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公開番号2020179983
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201105
出願番号2019084709
出願日20190425
発明の名称帯状ワーク供給装置
出願人株式会社日立パワーソリューションズ
代理人特許業務法人磯野国際特許商標事務所
主分類B65H 20/32 20060101AFI20201009BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】簡単な構成で帯状ワークを高速に供給できるようにする。
【解決手段】帯状ワーク供給装置100は、帯状ワーク10を滞留させるエアダンサ20と、需要側設備200における帯状ワーク10の単位時間当たりの需要量に応じて、エアダンサ20における帯状ワーク10の最大滞留量と最小滞留量とを設定する機能54と、最大滞留量と最小滞留量との間に近づくように、帯状ワーク10の滞留量を制御する機能56と、を有する管理装置50と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
帯状ワークを滞留させるエアダンサと、
需要側設備における前記帯状ワークの単位時間当たりの需要量に応じて、前記エアダンサにおける前記帯状ワークの最大滞留量と最小滞留量とを設定する機能と、前記最大滞留量と前記最小滞留量との間に近づくように、前記帯状ワークの滞留量を制御する機能と、を有する管理装置と、を備える
ことを特徴とする帯状ワーク供給装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記エアダンサの所定の第1の高さ位置範囲内に設けられた一または複数の第1のセンサと、
前記エアダンサの前記第1の高さ位置範囲よりも低い第2の高さ位置範囲内に設けられた一または複数の第2のセンサと、
を有するセンサ部をさらに備え、
前記管理装置は、前記帯状ワークの最下端部の位置が一の前記第1のセンサの第1の検出位置であるときの前記滞留量を前記最小滞留量に対応付け、前記最下端部の位置が一の前記第2のセンサの第2の検出位置であるときの前記滞留量を前記最大滞留量に対応付け、前記滞留量を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項3】
前記エアダンサに前記帯状ワークを供給する供給装置をさらに備え、
前記管理装置は、前記第1および第2の検出位置と、前記最下端部との位置関係を前記第1および第2のセンサから取得し、前記最下端部が前記第1の検出位置よりも高くなると、前記供給装置による前記帯状ワークの供給速度を増加させ、前記最下端部が前記第2の検出位置以下になると、前記供給速度を減少させる
ことを特徴とする請求項2に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項4】
前記センサ部は、前記エアダンサの前記第2の高さ位置範囲よりもさらに低い位置に設けられた第3のセンサをさらに有し、
前記管理装置は、前記第3のセンサが前記帯状ワークを検出すると、前記供給装置を停止させる
ことを特徴とする請求項3に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項5】
前記エアダンサは、頂面を開口した略中空直方体状の形状を有し、前記供給装置に対向する第1の側壁と、前記需要側設備に対向する第2の側壁と、を備え、
前記第1のセンサは、前記第1および第2の側壁の一方に設けられた第1の送信部と、前記第1および第2の側壁の他方に設けられた第1の受信部と、を備え、
前記第2のセンサは、前記第1および第2の側壁の一方に設けられた第2の送信部と、前記第1および第2の側壁の他方に設けられた第2の受信部と、を備え、
前記第3のセンサは、前記第1および第2の側壁の一方に設けられた第3の送信部と、前記第1および第2の側壁の他方に設けられた第3の受信部と、を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項6】
前記供給装置は、前記帯状ワークを巻回した送出ロールと、前記送出ロールにおける前記帯状ワークの残留量を検知する第4のセンサと、を備え、
前記管理装置は、前記第4のセンサの検出結果に応じて、前記送出ロールの回転速度を変化させつつ、前記供給装置に前記帯状ワークを送出させる
ことを特徴とする請求項5に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記第1のセンサが前記帯状ワークを検出し、前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの双方が前記帯状ワークを検出していない場合は、前記供給速度を所定範囲に保持するように、前記第4のセンサによって取得した前記残留量に応じて前記送出ロールの回転速度を制御する機能と、
