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公開番号2020145908
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200910
出願番号2019043131
出願日20190308
発明の名称筒体装着装置及び筒体装着方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 15/03 20060101AFI20200814BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】簡素な方法によりロータの外周部に筒体を装着し、筒体を装着する際の永久磁石の割れ及び筒体の損傷を抑制した筒体装着装置及びこの筒体装着装置を用いた筒体装着方法を提供する。
【解決手段】ロータ9の外周部に筒体8を装着するための筒体装着装置1であって、ロータ9の中心軸線Cに沿って、ロータ9に接近する進行方向側及びロータ9から離反する退避方向側に移動可能なハブ2と、ハブ2から進行方向側に向かって延びる腕部3と、腕部3における進行方向側の端部に設けられる複数のローラ4と、筒体8を進行方向側に押圧する押圧部5と、を備える。ローラ4は、軸方向に沿う平行軸線P回りに回転可能な第一ローラ41と、軸方向に直交する直交軸線回りに回転可能とされ、ローラ4の外周部を構成する第二ローラ42と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ロータの外周部に筒体を装着するための筒体装着装置であって、
前記ロータの中心軸線に沿って、前記ロータに接近する進行方向側及び前記ロータから離反する退避方向側に移動可能なハブと、
前記ハブから前記進行方向側に向かって延びる腕部と、
前記腕部における前記進行方向側の端部に設けられる複数のローラと、
前記筒体を前記進行方向側に押圧する押圧部と、
を備え、
前記中心軸線の軸方向から見て、複数の前記ローラの外周部にそれぞれ接する仮想外接円の曲率半径は、前記筒体の内周部における曲率半径よりも大きく、
前記ローラは、
前記軸方向に沿う平行軸線回りに回転可能な第一ローラと、
前記軸方向に直交する直交軸線回りに回転可能とされ、前記ローラの外周部を構成する第二ローラと、
を備えることを特徴とする筒体装着装置。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記ハブは、前記中心軸線回りに回転可能に構成され、
前記第一ローラは、前記ハブの回転に伴い前記平行軸線回りに回転することを特徴とする請求項1に記載の筒体装着装置。
【請求項3】
前記第一ローラは、前記第二ローラを支持する支持部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筒体装着装置。
【請求項4】
前記押圧部は、前記筒体よりも前記退避方向側に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の筒体装着装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の筒体装着装置を用いた筒体装着方法であって、
前記筒体装着装置の複数の前記ローラを前記筒体に挿入して前記筒体の内径を拡径する拡径工程と、
前記拡径工程の後、前記押圧部が前記筒体を前記退避方向側から前記進行方向側へ押圧することにより、前記ロータの外周部に前記筒体を装着する装着工程と、
を有することを特徴とする筒体装着方法。
【請求項6】
前記拡径工程は、前記筒体装着装置が前記筒体を拡径しながら前記筒体の内部を前記退避方向側から前記進行方向側へ移動する移動工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の筒体装着方法。
【請求項7】
前記移動工程では、前記ハブは、前記中心軸線回りに回転し、
前記第一ローラは、前記ハブの回転に伴い前記平行軸線回りに回転し、
前記第二ローラは、前記筒体装着装置の前記軸方向への移動に伴い前記直交軸線回りに回転することを特徴とする請求項6に記載の筒体装着方法。
【請求項8】
前記拡径工程は、前記移動工程の後、前記ロータの端面に前記ローラが当接する当接工程を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の筒体装着方法。
【請求項9】
前記装着工程では、前記押圧部は、前記進行方向側に前記筒体を押圧し、
