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公開番号2020177173
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201029
出願番号2019080280
出願日20190419
発明の名称光トランシーバ
出願人住友電気工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G02B 6/42 20060101AFI20201002BHJP(光学)
要約【課題】放熱性を高めることができる光トランシーバを提供する。
【解決手段】光トランシーバ1は、パッケージ11bを有し、パッケージの内部で光信号及び電気信号の光電変換を行うTOSA11と、電気信号を処理する信号処理IC17を搭載する回路基板13と、内部空間2bを有し、内部空間にTOSA及び回路基板を収容する筐体2と、を備え、パッケージは、光電変換の際に生じる熱を放熱するための第1の放熱面11dを有し、信号処理ICは、電気信号を処理する際に生じる熱を放熱する第2の放熱面17aを有し、筐体は、筐体の外面から内部空間に達する開口2c,2dを有し、開口に係止すると共に、第1の放熱面及び第2の放熱面のいずれか一方に接触する金属製の放熱部材20を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
パッケージを有し、前記パッケージの内部で光信号及び電気信号の光電変換を行う光モジュールと、
前記電気信号を処理する信号処理ICを搭載する回路基板と、
内部空間を有し、前記内部空間に前記光モジュール及び前記回路基板を収容する筐体と、
を備え、
前記パッケージは、前記光電変換の際に生じる熱を放熱するための第1の放熱面を有し、
前記信号処理ICは、前記電気信号を処理する際に生じる熱を放熱する第2の放熱面を有し、
前記筐体は、前記筐体の外面から前記内部空間に達する開口を有し、
前記開口に係止すると共に、前記第1の放熱面及び前記第2の放熱面のいずれか一方に接触する金属製の放熱部材を備える、
光トランシーバ。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記放熱部材を前記筐体の前記開口に固定する固定部材を備える、
請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記固定部材は、前記開口の前記筐体の外面から前記内部空間に向かう方向と垂直な面に沿って前記放熱部材を囲むU字状とされている、
請求項2に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記放熱部材は、前記開口に係止されているときに前記筐体の内面に沿って前記固定部材が入り込む溝を有し、
前記固定部材は、前記溝に入り込んだ状態で前記筐体の内面に当接する凸部を有する、
請求項2または請求項3に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
前記放熱部材の材料が銅である、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光トランシーバ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、光トランシーバに関するものである。
続きを表示(約 15,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光通信用モジュールが記載されている。光通信用モジュールは、TOSAである光送信部と、ROSAである光受信部と、電気信号を処理する回路を搭載する回路基板と、光送信部、光受信部及び回路基板を収容する筐体と、を備える。光送信部及び光受信部は、筐体の幅方向に沿って並ぶように配置される。光送信部と筐体の内面との間、及び光受信部と筐体の内面との間、のそれぞれには、第1接続材、金属板及び第2接続材が介在しており、第1接続材及び第2接続材は共にシリコーングリースによって構成されている。このように、光送信部及び光受信部のそれぞれと筐体の内面との間に、第1接続材、金属板及び第2接続材が介在することにより、光送信部及び光受信部のそれぞれから筐体への熱的な接続を図っている。
【0003】
