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公開番号2020185859
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201119
出願番号2019091006
出願日20190513
発明の名称鉄道車両
出願人株式会社日立製作所
代理人特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
主分類B61D 17/02 20060101AFI20201023BHJP(鉄道)
要約【課題】鉄道車両の安定性を維持しつつ鉄道車両の微気圧波性能を向上する。
【解決手段】長手方向に直交する断面積が先端部から基端側へかけて漸増する先頭部を有し当該先頭部の床下に台車が設置される鉄道車両において、先頭部のうちの後方部分(台車より進行方向の反対方向側の部分)は、X方向(進行方向)とY方向(X方向に直交する枕木方向)とのX-Y平面において、Y方向に沿って左右対称の形状を有する。先頭部のうちの前方部分(台車よりX方向側の部分)にある先端部の位置は、X-Y平面において、鉄道車両のX方向に延びた中心よりもX方向に対して左側にある。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
長手方向に直交する断面積が先端部から基端側へかけて漸増する先頭部を有し当該先頭部の床下に台車が設置される鉄道車両において、
前記先頭部のうち、前記台車より進行方向の反対方向側の部分である後方部分は、前記進行方向であるX方向と前記X方向に直交する枕木方向であるY方向とのX−Y平面において、前記Y方向に沿って左右対称の形状を有し、
前記先頭部のうち、前記台車より前記X方向側の部分である前方部分にある前記先端部の位置は、前記X−Y平面において、前記鉄道車両の前記X方向に延びた中心よりも前記X方向に対して左側にある、
ことを特徴とする鉄道車両。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記X−Y平面において、前記前方部分は、左右非対称の形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
【請求項3】
前記X−Y平面において、前記前方部分は、左右対称の形状を有し、前記Y方向および前記Y方向と反対方向にスライドする、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。
【請求項4】
前記先頭部が、内部に、別の鉄道車両と連結される装置である連結器を有し、
前記前方部分は、前記連結器のカバーである、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の鉄道車両。
【請求項5】
複数の鉄道車両から構成される編成車両において、
先頭車両と末尾車両の各々が、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の鉄道車両であり、結果として、前記先頭車両の先端部の位置と、前記末尾車両の先端部の位置が、前記編成車両のX方向に延びた中心に対して点対称である、
ことを特徴とする編成車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高速で走行する鉄道車両に関し、トンネル突入時に発生する微気圧波を低減できる鉄道車両に関する。
続きを表示(約 8,500 文字)【背景技術】
【0002】
特に国内においては、乗客の移動時間を短縮するために、鉄道車両の高速化が進められている。鉄道車両が高速で走行するうえで、その周囲環境へ与える影響についても対策を進める必要がある。この周囲環境へ与える影響の一つに、トンネル微気圧波があげられる。トンネル微気圧波について、以下に簡単に説明する。鉄道車両がトンネルに突入する際に、トンネル内部の空気は一時的に圧縮される。圧縮された空気は、車両の進行方向に音速で移動し、トンネルの出口端に到達した際に反射し、今度はトンネル入口方向に進行する。この時、トンネル出口端では、圧縮波のエネルギーの一部が反射せずに放出される。この圧縮波のエネルギー放射に伴い、トンネル出口の周囲に低周波の振動や騒音が生じる。これら振動や騒音を「微気圧波」と呼ぶ。また、以下、高速鉄道車両(高速で走行する鉄道車両)を、単に「鉄道車両」と言う。
【0003】
