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公開番号2020145923
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200910
出願番号2020085638
出願日20200515
発明の名称磁石構造体及びこれを用いたモータ
出願人TDK株式会社
代理人個人,個人
主分類H02K 1/27 20060101AFI20200814BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転子のスロットに磁石構造体を挿入する際における磁石の破損を防止する。
【解決手段】本発明による磁石構造体10は、希土類焼結磁石などからなる単一の磁石20と、磁石20の表面を覆うPET樹脂などからなる非磁性ケース30とを備える。本発明によれば、磁石20の表面が非磁性ケース30によって覆われていることから、回転子のスロットに挿入する際における磁石20の破損を防止することができる。また、単一の磁石を用いていることから、複数個の磁石片を集合させたものとは異なり、磁石片同士が反発して保持が困難となることもない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
互いに対向する最も面積の大きな第1及び第2の主表面と、前記第1及び第2の主表面に対して垂直であり互いに対向する第1及び第2の側面と、前記第1及び第2の主表面並びに前記第1及び第2の側面に対して垂直であり互いに対向する第3及び第4の側面とを有する単一の磁石と、
前記磁石に接着されることなく前記磁石に巻回され、前記磁石の前記第1及び第2の主表面の少なくとも一部並びに前記第1及び第2の側面の大部分を連続的に覆う筒状の非磁性ケースと、
前記磁石に固定され、前記第3の側面のほぼ全面を覆う第1の棒状部と、前記第1の棒状部の前記第1及び第2の側面に対して垂直な方向における両端に設けられ、それぞれ前記第1及び第2の側面であって前記第3の側面に近い部分を覆うよう、前記第3及び第4の側面に垂直な方向に折り曲げられた第1及び第2の突出部とを含む略C字状の第1の非磁性ガイドと、
前記磁石に固定され、前記第4の側面のほぼ全面を覆う第2の棒状部と、前記第2の棒状部の前記第1及び第2の側面に対して垂直な方向における両端に設けられ、それぞれ前記第1及び第2の側面であって前記第4の側面に近い部分を覆うよう、前記第3及び第4の側面に垂直な方向に折り曲げられた第3及び第4の突出部とを含む略C字状の第2の非磁性ガイドと、を備えることを特徴とする磁石構造体。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記第1及び第2の主表面は、前記磁石の磁極面であることを特徴とする請求項1に記載の磁石構造体。
【請求項3】
前記第1及び第2の主表面に対して垂直な方向における厚さは、前記磁石よりも前記第1及び第2の非磁性ガイドの方が薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁石構造体。
【請求項4】
前記第1の非磁性ガイドは、前記磁石の前記第1、第2及び第3の側面を覆う内壁部と、前記内壁部と対向する外壁部とを有し、
前記第2の非磁性ガイドは、前記磁石の前記第1、第2及び第4の側面を覆う内壁部と、前記内壁部と対向する外壁部とを有し、
前記第1及び第2の非磁性ガイドの前記外壁部の前記第1又は第2の側面側に位置する端部は、テーパー状に切り欠かれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁石構造体。
【請求項5】
前記磁石は希土類焼結磁石であり、前記希土類焼結磁石の表面が防錆コートされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁石構造体。
【請求項6】
前記非磁性ケースは、フィルム状のシートが筒状に形成されたものであり、
前記シートが重なる接着部分は、前記第1又は第2の側面に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁石構造体。
【請求項7】
前記非磁性ケースがPET樹脂からなることを特徴とする請求項6に記載の磁石構造体。
【請求項8】
複数のスロットが形成された回転子を備えるモータであって、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁石構造体が前記複数のスロットにそれぞれ挿入されていることを特徴とするモータ。