前記最下端部が前記第1の検出位置よりも高くなると、前記送出ロールの回転速度を加速する機能と、
前記最下端部が前記第2の検出位置以下になると、前記送出ロールの回転速度を減速する機能と、
前記第3のセンサが前記帯状ワークを検出すると、前記送出ロールの回転を停止する機能と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項8】
前記エアダンサは、
前記第1および第2の側壁から内側に向かって突出し、前記帯状ワークに頂部が接触し得る突起状構造物と、
前記エアダンサの内部の空気を排出する一または複数の排気口を形成した底板と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項5に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項9】
前記突起状構造物は、所定の突出長を有する柱状構造物、円錐構造物、多角錐構造物、またはこれらの組み合わせである
ことを特徴とする請求項8に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項10】
前記第1および第2の側壁は、それぞれ、同一形状で同一員数の複数の前記突起状構造物を備えるものであり、
複数の前記突起状構造物は、所定の間隔で前記第1および第2の側壁の表面に配置されている
ことを特徴とする請求項8に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項11】
前記突起状構造物の全ての前記頂部が、所定の曲率を有する曲面形状を有しており、前記頂部が前記帯状ワークに接触し得るように構成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項12】
空気流路を介して前記排気口に接続された排気装置をさらに有し、
前記管理装置は、前記排気装置を制御することによって前記排気口に付与する吸引力を制御することにより、前記帯状ワークに所定範囲の張力を付与する機能を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の帯状ワーク供給装置。
【請求項13】
帯状ワークの搬送経路に沿って、相互に対向するように設けられた第1および第2の側壁と、
前記第1および第2の側壁の対向面に形成された複数の突起状構造物と、
を備えることを特徴とするエアダンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状ワーク供給装置およびエアダンサに関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
Lib(リチウムイオン二次電池、lithium-ion rechargeable battery)等の積層型電池は、セパレータを介して、正極板と負極板とを交互に積層して生産される。ここで、セパレータとは、微多孔膜状に形成された絶縁物である。Lib等の製造装置においては、セパレータに付与される張力を所定範囲内に保つことが求められ、そのために、セパレータに張力を付与しつつセパレータを滞留させるエアダンサが用いられることが多い。このような積層型電池の製造方法について、下記特許文献1の請求項1には、「帯状のセパレータをつづら折り機構を介してテーブル上でつづら折りし、つづら折りによりセパレータが折り返されるたびに、折り返されたセパレータ上に正極板及び負極板を正極板供給機構及び負極板供給機構を介して交互に供給して、セパレータを介在させた状態で正極板と負極板をテーブル上で交互に積層する工程を含む積層型電池製造方法において、…」と記載されている。
【0003】
また、下記特許文献2の請求項1には、「帯状ワークにエア圧によって張力を与えるエアダンサーであって、帯状ワークを収容させるダンサケースと、帯状ワークにエア圧を与えることにより、帯状ワークを湾曲させて前記ダンサケースに収容し帯状ワークに張力を付与する張力付与手段と、を備え、前記ダンサケースには、帯状ワークが前記ダンサケースに収容された際、帯状ワークにエアを噴出することにより、帯状ワークとダンサケースとが接触するのを防止するエア噴出部が設けられており、前記エア噴出部は、エアを噴出するエア噴出孔を複数有しており、このエア噴出孔から噴出されるエアは、前記ダンサケースの開口部側に配置されるエア噴出孔よりも底面部側に配置されるエア噴出孔の方が強く噴出されるように設定されていることを特徴とするエアダンサー。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5806693号公報
