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公開番号2020145907
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200910
出願番号2019043078
出願日20190308
発明の名称電子機器
出願人日本電波工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02J 1/00 20060101AFI20200814BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電子ヒューズによる電流の遮断を抑制する。
【解決手段】負荷20に電力を供給する電源と、電源と負荷20との間に設けられており、電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過する以前には、負荷20の抵抗値が電源から印加される電圧に基づいて定まる最小許容抵抗値以下であることを条件として電流を遮断し、電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過した後には、基準電流値が流れることを条件として電流を遮断し、基準電流値未満の電流を負荷に供給する電子ヒューズ1と、電子ヒューズ1と負荷20との間に設けられており、電子ヒューズ1が負荷20に電流を供給するタイミングを遅延させる遅延回路2と、を有する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
負荷に電力を供給する電源と、
前記電源と前記負荷との間に設けられており、前記電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過する以前には、前記負荷の抵抗値が前記電源から印加される電圧に基づいて定まる最小許容抵抗値以下であることを条件として電流を遮断し、前記電源が電力の発生を開始してから前記所定の時間が経過した後には、基準電流値が流れることを条件として電流を遮断し、前記基準電流値未満の電流を前記負荷に供給する電子ヒューズと、
前記電子ヒューズと前記負荷との間に設けられており、前記電子ヒューズが前記負荷に電流を供給するタイミングを遅延させる遅延回路と、
を有する電子機器。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記遅延回路は、電力を蓄積するコンデンサと、前記電源と前記コンデンサとの間の抵抗と、前記コンデンサの端子間電圧が所定電圧値になることを条件として電流を流し始めるスイッチとを有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記遅延回路は、前記抵抗と並列に設けられており、前記電源が電力の供給を停止すると、前記コンデンサに蓄積された電荷を前記電源に放電するダイオードを有する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記遅延回路が前記タイミングを遅延させる時間を設定する制御部をさらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に電力を供給する電子機器に関する。
続きを表示(約 6,500 文字)【背景技術】
【0002】
負荷へ電力を供給するための電源にヒューズを接続することが広く行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平07−264021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電源装置に接続されるヒューズとして電子ヒューズを使用した場合、電子ヒューズの特性によっては、電源装置の起動時に、電力の供給が停止されてしまうという問題が生じていた。図4に従来の電子機器100の構成を示す。図5は、電子機器100の電源装置10による電力供給開始時に図4の測定位置CH1において測定した負荷電圧、及び、測定位置CH2において測定した負荷電流の波形を示す。
【0005】
電源装置10は、時刻T1において負荷電流の供給を開始する。電子ヒューズ1は、電源装置10による電力供給の開始直後に負荷20の抵抗値が最小許容抵抗値以下であるか否かを判定する。電子ヒューズ1は、電力供給の開始直後に負荷20の抵抗値が最小許容抵抗値以下である場合に、電流を遮断する。このため、負荷電流は、時刻T2において電子ヒューズ1により遮断され、電源装置10は、負荷20へ電力を供給できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、電子機器の起動時に電子ヒューズにより電流が遮断されにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の電子機器は、負荷に電力を供給する電源と、前記電源と前記負荷との間に設けられており、前記電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過する以前には、前記負荷の抵抗値が前記電源から印加される電圧に基づいて定まる最小許容抵抗値以下であることを条件として電流を遮断し、前記電源が電力の発生を開始してから前記所定の時間が経過した後には、基準電流値が流れることを条件として電流を遮断し、前記基準電流値未満の電流を前記負荷に供給する電子ヒューズと、前記電子ヒューズと前記負荷との間に設けられており、前記電子ヒューズが前記負荷に電流を供給するタイミングを遅延させる遅延回路と、を有する。
【0008】
前記遅延回路は、電力を蓄積するコンデンサと、前記電源と前記コンデンサとの間の抵抗と、前記コンデンサの端子間電圧が所定電圧値になることを条件として電流を流し始めるスイッチとを有してもよい。