このトンネル微気圧波の影響は、鉄道車両がトンネルに突入した際のトンネル内部における圧力の時間変化に対して1次微分を行った数値、つまり、圧力勾配によって評価することができる。特に、トンネル微気圧波に対する影響は、一般に、この圧力勾配の最大値によって評価される。このトンネル内における最大圧力勾配値は、トンネル突入速度の3乗に比例することがわかっており、最高速度が時速300km以上での走行となる場合がある高速鉄道車両にとっては避けることができない課題となっている。このトンネル微気圧波に対して、トンネル入口部分に、緩衝工と呼ばれるフード上の構造物を設置したり、鉄道車両の先頭部の断面積変化部を長くしたり、当該断面積変化部における断面積の変化を工夫したりする対策がとられる。
【0004】
しかし、トンネル微気圧波への対策として、鉄道車両の先頭部を長くすると、その分、客室を小さくする必要があり、乗客定員に対して影響が発生する。一方、当該先頭部の断面積変化に対しては、最適化などの解析手法の改良は既になされていると考えられるため、当該先頭部の断面積変化の最適化だけで、トンネル微気圧波の対策とすることは、十分ではないと考えられる。その他、微気圧波対策を行うためのデバイスを提供することが考えられるが、新たなデバイスを搭載すると故障の原因が新たに増えることになりうる。
【0005】
このため、形状でのトンネル微気圧波対策を行うべく、現在左右対称形状で製作されている鉄道車両に対して、特許文献1では、その運転台の位置をトンネル内壁面寄りとすることで微気圧波性能の向上を図っている。しかしながら、運転台については、運転台を構成するための機器が多く、左右非対称形状とした場合、これらの機器を構築する必要が生じる可能性がある。さらに、左右非対称に運転台機器が搭載されることにより、重量のアンバランスが生じ、強度上の問題が出たり、補強等による重量の増加が懸念されたりする。また、運転手が前方および停止位置などの表示を確認する場合に、支障が出る可能性がある。
【0006】
また、特許文献2では、鉄道車両の左右対称形状という制約条件を取り払った場合の先頭形状としての提案がなされている。車両の先頭部全体を左右非対称形状として形状最適化を行った場合、左右対称形状で安全運航上重要な台車が搭載できるか、また台車に対してバランスよく車両が搭載可能かなどの問題が発生する可能性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007−137296号公報
特開2010−215124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
編成車両の先頭車両の外形状は、左右対称に設計されている。その理由は、車両が双方向に進行し、その際、車両基地や駅などの構造物、標識などとの位置関係が重要となるためである。一方、先頭車両には、運転台を構成する機器や保安装置など、中間車両(両端の先頭車両以外の鉄道車両)には搭載できない機器を搭載する必要がある。この時、先頭車両の断面積が変化している部位において、先頭車両の中央位置では比較的屋根高さが高くとれる場合が多い。
【0009】
車載機器についても、この屋根高さを利用して機器配置を決めていくことが多い。さらに、鉄道車両は台車の上に載ることを考慮すると、鉄道車両の運動が安定性の点から、先頭車両は左右対称形状となることが好ましいといえる。
【0010】
本発明の目的は、鉄道車両の安定性を維持しつつ鉄道車両の微気圧波性能を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
長手方向に直交する断面積が先端部から基端側へかけて漸増する先頭部を有し当該先頭部の床下に台車が設置される鉄道車両において、先頭部のうちの後方部分(台車より進行方向の反対方向側の部分)は、X方向(進行方向)とY方向(X方向に直交する枕木方向)とのX−Y平面において、Y方向に沿って左右対称の形状を有する。先頭部のうちの前方部分(台車よりX方向側の部分)にある先端部の位置は、X−Y平面において、鉄道車両のX方向に延びた中心よりもX方向に対して左側にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、鉄道車両の安定性を維持しつつ鉄道車両の微気圧波性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1は、本発明の第一の実施形態における鉄道車両とトンネルとの位置関係を示す模式図である。
