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公開番号2020180884
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201105
出願番号2019084509
出願日20190425
発明の名称流量センサ
出願人日立オートモティブシステムズ株式会社
代理人特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
主分類G01F 1/684 20060101AFI20201009BHJP(測定;試験)
要約【課題】リードフレームと封止樹脂との線膨張係数の差により、ダイヤフラムに応力が発生して変形し、検出精度が低下することを抑制する。
【解決手段】流量センサ100は、リードフレーム9と、空洞部33およびダイヤフラム32を有する第一半導体チップ31と、リードフレーム9の他面側に設けられた薄膜12と、流量検出部50と、流量検出用流路8および樹脂換気口22を有し、リードフレーム9、第一半導体チップ31および薄膜12それぞれの少なくとも一部を覆う樹脂6とを備える。リードフレーム9は、空洞部33に連通する複数の分割開口部14aを有する連通開口部14と、少なくとも分割開口部14aのいずれかと樹脂換気口22を連通する換気用通路21と、樹脂換気口22に連通するリード換気口20を有する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
リードフレームと、
前記リードフレームの一面上に配置された半導体チップであって、前記リードフレーム側に設けられた空洞部および前記リードフレームとは反対側で前記空洞部を覆うダイヤフラムを有する半導体チップと、
前記リードフレームの前記一面に対向する他面側に設けられた薄膜と、
前記ダイヤフラム上に形成された流量検出部と、
前記流量検出部の少なくとも一部を露出する流量検出用流路、および前記空洞部に連通する樹脂換気口を有し、前記リードフレーム、前記半導体チップおよび前記薄膜それぞれの少なくとも一部を覆う樹脂とを備え、
前記リードフレームは、前記空洞部に連通する複数の分割開口部を有する連通開口部と、少なくとも前記分割開口部のいずれかと前記樹脂換気口を連通する換気用通路と、前記樹脂換気口に連通するリード換気口を有し、
前記薄膜により、前記連通開口部、前記換気用通路および前記リード換気口が覆われている流量センサ。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
請求項1に記載の流量センサにおいて、
前記分割開口部は、前記リードフレームの長手方向に直交する方向の長さが、前記分割開口部よりも小さい仕切り部により仕切られている流量センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の流量センサにおいて、
前記換気用通路の前記リードフレームの長手方向に直交する方向の長さは、前記分割開口部の前記リードフレームの長手方向に直交する方向の長さよりも小さい流量センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の流量センサにおいて、
前記分割開口部は、それぞれ、矩形形状を有する流量センサ。
【請求項5】
請求項1に記載の流量センサにおいて、
前記分割開口部の数は、前記リードフレームの長手方向に配列された数の方が、前記リードフレームの長手方向に直交する方向に配列された数よりも多い流量センサ。
【請求項6】
請求項1に記載の流量センサにおいて、
前記薄膜は、片面に接着層が形成されたポリイミド樹脂を含む流量センサ。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の流量センサにおいて、
前記連通開口部の面積は、前記空洞部が前記リードフレームに接触する面の面積より小さい流量センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は流量センサに関する。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
流量センサには、ダイヤフラム上に流量検出部が設けられた半導体チップを、リードフレーム上に搭載し、流量検出部が露出されるように樹脂で封止した構造としたものがある。このような構造の流量センサでは、ダイヤフラムのリードフレーム側の空洞部内と流量センサの外部とが異なる圧力となり、ダイヤフラムに応力が生じてダイヤフラムが変形し、検出精度が低下する。
