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公開番号2020188639
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093390
出願日20190517
発明の名称過電流保護リレー
出願人三菱電機株式会社
代理人特許業務法人深見特許事務所
主分類H02H 3/08 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流検出用の端子に誤った極性で電流変成器が接続されているか否かを、従来よりも正確に判定する。
【解決手段】過電流保護リレー40において、極性検査部53は、第1相電流を検出するための第1の電流変成器31および第2相電流を検出するための第2の電流変成器32のうちいずれか一方が、対応する入力端子対C1R,C2R;C1T,C2Tに極性を誤って接続されているか否かを判定する。極性検査部53は、第1時点における第1相電流のサンプリング値と、第1時点よりも前の第2時点における第2相電流のサンプリング値とに少なくとも基づいて、極性の誤りを判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
三相交流線路の第1相に設けられた第1の電流変成器と接続するための第1の入力端子対と、
前記三相交流線路の第2相に設けられた第2の電流変成器と接続するための第2の入力端子対と、
前記第1の入力端子対を介して時系列に取得した第1相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する第1の過電流保護要素と、
前記第2の入力端子対を介して時系列に取得した第2相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する第2の過電流保護要素と、
前記第1の電流変成器および前記第2の電流変成器のうちいずれか一方が、対応する入力端子対に極性を誤って接続されているか否かを判定する極性検査部とを備え、
前記極性検査部は、第1時点における前記第1相電流のサンプリング値と、前記第1時点よりも前の第2時点における第2相電流のサンプリング値とに少なくとも基づいて、極性の誤りを判定する、過電流保護リレー。
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】
前記極性検査部は、前記第1時点における前記第1相電流のサンプリング値と前記第1時点における前記第2相電流のサンプリング値との乗算によって第1の積を計算し、
前記極性検査部は、前記第2時点における前記第1相電流のサンプリング値と前記第2時点における前記第2相電流のサンプリング値とに乗算によって第2の積を計算し、
前記第1時点と前記第2時点とは、電気角で90°に対応する時間差を有し、
前記極性検査部は、前記第1の積と前記第2の積との和が正の場合に、極性が誤りであると判定する、請求項1に記載の過電流保護リレー。
【請求項3】
前記極性検査部は、前記第1時点における前記第1相電流のサンプリング値と前記第2時点における前記第2相電流のサンプリング値との加算によって第1の加算値を計算し、
前記極性検査部は、前記第1の加算値と第1の閾値との比較に基づいて、極性が誤りであるか否かを判定し、
前記第1時点における前記第1相電流と前記第2時点における前記第2相電流とは、同位相であるか又は逆位相である、請求項1に記載の過電流保護リレー。
【請求項4】
前記第1相は、前記第2相に対して120°進んだ相であり、
前記第1時点と前記第2時点とは、電気角で60°に対応する時間差を有し、
前記極性検査部は、前記第1の加算値が前記第1の閾値以上の場合に、極性が誤りであると判定する、請求項3に記載の過電流保護リレー。
【請求項5】
前記第1相は、前記第2相に対して120°遅れた相であり、
前記第1時点と前記第2時点とは、電気角で120°に対応する時間差を有し、
前記極性検査部は、前記第1の加算値が前記第1の閾値以上の場合に、極性は誤りでないと判定する、請求項3に記載の過電流保護リレー。
【請求項6】
前記極性検査部は、前記第1時点における前記第1相電流のサンプリング値と、前記第1時点における前記第2相電流のサンプリング値と、前記第2時点における前記第2相電流のサンプリング値との加算によって第2の加算値を計算し、
前記極性検査部は、前記第2の加算値が第2の閾値以上の場合に、極性が誤りであると判定し、
前記第1時点における前記第1相電流と前記第1時点における前記第2相電流と前記第2時点における前記第2相電流とは、互いに120°ずつ電気角が異なる、請求項1に記載の過電流保護リレー。
【請求項7】
前記第1相は、前記第2相に対して120°進んだ相であり、
前記第1時点と前記第2時点とは、電気角で120°に対応する時間差を有する、請求項6に記載の過電流保護リレー。