特許第5885335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、Libの需要量が急拡大してきており、その生産工程の高速化が要望されている。これにより、セパレータ等、帯状ワークの供給速度についても、例えば、1000mm/sec以上や1500mm/sec等、高速化が要求されている。ここで、エアダンサの内部に帯状ワークに接触するローラを設けると、供給速度の高速化に伴って、帯状ワークに過大な力がかかりやすくなるため、エアダンサの内部にはローラを設けないことが好ましい。一方、帯状ワークが静電気を帯びやすい場合には、帯状ワークがエアダンサの側壁に張り付かないようにすることが望まれている。上述した特許文献2の構成では、エア噴出孔を複数設け、エア噴出孔の位置によって噴出の強さを異ならせているが、これではエアダンサの構造が複雑になり、エアダンサが大型、高価になるという問題が生じる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で帯状ワークを高速に供給できる帯状ワーク供給装置およびエアダンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の帯状ワーク供給装置は、帯状ワークを滞留させるエアダンサと、需要側設備における前記帯状ワークの単位時間当たりの需要量に応じて、前記エアダンサにおける前記帯状ワークの最大滞留量と最小滞留量とを設定する機能と、前記最大滞留量と前記最小滞留量との間に近づくように、前記帯状ワークの滞留量を制御する機能と、を有する管理装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構成で帯状ワークを高速に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態による帯状ワーク供給装置の模式図である。
本実施形態の要部の一部切欠斜視図である。
本実施形態の他の要部の拡大図である。
変形例による内面板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〈実施形態の構成および動作〉
図1は、本発明の一実施形態による帯状ワーク供給装置100の模式図である。
帯状ワーク供給装置100は、帯状ワーク10に所定範囲の張力を付与しつつ、帯状ワーク10を需要側設備200に供給するものである。需要側設備200としては、例えば特許文献1に示された積層型電池製造装置を適用することができる。その場合、帯状ワーク10としては、電池用のセパレータを適用することができる。
【0010】
需要側設備200における帯状ワーク10の単位時間当たりの需要量を「需要速度」と呼ぶ。需要速度の平均値は、例えば「1000mm/sec」、「1500mm/sec」等の値になる。但し、需要側設備200が帯状ワーク10をつづら折りする場合には、例えば特許文献1に示されている様々な工程に応じて、1秒間に複数回の周期で、需要速度は変動する。
【0011】
帯状ワーク供給装置100は、エアダンサ20と、センサ部30と、ローラ42,44と、管理装置50と、排気装置60と、供給装置70と、を備えている。供給装置70は、送出ロール72と、ロール径センサ73(第4のセンサ)と、速度制御部76と、を備えている。ここで、速度制御部76は、例えば、モータ、サーボドライバ、インバータ等を備えている。
【0012】
送出ロール72は、帯状ワーク10をロール芯72aに巻回したものである。速度制御部76においてインバータおよびモータを使用した場合、当該インバータは、管理装置50によって指令された周波数の交流電圧を生成する。また、モータは、該交流電圧に同期した速度で送出ロール72を回転させる。ロール径センサ73は、送出ロール72の半径R(残留量)を計測する。この半径Rは、送出ロール72における帯状ワーク10の残留量に対応する。上記構成により、供給装置70は、ローラ44、エアダンサ20、およびローラ42を順次介して、帯状ワーク10を需要側設備200に供給する。
【0013】
エアダンサ20は、頂面を開口した略中空直方体状の形状を有し、共に略長方形板状に形成され、相互に対向する側壁22R(第1の側壁)および側壁22F(第2の側壁)を有している。側壁22R,22Fは樹脂によって形成されており、これらの内面すなわち対向面には、各々内面板24R,24Fが装着されている。内面板24R,24Fは、例えば金属板を折り曲げて形成されている。そして、内面板24R,24Fには、複数の突起部26R,26Fが各々形成されている。
【0014】