特許文献2には、筐体、光通信素子、放熱シート、回路基板及びグラファイトシートを備えた光通信モジュールが記載されている。光通信素子はTOSAである。光通信素子は半導体レーザと光出射部とを有し、半導体レーザは矩形箱状のパッケージに収容されている。光通信モジュールは3枚の放熱シートを備える。3枚の放熱シートは、パッケージの一方側の面と筐体の内面との間、パッケージの当該一方側の反対側の面と筐体の内面との間、及び回路基板と筐体の内面との間、のそれぞれに配置される。グラファイトシートは、パッケージと放熱シートの間から回路基板と放熱シートの間まで延び出しており、パッケージの熱を放熱シートを介して筐体に伝達するために設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011―215620号公報
特開2014―119712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光トランシーバは、光サブアセンブリと、外部のホストシステムと電気的に接続される電気プラグを有する回路基板と、光サブアセンブリ及び回路基板を収容する筐体とを備える。光サブアセンブリは、パッケージと、パッケージから延び出すスリーブとを有する。光サブアセンブリは発熱部品となりうるため、光サブアセンブリからの熱を放熱することが求められる。具体的には、光サブアセンブリは、光信号と電気信号の光電変換を行うために電力を消費してジュール熱を発生する。特に、電気信号から光信号を生成して光信号を送信する場合、パワーの大きな光信号を出力するためには、それだけ大きい電力を必要とする。前述した放熱シート等によれば、光サブアセンブリ等からの放熱経路を確保することは可能となる。
【0006】
しかしながら、特に近年、光トランシーバが扱う信号が高速化しており、信号の高速化に伴って出力する光パワーが更に大きくなっており、これに伴い消費電力が一層大きくなっている傾向がある。よって、光サブアセンブリは更に高温になりやすい傾向がある。また、回路基板に搭載される信号処理ICも信号の高速化に伴って消費電力が大きくなる傾向にある。よって、放熱が不十分な場合、光サブアセンブリ又は信号処理ICの温度が過度に上昇して安定した動作が得られなくなる懸念があるので、放熱性を更に高めることが求められる。
【0007】
本発明の一側面は、放熱性を高めることができる光トランシーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る光トランシーバは、パッケージを有し、パッケージの内部で光信号及び電気信号の光電変換を行う光モジュールと、電気信号を処理する信号処理ICを搭載する回路基板と、内部空間を有し、内部空間に光モジュール及び回路基板を収容する筐体と、を備え、パッケージは、光電変換の際に生じる熱を放熱するための第1の放熱面を有し、信号処理ICは、電気信号を処理する際に生じる熱を放熱する第2の放熱面を有し、筐体は、筐体の外面から内部空間に達する開口を有し、開口に係止すると共に、第1の放熱面及び第2の放熱面のいずれか一方に接触する金属製の放熱部材を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の種々の側面によれば、放熱性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る光トランシーバを示す斜視図である。
図2は、図1の光トランシーバの内部構造を示す斜視図である。
図3は、図1の光トランシーバの光サブアセンブリ、回路基板、信号処理IC、筐体及び放熱部材を示す側面図である。
図4は、図3の筐体の内面、放熱部材及び固定部材を示す斜視図である。
図5は、図3の放熱部材のうち光サブアセンブリ用の放熱部材を示す斜視図である。
図6は、図3の放熱部材のうち信号処理IC用の放熱部材を示す側面図である。
図7は、図3の固定部材のうち光サブアセンブリ用の固定部材を示す斜視図である。
図8は、図7の固定部材を図7とは異なる方向から見た斜視図である。
図9は、図3の固定部材のうち信号処理IC用の固定部材を示す斜視図である。
図10は、図9の固定部材を図9とは異なる方向から見た斜視図である。
図11は、図3の放熱部材を筐体に装着する前の状態を示す斜視図である。
図12は、筐体の内面に装着された光サブアセンブリ用の放熱部材に固定部材を挿し込む前の状態を示す斜視図である。
図13は、筐体の内面に装着された信号処理IC用の放熱部材に固定部材を挿し込む前の状態を示す斜視図である。
図14は、図13の放熱部材、固定部材及び筐体の断面を示す断面斜視図である。
図15は、図13の放熱部材、固定部材及び筐体の断面を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本願発明の一実施形態に係る光トランシーバは、パッケージを有し、パッケージの内部で光信号及び電気信号の光電変換を行う光モジュールと、電気信号を処理する信号処理ICを搭載する回路基板と、内部空間を有し、内部空間に光モジュール及び回路基板を収容する筐体と、を備え、パッケージは、光電変換の際に生じる熱を放熱するための第1の放熱面を有し、信号処理ICは、電気信号を処理する際に生じる熱を放熱する第2の放熱面を有し、筐体は、筐体の外面から内部空間に達する開口を有し、開口に係止すると共に、第1の放熱面及び第2の放熱面のいずれか一方に接触する金属製の放熱部材を備える。
