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公開番号2020186706
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019093189
出願日20190516
発明の名称モータ
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F02N 15/02 20060101AFI20201023BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】モータ軸の軸方向の変位を簡便に抑制できるモータを提供することにある。
【解決手段】内燃機関のスタータSに用いられる直流モータ10であって、モータ軸20と、モータ軸20を回転可能に支持する滑り軸受40と、滑り軸受40を保持する円筒部31と、を備え、モータ軸20は、軸方向に交差する方向に延びかつ互いに対向する第1面21A及び第2面21Bを有する凹部21を有し、滑り軸受40は、周方向に複数に分割された構成であり、凹部21との係合によりモータ軸20の軸方向の変位を規制する規制部材である。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の始動装置(S)に用いられるモータ(10)であって、
モータ軸(20)と、
前記モータ軸を回転可能に支持する滑り軸受(40)と、
前記滑り軸受を保持する軸受保持部材(31)と、を備え、
前記モータ軸は、軸方向に交差する方向に延びかつ互いに対向する第1面(21A,25A)及び第2面(21B,25B)を有する凹部(21)又は凸部(25)を有し、
前記滑り軸受は、周方向又は軸方向に複数に分割された構成であり、前記凹部又は前記凸部との係合により前記モータ軸の軸方向の変位を規制する規制部材であるモータ。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記モータ軸は環状の前記凹部(21)を有し、該凹部の軸方向両側の壁面のうち一方が前記第1面(21A)、他方が前記第2面(21B)であり、
前記滑り軸受は、前記凹部に係合する突出部(41)を有しており、前記モータ軸の軸中心を含む平面(40B)で周方向に分割された構成である請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記滑り軸受は、複数に分割された各部(40A)がそれぞれ前記突出部を有しており、該各部が軸方向に互いにずれた状態で、前記モータ軸に組み付けられている請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記軸受保持部材に設けられた孔部(31A)に対して前記滑り軸受が圧入により組み付けられているモータであって、
前記モータ軸は環状の前記凹部(21)を有し、該凹部の軸方向両側の壁面のうち一方が前記第1面(21A)、他方が前記第2面(21B)であり、
前記滑り軸受は、軸方向に対して傾斜している面(40B)で周方向に分割された構成である請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記モータ軸はその外周側に前記凸部(25)を有し、該凸部の軸方向両面のうち一方が前記第1面(25A)、他方が前記第2面(25B)であり、
前記滑り軸受は、軸方向に分割されて構成されており、前記第1面及び前記第2面に対してそれぞれ軸方向に対向する状態で前記モータ軸に組み付けられている請求項1に記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の始動装置に用いられるモータに関するものである。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関を始動するための始動装置には、ブラシを有する直流モータが用いられている。直流モータにおいてモータ回転時におけるモータ軸の軸方向の変位は、ブラシの摩耗等に繋がるため好ましくない。そこで、種々の構成が開発されている。例えば、特許文献1の直流モータでは、直流モータを覆うハウジングから軸方向に突出させたモータ軸に環状の溝を設け、この溝にリングをはめ込んで、モータ軸の軸方向の変位を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
