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公開番号2020145884
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200910
出願番号2019042239
出願日20190308
発明の名称充電制御システム
出願人三菱自動車工業株式会社
代理人個人
主分類H02J 3/32 20060101AFI20200814BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】車両単体で、スマートグリッドシステムの発電コストを抑えつつ、需給調整に貢献する。
【解決手段】電力需給の調整手段として利用される蓄電装置2を備えた車載の充電制御システム1は、車両の現在位置を計測する測位装置8と、車両10の現在位置が含まれる地域の地域発電電力と相関がある日射量J及び風速Uの少なくとも一方を検出する検出装置13,14と、車両10に搭載された発電装置3,5を制御する制御装置20とを備える。制御装置20は、日射量J及び風速Uの少なくとも一方から地域発電電力を予測する電力予測部21と、SOC閾値を予測された地域発電電力に基づいて設定する設定部22と、蓄電装置2のSOC推定し、推定したSOCと設定されたSOC閾値とに応じて、発電装置3,5の動作を制御する制御部23とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
外部充電設備との接続を介して電力需給の調整手段としてスマートグリッドシステムに利用される蓄電装置を備えた車載の充電制御システムであって、
車両の現在位置を計測する測位装置と、
前記車両の現在位置が含まれる地域内の発電設備によって発電される地域発電電力と相関がある日射量及び風速の少なくとも一方を検出する検出装置と、
前記車両に搭載された発電装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記検出装置で検出された前記日射量及び前記風速の少なくとも一方から前記地域発電電力を予測する電力予測部と、
前記発電装置を作動させるか否かを判断するためのSOC閾値を前記予測された地域発電電力に基づいて設定する設定部と、
前記蓄電装置のSOC推定し、前記推定したSOCと前記設定部で設定された前記SOC閾値とに応じて、前記発電装置の動作を制御する制御部と、を有する
ことを特徴とする充電制御システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記制御装置は、
前記発電設備のうち再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備の導入量を含む発電設備情報を地域毎に記憶する発電設備情報記憶部と、
前記測位装置で計測された前記車両の現在位置の情報及び前記発電設備情報をもとに、前記車両の現在位置が含まれる地域の前記導入量を取得する導入量取得部を有し、
前記設定部は、前記導入量取得部で取得された前記導入量に基づいて前記SOC閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の充電制御システム。
【請求項3】
前記設定部は、前記予測された地域発電電力が予め設定された第一所定値を上回る場合には、前記SOC閾値を予め設定された通常SOC閾値よりも低い値に設定する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の充電制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記外部充電設備の位置情報を含む外部充電設備情報を記憶する充電設備情報記憶部と、
前記測位装置によって計測された前記車両の現在位置の情報及び前記外部充電設備情報をもとに、前記車両の現在位置が含まれる地域内の前記外部充電設備を候補外部充電設備として検索し、前記検索された候補外部充電設備を表示する充電設備表示部と、を有し、
前記充電設備表示部は、前記SOC閾値が前記通常SOC閾値よりも低い値に設定されている場合に、前記検索された候補外部充電設備を強調して表示する
ことを特徴とする請求項3記載の充電制御システム。
【請求項5】
