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公開番号2020171184
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201015
出願番号2019073091
出願日20190405
発明の名称コンバータ装置、空気調和機、コンバータ装置の制御方法及びプログラム
出願人三菱重工サーマルシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02M 7/12 20060101AFI20200918BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】要求回転数指令に応じて、直流電圧をより高電圧に昇圧可能なコンバータ装置等を提供する。
【解決手段】コンバータ装置は、モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置であって、前記モータの要求回転数指令を取得する回転数指令取得部と、前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定する判定部と、前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するオンデューティ変更部と、前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力する信号出力部と、を備える。前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置であって、
前記モータの要求回転数指令を取得する回転数指令取得部と、
前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定する判定部と、
前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するオンデューティ変更部と、
前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力する信号出力部と、
を備え、
前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する
コンバータ装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が所定の判定閾値以下の場合に、前記オンデューティを予め規定された第1のオンデューティに決定し、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回った場合に、前記オンデューティを前記第1のオンデューティよりも大きい第2のオンデューティに決定する
請求項1に記載のコンバータ装置。
【請求項3】
前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が所定の判定閾値を上回っている場合に、当該要求回転数指令に比例するように前記オンデューティを変更する
請求項1に記載のコンバータ装置。
【請求項4】
前記信号出力部は、前記要求回転数指令が所定の判定閾値以下の場合に、前記スイッチング信号をオフに維持する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンバータ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンバータ装置と、
前記コンバータ装置からの直流電圧を、モータを制御するための交流電圧に変換するインバータ装置と、
を備える空気調和機。
【請求項6】
前記インバータ装置は、
前記要求回転数指令に応じてV/f制御から過変調制御及び弱め界磁制御の少なくともいずれか一方に切り替える
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置の制御方法であって、
前記モータの要求回転数指令を取得するステップと、
前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定するステップと、
前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するステップと、
前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力するステップと、
を有し、
前記オンデューティを変更するステップにおいては、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する
コンバータ装置の制御方法。
【請求項8】
モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置のコンピュータに、
前記モータの要求回転数指令を取得するステップと、
前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定するステップと、
前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するステップと、
前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力するステップと、
を実行させるプログラムであって、
前記オンデューティを変更するステップにおいては、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバータ装置、空気調和機、コンバータ装置の制御方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、コンバータ装置として、特許文献1に開示される装置が知られている。特許文献1に開示されているコンバータ装置は、交流電力を直流電力に変換する装置であり、高調波成分の低減及び力率改善を目的として、2つのスイッチング回路を有している。そして、負荷の小さいときには片方のスイッチング回路のみを作動させ、負荷が大きい場合に2つのスイッチング回路の両方を作動させる。
コンバータ装置は、主に、空気調和機の室外機に適用され、圧縮機モータを負荷とする。
【0003】