前記第二ローラは、前記筒体の前記進行方向側への移動に伴い前記直交軸線回りに回転することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の筒体装着方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、筒体装着装置及び筒体装着方法に関するものである。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源として回転電機が使用されている。回転電機では、ロータの外周部に永久磁石が配置されている。近年、回転電機の高回転化に伴い、ロータの外周部に配置された永久磁石を確実にロータに固定し、ロータを補強するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、円形の外周面を有する筒状のスリーブ部と、外周面に沿って配置される複数の永久磁石と、複数の永久磁石を包囲する筒状の保持部材と、を備えるロータの構成が記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、スリーブ部の内径側に回転軸部を圧入することにより、回転軸部と保持部材との間でスリーブ部及び永久磁石が挟持される。これにより、スリーブ部に複数の永久磁石を強固に固定することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016−96641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、径方向に厚みを有するスリーブ部(ロータコア)の外周面に永久磁石を配置する場合に、ロータコアの径方向への変形量を十分に確保できない。このため、永久磁石を確実に固定できないおそれがある。
ところで、ロータコアの外周面に永久磁石を配置する場合には、例えば保持部材(筒体)を永久磁石の外周部に圧入して配置することにより、永久磁石の外周部に筒体を装着する方法が考えられる。しかしながら、この方法においては、圧入する際に永久磁石及び筒体同士が擦れることにより、永久磁石の割れや筒体の損傷等が生じるおそれがある。また、圧入の際に大きな荷重をかける必要があるため、製造時の作業性が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、簡素な方法によりロータの外周部に筒体を装着し、筒体を装着する際の永久磁石の割れ及び筒体の損傷を抑制した筒体装着装置及びこの筒体装着装置を用いた筒体装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る筒体装着装置(例えば、第1実施形態における筒体装着装置1)は、ロータ(例えば、第1実施形態におけるロータ9)の外周部に筒体(例えば、第1実施形態における筒体8)を装着するための筒体装着装置であって、前記ロータの中心軸線(例えば、第1実施形態における中心軸線C)に沿って、前記ロータに接近する進行方向側及び前記ロータから離反する退避方向側に移動可能なハブ(例えば、第1実施形態におけるハブ2)と、前記ハブから前記進行方向側に向かって延びる腕部(例えば、第1実施形態における腕部3)と、前記腕部における前記進行方向側の端部に設けられる複数のローラ(例えば、第1実施形態におけるローラ4)と、前記筒体を前記進行方向側に押圧する押圧部(例えば、第1実施形態における押圧部5)と、を備え、前記中心軸線の軸方向から見て、複数の前記ローラの外周部にそれぞれ接する仮想外接円(例えば、第1実施形態における仮想外接円A)の曲率半径は、前記筒体の内周部における曲率半径よりも大きく、前記ローラは、前記軸方向に沿う平行軸線(例えば、第1実施形態における平行軸線P)回りに回転可能な第一ローラ(例えば、第1実施形態における第一ローラ41)と、前記軸方向に直交する直交軸線(例えば、第1実施形態における直交軸線O)回りに回転可能とされ、前記ローラの外周部を構成する第二ローラ(例えば、第1実施形態における第二ローラ42及びローラ体48)と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る筒体装着装置は、前記ハブは、前記中心軸線回りに回転可能に構成され、前記第一ローラは、前記ハブの回転に伴い前記平行軸線回りに回転することを特徴としている。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る筒体装着装置は、前記第一ローラは、前記第二ローラを支持する支持部(例えば、第1実施形態における支持部47)を有することを特徴としている。