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公開番号2020180377
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201105
出願番号2020112473
出願日20200630
発明の名称シンク
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人
主分類C23C 4/11 20160101AFI20201009BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】軽量で耐久性が高く、安価な、シンクを含むキッチンカウンターの提供。
【解決手段】キッチンカウンターは、実質的に平坦な主要部と、主要部を挟んで対向し該主要部に対してそれぞれ屈曲して設けられた第1リブ及び第2リブとを有する樹脂構造体と、主要部の上面に設けられた溶射セラミック皮膜と、を含むカウンター11を備えている。シンク12は、槽状のシンク構造部とその表面に溶射セラミック皮膜を設け、シンク構造部と溶射セラミック皮膜の間に、セラミック粒子を添加分散させた樹脂層を含み、溶射セラミック皮膜とセラミック粒子は同様の材料を用いて形成されている。
【選択図】図1B
特許請求の範囲【請求項1】
槽状のシンク構造部の表面に溶射セラミック皮膜を設けてなるシンク。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記シンク構造部と前記溶射セラミック皮膜の間に、セラミック粒子を添加分散させた樹脂層を含み、
前記溶射セラミック皮膜と前記セラミック粒子は同様の材料を用いて形成されている、請求項1に記載のシンク。
【請求項3】
前記シンク構造部の上端が屈曲している、請求項1または2に記載のシンク。
【請求項4】
前記樹脂層の色と前記溶射セラミック皮膜の色とは色相環における中心からの方向のなす角度が60度以下の同系色である、請求項2または3に記載のシンク。
【請求項5】
前記樹脂層の色と前記溶射セラミック皮膜の色とは、色の明るさを0〜10の明度で表したときに、明度の差が2以下である、請求項2または3に記載のシンク。
【請求項6】
前記シンク構造体は樹脂構造体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンク。
【請求項7】
前記シンク構造部は熱硬化樹脂からなる、請求項6に記載のシンク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、水回りの住宅設備機器に用いられる樹脂成形体に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
水回りの住宅設備機器としては、システムキッチン、ユニットバス、洗面化粧台及びトイレなどが挙げられる。これらの水回りの住宅設備機器には、据え付けが容易であることが求められるとともに、耐久性が要求される。例えば、システムキッチンでは、耐熱性を高めて耐久性を向上させる必要がある。システムキッチンは、キッチンカウンター(カウンター天板)とシンクとを備えており、キッチンカウンターとして、特許文献1には、大理石を用いたキッチンカウンターが開示されている。この大理石を用いたキッチンカウンターは、耐熱性及び美観の観点から好んで用いられる。また、特許文献2には、例えば、ステンレス等の金属からなる母材に、琺瑯ガラスからなる被覆層が形成されたシンクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003−70572号公報
特開2001−152367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、大理石を用いたキッチンカウンターは高価である上、重いことから据え付け作業に手間がかかるという問題がある。
また、特許文献2に開示されたシンクは、ステンレス等の金属からなる母材に、琺瑯ガラスからなる被覆層を形成する際に、800℃以上の温度で焼成する必要があり、高価になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、軽量で耐久性が高く、安価なキッチンカウンターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、本発明に係るキッチンカウンターは、実質的に平坦な主要部と、該主要部を挟んで対向し該主要部に対してそれぞれ屈曲して設けられた第1リブ及び第2リブとを有する樹脂構造体と、前記主要部の上面に設けられた溶射セラミック皮膜と、を含むカウンターを備えている。
【発明の効果】
【0007】
以上のように構成された本発明によれば、軽量で耐久性が高く、安価なキッチンカウンターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係る実施形態のキッチンカウンターの斜視図である。
図1AのA−A線についての断面図である。
図1AのB−B線についての断面図である。
実施形態のキッチンカウンターの断面を拡大して示す断面図である。
実施形態のキッチンカウンターの製造工程の流れを模式的に示す図である。
実施形態の変形例に係るキッチンカウンターの主要部における、容赦セラミック被膜が形成された表面に対向する面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態の樹脂成形体について説明する。
実施形態.
