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公開番号2020186945
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019089953
出願日20190510
発明の名称ガスセンサ
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー
代理人特許業務法人あいち国際特許事務所
主分類G01N 27/409 20060101AFI20201023BHJP(測定;試験)
要約【課題】ハウジングから伝達される熱によって封止部材が加熱されにくくし、封止部材を熱から効果的に保護することができるガスセンサを提供する。
【解決手段】ガスセンサ1は、センサ素子、ハウジング41、接点端子、第2インシュレータ43、リード線、封止部材及び外周側カバー46A,46Bを備える。ハウジング41の環状突起部5には、フランジ部411に繋がる根元部51と、根元部51の軸方向Lの基端側L2に位置して、外周が根元部51よりも縮径した縮径部52とが形成されている。縮径部52の外径は、根元部51の外径よりも小さい。基端側カバー46Aの軸方向Lにおける先端側L1の端部460は、縮径部52の外周に接合されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ガス検知が可能な検知部(21)を軸方向(L)の先端側位置に有するセンサ素子(2)と、
前記検知部が前記軸方向の先端側(L1)に突出する状態で、前記センサ素子が挿通された筒形状のハウジング(41)と、
前記センサ素子の前記軸方向の基端側位置に設けられた端子部(22)に接触する接点端子(44)と、
前記接点端子を保持するインシュレータ(43)と、
前記接点端子に接続されて外部に引き出されたリード線(48)と、
前記リード線を保持する封止部材(47)と、
前記ハウジングの最大外径部を構成するフランジ部(411)から前記軸方向の基端側(L2)に突出して設けられた環状突起部(5)の外周に装着され、前記封止部材を内周側に保持する基端側カバー(46A,46B)と、を備え、
前記環状突起部には、前記フランジ部に繋がる根元部(51)と、前記根元部の前記軸方向の基端側に位置して、外周が前記根元部よりも縮径した縮径部(52)とが形成されており、
前記基端側カバーの前記軸方向における先端側端部(460)は、前記縮径部の外周に接合されている、ガスセンサ(1)。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
ガス検知が可能な検知部(21)を軸方向(L)の先端側位置に有するセンサ素子(2)と、
前記検知部が前記軸方向の先端側(L1)に突出する状態で、前記センサ素子が挿通された筒形状のハウジング(41)と、
前記センサ素子の前記軸方向の基端側位置に設けられた端子部(22)に接触する接点端子(44)と、
前記接点端子を保持するインシュレータ(43)と、
前記接点端子に接続されて外部に引き出されたリード線(48)と、
前記リード線を保持する封止部材(47)と、
前記ハウジングの最大外径部を構成するフランジ部(411)から前記軸方向の基端側(L2)に突出して設けられた環状突起部(5)の外周に装着され、前記封止部材を内周側に保持する基端側カバー(46A,46B)と、を備え、
前記環状突起部の外周、及び前記基端側カバーの前記軸方向における先端側端部(460)の内周の少なくとも一方には、凸部(54)が形成されており、
前記環状突起部と前記基端側カバーの前記先端側端部とは、前記凸部を介して接合されている、ガスセンサ(1)。
【請求項3】
ガス検知が可能な検知部(21)を軸方向(L)の先端側位置に有するセンサ素子(2)と、
前記検知部が前記軸方向の先端側(L1)に突出する状態で、前記センサ素子が挿通された筒形状のハウジング(41)と、
前記センサ素子の前記軸方向の基端側位置に設けられた端子部(22)に接触する接点端子(44)と、
前記接点端子を保持するインシュレータ(43)と、
前記接点端子に接続されて外部に引き出されたリード線(48)と、
前記リード線を保持する封止部材(47)と、
前記ハウジングの最大外径部を構成するフランジ部(411)から前記軸方向の基端側(L2)に突出して設けられた環状突起部(5)の外周に装着され、前記封止部材を内周側に保持する基端側カバー(46A,46B)と、を備え、
前記環状突起部の前記軸方向の基端側の端面(501)には、凹部(55)が形成されており、
前記基端側カバーの先端側端部(460)は、前記凹部に配置された状態で前記環状突起部に接合されている、ガスセンサ(1)。
【請求項4】
前記環状突起部と前記基端側カバーの前記先端側端部とが接合された接合面積(X1)は、前記ハウジングと前記基端側カバーの前記先端側端部とが界面を介して接触する接触面積(X2)よりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記環状突起部には、前記インシュレータ又は前記センサ素子を前記ハウジングに固定するためのかしめ部(53)が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記基端側カバーは、前記環状突起部の外周に装着された第1基端側カバー(46A)と、前記第1基端側カバーの前記軸方向の基端側位置の外周に装着されて、前記封止部材を内周側に保持する第2基端側カバー(46B)とによって構成されており、