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る筒体装着装置は、前記押圧部は、前記筒体よりも前記退避方向側に設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る筒体装着方法は、上述の筒体装着装置を用いた筒体装着方法であって、前記筒体装着装置の複数の前記ローラを前記筒体に挿入して前記筒体の内径を拡径する拡径工程と、前記拡径工程の後、前記押圧部が前記筒体を前記退避方向側から前記進行方向側へ押圧することにより、前記ロータの外周部に前記筒体を装着する装着工程と、を有することを特徴としている。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る筒体装着方法は、前記拡径工程は、前記筒体装着装置が前記筒体を拡径しながら前記筒体の内部を前記退避方向側から前記進行方向側へ移動する移動工程を含むことを特徴としている。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る筒体装着方法は、前記移動工程では、前記ハブは、前記中心軸線回りに回転し、前記第一ローラは、前記ハブの回転に伴い前記平行軸線回りに回転し、前記第二ローラは、前記筒体装着装置の前記軸方向への移動に伴い前記直交軸線回りに回転することを特徴としている。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る筒体装着方法は、前記拡径工程は、前記移動工程の後、前記ロータの端面(例えば、第1実施形態における端面91)に前記ローラが当接する当接工程を含むことを特徴としている。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る筒体装着方法は、前記装着工程では、前記押圧部は、前記進行方向側に前記筒体を押圧し、前記第二ローラは、前記筒体の前記進行方向側への移動に伴い前記直交軸線回りに回転することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の筒体装着装置によれば、複数のローラの外周部にそれぞれ接する仮想外接円の曲率半径は、筒体の内径の曲率半径よりも大きいので、筒体の内側に筒体装着装置の複数のローラを挿入することにより、筒体の内径寸法を拡径できる。筒体装着装置は複数のローラを有し、ローラは腕部の端部に設けられているので、腕部の位置を径方向に変化させることにより、仮想外接円の曲率半径を所望の大きさに設定できる。これにより、内径寸法が異なる種々の筒体に適用できる。
ローラは、平行軸線回りに回転可能な第一ローラを有するので、第一ローラは、筒体の内側を平行軸線回りに自転するとともに筒体に対して中心軸線回りに公転する。このように、第一ローラが中心軸線回りに公転することにより、筒体を周方向に均等に拡径できる。また、第一ローラが平行軸線回りに自転することにより、第一ローラが公転する際に、筒体と第一ローラとが擦れることによる筒体の損傷を抑制できる。筒体装着装置は、直交軸線回りに回転可能な第二ローラを有する。これにより、筒体装着装置の複数のローラが筒体の軸方向に沿って筒体の内側に挿入される際、筒体の内側に接する第二ローラが直交軸線回りに回転することにより、筒体に対して筒体装着装置の複数のローラを容易に挿入できる。また、筒体と第二ローラとが擦れることによる筒体の損傷を抑制できる。よって、筒体の損傷を抑制しつつ筒体の内径寸法を拡径できる。
筒体装着装置は押圧部を有するので、ローラが筒体を拡径するとともに押圧部が筒体を進行方向側に押圧することにより、ロータの外周部に筒体を装着できる。これにより、ロータの外周部に配置された永久磁石を筒体により確実に固定できる。筒体は、内径が拡径された状態でロータに装着されるので、筒体を装着する際に永久磁石と筒体とが擦れることによる永久磁石の割れを抑制できる。また、筒体をロータに装着する際、第二ローラが直交軸線回りに回転するので、筒体装着装置に対して筒体を滑らかに進行方向側に移動させることができる。