【0012】
この光トランシーバでは、光モジュールが光信号及び電気信号の光電変換を行い、回路基板に搭載された信号処理ICが電気信号を処理する。筐体は、光モジュール及び回路基板を収容する内部空間と、光モジュールのパッケージに対向する開口とを有し、筐体の開口には金属製の放熱部材が係止される。筐体の開口に係止された放熱部材は光モジュールのパッケージの第1の放熱面に熱的に接触するので、パッケージからの熱は開口に係止された放熱部材を介して光トランシーバの外部に直接伝達する。従って、光トランシーバの筐体の開口に係止された放熱部材により、光モジュールのパッケージからの熱を光トランシーバの外部に直接伝達することができるので、光モジュールの放熱性を更に高めることができる。また、この光トランシーバでは、回路基板に搭載された信号処理ICが電気信号を処理する。筐体は、信号処理ICに対向する開口を有し、筐体の開口には金属製の放熱部材が係止される。筐体の開口に係止された放熱部材は信号処理ICの第2の放熱面に熱的に接触するので、信号処理ICからの熱は開口に係止された放熱部材を介して光トランシーバの外部に直接伝達する。従って、光トランシーバの筐体の開口に係止された放熱部材により、信号処理ICからの熱を光トランシーバの外部に直接伝達することができるので、信号処理ICの放熱性を更に高めることができる。
【0013】
また、前述した光トランシーバは、放熱部材を筐体の開口に固定する固定部材を備えてもよい。この場合、固定部材によって、開口に入り込んだ放熱部材を筐体の内部において固定することができる。
【0014】
また、固定部材は、開口の筐体の外面から内部空間に向かう方向と垂直な面に沿って放熱部材を囲むU字状とされていてもよい。この場合、U字状とされた固定部材が放熱部材を囲んで固定することにより、開口に係止された放熱部材を筐体に強固に固定することができる。
【0015】
また、放熱部材は、開口に係止されているときに筐体の内面に沿って固定部材が入り込む溝を有し、固定部材は、溝に入り込んだ状態で筐体の内面に当接する凸部を有してもよい。この場合、放熱部材を固定する固定部材は放熱部材の溝に入り込み、固定部材が放熱部材の溝に入り込んだ状態で固定部材の凸部が筐体の内面に当接する。よって、固定部材が放熱部材の溝に入り込んだ状態で凸部が筐体の内面に当接することにより、凸部の当接力の反力が溝部を介して放熱部材に伝達するので、この反力によって筐体からの放熱部材の抜けをより確実に抑制することができる。
【0016】
また、放熱部材の材料が銅であってもよい。この場合、熱伝導率が大きい銅によって放熱部材が構成されるため、光トランシーバの外部への放熱部材の排熱性能を高めることができる。
【0017】
[本願発明の実施形態の詳細]
本願発明の実施形態に係る光トランシーバの具体例を、以下で図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以降の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の範囲内における全ての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0018】
図1は、実施形態に係る光トランシーバ1を示す斜視図である。図2は、後述する筐体2を2点鎖線で示して光トランシーバ1の内部構造を示す斜視図である。光トランシーバ1は、例えば、QSFP28規格に準拠しており、全二重双方向光通信を行う。ここでいう規格は、例えば業界規格の一つであるMSA(Multi-Source Agreement)である。図1及び図2に示されるように、光トランシーバ1は、金属製の筐体2と、筐体2に係合するスライダ3と、筐体2の一端に位置する光レセプタクル4と、スライダ3から延び出すプルタブ5とを備える。
【0019】