また、特許文献2には、力率改善回路に対する信号のオンデューティを変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6151034号公報
特開2014−057521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より高いモータの要求回転数指令に対応可能とする目的で、コンバータ装置が出力する直流電圧をより高電圧に昇圧したいというニーズがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、要求回転数指令に応じて、直流電圧をより高電圧に昇圧可能なコンバータ装置、空気調和機、コンバータ装置の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、コンバータ装置は、モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置であって、前記モータの要求回転数指令を取得する回転数指令取得部と、前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定する判定部と、前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するオンデューティ変更部と、前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力する信号出力部と、を備える。前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する。
【0008】
また、本発明の第2の態様によれば、前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が所定の判定閾値以下の場合に、前記オンデューティを予め規定された第1のオンデューティに決定し、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回った場合に、前記オンデューティを前記第1のオンデューティよりも大きい第2のオンデューティに決定する。
【0009】
また、本発明の第3の態様によれば、前記オンデューティ変更部は、前記要求回転数指令が所定の判定閾値を上回っている場合に、当該要求回転数指令に比例するように前記オンデューティを変更する。
【0010】
また、本発明の第4の態様によれば、前記信号出力部は、前記要求回転数指令が所定の判定閾値以下の場合に、前記スイッチング信号をオフに維持する。
【0011】
また、本発明の第5の態様によれば、空気調和機は、上述のコンバータ装置と、前記コンバータ装置からの直流電圧を、モータを制御するための交流電圧に変換するインバータ装置と、を備える。
【0012】
また、本発明の第6の態様によれば、前記インバータ装置は、前記要求回転数指令に応じてV/f制御から過変調制御及び弱め界磁制御の少なくともいずれか一方に切り替える。
【0013】
また、本発明の第7の態様によれば、コンバータ装置の制御方法は、モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置の制御方法であって、前記モータの要求回転数指令を取得するステップと、前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定するステップと、前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するステップと、前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力するステップと、を有する。前記オンデューティを変更するステップにおいては、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する。
【0014】
また、本発明の第8の態様によれば、プログラムは、モータを駆動させるインバータ装置に対して直流電圧を出力するコンバータ装置のコンピュータに、前記モータの要求回転数指令を取得するステップと、前記要求回転数指令と所定の判定閾値との大小関係を判定するステップと、前記大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路に入力されるスイッチング信号のオンデューティを変更するステップと、前記オンデューティが適用された前記スイッチング信号を出力するステップと、を実行させる。また、前記オンデューティを変更するステップにおいては、前記要求回転数指令が前記所定の判定閾値を上回っている場合に、前記直流電圧が昇圧されるように前記オンデューティを変更する。
【発明の効果】
【0015】
上述の各態様によれば、要求回転数指令に応じて、直流電圧をより高電圧に昇圧できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
第1の実施形態に係るモータ駆動装置の概略構成を示した図である。
第1の実施形態に係るコンバータ制御部の機能構成を示す図である。
第1の実施形態に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
第1の実施形態に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
第1の実施形態の第1変形例に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
第1の実施形態の第2変形例に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係るコンバータ装置について、図1〜図4を参照しながら詳しく説明する。なお、本実施形態に係るコンバータ装置は、空気調和機の圧縮機モータを駆動するモータ駆動装置に適用される。
【0018】
(概略構成)
図1は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置の概略構成を示した図である。