このため、リードフレームに空洞部と連通する換気用通路を設け、封止樹脂に設けた換気口を介して外部に連通した構造とすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2015/033589号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の流量センサでは、樹脂封止後、リードフレームや半導体チップと封止樹脂との線膨張係数の差により、ダイヤフラムに応力が発生して変形し、検出精度が低下する課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による流量センサは、リードフレームと、前記リードフレームの一面上に配置された半導体チップであって、前記リードフレーム側に設けられた空洞部および前記リードフレームとは反対側で前記空洞部を覆うダイヤフラムを有する半導体チップと、前記リードフレームの前記一面に対向する他面側に設けられた薄膜と、前記ダイヤフラム上に形成された流量検出部と、前記流量検出部の少なくとも一部を露出する流量検出用流路、および前記空洞部に連通する樹脂換気口を有し、前記リードフレーム、前記半導体チップおよび前記薄膜それぞれの少なくとも一部を覆う樹脂とを備え、前記リードフレームは、前記空洞部に連通する複数の分割開口部を有する連通開口部と、少なくとも前記分割開口部のいずれかと前記樹脂換気口を連通する換気用通路と、前記樹脂換気口に連通するリード換気口を有し、前記薄膜により、前記連通開口部、前記換気用通路および前記リード換気口が覆われている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、樹脂封止後のダイヤフラムの変形に起因する検出精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の第1の実施形態による流量センサの回路構成の一実施の形態を示す回路ブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施形態による流量センサを構成する半導体チップのレイアウト構成の一実施の形態を示す平面図である。
図3は、本発明の第1の実施形態における流量センサの外観斜視図である。
図4は、図3に図示された流量センサの、封止樹脂を取り除いた状態における構成部材の分解斜視図である。
図5は、図3に図示された流量センサの封止樹脂を取り除いた状態を、上方から見た平面図である。
図6は、図5に図示されたリードフレームを上方から見た斜視図である。
図7は、図6に図示されたリードフレームを下方から見た斜視図である。
図8は、図3に図示された流量センサの上面図である。
図9は、図8に図示された流量センサのIX−IX線断面図である。
図10は、図3に図示された流量センサの、トランスファーモールド法により樹脂封止する状態を示す断面図である。
図11は、図10に図示された流量センサの領域XIの拡大図である。
図12は、本発明の流量センサのリードフレームに形成する連通開口部の形状を正方形とした第2の実施形態を示し、連通開口部の大きさを変えたモデルA〜Dを示す図である。
図13は、図12に図示されたモデルA〜Dの、リードフレーム連通開口部面積とダイヤフラム変形量比の関係を示す図である。
図14は、本発明の流量センサのリードフレームに形成する連通開口部を円形とした第3の実施形態を示し、連通開口部の大きさを変えたモデルE〜Gを示す図である。
図15は、図14に図示されたモデルE〜Gの、リードフレーム連通開口部面積とダイヤフラム変形量比の関係を示す図である。
図16は、本発明の流量センサのリードフレームに形成する連通開口部を長方形形とした第4の実施形態を示し、連通開口部の向きを変えたモデルH〜Iを示す図である。
図17は、図16に図示されたモデルH〜Iの、リードフレーム連通開口部面積とダイヤフラム変形量比の関係を示す図である。
図18は、本発明の流量センサのリードフレームに形成する連通開口部を複数の分割開口部で構成した第5の実施形態を示し、分割開口部の向きや数を変えたモデルJ〜Lを示す図である。
図19は、図18に図示されたモデルJ〜Lの、リードフレーム連通開口部面積とダイヤフラムの変形量比の関係を示す図である。
図20は、本発明の流量センサのリードフレームに形成する連通開口部を複数の分割開口部で構成した第6の実施形態を示し、分割開口部の形状および配列が異なるモデルM〜Nを示す図である。
図21は、図20に図示されたモデルM〜Nの、リードフレーム連通開口部面積とダイヤフラムの変形量比の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
以下の実施形態では、同一の機能を有するが、形状・大きさ・位置・配置などが異なる部材または構成に同一の符号を用いていることがある。これは、対比説明における理解を容易にするためのものであり、同一の符号であっても、形状・大きさ・位置・配置などが同一であると解釈されるものではない。
【0009】
−第1の実施形態−
図1〜図11を参照して、本発明の流量センサの第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による流量センサの回路構成の一実施の形態を示す回路ブロック図である。
図1において、第1の実施形態における流量センサ100は、CPU(Central Processing Unit)1を有し、さらに、このCPU1に入力信号を入力するための入力回路2、および、CPU1からの出力信号を出力するための出力回路3を有している。流量センサ100にはデータを記憶するメモリ4が設けられており、CPU1は、メモリ4にアクセスして、メモリ4に記憶されているデータを参照できるようになっている。