【請求項8】
前記第1相は、前記第2相に対して120°遅れた相であり、
前記第1時点と前記第2時点とは、電気角で240°に対応する時間差を有する、請求項6に記載の過電流保護リレー。
【請求項9】
前記第1相は、前記第2相に対して120°遅れた相であり、
前記極性検査部は、前記第2時点における前記第2相電流のサンプリング値に代えて、第3時点における前記第2相電流のサンプリング値の極性を代えた値を使用し、
前記第1時点と前記第3時点とは、電気角で60°に対応する時間差を有する、請求項6に記載の過電流保護リレー。
【請求項10】
三相交流線路の第1相に設けられた第1の電流変成器と接続するための第1の入力端子対と、
前記三相交流線路の第2相に設けられた第2の電流変成器と接続するための第2の入力端子対と、
前記第1の入力端子対を介して時系列に取得した第1相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する第1の過電流保護要素と、
前記第2の入力端子対を介して時系列に取得した第2相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する第2の過電流保護要素と、
前記第1の電流変成器および前記第2の電流変成器のうちいずれか一方が、対応する入力端子対に極性を誤って接続されているか否かを判定する極性検査部とを備え、
前記極性検査部は、前記第1相電流のサンプリング値と前記第2相電流のサンプリング値とが共に同符号である期間が第3の閾値以上の場合に、極性が誤りであると判定する、過電流保護リレー。
【請求項11】
三相交流線路の第1相に設けられた第1の電流変成器と接続するための第1の入力端子対と、
前記三相交流線路の第2相に設けられた第2の電流変成器と接続するための第2の入力端子対と、
前記第1の入力端子対を介して時系列に取得した第1相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する第1の過電流保護要素と、
前記第2の入力端子対を介して時系列に取得した第2相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する第2の過電流保護要素と、
前記第1の電流変成器および前記第2の電流変成器のうちいずれか一方が、対応する入力端子対に極性を誤って接続されているか否かを判定する極性検査部とを備え、
前記極性検査部は、検出された前記第1相電流のゼロクロス点における前記第2相電流の正負に基づいて、極性の誤りを判定する、過電流保護リレー。
【請求項12】
前記第2相は、前記第1相に対して120°遅れた相であり、
前記極性検査部は、検出された前記第1相電流の正方向のゼロクロス点において、前記第2相電流のサンプリング値が正の場合に、極性が誤りと判定する、請求項11に記載の過電流保護リレー。
【請求項13】
前記第2相は、前記第1相に対して120°遅れた相であり、
前記極性検査部は、検出された前記第1相電流の負方向のゼロクロス点において、前記第2相電流のサンプリング値が負の場合に、極性が誤りと判定する、請求項11に記載の過電流保護リレー。
【請求項14】
前記第2相は、前記第1相に対して120°遅れた相であり、
前記極性検査部は、検出された前記第2相電流の正方向のゼロクロス点において、前記第1相電流のサンプリング値が負の場合に、極性が誤りと判定する、請求項11に記載の過電流保護リレー。
【請求項15】
前記第2相は、前記第1相に対して120°遅れた相であり、
前記極性検査部は、検出された前記第2相電流の負方向のゼロクロス点において、前記第1相電流のサンプリング値が正の場合に、極性が誤りと判定する、請求項11に記載の過電流保護リレー。
【請求項16】
前記第1の入力端子対を介して取得した信号と前記第2の入力端子対を介して取得した信号とを合成することによって、前記過電流保護リレーを動作させるための電圧を生成する入力変換器をさらに備える、請求項1〜15のいずれか1項に記載の過電流保護リレー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、過電流保護リレーに関する。
続きを表示(約 9,600 文字)【背景技術】
【0002】
高圧受電設備で用いられる過電流保護リレーには、コスト削減のために三相のうち二相の電流のみを取り込んで過電流か否かを検知するものがある。以下では、説明の便宜のために過電流保護リレーに取り込まれた2相の電流をR相およびT相の電流とする。
【0003】
さらに、上記の構成の過電流保護リレーにおいて、制御電源で用いられる電圧を、取り込んだR相電流およびT相電流から入力変換器によって生成する場合がある。この場合、R相とT相との間で短絡故障が生じた場合でも制御電源用の動作電圧を確保するために、R相電流とT相電流とは互いに逆極性になるように入力変換器に接続される。
