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公開番号2020186914
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019089262
出願日20190509
発明の名称超音波検査装置及び超音波検査システム
出願人株式会社日立パワーソリューションズ
代理人特許業務法人磯野国際特許商標事務所
主分類G01N 29/04 20060101AFI20201023BHJP(測定;試験)
要約【課題】内部欠陥の検出精度を向上可能な超音波検査装置を提供する。
【解決手段】被検査体と送信プローブ30及び受信プローブ40との間に気体を介在させた超音波検査を行う演算制御部20を備える超音波検査装置10であって、演算制御部20は、被検査体の表面に配置されるとともに、被検査体よりも小さな音響インピーダンスの材料で構成されたインピーダンス調整部材への超音波の照射により、被検査体の内部欠陥の有無を検査する超音波検査部21と、被検査体とインピーダンス調整部材との界面に存在する気泡を検出する気泡検出部23とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被検査体とプローブとの間に気体を介在させた超音波検査を行う演算制御部を備える超音波検査装置であって、
前記演算制御部は、
前記被検査体の表面に配置されるとともに、前記被検査体よりも小さな音響インピーダンスの材料で構成されたインピーダンス調整部材への超音波の照射により、前記被検査体の内部欠陥の有無を検査する超音波検査部と、
前記被検査体と前記インピーダンス調整部材との界面に存在する気泡を検出する気泡検出部とを備える
超音波検査装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記気泡検出部は、前記超音波検査部による前記内部欠陥の検出位置と同じ位置において、前記気泡を検出する
請求項1に記載の超音波検査装置。
【請求項3】
前記演算制御部は、前記気泡検出部によって検出された前記気泡の位置に基づいて、前記超音波検査部による前記内部欠陥の検出の真偽を判定する判定部を備える
請求項1又は2に記載の超音波検査装置。
【請求項4】
前記プローブは、前記被検査体の上方又は下方の何れかに送信プローブ及び受信プローブを含み、
前記気泡検出部は、前記送信プローブから前記インピーダンス調整部材への超音波の照射により前記気泡で反射して前記受信プローブにより受信された反射波に基づき、前記気泡を検出する
請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波検査装置。
【請求項5】
前記演算制御部は、前記超音波検査部によって検出された前記内部欠陥の検出位置を記憶する記憶部を備える
請求項1〜4の何れか1項に記載の超音波検査装置。
【請求項6】
前記プローブは、前記被検査体の上方又は下方の何れかに送信プローブ及び受信プローブを含み、
前記送信プローブは、前記被検査体表面から延びる法線に対して傾けて配置され、
前記受信プローブは、前記送信プローブとは別体に構成されるとともに、前記法線を中心として前記送信プローブとは反対側において、前記法線に対して傾けて配置される
請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波検査装置。
【請求項7】
前記界面を前記インピーダンス調整部材の側から撮像する撮像装置を備え、
前記インピーダンス調整部材は可視光を透過可能な材料により構成され、
前記気泡検出部は、前記撮像装置によって撮像された前記界面の像に基づき、前記気泡を検出する
請求項1〜6の何れか1項に記載の超音波検査装置。
【請求項8】
前記インピーダンス調整部材は、前記界面での前記気泡によって色彩が変化する色彩変化部を備え、
前記気泡検出部は、前記色彩変化部での色彩変化に基づき、前記気泡を検出する
請求項1〜7の何れか1項に記載の超音波検査装置。
【請求項9】
前記色彩変化部は、酸化によって色彩が変化する酸化変色体を含む
請求項8に記載の超音波検査装置。
【請求項10】
前記色彩変化部は、圧力によって色彩が変化する圧力変色体を含む
請求項8又は9に記載の超音波検査装置。
【請求項11】
前記プローブは、前記被検査体の上方又は下方のうちの一方に配置される送信プローブと、前記被検査体の上方又は下方のうちの他方に配置される受信プローブとを含み、
前記超音波検査部は、前記送信プローブから前記インピーダンス調整部材への超音波の照射により前記被検査体を透過して前記受信プローブにより受信された透過波に基づき、前記内部欠陥を検出する
請求項1〜10の何れか1項に記載の超音波検査装置。
