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公開番号2020171185
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201015
出願番号2019073110
出願日20190405
発明の名称ユニット
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類H02G 3/16 20060101AFI20200918BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】支持部材でのバスバーの温度が高くなることを抑制すること。
【解決手段】電力源と、複数のリアクトルを有する機器と、電力源と複数のリアクトルを電気的に接続し、複数のリアクトルに接続する第1端部から電力源に接続する第2端部に向かって温度が低くなる温度勾配を有する複数のバスバーと、第1端部と第2端部の間で複数のバスバーを支持する支持部材と、を備え、複数のバスバーは電力源と第1リアクトルとの間に接続された第1バスバーと電力源と第2リアクトルとの間に接続された第2バスバーとを含み、第1バスバーは第2バスバーよりも第1端部から第2端部までの長さに対する支持部材で支持ざれた支持部分から第1端部までの長さの割合が小さく、第1バスバーは第2バスバーよりも第1端部から第2端部までのバスバーの延在方向に直交する断面の外周長の平均値が大きい、ユニット。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電力源と、
複数のリアクトルを有する機器と、
前記電力源と前記複数のリアクトルを電気的に接続し、前記複数のリアクトルに接続する第1端部から前記電力源に接続する第2端部に向かって温度が低くなる温度勾配を有する複数のバスバーと、
前記第1端部と前記第2端部の間で前記複数のバスバーを支持する支持部材と、を備え、
前記複数のバスバーは、前記電力源と前記複数のリアクトルのうちの第1リアクトルとの間に接続された第1バスバーと、前記電力源と前記複数のリアクトルのうちの第2リアクトルとの間に接続された第2バスバーと、を含み、
前記第1バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの長さに対する前記支持部材で支持ざれた支持部分から前記第1端部までの長さの割合は、前記第2バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの長さに対する前記支持部材で支持された支持部分から前記第1端部までの長さの割合よりも小さく、
前記第1バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの前記第1バスバーの延在方向に直交する断面の外周長の平均値は、前記第2バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの前記第2バスバーの延在方向に直交する断面の外周長の平均値よりも大きい、ユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットに関し、電力源とリアクトルがバスバーで接続されたユニットに関する。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
電力源と機器をバスバーによって電気的に接続する構成が知られている。例えば、電力源と複数のリアクトルをバスバーによって電気的に接続する構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−184990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力源と機器に含まれる複数のリアクトルとを電気的に接続するために、電力源と複数のリアクトルを複数のバスバーで接続することがある。この場合に、複数のバスバーの電力源に接続する端部と複数のリアクトルに接続する端部との間を支持部材で支持することがあるが、支持部材でのバスバーの温度が高くなり、支持部材に悪影響を及ぼすことがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、支持部材でのバスバーの温度が高くなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電力源と、複数のリアクトルを有する機器と、前記電力源と前記複数のリアクトルを電気的に接続し、前記複数のリアクトルに接続する第1端部から前記電力源に接続する第2端部に向かって温度が低くなる温度勾配を有する複数のバスバーと、前記第1端部と前記第2端部の間で前記複数のバスバーを