筐体2は、光トランシーバ1の長手方向である方向D1に延びている。筐体2は、直方体状の形状を呈し、例えば、方向D1に垂直に延びる平面で筐体2を切断したときの筐体2の断面形状は長方形状である。光トランシーバ1は、方向D1に沿って、ホストシステム(通信装置)に設けられたケージに挿抜(挿入及び抜出)される。ケージ(不図示)は、筐体2と同様に、直方体状の形状を呈し、方向D1に長く延びている。ケージの内側は空洞になっており、この空洞に光トランシーバ1が収容可能となっている。ケージは、通信装置の外部に向かう開口を有し、光トランシーバ1をケージに挿入するときは、当該開口を介して光トランシーバ1がケージの内部に挿入される。ケージに収容されるのは、筐体2の部分であり、光レセプタクル4及びプルタブ5はケージの外に露出する。すなわち、光トランシーバ1をケージに挿入するときは、筐体2の長手方向である方向D1に沿って光レセプタクル4が設けられた一端と、当該一端の反対側に位置する他端がケージに近づくように移動する(他端はケージ内に収容される)。光トランシーバ1をケージから抜出(抜去)するときは、光レセプタクル4が設けられた筐体2の一端がケージから遠ざかるように移動する。
【0020】
スライダ3は、光レセプタクル4が設けられた筐体2の一端から方向D1に沿って延びている。光レセプタクル4は、外部の光コネクタを受容し、当該光コネクタを介して外部と光信号を送受する。プルタブ5は、例えば、樹脂製であり、可撓性を有する材料によって構成されている。プルタブ5を手で持ってプルタブ5をケージの反対側に引くことにより、ケージに対する光トランシーバ1の係合が解除されてホストシステムから光トランシーバ1を引き抜くことが可能となる。筐体2は、ケージの内部に設けられた電気コネクタに接続される電気プラグ6を、光レセプタクル4が設けられた一端の反対側に位置する他端に備える。すなわち、光トランシーバ1をケージに挿入するとき、電気プラグ6がケージの開口に挿入され、ケージの奥に設けられた電気コネクタに嵌合すると、光トランシーバ1はそれ以上は先に(奥に)進まなくなる。
【0021】
電気プラグ6が電気コネクタに嵌合すると、光トランシーバ1とホストシステムとが互いに電気的に接続される。例えば、電気プラグ6と電気コネクタは、それぞれ、電源端子とグランド端子とを備え、互いに電気的に接続されることによって光トランシーバ1はホストシステムから動作に必要な電力の供給を受ける。また、電気プラグ6と電気コネクタを介して、光トランシーバ1は、光信号への変換を行うための電気信号をホストシステムから受信し、外部から受信した光信号を電気信号に変換して変換した電気信号をホストシステムに送信する。また、光トランシーバ1とホストシステムとの間では光トランシーバ1の監視又は制御のための電気信号も通信される。
【0022】
電気プラグ6は、電気コネクタに電源電圧又は電気信号が印加された状態で電気コネクタと嵌合し抜去することが可能である。すなわち、光トランシーバ1は、活性挿抜可能(hot pluggable)となっている。光トランシーバ1は、ホストシステムに活性挿入されることによって電力の供給を受けて起動を開始する。光トランシーバ1の筐体2は上筐体7と下筐体8とを含んでおり、上筐体7と下筐体8の間にスライダ3が設けられる。上筐体7及び下筐体8は、例えば、ガスケットが介在した状態で複数のネジによって互いに接合される。なお、以下の説明では、光レセプタクル4側を「前」、電気プラグ6側を「後」、下筐体8から上筐体7を見た方向を「上」、上筐体7から下筐体8を見た方向を「下」と称し、「上下」を「高さ」と称することがある。
【0023】
筐体2の内部には、TOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)11と、ROSA(Receiver OpticalSub-Assembly)12と、前述した電気プラグ6が設けられると共にPHY−IC等の回路素子が実装された回路基板13と、リテーナ14と、FPC基板15,16とが収容される。TOSA11及びROSA12は、光トランシーバ1の幅方向である方向D2に沿って並置される光サブアセンブリ(光モジュール)である。リテーナ14は、例えば、導電性材料によって構成されている。TOSA11は、パッケージ11bと、パッケージ11bから延び出すスリーブ11cとを備える。パッケージ11bは直方体状を呈し、スリーブ11cはパッケージ11bの側面(前面)から円筒状に突出する。ROSA12は、パッケージ11b及びスリーブ11cと同様、パッケージ12b及びスリーブ12cを備える。スリーブ11cの前側、及びスリーブ12cの前側は、後方から光レセプタクル4の内部に向かって突出するように配置される。スリーブ11c及びスリーブ12cのそれぞれには光ファイバが挿入されており、当該光ファイバとTOSA11及びROSA12のそれぞれに搭載されている半導体デバイス(LD、PD等)とは光学調芯によって光学的に結合されている。スリーブ11c及びスリーブ12cは、共に、リテーナ14によって筐体2に固定される。
【0024】
