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公開番号2020171173
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201015
出願番号2019072733
出願日20190405
発明の名称電気機器
出願人リンナイ株式会社
代理人個人
主分類H02J 7/00 20060101AFI20200918BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電池から電気負荷に電力を供給する経路での地絡の発生有無を検知可能な電気機器を提供する。
【解決手段】ユーザーが着脱可能な状態で設けられた電池電源から電気負荷に電力を供給する経路上での電圧を検知しておき、検知した電圧の低下量dEVが所定の閾値以上低下した場合には、地絡が発生したものと判断する。電池電源の消耗による電圧低下の場合は、電圧はゆっくりとしか低下しないので、電圧の低下量が閾値以上低下したことを検知すれば、地絡の発生を検知することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ユーザーが着脱可能な状態で設けられた電池電源と、前記電池電源からの電力で駆動される電気負荷と、前記電池電源からの電力を前記電気負荷に供給する電力供給回路とを有する電気機器において、
前記電力供給回路によって前記電気負荷に供給される電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段によって検知された電圧が所定の閾値以上低下したことを検知することにより、前記電力供給回路での地絡の発生を検知する地絡検知手段と
を備える電気機器。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電気機器において、
前記電圧検知手段は、前記電気負荷に供給される電圧の電圧値を、所定周期で検出しており、
前記地絡検知手段は、所定時間内での前記電圧値の低下量が、前記閾値よりも大きくなった場合に、前記地絡の発生を検知する
ことを特徴とする電気機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電気機器において、
前記電圧検知手段は、前記電気負荷に供給される電圧の電圧値を、所定の検出条件が成立する度に検出しており、
前記地絡検知手段は、前回に検出した前記電圧値に対して、今回に検出した前記電圧値が前記閾値以上低下していた場合に、前記地絡の発生を検知する
ことを特徴とする電気機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電気機器において、
前記電気機器に対して電力が供給される接続状態と、供給されない切断状態とを切り換えるスイッチと、
前記地絡の発生が検知されたときに前記電圧検知手段で検出されていた電圧値を記憶する記憶手段と、
前記地絡の発生が検知された後、前記スイッチが前記切断状態から前記接続状態に切り換えられると、前記電圧検知手段を用いて前記電圧値を検出して、前記検出した電圧値と前記記憶手段に記憶されている電圧値との差が所定値以下であった場合には、異常の発生を報知する報知手段と
を備える電気機器。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の電気機器において、
前記電圧検知手段は、前記電圧値として、
前記電力供給回路上で前記電池電源よりも前記電気負荷に近い位置で検出した負荷側電圧値と、
前記電力供給回路上で前記電気負荷よりも前記電池電源に近い位置で検出した電源側電圧値とを検出しており、
前記地絡検知手段は、前記負荷側電圧値が、前記電源側電圧値よりも所定の許容電圧値以上、低下していた場合にも、前記地絡の発生を検知する
ことを特徴とする電気機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電池電源と、電池電源からの電力で駆動される電気負荷とを有する電気機器に関し、詳しくは、電気機器での地絡の発生有無を検知する技術に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
