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公開番号2020188644
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093478
出願日20190517
発明の名称蓄電モジュールおよび蓄電モジュール搭載電気機器の急速充電ステーション
出願人株式会社桑田,株式会社エネルギー応用技術研究所
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02J 7/04 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】超急速充電に対する蓄電性能の劣化抑制および安全性が確保できる蓄電モジュールおよび蓄電モジュール搭載電気機器の超急速充電ステーションを提供する
【解決手段】蓄電モジュール1において、超急速充電が受け入れ可能な第1の蓄電手段10と、外部から供給される電力を制御し、第1の蓄電手段10を最適な電圧および電流にて超急速充電が可能な第1の急速充電制御手段20とを備える。第1の急速充電制御手段20は、第1の蓄電手段10の劣化を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の急速充電時間を極力短縮するための最速充電条件を算出し、最速充電条件に基づき第1の蓄電手段10の超急速充電を行う機能を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超急速充電が可能な蓄電モジュールであって、
超急速充電が受け入れ可能な第1の蓄電手段と、
外部から供給される電力を制御し、前記第1の蓄電手段を最適な電圧および電流にて超急速充電が可能な第1の急速充電制御手段と、
を備え、
前記第1の急速充電制御手段は、前記第1の蓄電手段の劣化を抑制しつつ、前記第1の蓄電手段の急速充電時間を短縮するための最速充電条件を算出し、前記最速充電条件に基づき前記第1の蓄電手段の超急速充電を行う機能を有することを特徴とする蓄電モジュール。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第1の急速充電制御手段には、人工知能の情報処理に適した専用の半導体回路を構成し前記最速充電条件を算出する半導体チップが組込まれていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記第1の蓄電手段は、少なくともリチウムイオン電池と、全固体電池と、電気二重層キャパシタと、リチウムイオンキャパシタのいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記第1の急速充電制御手段は、ワイヤレス給電手段を介して供給される外部からの電力を制御し、第1の蓄電手段の超急速充電を行うように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記第1の蓄電手段と前記第1の急速充電制御手段は、電動式移動体及び通信用移動体並びに前記通信用移動体に超急速充電のための電力を供給する携帯用蓄電モジュールを含む電気機器に組込まれるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
少なくとも請求項1に記載の蓄電モジュールが組込まれた電気機器を超急速充電することが可能な超急速充電ステーションであって、
前記電気機器に供給するための直流電力を貯蔵する第2の蓄電手段と、
電源から供給される電力を前記第2の蓄電手段を急速充電するための第2の急速充電制御手段と、
前記電気機器の超急速充電時には、前記第2の急速充電制御手段から前記第2の蓄電手段への給電を中止する給電制御手段と、
を備えたことを特徴とする超急速充電ステーション。
【請求項7】
前記給電制御手段は、前記第2の急速充電制御手段から出力される電力の電圧が前記第2の蓄電手段の出力電圧よりも降下させることで前記第2の急速充電制御手段から前記第2の蓄電手段への給電中止が可能なように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の超急速充電ステーション。
【請求項8】
前記第2の蓄電手段は、900KW以上の電力供給が可能であることを特徴とする請求項6に記載の超急速充電ステーション。
【請求項9】
前記電気機器が走行可能な走行経路に沿って敷設され前記電気機器と電気的に結合可能な走行用給電手段を備え、前記走行用給電手段からの給電によって前記電気機器が走行中に超急速充電が可能なように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の超急速充電ステーション。
【請求項10】
映像または文字を表示する電子看板を有する広告手段が超急速充電ステーションを兼ねていることを特徴とする請求項6項に記載の超急速充電ステーション。
【請求項11】
前記広告手段には出力ポートが複数設けられており、前記各出力ポートの出力電圧及び出力電力並びに出力ポート形状は、超急速充電の対象となる前記電気機器の種類に基づき適宜設定されていることを特徴とする請求項10に記載の超急速充電ステーション。
【請求項12】
前記複数の出力ポートのうちの一部の出力ポートには、前記電気機器を非接触で充電することが可能なワイヤレス給電手段が接続されていることを特徴とする請求項11に記載の超急速充電ステーション。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式移動体や通信用移動体を含む電気機器に搭載される蓄電モジュールおよび蓄電モジュール搭載電気機器の急速充電ステーションに関し、とくに蓄電モジュールを極めて短時間でフル充電することが可能な技術に関する。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池の技術の進歩に伴い、電動工具など充電可能な各種の電気機器が多く用いられるに至っている。これらの電気機器については、通常は商用電源である交流電力を利用して充電しているが、商用電源が利用できない屋外などでも充電ができれば便利である。そこで、充電技術の一例として、蓄電装置に貯蔵された電力を負荷に向けて供給する技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−12751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来からリチウムイオン電池などの蓄電池の充電については、充電時間が長く使い勝手が悪いという問題がある。例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータなどの通信用移動体を含む電気機器の充電が数分間という短時間で行うことができれば、非常に便利であり業務の効率が図れる。しかし、充電時間を著しく短縮するには、大きな電力を極めて短い時間に電気機器に供給する必要があり、電気機器の蓄電池の劣化進行が早まり蓄電池の寿命が著しく短くなるという問題がある。
