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公開番号2020171171
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201015
出願番号2019072454
出願日20190405
発明の名称環状積層コア材、及び、環状積層コア材の製造方法
出願人デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02K 1/04 20060101AFI20200918BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】各コア材の結合部分から発生する渦電流などによる鉄損を無くし、かつ、追加の工程の必要がない環状積層コア材、および、その製造方法を提供する。
【解決手段】環状積層コア材1は、複数の環状のコア材が積層されて円筒形状に形成され、半径方向内方の内周面又は半径方向外方の外周面に軸方向に延びる溝部が形成されたコア本体6と、コア本体7の軸方向両端面の少なくとも一部を覆うように形成された一対の本体部2a、及び、一対の本体部2aを連結する連結部2bが一体成形された樹脂成型体2と、溝部の内面上に配置された絶縁シート6と、を備え、絶縁シート6の軸方向両端部が、樹脂成型体2の本体部2aとそれぞれ当接している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
環状積層コア材であって、
複数の環状のコア材が積層されて円筒形状に形成され、半径方向内方の内周面又は半径方向外方の外周面に軸方向に延びる溝部が形成されたコア本体と、
前記コア本体の軸方向両端面の少なくとも一部を覆うように形成された一対の本体部、及び、前記一対の本体部を連結する連結部が一体成形された樹脂成型体と、
前記溝部の内面上に配置された絶縁シートと、を備え、
前記絶縁シートの軸方向両端部が、前記樹脂成型体の本体部とそれぞれ当接している、ことを特徴とする環状積層コア材。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記コア本体には前記軸方向両端面の間にわたって延びる貫通孔が形成されており、
前記連結部は前記コア本体の貫通孔を通って前記一対の本体部を連結する、
請求項1に記載の環状積層コア材。
【請求項3】
前記コア本体の内周面又は外周面には前記軸方向両端面の間にわたって延びる周面溝部が形成されており、
前記連結部は前記コア本体の前記周面溝部を通って前記一対の本体部を連結する、
請求項1に記載の環状積層コア材。
【請求項4】
前記環状のコア材は軸方向両面が平坦面であり、各コア材は隣接するコア材と前記平坦面同士が直接接触している、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の環状積層コア材。
【請求項5】
前記絶縁シートと樹脂成型体とは、接着剤を用いることなく連結されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の環状積層コア材。
【請求項6】
前記絶縁シートと前記樹脂成型体との接触部分の軸方向長さが、0.5mm以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の環状積層コア材。
【請求項7】
前記絶縁シートの前記樹脂成型体が接する面に前記樹脂成型体を構成する樹脂が含浸されることにより、前記絶縁シートと前記樹脂成型体とは連結されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の環状積層コア材。
【請求項8】
前記樹脂成型体が、アミド結合を有するポリマーを用いて形成され、
前記樹脂成型体と当接している前記絶縁シートの面は、アミド結合を有するポリマーで構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の環状積層コア材。
【請求項9】
前記樹脂成型体が、アミド結合を有するポリマーを用いて形成され、