TOSA11は、電気信号を光信号に変換する光電変換を行い、電気信号から変換された光信号を光レセプタクル4に外部から接続された光ファイバ(不図示)に送信する。ROSA12は、光レセプタクル4に外部から接続された光ファイバ(不図示)から光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換する光電変換を行う。TOSA11及びROSA12は、それぞれ光電変換を行う際に電力を消費し、ジュール熱を発生させる。特に、TOSA11は、光パワーが大きい光信号を生成するために比較的大きな電力を消費し、それに伴う発熱も大きくなる。そのため、TOSA11のパッケージ11bは、内部で発生する熱を放熱するための放熱面11dを有する。放熱面11dから効率よく放熱することでTOSA11の動作温度が過度に上昇することを防ぎ、正常に動作させることができる。言い換えると、放熱面11dは、TOSA11の動作時にパッケージ11bの表面において最も熱が集中する部分であり、高温となる部分となっている。
【0025】
回路基板13は、電気プラグ6がケージの内部の電気コネクタと嵌合するように筐体2に収容される。すなわち、電気プラグ6は、筐体2から外部に露出して配置されている。FPC基板15はTOSA11と回路基板13とを互いに電気的に接続し、FPC基板16はROSA12と回路基板13とを互いに電気的に接続する。ROSA12は、光トランシーバ1の外部から受信した光信号を電気信号に変換し、当該電気信号はFPC基板16を介して回路基板13に伝送される。回路基板13には、信号処理IC17が搭載されている。信号処理IC17は、当該電気信号に信号処理を施し、当該電気信号は電気プラグ6を介してホストシステムに出力される。一方、ホストシステムから回路基板13には電気プラグ6を介して送信用の電気信号が入力する。当該電気信号は、回路基板13が搭載する信号処理IC17によって処理された後、FPC基板15を介してTOSA11に伝送される。TOSA11は、この電気信号を光信号に変換した後、当該光信号を光トランシーバ1の外部に出力する。信号処理IC17は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)を含んでいる。また、信号処理IC17は、電気信号の波形を成形するCDR(Clock Data Recovery)であってもよく、PAM4信号を生成又は識別するICであってもよい。
【0026】
図3は、筐体2を2点鎖線として光トランシーバ1の内部構造を示した側面図である。図1、図2及び図3に示されるように、筐体2は、TOSA11、ROSA12、信号処理IC17が搭載された回路基板13、リテーナ14、FPC基板15,16を収容する内部空間2bと、内部空間2bに達する開口2c,2dとを有する。光トランシーバ1は、筐体2の開口2c,2dに挿入される放熱部材20を備える。放熱部材20は、TOSA11を放熱する第1放熱部材30、及び回路基板13に搭載された信号処理IC17を放熱する第2放熱部材40を含む。第1放熱部材30は開口2cに入り込むと共にTOSA11のパッケージ11bの第1の放熱面11dに熱的に接触し、第2放熱部材40は開口2dに入り込むと共に信号処理IC17の第2の放熱面17aに熱的に接触する。
【0027】
放熱部材20は、TOSA11及び信号処理IC17のそれぞれの排熱を行う金属部材である。筐体2の材料は、例えば、亜鉛であり、放熱部材20の材料は銅である。例えば、亜鉛の熱伝導率は112W/(m・K)以上且つ117W/(m・K)以下である。一方、銅の熱伝導率は亜鉛の熱伝導率よりも高く386W/(m・K)以上且つ402W/(m・K)以下である。このため、放熱部材20の材料が銅である場合、TOSA11及び信号処理IC17からの排熱をより効率的に行うことが可能である。但し、放熱部材20の材料は、例えば亜鉛等、銅以外のものであってもよく、熱伝導率が高い材料であれば適宜変更可能である。また、TOSA11と第1放熱部材30との間にはシート状の絶縁部材18が介在し、信号処理IC17と第2放熱部材40との間にも絶縁部材18と同様の絶縁部材19が介在している。絶縁部材18及び絶縁部材19のそれぞれは、例えば、ポリイミドテープ、又はフィラー入りシリコーン樹脂である。すなわち、絶縁部材18及び絶縁部材19のそれぞれの材料は、ポリイミド又はポリマー材料であってもよい。絶縁部材18がTOSA11と第1放熱部材30との間に介在し、絶縁部材19が信号処理IC17と第2放熱部材40との間に介在することにより、TOSA11と第1放熱部材30との間、及び信号処理IC17と第2放熱部材40との間の絶縁が確保される。
【0028】