【0005】
また、電気自動車は、地球温暖化抑制および大気汚染防止の観点から全世界で普及が進んでいるが、車両に搭載される二次電池について、以下の問題が存在する。従来の電気自動車については、充電ステーション側に設置される急速充電器と車両に搭載される二次電池とは、一般的に異なる製造者によって製造されるため、急速充電器の設計側においては、車両に搭載される二次電池の特性を十分に把握することが困難である。そのため、従来の電気自動車の急速充電システムについては、車両に搭載される二次電池の充電特性を十分に考慮した高精度の充電制御を行うことが難しく、二次電池の寿命や安全性の確保の面で問題がある。
【0006】
今日では、地球環境の改善の観点から各種の電気機器の電動化が急速に進められており、超急速充電に対する蓄電性能の劣化抑制および安全性が確保できる新規な技術開発が求められる。
【0007】
そこで本発明は、超急速充電に対する蓄電性能の劣化抑制および安全性が確保できる蓄電モジュールおよび蓄電モジュール搭載電気機器の超急速充電ステーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、超急速充電が可能な蓄電モジュールであって、超急速充電が受け入れ可能な第1の蓄電手段と、外部から供給される電力を制御し、前記第1の蓄電手段を最適な電圧および電流にて超急速充電が可能な第1の急速充電制御手段と、を備え、前記第1の急速充電制御手段は、前記第1の蓄電手段の劣化を抑制しつつ、前記第1の蓄電手段の急速充電時間を短縮するための最速充電条件を算出し、前記最速充電条件に基づき前記第1の蓄電手段の超急速充電を行う機能を有することを特徴とする蓄電モジュールである。
【0009】
この発明によれば、第1の急速充電制御手段は第1の蓄電手段と一体設計され、第1の急速充電制御手段は最速充電条件に基づき第1の蓄電手段の充電特性を十分に考慮した急速充電制御が可能となり、急速充電に対する蓄電性能の劣化抑制および安全性が確保できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、前記第1の急速充電制御手段には、人工知能の情報処理に適した専用の半導体回路を構成し前記最速充電条件を算出する半導体チップが組込まれていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の蓄電モジュールにおいて、前記第1の蓄電手段は、少なくともリチウムイオン電池と、全固体電池と、電気二重層キャパシタと、リチウムイオンキャパシタのいずれかを含んでいることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、前記第1の急速充電制御手段は、ワイヤレス給電手段を介して供給される外部からの電力を制御し、第1の蓄電手段の超急速充電を行うように構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、前記第1の蓄電手段と前記第1の急速充電制御手段は、電動式移動体及び通信用移動体並びに前記通信用移動体に超急速充電のための電力を供給する携帯用蓄電モジュールを含む電気機器に組込まれるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の発明は、少なくとも請求項1に記載の蓄電モジュールが組込まれた電気機器を超急速充電することが可能な超急速充電ステーションであって、前記電気機器に供給するための直流電力を貯蔵する第2の蓄電手段と、電源から供給される電力を前記第2の蓄電手段を急速充電するための第2の急速充電制御手段と、前記電気機器の超急速充電時には、前記第2の急速充電制御手段から前記第2の蓄電手段への給電を中止する給電制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6項に記載の超急速充電ステーションにおいて、前記給電制御手段は、前記第2の急速充電制御手段から出力される電力の電圧が前記第2の蓄電手段の出力電圧よりも降下させることで前記第2の急速充電制御手段から前記第2の蓄電手段への給電中止が可能なように構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の超急速充電ステーションにおいて、前記第2の蓄電手段は、900KW以上の電力供給が可能であることを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の超急速充電ステーションにおいて、前記電気機器が走行可能な走行経路に沿って敷設され前記電気機器と電気的に結合可能な走行用給電手段を備え、前記走行用給電手段からの給電によって前記電気機器が走行中に超急速充電が可能なように構成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項6項に記載の超急速充電ステーションにおいて、映像または文字を表示する電子看板を有する広告手段が超急速充電ステーションを兼ねていることを特徴としている。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の超急速充電ステーションにおいて、前記広告手段には前記出力ポートが複数設けられており、前記各出力ポートの出力電圧及び出力電力並びに出力ポート形状は、超急速充電の対象となる前記電気機器の種類に基づき適宜設定されていることを特徴としている。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の超急速充電ステーションにおいて、前記複数の出力ポートのうちの一部の出力ポートには、前記電気機器を非接触で充電することが可能なワイヤレス給電手段が接続されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、第1の急速充電制御手段は、第1の蓄電手段の劣化を抑制しつつ、第1の蓄電手段の急速充電時間を短縮するための最速充電条件を算出し、この最速充電条件に基づき第1の蓄電手段の超急速充電を行う機能を有するので、第1の蓄電手段の充電特性を考慮した超急速充電のための電力制御が可能となり、超急速充電に対する安全性および第1の蓄電手段の寿命を高めることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、第1の急速充電制御手段には、人工知能の情報処理に適した専用の半導体回路を構成し最速充電条件を算出する半導体チップが組込まれているので、最速充電条件の算出が極めて高速で行うことができ、超急速充電における充電制御の遅れが回避できる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、第1の蓄電手段として少なくともリチウムイオン電池と、全固体電池と、電気二重層キャパシタと、リチウムイオンキャパシタのいずれかを