【請求項9】
前記複数のスロットは、それぞれ長辺及び短辺を有し、
前記磁石構造体の前記第3及び第4の側面に対して垂直な方向を前記長辺に合わせ、前記磁石構造体の前記第1及び第2の主表面に対して垂直な方向を前記短辺に合わせた状態で、前記磁石構造体が前記複数のスロットにそれぞれ挿入されていることを特徴とする請求項8に記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は磁石構造体及びこれを用いたモータに関し、特に、IPM型モータに使用することが好適な磁石構造体及びこれを用いたモータに関する。
続きを表示(約 9,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、発電機用のモータとして、IPM(Interior Permanent Magnet)型モータが広く用いられている。IPM型モータは、電気自動車やハイブリッドカー用のモータとしても広く用いられている。
【0003】
IPM型モータは、複数のスロットが形成された回転子を備えており、各スロットには磁石が挿入されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011−078268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、IPM型モータに用いられる磁石は破損しやすいため、回転子のスロットに磁石を挿入する際に磁石の表面にキズができたり、磁石に割れやカケが生じたりすることがあった。特に、風力発電機用のモータは大型の磁石が使用されることが多く、スロットに磁石を挿入しようとすると、磁石がスロットの内壁に強力に張り付いてしまうため、磁石を破損させることなくスロットに挿入することは容易ではなかった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、回転子のスロットに挿入する際における磁石の破損を防止することが可能な磁石構造体及びこれを用いたモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による磁石構造体は、単一の磁石と、前記磁石の表面を覆う非磁性ケースとを備えることを特徴とする。また、本発明によるモータは、複数のスロットが形成された回転子を備えるモータであって、上記の磁石構造体が前記複数のスロットにそれぞれ挿入されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、磁石の表面が非磁性ケースによって覆われていることから、回転子のスロットに挿入する際における磁石の破損を防止することができる。
【0009】
本発明において、前記磁石の表面は、互いに対向する最も面積の大きな第1及び第2の主表面を有し、前記非磁性ケースは、前記第1の主表面の少なくとも一部及び前記第2の主表面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。これによれば、回転子のスロットに挿入する際に、主表面がスロットの内壁と直接接しないことから、磁石の破損を効果的に防止することができる。典型的には、前記第1及び第2の主表面は前記磁石の磁極面である。
【0010】
本発明において、前記非磁性ケースは筒状であり、これにより前記非磁性ケースは、前記磁石の前記第1及び第2の主表面と、前記第1及び第2の主表面に対して垂直であり互いに対向する前記磁石の第1及び第2の側面を連続的に覆うことが好ましい。これによれば、磁石に非磁性ケースを容易に装着することが可能となる。
【0011】
本発明による磁石構造体は、前記第1及び第2の主表面並びに前記第1及び第2の側面に対して垂直であり互いに対向する前記磁石の第3及び第4の側面をそれぞれ覆う第1及び第2の非磁性ガイドをさらに備えることが好ましい。これによれば、スロットへの挿入作業が容易となる。
【0012】
本発明において、前記第1の非磁性ガイドは、前記第1及び第2の側面であって前記第3の側面に近い部分をさらに覆い、前記第2の非磁性ガイドは、前記第1及び第2の側面であって前記第4の側面に近い部分をさらに覆うことが好ましい。本発明によれば、スロットに挿入した後における非磁性ガイドの脱落を防止することができる。
【0013】