【0010】
CPU1は、出力回路3を介して、トランジスタTrのベース電極と接続されている。トランジスタTrのコレクタ電極は電源PSに接続され、トランジスタTrのエミッタ電極は発熱抵抗体HRを介してグランド(GND)に接続されている。トランジスタTrは、CPU1によって制御されるようになっている。トランジスタTrのベース電極は、出力回路3を介してCPU1に接続されているので、CPU1からの出力信号がトランジスタTrのベース電極に入力される。
【0011】
CPU1からの出力信号(制御信号)によって、トランジスタTrを流れる電流が制御される。CPU1からの出力信号によってトランジスタTrを流れる電流が大きくなると、電源PSから発熱抵抗体HRに供給される電流が大きくなり、発熱抵抗体HRの加熱量が大きくなる。CPU1からの出力信号によってトランジスタTrを流れる電流が少なくなると、発熱抵抗体HRへ供給される電流が少なくなり、発熱抵抗体HRの加熱量は減少する。
【0012】
このように第1の実施形態における流量センサ100では、CPU1によって発熱抵抗体HRを流れる電流量が制御され、これによって、発熱抵抗体HRからの発熱量がCPU1によって制御されるように構成されている。
【0013】
第1の実施形態における流量センサ100では、CPU1によって発熱抵抗体HRを流れる電流を制御するため、ヒータ制御ブリッジHCBが設けられている。ヒータ制御ブリッジHCBは、発熱抵抗体HRから放射される発熱量を検知し、この検知結果を入力回路2へ出力する。CPU1は、ヒータ制御ブリッジHCBからの検知結果を入力することができ、これに基づいて、トランジスタTrを流れる電流を制御する。
【0014】
具体的には、ヒータ制御ブリッジHCBは、参照電圧Vref1とグランド(GND)との間にブリッジを構成する抵抗体R1〜抵抗体R4を有している。このように構成されているヒータ制御ブリッジHCBでは、発熱抵抗体HRで加熱された気体が吸気温度よりもある一定温度(ΔT、例えば、100℃)だけ高い場合に、ノードAの電位とノードBの電位の電位差が0Vとなるように、抵抗体R1〜抵抗体R4の抵抗値が設定されている。つまり、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1〜抵抗体R4は、抵抗体R1と抵抗体R3を直列接続した構成要素と、抵抗体R2と抵抗体R4を直列接続した構成要素とが、参照電圧Vref1とグランド(GND)との間に並列接続されるようにしてブリッジが構成されている。そして、抵抗体R1と抵抗体R3の接続点がノードAとなっており、抵抗体R2と抵抗体R4の接続点がノードBとなっている。
【0015】
このとき、発熱抵抗体HRで加熱された気体は、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1に接触するようになっている。したがって、発熱抵抗体HRからの発熱量によって、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1の抵抗値が主に変化することになる。このように抵抗体R1の抵抗値が変化すると、ノードAとノードBとの間の電位差が変化する。このノードAとノードBとの電位差は、入力回路2を介してCPU1に入力されるので、CPU1は、ノードAとノードBとの電位差に基づいて、トランジスタTrを流れる電流を制御する。
【0016】
具体的には、CPU1は、ノードAとノードBとの電位差が0VとなるようにトランジスタTrを流れる電流を制御して、発熱抵抗体HRからの発熱量を制御するようになっている。すなわち、第1の実施形態における流量センサ100では、CPU1がヒータ制御ブリッジHCBの出力に基づいて、発熱抵抗体HRで加熱された気体が吸気温度よりもある一定温度(ΔT、例えば、100℃)だけ高い一定値に保持するようにフィードバック制御するように構成されている。
【0017】
第1の実施形態における流量センサ100は、気体の流量を検知するための温度センサブリッジTSBを有している。この温度センサブリッジTSBは、参照電圧Vref2とグランド(GND)との間にブリッジを構成する4つの測温抵抗体から構成されている。この4つの測温抵抗体は、2つの上流測温抵抗体UR1、UR2と、2つの下流測温抵抗体BR1、BR2から構成されている。
【0018】
図1の矢印の方向は、気体が流れる方向を示しており、この気体が流れる方向の上流側に上流測温抵抗体UR1、UR2が設けられ、下流側に下流測温抵抗体BR1、BR2が設けられている。これらの上流測温抵抗体UR1、UR2および下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRまでの距離が同じになるように配置されている。
温度センサブリッジTSBでは、参照電圧Vref2とグランド(GND)の間に上流測温抵抗体UR1と下流測温抵抗体BR1が直列接続されており、この上流測温抵抗体UR1と下流測温抵抗体BR1の接続点がノードCとなっている。