ガス機器を初めとする各種の電気機器では、機器を動作させたり、動作を制御したりするための電源とは別に、機器のユーザーに対して各種の情報を表示するための電源が搭載されることが多くなっている。ユーザーに対する各種の情報は、液晶画面やLEDなどの表示部を用いて表示されることが一般的であり、液晶画面やLEDなどの表示部であれば電池を用いて十分に駆動することができるので、表示用の電源には電池が広く用いられている。また、表示部には限らず、電気負荷の電力消費が少ない場合には、電気負荷を駆動するための電源として電池が広く用いられている。
【0003】
もっとも、表示部などの電力消費が少ない負荷用の電源に電池を用いた場合、電池が消耗すると表示部などの負荷を駆動することが出来なくなってしまうので、ユーザーによる機器の使用に支障を来すことになる。そこで、このような負荷に供給される電圧を検出して、電圧が低下した場合には、電池が消耗した旨を報知する技術が提案されている(特許文献1)。報知を受けたユーザーが、消耗した電池を新しい電池に交換すれば、再び機器を正常に使用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017−139845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の技術では、電池から電気負荷に電力を供給する電力供給回路の何処かで地絡が発生した場合も、電気負荷に供給される電圧が低下するため、電池が消耗したものと誤判断してしまうという問題があった。地絡が発生していると電池が急激に消耗するため、ユーザーが電池を交換しても、その電池が直ぐに消耗することになってしまい、ユーザーに多大な迷惑を掛けてしまう。
【0006】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するために成されたものであり、電池から電気負荷に電力を供給する電力供給回路での地絡の発生有無を検知することが可能な電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の電気機器は次の構成を採用した。すなわち、
ユーザーが着脱可能な状態で設けられた電池電源と、前記電池電源からの電力で駆動される電気負荷と、前記電池電源からの電力を前記電気負荷に供給する電力供給回路とを有する電気機器において、
前記電力供給回路によって前記電気負荷に供給される電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段によって検知された電圧が所定の閾値以上低下したことを検知することにより、前記電力供給回路での地絡の発生を検知する地絡検知手段と
を備えることを特徴とする。
【0008】
かかる本発明の電気機器においては、電池電源から電気負荷に供給される電圧が、所定の閾値以上低下したことを検知すると、地絡が発生したものと判断する。例えば、電池電源の消耗による場合は、電圧はゆっくりとしか低下しないので、電圧が急激に低下していれば、その電圧低下は電池電源の消耗ではなく地絡によるものと考えられる。従って、電圧が閾値以上低下したことを検知すれば、地絡の発生を検知することができる。尚、電圧の低下量が閾値以上であることが検知できればよいので、必ずしも電圧値を検知する必要は無い。
【0009】
また、上述した本発明の電気機器においては、電気負荷に供給される電圧の電圧値を、所定周期で検出しておき、所定時間内での電圧値の低下量が、所定の閾値よりも大きくなった場合に、地絡の発生を検知することとしても良い。
【0010】
こうすれば、所定周期で電圧値を検出しているので、地絡が発生したことを速やかに検知することができ、電気機器のユーザーに対して早めに適切な処置を実施させることが可能となる。
【0011】
また、上述した本発明の電気機器においては、電気負荷に供給される電圧の電圧値を、所定の検出条件が成立する度に検出しておき、前回に検出した電圧値に対して、今回に検出した電圧値が所定の閾値以上低下していた場合に、地絡の発生を検知することとしてもよい。
【0012】
こうすれば、絶えず電圧値を検出していない場合でも、地絡の発生を検知することが可能となる。
【0013】