図4は、上筐体7の内面7b、及び放熱部材20を示す斜視図である。図3及び図4に示されるように、光トランシーバ1は、放熱部材20を筐体2の開口2c,2dに固定する固定部材50を更に備える。固定部材50は、第1放熱部材30を開口2cに固定する第1固定部材60と、第2放熱部材40を開口2dに固定する第2固定部材70とを含む。例えば、第1放熱部材30は底面31が長円状とされた長円柱状とされており、第2放熱部材40は底面41が円形の円柱状とされている。第1放熱部材30の底面31(TOSA11の第1の放熱面11dに熱接触する面)はTOSA11のパッケージ11bの形状(長方形状)に沿う形状とされている。また、第2放熱部材40の底面41(信号処理IC17の第2の放熱面17aに熱接触する面)は信号処理IC17を覆う円形状とされている。第1固定部材60の形状、及び第2固定部材70の形状は、例えば、共にU字状とされている。第1固定部材60及び第2固定部材70のそれぞれは、第1放熱部材30及び第2放熱部材40のそれぞれの外周の一部を囲んだ状態で第1放熱部材30及び第2放熱部材40のそれぞれを内面7bに固定する。
【0029】
図5は、第1放熱部材30を示す斜視図である。図3及び図5に示されるように、第1放熱部材30は、筐体2の開口2cに挿入されると共に底面31を有する挿入部32と、挿入部32の底面31との反対側において拡径する拡径部33とを有する。挿入部32は、例えば、長円柱状とされており、前述した底面31と側面32bとを有する。第1放熱部材30は、挿入部32の側面32bに溝34を有し、溝34は挿入部32の周方向に沿って延在する。溝34は第1固定部材60が嵌まり込む部位であり、溝34に第1固定部材60が嵌まり込むことによって第1放熱部材30が開口2cに固定される。また、第1放熱部材30は、拡径部33において挿入部32から離れるに従って徐々に拡径するテーパ面35を有する。テーパ面35は開口2cを画成する傾斜面2fに密着する面であり、テーパ面35が傾斜面2fに密着することによって第1放熱部材30は開口2cを封止する。拡径部33の端面36(第1放熱部材30の底面31とは反対側の面)は、第1放熱部材30が開口2cを封止したときに筐体2の外面2gと面一になる。
【0030】
図6は、第2放熱部材40を示す側面図である。図3及び図6に示されるように、第2放熱部材40は、筐体2の開口2dに挿入されると共に底面41を有する挿入部42と、挿入部42の底面41との反対側において拡径する拡径部43とを有する。挿入部42は、例えば、円柱状とされており、底面41と側面42bとを有する。なお、挿入部42の高さは、前述した挿入部32の高さよりも高い。これは、筐体2の内面7bから信号処理IC17までの距離が、筐体2の内面7bからTOSA11までの距離よりも長いことに起因する。すなわち、内面7bからの距離が長い信号処理IC17を放熱する第2放熱部材40の高さは、内面7bからの距離が短いTOSA11を放熱する第1放熱部材30の高さよりも高い。第2放熱部材40は、前述した溝34と同様の溝44を有し、溝44に第2固定部材70が嵌まり込むことによって第2放熱部材40が開口2dに固定される。また、第2放熱部材40は、テーパ面35と同様のテーパ面45を有し、テーパ面45が開口2dを画成する傾斜面2hに密着することによって第2放熱部材40は開口2dを封止する。拡径部43の端面46は、前述した端面36と同様、第2放熱部材40が開口2dを封止したときに筐体2の外面2gと面一になる。
【0031】
図7は、第1固定部材60を示す斜視図である。図8は、第1固定部材60を図7とは反対側から見た斜視図である。図7及び図8に示されるように、第1固定部材60は、U字状を成す平板部61と、平板部61の外縁において平板部61の面外方向に突出するU字状の突出部62と、平板部61において突出部62と同一の方向に突出する凸部63とを備える。平板部61は、一対の直線部61bと、一対の直線部61bを互いに接続する湾曲部61cとを有し、凸部63は、一対の直線部61bのそれぞれに形成されている。各直線部61bの湾曲部61cとの反対側の端部には、第1固定部材60の幅方向の内側を向く一対の湾曲面61dが形成されている。突出部62は、平板部61に沿って延びており、直線部61bに連続する一対の直線部62bと、湾曲部61cに連続する湾曲部62cとを有する。突出部62は、平板部61の幅方向の端部において湾曲しており、例えば、突出部62の突出高さは各凸部63の突出高さと同程度とされていてもよい。凸部63は、例えば、球面状とされており、平板部61における各凸部63の裏側には凹部64が形成されている。
【0032】