前記樹脂成型体と当接している前記絶縁シートの面は、アラミドファイブリッドとアラミド短繊維からなるアラミド紙で構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の環状積層コア材。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の環状積層コア材に巻き線を巻回したステーターを使用している、モータ。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の環状積層コア材に巻き線を巻回したステーターを使用している、モータジェネレータ。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の環状積層コア材に巻き線を巻回したステーターを使用している、発電機。
【請求項13】
環状積層コア材の製造方法であって、
複数の環状のコアブロックが積層されて円筒形状に形成され、半径方向内方の内周面又は半径方向外方の外周面に軸方向に延びる溝部が形成されたコア本体を、前記溝部に絶縁シートを配置した状態となるように成形型内に配置する配置ステップと、
成形型内に樹脂を射出し、前記コア本体の軸方向両端面の少なくとも一部を覆うように形成された一対の本体部を含む樹脂成型体を一体成形する樹脂成型ステップと、を含む、ことを特徴とする、環状積層コア材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、環状積層コア材、及び、環状積層コア材の製造方法に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、帯状薄板材から打抜きした所定枚数の各環状コア材を積層状態で結合してなるモータコア等の環状積層コア材が知られている。環状積層コア材を製造する方法としては、例えば、型内自動積層法が知られている。型内自動積層法では、まず、帯状薄板材を順送り金型装置で間欠移送させながら、この帯状薄板材のコア材用薄板部に対して順次所望の型抜き加工を施す。次に、コア材用薄板部を外径抜きパンチで打抜きして帯状薄板材から切り離してダイ内へ順次抜き落とす。そして、この抜き落とされた各コア材を、コア材に予め設けられた仮固着手段の一種であるかしめ結合手段によって所定枚数ずつ積層状態で結合させる。
【0003】
型内自動積層法における、一般的なかしめ結合手段としては、例えば、特許文献1(特開昭58−116033号公報)のように各コア材に予め切り起し部を設けたり、特許文献2(特開昭49−37103号公報)のように打出し突起(ダボ)を設けたりしておき、積層状態で上下に隣接する各コア材間を切り起し部又は打出し突起でかしめ結合する構成が用いられている。
【0004】
また、例えば接着剤や、レーザービームにより、各コア材を接着した積層コア材も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭58−116033号公報
特開昭49−37103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のかしめ結合手段では切り起し部や打出し突起などによる結合部分がモータとして組立てた際にもそのまま残されているので、このかしめ結合部分に渦電流等が発生し、鉄損による数%の効率低下が起こるという問題点があった。
【0007】
また、接直材やレーザービームにより接着する方法では、接着剤の塗布、又は、レーザービームの照射工程を行った後に、巻き線との電機絶縁を確保するために、樹脂成型体を積層コア材に嵌合する追加の工程が必要であった。
【0008】
そこで、本発明は、各コア材の結合部分から発生する渦電流などによる鉄損を無くし、かつ、追加の工程の必要がない環状積層コア材、および、その製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、環状積層コア材であって、複数の環状のコア材が積層されて円筒形状に形成され、半径方向内方の内周面又は半径方向外方の外周面に軸方向に延びる溝部が形成されたコア本体と、コア本体の軸方向両端面の少なくとも一部を覆うように形成された一対の本体部、及び、一対の本体部を連結する連結部が一体成形された樹脂成型体と、溝部の内面上に配置された絶縁シートと、を備え、絶縁シートの軸方向両端部が、樹脂成型体の本体部とそれぞれ当接している、ことを特徴とする。
【0010】
上記構成の本発明によれば、樹脂成型体の一対の本体部が連結部により一体となり、さらに、絶縁シートと樹脂成型体とが当接することにより連結されるため、積層されたコア材をかしめや接着などにより仮固定することなく一体化させることができる。これにより、コア材にかしめのためのカシメ結合部を設ける必要がなく鉄損を抑制できるとともに、接着剤の塗布やレーザービームなどの追加の工程が必要にならない。
【0011】