前記設定部は、前記予測された地域発電電力が予め設定された第二所定値を下回る場合には、前記SOC閾値を予め設定された通常SOC閾値よりも高い値に設定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の充電制御システム。
【請求項6】
前記蓄電装置は、外部放電設備へ給電可能に構成されている
ことを特徴とする請求項5記載の充電制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記外部放電設備の位置情報を含む外部放電設備情報を記憶する放電設備情報記憶部と、
前記測位装置によって計測された前記車両の現在位置の情報及び前記外部放電設備情報をもとに、前記車両の現在位置が含まれる地域内の前記外部放電設備を候補外部放電設備として検索し、前記検索された候補外部放電設備を表示する放電設備表示部と、を有し、
前記放電設備表示部は、前記SOC閾値が前記通常SOC閾値よりも高い値に設定されている場合に、前記検索された候補外部放電設備を強調して表示する
ことを特徴とする請求項6記載の充電制御システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、外部充電設備との接続を介して電力需給の調整手段としてスマートグリッドシステムに利用される蓄電装置を備えた車載の充電制御システムに関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、車両の蓄電装置を電力需給の調整手段として利用するスマートグリッドシステムが知られている。例えば、特許文献1には、電動車両に設けられた蓄電装置の充放電を管理することで電力需給の最適化を図る電力マネジメントシステムを備えたスマートグリッドシステムが開示されている。特許文献1では、電力マネジメントシステムが車両の利用スケジュールに基づき、充放電設備の充放電計画と走行時の車両の走行計画とを立てることで、インフラ施設における電力需給の最適化と、車両におけるエネルギー消費の最適化との両方を実現できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−211482公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スマートグリッドシステムの発電コストを抑えるためには、より多数の車両の蓄電装置が電力需給の調整手段として利用されることが好ましい。しかしながら、特許文献1に開示されるスマートグリッドシステムでは、車両の利用スケジュールが電力マネジメントシステムに予め保存されている必要がある。このため、スマートグリッドシステムとの通信ができない車両や利用スケジュールが定まっていない車両は、スマートグリッドシステムとの連携がとれず、需給調整に貢献することが難しい。このような車両の蓄電装置を電力需給の調整手段として利用するためには、スマートグリッドシステムと連携した蓄電装置の充電状態の制御が車両単体で実現されることが好ましい。
【0005】
本件の充電制御システムは、このような課題に鑑み案出されたもので、車両単体で、スマートグリッドシステムの発電コストを抑えつつ、需給調整に貢献することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)ここで開示する充電制御システムは、外部充電設備との接続を介して電力需給の調整手段としてスマートグリッドシステムに利用される蓄電装置を備えた車載の充電制御システムであって、車両の現在位置を計測する測位装置と、前記車両の現在位置が含まれる地域内の発電設備によって発電される地域発電電力と相関がある日射量及び風速の少なくとも一方を検出する検出装置と、前記車両に搭載された発電装置を制御する制御装置と、を備える。また、前記制御装置は、前記検出装置で検出された前記日射量及び前記風速の少なくとも一方から前記地域発電電力を予測する電力予測部と、前記発電装置を作動させるか否かを判断するためのSOC閾値を前記予測された地域発電電力に基づいて設定する設定部と、前記蓄電装置のSOC推定し、前記推定したSOCと前記設定部で設定された前記SOC閾値とに応じて、前記発電装置の動作を制御する制御部と、を有する。
【0007】
(2)前記制御装置は、前記発電設備のうち再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備の導入量を含む発電設備情報を地域毎に記憶する発電設備情報記憶部と、前記測位装置で計測された前記車両の現在位置の情報及び前記発電設備情報をもとに、前記車両の現在位置が含まれる地域の前記導入量を取得する導入量取得部を有することが好ましい。この場合、前記設定部は、前記導入量取得部で取得された前記導入量に基づいて前記SOC閾値を設定することが好ましい。