【請求項12】
被検査体とプローブとの間に気体を介在させた超音波検査を行う演算制御部を備える超音波検査装置であって、前記演算制御部は、前記被検査体の表面に配置されるとともに、前記被検査体よりも小さな音響インピーダンスの材料で構成されたインピーダンス調整部材への超音波の照射により、前記被検査体の内部欠陥の有無を検査する超音波検査部と、前記被検査体と前記インピーダンス調整部材との界面に存在する気泡を検出する気泡検出部とを備える超音波検査装置を備える
超音波検査システム。
【請求項13】
前記被検査体表面への前記インピーダンス調整部材の配置を行う配置装置を備える
請求項12に記載の超音波検査システム。
【請求項14】
前記配置装置は、前記材料を含む液体材料の前記被検査体表面への配置及び固化により、前記インピーダンス調整部材の前記被検査体表面への配置を行う
請求項13に記載の超音波検査システム。
【請求項15】
前記液体材料は、溶媒と、前記溶媒に溶解又は分散させた前記材料とを含む
請求項14に記載の超音波検査システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波検査装置及び超音波検査システムに関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
被検体の内部欠陥を検査する超音波検査装置が知られている。超音波検査装置では、音響インピーダンスの違いによる超音波の反射特性が利用されたり、透過特性が利用されたりする。前者の超音波検査装置は反射型の超音波検査装置といわれることがあり、後者の超音波検査装置は透過型の超音波検査装置といわれることがある。
【0003】
超音波検査は、例えば、被検査体とプローブとの間に気体(空気等)を介在させて行うことができる。しかし、被検査体の音響インピーダンスと空気のインピーダンスとは大きく異なる。このため、送信プローブから気体を伝搬した超音波は、被検査体の内部に入射し難くなる。この結果、受信プローブで受信される信号強度が小さくなり、検出精度が低くなる。
【0004】
被検査体とプローブとの間に気体(空気等)を介在させて行う超音波検査の検出精度を向上させる技術に関連して、特許文献1の技術が知られている。特許文献1には、空中を伝播する超音波を用いて被測定物の内部を測定する超音波測定方法であって、音響インピーダンスが空気より大きくかつ前記被測定物未満であるシートを前記被測定物に貼付する工程と、前記シートを貼付した前記被測定物の内部をセンサを用いて測定する工程と、を備える超音波測定方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015−90281号公報(特に請求項1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、被検査体(被測定物)へのインピーダンス調整部材(シート)の配置(貼付)により、被検査体とインピーダンス調整部材との界面に気泡が生じることがある。気泡は、超音波に対して内部欠陥と同様の挙動を示す。即ち、気泡に超音波が入射すると、内部欠陥への入射と同様に、超音波は反射及び透過する。従って、特許文献1に記載の技術では、気泡が内部欠陥として誤検出されることがあり、内部欠陥の検出精度が低い。
【0007】
本発明は、内部欠陥の検出精度を向上可能な超音波検査装置及び超音波検査システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る超音波検査装置は、被検査体とプローブとの間に気体を介在させた超音波検査を行う演算制御部を備える超音波検査装置であって、前記演算制御部は、前記被検査体の表面に配置されるとともに、前記被検査体よりも小さな音響インピーダンスの材料で構成されたインピーダンス調整部材への超音波の照射により、前記被検査体の内部欠陥の有無を検査する超音波検査部と、前記被検査体と前記インピーダンス調整部材との界面に存在する気泡を検出する気泡検出部とを備える。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内部欠陥の検出精度を向上可能な超音波検査装置及び超音波検査システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態の超音波検査システムのブロック図である。
第1実施形態の超音波検査装置の模式図である。
第1実施形態の超音波検査装置のブロック図である。
超音波検査時の内部欠陥検出方法を説明する図である。
超音波検査時の気泡による内部欠陥検出への影響を説明する図である。
反射波に基づく気泡の検出方法を説明する図である。
気泡検出時の受信反射波を説明する図である。
第1実施形態の超音波検査方法のフローチャートである。
