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公開番号2020150772
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200917
出願番号2019048853
出願日20190315
発明の名称回転子
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類H02K 1/27 20060101AFI20200821BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】漏れ磁束を低減可能であり、かつ、冷却効率を向上可能な回転子を提供すること。
【解決手段】複数の電磁鋼板21を積層して形成されるロータコア2と、ロータコア2を積層方向に貫いて設けられた磁石孔2aに挿入された磁石3と、ロータコア2を積層方向に貫いて設けられた空孔2bを充填する充填部材4と、を備え、ロータコア2の中央部には、積層方向に延びるシャフト5が貫通して固定可能であり、空孔2bは、磁石3よりもシャフト5側に形成されており、充填部材4は、ロータコア2の発熱に耐えられる程度の耐熱性を有し、空気よりも熱伝導率が高く、かつ、非磁性体である、回転子。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の電磁鋼板を積層して形成されるロータコアと、
前記ロータコアを積層方向に貫いて設けられた磁石孔に挿入された磁石と、
前記ロータコアを積層方向に貫いて設けられた空孔を充填する充填部材と、を備え、
前記ロータコアの中央部には、積層方向に延びるシャフトが貫通して固定可能であり、
前記空孔は、前記磁石よりも前記シャフト側に形成されており、
前記充填部材は、前記ロータコアの発熱に耐えられる程度の耐熱性を有し、空気よりも熱伝導率が高く、かつ、非磁性体である、
回転子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
複数の電磁鋼板を積層して形成されるロータコアを備える回転子が知られている。
例えば特許文献1には、漏れ磁束を低減するためにロータコアに空孔を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013−099221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らは、回転子に関し、下記の課題を見出した。
空気は、鋼板に比較して熱伝導率が低い。したがって、ロータコアに空孔を形成すると、ロータコア内の熱は、空孔を迂回するような経路で伝導する。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、漏れ磁束を低減可能であり、かつ、冷却効率を向上可能な回転子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一態様は、回転子であって、
複数の電磁鋼板を積層して形成されるロータコアと、
前記ロータコアを積層方向に貫いて設けられた磁石孔に挿入された磁石と、
前記ロータコアを積層方向に貫いて設けられた空孔を充填する充填部材と、を備え、
前記ロータコアの中央部には、積層方向に延びるシャフトが貫通して固定可能であり、
前記空孔は、前記磁石よりも前記シャフト側に形成されており、
前記充填部材は、前記ロータコアの発熱に耐えられる程度の耐熱性を有し、空気よりも熱伝導率が高く、かつ、非磁性体である。
【0007】
本発明に係る回転子は、ロータコアを積層方向に貫いて設けられた空孔を充填する充填部材を備え、充填部材は、ロータコアの発熱に耐えられる程度の耐熱性を有し、空気よりも熱伝導率が高く、かつ、非磁性体である。したがって、充填部材を通る経路によってロータコアを冷却可能である。そのため、本発明に係る回転子は、漏れ磁束を低減可能であり、かつ、冷却効率を向上可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、漏れ磁束を低減可能であり、かつ、冷却効率を向上可能な回転子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施の形態に係る回転子の斜視図である。
本実施の形態に係る回転子の断面図である。
ロータコアの正面図である。
本実施の形態に係る回転子の一部拡大正面図である。
充填部材挿入後の、ロータコアの模式断面図である。
加熱後における、ロータコアの模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
まず、図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る回転子の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る回転子の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る回転子の断面図である。回転子1は、図2に示すように、ロータコア2、磁石3、及び充填部材4を備える。なお、図2には、回転子1に加えて、シャフト5、エンドプレート6、ワッシャー7、ナット8、及びレゾルバ9を図示している。
【0012】
図2に示すように、ロータコア2は、複数の電磁鋼板21を積層して形成される。図1に示すように、ロータコア2は、円柱状の構造体であり、中心部にシャフト5が貫通している。シャフト5は、複数の電磁鋼板21の積層方向に延びている。詳細は後述するが、ロータコア2には、磁石3及び充填部材4が埋め込まれている。
【0013】
回転子1は、ワッシャー7及びナット8を用いてシャフト5に固定される。レゾルバ9は、回転子1の回転を調節する。回転子1は、シャフト5、エンドプレート6、及び図示しない固定子等と組み合わせられて、モーターとして使用される。当該モーターは、車載用モーターに好適である。
【0014】
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態に係る回転子の構成について、さらに詳細に説明する。図3は、ロータコアの正面図である。図4は、本実施の形態に係る回転子の一部拡大正面図である。なお、図4に示す実線矢印及び点線矢印は、熱の流れる方向を示す。
【0015】
図3に示すように、ロータコア2には、シャフト貫通孔2cが設けられている。シャフト貫通孔2cは、複数の電磁鋼板21の積層方向を貫くように形成されている。シャフト貫通孔2cには、シャフト5が貫通する。図3に示すように、ロータコア2には、磁石孔2aが設けられている。磁石孔2aは、複数の電磁鋼板21の積層方向を貫くように形成されている。磁石孔2aは、図3に示すように、シャフト貫通孔2cを中心として放射状に配置されるように複数個設けられている。図4に示すように、磁石孔2aには、磁石3が挿入されている。
【0016】
図3に示すように、ロータコア2には、空孔2bが設けられている。空孔2bは、複数の電磁鋼板21の積層方向を貫くように形成されている。空孔2bは、図3に示すように、磁石孔2aよりもシャフト貫通孔2c側に複数個設けられている。回転子1は、空孔2bが設けられているため、空孔2bが設けられていない回転子に比較して、漏れ磁束を低減することができる。
【0017】
図4に示すように、空孔2bには、充填部材4が充填されている。充填部材4は、ロータコア2の発熱に耐えることができる程度の耐熱性を有する。ロータコア2は、回転時に150℃程度の発熱を起こすことがある。したがって、充填部材4の耐熱温度は150℃以上である。充填部材4は、非磁性体であるため、回転子1の漏れ磁束を通さない。したがって、回転子1は、充填部材4を充填しない場合と同様に、漏れ磁束を低減することができる。
【0018】
充填部材4は、空気よりも熱伝導率が高い。図4では、回転子1内において、磁石3側からシャフト5側に向かって熱を伝導する場合について図示している。磁石3側が高温になっている場合、充填部材4が充填されていない回転子では、図4に示す実線矢印のように、空孔2bを迂回する経路によって熱を伝導する。一方、充填部材4が充填されている回転子1では、図4に示す点線矢印のように、空孔2bを迂回する経路に加えて、充填部材4を通る経路によって、シャフト5側に熱を伝導することができる。したがって、回転子1は、空孔2bに充填部材4を充填しない場合に比較して、冷却効率が高い。
【0019】
充填部材4を形成する材料は、ロータコアの発熱に耐えられる程度の耐熱性を有し、空気よりも熱伝導率が高く、かつ、非磁性体であれば、特に限定されない。充填部材4を形成する材料は、例えば、樹脂とファイバーとの複合材料である。複合材料を構成する樹脂は、好ましくは、ポリエーテルイミドである。ポリエーテルイミドは、他の樹脂に比較して、耐熱温度が高く、かつ、熱伝導率が高い。
【0020】
複合材料を構成するファイバーを形成する材料は、例えば、二酸化ケイ素(Si0