前記第1基端側カバーと前記第2基端側カバーとの間には、前記第1基端側カバーの熱伝導率及び前記第2基端側カバーの熱伝導率よりも熱伝導率が低い断熱部材(49)が挟持されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ素子を備えるガスセンサに関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、車載用のガスセンサは、車両の内燃機関の排気管に配置されて、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスに基づく内燃機関の空燃比、検出対象ガスにおける酸素の濃度等を求めるために使用される。ガスセンサにおいては、検知部を有するセンサ素子が筒形状のハウジングに挿通されるとともに、センサ素子の検知部がハウジングに装着された先端側カバーによって覆われ、かつ、センサ素子の配線部がハウジングに装着された基端側カバーによって覆われている。センサ素子の検知部及び先端側カバーは排気管内に配置されており、基端側カバーは排気管の外部に配置されている。
【0003】
内燃機関における燃料の燃焼を受けて、内燃機関の排気管内を通過する排ガスは、例えば、1100℃程度の高温になる。そして、高温に加熱された排気管から、排気管に取り付けられたハウジングへ熱が伝達され、ハウジングから基端側カバーへと熱が伝達される。また、基端側カバーの内周側には、センサ素子に電気的に接続されたリード線を保持するためのゴム製の封止部材が配置されており、基端側カバーから封止部材へも熱が伝達される。
【0004】
封止部材を熱から保護する技術としては、例えば、特許文献1に開示されたガスセンサがある。このガスセンサにおいては、グロメット(封止部材)の熱劣化を防止するために、センサ素子とグロメットとの間に、断熱性の高い大気層としての断熱空間を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015−99110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のガスセンサにおいては、基端側カバーがハウジングに接触している面積が大きく、ハウジングから基端側カバーへの伝熱を十分に抑制することができない。発明者らの鋭意研究により、ハウジングから基端側カバーへの伝熱を抑制するためには、ハウジングと基端側カバーとの接触部分の構造に更なる工夫が必要であることが分かった。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、ハウジングから伝達される熱によって封止部材が加熱されにくくし、封止部材を熱から効果的に保護することができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、ガス検知が可能な検知部(21)を軸方向(L)の先端側位置に有するセンサ素子(2)と、
前記検知部が前記軸方向の先端側(L1)に突出する状態で、前記センサ素子が挿通された筒形状のハウジング(41)と、
前記センサ素子の前記軸方向の基端側位置に設けられた端子部(22)に接触する接点端子(44)と、
前記接点端子を保持するインシュレータ(43)と、
前記接点端子に接続されて外部に引き出されたリード線(48)と、
前記リード線を保持する封止部材(47)と、
前記ハウジングの最大外径部を構成するフランジ部(411)から前記軸方向の基端側(L2)に突出して設けられた環状突起部(5)の外周に装着され、前記封止部材を内周側に保持する基端側カバー(46A,46B)と、を備え、
前記環状突起部には、前記フランジ部に繋がる根元部(51)と、前記根元部の前記軸方向の基端側に位置して、外周が前記根元部よりも縮径した縮径部(52)とが形成されており、
前記基端側カバーの前記軸方向における先端側端部(460)は、前記縮径部の外周に接合されている、ガスセンサ(1)にある。
【0009】
本発明の他の態様は、ガス検知が可能な検知部(21)を軸方向(L)の先端側位置に有するセンサ素子(2)と、
前記検知部が前記軸方向の先端側(L1)に突出する状態で、前記センサ素子が挿通された筒形状のハウジング(41)と、
前記センサ素子の前記軸方向の基端側位置に設けられた端子部(22)に接触する接点端子(44)と、
前記接点端子を保持するインシュレータ(43)と、
前記接点端子に接続されて外部に引き出されたリード線(48)と、
前記リード線を保持する封止部材(47)と、
前記ハウジングの最大外径部を構成するフランジ部(411)から前記軸方向の基端側(L2)に突出して設けられた環状突起部(5)の外周に装着され、前記封止部材を内周側に保持する基端側カバー(46A,46B)と、を備え、
前記環状突起部の外周、及び前記基端側カバーの前記軸方向における先端側端部(460)の内周の少なくとも一方には、凸部(54)が形成されており、
前記環状突起部と前記基端側カバーの前記先端側端部とは、前記凸部を介して接合されている、ガスセンサ(1)にある。
【0010】
本発明の更に他の態様は、ガス検知が可能な検知部(21)を軸方向(L)の先端側位置に有するセンサ素子(2)と、
前記検知部が前記軸方向の先端側(L1)に突出する状態で、前記センサ素子が挿通された筒形状のハウジング(41)と、
前記センサ素子の前記軸方向の基端側位置に設けられた端子部(22)に接触する接点端子(44)と、
前記接点端子を保持するインシュレータ(43)と、
前記接点端子に接続されて外部に引き出されたリード線(48)と、