本発明において、前記第1及び第2の非磁性ガイドは、前記磁石の前記第1乃至第4の側面のいずれかを覆う内壁部と、前記内壁部と対向する外壁部とを有し、前記外壁部の前記第1又は第2の側面側に位置する端部は、テーパー状に切り欠かれていることが好ましい。これによれば、スロットへの挿入作業がよりいっそう容易となる。
【0014】
本発明において、前記第1及び第2の側面に対して垂直な方向における前記第1及び第2の非磁性ガイドの幅は、前記第1の側面と前記第2の側面との距離よりも長く、これにより前記第1及び第2の側面から突出していることが好ましい。これによれば、スロットに挿入した状態において非磁性ガイドの一部が回転子から突出するため、空冷効果を増大させることができる。
【0015】
本発明において、前記磁石は希土類焼結磁石であり、前記表面が防錆コートされていることが好ましい。これによれば、より強力な磁力を得ることができるとともに、防錆効果を得ることができる。
【0016】
本発明においては、前記非磁性ケースがPET樹脂からなることが好ましい。これによれば、磁石構造体を安価に作製することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転子のスロットに挿入する際における磁石の破損を防止することが可能な磁石構造体及びこれを用いたモータを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態による磁石構造体10の外観を示す斜視図である。
図2は、磁石構造体10の分解斜視図である。
図3(a)は図1に示すA−A線に沿った断面図であり、図3(b)は図1に示すB−B線に沿った断面図である。
図4(a)は第1の変形例による非磁性ケース30の外観を示し、図4(b)は第2の変形例による非磁性ケース30の外観を示す。
図5は、上述した磁石構造体10を用いるIPM型のモータ50を回転軸方向から見た側面図である。
図6は、スロット54に磁石構造体10を挿入する方法を説明するための図である。
図7は、磁石構造体10が挿入されたスロット54を回転軸方向から見た平面図である。
図8は、スロット54に磁石構造体10が挿入された状態を示す断面図である。
図9は、複数の回転子53を連結した状態を説明するための図である。
図10は、複数の回転子53に挿入された磁石構造体10の状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態による磁石構造体10の外観を示す斜視図である。また、図2は磁石構造体10の分解斜視図であり、図3(a)は図1に示すA−A線に沿った断面図であり、図3(b)は図1に示すB−B線に沿った断面図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、本実施形態による磁石構造体10は、直方体形状を有する磁石20と、磁石20に巻回された筒状の非磁性ケース30と、磁石20の長さ方向(y方向)における両端に取り付けられた第1及び第2の非磁性ガイド41,42とを備える。
【0022】
磁石20は、x方向を幅方向、y方向を長さ方向、z方向を厚み方向とする直方体形状を有する。そのサイズは特に限定されるものではないが、x方向における幅が30〜150mm(例えば50mm)、y方向における長さが50〜150mm(例えば100mm)、z方向における厚みが8〜30mm程度(例えば10mm)であることが好ましい。上記のサイズは、風力発電機用のモータに使用することを想定したサイズである。但し、磁石20が直方体形状であることは必須でなく、例えば側面23,24などが湾曲していても構わない。
【0023】
磁石20の種類についても特に限定されないが、希土類焼結磁石、特にR−T−B系焼結磁石であることが好ましい。これは、風力発電機用のモータに使用することを想定した場合、より強力な磁力が求められるからである。磁石20が希土類焼結磁石である場合、その表面が樹脂などによって防錆コートされていることが好ましい。
【0024】
磁石構造体10を風力発電機用モータに使用する場合、風力発電機は、一般的に、風力が強い洋上または沿岸部に設置されることが多く、塩分によって磁石20が劣化しやすい。このため、磁石20の表面に防錆コートを施すことが不可欠となる。防錆コートとしては、樹脂の他にメッキを用いることもできるが、風力発電機用モータに使用する磁石20は大きさが大きく、メッキを施すことが困難であるため、樹脂による防錆コート(樹脂コート)が好適である。
【0025】
