TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2020171167
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201015
出願番号2019072117
出願日20190404
発明の名称制御装置、調整必要箇所特定方法、トルクバランス調整方法及びプログラム
出願人オムロン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類H02P 5/46 20060101AFI20200918BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】効率的にトルクバランスを調整することを目的とする。
【解決手段】機械要素13を台形速度指令により一定速度で移動させ(ステップS2)、各格子点P[i]について取得したトルクT[i](ステップS3)と、閾値Tthに対して|T[i]-T[i-1]|>Tthを満足するか否を判断し(ステップS4)、これを満足する格子点P[i]をトルクバランスの補正必要箇所と特定し(ステップS5)、トルクバランス調整の対象とする(ステップS9)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる制御装置であって、
前記部材を移動させて、二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出し、該トルクバランスの調整が必要な位置である調整必要箇所を特定するトルクバランス検出部と、
特定された前記調整必要箇所について、二つの前記サーボモータの間のトルクバランスを調整するトルクバランス調整部と、
を備えたことを特徴とする制御装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記トルクバランス検出部は、台形速度指令により、前記部材を所定速度で移動させて、二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記トルクバランス検出部は、前記部材の移動範囲内に設定した複数の基準点について隣接する該基準点間のトルク差と閾値とを比較し、前記調整必要箇所を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記トルクバランス検出部は、二つ以上前の前記基準点との間における前記トルクの変化に基づいて、さらに、前記調整必要箇所を特定することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記トルクバランス調整部は、前記調整必要箇所とされなかった位置について、直近の前記調整必要箇所に対する調整結果に基づいて、トルクバランスを調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスの調整が必要な位置を特定する調整必要箇所特定方法であって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
を含む調整必要箇所特定方法。
【請求項7】
前記部材を移動させる際に、台形速度指令により、前記部材を所定速度で移動させることを特徴とする請求項6に記載の調整必要箇所特定方法。
【請求項8】
前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップは、
前記部材の移動範囲内に設定した複数の基準点について隣接する該基準点間のトルク差を取得するステップと、
取得された前記トルク差と閾値とを比較するステップと、
を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の調整必要箇所特定方法。
【請求項9】
前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップは、
さらに、二つ以上前の前記基準点との間における前記トルクの変化に基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の調整必要箇所特定方法。
【請求項10】
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスを調整するトルクバランス調整方法であって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
前記トルクバランスの調整が必要な個所と特定されなかった位置について、直近のトルクバランスの調整が必要な位置に対する調整結果に基づいて、トルクバランスを調整するステップと、
を含むことを特徴とするトルクバランス調整方法。
【請求項11】
