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公開番号2020188637
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093347
出願日20190517
発明の名称巻線界磁型同期機のロータ
出願人株式会社明電舎
代理人個人
主分類H02K 1/24 20060101AFI20201023BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】組み立て作業の容易化を図って製造コストの上昇を大きく抑制できる巻線界磁型同期機のロータを提供する。
【解決手段】回転可能に支持された回転軸130と、回転軸130に同軸をなして嵌合するロータコア110と、ロータコア110に装着された界磁巻線120とを備える巻線界磁型同期機のロータ100において、ロータコア110が、環状をなす外周部111と、外周部111の内面に径方向内側へ向けて突出すると共に外周部111の周方向にわたって規定の間隔で外周部111と一体的に複数形成されて界磁巻線120をそれぞれ装着されるティース部112と、ティース部112に一体的に形成された凸状をなすキー113とからなり、回転軸130が、ロータコア110のキー113と係合するキー溝131を具えていることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転可能に支持された回転軸と、
前記回転軸に同軸をなして嵌合するロータコアと、
前記ロータコアに装着された界磁巻線と
を備える巻線界磁型同期機のロータにおいて、
前記ロータコアが、
環状をなす外周部と、
前記外周部の内面に径方向内側へ向けて突出すると共に当該外周部の周方向にわたって規定の間隔で当該外周部と一体的に複数形成されて前記界磁巻線をそれぞれ装着されるティース部と、
前記ティース部に一体的に形成されたティース係合部と
からなり、
前記回転軸が、前記ロータコアの前記ティース係合部と係合する回転軸係合部を具えている
ことを特徴とする巻線界磁型同期機のロータ。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
請求項1に記載の巻線界磁型同期機のロータにおいて、
前記ロータコアの前記ティース係合部が、凸状をなすキーであり、
前記回転軸の前記回転軸係合部が、凹状をなすキー溝である
ことを特徴とする巻線界磁型同期機のロータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の巻線界磁型同期機のロータにおいて、
前記回転軸が、
軸方向に沿って内部に形成されて冷却液を流通させる軸方向流路と、
前記ロータコアの隣り合う前記ティース部の間と前記軸方向流路との間を連通させるように径方向に沿って内部に複数形成された径方向流路と
を有していることを特徴とする巻線界磁型同期機のロータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線界磁型同期機のロータに関する。
続きを表示(約 5,700 文字)【背景技術】
【0002】
回転軸にロータコアを設けて界磁巻線を装着したロータを備えた巻線界磁型同期機(WFSM)は、ロータの界磁巻線に電気を流して励磁させることから、動作領域に対応して界磁電流を調整できるので、永久磁石を装着したロータを備えた同期機(PMSM)よりも、低トルク域での効率向上や、高速域での出力や効率の向上を図ることができる。
【0003】
このようなWFSMにおいては、ロータが高速域で回転すると、遠心力によって、界磁巻線が巻き崩れを起こして飛散してしまうおそれがある。このため、下記特許文献1では、ロータの界磁巻線を装着するティース部の隣り合う間の径方向外側を覆う界磁巻線保持部を設けることにより、界磁巻線の巻き崩れを防止することを提案しているものの、当該ティース部にU字型の素線を挟むように差し込んで端部を溶接して接続しなければ当該ティース部に界磁巻線を設けられないことから、組み立て作業に非常に手間がかかってしまい、製造コストの上昇を招いてしまっている。
【0004】
そこで、例えば、下記特許文献2では、ロータの環状のヨーク部と環状の界磁巻線保持部とを複数の凸状部で連結した一体構造にすると共に、隣り合う凸状部の間で当該ヨーク部と当該界磁巻線保持部との間を繋ぐように取付可能なティース部を有することにより、当該ティース部の取り付け前に、当該ティース部に界磁巻線を容易に装着できるようにすることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013−038862号公報
特開2017−204922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献2の提案においては、界磁巻線を装着した複数のティース部をヨーク部と界磁巻線保持部との間にそれぞれ取り付けなければならないため、組み立て作業に非常に手間がかかってしまい、製造コストの上昇を招いてしまっていた。
【0007】