独国特許出願公開第102012205519号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、モータの製造時において、モータ軸の軸方向端部を外部に突出させた状態とし、その突出させた部分に設けられた環状の溝にCリングをはめ込む。そして、モータ軸を引っ張る力又はモータ軸を一方向に押し付ける力をこのCリングにより加えるように調整することで、モータ軸の軸方向の変位を低減している。この際に、モータ軸及びCリングが外部に突出しているため、Cリングで軸を引っ張る力又は押し付ける力の調整(規制量の調整)を後から行うことができる。しかしながら、このような構成では、部品点数が増加し、組み付け工数も増加する。また、モータ軸の組み付け後に規制量の調整を行い、調整工数も増加するため、コストアップにつながる欠点があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、モータ軸の軸方向の変位を簡便に抑制できるモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、内燃機関の始動装置(S)に用いられるモータ(10)であって、モータ軸(20)と、前記モータ軸を回転可能に支持する滑り軸受(40)と、前記滑り軸受を保持する軸受保持部材(31)と、を備え、前記モータ軸は、軸方向に交差する方向に延びかつ互いに対向する第1面(21A,25A)及び第2面(21B,25B)を有する凹部(21)又は凸部(25)を有し、前記滑り軸受は、周方向又は軸方向に複数に分割された構成であり、前記凹部又は前記凸部との係合により前記モータ軸の軸方向の変位を規制する規制部材である。
【0007】
滑り軸受は、滑り軸受とモータ軸の凹部又は凸部との係合により、モータ軸の軸方向の変位を抑制することができる。また、滑り軸受がモータ軸の軸方向への変位を規制する構成において、滑り軸受が周方向又は軸方向に複数に分割可能であることで、モータ軸に設けられた凹部又は凸部に係合するように滑り軸受の組み付けが可能となっている。以上により、モータ軸と滑り軸受によって、モータ軸の軸方向の変位を抑制することで、モータ軸の軸方向の変位を規制するための専用部材を用いずに済み、部品点数を削減し、組み付け工数を減らすことができる。
【0008】
また、モータ軸の軸方向の変位は、モータの回転時に回転子が軸方向に沿って移動することで生じる。回転子が軸方向のどちら側に移動するかは、例えば、モータを構成する永久磁石と回転子との軸方向のオフセットにより設定することができる。ここで、滑り軸受の軸方向の位置を調整することで、モータにおいて永久磁石と回転子との軸方向のオフセットを付与し、回転子の移動方向を設定することが可能となる。本手段の構成では、滑り軸受を、モータ軸の軸方向の変位を規制する規制部材として用い、軸受保持部材における滑り軸受の軸方向の位置を調整することにより、滑り軸受の軸方向の位置に応じた回転子の移動方向、つまりモータ軸の変位方向の設定が可能となっている。これにより、滑り軸受及びモータ軸の組み付けに伴い、モータ軸の回転による軸方向の変位量の規制を実施できるものとなっている。
【0009】
第2の手段は、前記モータ軸は環状の前記凹部(21)を有し、該凹部の軸方向両側の壁面のうち一方が前記第1面(21A)、他方が前記第2面(21B)であり、前記滑り軸受は、前記凹部に係合する突出部(41)を有しており、前記モータ軸の軸中心を含む平面(40B)で周方向に分割された構成である。
【0010】
滑り軸受は、モータ軸の軸中心を含む平面で周方向に複数に分割され、モータ軸に設けられた凹部に、突出部が係合するように組み付けられる構成としている。滑り軸受の突出部とモータ軸の凹部とが軸方向に係合するように滑り軸受が組み付けられていることで、モータ軸の軸方向の変位を抑制することができる。
【0011】
第3の手段は、前記滑り軸受は、複数に分割された各部(40A)がそれぞれ前記突出部を有しており、該各部が軸方向に互いにずれた状態で、前記モータ軸に組み付けられている。
【0012】
モータ軸における凹部の軸方向寸法は、滑り軸受において突出部の軸方向寸法よりも大きく、そのために凹部の第1面及び第2面と突出部との間に軸方向のクリアランスが存在することが考えられる。この場合、滑り軸受において複数に分割された各部が軸方向にずれた状態になっていることで、凹部の第1面及び第2面と突出部との間の軸方向のクリアランスを狭めることができ、モータ軸の軸方向の変位を一層好適に抑制できる。
【0013】
第4の手段は、前記軸受保持部材に設けられた孔部(31A)に対して前記滑り軸受が圧入により組み付けられているモータであって、前記モータ軸は環状の前記凹部(21)を有し、該凹部の軸方向両側の壁面のうち一方が前記第1面(21A)、他方が前記第2面(21B)であり、前記滑り軸受は、軸方向に対して傾斜している面(40B)で周方向に分割された構成である。
【0014】