用いているので、第1の蓄電手段における超急速充電の受け入れ性能を確保することができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、第1の急速充電制御手段は、ワイヤレス給電手段を介して供給される外部からの電力を制御し、第1の蓄電手段の超急速充電を行うように構成されているので、充電操作を迅速かつ容易に行うことができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、第1の蓄電手段と第1の急速充電制御手段は、電動式移動体及び通信用移動体並びに通信用移動体に超急速充電のための電力を供給する携帯用蓄電モジュールを含む電気機器に組込まれるように構成されているので、電気自動車や携帯電話器の超急速充電が可能となり、電気自動車の充電待ちの解消や携帯電話などを利用した業務の効率を高めることができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、第2の蓄電手段から直送される直流電力を利用して第1の蓄電手段の急速充電が可能となるので、家庭や事務所における屋内配線が過負荷となることが回避できるとともに、第1の蓄電手段を超急速充電するための電力を大幅に増加させることができる。これにより、蓄電モジュールを極めて短い時間でフル充電することが可能となり、充電業務の能率を高めることができる。また、充電時間が短くなることにより、超急速充電ステーションの利用回転率も高くなり、一日当たりの充電回数を大幅に増加させることができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、給電制御手段は、第2の急速充電制御手段から出力される電力の電圧が第2の蓄電手段の出力電圧よりも降下させることで第2の急速充電制御手段から第2の蓄電手段への給電中止が可能となるので、大電力を遮断するための大型開閉器などによる開閉操作が不要となり、超急速充電ステーションの構成を簡素化することができ、かつ構成の簡素化により超急速充電ステーションの信頼性を高めることができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、第2の蓄電手段は900KW以上の電力供給が可能であるので、既存の送配電系統に過大な負担をかけることなく、急速充電の国際標準化団体が目指す最大900KWでの急速充電が実現可能となる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、走行用給電手段からの給電によって電気機器が走行中に超急速充電が可能なように構成されているので、電気機器を停止させることなく急速充電ができ、電気機器の稼働率を高めることができ、かつ目的地までの到達時間を短縮することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、映像または文字を表示する電子看板を有する広告手段が超急速充電ステーションを兼ねているので、電気機器を超急速充電する必要のある人に対して超急速充電ステーションは宣伝広告の機能を果たすことになり、超急速充電ステーションの付加価値を高めることができる。
【0031】
請求項11に記載の発明によれば、各出力ポートの出力電圧及び出力電力並びに出力ポート形状は、超急速充電の対象となる電気機器の種類に基づき適宜設定されているので、種類の異なる電気機器を同時に超急速充電することができ、電気機器の充電待ちを解消することができ、かつ利便性を高めることができる。
【0032】
請求項12に記載の発明によれば、複数の出力ポートのうちの一部の出力ポートには、電気機器を非接触で充電することが可能なワイヤレス給電手段が接続されているので、充電操作が著しく容易となり、利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の実施の形態1に係わる蓄電モジュールの概要を示す配線図である。
図1の蓄電モジュールにおける強制冷却構造の詳細を示す配線図である。
本発明の実施の形態2に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としてのパーソナルコンピュータの概要を示す斜視図である。
図3のパーソナルコンピュータを超急速充電するための電気機器としての携帯用蓄電モジュールの配線図である。
本発明の実施の形態3に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としてのスマートフォンの概要を示す斜視図である。
本発明の実施の形態4に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としてのスマートフォンのワイヤレス給電による超急速充電を示す斜視図である。
本発明の実施の形態5に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としてのドローンのワイヤレス給電による超急速充電を示す斜視図である。
本発明の実施の形態6に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としての電気自動車を超急速充電するための超急速充電ステーションの概要を示す配線図である。
図8における超急速充電ステーションの詳細配線図である。
本発明の実施の形態7に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としての鉄道車両を超急速充電するための超急速充電ステーションの概要を示す配線図である。
図10の鉄道車両の概要を示す配線図である。
本発明の実施の形態8に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器としての電気自動車を走行中に超急速充電するための超急速充電ステーションの概要を示す配線図である。
図12の超急速充電ステーションにおける走行用給電手段の拡大断面図である。
本発明の実施の形態9に係わる蓄電モジュールを組み込んだ電気機器を超急速充電するための超急速充電ステーションの変形例を示す配線図である。
図14の超急速充電ステーションの配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
つぎに、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の実施の形態1を示している。図1において、符号101は商用電源としての交流電源を示している。交流電源101としては、例えば単相交流電源が用いられている。交流電源101は、電力変換装置35に供給されている。電力変換装置35は、交流電力を直流電力に変換する機能を有しており、たとえばAC−DCコンバータから構成されている。AC−DCコンバータは、スイッチング制御により入力された交流電力を直流電力に変換する機能を有している。AC−DCコンバータは、交流電力から直流電力に変換する際の変換効率を高めるため、例えばSiC(シリコンカーバイト)半導体素子やGaN(窒化ガリウム)半導体素子など次世代パワー半導体素子を利用して製作されている。これらの半導体素子は、耐熱性を有することから、AC−DCコンバータの冷却構造を簡略化することが可能である。
【0036】
図1に示すように、電力変換装置35には、蓄電モジュール1の入力端子T