【0019】
グランド(GND)と参照電圧Vref2の間に上流測温抵抗体UR2と下流測温抵抗体BR2が直列接続されており、この上流測温抵抗体UR2と下流測温抵抗体BR2の接続点がノードDとなっている。
【0020】
ノードCの電位とノードDの電位は、入力回路2を介してCPU1に入力されるように構成されている。矢印方向に流れる気体の流量が零である無風状態のとき、ノードCの電位とノードDの電位との差電位が0Vとなるように、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2の各抵抗値が設定されている。
【0021】
具体的には、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRからの距離が等しく、かつ、抵抗値も等しくなるように構成されている。このため、温度センサブリッジTSBでは、発熱抵抗体HRの発熱量にかかわらず、無風状態であれば、ノードCとノードDの差電位は0Vとなるように構成されていることがわかる。
【0022】
第1の実施形態における流量センサ100は上記のように構成されており、以下に、その動作について図1を参照しながら説明する。
まず、CPU1は、出力回路3を介してトランジスタTrのベース電極に出力信号(制御信号)を出力することにより、トランジスタTrに電流を流す。すると、トランジスタTrのコレクタ電極に接続されている電源PSから、トランジスタTrのエミッタ電極に接続されている発熱抵抗体HRに電流が流れる。このため、発熱抵抗体HRは発熱する。そして、発熱抵抗体HRからの発熱で暖められた気体がヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1を加熱する。
【0023】
このとき、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)だけ高くなっている場合、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBの差電位が0Vとなるように、抵抗体R1〜R4の各抵抗値が設定されている。このため、例えば、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)だけ高くなっている場合、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBとの間の差電位は0Vとなり、この差電位(0V)が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、ヒータ制御ブリッジHCBからの差電位が0Vであることを認識したCPU1は、出力回路3を介してトランジスタTrのベース電極に、現状の電流量を維持するための出力信号(制御信号)を出力する。
【0024】
一方、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)からずれている場合、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBとの間に0Vではない差電位が発生し、この差電位が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、ヒータ制御ブリッジHCBからの差電位が発生していることを認識したCPU1は、出力回路3を介してトランジスタTrのベース電極に、差電位が0Vになるような出力信号(制御信号)を出力する。
【0025】
例えば、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)よりも高くなる方向の差電位が発生している場合、CPU1は、トランジスタTrを流れる電流が減少するような制御信号(出力信号)を、トランジスタTrのベース電極へ出力する。これに対し、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度(例えば、100℃)よりも低くなる方向の差電位が発生している場合、CPU1は、トランジスタTrを流れる電流が増加するような制御信号(出力信号)を、トランジスタTrのベース電極へ出力する。
【0026】
以上のようにして、CPU1は、ヒータ制御ブリッジHCBのノードAとノードBとの間の差電位が0V(平衡状態)になるように、ヒータ制御ブリッジHCBからの出力信号に基づいて、フィードバック制御する。このことから、第1の実施形態における流量センサ100では、発熱抵抗体HRで暖められた気体が一定温度となるように制御されることがわかる。
【0027】
次に、第1の実施形態における流量センサ100での気体の流量を測定する動作について説明する。まず、無風状態の場合について説明する。矢印方向に流れる気体の流量が零である無風状態のとき、温度センサブリッジTSBのノードCの電位とノードDの電位との差電位が0Vとなるように、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2の各抵抗値が設定されている。
【0028】