本発明に係る実施形態のキッチンカウンター1は、シンク一体型のキッチンカウンターであり、カウンター11とシンク12とが一体で構成されている。実施形態のキッチンカウンター1は、例えば、注型成形により、キッチンカウンター部とシンク構造部が一体で成形された構造体である樹脂構造体10と、樹脂構造体10の上面に設けられた溶射セラミック皮膜10cとを備える。
以下、実施形態のキッチンカウンター1について詳細に説明する。
【0010】
実施形態のキッチンカウンター1は、樹脂構造体10と樹脂構造体10の上面に設けられた溶射セラミック皮膜10cとを含むカウンター11を含む。詳細には、実施形態のキッチンカウンター1において、樹脂構造体10は、実質的に平坦な主要部101と、主要部101を挟んで対向しかつ主要部に対してそれぞれ屈曲して設けられた第1リブ102及び第2リブ103とを含む。そして、溶射セラミック皮膜10cは、例えば、図1B及び図1Cに示すように、主要部101の上面、第1リブ102の上面及び第2リブ103の上面に連続して設けられる。ここで、図1B等には、主要部101の上面に設けられた溶射セラミック皮膜には10c1の符号を、第1リブ102の上面に設けられた溶射セラミック皮膜には10c2の符号を、第2リブ103の上面に設けられた溶射セラミック皮膜には10c3の符号を付して示す。尚、本明細書において、溶射セラミック皮膜を形成位置により区別する必要がない場合には、10cの符号を付して示す。
【0011】
また、実施形態のキッチンカウンター1は、以下のように設けられたシンク12を含む。具体的には、樹脂構造体10は、主要部101、第1リブ102及び第2リブ103を含むキッチンカウンター部と一体でシンク構造部104を含み、シンク12は、シンク構造部104の表面に設けられた溶射セラミック皮膜10c4により構成される。
【0012】
以上のように構成されたキッチンカウンター1は、構造体として樹脂構造体10を用いていることから、大理石を用いたキッチンカウンターに比較すると軽量にできる。例えば、実施形態のキッチンカウンター1(主要部101)の外形は、長辺の長さが2800mm〜1000mm、短辺の長さが600mm〜980mmの矩形であり、そのサイズでの重量を、大理石を用いたキッチンカウンターに比較すると15%〜30%軽くできる。
また、実施形態のキッチンカウンター1は、樹脂構造体10の表面に耐熱性の高い溶射セラミック皮膜10cが設けられているので、耐熱性を高くできる結果、耐久性を高くできる。
加えて、実施形態のキッチンカウンター1は、樹脂構造体10の表面に耐熱性の高い溶射セラミック皮膜10cが設けられているので、加熱されたフライパンや鍋などの高温の調理器具をカウンターに乗せた場合であっても変色が防止でき、黄ばみ等も抑制できる。
したがって、実施形態のキッチンカウンター1によれば、軽量でかつ耐久性の高いキッチンカウンターを提供できる。
また、溶射セラミック皮膜10cは、後述するように、溶射ガンにより溶射することにより形成することができる。これにより、カウンター11とシンク12との屈曲した境界又はシンク12の底部の角などに均一の膜厚でかつ滑らかに形成することができ、美観に優れた樹脂成形体を提供することができる。
さらに、実施形態のキッチンカウンター1は、溶射セラミック皮膜10cによって、例えば、大理石風の模様を再現したり、大理石のような質感を持たせたりすることが可能になり、美観及びデザイン性を向上させることができ、美観を長期間にわたり維持できる。
【0013】
さらには、実施形態のキッチンカウンター1によれば、カウンターの平坦度が高く形状ばらつきの少ないキッチンカウンターを提供することができる。
すなわち、実施形態のキッチンカウンター1は、後述するように、加熱溶融又は軟化させたセラミック粒子を樹脂構造体10の上に堆積させることにより形成される。したがって、溶射工程において、樹脂構造体10の表面は高温に曝されて樹脂構造体10にひずみが生じ、樹脂構造体10、特に主要部101の平坦度が悪化することがある。