図9は、第2固定部材70を示す斜視図である。図10は、第2固定部材70を図9とは反対側から見た斜視図である。図9及び図10に示されるように、第2固定部材70は、U字状を成す平板部71と、平板部71の外縁において平板部71の面外方向に突出するU字状の突出部72と、平板部71において突出部72と同一の方向に突出する凸部73とを備える。例えば、平板部71の幅は前述した平板部61の幅よりも広く、突出部72の幅は前述した突出部62の幅よりも狭い。平板部71は、一対の直線部71bと、一対の直線部71bを互いに接続する湾曲部71cとを有し、凸部73は、一対の直線部71bのそれぞれに形成されている。各直線部71bの湾曲部71cとの反対側の端部には、湾曲面61dと同様、一対の湾曲面71dが形成されている。突出部72は、突出部62と同様、一対の直線部72bと湾曲部72cとを有し、例えば、突出部72の突出高さは各凸部73の突出高さと同程度とされている。凸部73は、凸部63と同様、例えば球面状とされており、各凸部73の裏側には凹部74が形成されている。
【0033】
次に、筐体2に放熱部材20を固定する方法について説明する。図11、図12及び図13に示されるように、筐体2(上筐体7)及び放熱部材20(第1放熱部材30及び第2放熱部材40)を用意して、筐体2の開口2cに第1放熱部材30の挿入部32を挿入する。このとき、第1放熱部材30のテーパ面35が開口2cの傾斜面2fに密着すると共に第1放熱部材30の端面36が筐体2の外面2gと面一になる。次に、筐体2の内面7bを上に向けて、内面7bにおいて突出する挿入部32の溝34に第1固定部材60を嵌め込む。具体的には、第1固定部材60の突出部62及び凸部63を下に向けると共に一対の直線部61b,62bを前側に向けた状態として、後側から第1固定部材60を溝34に挿し込む。また、第1放熱部材30のときと同様、筐体2の開口2dに第2放熱部材40の挿入部42を挿入する。このとき、第2放熱部材40のテーパ面45が開口2dの傾斜面2hに密着すると共に第2放熱部材40の端面46が筐体2の外面2gと面一になる。そして、内面7bを上に向けて挿入部42の溝44に第2固定部材70を嵌め込む。このとき、第2固定部材70の突出部72及び凸部73を下に向けると共に一対の直線部71b,72bを前側に向けた状態として、後側から第2固定部材70を溝44に挿し込む。
【0034】
図14は、第2放熱部材40の溝44への第2固定部材70の挿し込みを行った状態を示す断面斜視図である。図15は、第2放熱部材40の溝44への第2固定部材70の挿し込みを行った状態の縦断面図である。図14及び図15に示されるように、溝44への第2固定部材70の挿し込みを行うと、第2固定部材70の突出部72及び凸部73が筐体2の内面7bに当接することにより、この当接の反力Fが第2固定部材70の平板部71から溝44の上側の内面44bに作用する。この反力Fによって内面7bに第2放熱部材40が一層強固に固定される。第1放熱部材30の溝34への第1固定部材60の挿し込みについても同様であり、突出部62及び凸部63が内面7bに当接することにより反力Fが生じ、この反力Fによって内面7bに第1放熱部材30が一層強固に固定される。
【0035】
次に、光トランシーバ1から得られる作用効果について詳細に説明する。光トランシーバ1では、TOSA11が電気信号から光信号への変換を行い、ROSA12が光信号から電気信号への変換を行い、回路基板13に搭載された信号処理IC17が電気信号を処理する。筐体2は、TOSA11、ROSA12及び回路基板13を収容する内部空間2bと、TOSA11のパッケージ11bに対向する開口2cとを有し、筐体2の開口2cには金属製の放熱部材20(第1放熱部材30)が係止される。筐体2の開口2cに係止された放熱部材20はTOSA11のパッケージ11bに熱的に接触するので、パッケージ11bからの熱は開口2cに係止された放熱部材20を介して光トランシーバ1の外部に直接伝達する。従って、光トランシーバ1の筐体2の開口2cに係止された放熱部材20により、TOSA11のパッケージ11bからの熱を光トランシーバ1の外部に直接伝達することができるので、TOSA11の放熱性を更に高めることができる。
【0036】
また、筐体2は、信号処理IC17に対向する開口2dを有し、筐体2の開口2dには金属製の放熱部材20(第2放熱部材40)が係止される。筐体2の開口2dに係止された放熱部材20は信号処理IC17の第2の放熱面17aに熱的に接触するので、信号処理IC17からの熱は開口2dに入り込んだ放熱部材20を介して光トランシーバ1の外部に直接伝達する。従って、光トランシーバ1の筐体2の開口2dに係止された放熱部材20により、信号処理IC17からの熱を光トランシーバ1の外部に直接伝達することができるので、信号処理IC17の放熱性を更に高めることができる。