【0009】
前記遅延回路は、前記抵抗と並列に設けられており、前記電源が電力の供給を停止すると、前記コンデンサに蓄積された電荷を前記電源に放電するダイオードを有してもよい。
【0010】
前記電子機器は、前記遅延回路が前記タイミングを遅延させる時間を設定する制御部をさらに有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子ヒューズによる電流の遮断を抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
実施形態の電子機器の構成を示す図である。
遅延回路による電流の遅延を示す図である。
遅延回路の回路図を示す。
従来の電子機器の構成を示す
従来の電子機器の電力供給開始時に測定した負荷電圧及び負荷電流を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[電子機器の概要]
図1は、本実施形態の電子機器100の構成を示す図である。電子機器100は、電源装置10及び負荷20を備える。電源装置10は、負荷20に電力を供給する。負荷20は、電源装置10から供給される電力により動作する電子回路を含む。負荷20は、電源装置10にケーブル線で接続されている。図1の例では、ケーブル線は16Vの直流電源を負荷20へ供給する。
【0014】
電源装置10は、電力を発生する電源(図1においては「+16V電源」と図示)と、電子ヒューズ1と、遅延回路2とを備える。電子ヒューズ1は、負荷20に電力を供給する電源と、負荷20との間に設けられている。電子ヒューズ1は、負荷20の抵抗値や負荷20に供給される電流を監視している。電子ヒューズ1は、以下のように、電源が電力の発生を開始してからの時間に応じて異なる動作を行う。
【0015】
[電源が電力の発生を開始して所定の時間以内の動作]
電子ヒューズ1は、電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過する以前には、負荷20の抵抗値Rが最小許容抵抗値R
min
以下であることを条件として電流を遮断する。所定の時間は、例えば、電子ヒューズ1の定格により定められている。最小許容抵抗値R
min
は、電源から印加される電圧に基づいて定まり、例えば、以下の式により表される。
式中、max(a,b)は、a又はbのいずれか大きい方の値であることを示す。V

は、電源装置10の電源が供給する電圧であり、図1の例では16Vである。I
min
は、電流の下限値であり、例えば4.6Aである。Kは定数であり、例えば0.5である。
【0016】
[電源が電力の発生を開始して所定の時間後の動作]
電子ヒューズ1は、電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過した後には、基準電流値が流れることを条件として電流を遮断する。基準電流値は、電子ヒューズ1の定格により定められる値であり、例えば約7.4Aである。一方、電子ヒューズ1は、基準電流値未満の電流を遮断せず、電流を負荷20に供給する。
【0017】
遅延回路2は、電子ヒューズ1と負荷20との間に設けられている。遅延回路2は、電子ヒューズ1が負荷20に電流を供給するタイミングを遅延させる。遅延回路2による遅延時間は、電子ヒューズ1による負荷20の抵抗値が最小許容抵抗値より大きいか否かの判定が行われなくなるまでの時間よりも長い時間である。遅延時間は、一例としては約5ミリ秒である。
【0018】
図2は、遅延回路2による負荷電圧及び負荷電流の遅延の様子を示す図である。図2の上段には、図1中において遅延回路2により遅延される前の測定位置CH1において測定された電源電圧を示す。図2の中段には、図1中において遅延回路2により遅延された後の測定位置CH2において測定された負荷電圧を示す。また、図2の下段には、図1中において遅延回路2により遅延された後の測定位置CH3において測定された負荷電流を示す。
【0019】
図2に示す電源電圧及び負荷電圧の波形を比較すると、負荷電圧は、電源電圧に比べて、0Vから増加する立ち上がりのタイミングが所定の時間だけ遅延していることが分かる。同様に、負荷電流は、電源電圧に比べて、0Aから増加する立ち上がりのタイミングが所定の時間だけ遅延していることが分かる。
【0020】
このような構成により、電子機器100では、電源が電力の発生を開始してから所定の時間が経過した後に負荷20が電源装置10に接続される。したがって、電子機器100の起動時に、負荷20の抵抗値Rが最小許容抵抗値R
min
以下であることに起因して電子ヒューズ1により電流が遮断されることを抑制することができる。なお、遅延回路2が負荷20に設けられていてもよいが、負荷20を小型化するためには、電源装置10に遅延回路2を設けることが好ましい。
【0021】
[遅延回路の構成例]
図3は、遅延回路2の構成例を示す。遅延回路2は、ダイオードD1、抵抗R1〜抵抗R6、コンデンサC1、コンデンサC2、ツェナーダイオードZ1、ツェナーダイオードZ2、トランジスタTR及びフォトモスリレーPを備える。電源から遅延回路2へ電流の供給が開始された直後は、トランジスタTR及びフォトモスリレーPはオフ状態であり、負荷20へ電流が供給されない。このとき、ツェナーダイオードZ1及びツェナーダイオードZ2はいずれも導通していない。フォトモスリレーPのオフ状態では、遅延回路2全体の抵抗値は、電子ヒューズ1の最小許容抵抗値より大きいものとする。
【0022】
まず、電源装置10から供給された電流は、電源装置10とコンデンサC1との間に接続された抵抗R1を経由して、コンデンサC1及びコンデンサC2へ流入し、コンデンサC1及びコンデンサC2は、電力を蓄積する。このとき、一部の電流は、抵抗R2を経由してグランドGNDへ流れる。