しかしながら、実施形態のキッチンカウンター1では、樹脂構造体10が実質的に平坦な主要部101に対してそれぞれ屈曲して設けられた第1リブ102及び第2リブ103を含んでいるので、主要部101の変形が抑えられる。これにより、溶射工程前後において、カウンター11の平坦度を良好な状態に維持できる。
【0014】
また、実施形態のキッチンカウンター1は、樹脂構造体10が、主要部101等と一体で構成されたシンク構造部104を有しており、そのシンク構造部104の表面に溶射セラミック皮膜10c4が設けられたシンクを含む。これにより、大理石のような質感を持たせた美観及びデザイン性に優れたシンクを備えたキッチンカウンターを提供することができる。
【0015】
以上の実施形態のキッチンカウンター1では、シンク構造部104の表面に溶射セラミック皮膜10c4が設けられたシンクを含むキッチンカウンターについて説明した。
しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、実施形態のキッチンカウンター1において、溶射セラミック皮膜10c4が設けられたシンク12に
代えてステンレスからなるシンクを用いて構成してもよい。
以下、キッチンカウンター1について詳細に説明する。
【0016】
樹脂構造体10
実施形態のキッチンカウンター1において、樹脂構造体10は、例えば、調理台である板状のキッチンカウンター部と槽状のシンク構造部104とが例えば、注型成形により一体で作製される。樹脂構造体10の樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。また、樹脂構造体10は、無機フィラーを含んでいてもよい。無機フィラーを含むことにより、樹脂構造体10の熱膨張率を低下させ,後に堆積させる溶射セラミック皮膜の熱膨張率に近づけることができるとともに,樹脂構造体10の耐熱性を高めることができる。
【0017】
溶射セラミック皮膜10c
実施形態のキッチンカウンター1において、図2に示すように、溶射セラミック皮膜10cは、偏平なセラミック粒子100が隣接間で融着して堆積した被膜である。この溶射セラミック皮膜10cは、後述するように、加熱されて溶融又は軟化した多数のセラミック粒子が樹脂構造体10の表面に衝突して順次堆積することにより形成される。この溶射セラミック皮膜10cのセラミック材料としては、アルミナ(Al



)、ムライト(Al



−SiO

)、スピネル(Al



−MgO)、チタニヤ(TiO

)、ジルコニア、ジルコン、酸化クロム、酸化コバルト等、またはそれらの混合物を用いることができる。溶射セラミック皮膜10cの膜厚は、例えば、0.01〜3.0mmの範囲、好ましくは、0.05〜1.0mmの範囲、より好ましくは、0.2〜0.5mmの範囲に設定される。溶射セラミック皮膜10cの好ましい膜厚範囲を例示したが、溶射セラミック皮膜10cの膜厚は、上記範囲に限定されるものではなく、重視する仕様を考慮して適宜設定される。例えば、加熱された調理器具をカウンターに乗せた際の変色が防止を特に求める場合には、溶射セラミック皮膜10cの膜厚は、例えば、0.1〜0.2mmの範囲に設定することにより、変色防止効果が得られる。
【0018】
また、上述したように、溶射セラミック皮膜10cは、偏平なセラミック粒子100が隣接間で融着して堆積した被膜であることから、溶射後のセラミック粒子100間には気孔(間隙)が存在する。この溶射セラミック皮膜10cは、間隙部に充填された樹脂を含んでいてもよい。セラミック粒子100間の間隙部に充填された樹脂120は、溶射セラミック皮膜10cの内部への水や油の侵入を防止して耐久性をさらに向上できる。溶射セラミック皮膜10cの間隙部に充填された樹脂120は、フッ素または珪素を含むことが好ましく、これにより、汚れにくくなり、清掃が容易になる。