また、上述した本発明の電気機器においては、地絡の発生が検知されても直ちに報知するのではなく、次のようにしても良い。先ず、地絡の発生が検知されたときの電圧値を記憶しておく。そして、電気機器のスイッチが切り換えられて、電気機器に対して電力が供給されない切断状態となった後、再びスイッチが切り換えられて電力が供給される接続状態となるのを待って、もう一度、電池電源から電気負荷に供給される電圧値を検出する。そして、検出した電圧値と、記憶しておいた電圧値とで大きな差が無かった場合(電圧値の差が所定値以下であった場合)には、地絡の発生を報知するようにしても良い。
【0014】
こうすれば、地絡の発生を確実に検知することが可能となる。
【0015】
また、上述した本発明の電気機器においては、次のようにして地絡の発生を検知することとしても良い。先ず、電池電源よりも電気負荷に近い位置と、電気負荷よりも電池電源に近い位置とで、電圧値を検出する。そして、電池電源よりも電気負荷に近い位置で検出した負荷側電圧値の方が、電気負荷よりも電池電源に近い位置で検出した電源側電圧値よりも、所定の許容電圧値以上、低下していた場合に、地絡の発生を検知するようにしても良い。
【0016】
こうしても、地絡の発生を検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本実施例の電気機器1の大まかな構造を示したブロック図である。
本実施例の電気機器1に搭載されて制御装置30が地絡の発生を検知するために実施する地絡検知処理のフローチャートである。
電圧値を検出することによって電気機器1の内部での地絡を発生するメカニズムについての説明図である。
変形例の電気機器1の大まかな構造を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施例の電気機器1の大まかな構造を示したブロック図である。図1(a)に示されるように、本実施例の電気機器1は、本体ケース2の内部に各種のデバイスが搭載された構造となっており、これらのデバイスは、ユーザーが取り換え可能な電池電源10からの電力や、電池電源10とは別体に設けられた別電源20からの電力で動作するようになっている。本体ケース2の側面には、電池電源10が収納される収納部2aが形成されており、電池電源10が消耗すると、ユーザーが消耗した電池電源10を収納部2aから取り外すことによって、新たな電池電源10に簡単に交換可能となっている。
【0019】
また、本実施例の電気機器1では、別電源20にも、ユーザーが容易に交換可能な電池電源が採用されており、このことに対応して、本体ケース2の側面には、別電源20を収納する収納部2bが形成されている。尚、別電源20については、商用の交流電源を変換して目的とする電力を生成する電源装置などを用いても良い。この場合は、ユーザーが別電源20を交換する必要性は低いので、別電源20は本体ケース2の内部に搭載されることになる。
【0020】
このように電気機器1には、電池電源10と、別電源20とを備えおり、このことに対応して、電気機器1に搭載された各種のデバイスは、電池電源10からの電力で動作するデバイスと、別電源20からの電力で動作するデバイスとに大別される。具体的なデバイスは、想定する電気機器1によって違うので、以下では、電気機器1がガスコンロであるものとして説明する。周知のようにガスコンロは、燃料ガスと燃焼用吸気との混合ガスをコンロバーナーで燃焼させることによって、鍋などの調理容器内の調理物を加熱調理する機器であるが、ガスコンロ内には電力で動作する以下のような各種のデバイスが搭載されている。
【0021】
先ず、コンロバーナーで燃焼用空気と一緒に燃焼させる燃料ガスは、ガス管から供給されるが、燃料ガスと燃焼用空気との混合ガスをコンロバーナーで燃焼させない場合は燃料ガスを供給する必要は無い。このため、ガス管には、コンロバーナーで混合ガスを燃焼させないときには閉弁させておき、混合ガスを燃焼させるときには開弁させる電磁弁22(いわゆる元弁)が搭載されている。また、電磁弁22の下流側(コンロバーナー側)には、ユーザーが設定した火力に応じて燃料ガスの流量を制御する流量制御弁23が搭載されている。更には、電磁弁22や流量制御弁23の動作を制御する制御装置30や、ガスコンロで異常が発生したときに点灯して、ユーザーに異常の発生を報知する報知LED24や、混合ガスに点火するための図示しない点火プラグなども搭載されている。
【0022】