軸受保持部材に設けられた孔部に滑り軸受が圧入により組み付けられている構造では、滑り軸受は径方向に力を受ける。この際に、滑り軸受が軸方向に対して斜めとなる傾斜している面で周方向に分割されていると、径方向に受けた力を逃すために、滑り軸受の分割された各部が互いに軸方向にずれる。これにより、モータ軸に組み付けられた滑り軸受を圧入するだけで、滑り軸受の分割された各部がずれて、凹部の第1面及び第2面と滑り軸受との間の軸方向のクリアランスを狭めることができる。なお、分割された各部が軸方向にずれた状態での滑り軸受の内径が、モータ軸の外径より大きくなるように分割面の傾斜角度が設定されているとよい。つまり、分割された各部が軸方向にずれた状態であっても、滑り軸受とモータ軸との間に所定の隙間が形成され、滑り軸受がモータ軸を回転可能に保持しているとよい。
【0015】
第5の手段は、前記モータ軸は前記凸部(25)を有し、該凸部の軸方向両面のうち一方が前記第1面(25A)、他方が前記第2面(25B)であり、前記滑り軸受は、軸方向に分割されて構成されており、前記第1面及び前記第2面に対してそれぞれ軸方向に対向する状態で前記モータ軸に組み付けられている。
【0016】
滑り軸受は、軸方向に複数に分割され、モータ軸に設けられた凸部の軸方向両側の壁面である第1面と第2面に対して、それぞれ軸方向に対向する状態で組み付けられる構成としている。滑り軸受とモータ軸の凸部とが軸方向に係合するように滑り軸受が組み付けられていることで、モータ軸の軸方向の変位を抑制することができる。なお、凸部は、周方向において環状に設けられていてもよいし、一部分に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本実施形態におけるスタータの概略構成図
モータ軸の後端部の拡大断面図
滑り軸受を組み付ける前の状態での分解斜視図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
他の実施形態におけるモータ軸の後端部の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
以下、車両の内燃機関であるエンジンを始動するスタータ(始動装置)に用いる直流モータとして具体化した構成について、図面に基づいて説明する。図1は、スタータSの概略構成図である。スタータSは、モータの一例である直流モータ10と、直流モータ10の回転を減速してピニオンギア61に伝達する減速部62と、直流モータ10への電力の供給のスイッチとなるマグネットスイッチ70とを備えている。
【0019】
直流モータ10は、周知のブラシ付き直流電動機であり、電機子である回転子11と、回転子11の外周に設けられた固定子12と、を備えている。回転子11は、鉄心である回転子コアと、回転子コアに巻き付けられる回転子巻線としてのコイルと、コイルに接続された整流子15と、回転子11の中心に設けられるモータ軸20とを備える。
【0020】
整流子15には、ブラシ16がその外周面に摺動可能に当接している。整流子15は、ブラシ16を介してバッテリから電力が供給されており、ブラシ16を介して供給された電力がコイルに供給される。コイルに電力が供給されることにより、回転子コアに磁力が発生する。
【0021】
固定子12は、筒状のヨーク13と、ヨーク13の内周面に固定された磁石部である複数の永久磁石14と、を備える。ヨーク13の一端(ピニオンギア61とは反端側の端部)は、リアカバー30に固定されている。固定子12の永久磁石14が、回転子コアの外周面と対向するように、回転子コアの周りに配置されている。回転子コアから磁力が発生すると、回転子11が、固定子12に対して回転するように構成されている。
【0022】
モータ軸20のピニオンギア61側の端部には、減速部62が設けられている。減速部62は、例えば、遊星歯車機構等により構成されている。直流モータ10のモータ軸20は、減速部62を通じて駆動軸64を減速駆動する。駆動軸64には、ピニオンギア61とワンウェイクラッチ63が取り付けられている。駆動軸64は、モータ軸20の回転に伴い、ピニオンギア61を回転させる。なお、減速部62等の減速装置を有さず、直流モータ10のモータ軸20が、駆動軸として作用してもよい。
【0023】
マグネットスイッチ70は、スタータSがエンジンのリングギアGを回転させる状態にするためのスイッチになっている。例えばユーザのキー操作によってIGスイッチがオン操作されると、マグネットスイッチ70により、シフトレバー71がピニオンギア61を直流モータ10とは反対側に押し出して、エンジンのリングギアGとピニオンギア61とが噛合う。また、マグネットスイッチ70を介して、直流モータ10にも通電され、直流モータ10の回転が、減速部62及びワンウェイクラッチ63を介してピニオンギア61に伝達される。
【0024】