【0019】
また、溶射セラミック皮膜10cの表面は、研磨面であることが好ましく、これにより、美観に優れ、かつ汚れの付着を抑えることができ、さらに清掃が容易になる。
【0020】
セラミック下地層10a
実施形態のキッチンカウンター1において、樹脂構造体10と溶射セラミック皮膜10cの間に、必要に応じてセラミック下地層10aを含んでいてもよい。セラミック下地層10aは、例えば、溶射セラミック皮膜10cに比較して、充填密度の低い、例えば、空孔の多いセラミック層からなる。また、セラミック下地層10aとして、セラミック粒子を添加分散させた樹脂層を用いてもよい。セラミック下地層10aは、溶射時の熱が樹脂構造体10に伝達されるのを抑制し、樹脂の溶融又は劣化を抑制する。また、溶射後は、溶射セラミック皮膜10cと樹脂構造体10の熱膨張率の差に起因する応力を緩和することができ、セラミック下地層10aの剥離を防止し、キッチンカウンター1の耐久性を向上させることができる。セラミック下地層10aのセラミック材料としては、ムライト、スピネル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、酸化クロム、酸化コバルト等、またはそれらの混合物を用いることができる。セラミック下地層10aは、気孔率を増加させた溶射法により形成することができる。あるいは、上記セラミック粒子を樹脂バインダで混合し、塗布することにより形成することができる。
【0021】
次に、図3を参照しながら、キッチンカウンター1の製造方法について説明する。
樹脂構造体成形工程
本製造方法では、まず、樹脂構造体10を成形により作製する。例えば、実施形態のキッチンカウンター用のキッチンカウンター1では、例えば、型締めした金型のキャビティー内にモノマー樹脂を注入して硬化させて作製する(注型成形)。尚、樹脂構造体10の成形方法は、注型成形に限定されず、例えば、プレス成形又は射出成形により成形してもよい。
【0022】
粗面化工程
次に、樹脂構造体10表面のうちの少なくとも溶射セラミック皮膜10cを形成する部分を粗面化する(図3(b))。具体的には、サンドブラスト、エッチング、サンドペーパーによる研磨を用いて、例えば、表面粗さが、Rz=1〜100μm好ましくは、Rz=5〜50μmより好ましくは、Rz=10〜30μmになるように粗面化する。以上のような方法により粗面化することにより、例えば、キッチンカウンター1のようにシンク一体型キッチンカウンターであって、カウンター11とシンク12とにわたってキッチンカウンター1の上面全体を粗面化するような場合であっても均一な面粗さで粗面化できる。
また、この粗面化により、樹脂構造体10とセラミック下地層10a間、溶射セラミック皮膜10cを樹脂構造体10上に直接形成する場合には樹脂構造体10と溶射セラミック皮膜10c間の密着性を高くできる。さらに、上述の範囲の表面粗さになるように粗面化することにより、樹脂構造体10とセラミック下地層10a間、樹脂構造体10と溶射セラミック皮膜10c間の密着性をさらに高くできる。しかしながら、例えば、樹脂構造体10とセラミック下地層10aの材料適宜選択することにより、樹脂構造体10とセラミック下地層10a間の密着性を良好にできる場合には工程短縮のために粗面化工程を省略することができる。
【0023】
アンダーコート工程
次に、粗面化した樹脂構造体10表面に、セラミック下地層10aを形成する(図3(c))。セラミック下地層10aは、溶射セラミック皮膜10cに比較して、充填密度が低い(言い換えれば、気孔率の高い)セラミック層であり、例えば、20〜50%により形成する。セラミック下地層10aの気孔率は、例えば、30%〜40%の範囲に設定する。
