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公開番号2020145879
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200910
出願番号2019041802
出願日20190307
発明の名称スイッチギヤ用電力仮供給箱及び電力の仮供給方法
出願人中国電力株式会社
代理人個人
主分類H02B 1/52 20060101AFI20200814BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】点検や修繕工事等に伴ってスイッチギヤを停電する必要が生じた場合に、スイッチギヤに接続された顧客用地中線に移動用変圧器等の移動ケーブルを安全に短時間で接続することが可能なスイッチギヤ用電力仮供給箱とそれを用いた電力の仮供給方法を提供する。
【解決手段】スイッチギヤ用電力仮供給箱1は、筐体2と仮扉3に加え、後面から筐体2の内部に差し込まれた移動ケーブル10が後端に接続される接続ケーブル6と、この接続ケーブル6の先端に外挿される碍子7と、一端が顧客用地中線63のケーブルヘッドに接続されるとともに他端に接続ケーブル6の先端が接続された長尺部材8を備えており、接続ケーブル6と碍子7は保持具9a,9bによって保持された状態で筐体2に固定されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1の開口部を有する扉が取り付けられているスイッチギヤの内部に先端部を突出させるようにして設置された顧客用地中線に対し、三相交流電源に接続された3本の移動ケーブルを接続することにより顧客に電力を仮供給する際に用いられるスイッチギヤ用電力仮供給箱であって、
前面が開口するとともに3本の前記移動ケーブルがそれぞれ挿通される3つの貫通孔が後面に設けられた筐体と、
この筐体の内部に設置されて3本の前記移動ケーブルが後端にそれぞれ接続される3本の接続ケーブルと、
導電性を有するとともに前記顧客用地中線の前記先端部に設けられたケーブルヘッドと3本の前記接続ケーブルに対して、両端がそれぞれ接続可能に形成された3本の長尺部材と、を備えていることを特徴とするスイッチギヤ用電力仮供給箱。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
扉が取り付けられているスイッチギヤの内部に先端部を突出させるようにして設置された顧客用地中線に対し、三相交流電源に接続された3本の移動ケーブルを接続することにより顧客に電力を仮供給する際に用いられるスイッチギヤ用電力仮供給箱であって、
前面が開口するとともに3本の前記移動ケーブルがそれぞれ挿通される3つの貫通孔が後面に設けられた筐体と、
この筐体の内部に設置されて3本の前記移動ケーブルが後端にそれぞれ接続される3本の接続ケーブルと、
導電性を有するとともに前記顧客用地中線の前記先端部に設けられたケーブルヘッドと3本の前記接続ケーブルに対して、両端がそれぞれ接続可能に形成された3本の長尺部材と、
前記筐体の前記前面に設置された仮扉と、を備え、
前記仮扉は、前記筐体の前面開口部に連通可能な第2の開口部を有するとともに、前記扉の代わりに前記スイッチギヤに対して取り付け可能に形成されていることを特徴とするスイッチギヤ用電力仮供給箱。
【請求項3】
3本の前記接続ケーブルの先端にそれぞれ設置される3つの碍子を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスイッチギヤ用電力仮供給箱。
【請求項4】
3本の前記長尺部材は、金属製の平編組線が複数枚重ね合わされるようにして形成された可撓性を有する導体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスイッチギヤ用電力仮供給箱。
【請求項5】
3本の前記長尺部材は、導電性を有しネジ穴が設けられた板材からなる端子部が前記導体の両端にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4に記載のスイッチギヤ用電力仮供給箱。
【請求項6】
請求項1に記載されたスイッチギヤ用電力仮供給箱を用いて顧客に電力を仮供給する方法であって、
前記スイッチギヤの前記筐体の前記扉に設けられた前記第1の開口部から前記スイッチギヤの内部に3本前記長尺部材を差し込んでその一端を前記顧客用地中線の前記ケーブルヘッドに接続することを特徴とする電力の仮供給方法。
【請求項7】
請求項2に記載されたスイッチギヤ用電力仮供給箱を用いて顧客に電力を仮供給する方法であって、