直流モータ10の回転中におけるモータ軸20の軸方向の変位を抑制するために、図1〜図2に示すように、滑り軸受40が、モータ軸20の第1面21A及び第2面21Bに対してそれぞれ軸方向に対向し、モータ軸20の軸方向の変位を規制する構成としている。図2は、モータ軸20のピニオンギア61とは反対側の端部(後端部)における図である。なお、以下の説明においてモータ軸20の軸方向を前後方向とし、図1及び図2の左側、つまりピニオンギア61側を前方として説明する。
【0025】
リアカバー30は、直流モータ10の後端部(ピニオンギア61とは反対側の端部)を覆っており、有底円筒状である。リアカバー30の底部30A、つまりリアカバー30の後端面であってモータ軸20と直交する面を有する部分には、滑り軸受40を保持する円筒部31が設けられている。また、円筒部31には、キャップ32が取り付けられている。キャップ32は、円筒部31の開口端(後端部)を覆い、円筒部31の外周面に設けられたネジに螺合することで取り付けられている。なお、リアカバー30は、ヨーク13と一体となっていてもよいし、キャップ32と一体になっていてもよい。また、円筒部31が、「軸受保持部材」に相当する。
【0026】
円筒部31の孔部31Aには、モータ軸20を回転可能に支持する滑り軸受40が圧入されている。滑り軸受40は、モータ軸20の軸中心を含む平面である分割面40Bで周方向に2つに分割されて構成されており、分割された各分割部材40Aの形状が同じになっている。また、滑り軸受40の分割面40Bは、軸方向に平行になっている。滑り軸受40は、分割部材40Aを組み合わせた状態では円筒状になっている。分割部材40Aを組み合わせた状態での滑り軸受40の内径(孔部31Aの径)は、モータ軸20の外径より若干大きくなっており、滑り軸受40の外径は、円筒部31の内径より若干大きくなっている。
【0027】
滑り軸受40には、その前端部に径方向内側に突出する環状の突出部41が設けられている。突出部41は、モータ軸20の外周側に環状に延びるように設けられた環状凹部21に挿入されている。環状凹部21に突出部41を挿入可能にするために、突出部41の軸方向寸法よりも環状凹部21の軸方向寸法の方が若干大きくなっている。突出部41が挿入できる軸方向寸法分だけ、モータ軸20の直径を小さくして環状凹部21を設ければよいため、モータ軸20の径の小さい部分(環状凹部21)の軸方向寸法を小さくできる。
【0028】
また、環状凹部21の軸方向両側の壁面のうち一方が第1面21A、他方が第2面21Bとなっている。第1面21Aと第2面21Bは軸方向に交差する方向、より具体的には直交する方向に延びかつ互いに逆向きになっている。つまり、第1面21Aと第2面21Bとは対向している。また、突出部41が第1面21A及び第2面21Bに対してそれぞれ軸方向に対向する。具体的には、突出部41の軸方向の端面が、それぞれ第1面21A及び第2面21Bに対向する対向1面41A及び対向2面41Bになっている。突出部41の対向1面41A及び対向2面41Bは、組み付けられた状態で、第1面21A及び第2面21Bと平行になっている。
【0029】
環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bに対して突出部41の対向1面41A及び対向2面41Bがそれぞれ対向する状態で、滑り軸受40がモータ軸20に組み付けられている。滑り軸受40がモータ軸20に組み付けられた状態では、環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bに突出部41が係合しており、モータ軸20の軸方向に交差する方向に延びる面(第1面21A及び第2面21B)と滑り軸受40とが2カ所以上で軸方向に対向する状態である。そのため、滑り軸受40とモータ軸20との軸方向に係合し、モータ軸20の軸方向の変位を抑制することができる。
【0030】
次に、モータ軸20への滑り軸受40の組み付け及び滑り軸受40の円筒部31への組み付けについて、図2及び図3を用いて説明する。図3は、滑り軸受40を組み付ける前の状態でのモータ軸20後端部の分解斜視図である。
【0031】
滑り軸受40の分割部材40Aは、周方向に分割されていることで、モータ軸20の外周側から、突出部41が環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bに対してそれぞれ軸方向に対向する状態で、モータ軸20に組み付けられる。そして、滑り軸受40をモータ軸20に組み付けた状態で、モータ軸20及び滑り軸受40が円筒部31の孔部31Aに圧入される。円筒部31内に滑り軸受40が圧入されることで、滑り軸受40をモータ軸20に組み付けられた状態で固定することができる。
【0032】