本発明において、好ましくは、コア本体には軸方向両端面の間にわたって延びる貫通孔が形成されており、連結部はコア本体の貫通孔を通って一対の本体部を連結する。
上記構成の本発明によれば、樹脂成型体を成型する際に溶融した樹脂が貫通孔を通って一対の本体部及び連結部に相当する空間に充填されるため、本体部と連結部とを一体化することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、コア本体の内周面又は外周面には軸方向両端面の間にわたって延びる溝部が形成されており、連結部はコア本体の溝部を通って一対の本体部を連結する。
上記構成の本発明によれば、樹脂成型体を成型する際に溶融した樹脂が周面溝部を通って一対の本体部及び連結部に相当する空間に充填されるため、本体部と連結部とを一体化することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、環状のコア材は軸方向両面が平坦面であり、各コア材は隣接するコア材と平坦面同士が直接接触している。
上記構成の本発明によれば、鉄損をより抑制することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、絶縁シートと樹脂成型体とは、接着剤を用いることなく連結されている。
上記構成の本発明によれば、接着などの追加の工程を行うことなく、環状積層コア材を製造することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、前記絶縁シートと前記樹脂成型体との接触部分の軸方向長さが、0.5mm以上である。
上記構成の本発明によれば、前記絶縁シートと前記樹脂成型体との接触部分の軸方向長さが、0.5mm以上あれば、環状積層コア材1の溝部に直線状のセグメントコンダクタを配置し、屈曲させたときの、各コア材間のずれもなく、屈曲時にかかる負荷にも耐えうるものである。
【0016】
本発明において、好ましくは、絶縁シートの樹脂成型体が接する面に樹脂成型体を構成する樹脂が含浸されることにより、絶縁シートと樹脂成型体とは連結されている。
上記構成の本発明によれば、絶縁シートと樹脂成型体をより強固に連結できる。
【0017】
本発明において、好ましくは、樹脂成型体が、アミド結合を有するポリマーを用いて形成され、樹脂成型体と当接している絶縁シートの面は、アミド結合を有するポリマーで構成されている。
上記構成の本発明によれば、ポリマーと絶縁シートが分子レベルで絡み合い、絶縁シートと樹脂成型体をより強固に連結できる。
【0018】
本発明において、好ましくは、樹脂成型体が、アミド結合を有するポリマーを用いて形成され、樹脂成型体と当接している絶縁シートの面は、アラミドファイブリッドとアラミド短繊維からなるアラミド紙で構成されている。
上記構成の本発明によれば、ポリマーと絶縁シートが分子レベルで絡み合い、絶縁シートと樹脂成型体をより強固に連結できる。
【0019】
本発明のモータは、上記の環状積層コア材に巻き線を巻回したステーターを使用している。
上記構成のモータによれば、上述した作用効果が奏される。
【0020】
本発明のモータジェネレータは、上記の環状積層コア材に巻き線を巻回したステーターを使用している。
上記構成のモータジェネレータによれば、上述した作用効果が奏される。
【0021】
本発明の発電機は、環状積層コア材に巻き線を巻回したステーターを使用している。
上記構成の発電機によれば、上述した作用効果が奏される。
【0022】
本発明は環状積層コア材の製造方法であって、複数の環状のコアブロックが積層されて円筒形状に形成され、半径方向内方の内周面又は半径方向外方の外周面に軸方向に延びる溝部が形成されたコア本体を、溝部に絶縁シートを配置した状態となるように成形型内に配置する配置ステップと、成形型内に樹脂を射出し、コア本体の軸方向両端面の少なくとも一部を覆うように形成された一対の本体部、及び、一対の本体部を連結する連結部を含む樹脂成型体を一体成形する樹脂成型ステップと、を含む、ことを特徴とする。
【0023】
上記構成の本発明によれば、本体部及び連結部を一体形成することができ、積層されたコア材をかしめや接着などの仮固定することなく一体化させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、各コア材の結合部分から発生する渦電流などによる鉄損を無くし、かつ、追加の工程の必要がない環状積層コア材、および、その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の一実施形態の環状積層コア材の構成を示す模式的な斜視図である。