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスの調整が必要な位置を特定する調整必要箇所を特定するためのプログラムであって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスを調整するためのプログラムであって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
前記トルクバランスの調整が必要な個所と特定されなかった位置について、直近のトルクバランスの調整が必要な位置に対する調整結果に基づいて、トルクバランスを調整するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、調整必要箇所特定方法、トルクバランス調整方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
ガントリ機構を有する負荷機械のように、制御軸間で干渉が生じ得る機械を制御装置により制御する場合においては、干渉が生じ得る制御軸の間でトルクアンバランスが生じることがある。
【0003】
このように制御軸間でトルクのアンバランスが生じる場合には、設計段階から計算するか、又は、経験者が試行錯誤的にトルクバランスを調整していた。
【0004】
しかし、稼働範囲の全域に亘ってトルクバランスの調整を行うとすると、トルクアンバランスの解消に時間がかかってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、効率的にトルクバランスを調整することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明は、
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる制御装置であって、
前記部材を移動させて、二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出し、該トルクバランスの調整が必要な位置である調整必要箇所を特定するトルクバランス検出部と、
特定された前記調整必要箇所について、二つの前記サーボモータの間のトルクバランスを調整するトルクバランス調整部と、
を備えたことを特徴とする制御装置である。
【0007】
本発明によれば、トルクバランス検出部によって、調整必要箇所として特定された位置についてのみトルクバランスの調整を行えばよいので、効率的なトルクバランス調整が可能である。
【0008】
また、本発明においては、
前記トルクバランス検出部は、台形速度指令により、前記部材を所定速度で移動させて、二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するようにしてもよい。
【0009】
このようにすれば、台形速度指令により部材が移動させてトルクバランスをスキャンすることにより、部材の移動範囲に亘るトルクバランスを検出することができる。
【0010】
また、本発明においては、
前記トルクバランス検出部は、前記部材の移動範囲内に設定した複数の基準点について隣接する該基準点間のトルク差と閾値とを比較し、前記調整必要箇所を特定するようにしてもよい。
【0011】
このようにすれば、簡単な処理で、調整必要箇所を特定することができる。
【0012】
また、本発明においては、
前記トルクバランス検出部は、二つ以上前の前記基準点との間における前記トルクの変化に基づいて、さらに、前記調整必要箇所を特定するようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、隣接する基準点間よりも長い領域である、連続する二つ以上の基準点との間でトルクバランスが累積的に悪くなる場合も的確にトルクバランス調整の必要な位置を特定できる。
【0014】
また、本発明においては、
前記トルクバランス調整部は、前記調整必要箇所とされなかった位置について、直近の前記調整必要箇所に対する調整結果に基づいて、トルクバランスを調整することを特徴とするようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、調整必要箇所と特定されなかった位置についても、簡単な処理でトルクバランスを調整することができる。
【0016】
また、本発明は、
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスの調整が必要な位置を特定する調整必要箇所特定方法であって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
を含む調整必要箇所特定方法である。
【0017】
本発明によれば、トルクバランスの調整が必要な個所を限定することができ、トルクバランス調整の効率化を支援することができる。
【0018】
また、本発明においては、
前記部材を移動させる際に、台形速度指令により、前記部材を所定速度で移動させるようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、台形速度指令により部材が移動させてトルクバランスをスキャンすることにより、部材の移動範囲に亘るトルクバランスを検出することができる。