また、セラミック下地層10aはセラミック粒子を樹脂バインダと混合し、塗布することにより形成することもできる。前記、樹脂バインダは、エポキシ樹脂やアクリル樹脂により形成することができる。この、樹脂バインダとセラミック粒子の混合物を、スプレー塗装、コーターによる塗布、刷毛塗り等により粗面化した樹脂構造体10表面に配設することができる。乾燥後の樹脂バインダのセラミック粒子に対する体積配合比率は、通常、例えば、0.5〜50%、好ましくは5〜30%になるように調整される。しかしながら、乾燥後の樹脂バインダのセラミック粒子に対する体積配合比率は、用途により適宜変更され、例えば、キッチンカウンターに適用される場合には、0.5〜60%、好ましくは10〜50%になるように調整される。
【0024】
溶射工程
そして、セラミック下地層10aの上から溶射ガン7により溶融又は軟化させたセラミック粒子を衝突させてセラミック粒子を堆積させることにより溶射セラミック皮膜10cを形成する。溶射方法としては、フレーム溶射、アーク溶射、レーザー溶射、プラズマ溶射など、溶射対象、作業環境等を考慮して種々の溶射方法から選択することができる。
溶射工程では、複数の溶射ガン7を用いて同時に異なるセラミック粒子を溶射して溶射セラミック皮膜10cを形成するようにしてもよい。このようにすると、例えば、表面の色彩に変化を持たせて装飾性を向上させることができる。また、溶射工程では、複数の溶射ガンを用いて交互に異なるセラミック粒子を溶射して溶射セラミック皮膜10cを形成するようにしてもよい。このようにすると、例えば、耐食性と耐熱性などの複数の機能を併せ持った溶射セラミック皮膜を形成することができる。
【0025】
封孔樹脂含浸工程
溶射により形成した溶射セラミック皮膜10cの気孔に樹脂を含浸(充填)させて硬化する(封孔処理)。含浸させる樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂やシリコーン樹脂等を使用することができる。この封孔処理は、溶射により溶射セラミック皮膜10cを形成すると、溶射直後の皮膜には、例えば、1〜10%の気孔率で気孔が存在する。このような気孔が存在すると、腐食の原因となる物質が気孔を通って樹脂構造体10に達して樹脂構造体10が腐食する可能性がある。封孔処理は、これを防止するために行う。また、溶射セラミック皮膜10cの気孔すなわち間隙部に樹脂を含むと、気孔が塞がれるので、間隙部が汚染されることがなく清掃が容易である。
【0026】
以上の工程を経て作製される実施形態のキッチンカウンター1によれば、軽量でかつ耐久性が高く、しかも清掃が容易なキッチンカウンターを製造することができる。
【0027】
以上の実施形態のキッチンカウンター1では、図1B及び図1Cに示すように、樹脂構造体10のキッチンカウンター部(樹脂構造体10において、シンク構造部104を除いた部分)とシンク構造部104にわたって樹脂構造体10の上面全体に溶射セラミック皮膜10cを形成した。
しかしながら、本発明では、樹脂構造体10の上面の少なくとも一部に溶射セラミック皮膜10cを設けるようにしてもよい。例えば、キッチンカウンター1では、樹脂構造体10のキッチンカウンター部の上面のみに溶射セラミック皮膜10cを設けるようにしてもよいし、キッチンカウンター部の主要部101の上面のみに溶射セラミック皮膜10cを設けるようにしてもよい。さらには、シンク構造部104の上面のみに溶射セラミック皮膜10cを設けるようにしてもよい。
【0028】
以上の実施形態のキッチンカウンター1では、好ましい形態として、セラミック下地層10aを含むキッチンカウンター1及びその製造方法について説明した。
しかしながら、本発明において、セラミック下地層10aは必要に応じて形成されるものであり、任意である。
例えば、樹脂構造体10を耐熱性の高い樹脂を用いて構成することにより、樹脂構造体10の熱劣化を抑えてセラミック下地層10aを省略することができる。
また、溶射工程において、溶射するセラミック粒子の粒径を小さくしたり溶融又は軟化を維持しつつセラミック粒子の温度を抑えることにより、樹脂構造体10の熱劣化を抑え、セラミック下地層10aを省略することができる。