【0037】
また、光トランシーバ1は、放熱部材20を筐体2の開口2c,2dに固定する固定部材50(第1固定部材60、第2固定部材70)を備える。従って、固定部材50によって、開口2c,2dに入り込んだ放熱部材20を筐体2の内部において固定することができる。
【0038】
また、固定部材50は、開口2c,2dの筐体2の外面2gから内部空間2bに向かう方向と垂直な面に沿って放熱部材20を囲むU字状とされている。従って、U字状とされた固定部材50が放熱部材20を囲んで固定することにより、開口2c,2dに係止された放熱部材20を筐体2に強固に固定することができる。
【0039】
また、放熱部材20は、固定部材50が入り込む溝34,44を有し、固定部材50は、溝34,44に入り込んだ状態で筐体2の内面7bに当接する凸部63,73を有する。従って、放熱部材20を固定する固定部材50は放熱部材20の溝34,44に入り込み、固定部材50が放熱部材20の溝34,44に入り込んだ状態で固定部材50の凸部63,73が筐体2の内面7bに当接する。よって、固定部材50が放熱部材20の溝34,44に入り込んだ状態で凸部63,73が筐体2の内面7bに当接することにより、凸部63,73の当接力の反力Fが溝34,44を介して放熱部材20に伝達するので、反力Fによって筐体2からの放熱部材20の抜けをより確実に抑制することができる。
【0040】
また、放熱部材20の材料が銅であってもよい。この場合、熱伝導率が大きい銅によって放熱部材20が構成されるため、光トランシーバ1の外部への放熱部材20の排熱性能を高めることができる。
【0041】
以上、本発明に係る光トランシーバの実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した実施形態に限定されない。すなわち、本発明が特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において種々の変形及び変更が可能であることは、当業者によって容易に認識される。例えば、光トランシーバの各部の形状、大きさ、材料、数及び配置態様は適宜変更可能である。
【0042】
例えば、前述の実施形態では、TOSA11を放熱する第1放熱部材30、及び信号処理IC17を放熱する第2放熱部材40を備える光トランシーバ1について説明した。しかしながら、TOSA11を放熱する第1放熱部材30、及び信号処理IC17を放熱する第2放熱部材40のいずれかを備えた光トランシーバであってもよい。また、例えば、ROSA12を放熱する放熱部材を備えていてもよく、放熱部材が放熱する対象の素子は適宜変更可能である。
【0043】
また、前述の実施形態では、筐体2の左右両側から前方に延び出すプルタブ5を備える光トランシーバ1について説明した。しかしながら、例えば、プルタブに代えて、筐体に対して回転可能に支持されるベールを備えていてもよく、光トランシーバの各部品の構成については適宜変更可能である。また、前述の実施形態では、QSFP28規格に準拠する光トランシーバ1について説明した。しかしながら、本発明に係る光トランシーバは、例えばSFP規格等、QSFP28規格以外の規格に準拠した光トランシーバであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…光トランシーバ、2…筐体、2b…内部空間、2c,2d…開口、2f,2h…傾斜面、2g…外面、3…スライダ、4…光レセプタクル、5…プルタブ、6…電気プラグ、7…上筐体、7b…内面、8…下筐体、11…TOSA(光モジュール)、11b…パッケージ、11c…スリーブ、11d…放熱面(第1の放熱面)、12…ROSA、12b…パッケージ、12c…スリーブ、13…回路基板、14…リテーナ、15,16…FPC基板、17…信号処理IC、17a…放熱面(第2の放熱面)18,19…絶縁部材、20…放熱部材、30…第1放熱部材、31…底面、32…挿入部、32b…側面、33…拡径部、34…溝、35…テーパ面、36…端面、40…第2放熱部材、41…底面、42…挿入部、42b…側面、43…拡径部、44…溝、44b…内面、45…テーパ面、46…端面、50…固定部材、60…第1固定部材、61…平板部、61b…直線部、61c…湾曲部、61d…湾曲面、62…突出部、62b…直線部、62c…湾曲部、63…凸部、64…凹部、70…第2固定部材、71…平板部、71b…直線部、71c…湾曲部、71d…湾曲面、72…突出部、72b…直線部、72c…湾曲部、73…凸部、74…凹部、D1,D2…方向、F…反力。

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