【0020】
また、本発明においては、
前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップは、
前記部材の移動範囲内に設定した複数の基準点について隣接する該基準点間のトルク差を取得するステップと、
取得された前記トルク差と閾値とを比較するステップと、
を含むようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、簡単な処理で、調整必要箇所を特定することができる。
【0022】
また、本発明においては、
前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップは、
さらに、二つ以上前の前記基準点との間における前記トルクの変化に基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップを含むようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、隣接する基準点間よりも長い領域である、連続する二つ以上の基準点との間でトルクバランスが累積的に悪くなる場合も的確にトルクバランス調整の必要な位置を特定できる。
【0024】
また、本発明は、
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスを調整するトルクバランス調整方法であって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
前記トルクバランスの調整が必要な個所と特定されなかった位置について、直近のトルクバランスの調整が必要な位置に対する調整結果に基づいて、トルクバランスを調整するステップと、
を含むことを特徴とするトルクバランス調整方法である。
【0025】
このようにすれば、調整必要箇所と特定されなかった位置についても、簡単な処理でトルクバランスを調整することができる。
【0026】
また、本発明は、
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスの調整が必要な位置を特定する調整必要箇所を特定するためのプログラムであって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0027】
また、本発明は、
二つのサーボモータを制御し、該サーボモータのそれぞれによって駆動される軸に対して機械的に接続された部材を移動させる際の、二つの前記サーボモータの間でトルクバランスを調整するためのプログラムであって、
前記部材を移動させるステップと、
二つの前記サーボモータの間のトルクのバランスを検出するステップと、
検出された二つの前記サーボモータの間のトルクバランスに基づいて、前記トルクバランスの調整が必要な位置を特定するステップと、
前記トルクバランスの調整が必要な個所と特定されなかった位置について、直近のトルクバランスの調整が必要な位置に対する調整結果に基づいて、トルクバランスを調整するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、効率的にトルクバランスを調整することが可能な技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
実施例1における制御システムの概略構成を示すブロック図である。
トルクアンバランスが生じる機序を説明する模式図である。
実施例1におけるトルクバランス調整方法の流れを示すフローチャートである。
実施例1における補正箇所特定方法を説明するグラフである。
実施例1における補正量算出の流れを示すフローチャートである。
実施例1における補正量算出時の機械要素の動作を説明する図である。
本補正量算出を模式的に説明する図である。
実施例1における補正マップの例である。
実施例2におけるトルクバランス調整方法の流れを示すフローチャートである。
変形例における制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔適用例〕
以下、本発明の適用例について、図面を参照しつつ説明する。本発明は例えば、図1に示すような制御システム1に適用される。ここでは、負荷機械10は、ガントリ機構やタンデム機構のように軸間干渉を生じ得る複数の軸を有する多軸構成の機械である。図1に示された、サーボモータ2,3は、負荷機械10の互いに軸干渉を生じ得る軸を駆動する。
【0031】
ガントリ機構は、例えば、サーボモータ2,3によって駆動される平行な二軸11,12と、これらの二軸に直交するように機械的に接続された機械要素13とを含む。サーボモータ2,3によって駆動される軸をそれぞれ第1軸11、第2軸12(図2参照)という。ここでは、機械要素13が部材に相当する。第1軸11と第2軸に同じ位置指令が出されているときには、図2に理想状態として示すように、第1軸11と第2軸12に対して、機械要素13は軸方向の同じ位置に停止することになる。しかし、図2に位置ずれ状態として示すように、第1軸11と第2軸12に対して、機械要素13の軸方向の位置がずれている場合に、両軸の制御に対してサーボ制御が行われていると、両軸に対する機械要素13の位置を揃えるために、第1軸11と第2軸には、各々矢示する逆方向のトルクが発生し、トルクアンバランスが発生する。