したがって、簡素な方法によりロータの外周部に筒体を装着し、筒体を装着する際の永久磁石の割れ及び筒体の損傷を抑制した筒体装着装置を提供できる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の筒体装着装置によれば、ハブは中心軸線回りに回転するので、ハブに接続された第一ローラは、ハブの回転に伴い中心軸線回りに公転する。これにより、筒体と第一ローラとの接触部分が周方向において漸次変化する。よって、筒体を周方向に均等に拡径できる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の筒体装着装置によれば、第二ローラは支持部を介して第一ローラに支持されているので、第一ローラが筒体の内側を中心軸線回りに公転して筒体を拡径するとともに、第二ローラが回転して筒体の軸方向への移動を許容する。よって、筒体の拡径及び軸方向への移動の両方を同時に行うことができる。よって、作業性を向上した筒体装着装置とすることができる。また、第一ローラと第二ローラとが別体で設けられる場合と比較して、筒体装着装置を小型化できる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の筒体装着装置によれば、押圧部は、筒体に対して筒体の退避方向側に設けられているので、筒体装着装置の複数のローラが退避方向側から進行方向側へ移動して筒体に挿入された後、筒体を退避方向側から進行方向側へ押圧できる。これにより、筒体装着装置の筒体への挿入及び筒体のロータ外周部への装着を同一方向から行うことができる。よって、筒体の拡径及びロータ外周部への筒体の装着に係る一連の作業を簡素化し、作業スペースを小型化できる。
【0020】
本発明の請求項5に記載の筒体装着方法によれば、拡径工程では、筒体装着装置の複数のローラを筒体に挿入して筒体の内径寸法を拡径する。装着工程では、拡径工程の後、押圧部が筒体を退避方向側から進行方向側へ押圧することにより、ロータの外周部に筒体を装着する。このように、拡径工程と、装着工程と、を経ることにより筒体をロータ外周部に装着できる。
拡径工程において、第一ローラが平行軸線回りに自転するとともに筒体に対して中心軸線回りに公転するので、筒体を周方向に均等に拡径できる。また、第一ローラが平行軸線回りに自転することにより、筒体を拡径する際に、筒体と第一ローラとが擦れることによる筒体の損傷を抑制できる。第二ローラは直交軸線回りに回転するので、筒体に対して筒体装着装置を軸方向に容易に挿入できる。また、筒体と第二ローラとが擦れることによる筒体の損傷を抑制できる。よって、筒体の損傷を抑制しつつ筒体を拡径できる。また、ローラは腕部の端部に設けられているので、腕部の位置を径方向に変化させることにより、仮想外接円の曲率半径を所望の大きさに設定できる。これにより、内径寸法が異なる種々の筒体に適用できる。
装着工程において、筒体は拡径されながらロータに装着されるので、筒体を装着する際に、ロータの外周部に配置された永久磁石と筒体とが擦れることによる永久磁石の割れを抑制できる。また、第二ローラが直交軸線回りに回転することにより、筒体を滑らかに進行方向側に移動させることができる。
したがって、簡素な方法によりロータの外周部に筒体を装着し、筒体を装着する際の永久磁石の割れ及び筒体の損傷を抑制した筒体装着方法を提供できる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の筒体装着方法によれば、拡径工程は、移動工程を含む。移動工程では、筒体装着装置の複数のローラが筒体を拡径しながら筒体の内部を軸方向の進行方向側に向かって移動する。これにより、移動工程が終了した状態において、進行方向側に位置する筒体端部の内径寸法は、退避方向側に位置する筒体端部の内径寸法よりも拡径されている。よって、拡径工程の後に行われる装着工程において、ロータに近い側の筒体の内径をより拡径し、筒体をロータの外周部に容易に装着できる。
【0022】
本発明の請求項7に記載の筒体装着方法によれば、移動工程において、ハブは中心軸線回りに回転するので、ハブに接続された第一ローラは、ハブの回転に伴い中心軸線回りに公転する。これにより、筒体と第一ローラとの接触部分が周方向において漸次変化する。よって、筒体を周方向に均等に拡径できる。
第二ローラは直交軸線回りに回転するので、筒体に対して筒体装着装置の複数のローラを軸方向に容易に挿入できる。また、筒体と第二ローラとが擦れることによる筒体の損傷を抑制できる。よって、小さい力で筒体を拡径できるとともに、筒体の損傷を抑制できる。
【0023】
本発明の請求項8に記載の筒体装着方法によれば、拡径工程は当接工程を含む。当接工程では、移動工程の後、ロータの端面にローラが当接する。これにより、ロータと、筒体装着装置及び筒体装着装置が挿入された筒体と、の位置決めを行うことができる。また、進行方向側に位置する筒体端部を拡径できる。よって、拡径工程の後に行われる装着工程において、筒体をロータの外周部に容易に装着できる。
【0024】
本発明の請求項9に記載の筒体装着方法によれば、装着工程において、押圧部は進行方向側に筒体を押圧するとともに、第二ローラは筒体の進行方向側への移動に伴い直交軸線回りに回転する。これにより、装着工程において筒体とローラとが擦れることによる筒体の損傷を抑制できる。また、筒体装着装置に対して筒体を軸方向に容易に移動させることができる。よって、装着工程における作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