【0004】
上記の構成の場合において、R相電流およびT相電流の一方を、その極性を間違えて過電流保護リレーに接続すると、R相とT相との間で短絡故障が生じた場合に制御電源用の動作電圧が確保できなくなる。このような問題を考慮して、R相電流およびT相電流について互いの極性が正しいか否かを予め検知する必要がある。
【0005】
たとえば、特開昭62−294983号公報(特許文献1)に開示された逆接続判定方法は次のとおりである。この方法では、R相電流値とT相電流値との和から残りのS相の電流値を計算し、算出したS相電流値の大きさとR相電流値およびT相電流値の各々の大きさとが比較される。比較の結果、両者の電流値の大きさがほぼ等しい場合には正しい極性での接続であると判定される。一方、前者が後者の1.5倍以上の場合に逆極性での接続であると判定される。なお、三相交流回路が平衡回路の場合には前者の大きさと後者の大きさとの比は√3であるが、不平衡回路である場合を考慮して、判定閾値は1.5に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭62−294983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の文献の方法では、電流の振幅値が小さくノイズ成分または不平衡成分の割合が大きい場合に誤差が大きくなるという問題がある。この結果、R相およびT相の電流が正しい極性で端子に接続されているにも拘わらず、逆極性の接続であると誤判定される可能性がある。
【0008】
本開示は、上記の問題点の解決に向けられている。具体的に本開示の目的の1つは、電流検出用の端子に誤った極性で電流変成器が接続されているか否かを、従来よりも正確に判定することが可能な過電流保護リレーを提供することである。なお、本開示のその他の目的は、後述する明細書および図面を参照して明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態の過電流保護リレーは、第1の入力端子対と、第2の入力端子対と、第1の過電流保護要素と、第2の過電流保護要素と、極性検査部とを備える。第1の入力端子対は、三相交流線路の第1相に設けられた第1の電流変成器と接続するために設けられる。第2の入力端子対は、三相交流線路の第2相に設けられた第2の電流変成器と接続するために設けられる。第1の過電流保護要素は、第1の入力端子対を介して時系列に取得した第1相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する。第2の過電流保護要素は、第2の入力端子対を介して時系列に取得した第2相電流のサンプリング値に基づいて過電流を判定する。極性検査部は、第1の電流変成器および第2の電流変成器のうちいずれか一方が、対応する入力端子対に極性を誤って接続されているか否かを判定する。極性検査部は、第1時点における第1相電流のサンプリング値と、第1時点よりも前の第2時点における第2相電流のサンプリング値とに少なくとも基づいて、極性の誤りを判定する。
【発明の効果】
【0010】
上記の実施形態によれば、極性検査部は、第1時点よりも前の第2時点における相電流のサンプリング値を用いることにより、誤った極性での接続を従来よりも正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
実施の形態1による過電流保護リレーの構成を示すブロック図である。
図1のリレーユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図1の三相電線路における電流ベクトルを示すベクトル図である。
図1の極性検査部のさらに詳細な構成の一例を示すブロック図である。
実施の形態1の過電流保護リレーにおいて、逆接続の判定原理を説明するためのベクトル図である。
実施の形態1の過電流保護リレーにおいて、逆接続を判定する手順を示すフローチャートである。
図6の変形例としての逆接続判定手順を示すフローチャートである。
実施の形態2の過電流保護リレーにおいて、逆接続の判定原理を説明するためのベクトル図である。
実施の形態3の過電流保護リレーにおいて、逆接続の判定原理を説明するためのベクトル図である。
実施の形態3の過電流保護リレーにおいて、逆接続を判定する手順を示すフローチャートである。
実施の形態4の過電流保護リレーにおいて、逆接続の判定原理を説明するためのタイミング図である。
実施の形態4の過電流保護リレーにおいて、逆接続を判定する手順を示すフローチャートである。
実施の形態5の過電流保護リレーにおいて、逆接続の判定原理を説明するためのタイミング図である。
実施の形態5の過電流保護リレーにおいて、逆接続を判定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0013】
以下の説明において、R相電流I