【0032】
機械要素13の正確な位置決め制御のためには、このような位置ずれを補正する必要がある。しかし、機械要素13の稼働範囲全体に亘って軸間での位置ずれが生じるわけではない。このため、位置ずれによりトルクアンバランスが発生している領域が特定し、その領域に限定してトルクバランスの調整を行うことにより、トルクバランス調整を効率的に行うことができる。本発明では、トルクバランスが必要な領域を特定する。ここでは、機械要素13の稼働範囲は、部材の移動範囲に相当する。
【0033】
〔実施例1〕
以下では、本発明の実施例に係るトルクバランス調整方法について、図面を用いて、より詳細に説明する。
【0034】
図1は、本実施例に係る制御システム1の概略構成を示すブロック図である。負荷機械10は、ガントリ機構やタンデム機構のように軸干渉を生じ得る複数の軸を有する多軸構成の機械である。サーボモータ2,3はそれぞれ互いに軸干渉を生じ得る軸を駆動する。サーボモータ2,3の軸には回転角を検出するエンコーダ20,30が設けられている。サーボモータ2,3には、指令信号に従ってサーボモータ2,3の駆動信号を出力するサーボドライバ4,5がそれぞれ接続される。そして、サーボドライバ4,5には、ユーザ
又は外部装置からの入力に応じて指令信号を出力するコントローラ6が接続される。コントローラ6には、サーボモータ2,3のトルクバランスを検出するトルクバランス検出部61と、サーボモータ2,3のエンコーダ20,30を通じて機械要素13の位置情報を取得して軸間のトルクバランスを調整するトルクバランス調整部62が設けられている。機械要素13の位置を検出するリニアスケールを負荷機械10に備え、トルクバランス調整部62はリニアスケールから機械要素13の位置情報を取得するようにしてもよい。
【0035】
上述のように、本実施例に係るコントローラ6は、トルクバランス検出部61及びトルクバランス調整部62を有する。負荷機械10は、第1軸11と第2軸12が平行に配置され、この第1軸11及び第2軸12に直交する方向に機械的に接続された機械要素13を有するガントリ機構を含む。
【0036】
本実施例では、トルクバランスの調整が必要な個所を特定する。このように、トルクバランス調整を行う位置を限定することで、より短時間で効率的にトルクバランスを調整する。図3は、トルクバランス調整方法の流れを示し、このうちステップS1〜S8までがトルクバランス調整に必要な箇所を特定する方法の流れを示す。
【0037】
ここでは、格子点の位置をP[i](i=0〜n)とし、ここでのサーボモータのトルクをT[i]とする。P[0]は格子点の一方の端点であり、P[n]は格子点の他方の端点である。格子点P[0]〜P[n]は、機械要素13の稼働範囲の正負いずれの方向に設定してもよい。ここでは、格子点が基準点に相当する。
まず、トルクバランス検出部61は、i=0とおく(ステップS1)。
次に、台形速度指令により、機械要素13を稼働範囲の一端から他端に向けて移動させる(ステップS2)。
【0038】
そして、トルクバランス検出部61は、格子点P[i]におけるトルクT[i]を取得する(ステップS3)。
そして、トルクバランス検出部61は、T[i]とT[i−1]を比較し、
|T[i]−T[i−1]|>T
th
・・・式(1)
を満たすか否かを判断する(ステップS4)。ここで、T
th
はトルク閾値である。
【0039】
図4は、台形速度指令により機械要素13に対する位置決め制御を行ったときの、サーボモータ2,3に対するトルク指令(%)と位置(mm)との関係を示すグラフである。ここでは、機械要素13の稼働範囲に沿って10mmごとに設定した格子点を破線で示しており、格子点の総数n=20である。トルク閾値T
th
を適切に設定することにより、例えば、図7において、バツ印を付した格子点については、隣接する格子点のトルクについて(1)式を満足するが、丸印を付した格子点については、隣接する格子点のトルクの変化が小さく、(1)式を満足しない。
ここで、台形速度指令の速度は一定、すなわち所定速度とする。ただし、補正量算出処理として後述する方法を採用する場合には、機械要素13を停止させて補正量を算出するので、このような機械要素13の動作を疑似的に再現するために速度の上限が規定されることになる。また、静止摩擦の影響を受けにくくするために速度の下限が規定される。従って、補正量算出方法に応じて、速度の範囲が規定される場合にはその範囲内で適宜設定する。
【0040】
ステップS4において、T[i]とT[i−1]が式(1)を満たすと判断した場合には、トルクバランス検出部61は、このときのP[i]を補正必要箇所として特定する(ステップS5)。ここでは、補正必要箇所が、調整必要箇所に相当する。