【0008】
(3)前記設定部は、前記予測された地域発電電力が予め設定された第一所定値を上回る場合には、前記SOC閾値を予め設定された通常SOC閾値よりも低い値に設定することが好ましい。
【0009】
(4)前記制御装置は、前記外部充電設備の位置情報を含む外部充電設備情報を記憶する充電設備情報記憶部と、前記測位装置によって計測された前記車両の現在位置の情報及び前記外部充電設備情報をもとに、前記車両の現在位置が含まれる地域内の前記外部充電設備を候補外部充電設備として検索し、前記検索された候補外部充電設備を表示する充電設備表示部と、を有することが好ましい。この場合、前記充電設備表示部は、前記SOC閾値が前記通常SOC閾値よりも低い値に設定されている場合に、前記検索された候補外部充電設備を強調して表示することが好ましい。
【0010】
(5)前記設定部は、前記予測された地域発電電力が予め設定された第二所定値を下回る場合には、前記SOC閾値を予め設定された通常SOC閾値よりも高い値に設定することが好ましい。
(6)前記蓄電装置は、外部放電設備へ給電可能に構成されていることが好ましい。
【0011】
(7)前記制御装置は、前記外部放電設備の位置情報を含む外部放電設備情報を記憶する放電設備情報記憶部と、前記測位装置によって計測された前記車両の現在位置の情報及び前記外部放電設備情報をもとに、前記車両の現在位置が含まれる地域内の前記外部放電設備を候補外部放電設備として検索し、前記検索された候補外部放電設備を表示する放電設備表示部と、を有することが好ましい。この場合、前記放電設備表示部は、前記SOC閾値が前記通常SOC閾値よりも高い値に設定されている場合に、前記検索された候補外部放電設備を強調して表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
開示の充電制御システムによれば、車両単体で、スマートグリッドシステムの発電コストを抑えつつ、需給調整に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
実施形態に係る充電制御システムとスマートグリッドシステムの構成とを併せて示す図である。
第1実施形態に係る充電制御システムを備えた車両の構成を説明するための模式図である。
日射量及び風速から地域発電電力を予測するためのマップ例である。
図2の充電制御システムの制御装置で実施される制御の一例を説明するためのフローチャートである。
第2実施形態及び第3実施形態に係る充電制御システムを備えた車両の構成を説明するための模式図である。
第2実施形態に係る充電制御システムの制御装置に記憶されている表の一例であって、SOC閾値を設定するための表である。
第2実施形態に係る充電制御システムの制御装置で実施される制御の一例を説明するためのフローチャートである。
第3実施形態に係る充電制御システムの制御装置に記憶されているマップの一例であって、日射量及び風速に基づいて予測された地域発電電力の大小を判定するためのマップである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、充電制御システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0015】
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
実施形態の充電制御システム1は、図1に示すように、車両10に搭載されるシステムであり、電力需給の調整手段としてスマートグリッドシステム30に利用されることが可能なバッテリ2(蓄電装置)を備える。充電制御システム1は、車載の後述する検出装置13,14で検出された日射量Jや風速Uから車両10の現在位置が含まれる地域の地域発電電力を予測し、予測した地域発電電力に応じてバッテリ2の充電状態を制御することで、車両単体でスマートグリッドシステム30との連携を図る。
【0016】
[1−1−1.スマートグリッドシステムの構成]