前記スイッチギヤの前記筐体の前記扉を取り外して前記第2の開口部を有する前記仮扉を前記スイッチギヤに取り付けるとともに、前記仮扉の前記第2の開口部から前記スイッチギヤの内部に3本の前記長尺部材を差し込んでその一端を前記顧客用地中線の前記ケーブルヘッドに接続することを特徴とする電力の仮供給方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチギヤに移動ケーブルを介して移動用変圧器や移動発電機車などから電力を仮供給する仮供給箱とそれを用いた電力の仮供給方法に係り、特に、既設のスイッチギヤに対して移動ケーブルを接続することが可能なスイッチギヤ用仮供給箱及び電力の仮供給方法に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
発電所において発電された電力は、いくつかの変電所で降圧された後、各需要地に送られるが、変電所や需要地には、スイッチギヤと呼ばれる配電設備が設置されている。スイッチギヤは、電力の開閉や制御などの機能を有する閉鎖型の配電盤であり、接地された金属製の筐体の内部に、遮断器や断路器などが単位回路区分ごとに仕切られた状態で収納された構造となっている。
【0003】
ここで、スイッチギヤの構造について図6を用いて説明する。なお、図6(a)は、変電所に設置されている一般的なスイッチギヤの構造を示した図であり、図6(b)は顧客用地中線の接続部分の外観を示した図である。
図6(a)に示すように、スイッチギヤ52は、略直方体をなし、前後に扉が取り付けられた筐体の内部に4つの隔室53a〜53dが設けられた構造となっている。そして、4つの隔室53a〜53dを横断するように母線54が設置されている。
また、隔室53aには、配電線50の電力の降圧を行う主変圧器51の二次側と母線54の間に介設される遮断器55と、母線54に接続される避雷器56が収納されており、隔室53bには、計器用変成器57が収納されている。
【0004】
隔室53cには、電源側断路器58a及び負荷側断路器60aと、それらの間に設置された遮断器59aが収納されており、隔室53dには、電源側断路器58b及び負荷側断路器60bと、それらの間に設置された遮断器59bが収納されている。また、電源側断路器58aは3相電力ケーブル61aを介して母線54に接続されており、負荷側断路器60aは架空線62に接続されている。そして、電源側断路器58bは3相電力ケーブル61bを介して母線54に接続されており、負荷側断路器60bは顧客用地中線63に接続されている。
【0005】
図6(b)に示すように、隔室53dには、筐体の底板66に3つの碍子64が立設されており、スイッチギヤ52の筐体の底板66に設けられたケーブル挿通孔(図示せず)を通して隔室53dの内部に先端部が差し込まれた顧客用地中線63は、底板66から略垂直に立ち上がるような状態で3相に対応する3本の線が3つの碍子64によってそれぞれ支持されている。また、顧客用地中線63の先端部に設けられたケーブルヘッド63aは、銅帯65を介して負荷側断路器60bに接続されている。
【0006】
図6(a)に示したスイッチギヤ52において、主変圧器51が故障した場合、移動用変圧器を配電線50と遮断器55の間に設置することにより、配電線50の電力が移動変圧器で降圧されてスイッチギヤ52に供給される。そのため、スイッチギヤ52は移動用変圧器のケーブルを接続できる構造となっている。
【0007】
移動用変圧器のケーブルをスイッチギヤに接続することに関し、例えば、特許文献1には、「ケーブル接続装置」という名称の発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、スイッチギヤ内の回路の接続端子に移動機器に繋がるケーブルを接続するための接続端子を有するとともに、スイッチギヤの引出式遮断器の代わりに、その引出式遮断器の収容位置に配置可能な構造となっている。
このような構造によれば、スイッチギヤから引出式遮断器を引き出して、その代わりにケーブル接続装置を収容するだけで、移動機器がスイッチギヤ内の回路に接続されるため、移動機器のケーブルをスイッチギヤに接続する作業を短時間に行うことができる。
【0008】
また、特許文献2には、「スイッチギヤ」という名称で、外線ケーブルのケーブル室内への引き込みが容易な金属閉鎖型の筐体を備えたスイッチギヤに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、ケーブル室を囲む床板に設けられた床面開口部と、ケーブル室を囲む背面側の側壁に設けられた背面開口部がフレームを介さずに一体化された断面L字状の開口部が筐体に設けられるとともに、この開口部を覆うように断面L字状のL字型カバーが取り付けられた構造となっている。