また、樹脂などからなる防錆コートは一般的に硬度が低く、特に樹脂コートは硬度が低い。そのため、樹脂コートが施された磁石20のキズや破損を防止することは難しく、特に、回転子のスロットに挿入する際に生じるキズや破損を防止することは困難である。本実施形態による磁石構造体10は、非磁性ケース30を備えることにより、磁石20に硬度の低い樹脂コートが施されている場合であっても、回転子のスロットへの挿入を容易にしつつ、挿入の際に生じるキズや破損を効果的に防止することができる。
【0026】
本実施形態において使用する磁石20は、単一の磁石である。単一の磁石とは、複数個の磁石片を集合させたものではない、ひとかたまりの磁石であることを意味する。このため、複数個の磁石片を集合させたものとは異なり、磁石片同士が反発して保持が困難となることがない。磁石20の表面のうち、最も大きな面積を有する2つの主表面20N,20Sは、xy面によって構成される。特に限定されるものではないが、本実施形態においては主表面20N,20Sが磁極面である。主表面20Nは磁石20のN極を構成し、主表面20Sは磁石20のS極を構成する。後述するように、磁石20を覆う非磁性ケース30は非常に薄いフィルム状の部材であることから、着磁された複数個の磁石片を集合させた場合、その反発力を非磁性ケース30で抑えることは困難である。
【0027】
非磁性ケース30は薄い筒状体であり、磁石20に対してy方向に挿入することにより、磁石20の主表面20N,20Sと、yz面である第1及び第2の側面21,22の大部分が非磁性ケース30によって連続的に覆われる。非磁性ケース30は、主表面20N,20Sのできるだけ広い面積を覆うことが好ましい。本実施形態においては、連続面を有するフィルムによって非磁性ケース30が構成されており、y方向における十分な長さを有している。これにより、スロットに挿入する際における防錆コートの剥離や、磁石20自体のキズや破損を効果的に防止することができる。非磁性ケース30のy方向における長さが短いと、非磁性ケース30の装着位置がy方向における片側に偏ってしまうことがあり、この場合、非磁性ケース30に覆われない主表面20N,20Sの表面が傷つくおそれがある。
【0028】
但し、スロットに挿入する際におけるキズや破損を防止できる限りにおいて、非磁性ケース30は連続面を有する必要はなく、様々な形状であっても構わない。例えば、図4(a)に示すように、非磁性ケース30の表面に複数の開口部31が設けられていても構わないし、図4(b)に示すように、非磁性ケース30自体がメッシュ状であっても構わない。非磁性ケース30が図4(a)や図4(b)に示す形状である場合、放熱性が高められるという効果が得られる。
【0029】
非磁性ケース30の材料については、薄くて破れにくい非磁性材料であれば特に限定されない。非磁性ケース30の材料としては、フィルム状の樹脂や紙などを用いることが好ましく、特に、PET樹脂を用いることがより好ましい。非磁性ケース30の厚さについては特に限定されないが、磁石構造体10とスロットの内壁とのギャップより僅かに薄い程度の厚さであることが好ましい。具体的には、磁石構造体10とスロットの内壁とのギャップが例えば0.2mmであれば、非磁性ケース30の厚みは0.188mm程度とすればよい。非磁性ケース30に薄さが要求されるのは、磁石構造体10とスロットの内壁とのギャップをできる限り小さくすることによって空間を有効活用し、高い磁気特性を得るためである。
【0030】
また、風力発電機用のモータは、回転時に磁石構造体10が高温(例えば100℃)となることから、耐熱性が例えば150℃以上、特に200℃以上の材料を用いることが好ましい。尚、非磁性ケース30の材料として金属を選択することも可能であるが、薄い膜状の金属(例えば箔状のアルミニウムなど)は破れやすく、逆に厚い金属を用いると磁石構造体10が重くなり、且つ、ギャップの増大するため、金属を選択することは必ずしも適切ではない。
【0031】
これに対し、非磁性ケース30の材料としてPET樹脂を用いれば、非磁性ケース30を非常に安価且つ容易に製造することができるとともに、薄いフィルム状であっても十分な引っ張り強度を確保することができる。非磁性ケース30の材料としてPET樹脂を用いる場合、フィルム状のPETシートを所定のサイズに切断した後、これを筒状に形成し、重なる部分を超音波融着することにより作製することができる。この場合、接着部分において厚みがやや大きくなることから、接着部分が磁石20の側面21又は22に位置するよう、調整すればよい。これによれば、磁石20の主表面20N,20Sを覆う非磁性ケース30の厚みを一定とすることができ、主表面20N,20Sとスロットの内壁とのギャップを低減することができる。