が接続可能となっている。蓄電モジュール1は、第1の蓄電手段10と、第1の急速充電制御手段20とを有している。蓄電モジュール1には、第1の蓄電手段10と第1の急速充電制御手段20の他に種々の機器が搭載されている。入力端子T

を介して蓄電モジュール1に供給された直流電力は、第1の急速充電制御手段20により所定の電圧および電流に制御された後、第2の蓄電手段10に供給されるようになっている。第1の急速充電制御手段20は、第1の蓄電手段10との一体設計によって第1の蓄電手段10の充電特性を考慮した急速充電のための電圧および電流の制御が可能となっていてもよく、そのような制御化可能となっていると、一体設計により第1の蓄電手段10の充電特性が十分に考慮できるため、高精度の充電制御を行うことが可能となり、第1の蓄電手段を長寿命化させることができるうえ、さらなる安全性を確保することができる。第1の蓄電手段10は、直流電力を貯蔵できる機能を有すればどのような種類のものであってもよいが、本実施の形態1においては、蓄電池と電気二重層キャパシタとリチウムイオンキャパシタの少なくともいずれか一つから構成されている。本実施の形態1においては、第1の蓄電手段10は、例えば多数のセルが直列に接続されたリチウムイオン電池のみから構成されるが、リチウムイオン電池の他に全固体電池、二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタのいずれか一つから構成してもよいし、これらを併用した構成であってもよい。第1の蓄電手段10に貯蔵された直流電力は、出力端子T