図2は、本発明の第一の実施形態における鉄道車両の側面図である。
図3は、本発明の第一の実施形態におけるトンネル内部での圧力勾配値の時間変化の一例を示す図である。
図4は、本発明の第一の実施形態における鉄道車両の先端部の位置を変えた場合の微気圧波性能に与える影響の一例を示した図である。
図5は、本発明の第二の実施形態における鉄道車両を示す図である。
図6は、本発明の第三の実施形態における鉄道車両を示す図である。
図7は、本発明の各実施形態における編成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の幾つかの実施形態を、図を用いて説明する。まず、説明に供する各方向を定義する。鉄道車両の進行方向(レール方向)をX方向とし、X方向と直交する枕木方向をY方向とし、X−Y平面に直交する高さ方向をZ方向とする。以下、単にX方向、Y方向、Z方向と記載する場合がある。また、以下の説明では、先頭車両(編成車両において先頭になる鉄道車両)の「先頭部」は、当該先頭車両のうち、長手方向に直交する断面積が先端から基端側にかけて漸増する(言い換えれば、基端側から先端にかけて漸減する)部分を意味し、「先端部」は、先頭部の先端を含む部位を意味する。また、或る位置を基準に、当該位置よりも前方は、当該位置よりも進行方向側を意味し、当該位置よりも後方は、当該位置よりも進行方向の反対方向側を意味する。
[第一の実施形態]
【0015】
図1は、本発明の第一の実施形態における鉄道車両とトンネルとの位置関係を示す模式図である。
【0016】
鉄道車両11は、一方の線路4(たとえば、上り線)と他方の線路6(下り線)とが敷設された複線区間を走行しており、この複線区間には線路4と線路6とを含む複線トンネル区間(以下、トンネル区間と記す)110が存在する。トンネル区間110以外の区間は明かり区間100である。明かり区間100は、築堤や高架や切通しなどからなる。また、明かり区間100およびトンネル区間110に係わらず、一方の線路4と他方の線路6とからなる複線区間の中央には、論理的に、これら線路4(6)に沿って複線の中心線2がある。
【0017】
左側通行を基本として複線区間を走行する鉄道車両11は、明かり区間100の一方の線路4を走行しているとき(複線に敷設された線路を走行する時、進行方向を見て左側の線路4を走行する場合を左側走行とする)に、トンネル区間110に突入する。この時、トンネル区間110内部の空気は、鉄道車両11の先端部12によって圧縮されて、トンネル区間110の内部に微気圧波が生じる。この時、トンネル内壁面3から鉄道車両11の先端部12に至る領域でトンネル内部の空気を圧縮することになる。
【0018】
このため、一方の線路4の中心線5(論理的な線)に沿って進行方向1を見た時、鉄道車両11の先端部12の位置は、中心線5よりも左側(−Y方向側)にあることが好ましい。鉄道車両11とトンネル区間110(トンネル内壁面3)の相対的な位置関係によれば、鉄道車両11の先端部12の位置は、一方の線路4の中心線5から−Y方向側のトンネル内壁面3の側に寄せることが好ましい。別の言い方をすれば、鉄道車両11の先端部12の位置は、一方の線路4の中心線5および複線区間の中心線2から−Y方向側に離れる位置とすることが好ましい。これによって、鉄道車両11によって圧縮されるトンネル内部の空気領域を小さくすることができ、その結果として微気圧波を低減することができる。
【0019】
なお、鉄道車両11が他方の線路6を走行する場合(複線に敷設された線路を走行する時、進行方向を見て右側の線路6を走行する場合を右側走行とする)においては、鉄道車両11の先端部12の位置は、他方の線路6の中心線7より右側(Y方向側)にあることが好ましい。同様の効果を得ることができるためである。
【0020】
図2は、鉄道車両11の側面図である。
【0021】
鉄道車両(先頭車両)11の複数の所定位置の床下、例えば、鉄道車両11のうち形状変更部16を除く部分の両端の床下に、鉄道車両11を移動可能に支持する台車14が備えられる。このため、進行方向側の図示の台車14は、前位台車14と言うことができ、進行方向反対側の図示しない台車は、後位台車と呼ぶことができる。鉄道車両11は、その床下に、台車14を包含する台車空隙部13を有する。鉄道車両11の進行方向(X方向)に沿った所定位置(例えば、鉄道車両11のうち形状変更部16を除く部分の端部)の上部には運転台15が構成される。
【0022】