ここで、側壁22R,22Fは、それぞれ、同一形状で同一員数の複数の突起部26R,26F(突起状構造物)を備える。これにより、エアダンサ20内部の気流のバランスを維持しつつ、帯状ワーク10の撓み形状をコントロールできる。エアダンサ20の底板29には、上下方向に貫通する一または複数の排気口27が形成されている。排気口27からエアダンサ20の空気が排出されると、エアダンサ20の内部に負圧が生じ、図示のように、帯状ワーク10が略U字状に撓む。
【0015】
センサ部30は、レーザ光などの光センサであって、複数のセンサ32(第1のセンサ),34,35,36(第2のセンサ),38(第3のセンサ)を備えている。これらセンサ32,34〜36が設置されている高さを、各々設置位置h32(第1の検出位置),h34,h35,h36(第2の検出位置),h38と呼ぶ。これらセンサ32,34〜36,38は、側壁22F側に設けられレーザ光などを送信する送信部32A(第1の送信部),34A,35A,36A(第2の送信部),38A(第3の送信部)と、側壁22R側に設けられこれらレーザ光などを各々受信する受信部32B(第1の受信部),34B,35B,36B(第2の受信部),38B(第3の受信部)と、をそれぞれ対向する位置に配置している。
【0016】
センサ32,34〜36は、それぞれ、エアダンサ20の内部における帯状ワーク10の最下端部12が設置位置h32,h34〜h36よりも高くなると、レーザ光が導通しオン信号を出力する。一方、センサ32,34〜36は、最下端部12が設置位置h32,h34〜h36以下に位置するときに、レーザ光が遮断されオフ信号を出力する。センサ38もセンサ32,34〜36と同様に動作するが、センサ38は、帯状ワーク10が切断された際にその旨を検出するために設けられている。
【0017】
排気装置60は、流量計62と、空気流路64と、ブロワ66と、ブロワモータ68と、インバータ69と、を備えている。ブロワ66は、空気流路64および流量計62を介して、エアダンサ20の排気口27に結合されており、排気口27からエアダンサ20内の空気を排気する。
【0018】
インバータ69は、管理装置50によって指令された周波数の交流電圧を生成する。ブロワモータ68は、該交流電圧に同期した速度でブロワ66を回転させる。また、流量計62は、空気流路64を流れる空気流量を計測し、計測した空気流量を管理装置50に通知する。
【0019】
管理装置50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、記憶装置(HDD(Hard Disk Drive)等)、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、記憶装置には、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。図1において、管理装置50の内部は、アプリケーションプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
【0020】
すなわち、管理装置50は、需要速度検出部52と、滞留量設定部54と、供給速度設定部56と、排気制御部58と、を備えている。需要速度検出部52は、需要側設備200の状態、例えばつづら折りの工程を検出し、検出した状態に応じて現在の需要速度を検出する。また、供給装置70が送出する帯状ワーク10の速度を「供給速度」と呼ぶ。供給速度は、需要速度の平均値と略等しい。そして、供給速度と、現在の需要速度との差は、エアダンサ20における帯状ワーク10の滞留量の変化として現れる。
【0021】
滞留量設定部54は、現在の需要速度に基づいて、エアダンサ20における帯状ワーク10の最大滞留量と最小滞留量とを設定する。本実施形態においては、最大滞留量および最小滞留量は、帯状ワーク10の最下端部12の位置に基づいて設定される。すなわち、最大滞留量は、設置位置h34,h35,h36のうち何れかから選択される。
【0022】
また、最小滞留量は、最大滞留量に係る位置よりも高い位置であって、設置位置h32,h34,h35のうち何れかから選択される。そこで、設置位置の範囲h35〜h32を第1の高さ位置範囲と呼び、範囲h36〜h34を第2の高さ位置範囲と呼ぶ。また、滞留量設定部54は、最小滞留量および最大滞留量に応じて、センサ32,34〜36の機能を、「第1のセンサ」および「第2のセンサ」に分類する。
【0023】
ここで「第1のセンサ」とは、帯状ワーク10の最下端部12が対応する設置位置よりも上になると、滞留量設定部54が帯状ワーク10の供給速度を増加させるセンサである。また、「第2のセンサ」とは、帯状ワーク10の最下端部12が対応する設置位置以下になると、滞留量設定部54が帯状ワーク10の供給速度を減少させるセンサである。センサ32は、現在の需要速度に関わらず常に「第1のセンサ」に分類され、センサ36は、現在の需要速度に関わらず常に「第2のセンサ」に分類される。一方、センサ34,35は、現在の需要速度に応じて、第1のセンサに分類される場合もあれば、第2のセンサに分類される場合もある。上述したように、需要速度は1秒間に複数回の周期で変動するため、センサ34,35の分類も、その周期で変動する。