このような構造によれば、L字型カバーを取り外すだけで、外線ケーブルをケーブル室に容易に引き込むことができる。また、ケーブル室内の端子と外線ケーブルを接続した後は、カバーを取り付けるだけで据付作業が完成するため、外線ケーブルの接続作業に要する時間の短縮化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2016−123178号公報
特開2016−220486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の従来技術である特許文献1に開示された発明は、引出式遮断器を備えているスイッチギヤ以外には適用できないという課題があった。また、スイッチギヤによって引出式遮断器のサイズが異なる場合には、スイッチギヤごとにケーブル接続装置を作らなければならず、汎用性に乏しいという課題もあった。
なお、スイッチギヤに顧客に対する専用線が接続されている場合、スイッチギヤ本体を長期間にわたって停電することは困難であるため、スイッチギヤ本体を迂回して顧客に電力を供給するための線路を確保しなければならない。そして、顧客に対する専用線が地中線である場合には移動用変圧器等の移動ケーブルを接続することは容易でない。特許文献1に開示された発明は、この点について全く考慮されていない。したがって、特許文献1に開示された発明においては、スイッチギヤの点検や修繕工事に伴って、スイッチギヤ本体を迂回して顧客用地中線に移動用変圧器等のケーブルを接続する必要が生じた場合には、適用できないという課題があった。
【0011】
特許文献2に開示された発明は、スイッチギヤの筐体に特殊な形状の開口部を設けることを特徴とするものであるため、既設のスイッチギヤに適用する場合には、筐体を改造しなければならず、移動機器のケーブルを接続する作業を短時間で行うことができないばかりか、その作業コストが高くなってしまうという課題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、点検や修繕工事等に伴ってスイッチギヤを停電する必要が生じた場合に、スイッチギヤに接続された顧客用地中線に移動用変圧器等の移動ケーブルを安全に短時間で接続することが可能なスイッチギヤ用電力仮供給箱とそれを用いた電力の仮供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、第1の発明は、第1の開口部を有する扉が取り付けられているスイッチギヤの内部に先端部を突出させるようにして設置された顧客用地中線に対し、三相交流電源に接続された3本の移動ケーブルを接続することにより顧客に電力を仮供給する際に用いられるスイッチギヤ用電力仮供給箱であって、前面が開口するとともに3本の移動ケーブルがそれぞれ挿通される3つの貫通孔が後面に設けられた筐体と、この筐体の内部に設置されて3本の移動ケーブルが後端にそれぞれ接続される3本の接続ケーブルと、導電性を有するとともに顧客用地中線の先端部に設けられたケーブルヘッドと3本の接続ケーブルに対して、両端がそれぞれ接続可能に形成された3本の長尺部材と、を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構造のスイッチギヤ用電力仮供給箱においては、移動機器に接続された3本の移動ケーブルを3本の接続ケーブルにそれぞれ接続するとともに、3本の長尺部材の両端を顧客用地中線のケーブルヘッドと3本の接続ケーブルに対してそれぞれ接続すると、移動機器と顧客用地中線が電気的に接続されるという作用を有する。
また、筐体は、顧客用地中線に電力を供給する際に、作業者や小動物等が移動ケーブルや接続ケーブルあるいは長尺部材に接触して感電することを防ぐという作用を有する。
【0015】
第2の発明は、扉が取り付けられているスイッチギヤの内部に先端部を突出させるようにして設置された顧客用地中線に対し、三相交流電源に接続された3本の移動ケーブルを接続することにより顧客に電力を仮供給する際に用いられるスイッチギヤ用電力仮供給箱であって、前面が開口するとともに3本の移動ケーブルがそれぞれ挿通される3つの貫通孔が後面に設けられた筐体と、この筐体の内部に設置されて3本の移動ケーブルが後端にそれぞれ接続される3本の接続ケーブルと、導電性を有するとともに顧客用地中線の先端部に設けられたケーブルヘッドと3本の接続ケーブルに対して、両端がそれぞれ接続可能に形成された3本の長尺部材と、筐体の前面に設置された仮扉と、を備え、仮扉は、筐体の前面開口部に連通可能な第2の開口部を有するとともに、上記扉の代わりにスイッチギヤに対して取り付け可能に形成されていることを特徴とするものである。