【0032】
また、筒状のPET樹脂を非磁性ケース30として用いた場合、磁石20と非磁性ケース30が接着されていないことから、スロットに挿入する際に非磁性ケース30に強いストレスがかかっても、非磁性ケース30は自由に動くことができるため、破れなどが生じにくくなる。
【0033】
非磁性ガイド41は略C字状である。つまり、x方向に延在する棒状部と、棒状部のx方向における両端に設けられ、y方向に折り曲げられた突出部とを有する。非磁性ガイド41の棒状部は、磁石20のxz面である第3の側面23のほぼ全面を覆う。また、非磁性ガイド41の突出部は、磁石20の第1及び第2の側面21,22であって第3の側面23に近い部分を覆っている。同様に、非磁性ガイド42は略C字状であり、棒状部によって磁石20のxz面である第4の側面24のほぼ全面を覆うとともに、突出部によって磁石20の第1及び第2の側面21,22であって第4の側面24に近い部分を覆っている。これにより、磁石構造体10をスロットに挿入する際、磁石20の第3及び第4の側面23,24がスロットの内壁と接することがなく、キズや破損が防止される。磁石20に対する非磁性ガイド41,42の固定は、接着剤などを用いて行うことができる。
【0034】
非磁性ガイド41,42のx方向における幅は、磁石20のx方向における幅よりも大きく、磁石20に巻き付けられた非磁性ケース30の脱落を防止する役割も果たす。そして、非磁性ガイド41,42のz方向に沿った側面のうち、磁石20の側面21〜24のいずれかを覆う部分を内壁部、これに対向する部分を外壁部とした場合、外壁部の角部、つまり、外壁部のx方向における両端部は、テーパー状に切り欠かれたテーパー部43を構成している。後述するように、かかるテーパー部43は磁石構造体10をスロットに挿入しやすくする役割を果たす。
【0035】
非磁性ガイド41,42のz方向における厚みは、磁石20のz方向における厚みと同等かやや薄く、少なくとも、磁石20の主表面20N,20Sに対して出っ張りを有していない。非磁性ガイド41,42の材料としては、固い非磁性材料であれば特に限定されないが、アルミニウム(Al)やステンレスを用いることが好ましく、中でもアルミニウム(Al)を用いることが特に好ましい。非磁性ガイド41,42の材料としてアルミニウム(Al)を用いれば、低コストで十分な機械的強度を確保することができるとともに、高い放熱性を得ることも可能となる。
【0036】
非磁性ガイド41,42のy方向における長さは、2mm〜6mm程度であることが好ましく、3mm程度であることがより好ましい。非磁性ガイド41,42のy方向における長さは、磁石構造体10をスロットに挿入した際、スロットの内壁と磁石20とのy方向におけるギャップを確保する役割を果たし、このギャップをある程度の長さに確保することによって、磁束の短絡を防止することができる。また、非磁性ガイド41,42の体積をある程度確保することにより放熱効果も高められる。
【0037】
尚、非磁性ガイド41,42を一体化し、磁石20の側面21〜24の取り囲むリング状としても構わないが、この場合、重量やコストが増加するとともに、後述する空間44が形成されなくなるため、空冷効果が低くなる。このため、本実施形態のように、非磁性ガイド41,42を第3及び第4の側面23,24にそれぞれ取り付ける方が好ましい。
【0038】
図5は、上述した磁石構造体10を用いるIPM型のモータ50を回転軸方向から見た側面図である。
【0039】
図5に示すモータ50は、複数のコイル51がリング状に配置された円筒形のステータ52と、ステータ52の内径部に挿入された円盤状の回転子53とを備える。回転子53は、透磁率の高い珪素鋼板からなる。回転子53には、複数のスロット54が設けられており、これらのスロット54に上述した磁石構造体10がそれぞれ挿入される。そして、回転子53の回転軸を例えば風車の回転軸に接続すれば、回転子53の回転によってコイル51に電流が流れ、これにより風力発電機が構成される。但し、モータ50の用途が風力発電機に限定されるものではなく、他の発電機に使用しても構わないし、逆に、コイル51に電流を流すことによって回転子53を回転させても構わない。
【0040】
スロット54は長辺54y及び短辺54zを有しており、長辺54yは磁石構造体10のy方向における長さよりも若干大きく、短辺54zは磁石構造体10のz方向における厚みよりも若干大きい。そして、磁石構造体10のy方向を長辺54yに合わせ、磁石構造体10のz方向を短辺54zに合わせた状態で、スロット54に磁石構造体10を挿入すれば、スロット54内に磁石構造体10が収容される。