について、時刻nにおけるR相の電流瞬時値をi

(n)と表記する。さらに、R相の電流ベクトルを<I

(n)>と表記し、R相の電流ベクトルの大きさ(すなわち、R相の電流振幅)を|<I

(n)>|と表記する。R相の電流振幅を、単にI

と記載する場合もある。S相およびT相についても同様である。
【0014】
時刻nよりも1サンプリング周期だけ前の時刻をn−1表記し、時刻nよりも2サンプリング周期だけ前の時刻をn−2と表記する。したがって、時刻nよりもiサンプリング周期だけ前の時刻は、n−iと表される。1サンプリング周期に対応する電気角を30°とするが、これに限定されるものでない。時刻nを第1時点と称し、それよりも前の時刻を第2時点、第3時点、…のように記載する場合がある。時刻nは一般的には現時刻を意味するが、これに限定されるものではない。
【0015】
また、以下の説明において、過電流保護リレーは、三相のうちR相とT相の電流を検出するものとして説明するが、これに限定されない。三相のうちいずれか二相の電流を検出するように構成されていてもよい。
【0016】
実施の形態1.
[過電流保護リレーの全体構成]
図1は、実施の形態1による過電流保護リレーの構成を示すブロック図である。図1を参照して、過電流保護リレー40は、三相交流線路30のR相に設けられた電流変成器(CT:Current Transformer)31およびT相に設けられた電流変成器32と接続される。
【0017】
過電流保護リレー40は、R相用の入力端子対C1R,C2Rと、T相用の入力端子対C1T,C2Tと、入力変換器41,42,43と、リレーユニット50と、制御電源回路44とを備える。
【0018】
電流変成器31を構成する二次側巻線の一端は入力端子C1Rに接続され、その他端は接地極GNDに接続されるとともに入力端子C2Rに接続される。図1の受電方向に電流が流れるとき、入力端子C1Rが高電位側となり入力端子C2Rが低電位側となるようにR相電流I

が流れる。
【0019】
電流変成器32を構成する二次側巻線の一端は入力端子C1Tに接続され、その他端は接地極GNDに接続されるとともに入力端子C2Tに接続される。図1の受電方向に電流が流れるとき、入力端子C1Tが高電位側となり入力端子C2Tが低電位側となるようにT相電流I

が流れる。
【0020】
入力変換器41,42,43の各々は、一次側巻線に発生した電圧の大きさを変換した電圧を二次側巻線から出力する変圧器として構成される。入力変換器41の一次側巻線は、入力端子C1Rと入力端子C2Rとの間に接続される。入力変換器42の一次側巻線は、入力端子C1Tと入力端子C2Tとの間に接続される。
【0021】
入力変換器43の一次側巻線は第1巻線部分43P1と第2巻線部分43P2とに区分されている。入力変換器43の第1巻線部分43P1は、入力変換器41の一次側巻線と直列かつ互いに同極性で、入力端子C1Rと入力端子C2Rとの間に接続される。入力変換器43の第2巻線部分43P2は、入力変換器42の一次側巻線と直列かつ互いに逆極性で、入力端子C1Tと入力端子C2Tとの間に接続される。入力変換器43は、入力端子対C1R,C2Rから入力された信号と入力端子C1T,C2Tから入力された信号とを逆極性で合成する。
【0022】
リレーユニット50は、その機能的構成として、R相の過電流保護要素51と、T相の過電流保護要素52と、極性検査部53とを含む。
【0023】
R相の過電流保護要素51は、入力変換器41の二次側巻線に接続されることにより、R相電流I

を表す信号を取得する。過電流保護要素51は受信信号に基づいて、R相電流I

が過電流であるか否かを判定する。たとえば、過電流保護要素51は、受信信号の絶対値が閾値を超えている場合に過電流と判定する。
【0024】
T相の過電流保護要素52は、入力変換器42の二次側巻線に接続されることにより、T相電流I

を表す信号を取得する。過電流保護要素52は受信信号に基づいて、T相電流I

が過電流であるか否かを判定する。たとえば、過電流保護要素52は、受信信号の絶対値が閾値を超えている場合に過電流と判定する。
【0025】
極性検査部53は、入力変換器41の二次側巻線および入力変換器42の二次側巻線に接続されることにより、R相電流I