【0029】
以上の実施形態のキッチンカウンター1では、好ましい形態として、溶射セラミック皮膜10cのセラミック粒子100間の間隙に樹脂を含む構成について説明した。
しかしながら、本発明において、樹脂は、セラミック粒子100間の間隙に必要に応じて充填されるものであり、任意である。
例えば、樹脂構造体10及びセラミック粒子100を耐薬品性の高い材料で構成することにより、キッチンカウンター1の耐久性を向上させて、セラミック粒子100間の樹脂充填をなくしてもよい。
また、セラミック粒子100間に樹脂を充填することなく、溶射セラミック皮膜10cの表面を樹脂コートするようにしてもよい。
【0030】
実施形態のキッチンカウンター1では、図4に示すように、樹脂構造体10の主要部101において溶射セラミック皮膜が設けられる表面と対向する裏面に補強リブ51を設けるようにしてもよい。
このようにすると、溶射時における主要部101の反り又は変形をより効果的に抑制することができる。
【0031】
本発明では、さらに、実施形態のキッチンカウンターにおいて、溶射セラミック皮膜10cの色と樹脂構造体の色及び/又はセラミック下地層10aの色とは同系色であることが好ましい。ここで、同系色とは、色相環における中心からの方向のなす角度が60度以下であることをいう。より好ましくは、溶射セラミック皮膜10cの色と樹脂構造体の色及び/又はセラミック下地層10aの色が、色相環における中心からの方向のなす角度が30度以下となるようにする。これにより、樹脂構造体の色及び/又はセラミック下地層10aの色の影響(樹脂構造体及び/又はセラミック下地層10aの色が透けて見えること)による美観の低下を抑制できる。また、樹脂構造体の色及び/又はセラミック下地層10aの色の影響により表面の美観を低下させない範囲で溶射セラミック皮膜10cを薄くすることが可能になり、溶射時間が短縮できる。これにより実施形態のキッチンカウンターを安価に製造できる。
【0032】
溶射セラミック皮膜10cの色と樹脂構造体の色及び/又はセラミック下地層10aの色とを同系色とするためには、例えば、以下のようにすればよい。溶射セラミック皮膜10cの溶射材料として、例えば、茶系色のジルコニア、ジルコン、緑色の酸化クロム、濃紺色の酸化コバルト等、又はそれらの混合物を用いて所望の色相の溶射セラミック皮膜を形成することができる。また、溶射セラミック皮膜10cに比較して充填密度の低いセラミック層からなるセラミック下地層10aは、例えば、溶射セラミック皮膜10cと同様の材料を用いてセラミック層を形成する。これにより、溶射セラミック皮膜10cと同系色のセラミック下地層10aを形成することができる。また、セラミック粒子を分散させた樹脂層を用いたセラミック下地層10aの色は、セラミック粒子として溶射セラミック皮膜10cと同様の材料を用い、さらに樹脂材料として後述の樹脂構造体の色相を調整する顔料を用いて所望の色に調整できる。
【0033】
樹脂構造体10は、数多くある公知の無機顔料又は有機顔料から適宜に選択して成形樹脂に含有させることにより所望の色の樹脂構造体を作製することができる。無機顔料としては、カーボンブラック,酸化チタンなど、有機顔料としては、アゾ顔料や多環顔料が使用可能である。
【0034】
本発明では、さらに、実施形態のキッチンカウンターにおいて、溶射セラミック皮膜10cと樹脂構造体及び/又はセラミック下地層10aとは、色の明るさである明度の差が小さいことが好ましい。具体的には、溶射セラミック皮膜10cと樹脂構造体及び/又はセラミック下地層10aとの明度差は、色の明るさを0〜10の明度で表したときに、明度の差が2以下であることが好ましい。より好ましくは、溶射セラミック皮膜10cと樹脂構造体及び/又はセラミック下地層10aとの明度差は、色の明るさを0〜10の明度で表したときに、明度の差が1以下である。このようにすると、樹脂構造体及び/又はセラミック下地層10aの明度の影響を小さくし、実質的に溶射セラミック皮膜10cの明度のみにより、樹脂成形体の表面の明度を設定できる。これにより、樹脂成形体の表面の明度の製造バラツキを小さくできる。また、樹脂構造体及び/又はセラミック下地層10aの明度の影響を小さく抑えつつ溶射セラミック皮膜10cを薄くすることが可能になり、溶射時間が短縮できる。これにより実施形態のキッチンカウンターを安価に製造できる。