具体的には、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRからの距離が等しく、かつ、抵抗値も等しくなるように構成されている。このため、温度センサブリッジTSBでは、発熱抵抗体HRの発熱量にかかわらず、無風状態であれば、ノードCとノードDの差電位は0Vとなり、この差電位(0V)が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、温度センサブリッジTSBからの差電位が0Vであることを認識したCPU1は、矢印方向に流れる気体の流量が零であると認識し、出力回路3を介して気体流量Qが零であることを示す出力信号を流量センサ100の出力値として出力する。
【0029】
続いて、図1の矢印方向に気体が流れている場合を考える。この場合、図1に示すように、気体の流れる方向の上流側に配置されている上流測温抵抗体UR1、UR2は、矢印方向に流れる気体によって冷却される。このため、上流測温抵抗体UR1、UR2の温度は低下する。これに対し、気体の流れる方向の下流側に配置されている下流測温抵抗体BR1、BR2は、発熱抵抗体HRで暖められた気体が下流測温抵抗体BR1、BR2に流れてくるので温度が上昇する。この結果、温度センサブリッジTSBのバランスが崩れ、温度センサブリッジTSBのノードCとノードDとの間に零ではない差電位が発生する。
【0030】
この差電位が入力回路2を介してCPU1に入力される。そして、温度センサブリッジTSBからの差電位が零ではないことを認識したCPU1は、矢印方向に流れる気体の流量が零ではないことを認識する。その後、CPU1はメモリ4にアクセスする。メモリ4には、差電位と気体流量を対応づけた対比表(テーブル)が記憶されているので、メモリ4にアクセスしたCPU1は、メモリ4に記憶されている対比表から気体流量Qを算出する。このようにして、CPU1で算出された気体流量Qは出力回路3を介して、第1の実施形態における流量センサ100から出力される。以上のようにして、第1の実施形態における流量センサによれば、気体の流量を求めることができる。
【0031】
次に、第1の実施形態における流量センサのレイアウト構成について説明する。例えば、図1に示す第1の実施形態における流量センサは、2つの半導体チップに形成される。具体的には、発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBおよび温度センサブリッジTSBが第一半導体チップ31(図4参照)に形成され、CPU1、入力回路2、出力回路3およびメモリ4などが第二半導体チップ41(図4参照)に形成される。以下では、発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBおよび温度センサブリッジTSBが形成されている第一半導体チップ31のレイアウト構成について説明する。
【0032】
図2は、第1の実施形態における流量センサの一部を構成した第一半導体チップ31のレイアウト構成を示す平面図である。図2に示すように、第一半導体チップ31が矩形形状をしており、この第一半導体チップ31の左側から右側に向って(矢印方向)、気体が流れる。矩形形状をした第一半導体チップ31の主面側に矩形形状のダイヤフラム32(図4参照)が形成されている。ダイヤフラム32とは、第一半導体チップ31の厚さを薄くした薄板領域のことを示している。つまり、ダイヤフラム32が形成されている領域の厚さは、第一半導体チップ31の他の領域の厚さよりも薄くなっている。
【0033】
ダイヤフラム32が形成されている裏面領域に相対する第一半導体チップ31の表面領域には、流量検出部50が形成されている(図2参照)。流量検出部50の中央部には、発熱抵抗体HRが形成されており、この発熱抵抗体HRの周囲にヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1が形成されている。そして、流量検出部50の外側にヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R2〜R4が形成されている。このように形成された抵抗体R1〜R4によってヒータ制御ブリッジHCBが構成される。
ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1は、発熱抵抗体HRの近傍に形成されているので、発熱抵抗体HRからの発熱で暖められた気体の温度を抵抗体R1に精度良く反映させることができる。
【0034】
一方、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R2〜R4は、発熱抵抗体HRから離れて配置されているので、発熱抵抗体HRからの発熱の影響を受けにくくすることができる。
【0035】
したがって、抵抗体R1は発熱抵抗体HRで暖められた気体の温度に敏感に反応するように構成することができるとともに、抵抗体R2〜R4は発熱抵抗体HRの影響を受けにくく抵抗値を一定値に維持しやすく構成することができる。このため、ヒータ制御ブリッジHCBの検出精度を高めることができる。
【0036】