を介して負荷(図示略)に供給可能となっている。第1の蓄電手段10には、第1の蓄電手段10を構成する多数のセルの充電バランスを保つための第1の電池管理システム(BMS)11が接続されている。
【0037】
制動によって生ずる回生エネルギーを回収することが可能な電気自動車などの電動式移動体に蓄電モジュール1を組み込む場合は、第1の蓄電手段10をリチウムイオン電池とリチウムイオンキャパシタを併用した構成にすることにより、リチウムイオン電池を単独で使用した場合に比べ、出力端子T

側の電圧変動を小さくすることが可能となる。これは、車両の運転時における加速または減速に伴う第1の蓄電手段10の充放電によって出入りする電流は、ほとんどリチウムイオンキャパシタから出入りすることになり、リチウムイオン電池からのエネルギーの入出量が減少するためである。したがって、第1の蓄電手段10をリチウムイオン電池とリチウムイオンキャパシタを併用する構成とすることにより、リチウムイオン電池の負担を低減することができ、第1の蓄電手段10を長寿命化させることが可能となる。
【0038】
第1の蓄電手段10には、DC−DCコンバータから構成される電力変換器15が接続されている。第1の蓄電手段10から出力される直流電力は、電力変換器15によって電圧が調整可能となっている。電力変換器15には、電圧調整用スイッチ(図示略)が接続されており、用途に応じた電圧が出力端子T

から出力可能となっている。これにより、電気機器の種類や機能に合わせて供給電圧を最適値に調整することができ、電気機器の能力を最大限に発揮させることができる。第1の蓄電手段10の温度は、第1の温度センサ12によって検出可能となっている。第1の温度センサ12からの出力信号K

は、充電情報処理部25に入力されている。パワー制御部21の温度は、第2の温度センサ27によって検出可能となっている。第2の温度センサ27からの出力信号K

は、充電情報処理部25に入力されている。充電情報処理部25と人工知能26は、信号K

を介して情報交換が可能となっている。
【0039】
第1の急速充電制御手段20は、パワー制御部21と充電情報処理部25を有している。パワー制御部21は、充電制御ユニット22と温度制御ユニット24から構成されている。充電制御ユニット22は、電力変換装置35からの直流電力を第1蓄電手段10に適合した充電電圧および充電電流に制御する急速充電制御機能を有している。充電制御ユニット22は、直流チョッパ回路(昇圧チョッパ回路と降圧チョッパ回路を併用した直流チョッパ回路)および電流制御回路を有している。充電制御ユニット22は、充電情報処理部25からの制御信号K

に基づき電力変換装置35から供給される直流電力をチョッパ制御し、第1の蓄電手段10を最適充電電圧で充電する機能を有している。充電制御ユニット22から第1の蓄電手段10に出力される電圧および電流は出力センサ13により測定されており、出力センサ13からの信号K

は充電情報処理部25に入力されている。リチウムイオン電池の充電については、とくに充電電圧に対して高い制御精度が必要となるため、第1の急速充電制御手段20ではこれを考慮した高精度の充電制御が行われるようになっている。充電制御ユニット22は、昇圧チョッパ回路と降圧チョッパ回路を併用した直流チョッパ回路を有している。充電情報処理部25には、検出される第1の蓄電手段10の電池電圧、充電電流に基づき第1の蓄電手段10に対して最適な急速充電制御を行うための充電プログラムが予め入力されている。
【0040】
第1の急速充電制御手段20のパワー制御部21は、電力変換用の次世代パワー半導体23を有している。次世代パワー半導体23は、例えばSiC半導体素子、GaN半導体素子、Ga



(酸化ガリウム)半導体素子などが用いられており、高温での使用や電力変換における低損失が図られている。次世代パワー半導体23は、これらの半導体素子を絶縁ケース(図示略)で覆ってパッケージ化したものであり、関連する電気回路との接続によって大電力の制御が可能となっている。次世代パワー半導体23には、電力変換に伴う熱の放熱量を増大させるために、図2に示すファン32により強制冷却のための空気Eが吹き付けられるようになっている。
【0041】
蓄電モジュール1は、充電系統を冷却するための冷却ユニット30を有している。冷却ユニット30は、温度制御ユニット24からの指令によって動作するようになっており、温度制御ユニット24は充電情報処理部25からの出力信号K