支持する支持部材と、を備え、前記複数のバスバーは、前記電力源と前記複数のリアクトルのうちの第1リアクトルとの間に接続された第1バスバーと、前記電力源と前記複数のリアクトルのうちの第2リアクトルとの間に接続された第2バスバーと、を含み、前記第1バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの長さに対する前記支持部材で支持ざれた支持部分から前記第1端部までの長さの割合は、前記第2バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの長さに対する前記支持部材で支持された支持部分から前記第1端部までの長さの割合よりも小さく、前記第1バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの前記第1バスバーの延在方向に直交する断面の外周長の平均値は、前記第2バスバーの前記第1端部から前記第2端部までの前記第2バスバーの延在方向に直交する断面の外周長の平均値よりも大きい、ユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支持部材でのバスバーの温度が高くなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例1に係る電源ユニットを説明する概略図である。
図2は、実施例1に係る電源ユニットの回路構成を説明する図である。
図3(a)は、実施例1におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバー近傍の斜視図、図3(b)は、バスバーの断面図である。
図4(a)は、比較例におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバー近傍の斜視図、図4(b)は、バスバーの断面図である。
図5(a)及び図5(b)は、比較例におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバーの温度分布を評価したシミュレーション結果である。
図6(a)から図6(c)は、リアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバーの他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、実施例1に係る電源ユニットを説明する概略図である。なお、図1では、昇圧コンバータ30を透視して内部のリアクトル32を図示している。電源ユニット100は、燃料電池スタック10と、昇圧コンバータ30と、ケース50と、バスバー60及び70と、支持部材80及び82と、を備える。燃料電池スタック10は、特許請求の範囲における電力源の一例である。昇圧コンバータ30は、特許請求の範囲における機器の一例である。
【0011】
燃料電池スタック10は、複数の燃料電池セル12が積層されたセル積層体14と、ターミナルプレート16a及び16bと、絶縁プレート18a及び18bと、プレッシャプレート20と、エンドプレート22a及び22bと、テンションプレート24a及び24bと、1又は複数のばね26と、を備える。ターミナルプレート16a及び16bは、セル積層体14の積層方向の両端部に配置されている。燃料電池スタック10は、セル積層体14がターミナルプレート16a及び16bと絶縁プレート18a及び18bとプレッシャプレート20とばね26とエンドプレート22a及び22bとで積層方向から挟持された構造をしている。
【0012】
ターミナルプレート16a及び16bは、例えば緻密性カーボン又は銅などの導電性材料で形成されていて、燃料電池セル12が発電した電力を取り出すために用いられる。絶縁プレート18a及び18bは、例えばゴム又は樹脂などの絶縁性材料で形成されていて、ターミナルプレート16a及び16bと、絶縁プレート18a及び18bよりも外側に位置するプレッシャプレート20並びにエンドプレート22a及び22bと、の間の絶縁を取るために用いられる。プレッシャプレート20は、例えばステンレス鋼又はアルミニウム合金などの剛性の高い材料で形成されていて、ばね26によってセル積層体14に圧縮荷重を付与するために用いられる。テンションプレート24a及び24bは、エンドプレート22a及び22bの間でエンドプレート22a及び22bに固定されている。これにより、エンドプレート22a及び22bの間に、セル積層体14とターミナルプレート16a及び16bと絶縁プレート18a及び18bとプレッシャプレート20とが積層される。
【0013】