さらに、流量検出部50に形成されている発熱抵抗体HRを挟むように、上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2が配置されている。具体的に、気体が流れる矢印方向の上流側に上流測温抵抗体UR1、UR2が形成され、気体が流れる矢印方向の下流側に下流測温抵抗体BR1、BR2が形成されている。
【0037】
このように構成することにより、気体が矢印方向に流れる場合、上流測温抵抗体UR1、UR2の温度を低下させることができるとともに、下流測温抵抗体BR1、BR2の温度を上昇させることができる。このように流量検出部50に配置されている上流測温抵抗体UR1、UR2および下流測温抵抗体BR1、BR2により温度センサブリッジTSBが形成される。
【0038】
上述した発熱抵抗体HR、上流測温抵抗体UR1、UR2および下流測温抵抗体BR1、BR2は、例えば、白金(プラチナ)などの金属膜やポリシリコン(多結晶シリコン)などの半導体薄膜をスパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの方法で形成した後、イオンエッチングなどの方法でパターニングすることにより形成することができる。
【0039】
このように構成されている発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBを構成する抵抗体R1〜R4、および温度センサブリッジTSBを構成する上流測温抵抗体UR1、UR2と下流測温抵抗体BR1、BR2は、それぞれ、配線WL1により接続されて、第一半導体チップ31の下辺に沿って配置されている電極パッドPD1に引き出されている。
【0040】
図3は、本発明の第1の実施形態における流量センサの外観斜視図であり、図4は、図3に図示された流量センサの、封止樹脂を取り除いた状態における構成部材の分解斜視図である。
流量センサ100は、図4に図示される、第一半導体チップ31と、第二半導体チップ41と、リードフレーム9と、複数のリード7と、第一接着剤10と、第二接着剤11と、薄膜12とを、図3に図示されるように樹脂6により封止した構造を備えている。樹脂封止前の図4に図示される第一半導体チップ31と、第二半導体チップ41と、リードフレーム9と、複数のリード7と、第一接着剤10と、第二接着剤11と、薄膜12とは、流量センサ構成体100Aとして構成されている。第一半導体チップ31は、チップの裏面を一部除去し、肉厚を薄くして形成したダイヤフラム32を有する。ダイヤフラム32の上面側には、上述したように、発熱抵抗体HR、ヒータ制御ブリッジHCBおよび温度センサブリッジTSBから構成される流量検出部50が形成されている。
第二半導体チップ41は、上述したように、CPU1、入力回路2、出力回路3およびメモリ4を有する。
【0041】
樹脂6は、図3に図示されるように、各リード7の一部およびダイヤフラム32上に形成された流量検出部50を露出して、第一半導体チップ31、第二半導体チップ41、リードフレーム9、第一接着剤10、第二接着剤11、薄膜12および各リード7の残りの部分を封止している。樹脂6は、リードフレーム9の長手方向に直交する方向に延在された流量検出用流路8を有する。流量検出用流路8は、樹脂6の上部側に設けられた溝である。流量検出部50は、流量検出用流路8の流路の長さ方向のほぼ中央部に、流路の底面から露出している。流量検出用流路8には、矢印で示すように、空気が流入する。流入した空気の流量が流量検出部50により検出される。樹脂6は、トランスファーモールドなどのモールド成形またはポッティングにより形成される。樹脂の形状精度や信頼性を考慮するとトランスファーモールドによる方法が好ましい。
【0042】
第一接着剤10は、第一半導体チップ31をリードフレーム9に接着する。第一接着剤10には、ダイヤフラム32に対応する開口部13が設けられている。開口部13は、リードフレーム9に設けられた連通開口部14に対応する位置に設けられている。
第二接着剤11は、第二半導体チップ41をリードフレーム9に接着する。
第一接着剤10および第二接着剤11は、はんだ、銀ペースト、金属箔、接着シート等により形成されている。低価格とし、作業性をよくするには接着シートが好ましい。特に、樹脂系材料のダイアタッチフィルムやポリイミドテープなどが好適である。
【0043】
薄膜12は、リードフレーム9の、第一半導体チップ31や第二半導体チップ41側と反対側の裏面側に配置されている。薄膜12は、金属箔または樹脂シートにより形成されている。薄膜12は、樹脂封止の際に、リードフレーム9の連通開口部14内に樹脂が流入するのを防止する機能を有する。このため、樹脂シートにより薄膜を形成する場合は、金属箔を使用するときに比べてその厚さを厚くする等の対応が必要である。樹脂シートとしては、例えば、片面に接着層が形成されたポリイミドシートを用いることができる。
【0044】
図5は、図3に図示された流量センサの封止樹脂を取り除いた状態を、上方から見た平面図である。図6は、図5に図示されたリードフレームを上方から見た斜視図であり、図7は、図6に図示されたリードフレームを下方から見た斜視図である。