によって制御されるようになっている。冷却ユニット30は、モーター31と、ファン32と、電子冷却素子33を有している。ファン32は、モーター31によって回転駆動され、電子冷却素子33の冷却面に向けて送風するようになっている。電子冷却素子33は、ペルチェ効果を利用したものであり、外部からの電力供給によって動作するようになっている。パワー制御部21は、急速充電時に第1の蓄電手段10に供給される大電力を制御することから、半導体素子の温度が上昇する。また、第1の蓄電手段10を構成するセルとしてのリチウムイオン電池は、収納スペースとの関係で密集した状態で収納されることから、急速充電時には温度が上昇することになる。そのため、パワー制御部21および第1の蓄電手段10は、急速充電時には冷却ユニット30からの送風により強制冷却される。この実施の形態1においては、電子冷却素子33を用いた冷却構造としているが、ファン32のみを動作させる冷却としても良いし、熱交換器を用いた水冷方式の冷却構造としても良い。
【0042】
このように、第1の急速充電制御手段20に、例えばSiC半導体素子、GaN半導体素子、Ga



(酸化ガリウム)半導体素子などを用いた次世代パワー半導体23を使用することにより、第1の急速充電制御手段20の小型化、軽量化が可能となり、小さなスペースへの第1の急速充電制御手段20の搭載が著しく容易となる。さらに、これらの半導体素子を用いた次世代パワー半導体23は、従来のシリコン半導体素子を用いたパワー半導体に比べて電力変換効率が著しく高いことから、第1の急速充電制御手段20からの発熱も少なく、上述した電子冷却素子33を使用した簡易な冷却ユニット30でも、第1の急速充電制御手段20を十分に冷却することができる。
【0043】
第1の急速充電制御手段20は、図1および図2に示すように、第1の蓄電手段10の充電履歴に基づき第1の蓄電手段10の充電条件を最適に制御する人工知能26を有している。人工知能26は、充電情報処理部25に接続されており、第1の急速充電制御手段20による第1の蓄電手段10の超急速充電毎の充電結果(超急速充電時における充電電圧、充電電流、充電時間、第1の蓄電手段10を構成するセルの温度などの充電データ)を記憶するようになっている。人工知能26は、第1の蓄電手段10の劣化を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の急速充電時間を短縮するための最速充電時間を算出し、充電情報処理10部25に出力する機能を有する。すなわち、第1の急速充電制御手段20は、第1の蓄電手段10の劣化を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の急速充電時間を短縮するための最速充電条件を算出し、最速充電条件に基づき第1の蓄電手段10の超急速充電を行う機能を有している。人工知能26はインターネットで計算機本体(クラウド)につながった構成でもよいし、端末側(エッジ側)に組込む構成としてもよい。本実施の形態1においては、人工知能26は、人工知能の情報処理に適した専用の半導体回路を構成し、最速充電条件を算出するエッジ側用の半導体チップ(AIチップ)から構成されている。このように、第1の急速充電制御手段20にエッジ側用のAIチップを組込むことにより、人工知能26は、クラウドを用いる場合に比べて計算処理に要する時間が短縮され、超急速充電制御に遅れが生じるのを回避することが可能となっている。
【0044】
ここで、本発明における超急速充電とは、第1の蓄電手段10の充電開始から第1の蓄電手段10が容量80%に到達するまでの時間がおよそ10分間以内となる充電を意味し、数分間でフル充電(容量100%に至る充電)に到達する充電も含まれる。一般的に言われている急速充電は、充電開始から容量が80%に到達するまでの時間がおよそ1時間前後であり、本発明の超急速充電は、従来の急速充電に比べて充電時間を大幅に短縮することが可能となる。なお、本発明における超急速充電の定義において、第1の蓄電手段10の充電開始から第1の蓄電手段10が容量80%に到達するまでの時間に限定したのは、例えば容量80%を超えたリチウムイオン電池では充電状態が飽和状態近くになっており、容量80%到達前に比べて充電の受け入れ特性が悪く、容量80%からフル充電に到達するまでの時間が著しく長くなるからである。
【0045】
この実施の形態1における最速充電条件の算出は、例えば人工知能26による機械学習の手法を用いて行われる。人工知能26は、例えば、機械学習に基づいて、第1の蓄電手段10の温度を推定する推定部と、推定部によって推定された推定温度に基づいて、第1の蓄電手段10の過度の温度上昇を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の充電時間を最速とするための最速充電条件である充電電圧と充電電流を算出する算出部とを備えている。
【0046】
学習段階において、人工知能26の推定部は、実験における超急速充電時の充電条件(充電電圧および充電電流)とこの充電条件によって生じる第1の蓄電手段10の温度上昇との関係を学習する。例えば、第1の蓄電手段10を構成するリチウムイオン電池と同種同型のリチウムイオン電池を用いて行った実験における超急速充電時の充電条件(充電電圧および充電電流)を入力用教師データとし、この充電条件における第1の蓄電手段10の温度を出力用教師データとして、超急速充電時の充電条件と、この充電条件時の温度との関係を学習することができる。
【0047】
第1の蓄電手段10を構成するリチウムイオン電池の各セルは、冷却ユニット30によって強制冷却されている。第1の蓄電手段10の超急速充電時における温度上昇は、充電電圧および充電電流が大きく関係しており、第1の蓄電手段10の劣化を促進させる要因となる。一般的に、電池は、電池の温度が高くなると充電受入性能が向上するという性質を有している。従って、電池の温度が高くなると、より多くの電流が電池に流入することが可能になる。より多くの電流が電池に流入すると、電池の温度がますます高くなってしまう。このため、充電時には、電池の温度を精密に制御することが重要である。
【0048】
第1の蓄電手段10を実際に超急速充電するとき、人工知能26には、出力センサ13から充電情報処理部25を介して送られてくる第1の蓄電手段10の充電電圧および充電電流が入力される。人工知能26は、出力センサ13から送られてくる第1の蓄電手段10の充電電圧および充電電流を推定部への入力データとして用いる。学習済の推定部に第1の蓄電手段10の充電電圧および充電電流を入力すると、推定部は、機械学習に基づき、第1の蓄電手段10の温度を推定することができる。算出部は、推定された推定温度に基づいて、第1の蓄電手段10の過度の温度上昇を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の充電時間を最速とするための最速充電条件である充電電圧と充電電流とを新たに算出することができる。すなわち、第1の蓄電手段10の過度の温度上昇は、第1の蓄電手段10の劣化を促進させることから、第1の蓄電手段10の過度の温度上昇を回避しつつ、第1の蓄電手段10の充電時間を最短とするために、人工知能26は最速充電条件である充電電圧と充電電流を新たに算出し、第1の蓄電手段10の充電制御を行うようにしている。第1の蓄電手段10の過度の温度上昇を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の充電時間を最速とするための最速充電条件である充電電圧と充電電流は、例えば、第1の蓄電手段10を構成するリチウムイオン電池のメーカーが保証する最大充電受入性能を達成可能な温度を達成可能な充電電圧および充電電流であり得る。メーカーが保証する最大充電受入性能であれば、大電流による充電でも第1の蓄電手段10の劣化がないか、またはほとんどないからである。このように、実験データと人工知能26を組み合わせることにより、第1の蓄電手段10を構成するリチウムイオン電池の劣化を抑制しつつ、リチウムイオン電池の超急速充電が可能となっている。第1の急速充電制御手段20は、人工知能26を介して充電回数および充電結果を把握することで、第1の蓄電手段10の寿命を推測することが可能となっている。また、人工知能26は、急速充電時における充電電流の異常の有無を第1の蓄電手段10の出力側に設けられた出力センサ14からの電流信号K