高速走行する編成車両では、当該編成車両の内部の圧力変動を抑制するため、気密構造が採用され、先頭車両においては、運転台の前方において、気密部分とそうでない部分を隔てる隔壁が設置されることが多い。本実施形態において、形状変更部(鉄道車両11の先頭部の上側からの平面視においてX方向に沿う中心線を中心に左右非対称である部位)16は、この気密隔壁(前位台車14の台車空隙部13の進行方向側の端部の近傍)より前方(進行方向の側)の範囲(X方向に直交する断面積が漸減する範囲)とすることで、これまでの車両の機器構成に対して影響を与えることなく、微気圧波性能を向上させることが可能となる。
【0023】
図3は、本実施形態におけるトンネル内部での圧力勾配値の時間変化の一例を示す。なお、横軸は時間を示すが、ある時刻で無次元化した時刻としている。また、縦軸は、左右対称形状における最大圧力勾配値を1.0とした場合の圧力勾配値の比を示している。
【0024】
パターンLが、本実施形態に対応し、パターンRが、左側通行において鉄道車両11の先端部12の位置が中心線5よりも右側寄りであるケースに対応し、パターンOが、鉄道車両11の先端部12の位置が中心線5上にあるケース(つまり、先端部を含む範囲が左右対称であるケース)に対応している。パターンL、パターンR及びパターンOにそれぞれ対応したグラフ(時間と圧力勾配値の比との関係を示す線)の比較の結果から、微気圧波性能を示す最大の圧力勾配値は、パターンLにおいて、パターンOに比べ小さくなっていることがわかる。
【0025】
図4は、鉄道車両11の先端部12の位置を変えた場合の微気圧波性能に与える影響の一例を示した図である。
【0026】
図中の横軸は、一方の線路4の論理的な中心線5と鉄道車両11の先端部12との間の距離δに対する鉄道車両11の最大幅Dの比を示しており、正に大きな数値を持つほど、鉄道車両11の先端部12の位置は、左側通行の場合において中心線5より左側に寄っていること(すなわち、−Y方向側のトンネル内壁面3に寄っていること)を示している。
【0027】
一方、縦軸については、微気圧波性能の指標となる最大圧力勾配値の比で示している。この数値が小さいほど、微気圧波性能が高い。この結果から、左側通行の場合において、鉄道車両11の先端部12の位置が−Y方向側のトンネル内壁面3に近いほど、微気圧波性能が高い。逆に、鉄道車両11の先端部12の位置が複線区間の中心寄りであるほど、微気圧波性能が悪化するが、性能向上の比率に比べ性能の悪化割合は小さいことがわかる。
[第二の実施形態]
【0028】
図5は、本発明の第二の実施形態における鉄道車両を示す図である。
【0029】
図5は、先頭車両(鉄道車両)11の上側からの俯瞰の模式図に相当し、運転台15などの描写が省略されている。鉄道車両11の先端部12は、トンネル内壁面3寄りに設置される。この時、中心線(枕木中心)5上には、別の鉄道車両と連結される装置である連結器19が設置される。鉄道車両11が高速で走行する場合、この連結器19が露出したままでは走行中に騒音が発生するため、これを防止するための連結器カバー17(連結器19のカバー)が取り付けられる。
【0030】
第1の鉄道車両11が電気系統のトラブルなどによって自力走行できない場合、第2の鉄道車両11に第1の鉄道車両11が連結されて、第2の鉄道車両11により第1の鉄道車両11を最寄りの駅または車両基地へ回送する場合がある。この場合、第1の鉄道車両11の先頭部に含まれる補強部材18にボルト等で固定される連結器カバー17が取り外されて、第1の鉄道車両11が第2の鉄道車両11に連結される。
【0031】
この場合、連結器カバー17の形状は、連結器19を内包できる形状であれば任意に、連結器カバー17の外縁を決定することができるので、鉄道車両11の先端部12がトンネル内壁面3寄りの位置にある連結器カバー17が、鉄道車両11に備えられる。なお、上側(Z方向側)からの平面視(進行方向とそれに直交する枕木方向との平面)において左右対称形状の連結器カバーが採用されてもよく、そのような連結器カバーが採用された場合、左側通行において、先端部の位置が中心線5よりも左側になるよう連結器カバーが水平に左側へ移動されてもよい。これにより、先端部から基端側へある範囲まで左右非対称形状の連結器カバーが採用されても、先端部の位置を中心線5よりも左側にすることも可能である。
[第三の実施形態]
【0032】
図6は、本発明の第三の実施形態における鉄道車両を示す図である。
【0033】