なお、実施例1では、エンドプレート22bとテンションプレート24a及び24bとは、セル積層体14などを収容するスタックケース50aの一部によって構成されている場合を例に説明する。エンドプレート22bとテンションプレート24a及び24bは、例えばアルミニウム合金で形成されている。エンドプレート22aは、ボルト90によってスタックケース50aに締結固定されている。エンドプレート22aは、例えばステンレス鋼又はアルミニウム合金などの剛性の高い部材で形成されている。
【0014】
プレッシャプレート20とエンドプレート22bの間にばね26が配置されている。これにより、ばね26の反力によって、セル積層体14及びターミナルプレート16a及び16bなどには積層方向に圧縮荷重が付与される。ばね26が備わることで、セル積層体14にかかる圧縮荷重が一定の範囲内に収まり易くなり、発電性能及びシール性能が良好となる。
【0015】
燃料電池セル12は、反応ガスとして水素(アノードガス)と空気(カソードガス)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池セル12は、電解質膜の両面に電極を配置した発電体である膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のセパレータと、を備える。電解質膜は、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂材料又は炭化水素系樹脂材料で形成された固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。電極は、カーボン担体と、スルホン酸基を有する固体高分子であって湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有するアイオノマーと、を含んで構成されている。カーボン担体には、発電反応を促進させるための触媒(例えば白金又は白金−コバルト合金など)が担持されている。各セルには、反応ガスを流すためのマニホールドが設けられている。マニホールドを流れる反応ガスは、各セルに設けられたガス流路を介して、各セルの発電領域に供給される。
【0016】
昇圧コンバータ30は、コンバータケース50b内に収容されている。コンバータケース50bは、例えばアルミニウム合金で形成されている。コンバータケース50bは、ボルト92によってスタックケース50aに締結固定されている。これにより、スタックケース50a及びコンバータケース50bで構成されたケース50によって形成される空間内に、昇圧コンバータ30と、燃料電池スタック10に含まれるセル積層体14、ターミナルプレート16a及び16b、絶縁プレート18a及び18b、プレッシャプレート20、並びにばね26と、が収容されている。
【0017】
昇圧コンバータ30は、リアクトル32を有する。リアクトル32は、枠形状の鉄製の芯部34と、芯部34の周囲を銅製の線材又は板材が巻回するコイル部36と、を有する。コイル部36を構成する線材又は板材は断面積が比較的小さいために発熱量が大きい。このため、コイル部36が高温になることを抑制するために、コイル部36の一部が放熱シート38を介してコンバータケース50b内に設けられた冷却槽40に接触している。冷却槽40の内部には、冷却槽40の温度を所定温度範囲内に維持するために冷却液が循環している。なお、放熱シート38を配置する代わりに、コイル部36と冷却槽40との間に、ポッティングにより絶縁性の放熱性樹脂材料が塗布されていてもよい。
【0018】
バスバー60及び70は、例えば銅、アルミニウム、又はこれらを含む合金などの電気抵抗の低い金属で形成されていて、ケース50で形成された空間内に配置されている。バスバー60は、燃料電池側バスバー62とコンバータ側バスバー64を含む。燃料電池側バスバー62の一端はターミナルプレート16aにボルト固定されている。コンバータ側バスバー64の一端は昇圧コンバータ30の端子(不図示)に固定されている。燃料電池側バスバー62の他端とコンバータ側バスバー64の他端は重ね合わされて接触した状態でボルト94によって支持部材80に固定されている。
【0019】
バスバー70は、燃料電池側バスバー72とコンバータ側バスバー74を含む。燃料電池側バスバー72の一端はターミナルプレート16bにボルト固定されている。コンバータ側バスバー74の一端は昇圧コンバータ30が有するリアクトル32のコイル部36に溶接固定されている。燃料電池側バスバー72の他端とコンバータ側バスバー74の他端は重ね合わされて接触した状態でボルト96によって支持部材82に固定されている。燃料電池スタック10と昇圧コンバータ30は、バスバー60及び70によって電気的に接続されている。
【0020】
支持部材80及び82は、例えば端子台であり、コンバータケース50bに固定されている。バスバー60及び70は、コンバータケース50bとの絶縁を確保するために、支持部材80及び82に設けられた樹脂製のホルダーに固定されている。