スマートグリッドシステム30は、送電線NA,NB,NC,NDにより接続された地域A〜Dそれぞれの電力需給を平滑化して発電コストの抑制を図るシステムで、発電設備40A〜40Dと電力需給の調整手段としての蓄電設備50A〜50Dとを備える。図1には、送電線NAにより接続された地域Aと、送電線NBにより接続された地域Bと、送電線NCにより接続された地域Cと、送電線NDにより接続された地域Dとのそれぞれの電力需給を平滑化するスマートグリッドシステム30A,30B,30C,30Dを例示する。以下の説明では、送電線NA,NB,NC,NDを地域A〜D毎に特別に区別しない場合には、これらをまとめて「送電線N」という。
【0017】
本実施形態のスマートグリッドシステム30は、車両10のバッテリ2を電力需給の調整手段として利用するための設備として、バッテリ2に電力を供給する外部充電設備70A〜70Dとバッテリ2から電力を受給する外部放電設備80A〜80Dとを備える。また、各地域A〜Dの電力は、地域A〜D内の家屋や工場(負荷60A〜60D)で消費される。
【0018】
スマートグリッドシステム30は、各地域A〜Dの発電設備40A〜40Dが発電する地域発電電力(単位時間あたりの発電電力量)と負荷60A〜60Dが消費する消費電力(単位時間あたりの消費電力量)とを管理するとともに、電力需給の調整手段として設けられた蓄電設備50A〜50Dやバッテリ2の充放電を制御することによって発電コストの抑制を図る。なお、各スマートグリッドシステム30に含まれる各要素40A〜40D,50A〜50D,60A〜60D,70A〜70D,80A〜80Dはいずれも各々の地域A〜D内で送電線Nによって電力授受可能に接続される。
【0019】
発電設備40A〜40Dは、電気を発電する設備であって、火力発電設備や太陽光発電設備や風力発電設備などが挙げられる。図1の例では、地域Aに三つの太陽光発電設備41Aと二つの風力発電設備42Aとが発電設備40Aとして設けられる。地域Aのように、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備が設けられている地域では、地域発電電力が各地域A〜Dの日射量や風速に応じて変動する。
【0020】
外部充電設備70A〜70D及び外部放電設備80A〜80Dは、それぞれの設備70A〜70D,80A〜80Dを介して、車両10のバッテリ2を送電線Nに接続させることが可能な設備である。外部充電設備70A〜70D及び外部放電設備80A〜80Dの具体例としては、建物内に設置された充放電ステーションや家庭用コンセントなどが挙げられる。車両10のバッテリ2は、車両10の後述する充電口7hに外部充電設備70A〜70Dの充電ガン70aや外部放電設備80A〜80Bの充電ガン80aが挿入されることで、送電線Nに接続され、電力需要の調整手段として利用される。
【0021】
以下の説明では、各スマートグリッドシステム30に含まれる各要素40A〜40D,50A〜50D,60A〜60D,70A〜70D,80A〜80Dを地域A〜D毎に特別に区別しない場合には、末尾の大文字のアルファベットを省略して説明する。
【0022】
[1−1−2.充電制御システムの構成]
本実施形態の充電制御システム1を図2に示す。充電制御システム1は、バッテリ2(BAT)と、車両10の走行に必要な電力を発電する発電装置3,5と、車両10の現在位置を計測する測位装置8と、車両10に対する日射量Jを検出する日照センサ13(検出装置)と、車両10に対する風速Uを検出する風速センサ14(検出装置)と、バッテリ2の充電状態を制御する制御装置20とを備える。
【0023】
車両10は、モータ3を駆動源として主にバッテリ2の電力を利用して走行する電動車両であって、バッテリ2の出力不足が生じた場合に不足を補うように燃料電池(FC:Fuel Cell)5からの電力がモータ3に供給されるように構成される。
【0024】
モータ3は、車両10の減速エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置である。本実施形態のモータ3は、車両10を走行させるための電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えた電動発電機(モータ・ジェネレータ)であって、二つの機能が択一的に実施される。バッテリ2とモータ3とを接続する電気回路上には電圧変換用のインバータ4(INV)が介装される。
【0025】