図5に図示されるように、第一半導体チップ31と第二半導体チップ41は、ボンディングワイヤ15により接続されている。第二半導体チップ41の各電極は、ボンディングワイヤ15によりリード7に接続されている。リード7は、リードフレーム側に基端を有するインナーリード部16と、インナーリード部16の基端とは反対側の先端に基端が接続されているアウターリード部18を有し、ボンディングワイヤ15は、インナーリード部16の基端にボンディングされている。リード7のアウターリード部18の基端と反対側の先端は、図3に図示されるように、樹脂6から露出している。
【0045】
各リード7は、図示はしないが、タイバーにより連結されたリードフレーム部材として一体に形成されており、樹脂封止後、タイバーを切断することにより、個々に分離されて形成される。図5に図示されるリードフレーム9に一体に形成されている吊りリード17は、リードフレーム部材のタイバーの一部であり、樹脂6により封止されている部分である。
【0046】
リードフレーム9は、例えば、Cu合金やFeNi合金などにより形成されている。
リードフレーム9には、図6に図示されるように連通開口部14およびリード換気口20と、図7に図示されるように換気用通路21とが形成されている。連通開口部14は、リードフレーム9の長手方向の一端側に設けられており、第一半導体チップ31に設けられたダイヤフラム32に対向する位置に設定されている。連通開口部14は、2×2のマトリクス状に配列された4つの分割開口部14aにより構成されている。分割開口部14aは、矩形形状を有し、仕切り部19により仕切られている。仕切り部19の幅、換言すれば、分割開口部14a間の長さは、分割開口部14aのいずれの一辺の長さよりも小さい。つまり、連通開口部14は、リードフレーム9の長手方向に直交する方向の長さが、分割開口部14aよりも小さい仕切り部19により仕切られている。このため、仕切り部19がない一つの連通開口部とする場合に比べて、仕切り部19を設けたことによりリードフレーム9の剛性が向上し、強度の小さい薄膜12の強度を補強することができる。
【0047】
リード換気口20は、リードフレーム9の長手方向の他端側近傍に設けられている。4つの分割開口部14aのうち、リード換気口20側の2つの分割開口部14aは、それぞれ、換気用通路21によりリード換気口20に連通している。換気用通路21は、リードフレーム9の、第一半導体チップ31や第二半導体チップ41側と反対側である裏面側を除去して形成された有底の溝である。換気用通路21の幅は、分割開口部14aの、換気用通路21に連結された辺の幅よりも小さく形成されている。換言すれば、換気用通路21のリードフレーム9の長手方向に直交する方向の長さは、分割開口部14aのリードフレーム9の長手方向に直交する方向の長さよりも小さい。これにより、2本の細長い換気用通路21の間にリードフレーム9の部材が残り、幅が広い一つの換気用通路21を設ける場合に比べて、薄膜12がリードフレーム9に接着される面積が増えることになり、薄膜12の強度が確保される。
【0048】
図7には、薄膜12が二点鎖線により図示されている。薄膜12は、リードフレーム9に形成された4つの分割開口部14a、2つの換気用通路21およびリード換気口20を覆っている。具体的には、薄膜12は、リードフレーム9の一端と連通開口部14との間に位置する一端141から、リードフレーム9の他端とリード換気口20の間に位置する他端142までに亘るほぼ長方形状に形成されている。薄膜12の厚さは、20〜100μm、好ましくは40〜50μm程度である。
【0049】
図8は、図3に図示された流量センサの上面図であり、図9は、図8に図示された流量センサのIX−IX線断面図である。IX−IX線は、リードフレーム9に形成された換気用通路21内を通っている。
樹脂6の上部側には、リードフレーム9のリード換気口20を露出する樹脂換気口22が設けられている。
図9に図示されるように、第一半導体チップ31のダイヤフラム32と、リードフレーム9との間には、角錐台形状の空洞部33が設けられている。ダイヤフラム32は、角錐台形状の空洞部33の上面を覆って形成された、平面視で矩形形状の薄膜である。リードフレーム9の連通開口部14は、空洞部33に対向して配置されている。すなわち、連通開口部14を構成する4つの分割開口部14aと仕切り部19との全体領域は、空洞部33の底面、すなわち、リードフレーム9に接触する面の面積より小さい。リードフレーム9の下面側には、薄膜12が固着されている。
【0050】
樹脂6には、薄膜12のダイヤフラム32に対向する領域を露出する裏面側第一開口部46と、薄膜12の樹脂換気口22に対向する領域を露出する裏面側第二開口部47とが形成されている。裏面側第一開口部46と裏面側第二開口部47は、樹脂6により封止する際、金型に設けられたリードフレーム9を固定する隆起部に対応して形成された開口である。
(【0051】以降は省略されています)

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