図1に示すように、モータ駆動装置1は、交流電源4からの交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータ装置2と、コンバータ装置2から出力された直流電力を三相交流電力に変換して圧縮機モータ(負荷)20に出力するインバータ装置3とを主な構成として備えている。
【0019】
コンバータ装置2は、交流電源4より入力された交流電力を直流電力に変換する整流回路5と、整流回路5の直流出力側に、整流回路5に並列に接続された平滑コンデンサ(平滑手段)12と、整流回路5と平滑コンデンサ12との間に、互いに並列に設けられた2つのスイッチング回路10a、10bと、スイッチング回路10a、10bを制御するコンバータ制御部(制御手段)15とを主な構成として備えている。
【0020】
スイッチング回路10a、10bは、力率改善、及び、交流電源への高調波を抑制する目的で設けられた力率改善回路である。
スイッチング回路10aは、整流回路5と平滑コンデンサ12とを接続する正極母線Lpに、直列的に設けられたインダクタ(誘導性素子)6aと、インダクタ6aの電流出力側に直列に接続されるダイオード7aと、インダクタ6aとダイオード7aとの間に一端が接続され、かつ、整流回路5と並列に接続されたスイッチング素子8aとを有する。
同様に、スイッチング回路10bは、整流回路5と平滑コンデンサ12とを接続する正極母線Lpに、直列的に設けられたインダクタ6bと、インダクタ6bの電流出力側に直列に接続されるダイオード7bと、インダクタ6bとダイオード7bとの間に一端が接続され、かつ、整流回路5と並列に接続されたスイッチング素子8bとを有する。
スイッチング素子8a、8bの一例としては、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が挙げられる。
【0021】
交流電源4には、ゼロクロス点を検出するためのゼロクロス検出部17が設けられている。ゼロクロス検出部17からのゼロクロス信号はコンバータ制御部15に出力される。
インバータ装置3は、6個のスイッチング素子を備えるブリッジ回路18と、ブリッジ回路18におけるスイッチング素子の開閉を制御するインバータ制御部19とを備える。インバータ制御部19は、例えば、上位装置(図示略)から入力される要求回転数指令に基づいて、各スイッチング素子のゲート駆動信号Spwmを生成し、ブリッジ回路18に与える。インバータ制御の具体的な手法の一例としては、ベクトル制御、センサレスベクトル制御、V/F制御、過変調制御、弱め界磁制御などが挙げられるが、本実施形態においては、要求回転数指令に応じて、V/F制御、過変調制御および弱め界磁制御を行うものとする。
上記のような制御を実現するために、ブリッジ回路18の入力直流電圧Vdcを検出する直流電圧検出部28、圧縮機モータ20に流れる各相電流iu、iv、iwを検出するモータ電流検出部29が設けられ、これらの検出値Vdc、iu、iv、iwがインバータ制御部19に入力されるようになっている。ここで、モータ電流検出部29は、ブリッジ回路18と平滑コンデンサ12の間の負極側電力線に流れる電流を検出し、この検出信号から各相電流iu、iv、iwを取得することとしてもよい。また、本実施形態においては、図1に示すように、直流電圧検出部28が検出した入力直流電圧Vdcは、コンバータ制御部15にも入力される。
【0022】
コンバータ制御部15及びインバータ制御部19は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)であり、以下に記載する各処理を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を有しており、CPUがこの記録媒体に記録されたプログラムをRAM等の主記憶装置に読み出して実行することにより、以下の各処理が実現される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。
コンバータ制御部15及びインバータ制御部19は、一つのMPUによって具現化されてもよいし、個別のMPUによって具現化されてもよい。
【0023】
(コンバータ制御部の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係るコンバータ制御部の機能構成を示す図である。
図2に示すように、コンバータ制御部15は、回転数指令取得部150、判定部151、オンデューティ変更部152、及び、信号出力部153としての機能を有する。
【0024】
回転数指令取得部150は、上位装置から入力される要求回転数指令を取得する。要求回転数指令は、圧縮機モータ20に対して要求される単位時間当たりの回転数を示す指令信号であって、空気調和機が利用者の要求温度(設定温度)を満足するように決定される。回転数指令取得部150が取得する要求回転数指令は、インバータ制御部19が受け付ける要求回転数指令と同じである。
判定部151は、回転数指令取得部150によって取得された要求回転数指令と所定の判定閾値(後述する判定閾値R1〜R4)との大小関係を判定する。
オンデューティ変更部152は、判定部151による大小関係の判定結果に基づいて、力率改善回路(スイッチング回路10a、10b)に入力されるスイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティを変更する。より具体的には、オンデューティ変更部152は、要求回転数指令が所定の判定閾値を上回っている場合に、入力直流電圧Vdcが昇圧されるように、スイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティを変更する。
信号出力部153は、ゼロクロス検出部17からのゼロクロス信号と同期しながら、力率改善及び高調波を抑制するためのスイッチング信号Sg1、Sg2をスイッチング回路10a、10bに向けて出力する。また、信号出力部153は、オンデューティ変更部152によって決定(変更)されたオンデューティをスイッチング信号Sg1、Sg2に適用して出力する。
【0025】
(コンバータ制御部の処理の詳細な説明)
図3、図4は、第1の実施形態に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
【0026】
まず、図3を参照しながら、コンバータ制御部15の信号出力部153の処理について詳しく説明する。