を表す信号およびT相電流I

を表す信号を取得する。極性検査部53は、取得したこれらの信号に基づいて、電流変成器31と入力端子C1R,C2Rとの接続および電流変成器32と入力端子C1T,C2Tとの接続のうち一方が逆極性になっているか否かを判定する。なお、両端子対とも逆極性の場合には、R相とT相との間で短絡故障が生じた場合でも過電流保護リレー40は動作可能であるので、問題にならない。
【0026】
リレーユニット50のハードウェア構成として種々の形態があり得る。一般的には、リレーユニット50は、コンピュータをベースに構成されている。他の構成例として、リレーユニット50は、FPGAまたはASICなどの回路として構成されていてもよい。リレーユニット50を、コンピュータをベースにして構成した例については図2を参照して後述する。
【0027】
制御電源回路44は、入力変換器43の二次側巻線に接続され、二次側巻線から供給される交流電圧に基づいて直流電圧を生成する。制御電源回路44は、生成した直流電圧を動作電圧としてリレーユニット50に供給する。
【0028】
[リレーユニット50のハードウェア構成例]
図2は、図1のリレーユニットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2において、リレーユニット50を含む過電流保護リレー40の構成は、いわゆるデジタルリレー装置と同様の構成を有している。具体的に図2を参照して、リレーユニット50は、A/D変換部110と、演算処理部120と、I/O(Input and Output)部130とを備える。
【0029】
A/D変換部110は、アナログフィルタ(AF:Analog Filter)111_1,111_2と、サンプルホールド回路(S/H:Sample Hold Circuit)112_1,112_2とを含む。A/D変換部110は、さらに、マルチプレクサ(MPX:Multiplexer)113と、A/D変換器114とを含む。アナログフィルタ111_1,111_2およびサンプルホールド回路112_1,112_2は、入力変換器41,42に対応して設けられる。アナログフィルタ111_1,111_2は、入力変換器41,42の二次側巻線にそれぞれ接続される。
【0030】
各アナログフィルタ111は、A/D変換の際の折返し誤差を除去するために設けられたローパスフィルタである。各サンプルホールド回路112は、対応のアナログフィルタ111を通過した信号を規定のサンプリング周波数でサンプリングして保持する。サンプリング周波数は、たとえば、4800Hzである。マルチプレクサ113は、サンプルホールド回路112_1,112_2に保持された電圧信号を順次選択する。A/D変換器114は、マルチプレクサ113によって選択された信号をデジタル値に変換する。
【0031】
演算処理部120は、CPU(Central Processing Unit)121と、RAM(Random Access Memory)122と、ROM(Read Only Memory)123と、これらを接続するバス225とを含む。CPU121は、リレーユニット50の全体の動作を制御する。RAM122およびROM123は、CPU121の主記憶として用いられる。ROM123は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを用いることにより、プログラムおよび信号処理用の設定値などを収納することができる。
【0032】
I/O部130は、デジタル入力(D/I:Digital Input)回路132と、デジタル出力(D/O:Digital Output)回路133とを含む。デジタル入力回路132およびデジタル出力回路133は、CPU121と外部装置との間で通信する際のインターフェース回路である。たとえば、デジタル出力回路133から遮断器(不図示)にトリップ信号が出力される。
【0033】
[逆接続の問題点について]
以下、図1の電流変成器31,32を逆極性で過電流保護リレー40の入力端子C1R,C2R,C1T,C2Tに接続した場合の問題点について説明する。
【0034】
図3は、図1の三相電線路における電流ベクトルを示すベクトル図である。図3(A)は、三相交流線路30が健全な場合の負荷電流のベクトル図を示す。図3(B)は、R相とT相との間で短絡故障が生じた場合の電流ベクトル図を示す。
【0035】
図3(A)を参照して、R相電流I

の電流ベクトル、T相電流I

の電流ベクトル、およびこれらの電流ベクトルの差(<I

>−<I

>)を表す信号が、図1の入力変換器41〜43に入力される。なお、平衡負荷の場合のR相電流I

、S相電流I

、およびT相電流I

の大きさは互いに等しく、それらの位相は互いに120°ずつ異なる。
【0036】
図3(B)を参照して、R相とT相との間で短絡故障が生じた場合、R相およびT相には故障電流と負荷電流との合成電流が流れる。故障電流の大きさは負荷電流の大きさに比べて大きいので、負荷電流を無視できる。この場合、短絡故障時のR相電流I
R_SHORT
と短絡故障時のT相電流I
T_SHORT
とは、大きさがほぼ等しく、それぞれの向きがほぼ反対である。したがって、これらの電流ベクトルの差(<I
R_SHORT
>−<I
T_SHORT
>)を表す信号が、入力変換器43の一次側巻線に入力される。
【0037】
ここで、R相用の電流変成器31およびT相用の電流変成器32のうちいずれか一方が、その極性を逆にして過電流保護リレー40に接続されたとする。この場合、R相とT相との間で短絡故障が生じた場合には、R相電流I
R_SHORT
とT相電流I
T_SHORT
との差はほぼ0になる。この結果、入力変換器43の二次側の電圧がほぼ0になるので、過電流保護リレー40が動作しなくなるという不都合が生じる。したがって、予め逆接続を検知できるようにすることは重要である。
【0038】
以下では、R相用の電流変成器31は正しい極性で過電流保護リレー40に接続され、T相用の電流変成器31が逆極性で過電流保護リレー40に接続されたものとして説明する。これに限定するものではなく、この逆の場合であっても同様の結果が得られる。なお、この開示では、極性を逆にして過電流保護リレー40に接続することを「逆接続する」ともいう。なお、2相とも極性が逆の場合には、これら2相間で短絡故障が生じた場合でも過電流保護リレー40は動作可能であるので、問題にならない。
【0039】
[極性検査部の詳細な構成]
図4は、図1の極性検査部のさらに詳細な構成の一例を示すブロック図である。図4の各構成要素の機能は、たとえば、図2のCPU121においてプログラムが実行されることによって実現される。
【0040】
図4を参照して、極性検査部53は、直流成分除去部61,62と、振幅値演算部63,64と、逆接続判定部65と、無入力判定部66と、論理積演算部67とを含む。
【0041】
直流成分除去部61には現時点までのR相電流i