ステップS4において、T[i]とT[i−1]が式(1)を満たさないと判断した場合には、トルクバランス検出部61は、このときのP[i]を補正必要箇所と特定せず、
P[i−1]に対する補正量を、P[i]の補正量とする(ステップS6)。
ここでは、例えば、各格子点に補正に関するフラグを設定し、P[i]が補正必要箇所でない場合には0、補正必要箇所である場合には1と設定し、後述の補正量算出処理では、このフラグを参照して、補正必要箇所のみ補正量算出処理を行うようにする。
【0041】
ステップS5又はステップS6の後は、トルクバランス検出部61は、i=nか否かを判断する(ステップS7)。
ステップS7おいて、i=nであると判断した場合には、トルクバランス検出部61は、補正箇所の特定を終了して後述の補正量算出処理を行い(ステップS9)、トルクバランス調整処理を終了する。
ステップS7おいて、i=nではないと判断した場合には、トルクバランス検出部61は、iをインクリメントして(ステップS8)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0042】
次に、機械要素13の稼働範囲内の格子点に対してトルクバランスを調整するための補正量を算出する方法について説明する。図5は、トルクバランス調整部62において、機械要素の稼働範囲内の格子点に対して補正量を算出する流れを示すフローチャートである。
【0043】
まず、機械要素13の稼働範囲に含まれる格子点のうち最も負方向に位置する格子点の位置を位置Aとし、両軸に対するサーボ制御をオンした状態で図6の矢印14に示すように位置Aから機械要素13を正方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS11)。次に、図6の矢印15に示すように機械要素13を負方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS12)。ここで、トルクバランス調整部62は、一定時間が経過するのを待つ(ステップS13)。そして、トルクバランス調整部62は、機械要素13の位置変化が安定したところで(ステップS14)、現在位置(p1とする)を読み込む(ステップS15)。この位置決め制御の際の速度指令は矩形波制御とすることが望ましい。矩形波減速によって摩擦の影響されずに、後述の位置ずれを安定して発生させることができる。次に、一方の軸(ここでは第1軸11とする)に対するサーボ制御をオンしたまま、他方の軸(ここでは第2軸12とする)に対するサーボ制御をオフする(ステップS16)。ここで、トルクバランス調整部62は、一定時間が経過するのを待つ(ステップS17)。そして、トルクバランス調整部62は、機械要素13の位置変化が安定したところで(ステップS18)、現在位置(p2とする)を読み込む(ステップS19)。このように一方の軸に対するサーボ制御をオンしたままで、他方の軸に対するサーボ制御をオフすることにより、サーボ制御がオフされた軸が、捩じれがない安定な状態に戻るように捩じれた分だけ変化する。図7は、第1軸11及び第2軸12に対するサーボ制御をオンした状態における第2軸12に対する機械要素13(破線で示す)の位置(p1)を示す。また、図7は、第1軸11に対するサーボ制御をオンし、第2軸12に対するサーボ制御をオフした状態における第2軸12に対する機械要素13(実線で示す)の位置(p2)の差(図ではdと表記)を示している。次に、トルクバランス調整部62は、第2軸12に対するサーボ制御をオンする(ステップS20)。このとき、第1軸11に対するサーボ制御はオンされたままである。
【0044】
そして、図6の矢印16に示すように位置Aから機械要素13を負方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS21)。次に、図6の矢印17に示すように機械要素13を正方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS22)。ここで、トルクバランス調整部62は、一定時間が経過するのを待つ(ステップS23)。そして、トルクバランス調整部62は、機械要素13の位置変化が安定したところで(ステップS24)、現在位置(p3とする)を読み込む(ステップS25)。次に、第1軸11に対するサーボ制御をオンしたまま、第2軸12に対するサーボ制御をオフする(ステップS26)。ここで、トルクバランス調整部62は、一定時間が経過するのを待つ(ステップS27)。そして、トルク
バランス調整部62は、機械要素13の位置変化が安定したところで(ステップS28)、現在位置(p4とする)を読み込む(ステップS29)。次に、第2軸12に対するサーボ制御をオンする(ステップS30)。このとき、第1軸11に対するサーボ制御はオンされたままである。
【0045】