【0021】
図2は、実施例1に係る電源ユニットの回路構成を説明する図である。図2のように、昇圧コンバータ30は、複数のリアクトル32a〜32cと、複数の電流センサ42a〜42cと、複数のスイッチング素子44a〜44cと、複数のダイオード46a〜46cと、コンデンサ48と、を有する。リアクトル32aと電流センサ42aとダイオード46a、リアクトル32bと電流センサ42bとダイオード46b、リアクトル32cと電流センサ42cとダイオード46cは、それぞれ直列に接続されている。また、直列に接続されたこれらの構成部品は互いに並列に接続されている。
【0022】
電流センサ42a〜42cは、リアクトル32a〜32cに上流側又は下流側で接続されている。スイッチング素子44a〜44cは電流センサ42a〜42cで検出された値に応じて開閉制御されて、燃料電池スタック10からの出力電圧が昇圧する。スイッチング素子44a〜44cのそれぞれを開閉するデューティー比を制御することにより、リアクトル32a〜32cを流れる電流を均一にすることができる。リアクトル32a〜32cは、同じ構成をしていて、同じ性能を有する同一部品である。
【0023】
昇圧コンバータ30は、燃料電池スタック10からの出力電圧を昇圧して外部負荷98に出力する。外部負荷98は、例えば車両を駆動するモータインバータ、燃料電池を駆動するための補機(例えばエアコンプレッサ又は冷却水ポンプなど)のインバータ、車両の空調用補機のインバータなどである。
【0024】
燃料電池スタック10とリアクトル32aは、燃料電池側バスバー72aとコンバータ側バスバー74aを含むバスバー70aで電気的に接続されている。燃料電池スタック10とリアクトル32bは、燃料電池側バスバー72bとコンバータ側バスバー74bを含むバスバー70bで電気的に接続され、燃料電池スタック10とリアクトル32cは、燃料電池側バスバー72cとコンバータ側バスバー74cを含むバスバー70cで電気的に接続されている。バスバー70a〜70cは、例えば同じ材料で形成されている。
【0025】
図3(a)は、実施例1におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバー近傍の斜視図である。図3(a)では、支持部材82を透視して図示している。図3(b)は、実施例1におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバーの断面図である。図3(b)は、バスバーが延在する方向に直交する方向でのバスバーの断面(例えば図3(a)の一点鎖線部分の断面)を図示している。図3(a)のように、ターミナルプレート16bと複数のリアクトル32a〜32c(図3(a)では不図示)の間に複数のバスバー70a〜70cが接続されている。
【0026】
バスバー70a〜70cを構成する燃料電池側バスバー72a〜72cは、ターミナルプレート16bに接続する燃料電池側端部71a〜71cから支持部材82で支持された支持部分73a〜73cまでの長さが同じになっている。燃料電池側端部71a〜71cとは、例えば燃料電池側バスバー72a〜72cとターミナルプレート16bとがボルトなどで固定された部分である。支持部分73a〜73cとは、例えば燃料電池側バスバー72a〜72c及びコンバータ側バスバー74a〜74cと支持部材82とが重なる部分である。なお、同じ長さには、製造誤差程度に異なる略同じ長さが含まれる。バスバー70a〜70cを構成するコンバータ側バスバー74a〜74cは、リアクトル32a〜32cに接続するリアクトル側端部75a〜75cから支持部分73a〜73cまでの長さが互いに異なっている。コンバータ側バスバー74bの長さはコンバータ側バスバー74a、74cの長さに比べて短くなっている。リアクトル側端部75a〜75cとは、例えばコンバータ側バスバー74a〜74cとリアクトル32a〜32cが溶接などで固定された部分である。コンバータ側バスバー74a〜74cの長さが異なるのは、実装上の制約などによるものである。したがって、バスバー70bの燃料電池側端部71bからリアクトル側端部75bまでの長さに対する支持部分73bからリアクトル側端部75bまでの長さの割合は、バスバー70a、70cの燃料電池側端部71a、71cからリアクトル側端部75a、75cまでの長さに対する支持部分73a、73cからリアクトル側端部75a、75cまでの長さの割合よりも小さくなっている。
【0027】
燃料電池側バスバー72a〜72cは例えば同じ厚さで形成されている。コンバータ側バスバー74a〜74cは例えば同じ厚さで形成されている。また、燃料電池側バスバー72a〜72cとコンバータ側バスバー74a〜74cは例えば同じ厚さで形成されている。なお、同じ厚さには、製造誤差程度に異なる略同じ厚さが含まれる。
