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公開番号2020176054
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201029
出願番号2020116979
出願日20200707
発明の名称炭化珪素基板
出願人住友電気工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/36 20060101AFI20201002BHJP(結晶成長)
要約【課題】半導体装置の製造における歩留りを向上させることが可能な炭化珪素基板を提供する。
【解決手段】多数キャリアの密度が1×1017cm-3以上である炭化珪素基板は、μ-PCD分析により得られる、主面の外周からの距離が5mm以内の領域を除いた領域における少数キャリアの寿命の標準偏差が0.7ns以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
多数キャリアの密度が1×10
17
cm
−3
以上である炭化珪素基板であって、
μ−PCD分析により得られる、主面の外周からの距離が5mm以内の領域を除いた領域における少数キャリアの寿命の平均値が100ns以下であり、
前記多数キャリアはn型キャリアである、炭化珪素基板。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記少数キャリアの寿命の平均値が50ns以下である、請求項1に記載の炭化珪素基板。
【請求項3】
直径が100mm以上である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素基板。
【請求項4】
直径が150mm以上である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素基板。
【請求項5】
カーボンインクルージョンを含まない、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の炭化珪素基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は炭化珪素基板に関するものである。
続きを表示(約 9,500 文字)【0002】
本出願は、2015年10月27日出願の日本出願第2015 -210672号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0003】
炭化珪素基板の製造において、熱間静水圧加圧処理を実施することで欠陥および歪みを低減する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。炭化珪素基板の欠陥および歪みを低減することができれば、半導体装置の製造における歩留りが向上するものと考えられる。また、特許文献1には、μ−PCD(Microwave Photo Conductivity Decay)による径方向のキャリアの寿命の差の減少から、炭化珪素基板の歪みが改善していると判断できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009−256159号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施例による炭化珪素基板は、多数キャリアの密度が1×10
17
cm
−3
以上である炭化珪素基板である。μ−PCD分析により得られる、主面の外周からの距離が5mm以内の領域を除いた領域における少数キャリアの寿命の標準偏差が0.7ns以下である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、基板の構造を示す概略断面図である。
図2は、μ−PCDによる分析方法を説明するための基板の概略平面図である。
図3は、炭化珪素基板の概略的な製造方法を示すフローチャートである。
図4は、炭化珪素基板の製造方法を説明するための概略断面図である。
図5は、炭化珪素基板の製造方法を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
シリコン基板に比べて高価な炭化珪素基板を用いた半導体装置の製造においては、歩留りの向上が重要である。そこで、半導体装置の製造における歩留りを向上させることが可能な炭化珪素基板を提供することを本開示の目的の1つとする。
【0008】
[実施形態の説明]
最初に本願開示の技術の実施態様を列記して説明する。本願の炭化珪素基板は、多数キャリアの密度が1×10