これらの電磁弁22や、流量制御弁23や、制御装置30や、報知LED24などは、別電源20から供給される電力によって動作している。以下、図1(a)を参照しながら説明すると、別電源20からの電力は、トグル式の電源スイッチ3を介して、電圧調整器21に供給される。電圧調整器21は、別電源20から供給される電力の電圧値を、電磁弁22や、流量制御弁23や、報知LED24や、制御装置30などで用いる規格の電圧値に変換した後、電磁弁22や、流量制御弁23や、報知LED24や、制御装置30などに供給する。尚、本実施例の電源スイッチ3は、本発明における「スイッチ」に該当する。
【0023】
制御装置30は、CPUやメモリーやコンデンサーなどによって主に構成されるいわゆるマイクロコンピューターであり、電磁弁22は制御装置30からの出力信号に従って、開弁状態あるいは閉弁状態に切り替わる。尚、図1(a)では、制御装置30からの出力信号は破線の矢印によって表されている。また、流量制御弁23は、制御装置30からの出力信号に従って弁開度を調整することによって、燃焼ガスの流量を制御する。更に、後述するように、制御装置30が異常(たとえば、地絡の発生)を検知した場合には、制御装置30から出力信号を出力することによって、報知LED24を点灯させるようになっている。
【0024】
また、今日のガスコンロでは、液晶表示装置などの表示部12を用いて各種の情報を表示することによって、ユーザーの利便性向上が図られるようになっている。ここで表示部12を動作させるための電源は、制御装置30や電磁弁22や流量制御弁23などを動作させるための電源(本実施例では別電源20)とは別の電源(本実施例では電池電源10)から、供給されるようになっている。このように、制御装置30や電磁弁22や流量制御弁23などを動作させる電源と、表示部12を動作させる電源とが別の電源とされている理由は、制御装置30や電磁弁22や流量制御弁23などが動作しなくなるとガスコンロが使えなくなってしまうのに対して、表示部12が動作しなくなっても、(制御装置30や電磁弁22や流量制御弁23などが動作する限りは)ガスコンロが使えるためである。そこで、表示部12で電力を消費することによって、制御装置30や電磁弁22などを動作させるための電源が消耗して、ガスコンロが使えなくなってしまう事態を回避する目的で、表示部12には(別電源20からではなく)電池電源10から電力を供給するようにしている。尚、本実施例では、電池電源10の電力で動作するデバイスは表示部12であるため、本実施例の表示部12が本発明における「電気負荷」に該当する。
【0025】
図1(a)に示されるように、電池電源10からの電力は、電気配線13aを介して電圧調整器11に供給され、電圧調整器11で表示部12の規格の電圧値に調整された後、電気配線13bを介して表示部12に供給される。尚、表示部12で表示される情報は、制御装置30から供給されている。また、表示部12から電池電源10に電力を還流させる電気配線13bの途中には、半導体式の開閉スイッチ14が接続されている。電気機器1のユーザーが電源スイッチ3をONにすると、制御装置30が起動して開閉スイッチ14をONにする。すると、電池電源10から表示部12に電力が供給されて、表示部12で各種の情報が表示されるようになる。その後、ユーザーが電源スイッチ3をOFFにすると、制御装置30が開閉スイッチ14をOFFにする。このように、表示部12には、電源スイッチ3がONになると電力が供給され、電源スイッチ3がOFFになると電力が供給されないようになっている。
【0026】
以上のような電気機器1では、電気機器1を動作させるための電源(本実施例では別電源20)と、各種の情報を表示するための表示用の電池(本実施例では電池電源10)とが別々に設けられているので、表示用の電池が消耗しても電気機器1を動作させることができる。もちろん、表示用の電池が消耗すると各種の情報を表示できなくなってしまうが、ユーザーが電池を交換すれば、再び各種の情報を表示可能となる。もっとも、電池電源10から12に電力を供給している経路(本実施例では、電気配線13aと電圧調整器11と電気配線13b)の何処かで地絡(グランド電位に短絡する現象)が発生すると、表示部12に電力が供給できなくなってしまい、表示部12が各種の情報を表示しなくなる。この状況を見て、ユーザーが電池電源10が消耗したものと思って、新しい電池電源10に交換しても、情報を表示することができないだけでなく、新しい電池電源10が直ぐに消耗してしまい、ユーザーに大きな迷惑を掛けることになってしまう。そこで、こうした事態の発生を回避するために、本実施例の電気機器1の制御装置30は、電池電源10から表示部12に供給される電圧を検知することによって、地絡の発生を検知可能としている。