第1実施形態に係る筒体装着装置、筒体及びロータの外観斜視図。
第1実施形態に係る筒体装着装置の正面図。
第1実施形態に係る配置工程を示す説明図。
第1実施形態に係る拡径工程を示す説明図。
第1実施形態に係る移動工程を示す説明図。
第1実施形態に係る当接工程を示す説明図。
第1実施形態に係る装着工程を示す説明図。
第2実施形態に係る装着工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
(第1実施形態)
(筒体装着装置)
図1は、第1実施形態に係る筒体装着装置1、筒体8及びロータ9の外観斜視図である。
ロータ9は、中心軸線Cを中心とする円柱状に形成されている。ロータ9の外周部には、例えば不図示の永久磁石が配置されている。
筒体8は、中心軸線Cを中心とする環状に形成されている。筒体8は、ロータ9の外周部に装着されることにより、永久磁石をロータ9の外周部に保持するとともにロータ9を補強するための部材である。筒体8は、例えばステンレス等の非磁性体の金属や炭素繊維強化プラスチック等の樹脂等により形成されている。筒体8がロータ9に装着される前の状態において、筒体8の内径寸法は、ロータ9の外径寸法よりも小さい。筒体8は、ロータ9へ装着される際に、弾性変形して圧入されることによりロータ9の外周部に配置される。筒体8がロータ9へ装着された後、筒体8は、径方向内側に向かって作用する復元力によりロータ9の外周部に保持される。
【0028】
筒体装着装置1は、ロータ9の外周部に筒体8を装着するための装置である。具体的に、筒体装着装置1は、筒体8の内径寸法を拡径するとともに筒体8をロータ9側へ押圧することにより、筒体8をロータ9の外周部に装着する。
筒体装着装置1は、ハブ2と、腕部3と、ローラ4と、押圧部5と、を備える。
【0029】
(ハブ)
ハブ2は、中心軸線Cを中心とする断面円形状に形成されている。以下の説明では、中心軸線Cに沿う方向を単に軸方向といい、中心軸線Cに直交する方向を径方向といい、中心軸線C周りの方向を周方向という場合がある。
ハブ2は、中心軸線Cに沿ってロータ9に接近する進行方向側及びロータ9から離反する退避方向側に移動可能に構成されている。
ハブ2は、基部21と、取付板23と、を有する。
【0030】
基部21は、中心軸線Cを中心とする円柱状に形成されている。基部21の退避方向側には、例えばリンク機構等を介してモータ(いずれも不図示)が接続されている。これにより、基部21は中心軸線C回りに回転可能とされている。
【0031】
取付板23は、基部21の進行方向側の端部に接続されている。取付板23は、中心軸線Cを中心とする円板状に形成されている。取付板23の直径は、基部21の直径よりも大きい。取付板23は、基部21と一体形成されている。なお、取付板23と基部21とは別体形成されていてもよい。
【0032】
(腕部)
腕部3は、取付板23の進行方向側の端面に接続されている。腕部3は、取付板23の進行方向側の端部から、軸方向の進行方向側に向かって延びている。腕部3は、平行軸線Pに沿って延びている。平行軸線Pは、中心軸線Cと平行かつ中心軸線Cと重ならない位置に設けられている。
図2は、第1実施形態に係る筒体装着装置1の正面図である。
本実施形態において、腕部3は、第一腕部31と、第二腕部32と、第三腕部33と、を有する。第一腕部31は、第一平行軸線P1を有する。第二腕部32は、第二平行軸線P2を有する。第三腕部33は、第三平行軸線P3を有する。各腕部3は、各平行軸線Pと中心軸線Cとの間の距離がそれぞれ等しく、かつ周方向において等間隔に並ぶようにそれぞれ配置されている。
【0033】
(ローラ)
図1に示すように、ローラ4は、各腕部3の進行方向側の端部に設けられている。各腕部3に設けられたローラ4はそれぞれ同等の構成とされている。よって、以下の説明では、第一腕部31に設けられたローラ4について詳細に説明し、第二腕部32及び第三腕部33に設けられたローラ4についての説明を省略する。
ローラ4は、第一ローラ41と、第二ローラ42と、を有する。
【0034】
図2に示すように、第一ローラ41は、第一平行軸線P1(平行軸線P)を回転中心として第一腕部31(腕部3)に対して回転可能に構成されている。第一ローラ41は、軸方向から見て、平行軸線Pを中心とする円形状に形成されている。第一ローラ41は、本体部45と、支持部47と、ローラ体48と、を有する。