燃料電池5は、水素や一酸化炭素の酸化反応に伴う自由エネルギーの変化を電気エネルギーに変換する発電装置である。燃料電池5の具体例としては、固体酸化物型燃料電池(SOFC),溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC),固体高分子型燃料電池(PEFC;Polymer Electrolyte Fuel Cell),リン酸型燃料電池(PAFC;Phosphoric Acid Fuel Cell),アルカリ電解質型燃料電池(AFC;Alkaline Fuel Cell)などが挙げられる。燃料電池5とバッテリ2とを接続する電気回路上には、電圧変換用のコンバータ6(DC-DCコンバータ,CNV)が介装される。
【0026】
また、車両10には、外部充電設備70や外部放電設備80に接続可能に構成された車載充電器7が設けられる。車載充電器7は、外部充電設備70から供給される電力によるバッテリ2の充電や外部放電設備80へのバッテリ2の放電が実施される際に、電力変換を担当する変換器である。車載充電器7は、外部充電設備70の充電ガン70aや外部放電設備80の充電ガン80aが挿入可能に構成された充電口7hを備える。
【0027】
以下、外部充電設備70から供給される電力によるバッテリ2の充電を「外部充電」とよぶ。これに対して、車載のモータ3や燃料電池5で生成される電力によるバッテリ2の充電を「内部充電」とよぶ。また、外部放電設備80へのバッテリ2の放電を「外部放電」とよぶ。
【0028】
バッテリ2は、モータ3の回生発電電力や燃料電池5の発電電力,外部充電設備70から供給される電力を蓄電可能、且つ、モータ3に電力を放電可能に構成された蓄電装置であり、例えばリチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池等である。また、本実施形態のバッテリ2は、外部充電設備80にも電力を放電可能に構成されている。
【0029】
バッテリ2と発電装置3,5との間の電気回路上には、バッテリ2の電圧Vを検出する電圧センサ11と、バッテリ2の入出力電流Iを検出する電流センサ12とが設けられる。電圧センサ11及び電流センサ12で検出された情報は、制御装置20に送られる。
【0030】
日照センサ13及び風速センサ14は、車両10に対する日射量J及び風速Uをそれぞれ検出する検出装置である。日射量Jは、例えば太陽電池素子で生成される起電力の大きさや発電量を計測することで把握される。また、風速Uは、車体に固定されたプロペラの回転数を計測することで、あるいは外気が流通する管内の圧力変化を計測することで把握される。なお、ここでいう風速Uとは、好ましくは車両10が停止している状態での風速Uである。車両10の走行時における風速Uは、風速センサ14での検出結果に加えて車速や加減速度を考慮することで算出可能である。
【0031】
上述の通り、地域発電電力は各地域A〜Dの日射量や風速に応じて変動するため、車両10に対する日射量J及び風速Uから車両の現在位置が含まれる地域の地域発電電力を予測することができる。言い換えれば、車両の現在位置が含まれる地域の地域発電電力と車両10に対する日射量J及び風速Uとは互いに相関がある。日照センサ13及び風速センサ14で検出された情報は、制御装置20に送られる。
【0032】
測位装置8は、GNSS(Global Navigation Satellite System,全球測位衛星システム)や車速センサ,舵角センサ,ヨーレイトセンサ(いずれも図示せず)などの検出情報に基づいて、車両10の現在位置を計測するための電子制御装置(例えばカーナビゲーション装置)である。ここでは世界測地系を基準として、車両10の現在位置の情報(緯度,経度,高さの情報)が計測されるとともに、その場所における時刻や曜日の情報が取得される。測位装置8で計測,取得された情報は、制御装置20に送られる。
【0033】
また、車両10には、測位装置8で計測された車両10の現在位置の情報や車両10の周辺の地図情報を表示する表示装置9が設けられる。表示装置9は、制御装置20の後述する充電設備表示部25によって制御されて、外部充電設備70のうち、車両10の現在位置が含まれる地域に設けられたもの(以下、「候補外部充電設備」という)の情報を表示する。また、表示装置9は、制御装置20の後述する放電設備表示部27によって制御されて、外部放電設備80のうち、車両10の現在位置が含まれる地域に設けられたもの(以下、「候補外部放電設備」という)の情報を表示する。
【0034】