【0024】
また、供給速度設定部56は、供給装置70における帯状ワーク10の供給速度を制御する。より詳細には、供給速度設定部56は、需要速度の平均値を、供給速度の初期値に設定する。そして、供給速度設定部56は、現在設定されている供給速度と、送出ロール72の半径Rとに基づいて、送出ロール72の回転速度を算出し、この回転速度に同期する周波数を速度制御部76に指令する。
【0025】
速度制御部76においてインバータおよびモータを使用する場合、当該インバータは、指令された周波数の交流電圧を生成し、モータに印加する。これにより、送出ロール72は、設定された供給速度に応じた回転速度で回転する。但し、帯状ワーク10の最下端部12が現在の第1のセンサに係る高さ(例えばセンサ32に係る設置位置h32)よりも高くなると、供給速度設定部56は帯状ワーク10の供給速度を増加させる。
【0026】
一方、帯状ワーク10の最下端部12が現在の第2のセンサに係る高さ(例えばセンサ36に係る設置位置h36)以下になると、供給速度設定部56は帯状ワーク10の供給速度を減少させる。これにより、エアダンサ20における帯状ワーク10の滞留量は、概ね最大滞留量と最小滞留量との間に保たれる。また、帯状ワーク10が破断すると、センサ38が帯状ワーク10を検出する。この場合、供給速度設定部56は、センサ38の検出信号に基づいて、送出ロール72を停止させる。
【0027】
排気制御部58は、流量計62が計測した空気流量が、所定値に近づくように、ブロワモータ68の回転速度を制御する。換言すれば、排気制御部58は、排気装置60を制御することによって、排気口27に付与する吸引力を制御し、これによって帯状ワーク10に対して、所定範囲内の張力を付与する。
【0028】
図2は、本実施形態の要部の一部切欠斜視図である。
図2において、エアダンサ20の側壁22Fには、2枚の内面板24Fが左右方向に沿って装着されている。また、図示を省略するが、側壁22Rにも、内面板24Fと同様に、2枚の内面板24Rが左右方向に沿って装着されている。また、側壁22Rの前面中央部には、長方形板状のセンサ板28が上下方向に沿って装着されており、ここにセンサ32,34〜36,38(図1参照)の受信部32B,34B〜36B,38Bが装着されている。また、図示を省略するが、側壁22Fの後面中央部には、センサ板28と同様に形成されたセンサ板が上下方向に沿って装着されており、送信部32A,34A〜36A,38A(図1参照)が装着されている。
【0029】
これにより、送信部32A,34A〜36A,38Aから送信されたレーザ光は、帯状ワーク10によって遮断されなければ、2枚の内面板24Fの間と、2枚の内面板24Rの間と、を介して、対応する受信部32B,34B〜36B,38Bに到達する。また、エアダンサ20の左右幅は、帯状ワーク10の左右幅の約2倍程度の幅まで持たせられるような構造とするが、実際は用途に合わせて設定しており、帯状ワーク10の端部と、エアダンサ20の側壁22Sとの間には、図示のように、幅L1の空隙が形成されている。
【0030】
図3は、図1における要部IIIの拡大図である。
内面板24Rにおいて、突起部26Rは、上下方向に沿って所定の間隔L2毎に形成されている。突起部26Rは、内面板24Rからθ=90°の角度をなすように立ち上がり、その頂部は半円筒状になっている。換言すれば、突起部26R,26Fの全てが、所定の曲率を有する曲面の頂部を備え、これら頂部が帯状ワーク10に接触し得るように構成されている。突起部26Rが、内面板24Rに対して成す角度θは、必ずしも90°でなくてもよい。しかし、角度θは直角または鈍角にすることが好ましい。その理由は、角度θを鋭角にすると、突起部26Rの立ち上がり部分に負圧が生じ、ここに帯状ワーク10を吸着してしまう可能性が生じるためである。
【0031】
また、突起部26Rの間隔L2は、1mm以上、100mm以下の範囲にすることが好ましい。間隔L2を1mm未満にすると、内面板24Rの製造が煩雑になり、間隔L2を100mmよりも大きくすると、突起部26Rの間に帯状ワーク10が張り付く可能性が大きくなるためである。また、内面板24Rの製造をさらに容易にし、帯状ワーク10が張り付く可能性をさらに小さくするために、所定間隔L2を10mm以上50mm以下にすると、一層好ましい。
【0032】
また、内面板24Rからの突起部26Rの突出長L3は、1mm以上、100mm以下の範囲にすることが好ましい。突出長L3を1mm未満にすると、帯状ワーク10が内面板24Rに張り付きやすくなり、突出長L3を100mmよりも大きくすると、エアダンサ20(図2参照)の製造が煩雑になるためである。また、エアダンサ20の製造をさらに容易にし、帯状ワーク10が張り付く可能性をさらに小さくするために、突出長L3を5mm以上30mm以下にすると、一層好ましい。以上、内面板24Rおよび突起部26Rの形状について詳述したが、内面板24Fおよび突起部26Fも、これと対称を成すように形成されている(図2参照)。