【0041】
図6は、スロット54に磁石構造体10を挿入する方法を説明するための図であり、回転子53のxy断面を表している。
【0042】
図6に示すように、回転子53に設けられたスロット54には、磁石構造体10がx方向に挿入される。回転子53のx方向における厚みは、磁石20のx方向における幅とほぼ同じである。スロット54に磁石構造体10を挿入する際には、非磁性ガイド41,42がy方向における位置決めの役割を果たす。また、非磁性ガイド41,42にはテーパー部43が設けられていることから、磁石構造体10をスロット54にスムーズに挿入することができる。
【0043】
また、スロット54に磁石構造体10を挿入する際には、磁石20が着磁されていることから、珪素鋼板からなるスロット54の内壁に強力に張り付く。このため、ある程度強い力で磁石構造体10をx方向に押し込む必要がある。この時、磁石20の主表面20N又は20Sが非磁性ケース30で覆われていないと、主表面20N又は20Sがスロット54の内壁と直接接し、この状態でx方向に押し込まれることから、主表面20N又は20Sには強い摩擦が生じ、防錆コートが剥離したり、磁石20にキズや破損が生じたりするおそれがある。
【0044】
しかしながら、本実施形態による磁石構造体10は、主表面20N,20Sの大部分が非磁性ケース30で覆われていることから、回転子53を回転軸方向(x方向)から見た図7に示すように、非磁性ケース30を介在させた状態で磁石構造体10を押し込むことができる。これにより、挿入時における磁石20へのキズや破損の発生が確実に防止される。
【0045】
図8は、スロット54に磁石構造体10が挿入された状態を示す図であり、回転子53のxy断面を表している。
【0046】
図8に示すように、スロット54に磁石構造体10が完全に挿入されると、非磁性ガイド41,42の一部が回転子53から突出した状態となる。これにより、回転子53が回転すると、磁石構造体10が発する熱が非磁性ガイド41,42を介して効率よく放出される。また、非磁性ガイド41,42は、棒状部及びその両端に設けられた突出部を有するC字型を有していることから、スロット54に磁石構造体10が挿入された後に非磁性ガイド41,42が磁石20から外れたとしても、これがスロット54から脱落することはない。
【0047】
図9は、複数の回転子53を連結した状態を説明するための図であり、回転軸に対して垂直方向から見た側面図である。図面の見やすさを考慮して、図9においてはスロット54に磁石構造体10が挿入されていない状態が示されている。
【0048】
図9に示すように、回転軸が一致するように複数の回転子53を連結すれば、よりトルクの大きな回転を電力に変換することができる。このような使用方法は、風力発電機などにおいて好適である。このように複数の回転子53を連結して使用する場合、回転軸方向から見た各スロット54の位置は、各回転子53において一致していることが好ましい。スロット54をこのように配置するとともに、隣接する回転子53の間隔Pを非磁性ガイド41,42の突出量の2倍に設定すれば、拡大図である図10に示すように、スロット54に磁石構造体10を挿入すると、隣接する磁石構造体10において非磁性ガイド41,42の突出部が当接することになる。これにより、隣接する磁石構造体10同士が支え合う状態となることから、回転時における磁石構造体10の振動などが抑制される。
【0049】
しかも、非磁性ガイド41,42が突出しているのは、y方向における両端部のみであることから、一対の突出部間には図10に示す空間44が形成される。この空間44は、放熱ルートとして機能し、高い空冷効果が発揮される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、磁石構造体10が非磁性ケース30を備えていることから、スロット54に挿入する際における磁石20のキズや破損を防止することができる。しかも、非磁性ガイド41,42が設けられていることから、スロット54への挿入が容易になるとともに、高い放熱効果を得ることも可能となる。これらの特徴により、本実施形態による磁石構造体10は、風力発電機用のモータへの適用が特に好適である。
(【0051】以降は省略されています)

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