)、アルミナ(A1



)、六方晶窒化ホウ素(h―BN)、立方晶窒化ホウ素(c―BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si



)、酸化ベリリウム(BeO)であり、好ましくは二酸化ケイ素である。二酸化ケイ素製のファイバーは、熱伝導率が高い。したがって、複合材料中におけるファイバー含有率を高めることによって、充填部材4の耐熱性を高めることができる。
【0021】
充填部材4を形成する材料は、酸化物系、水酸化物系、炭化物系、炭酸塩系、窒化物系、ハロゲン化物系、又はリン酸塩系等のセラミックであってもよい。酸化物系セラミックは、例えば、二酸化ケイ素(Si0

)、アルミナ(A1



)、ジルコニア、チタン酸バリウム(BaO

Ti)、及びステアタイト(MgO・SiO

)である。水酸化物系セラミックは、例えば、ハイドロキシアパタイトである。炭化物系セラミックは、例えば、炭化ケイ素(SiO)である。窒化物系セラミックは、例えば、窒化ケイ素(Si



)である。ハロゲン化物系セラミックは、例えば、蛍石である。充填部材4を形成する材料として、コスト及び強度等に応じて、例えば上記から1種又は2種以上のセラミックを選択して使用可能である。
【0022】
次に、図5及び図6を参照して、ポリエーテルイミドと二酸化ケイ素製ファイバーとの複合材料を用いて充填部材4を形成した場合における、空孔2bに充填部材4を充填する方法について説明する。充填部材4を形成する複合材料は、ポリエーテルイミドと二酸化ケイ素製ファイバーを圧着したものである。図5は、充填部材挿入後の、ロータコアの模式断面図である。図6は、加熱後における、ロータコアの模式断面図である。ポリエーテルイミドと二酸化ケイ素製ファイバーとの複合材料を用いて充填部材4を形成した場合、充填部材4を空孔2bに挿入した後に、充填部材4を加熱することによって、空孔2bに充填部材4を充填する。
【0023】
図5に示すように、充填部材4は、挿入時における寸法が空孔2bの寸法に比較してやや小さい。そのため、ロータコア2の破損を抑制しつつ、充填部材4を空孔2bに挿入することができる。複合材料が含むフィラーは、圧着されているため、圧縮応力が付与されている。したがって、充填部材4は、加熱すると樹脂の軟化によって応力が解放され、膨張する。そのため、充填部材4を空孔2bに挿入した後に加熱すると、図6に示すように、充填部材4が膨張して、空孔2bを充填する。ポリエーテルイミドと二酸化ケイ素製ファイバーとの複合材料を用いて充填部材4を形成した場合、このようにして空孔2bに充填部材4を充填する。
【0024】
以上で説明した本実施の形態に係る発明により、漏れ磁束を低減可能であり、かつ、冷却効率を向上可能な回転子を提供することができる。
【0025】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 回転子
2 ロータコア
21 複数の電磁鋼板
2a 磁石孔
2b 空孔
2c シャフト貫通孔
3 磁石
4 充填部材
5 シャフト
6 エンドプレート
7 ワッシャー
8 ナット
9 レゾルバ

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