第2実施形態の超音波検査装置の模式図である。
第3実施形態の超音波検査装置の模式図である。
第4実施形態の超音波検査装置の模式図である。
第5実施形態の超音波検査システムを構成する配置装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の例に何ら限定されず、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形して実施できる。また、各実施形態は任意に組み合わせて実施できる。さらに、異なる実施形態同士において、共通する部材及び装置は同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、異なる部材及び装置であっても、同じ機能を有するものは同じ名称を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、第1実施形態の超音波検査システム100のブロック図である。超音波検査システム100は、被検査体1とプローブ(送信プローブ30及び受信プローブ40)との間に気体を介在させた超音波検査を行うものである。超音波検査は、インピーダンス調整部材2(後記する)を備える被検査体1について行われる。インピーダンス調整部材2への超音波の入射により、被検査体1の内部欠陥D(図4参照)を検出できる。
【0013】
超音波検査システム100は、超音波検査を行う演算制御部20を備える超音波検査装置10を備える。はじめに、超音波検査装置10の構造等について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0014】
図2は、第1実施形態の超音波検査装置10の模式図である。図1には、紙面左右方向としてx軸、紙面直行方向としてy軸、紙面上下方向としてz軸を含む直交三軸の座標系を示している。
【0015】
超音波検査装置10は、筐体14に固定されたスキャナ台11を備え、スキャナ台11には被検査体1が載置される。被検査体1は、空気等の気体よりも音速が速い材料で構成されたものであれば任意である。被検査体1は例えば固体材料であり、より具体的には例えば金属部材(例えば金属管等)である。被検査体1の厚さは、例えば1mm〜数十mm程度である。
【0016】
被検査体1の表面には、インピーダンス調整部材2が配置される。インピーダンス調整部材2は、被検査体1よりも小さな音響インピーダンスの材料で構成されたものである。インピーダンス調整部材2を備えることで、受信プローブ40での受信信号(透過波)の信号強度を高めることができる。被検査体1が例えば金属部材である場合には、インピーダンス調整部材2は例えば樹脂(ポリエチレン等)、ゴム(シリコーンゴム等)等により構成される。インピーダンス調整部材2は、厚さが例えば1mm〜5mm程度で、例えばフィルム状、膜状、シート状、板状等の平面を有して構成される。
【0017】
被検査体1へのインピーダンス調整部材2の配置は、例えば貼り付け、接着層を介した粘着等、任意の形態で行うことができる。
【0018】
インピーダンス調整部材2は、単層でもよく、複数層で構成された積層体でもよい。ただし、積層体を用いる場合、被検査体1側の層の構成材料よりも気体側(プローブ側)の構成材料の音響インピーダンスが小さくなる層構成にすることで、受信プローブ40での受信信号強度をより強くできる。
【0019】
インピーダンス調整部材2は、被検査体1よりも小さな音響インピーダンスの材料を溶媒中に分散させた分散液体を用いてもよい。溶媒に分散可能な材料としては、例えばシリコーンゴム粒子、シリコン粒子等が挙げられる。分散液体の被検査体1表面への塗布等により、インピーダンス調整部材2を被検査体1の表面に配置できる。あるいは、分散液体を乾燥、固化した状態で超音波検査部21に供してもよい。
【0020】
インピーダンス調整部材2は、例えば、被検査体1への超音波の入射側(上面)及び出射側(下面)の双方の面に配置される。インピーダンス調整部材2が双方の面に配置されることで、受信プローブ40での受信信号を大きくでき、内部欠陥Dの検出精度を高めることができる。
【0021】
ただし、インピーダンス調整部材2は、被検査体1への超音波の入射側(上面)のみに設置されてもよく、被検査体1からの超音波の出射側(下面)のみに配置されてもよい。また、例えば、被検査体1の一方面と他方面とが異なる材料で構成されている場合、その構成材料に応じてインピーダンス調整部材2を配置するようにしてもよい。例えば、被検査体1の一方面が金属、他方面が樹脂で構成されているような場合、一方面において金属を覆うようにインピーダンス調整部材2を被検査体1の片面に配置するようにしてもよい。
【0022】