制御装置20は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成された電子制御装置(Electronic Control Unit)であり、車両10に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。
【0035】
[1−2.制御概要]
制御装置20は、検出装置13,14で検出された日射量J及び風速Uの少なくとも一方から車両10の現在位置が含まれる地域の地域発電電力を予測し、予測された地域発電電力に応じてバッテリ2の充電状態を制御する。これにより、制御装置20は、スマートグリッドシステム30と通信することなく車両単体でスマートグリッドシステム30との連携を図り、地域の電力の需給調整に貢献する。具体的には、以下の三種類の制御が実施される。
(1)閾値設定制御
(2)充電状態制御
(3)充放電設備表示制御
【0036】
閾値設定制御は、日照センサ13及び風速センサ14で検出された各検出情報から地域発電電力を予測し、予測された地域発電電力に応じてバッテリ2のSOC閾値を設定する制御である。ここで、SOC閾値とは、発電装置3,5を作動させるか否かを判断するための閾値である。
【0037】
制御装置20は、例えば、各地域A〜Dで標準的に発電される電力(標準的な地域発電電力)を平均した平均地域発電電力と、各地域A〜Dにおける日射量や風速の変動に応じた地域発電電力の変動量を平均した平均変動量とを記憶し、検出装置13,14で検出された各検出情報に応じて平均地域発電電力を平均変動量で補正することで、地域発電電力を予測する。標準的な地域発電電力は、例えば、一ヶ月や一年間といった所定期間の地域発電電力を平均した値を設定することができる。なお、制御装置20は、地域A〜D毎に地域発電電力のスケールが異なる場合には、各地域A〜Dの標準的な地域発電電力を予め記憶しておき、検出装置13,14で検出された各検出情報と測位装置8で計測された車両10の現在位置の情報とに応じて地域発電電力を予測してもよい。
【0038】
制御装置20は、予測された地域発電電力が予め設定された第一所定値を上回る場合に、SOC閾値を通常SOC閾値(例えば、50%)よりも低い値(例えば、30%)に設定する。通常SOC閾値とは、バッテリ2のSOC閾値が予測された地域発電電力に応じて変更されない場合に設定されるSOC閾値であって、少なくともバッテリ2の満充電を示すSOCの値とバッテリ2の空充電を示すSOCの値とを除く。通常SOC閾値は、例えば、バッテリ2の電力のみで車両10を走行させることが可能なSOCの最小値よりも所定量だけ高い値に設定される。なお、本実施形態の通常SOC閾値は固定値として説明するが、通常SOC閾値はバッテリ2の劣化度やバッテリ2の温度等に応じて設定される可変値であってもよい。
【0039】
また、第一所定値とは、予測された地域発電電力がその地域に供給されるべき発電電力よりも大きいか否かを判断するための所定値である。第一所定値は、例えば、日射量Jが平均日射量J0よりも高い高日射量J1である場合や風速Uが平均風速U0よりも高い強風速U1である場合に予測される地域発電電力の値を基準として設定される。なお、本実施形態の第一所定値は、地域A〜Dに拠らない固定値としてあらかじめ制御装置20に記憶されているものとするが、地域発電電力のスケールが各地域A〜Dで異なる場合には、地域毎に値が設定されていてもよい。
【0040】
上記の平均日射量J0は、例えば、一ヶ月や一年間といった所定期間の日射量を平均した値を設定することができる。また、平均風速U0は、例えば、一ヶ月や一年間といった所定期間の風速を平均した値を設定することができる。また、高日射量J1は、予め設定された平均日射量J0よりも所定量だけ高い値に設定される。また、強風速U1は、予め設定された平均風速U0よりも所定量だけ高い値に設定される。
【0041】
制御装置20は、予測された地域発電電力が大きいと判断した場合には、地域発電電力に余裕がある可能性が高いと判断して、SOC閾値を通常SOC閾値よりも低く設定する。これにより、車両10の駆動中に内部充電が実施されにくくなるため、車載燃料の消費が抑制される。また、バッテリ2のSOCが低い状態で維持されるため、運転者に外部充電の実施が促される。
【0042】