【0028】
燃料電池側バスバー72bは、燃料電池側バスバー72a、72cに比べて幅が大きく形成されている。コンバータ側バスバー74bは、コンバータ側バスバー74a、74cに比べて幅が大きく形成されている。燃料電池側バスバー72bとコンバータ側バスバー74bは例えば同じ幅で形成されている。燃料電池側バスバー72aと72cは例えば同じ幅で形成され、コンバータ側バスバー74a、74cは例えば同じ幅で形成されている。燃料電池側バスバー72a、72cとコンバータ側バスバー74a、74cとは例えば同じ幅で形成されている。なお、同じ幅には、製造誤差程度に異なる略同じ幅が含まれる。
【0029】
したがって、図3(b)のように、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、厚さが同じで且つ幅が大きくなっている。このため、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、バスバーの延在方向に直交する断面の外周長が長くなっている。バスバー70bは燃料電池側端部71bからリアクトル側端部75bにかけてバスバー70a、70cの燃料電池側端部71a、71cからリアクトル側端部75a、75cまでの幅よりも大きいことから、バスバー70bは全体にわたってバスバー70a、70cよりもバスバーの延在方向に直交する断面の外周長が長くなっている。したがって、バスバー70bの燃料電池側端部71bからリアクトル側端部75bまでのバスバー70bの延在方向に直交する断面の外周長の平均値は、バスバー70a、70cの燃料電池側端部71a、71cからリアクトル側端部75a、75cまでのバスバー70a、70cの延在方向に直交する断面の外周長の平均値よりも大きくなっている。バスバーの燃料電池側端部からリアクトル側端部までの延在方向に直交する断面の外周長の平均値は、例えばバスバーの燃料電池側端部からリアクトル側端部までの間を5、10、又は20などの複数に等分し、等分したそれぞれの断面の外周長の平均値から求めてもよいし、その他の方法によって求めてもよい。なお、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、全体の表面積が大きくなっていてもよい。
【0030】
ここで、比較例に係る電源ユニットについて説明する。比較例に係る電源ユニットは、実施例1の電源ユニット100と比べて、リアクトル32a〜32cとターミナルプレート16bとの間を接続するバスバーの延在方向に直交する断面の外周長が異なる点以外は同じ構成をしている。図4(a)は、比較例におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバー近傍の斜視図である。図4(a)では、支持部材82を透視してバスバーを図示している。図4(b)は、比較例におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバーの断面図である。図4(b)は、バスバーが延在する方向に直交する方向でのバスバーの断面(例えば図4(a)の一点鎖線部分の断面)を図示している。図4(a)のように、比較例では、ターミナルプレート16bと複数のリアクトル32a〜32c(図4(a)では不図示)の間に複数のバスバー170a〜170cが接続されている。バスバー170a〜170cは、例えば同じ材料で形成されている。
【0031】
燃料電池側バスバー172a〜172cは、実施例1の燃料電池側バスバー72a〜72cと同様に、燃料電池側端部171a〜171cから支持部分173a〜173cまでの長さが同じになっている。また、実施例1のコンバータ側バスバー74a〜74cと同様に、コンバータ側バスバー174bのリアクトル側端部175bから支持部分173bまでの長さは、コンバータ側バスバー174a、174cのリアクトル側端部175a、175cから支持部分173a、173cまでの長さよりも短くなっている。
【0032】
燃料電池側バスバー172a〜172c及びコンバータ側バスバー174a〜174cは、実施例1における燃料電池側バスバー72a〜72c及びコンバータ側バスバー74a〜74cと異なり、全て厚さが同じで且つ幅が同じとなって形成されている。すなわち、図4(b)のように、バスバー170a〜170cは厚さが同じで且つ幅が同じになっている。このため、バスバー170a〜170cは燃料電池側端部171a〜171cからリアクトル側端部175a〜175cにかけてバスバーの延在方向に直交する断面の外周長が同じ長さになっている。また、バスバー170bはバスバー170a、170cに比べて長さが短いことから、バスバー170bの全体の表面積はバスバー170a、170cの全体の表面積に比べて小さくなっている。
【0033】