滑り軸受40の突出部41が、環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bに対してそれぞれ軸方向に対向する構成であるため、滑り軸受40の突出部41とモータ軸20の環状凹部21との軸方向の係合により、モータ軸20の軸方向の変位を抑制できる。また、従来のように滑り軸受40から突出した位置に軸方向規制部材を設けず、滑り軸受40によりモータ軸20の軸方向の変位を抑制している。これにより、モータ軸20の軸方向の変位を抑制しつつ、モータ軸20の後方への突出寸法を小さくでき、直流モータ10の前後方向の寸法を小さくできる。
【0033】
また、モータ軸20の軸方向の変位は、直流モータ10の回転時に回転子11が軸方向に沿って移動することで生じる。具体的には、直流モータ10が回転時に軸方向に沿って回転子11が移動する力が生じ、それに伴いモータ軸20も軸方向に沿って前後方向に変位する。そして、回転子11が軸方向のどちら側に移動するかは、永久磁石14と回転子11との軸方向のオフセットにより設定することができる。ここで、滑り軸受40の軸方向の位置を調整することで、直流モータ10において永久磁石14と回転子11との軸方向のオフセットを付与し、回転子11の移動方向を設定することが可能となる。例えば、回転子11が永久磁石14に対して相対的に後方にオフセットするように、円筒部31における滑り軸受40の軸方向の位置を調整すると、回転子11は前方に移動する。そして、滑り軸受40を、モータ軸20の軸方向の変位を規制する規制部材として用い、円筒部31における滑り軸受40の軸方向の位置を調整することにより、滑り軸受40の軸方向の位置に応じた回転子11の移動方向、つまりモータ軸20の変位方向の設定が可能となっている。これにより、滑り軸受40及びモータ軸20の組み付けに伴いモータ軸20の軸方向の変位を抑制できるものとなっている。
【0034】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
【0035】
滑り軸受40が、モータ軸20の軸方向の変位を規制する規制部材であるため、滑り軸受40とモータ軸20との軸方向の係合により、モータ軸20の軸方向の変位を抑制することができる。また、滑り軸受40がモータ軸20の軸方向の変位を規制する構成において、滑り軸受40が周方向に複数に分割可能であることで、モータ軸20に設けられた凹部を挟み込んだ状態で滑り軸受40の組み付けが可能となっている。以上により、モータ軸20と滑り軸受40によって、モータ軸20の軸方向の変位を抑制することで、モータ軸20の軸方向の変位を規制するための専用部材を用いずに済み、部品点数を削減し、組み付け工数を減らすことができる。
【0036】
また、本実施形態では、滑り軸受40を、モータ軸20の軸方向の変位を規制する規制部材として用い、円筒部31における滑り軸受40の軸方向の位置を調整することにより、永久磁石14と回転子11との軸方向のオフセットを付与することができる。オフセットを付与することで、滑り軸受40の軸方向の位置に応じた回転子11の移動方向、つまりモータ軸20の変位方向の設定が可能となっている。これにより、滑り軸受40及びモータ軸20の組み付けに伴いモータ軸20の軸方向の変位を抑制できるものとなっている。
【0037】
滑り軸受40は、モータ軸20の軸中心を含む分割面40Bで周方向に複数に分割され、モータ軸20に設けられた環状凹部21に突出部41が係合するように組み付けられる構成としている。滑り軸受40の突出部41とモータ軸20の環状凹部21とが軸方向に係合するように滑り軸受40が組み付けられていることで、モータ軸20の軸方向の変位を抑制することができる。
【0038】
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。ちなみに、以下の別例の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、また、任意に組み合わせて適用してもよい。
【0039】
・図4に示すように、滑り軸受40の突出部41は、軸方向の任意の位置に設けられていてもよい。この場合には、環状凹部21は突出部41の位置に合わせて設けられているとよい。
【0040】
・図5に示すように、滑り軸受40全体がモータ軸20の環状凹部21に挿入されていてもよい。この場合には、滑り軸受40の軸方向端面が、環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bに対向する。
【0041】
・図6に示すように、滑り軸受40は、2つに分割された各分割部材40Aが軸方向に互いにずれた状態で、モータ軸20に組み付けられている構成としてもよい。より好ましくは、滑り軸受40の突出部41の対向1面41Aが第1面21Aに当接し、対向2面41Bが第2面21Bに当接していることが望ましい。
【0042】