超音波検査装置10は、超音波の送信及び受信を行うプローブを備える。図示の例では、プローブは透過型であり、超音波の送信を行う送信プローブ30と、超音波の受信を行う受信プローブ40とを含む。ただし、超音波検査装置10は、送信プローブ30及び受信プローブ40を被検査体1の上方又は下方のうちの何れか一方のみに配置した、所謂反射型に構成してもよい。プローブは、例えば収束型でもよく、非収束型でもよい。収束型のプローブを使用することで、微小な内部欠陥Dを検出できる。一方で、内部欠陥Dがある程度大きい場合には、位置決めの容易さの観点から、非収束型のプローブを使用することができる。
【0023】
送信プローブ30は、被検査体1の上方又は下方のうちの一方に配置される。受信プローブ40は、被検査体1の上方又は下方のうちの他方に配置される。図示の例では、送信プローブ30は被検査体1の上方に配置され、受信プローブ40は被検査体1の下方に配置される。ただし、送信プローブ30が被検査体1の下方に配置されるとともに、受信プローブ40が被検査体1の上方に配置されるようにしてもよい。送信プローブ30を被検査体1の上方又は下方のうちの一方に配置し、受信プローブ40を被検査体1の上方又は下方のうちの他方に配置することで、焦点深度が深くても内部欠陥Dを検出できるため、超音波検査を簡便に行うことができる。
【0024】
超音波検査装置10は、筐体14を介してスキャナ台11に接続されたプローブ設置部12に、送信プローブ30を備える。プローブ設置部12がx軸及びy軸方向に移動することにより、送信プローブ30はスキャナ台11をx軸及びy軸方向に走査する。同様に、超音波検査装置10は、筐体14を介してスキャナ台11に接続されたプローブ設置部13に、受信プローブ40を備える。プローブ設置部13が移動することにより、受信プローブ40はスキャナ台11をx軸及びy軸方向に走査する。送信プローブ30と受信プローブ40とは、被検査体1を挟んでx座標及びy座標を同一に保ちながら走査する。
【0025】
送信プローブ30と被検査体1との間、及び受信プローブ40と被検査体1との間には空気等の気体が介在する。言い換えると、超音波検査装置10は、送信プローブ30及び受信プローブ40のいずれも被検査体1に接触しない、非接触型の超音波検査装置である。超音波検査を気体中で行うことで、例えば被検査体1の水への接触を抑制し、超音波検査に起因する被検査体1への影響を抑制できる。
【0026】
図3は、演算制御部20のブロック図である。上記図1では、演算制御部20を構成する各部を機能別に図示しているが、図3では、送信プローブ30への制御信号の流れ、及び受信プローブ40からの制御信号の流れに着目して図示している。演算制御部20は、送信系統151と、受信系統152と、データ処理部153と、スキャンコントローラ154と、駆動部155と、位置計測部156とを備える。
【0027】
送信系統151は、送信プローブ30への印加電圧を生成する系統である。送信系統151は、波形発生器151a及び出力アンプ151bを備える。波形発生器151aでバースト波信号が発生され、これが出力アンプ151bで増幅される。出力アンプ151bから出力された電圧は送信プローブ30に印加される。これにより、送信プローブ30を構成する振動子(図示しない)が振動し、超音波が発生する。
【0028】
受信系統152は,受信プローブ40から出力される受信信号を検出する系統である。超音波の受信により、受信プローブ40を構成する振動子(図示しない)が振動する。振動子の振動により生じた電圧に関する信号は、信号アンプ152bに入力されて増幅される。増幅された信号は、波形解析部152aに入力される。波形解析部152aでは、受信信号から内部欠陥Dに関する情報が抽出され、抽出された情報はデータ処理部153に送られる。
【0029】
データ処理部153は、被検査体1の内部欠陥Dに関する情報を画像化するなど、取得した情報を所望の形態で処理する。本実施例においては、データ処理部153は、内部欠陥Dの位置の画像化を行う。また、スキャンコントローラ154は、上記のプローブ設置部12,13を駆動制御する。プローブ設置部12,13の駆動制御は、駆動部155を通じて行われる。また、スキャンコントローラ154は、位置計測部156を介して、送信プローブ30及び受信プローブ40の位置情報を計測する。
【0030】
データ処理部153は、スキャンコントローラ154から受け取る送信プローブ30及び受信プローブ40の位置情報を基にして、内部欠陥Dの位置を決定する。決定された内部欠陥Dの位置は、記憶部22(後記する)に記憶される。ここでいう位置は、例えば、内部欠陥Dのx軸方向位置及びy軸方向位置(例えばxy座標)を含む。ただし、被検査体1とインピーダンス調整部材2との界面3に気泡A(図5参照)が存在する場合には、気泡Aが内部欠陥Dとして誤検出される可能性がある。気泡Aに起因する内部欠陥Dの誤検出について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0031】