図5(a)及び図5(b)は、比較例におけるリアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバーの温度分布を評価したシミュレーション結果である。図5(a)及び図5(b)では、バスバー170a〜170cに同じ大きさの電流が均等に流れたとしてシミュレーションをしている。図5(a)及び図5(b)のように、バスバー170a〜170cは、リアクトル側端部175a〜175cの温度が燃料電池側端部171a〜171cの温度に比べて高く、リアクトル側端部175a〜175cから燃料電池側端部171a〜171cに向かって徐々に温度が低下する温度勾配を有している。このような温度分布となるのは以下の理由によるものと考えられる。
【0034】
燃料電池スタック10は、冷却水により冷却されるため、発電中も所定の温度以下に維持される。このため、バスバー170a〜170cの燃料電池側端部171a〜171cの温度は、燃料電池スタック10の温度近傍の温度に低く抑えられると考えられる。一方、リアクトル32a〜32cのコイル部36を構成する線材又は板材は断面積が比較的小さいことから発熱量が大きい。図1で説明したように、コイル部36を冷却するために冷却槽40が設けられているが、コイル部36のコンバータ側バスバー174a〜174cが接続される箇所までは冷却され難い。このため、バスバー170a〜170cのリアクトル側端部175a〜175cの温度は高くなると考えられる。このような理由から、バスバー170a〜170cは、リアクトル側端部175a〜175cから燃料電池側端部171a〜171cに向かって徐々に温度が低下する温度勾配を有すると考えられる。
【0035】
また、図5(a)及び図5(b)のように、バスバー170bの支持部分173bの温度は、バスバー170a、170cの支持部分173a、173cの温度よりも高くなっている。バスバー170bは支持部材82の樹脂ホルダーに固定されることから、バスバー170bの支持部分173bの温度が高くなると樹脂ホルダーの強度が低下して変形などが生じる恐れがある。バスバー170bの支持部分173bの温度がバスバー170a、170cの支持部分173a、173cの温度に比べて高くなるのは以下の理由によるものと考えられる。
【0036】
図4(a)で説明したように、コンバータ側バスバー174bのリアクトル側端部175bから支持部分173bまでの長さは、コンバータ側バスバー174a、174cのリアクトル側端部175a、175cから支持部分173a、173cまでの長さよりも短い。したがって、バスバー170bの支持部分173bは、バスバー170a、170cの支持部分173a、173cに比べて、リアクトルからの熱が伝わり易い。このため、バスバー170bの支持部分173bの温度は、バスバー170a、170cの支持部分173a、173cの温度に比べて高くなったと考えられる。
【0037】
実施例1におけるバスバー70a〜70cにおいても、比較例におけるバスバー170a〜170cと同じ理由から、リアクトル側端部75a〜75cから燃料電池側端部71a〜71cに向かって温度が低下する温度勾配を有する。バスバー70a〜70cの温度は、燃料電池スタック10の温度とリアクトル32a〜32cの温度の影響を受けるが、その他にもバスバー70a〜70cを電流が流れる際の電気抵抗による発熱の影響も受ける。これらを踏まえると、燃料電池側端部からリアクトル側端部までの長さに対する支持部分からリアクトル側端部までの長さの割合が小さいバスバーは、割合が大きいバスバーに比べて、支持部分の温度が高くなり易い。図3(b)で説明したように、バスバー70bの燃料電池側端部71bからリアクトル側端部75bまでの長さに対する支持部分73bからリアクトル側端部75bまでの長さの割合は、バスバー70a、70cの燃料電池側端部71a、71cからリアクトル側端部75a、75cまでの長さに対する支持部分73a、73bからリアクトル側端部75a、75cまでの長さの割合よりも小さい。したがって、バスバー70bの支持部分73bの温度は高くなり易い。そこで、実施例1では、バスバー70bのリアクトル側端部75bから燃料電池側端部71bまでのバスバー70bの延在方向に直交する断面の外周長の平均値を、バスバー70a、70cのリアクトル側端部75a、75cから燃料電池側端部71a、71cまでのバスバー70a、70cの延在方向に直交する断面の外周長の平均値よりも大きくしている。これにより、バスバー70bの放熱性を向上させることができ、バスバー70bの支持部材82での温度が高くなることを抑制できる。よって、支持部材82に温度によるダメージを与えることを抑制でき、例えばバスバー70bが固定される樹脂ホルダーの強度低下を抑制できる。
【0038】