【0027】
図1(b)には、制御装置30の大まかな内部構造が示されている。前述したように制御装置30は主にマイクロコンピューターによって形成されているが、制御装置30が地絡の発生を検知する機能に着目すると、制御装置30の内部は、CPU31や、電圧検知部32や、メモリー33などに分類することができる。ここで、CPU31は、予め設定されているプログラムを実行することによって、ガスコンロ全体の動作を制御しており、地絡の発生を検知するための後述する処理も、主にCPU31によって実行されている。
【0028】
電圧検知部32は、電池電源10から表示部12に供給される電圧を検知する。尚、図1(a)に示した例では、電池電源10と電圧調整器11とを接続する電気配線13aでの電圧を検知しているが、電池電源10から表示部12までの何処かで電圧が検知できればよく、従って、電圧調整器11の内部で電圧を検知しても良いし、電圧調整器11と表示部12とを接続する電気配線13bで検知しても良い。本実施例では、電池電源10から表示部12に電力を供給する経路(すなわち、電気配線13a、電圧調整器11および電気配線13b)が、本発明における「電力供給回路」に該当する。また、本実施例の電圧検知部32は、電圧値を検出するものとして説明するが、電圧が急激に低下したこと(すなわち、電圧の低下量)が検知できるのであれば良く、必ずしも電圧値を検出しなくても良い。
【0029】
メモリー33は、CPU31がデータを読み出したり、書き込んだりすることが可能でありながら、電力が供給されなくなってもデータが保持されているメモリーである。制御装置30には、メモリー33の他に、所定のプログラムやデータが記憶された読み出し専用のROMと呼ばれるメモリー(図示は省略)や、CPU31がデータを一時的に記憶するRAMと呼ばれるメモリー(図示は省略)も搭載されている。更に、制御装置30には、CPU31が外部からデータを読み込んだり、外部(電磁弁22や、流量制御弁23、報知LED24、表示部12)などに向かって出力信号やデータを出力したりするための図示しないインターフェース部なども搭載されている。尚、本実施例のメモリー33は、本発明における「記憶手段」に該当する。
【0030】
図2は、本実施例の制御装置30が地絡の発生を検知するために実施する地絡検知処理のフローチャートである。図示されるように、地絡検知処理では、先ず始めに電源スイッチ3がONにされたか否かを判断する(STEP10)。その結果、電源スイッチ3がONにされていない場合は(STEP10:no)、同じ判断を繰り返すことによって、電源スイッチ3がONにされるまで待機状態となる。
【0031】
そして、電源スイッチ3がONにされると(STEP10:yes)、今度は、地絡フラグがONに設定されているか否かを判断する(STEP11)。ここで、地絡フラグとは、制御装置30が地絡の発生を検知した場合に、メモリー33(図1(b)参照)に設定するフラグである。地絡の発生を検知する方法については、後ほど詳しく説明する。通常時は、地絡は発生していないので、地絡フラグはOFFに設定されているため、STEP11では「no」と判断される。
【0032】
続いて、電圧値の検出条件が成立したか否かを判断する(STEP15)。電圧値の検出条件としては、所定時間(例えば1秒)が経過したこととしても良いし、あるいは、ユーザーが電気機器1に対して所定の操作(例えば、コンロバーナーの点火、あるいは消火)が行われたことなど、種々の条件を設定することができる。
【0033】
その結果、電圧値の検出条件が成立していなかった場合は(STEP15:no)、処理の先頭に戻って、電源スイッチ3がONになっているか否かを判断した後(STEP10)、上述した一連の手続を実施する。これに対して、検出条件が成立していた場合は(STEP15:yes)、電気配線13a(図1(a)参照)での電圧値を検出する(STEP16)。尚、電圧値を検出する箇所は、電池電源10から表示部12までの間であれば良く、電気配線13aでなくても構わない。
【0034】