次に、現在の格子点(位置A)での補正量を算出する(ステップS31)。ここでは、正方向から負方向の順に機械要素13を移動させたときの現在位置の差分(第1の差)であるp2−p1と、負方向から正方向の順に機械要素13を移動させたときの現在位置の差分(第2の差)であるp4−p3との平均値を位置Aの補正量c(A)とする。すなわち、c(A)={(p2−p1)+(p4−p3)}/2とする。
【0046】
そして、機械要素13の稼働範囲に含まれる補正必要箇所として特定された格子点のうち最後の格子点について補正量の算出が終了したか否かを判断する(ステップS32)。
ステップS32において、Yesと判断された場合には、補正必要箇所として特定された格子点での補正量を、例えばディスプレイ等の出力部に表示する(ステップS33)。
ステップS32において、Noと判断された場合には、図6の矢印18に示すように所定範囲に含まれる次の格子点、例えば、正方向の隣に位置する格子点Bに移動し(ステップS34)、当該格子点に対してステップS11〜S31までの処理を繰り返す。
【0047】
上述の補正量を、ユーザが第2軸12の位置指令に対するオフセット量として設定すると、トルクバランス調整部62では、位置決め制御の際の第2軸12に対するオフセット量として位置指令を補正する。このようにすれば、効率的にトルクバランスを調整することができる。トルクバランス調整部62は、ステップS21において算出された補正量を自動的に位置決めの際の第2軸12に対するオフセット量として位置指令を補正するようにしてもよい。オフセット量は、距離でもよいし、パルス数で規定してもよい。
本実施例において正方向から負方向への移動と、負方向から正方向への移動を行うのは、方向依存性がある静止摩擦の影響を排除するためである。
【0048】
図8に各格子点の位置と補正量(位置オフセット量)とを関連付けて記録した補正マップの例である。例えば、図7に示す例では、機械要素13の稼働範囲の端点(距離0mm)から10(mm)間隔に設定された格子点のうちP[0]からP[6]までと、P[11]からP[20]までについては、ステップS35において式(1)を満たすと判断されるためステップS36による補正量算出処理が行われる。一方、P[7](端点からの距離70(mm))からP[10](端点からの距離100(mm)までについては式(1)を満たさないと判断されるためステップS36による補正量算出処理が行われない。このとき、ステップS38により、補正量算出が行われた直近の格子点であるP[6]に対する位置オフセット量(補正量)である110(μm)をP[7]からP[10]の位置オフセット量として設定している。
【0049】
このように、台形速度動作をさせたときのトルクに基づいて、機械要素13の位置とトルクの関係からトルク調整が必要な個所を特定し、必要最小限の補正を行うことにより、効率的にトルクバランス調整を行うことができ、トルクバランス調整に要する時間を短縮することができる。
なお、上述の補正により、図4に太い破線で示す第1軸(補正あり)、細い破線で示す第2軸(補正あり)のようにトルクアンバランスを解消することができる。
【0050】
〔実施例2〕
図9に、実施例2に係るトルクバランス調整方法の流れを示す。
実施例1においては、補正量算出を行った格子点のうち直近の格子点に対する補正量を、補正量算出を行わなかった格子点に対する補正量としている。
このとき、連続する複数の格子点のうちの各格子点間ではいずれも
|T[i]−T[i−1]|≦T
th
・・・式(2)
を満たすものの、一連の格子点の端点間のトルク差、|T[i+k]−T[i−1]|>T
th
となる場合もあり得る。このように、隣接する格子点間のトルク差|T[i]−T[i−1]|が累積すると大きな値になる場合についても同様に直近の格子点の補正量を、その補正量とすることは適切ではない。
(【0051】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

オムロン株式会社
リレー
オムロン株式会社
リレー
オムロン株式会社
リレー
オムロン株式会社
端子台
オムロン株式会社
センサ
オムロン株式会社
センサ
オムロン株式会社
台間機
オムロン株式会社
リレー
オムロン株式会社
リレー
オムロン株式会社
リレー
オムロン株式会社
制御装置
オムロン株式会社
処理装置
オムロン株式会社
制御装置
オムロン株式会社
表示装置
オムロン株式会社
光センサ
オムロン株式会社
検出装置
オムロン株式会社
検査装置
オムロン株式会社
発光装置
オムロン株式会社
制御装置
オムロン株式会社
RFタグ
オムロン株式会社
制御装置
オムロン株式会社
コネクタ
オムロン株式会社
調整機構
オムロン株式会社
電源装置
オムロン株式会社
評価方法
オムロン株式会社
画像センサ
オムロン株式会社
画像センサ
オムロン株式会社
電磁石装置
オムロン株式会社
近接センサ
オムロン株式会社
光電センサ
オムロン株式会社
球払出装置
オムロン株式会社
電力変換装置
オムロン株式会社
流量測定装置
オムロン株式会社
表示システム
オムロン株式会社
センサヘッド
オムロン株式会社
制御システム
続きを見る