【0035】
本体部45は、軸方向を板厚方向とする平板状に形成されている。本体部45は、軸方向から見て矩形状に形成されている。本体部45は、軸方向から見た本体部45の中央部に設けられた軸受46を介して腕部3に回転可能に支持されている。
支持部47は、本体部45における4個の角部にそれぞれ設けられている。支持部47は、軸方向から見て三角形状に形成されている。支持部47は、本体部45と一体形成されている。具体的に、支持部47と本体部45とは、支持部47の三角形状における1個の頂点と、本体部45の矩形状における1個の角部と、が対向するようにして接続されている。
【0036】
ローラ体48は、ローラ4(第一ローラ41)の外周部を構成している。具体的に、ローラ体48は、平行軸線Pを回転中心とする第一ローラ41の回転方向において、周方向に隣り合う支持部47同士の間に設けられている。ローラ体48は、直交軸線Oを回転中心として支持部47に対して回転可能に構成されている。直交軸線Oは、中心軸線Cの軸方向と直交している。ローラ体48は、各支持部47間に配置されることにより、単一の第一ローラ41に対して合計4個設けられている。各ローラ体48は、第一直交軸線O1,第二直交軸線O2,第三直交軸線O3,第四直交軸線O4,をそれぞれ有する。
【0037】
具体的に、第一直交軸線O1及び第三直交軸線O3は、本体部45の一辺に平行で、かつ同一平面上に配置されている。第一直交軸線O1及び第三直交軸線O3は、平行軸線Pを挟んで配置されている。
第二直交軸線O2及び第四直交軸線O4は、第一直交軸線O1と直交し、かつ第一直交軸線O1と同一平面上に配置されている。第二直交軸線O2及び第四直交軸線O4は、平行軸線Pを挟んで配置されている。
【0038】
各ローラ体48は、各直交軸線Oに沿う方向を長手方向とする回転楕円体形状(長球状)に形成されている。中心軸線Cの軸方向から見て、中心軸線Cからローラ体48の外周部までの距離は、中心軸線Cから第一ローラ41の最外形部までの距離よりも遠い。すなわち、ローラ体48は、ローラ4(第一ローラ41)の最外形部を構成している。これにより、ローラ4が筒体8内に挿入された状態において、筒体8の内周面81(図1参照)にはローラ体48が当接している。
【0039】
このように形成された第一ローラ41は、ハブ2の回転に伴い中心軸線C回りに公転するとともに、平行軸線P回りに自転する。
軸方向から見て、各第一ローラ41の外周部にそれぞれ接する仮想外接円Aの曲率半径は、筒体8の内径の曲率半径よりも大きい。
【0040】
ローラ体48は、第二ローラ42とされている。すなわち、第二ローラ42は、支持部47を介して第一ローラ41に支持されている。これにより、ローラ4は、第一ローラ41により筒体8内を周方向に移動可能とされ、第二ローラ42により筒体8内を軸方向に移動可能とされている。
【0041】
(押圧部)
図1に戻って、押圧部5は、筒体8の退避方向側の端部に設けられている。押圧部5は、軸方向から見て筒体8と重なる位置に設けられている。押圧部5は、筒体8を退避方向側から進行方向側に押圧可能とされている。押圧部5は、例えばピストン等の往復運動機構に接続されることにより、軸方向に沿って進退可能に構成されている。押圧部5は、例えば中心軸線Cを挟んで対称となる位置に一対設けられている。
なお、押圧部5は、周方向に複数設けられていてもよく、中心軸線Cを中心とする環状に形成されていてもよい。
【0042】
(筒体装着方法)
次に、上述の筒体装着装置1を用いてロータ9の外周部に筒体8を装着する筒体装着方法について説明する。
筒体装着方法は、配置工程と、拡径工程と、装着工程と、を有する。
【0043】
図3は、第1実施形態に係る配置工程を示す説明図である。
配置工程では、ロータ9、筒体8及び筒体装着装置1を所定の位置に配置する。具体的に、ロータ9と、筒体8と、筒体装着装置1のハブ2と、がそれぞれ中心軸線Cと同軸となるように配置する。また、筒体8よりも進行方向側にロータ9を配置し、筒体8よりも退避方向側に筒体装着装置1を配置する。
【0044】
図4は、第1実施形態に係る拡径工程を示す説明図である。
拡径工程では、筒体装着装置1の複数のローラ4を筒体8に挿入して筒体8の内径を拡径する。具体的に、拡径工程では、筒体装着装置1の複数のローラ4が筒体8の内周面81にそれぞれ当接するように、複数のローラ4を筒体8に挿入する。拡径工程において、ハブ2は、中心軸線C回りに回転する。第一ローラ41は、ハブ2の回転に伴い平行軸線P回りに自転しながら中心軸線C回りに公転する。第二ローラ42は、筒体装着装置1の軸方向への移動に伴い直交軸線O回りに回転する。