また、制御装置20は、予測された地域発電電力が予め設定された第二所定値を下回る場合には、SOC閾値を通常SOC閾値(例えば、50%)よりも高い値(例えば、80%)に設定する。ここで、第二所定値とは、予測された地域発電電力がその地域に供給されるべき発電電力よりも小さいか否かを判断するための所定値である。第二所定値は、例えば、日射量Jが平均日射量J0よりも低い低日射量J2であり、且つ、風速Uが平均風速U0よりも低い弱風速U1である場合に予測される地域発電電力の値を基準として設定される。なお、本実施形態の第二所定値は、地域A〜Dに拠らない固定値としてあらかじめ制御装置20に記憶されているものとするが、地域発電電力のスケールが各地域A〜Dで異なる場合には、地域毎に値が設定されていてもよい。
【0043】
上記の低日射量J2は、例えば、太陽光発電設備41による発電が困難な日射量の最大値に設定される。また、弱風速U2は、例えば、風力発電設備42の風車がほとんど回ることができない風速の最大値に設定される。
【0044】
制御装置20は、予測された地域発電電力が小さいと判断した場合には、地域発電電力が不足している可能性が高いと判断して、SOC閾値を通常SOC閾値よりも高い値に設定する。これにより、バッテリ2のSOCが高い状態で維持されるため、車両10が存在する地域での外部充電の実施が抑制される。
【0045】
図3に、日射量J及び風速Uに基づいて地域発電電力を予測するための予測マップを示す。図3の予測マップでは、日射量Jや風速Uが高いほど地域発電電力が大きいと予測されるように規定されている。また、図3の予測マップでは、日射量Jが高日射量J1である、又は、風速Uが強風速U1であるときの地域発電電力を第一所定値として規定し、日射量Jが低日射量J2であり、且つ、風速Uが弱風速U1であるときの地域発電電力を第二所定値として規定している。
【0046】
本実施形態の制御装置20は、図3に示すマップを記憶し、図3の予測マップを参照して検出された日射量J及び風速Uに基づいて地域発電電力を予測する。また、制御装置20は、図3の予測マップを参照し、予測された地域発電電力が第一所定値を上回るか否か、第二所定値を下回るか否かを判定する。制御装置20は、日射量Jが高日射量J1を上回る、又は、風速Uが強風速U1を上回る場合には、予測された地域発電電力が第一所定値を上回ると判定する。また、日射量Jが低日射量J2を下回り、且つ、風速Uが弱風速U2を下回る場合には、予測された地域発電電力が第二所定値を下回ると判定する。
【0047】
充電状態制御は、上述の閾値設定制御で設定されたSOC閾値に基づいて発電装置3,5を作動又は停止させる制御である。制御装置20は、バッテリ2のSOCを推定し、推定したSOCと設定されたSOC閾値とを比較して、推定したSOCが設定されたSOC閾値を下回る場合には、発電装置3,5を作動させて内部充電を実施する。また、内部充電の実施中に推定したSOCが設定されたSOC閾値を上回った場合には、発電装置3,5を停止させて内部充電を終了する。本実施形態では、バッテリ2の最大充電容量に対する電力残量の割合を百分率で表したものをSOCとして推定する。
【0048】
充放電設備表示制御は、予測された地域発電電力が大きい又は小さいと判断された場合に、外部充電や外部放電を運転者に促すように表示装置9に表示させる制御である。制御装置20は、SOC閾値が通常SOC閾値よりも低い値に設定されている場合に、車両10の現在位置が含まれる地域の地域発電電力によりバッテリ2を充電可能な候補外部充電設備を強調表示させる。また、制御装置20は、SOC閾値が通常SOC閾値よりも高い値に設定されている場合に、車両10の現在位置が含まれる地域内に存在する候補外部放電設備を強調表示させる。
【0049】
[1−3.制御構成]
図2に示すように、制御装置20には、上述の制御を実施するための要素として、電力予測部21,設定部22,制御部23,充電設備情報記憶部24,充電設備表示部25,放電設備情報記憶部26,放電設備表示部27が設けられる。これらの各要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
【0050】
電力予測部21は、日照センサ13で検出された日射量J,風速センサ14で検出された風速Uを取得し、取得した値から地域発電電力を予測するとともに、予測した情報を設定部22に伝達するものである。
(【0051】以降は省略されています)

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