【0027】
信号出力部153は、図3(a)、(b)に示すように、基準波形と電圧指令とを比較し、その結果に基づいて、スイッチング回路10aを制御するためのスイッチング信号Sg1と、スイッチング回路10bを制御するためのスイッチング信号Sg2とを生成する。
具体的には、まず、信号出力部153は、予め定められたキャリア周波数の基準波形(例えば、三角波)を生成する(図3の(a)参照)。
次に、信号出力部153は、ゼロクロス検出部17からのゼロクロス信号と同期し、所定の振幅値を有する正弦波の電圧指令を生成する。なお、この電圧指令は、交流電源4から入力される交流電圧の周波数と同じ周波数の正弦波として成形されるものであり、かつ、負側の半周期が正側に反転されてなる。
図3に示すように、信号出力部153は、電圧指令よりも基準波形の方が大きい期間を“ON”とし、電圧指令よりも基準波形の方が小さい期間を“OFF”とするスイッチング信号Sg1、Sg2を出力する。
【0028】
ここで、基準波形の大きさ(最大値と最小値との差)に対する電圧指令の振幅値の比を電圧指令の「変調率」と定義し、例えば、基準波形の大きさと電圧指令の振幅値とが等しい場合、変調率を100%と規定する。この場合、スイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティ(ON期間及びOFF期間全体に対するON期間が占める割合)は、電圧指令の変調率によって制御可能である。具体的には、電圧指令の変調率を下げるほどスイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティは増加し、逆に、電圧指令の変調率を上げるほどスイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティは減少する。
【0029】
信号出力部153によって生成されたスイッチング信号Sg1、Sg2は、それぞれ、スイッチング素子8a、8bを駆動するゲート回路(図示略)にそれぞれ与えられ、この信号に基づいてゲート回路が駆動することにより、スイッチング素子8a、8bの開閉が制御される。
【0030】
図4に示すグラフは、上位装置から入力される要求回転数指令と、コンバータ装置2が出力する入力直流電圧Vdcとの対応関係を実線で示している。また、要求回転数指令と、インバータ装置3が出力するインバータ出力電圧との対応関係を破線で示している。
【0031】
次に、図4に示す実線のグラフを参照しながら、コンバータ制御部15の制御について詳しく説明する。
【0032】
図4に示すように、要求回転数指令が“R0”(R0=0[rps])から“R1”(R1>R0)までの範囲においては、コンバータ制御部15は、スイッチング回路10a、10b(力率改善回路)を動作させない。具体的には、要求回転数指令が上記範囲に属する間は、コンバータ制御部15の信号出力部153は、スイッチング信号Sg1、Sg2をオフに維持する。これは、圧縮機モータ20の負荷が小さい場合には高調波を抑制する必要性が小さいことから、全体的な動作効率の観点より、要求回転数指令が判定閾値R1以下である場合には力率改善回路を動作させないようにしたことに基づく。
この場合、コンバータ装置2から出力される入力直流電圧Vdcは、専ら整流回路5からの出力に応じた直流電圧となる。例えば、直流電圧Vdc1は、交流電源4から供給される交流電圧の実効値の√2倍となる。
【0033】
要求回転数指令が“R1”から“R3”(R3>R1)までの範囲においては、コンバータ制御部15は、力率改善及び高調波抑制の目的でスイッチング回路10a、10bを動作させる。具体的には、信号出力部153は、要求転数指令が判定閾値R1を上回り、かつ、判定閾値R3以下の場合には、所定のオンデューティ(第1のオンデューティ)を有するスイッチング信号Sg1、Sg2を出力する。ここで、スイッチング信号Sg1、Sg2に適用される第1のオンデューティは、専ら力率改善及び高調波抑制の効果を得る目的で規定され、入力直流電圧Vdcの昇圧を目的として規定されたものではない。しかし、スイッチング回路10a、10b(力率改善回路)の動作に伴い、入力直流電圧Vdcは、直流電圧Vdc1から直流電圧Vdc1’にわずかに(数V程度)上昇する。
【0034】
要求回転数指令が“R3”を上回る範囲においては、コンバータ制御部15は、力率改善及び高調波抑制の目的に加え、更に、入力直流電圧Vdcを昇圧させる目的でスイッチング回路10a、10bを動作させる。具体的には、信号出力部153は、要求転数指令が判定閾値R3を上回り、かつ、判定閾値R4以下の場合には、所定のオンデューティ(第2のオンデューティ)を有するスイッチング信号Sg1、Sg2を出力する。ここで、スイッチング信号Sg1、Sg2に適用される第2のオンデューティは、入力直流電圧Vdcを昇圧させる目的として規定されたものである。より具体的には、第2のオンデューティは第1のオンデューティよりも大きい値とされる。
つまり、オンデューティ変更部152は、要求回転数指令が上記の範囲に属する場合に適用する電圧指令(図3)の変調率を、要求回転数指令が“R1”から“R3”の範囲に属する場合に適用していた電圧指令の変調率よりも小さい値とする(図3参照)。電圧指令の変調率が小さくなる(即ち、スイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティが増加する)ことで、スイッチング回路10a、10bのスイッチング素子8a、8bを流れる電流が増加する。その結果、インダクタ6a、6bに蓄えられる電荷が増加し、ダイオード7a、7bの下流側の電圧(即ち、入力直流電圧Vdc)が昇圧される方向に作用する。この結果、コンバータ装置2から出力される入力直流電圧Vdcは、直流電圧Vdc1’よりも大きい直流電圧Vdc2に昇圧される。なお、直流電圧Vdc2は、圧縮機モータ20の誘起電圧に対し、最終的な回転数を満足できる電圧として規定される。
【0035】
次に、図4に示す破線のグラフを参照しながら、インバータ制御部19の制御について詳しく説明する。
【0036】
要求回転数指令が“R0”から“R2”(R3>R2>R1)までの範囲においては、インバータ制御部19は、V/f制御を行う。即ち、インバータ出力電圧の振幅値Vと要求回転数指令(=インバータ出力電圧の周波数f)との比が一定となるようなゲート駆動信号Spwm(ブリッジ回路18へ出力するPWM信号)を生成する。