前記リード線を保持する封止部材(47)と、
前記ハウジングの最大外径部を構成するフランジ部(411)から前記軸方向の基端側(L2)に突出して設けられた環状突起部(5)の外周に装着され、前記封止部材を内周側に保持する基端側カバー(46A,46B)と、を備え、
前記環状突起部の前記軸方向の基端側の端面(501)には、凹部(55)が形成されており、
前記基端側カバーの先端側端部(460)は、前記凹部に配置された状態で前記環状突起部に接合されている、ガスセンサ(1)にある。
【発明の効果】
【0011】
(一態様のガスセンサ)
前記一態様のガスセンサにおいては、ハウジングと基端側カバーとが接触する部位の面積を極力小さくし、ハウジングから基端側カバーへの伝熱が生じにくくする工夫をしている。具体的には、ハウジングに設けられた環状突起部に、フランジ部に繋がる根元部と、外周が根元部よりも縮径した縮径部とを形成している。そして、基端側カバーの軸方向における先端側端部は、環状突起部の縮径部の外周に接合されている。
【0012】
この構成により、環状突起部の縮径部における軸方向の長さを短くし、環状突起部の縮径部に基端側カバーの軸方向における先端側の端部が接触する面積を小さくすることができる。これにより、ハウジングと基端側カバーとが接触する部位の面積を極力小さくすることができる。そのため、ハウジングから基端側カバーへ熱が伝わりにくくなり、基端側カバーから、基端側カバーの内周側に配置された封止部材へ熱が伝わりにくくなる。
【0013】
それ故、前記一態様のガスセンサによれば、ハウジングから伝達される熱によって封止部材が加熱されにくくし、封止部材を熱から効果的に保護することができる。
【0014】
(他の態様のガスセンサ)
前記他の態様のガスセンサにおいても、ハウジングと基端側カバーとが接触する部位の面積を極力小さくし、ハウジングから基端側カバーへの伝熱が生じにくくする工夫をしている。具体的には、ハウジングに設けられた環状突起部の外周、及び基端側カバーの軸方向における先端側端部の内周の少なくとも一方に、凸部を形成している。そして、環状突起部と基端側カバーの先端側端部とは、凸部を介して接合されている。
【0015】
この構成により、凸部における軸方向の長さを短くし、凸部と基端側カバー又は環状突起部とが接触する面積を小さくすることができる。これにより、ハウジングと基端側カバーとが接触する部位の面積を極力小さくすることができる。そのため、ハウジングから基端側カバーへ熱が伝わりにくくなり、基端側カバーから、基端側カバーの内周側に配置された封止部材に熱が伝わりにくくなる。
【0016】
それ故、前記他の態様のガスセンサによっても、ハウジングから伝達される熱によって封止部材が加熱されにくくし、封止部材を熱から効果的に保護することができる。
【0017】
(更に他の態様のガスセンサ)
前記更に他の態様のガスセンサにおいても、ハウジングと基端側カバーとが接触する部位の面積を極力小さくし、ハウジングから基端側カバーへの伝熱が生じにくくする工夫をしている。具体的には、環状突起部の軸方向の基端側の端面には、凹部を形成している。そして、基端側カバーの先端側端部は、凹部に配置された状態で環状突起部に接合されている。
【0018】
この構成により、凹部における軸方向の長さを短くし、凹部と基端側カバーとが接触する面積を小さくすることができる。これにより、ハウジングと基端側カバーとが接触する部位の面積を極力小さくすることができる。そのため、ハウジングから基端側カバーへ熱が伝わりにくくなり、基端側カバーから、基端側カバーの内周側に配置された封止部材に熱が伝わりにくくなる。
【0019】
それ故、前記更に他の態様のガスセンサによっても、ハウジングから伝達される熱によって封止部材が加熱されにくくし、封止部材を熱から効果的に保護することができる。
【0020】
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1は、実施形態1にかかる、ガスセンサの断面を示す説明図である。
図2は、実施形態1にかかる、図1のII−II断面を示す説明図である。
図3は、実施形態1にかかる、ハウジングの環状突起部及び基端側カバーにおける軸方向の先端側の端部の周辺の断面を拡大して示す説明図である。
図4は、実施形態1にかかる、図3の要部を更に拡大して示す説明図である。
図5は、実施形態1にかかる、ガスセンサのセンサ素子の断面を拡大して示す説明図である。
図6は、実施形態1にかかる、図5のVI−VI断面を示す説明図である。
図7は、実施形態1にかかる、図5のVII−VII断面を示す説明図である。
図8は、実施形態1にかかる、他のガスセンサの断面を示す説明図である。
図9は、実施形態2にかかる、ハウジングの環状突起部及び基端側カバーにおける軸方向の先端側の端部の周辺の断面を拡大して示す説明図である。
図10は、実施形態2にかかる、図9の要部を更に拡大して示す説明図である。
図11は、実施形態3にかかる、ハウジングの環状突起部及び基端側カバーにおける軸方向の先端側の端部の周辺の断面を拡大して示す説明図である。
図12は、実施形態3にかかる、図11の要部を更に拡大して示す説明図である。
図13は、実施形態4にかかる、ハウジングの環状突起部及び基端側カバーにおける軸方向の先端側の端部の周辺の断面を拡大して示す説明図である。
図14は、実施形態4にかかる、図13の要部を更に拡大して示す説明図である。