【0035】
溶射セラミック皮膜10cの明度は、例えば、上記溶射材料から適宜選択し、単独又は複数の溶射材料の混合割合を調整して溶射することにより調整できる。溶射セラミック皮膜10cに比較して充填密度の低いセラミック層からなるセラミック下地層10aの明度は、例えば、溶射セラミック皮膜10cと同様にしてセラミック層を形成する。これにより、溶射セラミック皮膜10cとの明度差が小さいセラミック下地層10aを形成することができる。また、セラミック粒子を添加分散させた樹脂層を用いたセラミック下地層10aの明度は、セラミック粒子として溶射セラミック皮膜10cと同様の材料を用い、さらに樹脂材料として色相を調整する顔料の含有量を調整して明度を調整することができる。
【0036】
樹脂構造体の明度は、成形樹脂に含有させる顔料の混合比及び含有量を調整することにより調整できる。
【0037】
溶射セラミック皮膜10cを無彩色とする場合には、例えば、ホワイトアルミナとチタニアとの混合比を調整した溶射材料を用いて溶射セラミック皮膜を形成することにより明度を調整することができる。例えば、ホワイトアルミナのみを溶射材料として用いて溶射セラミック皮膜を形成すると、明度がほぼ10になる。例えば、チタニアのみを溶射材料として用いて溶射セラミック皮膜を形成すると、明度がほぼ0になる。
【0038】
充填密度の低いセラミック層からなるセラミック下地層10aを無彩色とする場合は、溶射セラミック皮膜10cと同様に、例えば、ホワイトアルミナとチタニアとの混合比を調整した溶射材料を用いて明度を調整することができる。セラミック粒子を分散させた樹脂層であるセラミック下地層10aの明度は、セラミック粒子をホワイトアルミナとチタニアとしその混合比を調整することにより調整することができる。また、セラミック下地層10aの明度は、ホワイトアルミナとチタニアとしその混合比を調整することに代え又は加えて樹脂に含有させる顔料である酸化チタンとカーボンブラックの混合比及び含有量を調整することにより調整できることもできる。
【0039】
無彩色である樹脂構造体の明度は、成形樹脂に含有させる顔料である酸化チタンとカーボンブラックの混合比及び含有量を調整することにより調整できる。ここで、酸化チタンは白色顔料であり、カーボンブラックは黒色顔料である。
【0040】
またさらに、本発明では、溶射セラミック皮膜の間隙部に含ませる樹脂の色と溶射セラミック皮膜の色とは、色相環における中心からの方向のなす角度が60度以内の同系色であることが好ましい。溶射セラミック皮膜の間隙部に含ませる樹脂の色は、樹脂成形体と同様、注入する樹脂の色は、数多くある公知の無機顔料又は有機顔料から適宜に選択して注入樹脂に含有させることにより所望の色に調整できる。溶射セラミック皮膜の色は、上述したように調整できる。溶射セラミック皮膜の間隙部に含ませる樹脂の明度と溶射セラミック皮膜の明度とは、色の明るさを0〜10の明度で表したときに、明度の差が2以下であることが好ましい。
【符号の説明】
【0041】
1 キッチンカウンター
7 溶射ガン
10 樹脂構造体
10a セラミック下地層
10c,10c1,10c2,10c3,104c 溶射セラミック皮膜
11 カウンター
12 シンク
101 主要部
102 第1リブ
103 第2リブ
104 シンク構造部
120 樹脂

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