拡径工程は、移動工程と、当接工程と、を含む。
【0045】
図5は、第1実施形態に係る移動工程を示す説明図である。
移動工程では、筒体装着装置1が筒体8を拡径しながら筒体8の内部を進行方向側に向かって移動する。このとき、ハブ2は中心軸線C回りに回転している。ここで、第一ローラ41の外周部にそれぞれ接する仮想外接円Aの曲率半径は、筒体8の内径の曲率半径よりも大きいので、筒体装着装置1は、筒体8を退避方向側から進行方向側へ順に拡径しながら移動する。また、第一ローラ41は中心軸線C回りに公転しながら進行方向に沿って移動する。これにより、筒体8は、周方向に均等に拡径される。
【0046】
図6は、第1実施形態に係る当接工程を示す説明図である。
当接工程では、移動工程の後、ロータ9の端面91にローラ4を当接させる。具体的に、当接工程では、移動工程により筒体8の進行方向側の端部に配置されたローラ4の進行方向側の端部を、ロータ9に当接させる。当接工程が完了した状態において、ロータ9と、筒体8と、が近接して配置されている。この状態において、ローラ4が配置される筒体8の進行方向側における端部の内径寸法は、筒体8の退避方向側における端部の内径寸法よりも大きい。
【0047】
図7は、第1実施形態に係る装着工程を示す説明図である。
装着工程では、拡径工程の後、押圧部5が筒体8を進行方向側へ押圧することにより、ロータ9の外周部に筒体8を装着する。具体的に、装着工程では、筒体8の退避方向側の端部に当接して配置された押圧部5が、進行方向側に向かって筒体8を押圧する。このとき、第二ローラ42は、筒体8の進行方向側への移動に伴い直交軸線O回りに回転する。
【0048】
このように、配置工程と、拡径工程と、装着工程と、を経ることにより、ロータ9の外周部に筒体8が装着される。
【0049】
(作用、効果)
次に、筒体装着装置1及び筒体装着方法の作用、効果について説明する。
本実施形態の筒体装着装置1によれば、複数のローラ4の外周部にそれぞれ接する仮想外接円Aの曲率半径は、筒体8の内径の曲率半径よりも大きいので、筒体8の内側に筒体装着装置1の複数のローラ4を挿入することにより、筒体8の内径寸法を拡径できる。筒体装着装置1は複数のローラ4を有し、ローラ4は腕部3の端部に設けられているので、腕部3の位置を径方向に変化させることにより、仮想外接円Aの曲率半径を所望の大きさに設定できる。これにより、内径寸法が異なる種々の筒体8に適用できる。
ローラ4は、平行軸線P回りに回転可能な第一ローラ41を有するので、第一ローラ41は、筒体8の内側を平行軸線P回りに自転するとともに筒体8に対して中心軸線C回りに公転する。このように、第一ローラ41が中心軸線C回りに公転することにより、筒体8を周方向に均等に拡径できる。また、第一ローラ41が平行軸線P回りに自転することにより、第一ローラ41が公転する際に、筒体8と第一ローラ41とが擦れることによる筒体8の損傷を抑制できる。筒体装着装置1は、直交軸線O回りに回転可能な第二ローラ42を有する。これにより、筒体装着装置1の複数のローラ4が筒体8の軸方向に沿って筒体8の内側に挿入される際、筒体8の内側に接する第二ローラ42が直交軸線O回りに回転することにより、筒体8に対して筒体装着装置1の複数のローラ4を容易に挿入できる。また、筒体8と第二ローラ42とが擦れることによる筒体8の損傷を抑制できる。よって、筒体8の損傷を抑制しつつ筒体8の内径寸法を拡径できる。
筒体装着装置1は押圧部5を有するので、ローラ4が筒体8を拡径するとともに押圧部5が筒体8を進行方向側に押圧することにより、ロータ9の外周部に筒体8を装着できる。これにより、ロータ9の外周部に配置された永久磁石を筒体8により確実に固定できる。筒体8は、内径が拡径された状態でロータ9に装着されるので、筒体8を装着する際に永久磁石と筒体8とが擦れることによる永久磁石の割れを抑制できる。また、筒体8をロータ9に装着する際、第二ローラ42が直交軸線O回りに回転するので、筒体装着装置1に対して筒体8を滑らかに進行方向側に移動させることができる。
したがって、簡素な方法によりロータ9の外周部に筒体8を装着し、筒体8を装着する際の永久磁石の割れ及び筒体8の損傷を抑制した筒体装着装置1を提供できる。
【0050】
ハブ2は中心軸線C回りに回転するので、ハブ2に接続された第一ローラ41は、ハブ2の回転に伴い中心軸線C回りに公転する。これにより、筒体8と第一ローラ41との接触部分が周方向において漸次変化する。よって、筒体8を周方向に均等に拡径できる。
(【0051】以降は省略されています)

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