図15は、実施形態5にかかる、ガスセンサの軸方向の基端側部分の断面を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1に示すように、センサ素子2、ハウジング41、接点端子44、インシュレータとしての第2インシュレータ43、リード線48、封止部材47及び基端側カバー46A,46Bを備える。センサ素子2は、ガス検知が可能な検知部21を軸方向Lの先端側L1の位置に有する。ハウジング41は筒形状に形成されており、ハウジング41の内周側には、センサ素子2が挿通されている。センサ素子2の検知部21は、ハウジング41における軸方向Lの先端側L1の端面から先端側L1に突出している。
【0023】
接点端子44は、センサ素子2の軸方向Lの基端側L2の位置に設けられた端子部22に接触している。第2インシュレータ43は、接点端子44を保持している。リード線48は、接点端子44に接続されて、ガスセンサ1の外部に引き出されている。封止部材47は、リード線48を保持している。基端側カバー46Aは、ハウジング41の最大外径部を構成するフランジ部411から軸方向Lの基端側L2に突出して設けられた環状突起部5の外周に装着されており、かつ封止部材47を内周側に保持している。
【0024】
図2〜図4に示すように、環状突起部5には、フランジ部411に繋がる根元部51と、根元部51の軸方向Lの基端側L2に位置して、外周が根元部51よりも縮径した縮径部52とが形成されている。縮径部52の外径は、根元部51の外径よりも小さい。基端側カバー46Aの軸方向Lにおける先端側L1の端部460は、縮径部52の外周に接合されている。
【0025】
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスGを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける酸素濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスGにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることができる。空燃比センサは、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が多い燃料リッチの状態から、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が少ない燃料リーンの状態まで定量的に連続して空燃比を検出することができるものである。また、ガスセンサ1は、空燃比センサ以外にも、酸素濃度を求める種々の用途として用いることができる。
【0026】
排気管7には、排ガスG中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ1は、排気管7における排ガスGの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置することもできる。また、ガスセンサ1は、排ガスGを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置することもできる。また、ガスセンサ1を配置する配管は、内燃機関から排気管7に排気される排ガスGの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管とすることもできる。
【0027】
(センサ素子2)
図5及び図6に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス室35、大気ダクト36及び発熱体34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、各絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。
【0028】
本形態において、センサ素子2の軸方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、軸方向Lに直交し、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとが積層された方向、換言すれば、固体電解質体31、各絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された方向を、積層方向Dという。また、軸方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の軸方向Lにおいて、排ガスGに晒される側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を基端側L2という。
【0029】
(固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312)
図5及び図6に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O
2-
)の伝導性を有するものである。固体電解質体31の第1表面301には、排ガスGに晒される排気電極311が設けられており、固体電解質体31の第2表面302には、大気Aに晒される大気電極312が設けられている。排気電極311と大気電極312とは、センサ素子2の軸方向Lの、排ガスGに晒される先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して積層方向Dに重なる位置に配置されている。センサ素子2の軸方向Lの先端側L1の部位には、排気電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによる検知部21が形成されている。第1絶縁体33Aは、固体電解質体31の第1表面301に積層されており、第2絶縁体33Bは、固体電解質体31の第2表面302に積層されている。