図1に示す環状積層コア材のコア本体を示す斜視図である。
図2に示すコア本体を構成するコア材を示す斜視図である。
図1に示す環状積層コア材の絶縁シートを示す斜視図である。
別の実施形態による環状積層コア材のコア本体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態による環状積層コア材及びその製造方法について図面を参照しながら説明するが、本発明は特にこれに限定されるものではない。
【0027】
(環状積層コア材)
図1は、本発明の一実施形態の環状積層コア材の構成を示す模式的な斜視図である。図1に示すように、環状積層コア材は円筒状であり、内周面に半径方向内方に延びる複数の腕部が形成され、腕部の間に溝部が形成された形状を有する。環状積層コア材1は、絶縁シートと前記樹脂成型体との接触部分の軸方向長さが、0.5mm以上であるのが好ましい。本実施形態の環状積層コア材は、例えば、各腕部に巻き線を巻回して、モータ、モータジェネレータ、発電機のステーターとして用いられる。
【0028】
(コア本体)
図2は、図1に示す環状積層コア材のコア本体を示す斜視図である。図2に示すように、コア本体4は、複数の環状のコア材8が積層されてなる円筒状の部材であり、内周面に開口する複数が軸方向に延びるように形成されている。なお、コア本体4を形成する積層されたコア材8の境界は必ずしも視認できるものではないが、図1、2、5では説明のために図示している。
【0029】
図3は、図2に示すコア本体を構成するコア材を示す斜視図である。図3に示すように、コア材8は軸方向両面が平坦面として形成された板状の部材であり、略H字状の部分の半径方向外周側の部分が円状に繋がった断面を有している。コア材8は、円環状の円環部8aと、円環部8aから周方向内方に向かって延びる複数の腕部8bと、腕部8bの先端部から周方向両側に延びる突出部8cと、を備える。各腕部8bの間には、隣接する腕部8bと、円環部8aと、突出部8cとにより囲まれる略台形状の溝部8dが形成されている。また、円環部8aの外周面には、周方向に等角度間隔で6つの外周溝部8eが形成されている。コア材8の材料としては、珪素鋼板等の金属が使用できる。
【0030】
図2に示すように、コア本体4は、複数のコア材8が、仮固着手段がない状態で積層されている。すなわち、各コア材8の表面には、かしめ結合するための切り起し部や打ち出し突起が形成されていない。また、軸方向に隣接するコア材8同士は平坦面同士が直接密着しており、コア材8の間には接着剤は存在せず、レーザービームによる溶着跡も存在しない。コア本体4は軸方向全長にわたって同じ断面形状を有し、円筒状の円筒部4aと、円筒部4aから周方向内方に向かって延びる複数の腕部4bと、腕部4bの先端から周方向両側に延びる突出部4cと、を備える。コア本体4の軸方向の厚さは、環状積層コア材1の軸方向から、樹脂成型体2の一対の本体部2aを除いた厚さに等しい。コア本体4の円筒部4aはコア材8の円環部8aが積層されて構成され、コア本体4の腕部4bはコア材8の腕部8bが積層されて構成され、コア本体4の突出部4cはコア材8の突出部8cが積層されて構成されている。
【0031】
各腕部4bの間には、隣接する腕部4bと、円筒部4aと、突出部4cとにより囲まれ、軸方向に延びるような略台形状の溝部4dが形成されている。コア本体4の溝部4dは、積層されたコア材8の溝部8dが軸方向に連続することにより形成されている。また、円筒部4aの外周面には、周方向に等角度間隔で形成され、軸方向に延びる6つの外周溝部4eが形成されている。コア本体4の外周溝部4eは、複数のコア材8の外周溝部8eが積層されて構成されている。
【0032】
なお、本実施形態では、コア本体4の外周面に外周溝部4eを形成しておき、外周溝部4e内に連結部2bを形成したが、これに限らず、例えば、図5に示すように、コア本体104に軸方向に貫通する貫通孔104bを形成しておいてもよい。この場合には、外周溝部4eは不要である。このような構成のコア本体104を用いた場合には、この貫通孔104b内に連結部が形成され、貫通孔104bを通して本体部2a同士を連結することができる。このような貫通孔を形成する場合には、円筒部104aに形成することが好ましい。また、本実施形態では、コア本体4の半径方向内方の内周面に溝部4dを形成しているが、コア本体4の半径方向外方の外周面に溝部を形成してもよい。この場合、外周溝部4eに代えて、半径方向内方の内周面に軸方向に延びる内周溝部を形成し、この内周溝部内に樹脂成型体の連結部を形成してもよいし、円筒部に貫通孔を形成し、この貫通孔内に樹脂成型体の連結部を形成してもよい。