(n),i

(n−1),…が時系列に入力される。直流成分除去部61は、入力されたR相電流i

の直流成分を除去するデジタルフィルタである。同様に、直流成分除去部62には現時点までのT相電流i

(n),i

(n−1),…が時系列に入力される。直流成分除去部62は、入力されたT相電流i

の直流成分を除去するデジタルフィルタである。
【0042】
直流成分を除去するためのフィルタ構成はどのようなものであってもよい。たとえば、現時点の電流値i(n)から半サイクル前の電流値i(n−6)を減算した値を2で割ることによって、直流成分を除去できる。具体的に数式を用いて次式(1)のように表される。
【0043】
【0044】
上式(1)において、直流電成分をI

とし、交流成分をI・sin(ωt)とする。Iは交流成分の振幅、ωは交流成分の各周波数である。上式(1)に示すように、直流成分I

が除去されていることがわかる。
【0045】
振幅値演算部63は、直流成分除去部61から出力されたR相の時系列の電流データi

(n)に基づいてR相の電流振幅I

を計算する。同様に、振幅値演算部64は、直流成分除去部62から出力されたT相の時系列の電流データi

(n)に基づいてT相の電流振幅I

を計算する。電流振幅の計算方法は、どのような方法を用いてもよい。たとえば、現時点の電流値i(n)と、現時点よりも4分の1サイクル前の電流値i(n−3)とを用いることによって、次式(2)のように電流振幅の二乗I

を計算できる。
【0046】
【0047】
逆接続判定部65は、直流成分除去部61から出力されたR相の時系列の電流データi

(n)と、直流成分除去部62から出力されたT相の時系列の電流データi

(n)とを受け取る。逆接続判定部65は、これらの電流データに基づいて、R相用の電流変成器31またはT相用の電流変成器32のいずれか一方が、過電流保護リレー40に逆接続されているか否かを判定する。具体的な判定方法については後述する。逆接続判定部65は、逆接続と判定した場合にその出力を活性化する。
【0048】
無入力判定部66は、振幅値演算部63から出力されたR相の電流振幅I

と、振幅値演算部64から出力されたT相の電流振幅I

とを受け取る。無入力判定部66は、これらの電流振幅に基づいて、過電流保護リレー40への入力信号が0(すなわち、無入力状態)となっているか否かを判定する。たとえば、無入力判定部66は、R相の電流振幅I

とT相の電流振幅I

のうち少なくとも一方が閾値未満の場合に無入力と判定する。この場合の閾値は誤差を考慮して0に近い小さい値に設定される。無入力判定部66は、無入力状態と判定した場合にその出力を活性化する。
【0049】
論理積演算部67は、逆接続判定部65の出力信号の論理値と、無入力判定部66の出力信号の論理値を判定させた値との論理積を演算し、演算結果を出力する。したがって、論理積演算部67は、逆接続判定部65によって逆接続と判定され、無入力判定部66によって無入力状態でないと判定された場合に、判定結果を表す信号68を活性化する。
【0050】
[逆接続の判定方法]
実施の形態1の過電流保護リレー40において、逆接続判定部65は、R相およびT相のうち一方の現時刻の電流瞬時値と他方の過去の電流瞬時値との和と閾値とを比較することによって、逆接続であるか否かを判定する。他方の過去の電流値として、一方の現在の電流値と同位相または逆位相となる場合が選択される。また、閾値として、たとえば、R相またはT相の電流振幅が選択される。
(【0051】以降は省略されています)

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