【0030】
固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換することができる。
【0031】
排気電極311及び大気電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。共材は、固体電解質体31にペースト状の電極材料を印刷(塗布)して固体電解質体31及び電極材料を焼成する際に、電極材料によって形成される排気電極311及び大気電極312と固体電解質体31との結合強度を維持するためのものである。
【0032】
図5に示すように、排気電極311及び大気電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部313が接続されている。電極リード部313は、センサ素子2の軸方向Lの基端側L2の部位まで引き出されている。
【0033】
(ガス室35)
図5及び図6に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aの軸方向Lの先端側L1の部位において、排気電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
【0034】
(拡散抵抗部32)
図5に示すように、本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の軸方向Lの先端側L1に隣接して設けられている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の軸方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口内に配置されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。ガス室35に導入される排ガスGの拡散速度(流量)は、排ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
【0035】
拡散抵抗部32は、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して形成してもよい。この場合には、拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して開口された導入口内に配置される。なお、拡散抵抗部32は、多孔質体を用いて形成する以外にも、ガス室35に連通された小さな貫通穴であるピンホールを用いて形成することもできる。
【0036】
(大気ダクト36)
図5〜図7に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた大気ダクト36が隣接して形成されている。大気ダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、大気電極312を収容する軸方向Lの部位から、センサ素子2の軸方向Lにおける、大気Aに晒される基端位置まで形成されている。センサ素子2の軸方向Lの基端位置には、大気ダクト36の大気導入部としての基端開口部361が形成されている。大気ダクト36は、基端開口部361から固体電解質体31を介してガス室35と積層方向Dに重なる位置まで形成されている。大気ダクト36には、基端開口部361から大気Aが導入される。
【0037】
(発熱体34)
図5〜図7に示すように、発熱体34は、大気ダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が排気電極311及び大気電極312に重なる位置に配置されている。
【0038】
また、発熱体34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、軸方向Lの基端側L2に繋がる一対の発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、直線部分及び曲線部分によって蛇行する線状の導体部によって形成されている。本形態の発熱部341の直線部分は、軸方向Lに平行に形成されている。発熱体リード部342は、軸方向Lに平行な直線状の導体部によって形成されている。発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。発熱体リード部342は、発熱部341から軸方向Lの基端側L2の部位まで引き出されている。発熱体34は、導電性を有する金属材料を含有している。
【0039】
図5及び図7に示すように、本形態の発熱部341は、発熱体34における軸方向Lの先端側L1の位置において、軸方向Lに蛇行する形状に形成されている。なお、発熱部341は、幅方向Wに蛇行して形成されていてもよい。発熱部341は、軸方向Lに直交する積層方向Dにおいて、排気電極311及び大気電極312に対向する位置に配置されている。換言すれば、発熱部341は、センサ素子2の軸方向Lの先端側L1の部位において、排気電極311及び大気電極312に対して積層方向Dに重なる位置に配置されている。
【0040】