17
cm
−3
以上である炭化珪素基板である。この炭化珪素基板は、μ−PCD分析により得られる、主面の外周からの距離が5mm以内の領域を除いた領域における少数キャリアの寿命の標準偏差が0.7ns以下である。
【0009】
本発明者らは、SBD(Schottky Barrier Diode)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体装置の製造に使用可能な、多数キャリアの密度が1×10
17
cm
−3
以上である炭化珪素基板を用いた半導体装置の製造における歩留りの向上策について検討を行った。その結果、μ−PCD分析により得られる、基板の主面における少数キャリアの寿命の標準偏差を低減することにより、半導体装置のオン抵抗のばらつきが低減できることを見出した。より具体的には、主面の外周からの距離が5mm以内の領域を除いた領域における少数キャリアの寿命の標準偏差を0.7ns以下とすることにより、半導体装置のオン抵抗のばらつきを有効に低減することができる。
【0010】
本願の炭化珪素基板においては、μ−PCD分析により得られる、主面の外周からの距離が5mm以内の領域を除いた領域における少数キャリアの寿命の標準偏差が0.7ns以下である。そのため、炭化珪素基板を用いて製造される半導体装置のオン抵抗のばらつきを有効に低減することができる。その結果、本願の炭化珪素基板によれば、半導体装置の製造における歩留りを向上させることができる。
【0011】
上記炭化珪素基板において、上記標準偏差が0.4ns以下であってもよい。このようにすることにより、半導体装置の製造における歩留りを一層向上させることができる。
【0012】
上記炭化珪素基板において、直径が100mm以上であってもよい。基板の直径を大きくすることにより、半導体装置の製造効率を向上させることができる。
【0013】
上記炭化珪素基板において、直径が150mm以上であってもよい。基板の直径を大きくすることにより、半導体装置の製造効率を向上させることができる。
【0014】
上記炭化珪素基板において、少数キャリアの寿命の平均値が1μs以下であってもよい。少数キャリア寿命の平均値を小さくすることにより、半導体装置に形成されるボディダイオード(ソース−ドレイン間の内蔵ダイオードであり寄生ダイオードとも呼ばれる)の順方向劣化を抑制することができる。
【0015】
上記炭化珪素基板において、少数キャリアの寿命の平均値が100ns以下であってもよい。少数キャリア寿命の平均値を小さくすることにより、半導体装置に形成されるボディダイオードの順方向劣化を抑制することができる。
【0016】
上記炭化珪素基板において、少数キャリアの寿命の平均値が50ns以下であってもよい。少数キャリア寿命の平均値を小さくすることにより、半導体装置に形成されるボディダイオードの順方向劣化を抑制することができる。
【0017】
上記炭化珪素基板は、カーボンインクルージョンを含まない炭化珪素基板であってもよい。単結晶中に混入したμmオーダーの炭素の塊りであるカーボンインクルージョンを含まないことで、結晶品質を向上させることができる。
【0018】
[実施形態の詳細]
次に、本願開示の技術にかかる炭化珪素基板の一実施の形態の一例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態における炭化珪素基板9は、主面91を含む。炭化珪素基板9は、たとえば4Hの結晶構造を有する単結晶炭化珪素から構成される。炭化珪素基板9を構成する炭化珪素の{0001}結晶面に対する主面91のオフ角は、たとえば4°以下である。すなわち、主面91と{0001}面とのなす角は4°以下である。
【0020】
図1および図2を参照して、炭化珪素基板9は円盤状の形状を有する。炭化珪素基板9の直径は、たとえば100mm以上であり、150mm以上であってもよい。炭化珪素基板9がより大きな直径を有することにより、炭化珪素基板9を用いた半導体装置(SBD、MOSFETなど)の製造を効率よく実施することができる。炭化珪素基板9の厚みは、300μm以上とすることができる。炭化珪素基板9の厚みは、600μm以下とすることができる。
【0021】
炭化珪素基板9は、多数キャリアであるn型キャリア(電子)を生成するn型不純物としてN(窒素)を含む。n型不純物であるNを含むことにより、炭化珪素基板9の多数キャリアの密度は1×10
17
cm
−3
以上となっている。多数キャリアの密度が1×10
17
cm
−3
以上であることにより、炭化珪素基板9は、SBD、MOSFETなどの製造に適したものとなっている。