このようなことから、本発明は、組み立て作業の容易化を図って製造コストの上昇を大きく抑制できる巻線界磁型同期機のロータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための、本発明に係る巻線界磁型同期機のロータは、回転可能に支持された回転軸と、前記回転軸に同軸をなして嵌合するロータコアと、前記ロータコアに装着された界磁巻線とを備える巻線界磁型同期機のロータにおいて、前記ロータコアが、環状をなす外周部と、前記外周部の内面に径方向内側へ向けて突出すると共に当該外周部の周方向にわたって規定の間隔で当該外周部と一体的に複数形成されて前記界磁巻線をそれぞれ装着されるティース部と、前記ティース部に一体的に形成されたティース係合部とからなり、前記回転軸が、前記ロータコアの前記ティース係合部と係合する回転軸係合部を具えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る巻線界磁型同期機のロータは、上述した巻線界磁型同期機のロータにおいて、前記ロータコアの前記ティース係合部が、凸状をなすキーであり、前記回転軸の前記回転軸係合部が、凹状をなすキー溝であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る巻線界磁型同期機のロータは、上述した巻線界磁型同期機のロータにおいて、前記回転軸が、軸方向に沿って内部に形成されて冷却液を流通させる軸方向流路と、前記ロータコアの隣り合う前記ティース部の間と前記軸方向流路との間を連通させるように径方向に沿って内部に複数形成された径方向流路とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る界磁巻線型同期機のロータによれば、ロータコアの径方向内側から各ティース部に界磁巻線をそれぞれ装着することが容易にできると共に、一体構造をなしているロータコアを回転軸に嵌合することにより、容易に得ることができるので、組み立て作業を非常に容易に行うことができ、製造コストの上昇を大きく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明に係る界磁巻線型同期機のロータの第一番目の実施形態の概略構成図である。
本発明に係る界磁巻線型同型機のロータの第二番目の実施形態の概略構成図である。
図2のIII‐III線断面矢線視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る界磁巻線型同期機のロータの実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0014】
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係る界磁巻線型同期機のロータの第一番目の実施形態を図1に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すように、環状をなす外周部111の内面には、径方向内側へ向けて突出するティース部112が周方向にわたって規定の間隔で複数形成されている。前記ティース部112の径方向内側の端部には、ティース係合部である凸状をなすキー113が径方向内側へ向けて突出するようにそれぞれ形成されている。このような外周部111、ティース部112、キー113によって、本実施形態では電磁鋼板等で一体的に形成されたロータコア110を構成している。
【0016】
前記ロータコア110の前記ティース部112には、界磁巻線120がそれぞれ装着されている。前記ロータコア110の軸心上には、前記キー113と係合する回転軸係合部である凹状をなすキー溝131を当該キー113に対応するように外周に複数形成した回転軸130が同軸をなして配設されている。すなわち、前記ロータコア110は、回転可能に支持された前記回転軸130の前記キー溝131に前記キー113を差し込まれるようにして当該回転軸130に嵌合することにより、当該回転軸130と一体的に回転できるようになっているのである。そして、前記回転軸130は、前記ロータコア110の透磁率と近似する透磁率を有する鋼材からなっている。
【0017】
このような構造をなす本実施形態に係るロータ100においては、電磁鋼板を打ち抜いて積層した前記ロータコア110の前記ティース部112に対して、ボビン等に巻回した前記界磁巻線120を当該ロータコア110の径方向内側から嵌め込んで装着した後、前記回転軸130を当該ロータコア110に差し込んで嵌合することにより、容易に組み立てることができる。
【0018】
そして、円筒形をなすステータの内部に前記ロータ100を差し込んで回転自在に支持し、前記界磁巻線120に電気を流して励磁させることにより、当該ロータ100を回転させることができる。
【0019】
このとき、前記ロータ100が高速域で回転して、前記界磁巻線120に遠心力が作用しても、当該ロータ100の径方向外側に設けた前記外周部111が当該界磁巻線120の巻き崩れを防止するようになる。
【0020】
つまり、本実施形態に係るロータ100は、環状をなす外周部111の内面にティース部112を一体的に突設することにより、隣り合うティース部112の間の空間(スロット)をロータコア110の径方向内側に開口させ、当該ティース部112の前記径方向内側の端部にキー113を設けると共に回転軸130の外周にキー溝131を設けることにより、ロータコア110にヨーク部を設けることなく当該ロータコア110を回転軸130に嵌合できるようにしたのである。