【0033】
〈変形例〉
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記実施形態の構成に他の構成を追加してもよく、構成の一部について他の構成に置換をすることも可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0034】
(1)上記実施形態において、突起部26R,26F(図2、図3参照)は、内面板24R,24Fの表面に左右方向に沿って形成されていたが、突起部の形成方法は、これに限定されるわけではない。図4は、上記実施形態の変形例による内面板24Rの斜視図である。本変形例においては、突起部26Rに代えて、複数の突起部80が形成されている。なお、内面板24Fも、図示の内面板24Rと同様に形成される。
【0035】
図4において、各突起部80は、略円柱状に形成された円柱部82と、円柱部82の先端に形成された半球状の半球部84と、を備えている。なお、円柱部82は、六角柱、四角柱状に形成してもよく、円錐状、角錐状に形成してもよい。また、突起部80は、上述した以外の柱状構造物、円錐構造物、多角錐構造物、またはこれらの組み合わせであってもよい。これらの構成においても、突起部80が帯状ワーク10に適宜接触することにより、帯状ワーク10が内面板24Rに張り付くことを防止できる。
【0036】
(2)上記実施形態においては、本発明を電池用のセパレータに適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の帯状ワークの取扱いに適用することができる。
【0037】
〈実施形態の効果〉
以上のように本実施形態の帯状ワーク供給装置(100)は、帯状ワーク(10)を滞留させるエアダンサ(20)と、需要側設備(200)における帯状ワーク(10)の単位時間当たりの需要量に応じて、エアダンサ(20)における帯状ワーク(10)の最大滞留量と最小滞留量とを設定する機能(54)と、最大滞留量と最小滞留量との間に近づくように、帯状ワーク(10)の滞留量を制御する機能(56)と、を有する管理装置(50)と、を備える。これにより、帯状ワーク(10)の単位時間当たりの需要量に応じて滞留量を適切に制御することができ、簡単な構成で帯状ワーク(10)を高速に供給できる。
【0038】
また、帯状ワーク供給装置(100)は、エアダンサ(20)の所定の第1の高さ位置範囲(h35〜h32)内に設けられた一または複数の第1のセンサ(32)と、エアダンサ(20)の第1の高さ位置範囲(h35〜h32)よりも低い第2の高さ位置範囲(h36〜h34)内に設けられた一または複数の第2のセンサ(36)と、を有するセンサ部(30)をさらに備え、管理装置(50)は、帯状ワーク(10)の最下端部(12)の位置が一の第1のセンサ(32)の第1の検出位置(h32)であるときの滞留量を最小滞留量に対応付け、最下端部(12)の位置が一の第2のセンサ(36)の第2の検出位置(h36)であるときの滞留量を最大滞留量に対応付け、滞留量を制御する。
また、管理装置(50)は、第1および第2の検出位置(h32,h36)と、最下端部(12)との位置関係を第1および第2のセンサ(32,36)から取得し、最下端部(12)が第1の検出位置(h32)よりも高くなると、供給装置(70)による帯状ワーク(10)の供給速度を増加させ、最下端部(12)が第2の検出位置(h36)以下になると、供給速度を減少させる。
これらの特徴により、第1の高さ位置範囲(h35〜h32)および第2の高さ位置範囲(h36〜h34)に基づいて帯状ワーク(10)の滞留量を制御できるため、滞留量を一層簡易に制御することができる。
【0039】
また、センサ部(30)は、エアダンサ(20)の第2の高さ位置範囲(h36〜h34)よりもさらに低い位置に設けられた第3のセンサ(38)をさらに有し、管理装置(50)は、第3のセンサ(38)が帯状ワーク(10)を検出すると、供給装置(70)を停止させる。
また、エアダンサ(20)は、頂面を開口した略中空直方体状の形状を有し、供給装置(70)に対向する第1の側壁(22R)と、需要側設備(200)に対向する第2の側壁(22F)と、を備え、第1のセンサ(32)は、第1および第2の側壁(22R,22F)の一方に設けられた第1の送信部(32A)と、第1および第2の側壁(22R,22F)の他方に設けられた第1の受信部(32B)と、を備え、第2のセンサ(36)は、第1および第2の側壁(22R,22F)の一方に設けられた第2の送信部(36A)と、第1および第2の側壁(22R,22F)の他方に設けられた第2の受信部(36B)と、を備え、第3のセンサ(38)は、第1および第2の側壁(22R,22F)の一方に設けられた第3の送信部(38A)と、第1および第2の側壁(22R,22F)の他方に設けられた第3の受信部(38B)と、を備える。