【0033】
(絶縁シート)
図4は、図1に示す環状積層コア材の絶縁シートを示す斜視図である。図4に示すように、絶縁シート6は、軸方向に同一の略コの字形の断面形状を有し、環状積層コア材1の軸方向長さと同じ軸方向長さを有する。絶縁シート6は長尺な帯状のシート材が折り曲げられて構成されており、中央部6aと、左折曲部6bと、右折曲部6cとを有する。中央部6aは、コア本体4の溝部4dの底部の幅と等しい幅を有する。左折曲部6b及び右折曲部6cは、コア本体4の溝部4dの半径方向に延びる面に等しい幅を有する。左折曲部6b及び右折曲部6cの半径方向内端縁は、互いに向かって折り曲げられ、先端屈曲部6d、6eが形成されている。
【0034】
図1に示すように、絶縁シート6は、コア本体4のそれぞれの溝部4dの内面上に配置されている。絶縁シート6の中央部6aは溝部4dの底部(半径方向外方の面)上に配置されており、左折曲部6b及び右折曲部6cは、溝部4dの半径方向に延びる面上に配置されている。先端屈曲部6d、6eは、突出部8cの半径方向外方の面上に配置されている。また、絶縁シート6は、その軸方向両端部が、樹脂成型体2の本体部2aの厚さと等しい長さだけ、コア本体4の軸方向両端面よりも外方に突出している。絶縁シート6は、コア本体4の腕部4bにモータの巻き線が巻回された際に、巻き線とコア本体4の溝部4dの内周面との間を絶縁するために設けられている。
【0035】
本実施形態において、絶縁シートとして、絶縁性を有する紙、不織布、フィルム、あるいはその複合体、積層シートを使用できる。例えば、アラミドファイブリッドとアラミド短繊維とからなるアラミド紙などの絶縁紙や、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのプラスチックフィルム、およびその積層シートが挙げられる。特に、少なくとも片側の面はアラミドファイブリッドとアラミド短繊維からなるアラミド紙を含む積層シートが好ましい。ここで、アラミド紙を積層するために用いる接着剤としては、当該技術分野において通常用いられる、適した接着剤を使用することができ、例えば、エポキシ類、アクリル類、フェノール類、ポリウレタン類、シリコン類、ポリエステル類、アミド類などの接着剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、上記フィルムを接着剤により積層する場合、フィルムは通常延伸されていることが多く、後に述べる本発明の溶融射出成型法でモータ用ボビンを製造する場合、収縮による積層シートの変形が起こりやすい。このため、ポリマーを溶融製膜したファイルムと上記アラミド紙を重ね合せて加熱加圧して、ポリマーをアラミド紙中に溶融含浸させた積層シート、ポリマーの抄造物(ウエブ)とアラミド紙とを抄合せるか、重ね合わせて加熱加圧し、アラミド紙中に樹脂を溶融含浸させた積層シート、アラミド紙上に樹脂を溶融押出して熱融着した積層シートなどが好ましく用いられる。
【0036】
上記積層シートの層数は積層体の用途、目的に応じて適宜選択できる。例えば、特開2006−321183に記載されているようなアラミド紙上に樹脂を溶融押出して熱融着する方法で作製された芳香族ポリアミド樹脂と分子内にエポキシ基を有するエポキシ基含有フェノキシ樹脂とからなり、エポキシ基含有フェノキシ樹脂の比率が30〜50質量%であるポリマーとアラミド紙の2層積層シート、アラミド紙とポリマーとアラミド紙の3層の積層シートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
絶縁シートと後述する樹脂成型体との接着性が十分でなく、巻き線の捲回時に剥離する場合は、絶縁シートの樹脂成型体と接する面を表面処理し、接着性を向上することが好ましい。ここで表面処理とは、プラズマ表面処理、コロナ表面処理、液体浸漬による表面処理などがあげられる。これらのような表面処理を実施することにより、絶縁紙の表面の表面エネルギーの向上、樹脂成型体との界面エネルギーの低下の結果、樹脂成型体との接着性が向上する。処理の簡便さから特にプラズマ表面処理が好ましい。
【0038】
絶縁シートの厚みは、絶縁シートの用途及び目的に応じて適宜選択でき、折り曲げ、巻きつけなどの加工性に問題がなければ、任意の厚みを選択することができる。一般には、加工性の観点から50μm〜1000μm(特に好ましくは70〜200μm)の範囲内の厚みのものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0039】