に基づき判定する機能を有しており、急速充電時に充電電流の異常を判定した際には、急速充電を強制的に中止する旨の指令を出力し、第1の蓄電手段10を異常発熱などから保護するようにしている。
【0049】
上述した例では、人工知能26の推定部が第1の蓄電手段10の温度を推定することを説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、人工知能26によって第1の蓄電手段10の温度を推定することの代わりに、温度センサ等により第1の蓄電手段10の温度を実際に測定するようにしてもよい。このとき、人工知能26の推定部は省略され得、人工知能26の算出部が、実際に測定された温度に基づいて、第1の蓄電手段10の過度の温度上昇を抑制しつつ、第1の蓄電手段10の充電時間を最速とするための最速充電条件を新たに算出することができる
【0050】
つぎに、実施の形態1における蓄電モジュール1の動作および作用について説明する。
交流電源101からの交流電力は、電力変換装置35によって直流電力に変換され、蓄電モジュール1に供給される。蓄電モジュール1は、第1の蓄電手段10と、第1の急速充電制御手段20とを有しており、電力変換装置35からの直流電力は、第1の急速充電制御手段20を介して第1の蓄電手段10に供給される。電力変換装置35からの直流電力の一部は、第1の急速充電制御手段20におけるパワー制御部21の充電制御ユニット22によって第1蓄電手段20に適合した充電電圧および充電電流に制御される。また、電力変換装置35からの直流電力の一部は、第1の急速充電制御手段20における温度制御ユニット24を介して冷却ユニット30に供給される。
(【0051】以降は省略されています)

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