【0021】
このため、本実施形態に係るロータ100においては、ロータコア110の径方向内側から各ティース部112に界磁巻線120をそれぞれ装着することが容易にできると共に、一体構造をなしている当該ロータコア110を回転軸130に嵌合することにより、容易に得ることができる。
【0022】
したがって、本実施形態に係るロータ100によれば、高速域での回転による界磁巻線120の巻き崩れを防止できるのはもちろんのこと、組み立て作業を非常に容易に行うことができ、製造コストの上昇を大きく抑制することができる。
【0023】
なお、ロータコア110は、ヨーク部がない、言い換えると、ヨーク部の機能が回転軸130に具えられていることから、ヨーク部での鋼板の積層による渦電流低減効果が失われるものの、外周付近と違って、元々、空間高周波による交番磁界がほとんど存在しないため、鉄損が増加することはない。また、同様の理由により、積層した鋼板同士が回転軸130で短絡することによる渦電流損も発生しない。
【0024】
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係る界磁巻線型同期機のロータの第二番目の実施形態を図2,3に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0025】
図2,3に示すように、回転軸230の内部には、冷却液1を流通させる軸方向流路232が同軸上に軸方向全長にわたって形成されている。さらに、回転軸230の内部には、前記ロータコア110の隣り合う前記ティース部112の間(スロット)と前記軸方向流路232との間を当該回転軸230の径方向に沿って連通させる径方向流路233が当該回転軸230の周方向及び軸方向に沿って規定の間隔ごとに複数形成されている。
【0026】
このような本実施形態に係るロータ200においては、前記回転軸230の一端側から前記軸方向流路232に冷却液1を供給すると、当該冷却液1が当該軸方向流路232内を流通して前記径方向流路233内に流入し、当該回転軸230の外周面から噴出して界磁巻線120に供給されることにより、当該界磁巻線120を冷却した後、ロータコア110の両端側から流出するようになる。
【0027】
つまり、前述した実施形態に係るロータ100では、ロータコア110の軸方向両端側から前記界磁巻線120へ冷却液1を噴き掛けることにより、当該界磁巻線120を冷却するのに対し、本実施形態に係るロータ200では、ロータコア110の径方向内側から前記界磁巻線120へ冷却液1を噴き掛けることにより、当該界磁巻線120を冷却するようにしたのである。
【0028】
このため、本実施形態に係るロータ200においては、界磁巻線120へロータコア110の軸方向全長にわたって冷却液1を噴き掛けることが容易にできる。
【0029】
したがって、本実施形態に係るロータ200によれば、前述した実施形態に係るロータ100と同様な作用効果を得ることができるのはもちろんのこと、前述した実施形態に係るロータ100よりも界磁巻線120を効率よく冷却することができる。
【0030】
また、積層した鋼板からなる前記ロータコア110にヨーク部がない、言い換えると、一体成形体の回転軸230にヨーク部の機能を具えたことから、当該ロータコア110の隣り合う前記ティース部112の間(スロット)へ冷却液1を送給する径方向流路233を非常に容易に形成することができる。
【0031】
なぜなら、従来のように、積層した鋼板からなるロータコアにヨーク部がある場合、隣り合うティース部の間へ冷却液1を送給する径方向の流路を形成すると、鋼板が分割されてしまうことから、鋼板同士を保持するための構造が必要になってしまうからである。
【0032】
〈他の実施形態〉
なお、前述した実施形態においては、前記ロータコア110の前記ティース部112に凸状をなす前記キー113を設け、前記回転軸130の外周に凹状をなす前記キー溝131を設けるようにしたが、他の実施形態として、例えば、ロータコアのティース部にティース係合部である凹状をなすキー溝を設け、回転軸の外周に回転軸係合部である凸状をなすキーを設けるようにすることも可能であり、ティース係合部と回転軸係合部とは、互いに係合してロータコアと回転軸とを一体的に回転させ得る形状や構造であれば、適用可能である。
【0033】
しかしながら、前述した実施形態のように、前記ロータコア110の前記ティース部112に凸状をなす前記キー113を設け、前記回転軸130の外周に凹状をなす前記キー溝131を設けるようにすると、非常に製造しやすくなるので、特に好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る界磁巻線型同期機のロータは、組み立て作業を非常に容易に行うことができ、製造コストの上昇を大きく抑制することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 冷却液
100 ロータ
110 ロータコア
111 外周部
112 ティース部
113 キー
120 界磁巻線
130 回転軸
131 キー溝
200 ロータ
230 回転軸
232 軸方向流路
233 径方向流路

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