また、バスバー70a、70cの延在方向に直交する断面の外周長を長くしないことで、バスバー70a、70cが大型化することを抑制できる。よって、燃料電池スタック10と昇圧コンバータ30を接続させる際の配策の自由度の向上、電源ユニット100の質量の低減、及び電源ユニット100のコストの低減を図ることができる。
【0039】
実施例1では、図3(b)のように、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、厚さは同じで幅を大きくすることで、バスバーの延在方向に直交する断面の外周長を長くする場合を例に示したが、この場合に限られない。図6(a)から図6(c)は、リアクトルとターミナルプレートの間を接続するバスバーの他の例を示す断面図である。図6(a)のように、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、幅は同じで厚さを大きくすることで断面の外周長を長くする場合でもよい。図6(b)のように、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、厚さと幅の両方を大きくすることで断面の外周長を長くする場合でもよい。図6(c)のように、バスバー70bは表面に凹凸を有することで、バスバー70a、70cに比べて断面の外周長を長くする場合でもよい。
【0040】
実施例1では、バスバー70bは、バスバー70a、70cに比べて、リアクトル側端部から燃料電池側端部にかけての全体で断面の外周長が長い場合を例に示したが、この場合に限られない。バスバー70bのリアクトル側端部75bから燃料電池側端部71bまでの断面の外周長の平均値が、バスバー70a、70cのリアクトル側端部75a、75cから燃料電池側端部71a、71cまでの断面の外周長の平均値より大きくなれば、バスバー70bの一部でバスバー70a、70cよりも断面の外周長が長い場合でもよい。例えば、燃料電池側バスバー72bの断面の外周長は燃料電池側バスバー72a、72cの断面の外周長と同じで、コンバータ側バスバー74bの断面の外周長がコンバータ側バスバー74a、74cの断面の外周長よりも大きい場合でもよい。コンバータ側バスバー74bの断面の外周長はコンバータ側バスバー74a、74cの断面の外周長と同じで、燃料電池側バスバー72bの断面の外周長が燃料電池側バスバー72a、72cの断面の外周長よりも大きい場合でもよい。
【0041】
実施例1では、支持部材82は樹脂ホルダーを有する端子台である場合を例に示したが、この場合に限られない。例えば、支持部材82は、図2に示した電流センサ42a〜42cであってもよい。一般的に、電流センサは使用可能な温度範囲があり、この温度範囲よりも高くなると故障及び/又は測定誤差が大きくなることが生じる。実施例1では、バスバー70bの支持部材82での温度を低下させることができるため、支持部材82に電流センサ42a〜42cを用いた場合でも、電流センサ42a〜42cが故障及び/又は測定誤差が大きくなることを抑制できる。
【0042】
実施例1では、スタックケース50aの一部がエンドプレート22b並びにテンションプレート24a及び24bとして機能する場合を例に示したが、この場合に限られない。スタックケースと、エンドプレート及びテンションプレートなどの燃料電池スタックを構成する部品と、が別々の部品である場合でもよい。
【0043】
実施例1では、電力源が燃料電池スタック10で、機器が昇圧コンバータ30である電源ユニット100の場合を例に示したが、その他のユニットの場合でもよい。電力源は燃料電池スタック10の場合に限られず、二次電池などのその他の場合でもよい。機器は昇圧コンバータ30の場合に限られず、その他の場合でもよい。バスバー70a〜70cにリアクトル32a〜32c側から電力源側に向かって温度が低下する温度勾配が形成される電力源及び機器であればよい。
【0044】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 燃料電池スタック
12 燃料電池セル
14 セル積層体
16a、16b ターミナルプレート
18a、18b 絶縁プレート
20 プレッシャプレート
22a、22b エンドプレート
24a、24b テンションプレート
26 ばね
30 昇圧コンバータ
32〜32c リアクトル
34 芯部
36 コイル部
42a〜42c 電流センサ
50 ケース
60 バスバー
62 燃料電池側バスバー
64 コンバータ側バスバー
70〜70c バスバー
71a〜71c 燃料電池側端部
72〜72c 燃料電池側バスバー
73a〜73c 支持部分
74〜74c コンバータ側バスバー
75a〜75c リアクトル側端部
80、82 支持部材
100 電源ユニット

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