【0023】
コンデンサC1及びコンデンサC2に電力が蓄積されるにつれて、ツェナーダイオードZ1に高い電圧が印加される。ツェナーダイオードZ1に降伏電圧を超える電圧が印加されるとツェナーダイオードZ1が導通し、これにより、抵抗R3及び抵抗R4を経由して、トランジスタTRのベース電流が流れ始める。その後、抵抗R3を流れる電流値が基準値を超えるとツェナーダイオードZ2が導通し、トランジスタTRのベース電流が増加する。
【0024】
トランジスタTRは、図3の例では、バイポーラトランジスタに入力抵抗とエミッタ―ベース間抵抗とを接続したデジタルトランジスタである。ツェナーダイオードZ1及びツェナーダイオードZ2が導通した状態では、コンデンサC1の端子間電圧が高くなるにつれてベース電流が増加する。トランジスタTRは、コンデンサC1の端子間電圧が所定電圧値以上になった時点でベース電流が電流閾値以上になり、オフ状態からオン状態に切り替わる。電流閾値は、トランジスタTRの定格により定められる値である。所定電圧値は、この電流閾値に応じて決まる値であり、一例としては10Vである。したがって、トランジスタTRは、コンデンサC1の端子間電圧が所定電圧値になることを条件として、コレクタ―エミッタ間の電流を流し始めるスイッチとして機能する。
【0025】
電源装置10が電流を流し始めてからコンデンサC1の端子間電圧が所定電圧値になるまでの時間は、抵抗R1の抵抗値と、コンデンサC1及びコンデンサC2の容量とに基づいて定まる時定数によって定められる。抵抗R1の抵抗値が可変である場合、又はコンデンサC1若しくはコンデンサC2の容量値が可変である場合、抵抗R1の抵抗値又はコンデンサC1若しくはコンデンサC2の容量値を調整することにより、遅延時間を調整することができる。この場合、電源装置10がプロセッサを含む制御部を有しており、制御部が、例えば外部からの指示に基づいて抵抗R1の抵抗値又はコンデンサC1若しくはコンデンサC2の容量値を変化させることにより、電子ヒューズ1が負荷20に電流を供給するタイミングを遅延させる時間を設定してもよい。
【0026】
トランジスタTRがオン状態になると、抵抗R5及び抵抗R6を経由して、フォトモスリレーPのLED(Light Emitting Diode)に電流が流れ、LEDが発光する。LEDの発光により、フォトモスリレーPのMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)がオフ状態からオン状態に切り替わり、負荷20への電流の供給が開始される。なお、フォトモスリレーPの代わりに、トランジスタ又はMOSFETをスイッチとして用いてもよい。
【0027】
ダイオードD1は、抵抗R1と並列に設けられている。ダイオードD1は、電源が電力の供給を停止すると、コンデンサC1及びコンデンサC2に蓄積された電荷を電源に放電する。このような構成により、コンデンサC1及びコンデンサC2は、電力を蓄積することが可能な状態に戻るので、電源が電力の供給を再開した場合に、負荷20への電流の供給を再度遅延させることができる。
【0028】
[電子機器100による効果]
電源が電力の供給を開始させた直後に負荷20に接続された場合、電子ヒューズ1において負荷20が最小許容抵抗値以下であると判定して電流を遮断してしまうことがある。本実施形態によれば、電子機器100では、電力が負荷20に供給されるタイミングを遅延回路2により遅延させるので、電源が電力の供給を開始した直後に負荷20に接続されることを抑制することができる。このため、電子機器100は、起動直後に電子ヒューズ1によって電流が遮断されてしまい、起動できなくなることを抑制することができる。
【0029】
また、電子機器100では、電源装置10が遅延回路2を備えるので、負荷20において遅延回路2のためのスペースを確保する必要がなく、負荷20を小型化することができる。また、電子機器100では、抵抗及びコンデンサにより遅延回路2を構成するので、TTL(Transistor-transistor logic)やCMOS(Complementary MOS)等のIC(Integrated Circuit)を利用して遅延回路を構成した場合に必要となる3.3V又は5Vの電源を確保する必要がない。したがって、電子機器100は、負荷が3.3V又は5V等の電圧を必要としない場合に、電源装置10が3.3V又は5V等の電圧を生成する必要がないので、電源装置10の製造コストの増加を抑えることができる。
【0030】
なお、本実施形態の例では、遅延時間がコンデンサC1及びコンデンサC2により定められる例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、タイマ等のデジタルICにより遅延時間を設定する構成であってもよい。この場合、遅延回路2は、制御部の指示に基づいて、電子ヒューズ1が負荷20に電流を供給するタイミングを、外部から指定した時間だけ遅延させてもよい。このような構成により、電子機器100のユーザが、電子ヒューズ1及び負荷20の種類に応じて、適切な遅延時間を設定することができる。
【0031】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0032】
1 電子ヒューズ
2 遅延回路
10 電源装置
20 負荷
100 電子機器
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
D1 ダイオード
P フォトモスリレー
R1 抵抗
R2 抵抗
R3 抵抗
R4 抵抗
R5 抵抗
R6 抵抗
TR トランジスタ
Z1 ツェナーダイオード
Z2 ツェナーダイオード

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