【0037】
要求回転数指令が“R2”に達すると、V/f制御において、インバータ出力電圧が上限(入力直流電圧Vdc)に到達する。そのため、V/f制御ではこれ以上回転数を上昇させることができない。
そこで、インバータ制御部19は、要求回転数指令が“R2”から“R3”までの間、入力直流電圧Vdc(直流電圧Vdc1’)一定の下で過変調制御に切り替える。ここで、通常のV/f制御においては、インバータ出力電圧が正弦波に成形されるように、ゲート駆動信号Spwmによってブリッジ回路18がスイッチング制御される。しかし、過変調制御においては、ゲート駆動信号Spwmによるブリッジ回路18のスイッチング頻度を低減し、インバータ出力電圧を矩形波に近づける。このようにすることで、インバータ出力電圧が上限値に達した段階であっても、モータ回転数の若干の上昇を図ることができる。
【0038】
要求回転数指令が“R3”から“R4”(R4>R3)までの範囲においては、入力直流電圧VdcがVdc1(Vdc1’)からVdc2に昇圧されている。したがって、この範囲では、インバータ制御部19は、再びV/f制御を行う。即ち、インバータ出力電圧の振幅値Vと要求回転数指令(=インバータ出力電圧の周波数f)との比が一定となるようなゲート駆動信号Spwmを生成する。
【0039】
要求回転数指令が“R4”に達すると、V/f制御において、再び、インバータ出力電圧が上限(入力直流電圧Vdc)に到達する。
そこで、インバータ制御部19は、要求回転数指令が“R4”を上回る範囲においては、入力直流電圧Vdc(直流電圧Vdc2)一定の下で弱め界磁制御に切り替える。弱め界磁制御では、圧縮機モータ20のロータ位置と、インバータ出力電圧との位相をずらす。弱め界磁制御により圧縮機モータ20で生じる誘起電圧を低減させ、入力直流電圧Vdc一定の下で回転数を増加させることができる。
【0040】
なお、図4では、入力直流電圧Vdcの昇圧前(回転数指令“R2”〜“R3”の範囲)において「過変調制御」を行い、入力直流電圧Vdcの昇圧後(回転数指令“R4”を上回る範囲)において「弱め界磁制御」を行う態様で説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限られない。即ち、「過変調制御」及び「弱め界磁制御」は独立して適用可能であり、それぞれの範囲において、「過変調制御」、「弱め界磁制御」の両方を行う態様としてもよい。
【0041】
(作用、効果)
上述の制御によれば、要求回転数指令が所定の判定閾値(R3)を上回った場合に、コンバータ制御部15は、スイッチング回路10a、10b(力率改善回路)に出力しているスイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティを減少させる。換言すると、オンデューティ変更部152は、要求回転数指令が判定閾値R3以下の場合に、オンデューティを予め規定された第1のオンデューティに決定し、要求回転数指令が判定閾値R3を上回った場合に、オンデューティを第1のオンデューティよりも大きい第2のオンデューティに決定する。
これにより、力率改善回路による力率改善及び高調波抑制の効果を得ながら、更に、入力直流電圧VdcがVdc1’からVdc2に昇圧される(図4参照)。
【0042】
以上より、第1の実施形態に係るコンバータ装置2によれば、要求回転数指令に応じて、直流電圧をより高電圧に昇圧できる。
【0043】
(変形例)
以上、第1の実施形態に係るコンバータ装置2及びこれを備える空気調和機について詳細に説明したが、コンバータ装置2の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
【0044】
<第1の変形例>
図5は、第1の実施形態の第1変形例に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
図5に示すように、第1の実施形態の第1の変形例に係るコンバータ制御部15は、要求回転数指令が所定の判定閾値(R3)を上回った場合に、要求回転数指令に応じて階段状に(複数ステップに分けて)入力直流電圧Vdcを昇圧させる。
このようにすることで、インバータ装置3における電力効率を向上させることができる。
【0045】
<第2の変形例>
図6は、第1の実施形態の第2変形例に係るコンバータ制御部の処理を詳細に説明するために用いる図である。
図6に示すように、第1の実施形態の第2の変形例に係るコンバータ制御部15は、要求回転数指令が所定の判定閾値(R3)を上回った場合に、要求回転数指令に比例するように連続的に(スロープ状に)入力直流電圧Vdcを昇圧させてもよい。
この場合、オンデューティ変更部152は、要求回転数指令に比例するように、スイッチング信号Sg1、Sg2のオンデューティを変更する。
また、この場合、インバータ制御部19は、判定閾値R2から判定閾値R4までの範囲において、(スロープ状に変化する)入力直流電圧Vdcを上限とする過変調制御を継続してもよい。
このようにすることで、インバータ装置3における電力効率を一層向上させることができる。
【0046】
上述の実施形態においては、コンバータ制御部15の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0047】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0048】
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 モータ駆動装置
2 コンバータ装置
3 インバータ装置
4 交流電源
5 整流回路
6a、6b インダクタ
7a、7b ダイオード
8a、8b スイッチング素子
10a、10b スイッチング回路(力率改善回路)
12 平滑コンデンサ
15 コンバータ制御部
150 回転数指令取得部
151 判定部
152 オンデューティ変更部
153 信号出力部
17 ゼロクロス検出部
18 ブリッジ回路
19 インバータ制御部

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