【0022】
図2を参照して、μ−PCD分析により得られる、主面91の外周からの距離が5mm以内の領域である外周領域92を除いた領域(中心を含む領域である中央領域93)における少数キャリアの寿命の標準偏差は、0.7ns以下である。μ−PCD分析は、たとえば以下のように実施することができる。
【0023】
図2を参照して、中央領域93内に一定のピッチdで配置された測定点99における少数キャリアの寿命を測定する。ピッチdは、たとえば2mmとすることができる。測定点99の位置において炭化珪素基板9に照射されるレーザのスポット径は、たとえば2mmとすることができる。レーザの波長は、たとえば349nm程度とすることができる。炭化珪素基板9にレーザを照射することにより励起されて生成した少数キャリアに対応する信号の強度が、ピーク値の1/eとなるまでの時間を少数キャリアの寿命とする。ここで、eはネイピア数である。そして、各測定点99について得られた少数キャリアの寿命を統計処理し、標準偏差を算出する。このようにして得られる少数キャリアの寿命の標準偏差が、本実施の形態の炭化珪素基板9においては0.7ns以下となる。また、このようにして得られる少数キャリアの寿命の平均値は、本実施の形態の炭化珪素基板9においては、たとえば1μs以下となる。
【0024】
少数キャリア寿命の平均値は、より好ましくは100ns以下でもよく、更に好ましくは50ns以下でもよい。少数キャリア寿命の平均値が小さくなると、半導体装置に形成されるボディダイオードの順方向劣化が抑制される。
【0025】
炭化珪素基板9においては、μ−PCD分析により得られる中央領域93における少数キャリアの寿命の標準偏差が0.7ns以下である。そのため、炭化珪素基板9を用いて製造される半導体装置のオン抵抗のばらつきを有効に低減することができる。その結果、炭化珪素基板9は、半導体装置の製造における歩留りを向上させることが可能な炭化珪素基板となっている。
【0026】
炭化珪素基板9において、上記標準偏差は0.4ns以下であることが好ましい。これにより、半導体装置の製造における歩留りを一層向上させることができる。
【0027】
次に、本実施の形態における炭化珪素基板9の製造方法の一例について、図3〜図5を参照して説明する。本実施の形態の炭化珪素基板9の製造方法では、図4に示す単結晶の製造装置100を用いて炭化珪素の単結晶が作製される。図4を参照して、単結晶の製造装置100は、坩堝1と、断熱部材21,22,23と、放射温度計71,72と、誘導加熱コイル74とを備えている。
【0028】
坩堝1は、誘導加熱により加熱可能な材料、たとえばグラファイトからなっている。坩堝1は、筒状の形状を有する周壁部11と、周壁部11に接続され、周壁部11の一方の開口を閉塞する底壁部12と、周壁部11に接続され、周壁部11の他方の開口を閉塞し、種結晶51を保持するための保持部14を有する蓋部13とを含む。本実施の形態において、周壁部11は、中空円筒状の形状を有している。底壁部12は、円盤状の形状を有している。周壁部11と底壁部12とは、一体に形成されている。
【0029】
蓋部13は、周壁部11に対して着脱自在となっている。蓋部13の外周に形成された蓋部結合面13Aと周壁部11の内周に形成された周壁部結合面11Aとが接触することにより、蓋部13は周壁部11に対して固定される。蓋部結合面13Aおよび周壁部結合面11Aには、たとえばらせん状のねじ溝が形成されていてもよい。蓋部13の一方の主面には、当該主面の中央部から突出する保持部14が形成されている。蓋部13を周壁部11に取り付けた状態において、保持部14は、中央軸αを含むように位置する。中央軸αは、周壁部11の中心軸に一致する。保持部14の先端には、種結晶を保持する保持面14Aが形成されている。
【0030】
断熱部材21,22,23は、たとえば成形断熱材からなっている。断熱部材21,22,23は、たとえばフェルト状の構造を有し、炭素を主成分とする繊維から構成される。断熱部材22は、円盤状の形状を有している。断熱部材22の接触面22Bに底壁部12の外面12Bが接触するように、坩堝1が断熱部材22上に配置される。断熱部材21は、中空円筒状の形状を有している。断熱部材21は、坩堝1の周壁部11の外面11Bを全域にわたって覆うように配置される。断熱部材23は、坩堝1の蓋部13の外面13Bを覆うように蓋部13の外面13B上に配置される。坩堝1は、断熱部材21,22,23によって取り囲まれる。
【0031】