(アラミド)
本実施形態において、アラミドとは、アミド結合の60%以上が芳香環に直接結合した線状高分子化合物(芳香族ポリアミド)を意味する。このようなアラミドとしては、例えばポリメタフェニレンイソフタルアミドおよびその共重合体、ポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびその共重合体、ポリ(パラフェニレン)−コポリ(3,4’−ジフェニルエーテル)テレフタールアミドなどが挙げられる。これらのアラミドは、例えばイソフタル酸塩化物およびメタフェニレンジアミンを用いた従来既知の界面重合法、溶液重合法等により工業的に製造されており、市販品として入手することができるが、これに限定されるものではない。これらのアラミドの中で、ポリメタフェニレンイソフタルアミドが、良好な成型加工性、熱接着性、難燃性、耐熱性などの特性を備えている点で好ましく用いられる。
【0040】
(アラミドファイブリッド)
本実施形態において、アラミドファイブリッドとは、抄紙性を有するフィルム状のアラミド粒子であり、アラミドパルプとも呼ばれる(特公昭35−11851号公報、特公昭37−5732号公報等参照)。
【0041】
アラミドファイブリッドは、通常の木材パルプと同様に、離解、叩解処理を施し抄紙原料として用いることが広く知られており、抄紙に適した品質を保つ目的でいわゆる叩解処理を施すことができる。この叩解処理は、デイスクリファイナー、ビーター、その他の機械的切断作用を及ぼす抄紙原料処理機器によって実施することが出来る。この操作において、ファイブリッドの形態変化は、日本工業規格P8121に規定の濾水度試験方法(フリーネス)でモニターすることができる。本実施形態において、叩解処理を施した後のアラミドファイブリッドの濾水度は、10cm
3
〜300cm
3
(カナディアンフリーネス(JISP8121))の範囲内にあることが好ましい。この範囲より大きな濾水度のファイブリッドでは、それから成形されるアラミド紙の強度が低下する可能性がある。一方、10cm
3
よりも小さな濾水度を得ようとすると、投入する機械動力の利用効率が小さくなり、また、単位時間当たりの処理量が少なくなることが多く、さらに、ファイブリッドの微細化が進行しすぎるためいわゆるバインダー機能の低下を招きやすい。したがって、このように10cm
3
よりも小さい濾水度を得ようとしても、格段の利点が認められない。
【0042】
(アラミド短繊維)
アラミド短繊維は、アラミドを材料とする繊維を切断したものであり、そのような繊維としては、例えば帝人(株)の「テイジンコーネックス(登録商標)」、デュポン社の「ノーメックス(登録商標)」などの商品名で入手することができるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
アラミド短繊維の長さは、一般に1mm以上50mm未満、好ましくは2〜10mmの範囲内から選ぶことができる。短繊維の長さが1mmよりも小さいと、シート材料の力学特性が低下し、他方、50mm以上のものは、湿式法でのアラミド紙の製造にあたり「からみ」、「結束」などが発生しやすく欠陥の原因となりやすい。
【0044】
(アラミド紙)
本実施形態において、アラミド紙とは、上記のアラミドファイブリッド及びアラミド短繊維から主として構成されるシート状物であり、一般に20μm〜1000μm、好ましくは25〜200μmの範囲内の厚さを有している。さらに、アラミド紙は、一般に10g/m
2
〜1000g/m
2
、好ましくは15〜200g/m
2
の範囲内の坪量を有している。ここで、アラミドファイブリッドとアラミド短繊維の混合割合は任意とすることができるが、アラミドファイブリッド/アラミド短繊維の割合(質量比)を1/9〜9/1とするのが好ましく、より好ましくは2/8〜8/2、特に3/7〜7/3であるが、この範囲に限定されるものではない。
【0045】
アラミド紙は、一般に、前述したアラミドファイブリッドとアラミド短繊維とを混合した後シート化する方法により製造される。具体的には、例えば上記アラミドファイブリッド及びアラミド短繊維を乾式ブレンドした後に、気流を利用してシートを形成する方法、アラミドファイブリッド及びアラミド短繊維を液体媒体中で分散混合した後、液体透過性の支持体、例えば網またはベルト上に吐出してシート化し、液体を除いて乾燥する方法などが適用できるが、これらのなかでも水を媒体として使用する、いわゆる湿式抄造法が好ましく選択される。