そして、電圧値を検出した場合は(STEP16)、検出した電圧値の低下量が、所定の閾値以上か否かを判断する(STEP17)。すなわち、本実施例の地絡検知処理では、所定の検出条件が成立する度に電圧値を検出しているので、検出した電圧値が所定の閾値以上、大きく低下していれば、そのことを容易に検知することができる。
【0035】
図3は、検出した電圧値が変化する様子を例示した説明図である。一定時間が経過する度に電圧値を検出した場合は、図3(a)に例示したように、電圧値の連続的な時系列データを得ることができる。電池電源10は消耗してくると電圧値が低下して行く傾向にあるが、電圧値の低下は緩やかであって急激に低下することはない。従って、図3(a)に例示したように、電圧値が急激に低下し、その低下量dEVが所定の閾値よりも大きかった場合には、地絡が発生したものと考えることができる。
【0036】
また、何らかのイベント(例えば、ユーザーによる点火。あるいは消火)が発生する度に電圧値を検出していた場合は、図3(b)に示すようなデータが得られることになる。図3(b)中に示した白丸は、検出条件が成立する度に検出された電圧値を表している。このように不定期に電圧値を検出する場合でも、電圧値が急激に低下したことは検知することができる。すなわち、図3(b)に示した例では、4回目に電圧値を検出した時点では、電圧値は低下していないが、5回目に検出した電圧値は、それ以前に検出した電圧値(1回目〜4回目に検出した電圧値)に対して大きく低下している。従って、この電圧値の低下量dEVが所定の閾値よりも大きかった場合には、4回目に検出してから5回目に検出するまでの間の何れかのタイミングで地絡が発生したものと考えられる。
【0037】
図2のSTEP17では、以上のようにして、電圧値の低下量が所定の閾値以上か否かを判断する。その結果、電圧値の低下量が小さく、閾値以上ではなかった場合は(STEP17:no)、地絡は発生していないと判断できるので、処理の先頭に戻って、上述した一連の手続を実施する。これに対して、電圧値の低下量が閾値以上であった場合は(STEP17:yes)、地絡が発生している可能性が高いと考えられる。そこで、この場合は、STEP17で「yes」と判断したときの電圧値を、地絡電圧値としてメモリー33(図1(b)参照)に記憶する(STEP18)。前述したようにメモリー33は、電源が供給されなくなっても記憶した内容を保持していくことができる。
【0038】
尚、本実施例のSTEP17では、電圧値が大きく低下した場合(すなわち、電圧値の低下量が所定の閾値以上であった場合)に、地絡が発生したものと判断した(STEP17:yes)。しかし、電気機器1の電池電源10(本実施例ではガスコンロの表示用の電池)が正常に使用されている状態では、電圧値は一定の電圧範囲内にあると考えて良いから、電圧値が大きく低下したと言うことは、通常では使用されないような電圧値まで低下したということでもある。従って、STEP17では、電圧値が所定の基準値を下まわった場合に、地絡が発生したものと判断するようにしてもよい。
【0039】
続いて、地絡が検知されたことを示す地絡フラグをONに設定する(STEP19)。前述したように地絡フラグもメモリー33に設定される。その後、電源スイッチ3がOFFになったか否かを判断する(STEP20)。そして、電源スイッチ3がOFFになっていなかった場合は(STEP20:no)、同じ判断を繰り返すことによって、電源スイッチ3がOFFになるまで待機する。その結果、電源スイッチ3がOFFになったら(STEP20:yes)、再び処理の先頭に戻って、電源スイッチ3がONに設定されたか否かを判断する(STEP10)。そして、電源スイッチ3がONになったら(STEP10:yes)、地絡フラグがONに設定されているか否かを判断する(STEP11)。前述したように、電圧値が閾値よりも大きく低下していた場合は(STEP17:yes)、地絡フラグがONに設定されているので(STEP19)、STEP11では「yes」と判断されることになる。
【0040】
そして、地絡フラグがONに設定されていた場合は(STEP11:yes)、電池電源10から表示部12に供給される電圧値を検出して(STEP12)、メモリー33に記憶されている地絡電圧値と比較する(STEP13)。その結果、検出した電圧値と地絡電圧値との偏差が小さく、所定値以下であった場合は(STEP13:yes)、地絡が発生していることが確実なので、報知LED24を点灯させることによって、地絡の発生をユーザーに報知した後(STEP21)、図2の地絡検知処理を終了する。