断熱部材22において中央軸αを含む領域には、断熱部材22を厚み方向に貫通する貫通孔22Aが形成されている。この貫通孔22Aを通して坩堝1の底壁部12と向かい合うように、放射温度計71が配置される。放射温度計71により、底壁部12の温度が測定され、原料粉末52の温度が測定される。断熱部材23において中央軸αを含む領域には、断熱部材23を厚み方向に貫通する貫通孔23Aが形成されている。この貫通孔23Aを通して坩堝1の蓋部13と向かい合うように、放射温度計72が配置される。放射温度計72により、蓋部13の温度が測定され、種結晶51の温度が測定される。
【0032】
誘導加熱コイル74は、断熱部材21に覆われた坩堝1の周壁部11の外面11B側をらせん状に取り囲むように配置される。誘導加熱コイル74は、電源(図示しない)に接続される。誘導加熱コイル74に取り囲まれた領域内に、断熱部材21,22,23に覆われた坩堝1が配置される。
【0033】
次に、炭化珪素基板の具体的な製造手順について説明する。図3を参照して、本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法では、まず工程(S10)として原料粉末配置工程が実施される。この工程(S10)では、図4を参照して、坩堝1の底壁部12の内面12A上に接触するように原料粉末52が配置される。具体的には、蓋部13を取り外した状態で、坩堝1内に原料粉末52を配置する。本実施の形態では、原料粉末52として、炭化珪素粉末に炭素粉末を添加した混合粉末を採用する。
【0034】
次に、工程(S20)として種結晶配置工程が実施される。この工程(S20)では、保持部14に種結晶51が配置される。種結晶51は、4Hの結晶構造を有する炭化珪素からなる。具体的には、たとえば周壁部11から取り外された蓋部13の保持部14に、種結晶51を貼り付ける。種結晶51は、保持部14の保持面14Aに貼り付けられる。保持面14Aは、円形形状を有する。種結晶51は、円盤状の形状を有する。種結晶51の円形の主面が保持面14Aに貼り付けられる。種結晶51の成長面51Aは底壁部12側を向いている。本実施の形態において、保持面14Aの直径は、種結晶51の直径に比べて2%以上大きい。種結晶51は、平面的に見て保持面14Aの外周に取り囲まれた領域内に配置される。即ち種結晶51の全外周は保持面14Aの外周よりも内側に存在する。種結晶51の円盤形状の中心と保持面14Aの円形形状の中心とは一致してよい。
【0035】
次に、蓋部13を周壁部11に取り付ける。これにより、種結晶51は、中央軸αと交差する領域に配置される。上記工程(S10)〜(S20)により、坩堝1内に原料粉末52および種結晶51が配置される。
【0036】
次に、工程(S30)として昇華−再結晶工程が実施される。この工程(S30)では、原料粉末52を昇華させて種結晶51上に再結晶させることにより、種結晶51上に単結晶53を成長させる。具体的には、たとえば原料粉末52および種結晶51が内部に配置された坩堝1を断熱部材21,22,23により覆う。さらに、断熱部材21,22,23により覆われた坩堝1を、図4に示すように誘導加熱コイル74に取り囲まれた領域に配置する。そして、誘導加熱コイル74に高周波電流を流すと、坩堝1が誘導加熱により加熱される。
【0037】
このとき、原料粉末52の温度が種結晶51の温度に比べて高くなるように誘導加熱が実施される。その結果、成長方向である中央軸αに沿って種結晶51側が低く、原料粉末52側が高い温度勾配が形成される。坩堝1内は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気とされる。また、本実施の形態では、坩堝1内に窒素ガスが導入される。
【0038】
これにより、原料粉末52が昇華し、気体状態の炭化珪素である原料気体が生成する。この原料気体は、種結晶51上に供給される。その結果、図5に示すように、種結晶51上で原料気体が再結晶し、種結晶51上に4Hの結晶構造を有する炭化珪素の単結晶53が成長する。単結晶53内には、窒素が取り込まれる。
【0039】
そして、この状態が維持されることにより、単結晶53は中央軸αに沿った方向に成長する。そして、予め設定された加熱時間が経過することにより加熱が終了し、工程(S30)が完了する。
【0040】
次に、工程(S40)としてスライス工程が実施される。この工程(S40)では、工程(S30)において坩堝1内に成長した単結晶53が坩堝1から取り出され、スライスされる。具体的には、工程(S30)における加熱終了後、誘導加熱コイル74に取り囲まれた領域から坩堝1が取り出される。その後、坩堝1の蓋部13が取り外される。そして、蓋部13から単結晶53が採取される。採取された単結晶53は、{0001}面に対する角度が4°以下となる主面を形成するようにスライスされる。その結果、主面91(但し平坦化されていない主面)を有する炭化珪素基板9が得られる(図1参照)。