図4は、超音波検査時の内部欠陥D検出方法を説明する図である。送信プローブ30からインピーダンス調整部材2に入射した超音波は、インピーダンス調整部材2及び被検査体1を通り、受信プローブ40で受信される。このとき、被検査体1に内部欠陥Dが存在すれば、内部欠陥Dで超音波透過時に超音波が減衰する。この結果、受信プローブ40での受信信号強度が低下し、内部欠陥Dの位置を検出できる。
【0032】
図5は、超音波検査時の気泡Aによる内部欠陥D検出への影響を説明する図である。被検査体1とインピーダンス調整部材2との界面3に気泡Aが存在すれば、超音波は、内部欠陥Dと同様に、気泡Aで減衰する。この結果、内部欠陥Dが存在しない場合であっても、受信プローブ40での受信信号強度が低下し、内部欠陥Dの誤検出が発生する。そこで、超音波検査装置10では、気泡Aの位置(x軸方向位置及びy軸方向位置)を検出することで、内部欠陥Dの誤検出が抑制される。
【0033】
図1に戻って、超音波検査装置10を構成する演算制御部20は、超音波検査部21と、記憶部22と、気泡検出部23と、判定部24とを備える。
【0034】
超音波検査部21は、インピーダンス調整部材2への超音波の照射により、被検査体1の内部欠陥Dの有無を検査(超音波検査)するものである。検査は、例えば、図2において、x軸方向位置を固定しながらy軸方向に連続してスキャンを行い、スキャン後x軸方向位置をずらして再度y軸方向に連続してスキャンを行う等、連続的に行うことができる。
【0035】
超音波検査部21は、送信プローブ30からインピーダンス調整部材2への超音波の照射により被検査体1を透過して受信プローブ40により受信された透過波に基づき、内部欠陥Dを検出する。ただし、上記のように、被検査体1とインピーダンス調整部材2との界面3に気泡Aが存在する場合には、超音波検査部21は、気泡Aを内部欠陥Dとして誤検出する可能性がある。そこで、超音波検査部21によって検出された内部欠陥Dの真偽が、後記する判定部24によって判定される。
【0036】
記憶部22は、超音波検査部21によって検出された内部欠陥Dの位置(x軸方向位置及びy軸方向位置)を記憶するものである。ただし、記憶部22に記憶される位置は、内部欠陥Dとして誤検出された気泡Aの位置を含む。従って、記憶部22には、真の内部欠陥Dの位置と、偽の内部欠陥Dの位置(即ち気泡Aの位置)とが記憶される。記憶部22を備えることで、内部欠陥Dの検出位置を記憶でき、x軸方向及びy軸方向へのスキャンによって内部欠陥Dの検出を連続して行うことができる。
【0037】
気泡検出部23は、被検査体1とインピーダンス調整部材2との界面3に存在する気泡Aを検出するものである。具体的には、気泡検出部23は、送信プローブ30からインピーダンス調整部材2への超音波の照射により気泡Aで反射して受信プローブ40により受信された反射波に基づき、気泡Aを検出する。反射波の検出により、気泡Aを検出できる。
【0038】
図6は、反射波に基づく気泡Aの検出方法を説明する図である。送信プローブ30からインピーダンス調整部材2への超音波照射により、超音波はインピーダンス調整部材2に入射する。入射した超音波は、界面3での気泡Aが存在すれば、気泡Aで反射する。気泡Aで反射した超音波は、インピーダンス調整部材2を伝搬してインピーダンス調整部材2の外部に放出される。放出された超音波(反射波)は受信プローブ40で受信され、これにより、気泡Aが検出される。
【0039】
超音波検査装置10では、気泡Aの検出時に行う超音波照射は、超音波の送信及び受信を行う送受信プローブ50によって行われる。送受信プローブ50は、上記の送信プローブ30及び受信プローブ40と同じものであるが、ソフトウェアによる機能切り替えにより、送信プローブ30及び受信プローブ40の機能を超音波を送受信可能に切り替えられたものである。
【0040】
上記のように、送信プローブ30及び受信プローブ40を用いることで、内部欠陥Dの検査が行われる。その後、演算制御部20の機能切替部(図示しない)により、送信プローブ30及び受信プローブ40の機能が送受信プローブ50の機能に切り替えられる。これにより、送信プローブ30及び受信プローブ40は、超音波照射及び反射波受信を行う送受信プローブ50に切り替えられる。この結果、超音波検査装置10でのプローブは、被検査体1の上方又は下方の何れかに、送信プローブ及び受信プローブの双方の機能を有する送受信プローブ50を含むようになる。
【0041】