【0041】
これに対して、STEP12で検出した電圧値と、メモリー33から読み出した地絡電圧値との偏差が所定値よりも大きかった場合は(STEP13:no)、実際には地絡は発生していないと考えられる。例えば、電池電源10が消耗気味であった場合には、表示部12での消費電力が、何らかの理由で急に大きくなると、電圧値が急激に低下することがある。このような場合であれば、電源スイッチ3を入れ直すことによって電圧値が回復する。また、暫くの間、電池電源10を使用しない状態が続くと電池電源10は回復するので、これに伴って電圧値も回復する。従って、電圧値が大きく低下しても(STEP17:yes)、直ちに報知LED24を点灯させて地絡の発生を報知するのではなく、電源スイッチ3がOFFにされるのを待って(STEP20:yes)、再び電源スイッチ3がONにされた後に検出した電圧値が回復していなかった場合に(STEP13:yes)、地絡が発生したもの判断することによって、地絡の発生を確実に検知することが可能となる。
【0042】
一方、STEP13で「no」と判断した場合、すなわち、電源スイッチ3が入れ直された後に検出した電圧値が回復していた場合は、実際には地絡は発生していないと考えられるので、地絡フラグの設定をOFFに戻すと共に、記憶しておいた地絡電圧値を初期化する(STEP14)。そして、電圧値の検出条件が成立したか否かを判断し(STEP15)、検出条件が成立していない場合は(STEP15:no)、処理の先頭に戻って、上述した一連の手続を実施する。これに対して、検出条件が成立していれば(STEP15:yes)、電圧値を検出した後(STEP16)、上述した以降の手続を実施する。こうすれば、地絡が発生していないのに、地絡が発生したものと誤検知することを回避することが可能となる。
【0043】
尚、上述した本実施例では、地絡フラグをONに設定した後は(STEP19)、ユーザーによって電源スイッチ3がOFFにされるのを待ち(STEP20)、電源スイッチ3がOFFにされた後は(STEP20:yes)、更に、ユーザーによって電源スイッチ3がONにされるのを待つ(STEP10)ものとして説明した。しかし、地絡フラグをONに設定した後は(STEP19)、音声を出力したり、ランプを点灯させたり、画像を表示したりすることによって、ユーザーに対して電源スイッチ3を入れ直すように催促するようにしても良い。
【0044】
また、上述した本実施例では、制御装置30は、電池電源10から表示部12までの一箇所で電圧値を検出するものとして説明した。しかし、複数箇所で電圧値を検出しても良い。図4は、制御装置30が複数箇所で電圧値を検出する変形例の電気機器1の大まかな内部構造を示すブロック図である。図4に示した変形例の電気機器1は、図1を用いて前述した本実施例の電気機器1に対して、制御装置30が電圧値を検出する位置が複数箇所(図示した例では二箇所)に増えている点で異なるが、その他については同様である。
【0045】
図4に示した例では、電気配線13a上のA点およびB点の二箇所で電圧値を検出している。A点およびB点の何れの箇所でも、検出される電圧値は電池電源10が発生する電圧値であって、電圧差は生じない。しかし地絡が発生すると、電気配線13aには大きな電流が流れるので、電池電源10に近い側のA点で検出した電圧値(電源側電圧値)の方が、表示部12に近い側のB点で検出した電圧値(負荷側電圧値)よりも高くなる。従って、A点で検出した電圧値(電源側電圧値)が、B点で検出した電圧値(負荷側電圧値)よりも、所定の許容電圧値よりも大きくなった場合に、地絡が発生したものと判断してもよい。
【0046】
以上、本実施例および変形例の電気機器1について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…電気機器、 2…本体ケース、 2a…収納部、 2b…収納部、
3…電源スイッチ、 10…電池電源、 11…電圧調整器、
12…表示部、 13a…電気配線、 13b…電気配線、
14…開閉スイッチ、 20…別電源、 21…電圧調整器、
22…電磁弁、 23…流量制御弁、 24…報知LED、
30…制御装置、 31…CPU、 32…電圧検知部、 33…メモリー。

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