【0046】
湿式抄造法では、少なくともアラミドファイブリッド、アラミド短繊維を含有する単一または混合物の水性スラリーを、抄紙機に送液し分散した後、脱水、搾水および乾燥操作することによって、シートとして巻き取る方法が一般的である。抄紙機としては長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機およびこれらを組み合わせたコンビネーション抄紙機などが利用される。コンビネーション抄紙機での製造の場合、配合比率の異なるスラリーをシート成形し合一することで複数の紙層からなる複合体シートを得ることができる。抄造の際に必要に応じて分散性向上剤、消泡剤、紙力増強剤などの添加剤が使用される。
【0047】
上記のようにして得られたアラミド紙は、一対のロール間にて高温高圧で熱圧することにより、密度、機械強度を向上することができる。熱圧の条件は、たとえば金属製ロール使用の場合、温度100〜400℃、線圧50〜400kg/cmの範囲内を例示することができるが、これらに限定されるものではない。熱圧の際に複数のアラミド紙を積層することもできる。上記の熱圧加工を任意の順に複数回行うこともできる。
【0048】
(樹脂成型体)
樹脂成型体2は、コア本体4の軸方向両端面に沿って形成された一対の本体部2aと、一対の本体部2aの外周部の縁同士を連結する6つの連結部2bとを含む。本体部2aは、コア本体4の軸方向端面と、絶縁シート6の端部との間の距離に相当する厚さを有し、コア本体4(コア材8)と同じ断面形状を有する。すなわち、本体部2aは、円環状の円環部2a1と、円環部2a1から周方向内方に向かって延びる複数の腕部2a2と、腕部2a2の先端部から周方向両側に延びる突出部2a3と、を備える。各腕部2a2の間には、隣接する腕部2a2と、円環部2a1と、突出部2a3とにより囲まれる略台形状の溝部2a4が形成されている。溝部2a4の底部には絶縁シート6の中央部6aの半径方向外周面が当接し、腕部2a2の側面には絶縁シート6の左折曲部6b及び右折曲部6cが当接し、突出部2a3の半径方向外周面には絶縁シート6の先端屈曲部6d、6eが当接している。樹脂成型体2の本体部2aは、コア本体4の腕部4bにモータの巻き線が巻回された際に、巻き線とコア本体4の腕部4bの上面との間を絶縁するために設けられている。なお、本実施形態では、本体部2aはコア本体4の軸方向の端面全体を覆うように形成されているが、少なくとも、絶縁シート6の軸方向端部と当接し、かつ、モータの巻き線が配置されるコア本体4の腕部4bを覆っていればよい。樹脂成型体2を構成する樹脂は、絶縁シート6の樹脂成型体2と当接する面に含浸されており、これにより樹脂成型体2と絶縁シート6とは連結されている。本実施形態では、絶縁シート6の両端部のコア本体4から突出した部分の外周面が、樹脂成型体2と当接している。
【0049】
連結部2bは、コア本体4の外周溝部4e内に形成されており、外周溝部4eを通って一対の本体部2aを連結している。連結部2bはコア本体4の外周面に等しい角度間隔で設けられている。
【0050】
本実施形態において、樹脂成型体2を構成する材料としては、例えばPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アミド結合を含有するポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、共重合ポリアミド、ポリアミドMXD6、ポリアミド46、メトキシメチル化ポリアミド、半芳香族ポリアミドなどのポリマー、あるいは特開2006−321951号公報に示されるようなポリアミド樹脂組成物を含有するポリマーあるいはそれらの混合物または上記ポリマーとガラス繊維などの無機物との混合物を用いることができる。樹脂成型体2は、上記の材料を溶融させた状態で所望の金型に注入(射出)し、冷却後型から外すという溶融射出成型法により作製される。特に半芳香族ポリアミドとガラス繊維の混合物の成型体が、耐熱性が高く、アラミド紙を含む積層シートとの接着性が良好なため好ましい。このような混合物の例として、デュポン社のザイテル(登録商標)HTN51G、52Gなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(【0051】以降は省略されています)

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