この実施形態では、連結器カバー117が、左右に分割可能な構成を持つ。すなわち、連結器カバー117は、第1の(一側の)カバー部分20および第2の(他側の)カバー部分21とで構成されており、それらのカバー部分20および21は、先端部12を境に分割可能となっている。第二の実施形態と同様、に線路4の中心線5上に連結器19が設置されている。運用のなかで、区間ごとに編成の連結をしたり分割をしたりすることがある。編成の連結の際には、連結器19を使用するためにはカバー部分20および21は分割して、破線で示すように車両先頭内部に格納される。また、編成の分割の際には、連結器19に走行風が直接当たらないように、カバー部分20および21が閉じられる。連結器カバー117の形状としては、第二の実施形態と同様に、左右対称の形状が採用され、連結器カバー117の少なくとも先端部12の位置が、水平方向(Y方向または−Y方向)にスライドしてよい。これにより、鉄道車両11の先端部において、連結器カバー117よりも後方の部分の形状が左右非対称形状でも、微気圧波低減効果が得られる。
【0034】
第一の実施形態〜第三の実施形態を、以下のように総括することができる。
【0035】
長手方向に直交する断面積が先端部から基端側へかけて漸増する先頭部を有し当該先頭部の床下に台車14(例えば前位台車)が設置される鉄道車両11において、先頭部のうちの後方部分(台車14より進行方向の反対方向側の部分)は、X方向(進行方向)とY方向(X方向に直交する枕木方向)とのX−Y平面において、Y方向に沿って左右対称の形状を有する。先頭部のうちの前方部分(台車14よりX方向側の部分(例えば形状変更部16))にある先端部12の位置は、X−Y平面において、鉄道車両11のX方向に延びた中心(例えば、線路4の論理的な中心線5)よりもX方向に対して左側(例えばトンネル内壁側)にある。このように、先頭車両の先頭部の後方部分(例えば、前述の機器配置等に影響を与える可能性が高いと考えられる部分)については、左右対称形状が維持され、前方部分(例えば、走行安定性や機器構成から設計上の自由度が比較的大きいと考えられる部分)については、先端部の位置が、進行方向に沿って延びた車両中心よりも進行方向に対して左側とされる。これにより、鉄道車両の安定性を維持しつつ微気圧波性能を向上できる。
【0036】
X−Y平面において、上記前方部分は、左右非対称の形状を有してよい。または、X−Y平面において、上記前方部分は、左右対称の形状を有し、左右方向(Y方向およびY方向と反対方向)にスライドしてよい。いずれの構成でも、先端部12の位置を、進行方向に沿って延びた車両中心よりも進行方向に対して左側にできる。なお、いずれの構成においても、先頭部が、内部に、別の鉄道車両と連結される装置である連結器19を有し、上記前方部分は、連結器カバー17でよい。これにより、鉄道車両11の走行中の騒音を防止しつつ、微気圧波性能の向上できる。
【0037】
図7は、本発明の各実施形態における編成の一例を示す。
【0038】
編成車両22(一つ以上の鉄道車両)は、高速に走行するため、一方の線路4と他方の線路6とからなる複線(上り走行の線路と下り走行の線路)が用いられる。このような場合、現在の進行方向1へ一方の線路4上を走行する第1の編成車両22に対して、反対方向へ他方の線路6上を走行する第2の編成車両(図示せず)が存在することになる。第1の編成車両22と第2の編成車両がすれ違う時にも同様に微気圧波を低減させるためには、編成車両22の一方の先端部12は、中心線5より−Y方向側のトンネル内壁面3に寄せる必要があり、編成車両22の他方の先端部12は、中心線5よりY方向側のトンネル内壁面3に寄せる必要がある。これを実現するためには、水平面(X−Y平面)内において、車両の先端部12の位置を編成車両22の中心を基準に点対称とする必要がある。この構成によって、編成車両22が一方の線路4を利用する上り走行の場合も、他方の線路6を利用する下り走行の場合も、編成車両22が進行方向に向かう時の先端部12の位置をトンネル内壁面3から離れた位置とすることができるので、微気圧波を低減することができる。
【0039】
以上、幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
11…鉄道車両、12…鉄道車両の先端部、100…明かり区間、110…トンネル区間

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