する。図5は、デマンドレスポンス動作例を示すシーケンス図である。なお、需要家DB14には、前述の図2に示したグループデータや図3に示した需要家データが、予め登録されているものとする。以下では、電力供給者Pから節電要請を受信した時点において、需要家Cが前回要請先需要家として選択されており、消費電力の削減中であるものとする。
【0037】
計算機15は、電力供給者Pから節電要請を受信した場合(ステップS110)、当該節電要請で指定された総削減量を目標値とした検索要求を需要家DB14に通知する(ステップS111)。ここで、総削減量として180kWが指定されていることから、図2のグループデータから、目標値が180kWであるグループ2が、検索結果として需要家DB14から返送される(ステップS112)。
【0038】
計算機15は、得られたグループ2を要請先グループとして選択し、グループ2に属する需要家A,Bを要請先需要家として選択する(ステップS113)。
ここで、前回要請先需要家が需要家Cであった場合、新たな要請先需要家である需要家A,Bとは異なるため、計算機15は、需要家Cに対して要請キャンセルを送信する(ステップS114)。これにより、需要家Cにおいて、それまで実施していた前回の削減要請がキャンセルされて、消費電力の削減が停止される。
【0039】
この後、計算機15は、これら需要家A,Bに対して削減要請を送信する(ステップS115)。これにより、需要家Aで100kW分の消費電力の削減が開始されるとともに、需要家Bで80kW分の消費電力の削減が開始されることになり、節電要請で指定された総削減量180kW分の節電が実施されることになる。
【0040】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、需要家DB14が、登録需要家Rのうちから選択した1つまたは複数の需要家の組み合わせからなるグループごとに、当該グループに属する需要家全体で担当する電力削減の目標値を記憶しておき、計算機15において、需要家選択部15Bが、節電要請で指定された総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索し、当該要請先グループに属する需要家のすべてを要請先需要家として選択し、要請指示部15Cが、要請先需要家のそれぞれに対して消費電力の削減要請を行うようにしたものである。
【0041】
これにより、登録需要家Rの組み合わせからなる各グループが、電力削減の目標値と対応付けられて、需要家DB14に予め設定されているため、電力供給者Pからの節電要請に応じて、指定された総削減量に近しい目標値を持つグループを選択するだけで、指定された総削減量を削減しうる需要家を要請先需要家として、一括して適切に自動選択することが可能となる。
【0042】
したがって、アグリゲータにおいて、電力供給者からの節電要請にオペレータが手動で対応する方式と比較した場合、本発明によれば、オペレータを常駐させる必要はなく、節電要請があった時点から極めて短い時間で、要請先需要家を適切に選択して削減要請を指示することができ、オペレータの作業負担を大幅に削減でき、サービスコストの増大を抑制することが可能となる。
【0043】
また、本実施の形態において、要請指示部15Cが、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のすべてに対して、削減要請を行う前に、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしてもよい。これにより、前回の節電要請に応じて削減要請した電力削減を一旦リセットした後、新たな要請先需要家で削減要請した電力削減を開始することができる。したがって、電力供給者からの節電要請に応じた適切な電力削減を実現することができる。
【0044】
また、本実施の形態において、要請指示部は、前回の節電要請に応じて削減要請中である需要家のうち、新たに要請先需要家として選択されなかった非選択の需要家に対して、前回行った削減要請のキャンセルを行うようにしてもよい。これにより、継続して電力削減が必要となる需要家に対して削減要請のキャンセルが行われなくなるため、設備の稼働停止と再稼働を短い期間で実行する必要がなくなり、設備への負担を緩和することができる。
【0045】
また、本実施の形態において、需要家選択部15Bが、総削減量以上であって、かつ、総削減量との差が最も小さい目標値を有するグループを、需要家DB14から要請先グループとして検索するようにしてもよい。これにより、節電要請で指定された総削減量を満足しうる要請先需要家を適切に選択することが可能となる。
【0046】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0047】
前述した実施の形態において、需要家DB14に登録されるグループとして、同レベルの目標値を有する複数のグループが登録される場合が考えられる。この際、電力供給者からの節電要請に応じて、同レベルの目標値を有するグループのうちから、いずれか1を要請先グループとして選択する必要がある。
【0048】
このような場合には、需要家選択部15Bにおいて、同レベルの目標値を有するグループごとに、当該グループに属する需要家と、直前の節電要請に応じて選択中の要請先需要家とを比較して、選択中の要請先需要家と一致している需要家をより多く含むグループを要請先グループとして選択するようにしてもよい。この際、目標値が同レベルの範囲に含まれるか否かについては、例えば、節電要請で指定された総削減量を基準とした一定の許容幅の範囲内を、同レベル範囲と設定すればよい。
【0049】
これにより、直前の節電要請に応じて選択中の要請先需要家と一致している需要家が、新たな要請先需要家として選択されることになる。このため、新たな要請先需要家のうちの多くで、消費電力の削減を継続することができる。
デマンドレスポンスシステム10からの削減要請に応じて要請先需要家が消費電力を削減する場合、実際には稼働中の設備を一時停止させることになり、削減要請が終了した時点で当該装置を再起動することになる。しかしながら、起動・停止の際、設備に少なからず一時的な負荷が発生するため、需要家の負担となる。
【0050】
前述したように、同レベルの目標値を有する複数のグループが登録される場合には、選択中の要請先需要家と一致している需要家をより多く含むグループを要請先グループとして選択することにより、新たな要請先需要家のうちの多くで、消費電力の削減を継続することができる。このため、需要家における設備の起動・停止の回数を削減することができ、需要家の負担を軽減することができ、より良いデマンドレスポンスサービスを提供することが可能となる。
(【0051】以降は省略されています)

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