【0041】
次に、工程(S50)として表面平坦化工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において得られた炭化珪素基板9の主面91が平坦化される。具体的には、主面91に対し、MP(Mechanical Polishing)、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などの研磨が実施される。その後、洗浄等が実施されることにより、図1に示される本実施の形態の炭化珪素基板9が得られる。
【0042】
本実施の形態の炭化珪素基板の製造方法においては、上述のように工程(S10)において原料粉末52として、炭化珪素粉末に炭素粉末が添加された混合粉末が採用される。また、保持部14の保持面14Aの直径は、種結晶51の直径に比べて2%以上大きい。その結果、μ−PCD分析により得られる、主面91の中央領域93における少数キャリアの寿命の標準偏差が0.7ns以下である炭化珪素基板9を製造することができる。
【0043】
なお、炭化珪素基板におけるキャリア寿命が短い場合には、十分な伝導度変調が起きず、オン抵抗の低いバイポーラ半導体装置が得られない。キャリア寿命を長くするためには、ライフタイムキラーである結晶欠陥の起源となる炭素空孔を低減させればよい。炭化珪素の単結晶53中における炭素空孔を低減するためには、シリコンに対する炭素の比率を増加させることが効果的である。従って、原料粉末52として、炭化珪素粉末に炭素粉末を含めることは、炭素空孔の低減のためにも好ましい。
【0044】
しかしながら炭素粉末を用いる場合、炭素粉末の粉塵に起因して欠陥が発生する虞がある。具体的には、単結晶53の成長中に炭素の粉塵が飛散することにより、単結晶53中にカーボンインクルージョンなどの欠陥が発生する虞がある。カーボンインクルージョンとは、単結晶中に混入したμmオーダーの炭素の塊りである。カーボンインクルージョンは積層欠陥、転位、異種ポリタイプの原因にもなり得る。
【0045】
そこで、炭素粉末の飛散を防止するために、炭化珪素粉末の下に、炭化珪素粉末に覆われるように炭素粉末を配置してもよい。即ち、図4に示される単結晶の製造装置100において、坩堝1の底壁部12の内面12A上にまず最初に炭素粉末を配置し、その後炭素粉末を覆うように炭素粉末上に炭化珪素粉末を配置してよい。これにより、下層が炭素粉末であり上層が炭化珪素粉末である2層構造を有するように原料粉末52を配置してよい。このような配置により、炭素粉末が炭化珪素粉末に覆い隠され、坩堝1の内部空間に炭素粉末が露出しない状態となる。坩堝1の内部空間に炭素粉末が露出しない状態で単結晶53を成長させることにより、カーボンインインクルージョンが含まれない単結晶53を製造できる。つまり、カーボンインクルージョンを含まない炭化珪素基板9を製造できる。炭素粉末の飛散を抑制する他の方法としては、炭素粉末の平均粒径(D50)を炭化珪素粉末の平均粒径(D50)の2倍以上とすることが挙げられる。なお平均粒径(D50)はレーザ回折式粒度分布測定装置で測定することができる。
【0046】
炭化珪素粉末に対する炭素粉末の比率は、重量比で例えば5%以下としてよい。なお炭素粉末の比率を5%よりも大きくしても、炭素空孔を低減する効果の増加分は小さく、その一方、炭素に起因する欠陥が増加する虞がある。
【0047】
本開示の炭化珪素基板によれば、半導体装置の製造における歩留りを向上させることができる。
【0048】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
1 坩堝
11 周壁部
11A 周壁部結合面
11B 外面
12 底壁部
12A 内面
12B 外面
13 蓋部
13A 蓋部結合面
13B 外面
14 保持部
14A 保持面
21,22,23 断熱部材
22A,23A 貫通孔
22B 接触面
51 種結晶
51A 成長面
52 原料粉末
53 単結晶
71,72 放射温度計
74 誘導加熱コイル
9 炭化珪素基板
91 主面
92 外周領域
93 中央領域
99 測定点
100 単結晶の製造装置
α 中央軸
d ピッチ
S10,S20,S30,S40,S50 工程

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