そして、送受信プローブ50により、図6に示すようにして、被検査体1の上方の界面3での気泡Aの検出が行われる。即ち、気泡検出部23は、送受信プローブ50(送信プローブ)からインピーダンス調整部材2への超音波の照射により気泡Aで反射して送受信プローブ50(受信プローブ)により受信された反射波に基づき、気泡Aを検出する。また、図6では図示しないが、受信プローブ40の機能も、送受信プローブ50の機能に切り替えられる。これにより、被検査体1の下方の界面3での気泡A検出が行われる。
【0042】
ただし、送信プローブ30及び受信プローブ40の機能切り替えではなく、送信プローブ30及び受信プローブ40とは別個に備えられた送受信プローブ(図示しない)を用いてもよい。
【0043】
図7は、気泡A検出時の受信反射波を説明する図である。送受信プローブ50から超音波が送信されると、送受信プローブ50は、インピーダンス調整部材2の表面で反射した超音波を受信する。この受信波のピークが図7において破線Pで囲った波形である。また、インピーダンス調整部材2に照射された超音波の一部はインピーダンス調整部材2に入射する。インピーダンス調整部材2に入射した超音波は、界面3に気泡Aが存在すれば気泡Aで超音波が反射する。この結果、送受信プローブ50は、インピーダンス調整部材2の内部で超音波が往復する時間だけ遅れた時刻に、気泡Aでの反射に起因する超音波を受信する。この受信波のピークが図7において破線Qで囲った波形である。
【0044】
気泡Aが存在せず、被検査体1にインピーダンス調整部材2が密着している場所では受信信号が極めて小さく、破線Qで囲った波形は検出されない。これは、インピーダンス調整部材2から気泡Aへの入射は固体から気体への入射であり、気泡Aに入り難く反射波が大きくなる。しかし、インピーダンス調整部材2から被検査体1への密着部分での入射は固体から固体への入射であり、気泡Aに入り易く反射波が小さくなるためである。
【0045】
送受信プローブ50と被検査体1の表面との間の距離は、例えば、実測、予め設定された被検査体1の厚さ等に基づいて決定できる。このため、送受信プローブ50と被検査体1の表面との間の距離から、気泡Aに起因する超音波受信信号が現れる時間(破線Qで囲った波形)を決定できる。従って、その時間にゲート信号を設定することで、気泡Aを検出できる。
【0046】
上記のように、被検査体1の上方に配置された送受信プローブ50により、被検査体1の上方の界面3での気泡A検出が行われる。また、図6では図示しないが、被検査体1の下方に配置された送受信プローブ50により、被検査体1の下方の界面3での気泡A検出が行われる。それぞれの気泡Aの検出の際、上方の送受信プローブ50での超音波の送信時刻と、下方の送受信プローブ50での超音波の送信時刻とをずらすことが好ましい。送信時間をずらすことで、送受信プローブ50,50間での信号の混信を抑制でき、気泡Aの検出精度を向上できる。
【0047】
図1に戻って、気泡検出部23は、超音波検査部21による内部欠陥Dの検出位置と同じ位置において、気泡Aを検出する。このようにすることで、内部欠陥Dと同じ位置でのみ気泡Aの検出を行えばよいため、気泡Aの検出に必要な時間を短縮できる。これにより、気泡Aを効率的に検出できる。
【0048】
気泡検出部23は、例えば、上記記憶部22に記憶された内部欠陥Dの位置情報を参照し、駆動部155により、送受信プローブ50を内部欠陥Dの位置に移動する。そして、気泡検出部23は、送受信プローブ50を用いて、上記図6及び図7の方法に沿って気泡Aを検出する。
【0049】
判定部24は、気泡検出部23によって検出された気泡Aの位置に基づいて、超音波検査部21による内部欠陥Dの検出の真偽を判定するものである。判定部24を備えることで、内部欠陥Dが検出された場合であっても、当該検出が気泡Aに起因するものであること判定でき、内部欠陥Dの誤検出を抑制できる。
【0050】
判定部24は、例えば、超音波検査部21で内部欠陥Dの検出位置で気泡Aを検出した場合には、実際は存在しないにも関わらず検出された内部欠陥Dは気泡Aに起因する偽情報と判定する。一方で、判定部24は、例えば、超音波検査部21で内部欠陥Dの検出位置で気泡Aを検出しない場合には、検出された内部欠陥Dは、実際に内部欠陥Dが存在する真情報と判定する。そして、判定部24は、記憶部22に記憶された内部欠陥Dの位置情報のうち、偽と判断された内部欠陥Dの位置を除外し、真と判断された内部欠陥Dの位置を画像化して表示装置45(ディスプレイ等)に表示する。これにより、超音波検査装置10の使用者は、被検査体1の内部欠陥Dの位置を把握できる。
(【0051】以降は省略されています)

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