モータ軸20における環状凹部21の軸方向寸法は、滑り軸受40において環状凹部21内に入り込む部分(突出部41)の軸方向寸法よりも大きく、環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bと滑り軸受40との間に軸方向のクリアランスが存在することが考えられる。この場合、滑り軸受40において複数に分割された各分割部材40Aが軸方向に互いにずれた状態になっていることで、環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bと滑り軸受40の突出部41との間の軸方向のクリアランスを狭めることができ、モータ軸20の軸方向の変位を一層好適に抑制できる。
【0043】
・図7に示すように、滑り軸受40の分割面40Bが軸方向に対して斜めとなる傾斜面となってもよい。なお、図7中の矢印は、滑り軸受40の各分割部材40Aのずれる方向を示している。
【0044】
滑り軸受40が円筒部31の孔部31Aに圧入されると、滑り軸受40は径方向に力を受ける。この際に、滑り軸受40が軸方向に対して斜めとなる傾斜している分割面40Bで周方向に分割されている場合、つまり分割面40Bが軸方向に対して斜めとなる直線状の傾斜面になっている場合には、滑り軸受40が径方向に受けた力を逃すために、滑り軸受40の分割面40Bで各分割部材40Aが互いに軸方向にずれる。そして、径方向に受ける力が大きいと、突出部41の対向1面41Aが第1面21Aに当接し、対向2面41Bが第2面21Bに当接して止まる。なお、各分割部材40Aが軸方向にずれた状態での滑り軸受40の内径が、モータ軸20の外径より大きくなるように分割面40Bの傾斜角度が設定されていることが望ましい。つまり、各分割部材40Aが軸方向にずれた状態であっても、滑り軸受40とモータ軸20との間に所定の隙間が形成され、滑り軸受40がモータ軸20を回転可能に保持していることが望ましい。
【0045】
これにより、モータ軸20に組み付けられた滑り軸受40を圧入するだけで、滑り軸受40の各分割部材40Aがずれて、環状凹部21の第1面21A及び第2面21Bと滑り軸受40との間の軸方向のクリアランスを狭めることができる。また、図8に示すように、滑り軸受40全体が環状凹部21に挿入され、分割面40Bが軸方向に対して斜めになっていてもよい。
【0046】
・図9に示すように、滑り軸受40の各分割面40Bの間に弾性部材45を挟み込むようにしてもよい。弾性部材45を挟み込むことで、滑り軸受40と円筒部31の孔部31Aにおける締め代の公差を弾性部材45が吸収することができる。圧入により径方向に力がかかると、弾性部材45が縮む。そのため、孔部31Aへの挿入深さが調整しやすくなり、突出部41が適度に締め付けられる。これにより、モータ軸20の軸方向の変位をさらに低減できる。
【0047】
・図10に示すように、モータ軸20はその外周側に環状に延びる環状凸部25を有し、環状凸部25の軸方向両面のうち一方が第1面25A、他方が第2面25Bである構成としてもよい。つまり、環状凸部25の第1面25Aと第2面25Bとが対向している。この場合、滑り軸受40は、軸方向に分割されて構成されており、第1面25A及び第2面25Bに対してそれぞれ軸方向に対向する状態でモータ軸20に組み付けられている。
【0048】
滑り軸受40が軸方向に分割された一方の分割部材40Cは、モータ軸20に予め組み付けられており、孔部31Aの外縁部(リアカバー30の底部30A)に当接して位置決めされるようになっている。また、軸方向に分割された他方の分割部材40Dは、円筒部31の孔部31A内に予め圧入されている。そして、一方の分割部材40Cが組み付けらえたモータ軸20が他方の分割部材40D内に挿入されて、環状凸部25の第1面25A及び第2面25Bが滑り軸受40の各分割部材40C,40Dの端面に対向する。このように、滑り軸受40とモータ軸20の環状凸部25とが軸方向に係合するように滑り軸受40が組み付けられていることで、モータ軸20の軸方向の変位を抑制することができる。
【0049】
・滑り軸受40等の外周面にネジを設け、孔部31Aに設けられたネジに螺合するようにしてもよい。この場合には、治具などにより滑り軸受40の分割部材40Aが組み合わされた状態を維持したまま螺合することが望ましい。ネジにより円筒部31内での滑り軸受40の位置を決めやすくなる。
【0050】
・第1面21A,25A及び第2面21B,25Bは、軸方向に直交でなくてもよい。この場合には、第1面21A,25A及び第2面21B,25Bと滑り軸受40における対向する面とは、互いに平行になっていることが望ましい。
(【0051】以降は省略されています)

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