これにより、帯状ワーク(10)が破断した際、その旨を第3のセンサ(38)によって検出でき、供給装置(70)を停止させることができる。
【0040】
また、供給装置(70)は、帯状ワーク(10)を巻回した送出ロール(72)と、送出ロール(72)における帯状ワーク(10)の残留量(R)を検知する第4のセンサ(73)と、を備え、管理装置(50)は、第4のセンサ(73)の検出結果に応じて、送出ロール(72)の回転速度を変化させつつ、供給装置(70)に帯状ワーク(10)を送出させる。
また、管理装置(50)は、第1のセンサ(32)が帯状ワーク(10)を検出し、第2のセンサ(36)および第3のセンサ(38)の双方が帯状ワーク(10)を検出していない場合は、供給速度を所定範囲に保持するように、第4のセンサ(73)によって取得した残留量(R)に応じて送出ロール(72)の回転速度を制御する機能と、最下端部(12)が第1の検出位置(h32)よりも高くなると、送出ロール(72)の回転速度を加速する機能と、最下端部(12)が第2の検出位置(h36)以下になると、送出ロール(72)の回転速度を減速する機能と、第3のセンサ(38)が帯状ワーク(10)を検出すると、送出ロール(72)の回転を停止する機能と、を備える。
このように、残留量(R)に基づいて、送出ロール(72)の回転速度を制御することにより、帯状ワーク(10)の残留量(R)を一層簡易に制御することができる。
【0041】
また、エアダンサ(20)は、第1および第2の側壁(22R,22F)から内側に向かって突出し、帯状ワーク(10)に頂部が接触し得る突起状構造物(26R,26F)と、エアダンサ(20)の内部の空気を排出する一または複数の排気口(27)を形成した底板(29)と、をさらに備える。
このように、帯状ワーク(10)に接触し得る突起状構造物(26R,26F)を設けたことにより、帯状ワーク(10)が第1および第2の側壁(22R,22F)に張り付くような事態を防止することができる。
【0042】
また、突起状構造物(26R,26F)は、所定の突出長(L3)を有する柱状構造物、円錐構造物、多角錐構造物、またはこれらの組み合わせであり、第1および第2の側壁(22R,22F)は、それぞれ、同一形状で同一員数の複数の突起状構造物(26R,26F)を備えるものであり、複数の突起状構造物(26R,26F)は、所定の間隔(L2)で第1および第2の側壁(22R,22F)の表面に配置されている。これにより、エアダンサ(20)内部の気流のバランスを維持しつつ、帯状ワーク(10)の撓み形状をコントロールできる。
【0043】
また、突起状構造物(26R,26F)の全ての頂部が、所定の曲率を有する曲面形状を有しており、頂部が帯状ワーク(10)に接触し得るように構成されている。これにより、突起状構造物(26R,26F)が帯状ワーク(10)を傷つけるような事態を防止できる。
【0044】
また、帯状ワーク供給装置(100)は、空気流路(64)を介して排気口(27)に接続された排気装置(60)をさらに有し、管理装置(50)は、排気装置(60)を制御することによって排気口(27)に付与する吸引力を制御することにより、帯状ワーク(10)に所定範囲の張力を付与する機能を備える。これにより、帯状ワーク(10)に適切な張力を付与することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 帯状ワーク
12 最下端部
20 エアダンサ
22R 側壁(第1の側壁)
22F 側壁(第2の側壁)
26R,26F 突起部(突起状構造物)
27 排気口
28 センサ板
29 底板
30 センサ部
32 センサ(第1のセンサ)
32A 送信部(第1の送信部)
32B 受信部(第1の受信部)
36 センサ(第2のセンサ)
36A 送信部(第2の送信部)
36B 受信部(第2の受信部)
38 センサ(第3のセンサ)
38A 送信部(第3の送信部)
38B 受信部(第3の受信部)
50 管理装置
60 排気装置
64 空気流路
70 供給装置
72 送出ロール
73 ロール径センサ(第4のセンサ)
100 帯状ワーク供給装置
200 需要側設備
L2 間隔
L3 突出長
R 半径(残留量)
h32 設置位置(第1の検出位置)
h36 設置位置(第2の検出位置)
h35〜h32 第1の高さ位置範囲
h36〜h34 第2の高さ位置範囲

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