発熱部341の断面積は、発熱体リード部342の断面積よりも小さく、発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも高い。この断面積とは、発熱部341及び発熱体リード部342が延びる方向に直交する面の断面積のことをいう。そして、一対の発熱体リード部342に電圧が印加されると、発熱部341がジュール熱によって発熱し、この発熱によって、検知部21の周辺が目標とする温度に加熱される。
【0041】
(各絶縁体33A,33B)
図5及び図6に示すように、第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するものであり、第2絶縁体33Bは、大気ダクト36を形成するとともに発熱体34を埋設するものである。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33Bは、排ガスG又は大気Aである気体が透過することができない緻密体として形成されており、各絶縁体33A,33Bには、気体が通過することができる気孔がほとんど形成されていない。
【0042】
(センサ素子2の端子部22)
図1に示すように、センサ素子2の端子部22は、排気電極311及び大気電極312の各電極リード部313、及び一対の発熱体リード部342の軸方向Lの基端部に電気的に接続されている。端子部22は、センサ素子2の軸方向Lの基端部における両側の側面に配置されている。各電極リード部313及び発熱体リード部342の軸方向Lの基端部は、各絶縁体33A,33Bに形成されたスルーホールを介して端子部22に接続されている。
【0043】
(多孔質層37)
図1に示すように、センサ素子2の軸方向Lの先端側L1の部位の全周には、排気電極311に対する被毒物質、排気管7内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミックス(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる排ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる排ガスGの流量よりも多い。
【0044】
ここで、本形態のガスセンサ1において、センサ素子2の軸方向Lに直交する、センサ素子2の中心軸線から放射状に延びる方向を径方向Rという。中心軸線とは、センサ素子2の、軸方向Lに直交する断面の図心を通る仮想線のことをいう。
【0045】
(ハウジング41)
図1に示すように、ハウジング41は、ガスセンサ1を排気管7の取付口71に締め付けるために用いられる。ハウジング41は、最大外径部を構成するフランジ部411と、フランジ部411の軸方向Lの先端側L1に形成された先端側筒部412と、フランジ部411の軸方向Lの基端側L2に形成された基端側筒部としての環状突起部5とを有する。「最大外径部」とは、ハウジング41において、径方向Rの半径寸法が最も大きい部位のことを示す。フランジ部411の外周は、ガスセンサ1が工具によって取付口71に締め付けられる際に利用される六角形状に形成されている。先端側筒部412及び環状突起部5は、円筒形状に形成されている。
【0046】
先端側筒部412の軸方向Lの基端側L2の部分の外周には、取付口71のめねじに締め付けられるおねじが形成されている。先端側筒部412の軸方向Lの先端側L1の部分には、後述する先端側カバー45A,45Bが装着される装着部413が形成されている。
【0047】
環状突起部5には、第1インシュレータ42をハウジング41に固定するためのかしめ部53が形成されている。かしめ部53は、径方向Rの内周側に折り曲げられて、第1インシュレータ42がハウジング41の中心穴410から軸方向Lの基端側L2へ抜け出さないようにする。なお、図8に示すように、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ43の構造によっては、環状突起部5にかしめ部53が形成されない場合もある。また、かしめ部53は、コップタイプのセンサ素子2をハウジング41に固定するものであってもよい。
【0048】
(基端側カバー46A,46B)
図1に示すように、基端側カバー46A,46Bは、ガスセンサ1の軸方向Lの基端側L2に位置する配線部を覆って、この配線部を大気A中の水等から保護するためのものである。配線部は、センサ素子2に電気的に繋がる部分としての、接点端子44、接点端子44とリード線48との接続部分(接続金具441)等によって構成される。
【0049】
基端側カバー46A,46Bは、大気A中の水がガスセンサ1内に浸入することを防止する撥水フィルタ462を挟持するために、2部品に分かれて形成されている。具体的には、本形態の基端側カバー46A,46Bは、ハウジング41の環状突起部5の外周に装着された第1基端側カバー46Aと、第1基端側カバー46Aの軸方向Lの基端側L2の位置の外周に装着された第2基端側カバー46Bとを有する。第2基端側カバー46Bの軸方向Lの先端側L1の部分は、第1基端側カバー46Aの軸方向Lの基端側L2の部分の外周に装着されている。
【0050】
第1基端側カバー46Aの軸方向Lにおける先端側L1の端部は、ハウジング41の環状突起部5の外周に、溶接等によって接合されている。また、この接合を行う以外にも、第1基端側カバー46Aの軸方向Lにおける先端側L1の端部内に、ハウジング41の環状突起部5を圧入することもできる。
(【0051】以降は省略されています)

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