このような構造のスイッチギヤ用電力仮供給箱においては、スイッチギヤの筐体の扉に第1の開口部が設けられていない場合について、第1の発明と同様の作用が発揮される。
【0016】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、3本の接続ケーブルの先端にそれぞれ設置される3つの碍子を備えていることを特徴とするものである。
このような構造のスイッチギヤ用電力仮供給箱においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加え、3つの碍子によって、長尺部材が接続された接続ケーブルの先端付近に作業者や小動物等が接触して感電することが防止されるという作用を有する。
【0017】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかにおいて、3本の長尺部材は、金属製の平編組線が複数枚重ね合わされるようにして形成された可撓性を有する導体からなることを特徴とするものである。
このような構造のスイッチギヤ用電力仮供給箱においては、長尺部材が可撓性を有することから、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加え、長尺部材の両端を顧客用地中線のケーブルヘッドと接続ケーブルの先端にそれぞれ固定する作業が容易になるという作用を有する。
【0018】
第5の発明は、第4の発明において、3本の長尺部材は、導電性を有しネジ穴が設けられた板材からなる端子部が導体の両端にそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
このような構造のスイッチギヤ用電力仮供給箱においては、長尺部材の両端を顧客用地中線のケーブルヘッドと接続ケーブルの先端にそれぞれ固定する作業が容易になるという第4の発明の作用がより一層発揮される。
【0019】
第6の発明は、第1の発明に係るスイッチギヤ用電力仮供給箱を用いて顧客に電力を仮供給する方法であって、スイッチギヤの筐体の扉に設けられた第1の開口部からスイッチギヤの内部に3本の長尺部材を差し込んでその一端を顧客用地中線のケーブルヘッドに接続することを特徴とするものである。
第6の発明においては、スイッチギヤの筐体の扉に第1の開口部が設けられている場合に発揮される第1の発明の作用が同様に発揮される。
【0020】
第7の発明は、第2の発明に係るスイッチギヤ用電力仮供給箱を用いて顧客に電力を仮供給する方法であって、スイッチギヤの筐体の扉を取り外して第2の開口部を有する仮扉をスイッチギヤに取り付けるとともに、仮扉の第2の開口部からスイッチギヤの内部に3本の長尺部材を差し込んでその一端を顧客用地中線のケーブルヘッドに接続することを特徴とするものである。
第7の発明においては、スイッチギヤの筐体の扉に第1の開口部が設けられていない場合に発揮される第2の発明の作用が同様に発揮される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、第1の発明では、筐体の扉に第1の開口部が設けられているスイッチギヤを点検や修繕工事等のために停電する必要が生じた場合であっても、スイッチギヤに接続された顧客用地中線と移動用変圧器等の移動ケーブルの接続作業が容易であり、しかも顧客用地中線と移動ケーブルの接続箇所に作業者や小動物等が接触して感電してしまうおそれがない。したがって、第1の発明によれば、顧客用地中線に移動機器等の移動ケーブルを接続して顧客に電力を仮供給する作業を短時間で安全に行うことができる。
【0022】
第2の発明によれば、スイッチギヤの筐体の扉に第1の開口部が設けられていなくとも、その扉を仮扉に付け替えることで第1の発明と同様の効果が発揮される。この場合、既設の扉に第1の開口部に相当する開口部を新たにを設ける加工を施す必要がないため、移動機器等の移動ケーブルを顧客用地中線に接続する作業を短時間で安価に行うことができる。
【0023】
第3の発明によれば、第1の発明又は第2の発明の効果に加えて、特に、顧客用地中線に移動機器等の移動ケーブルを接続して顧客に電力を仮供給する作業を安全に行うことができるという第1の発明の効果がより一層発揮される。
【0024】
第4の発明によれば、長尺部材の取り付け作業が容易になるため、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、顧客用地中線と接続ケーブルを長尺部材を介して電気的に接続する作業を短時間に効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0025】
第5の発明によれば、長尺部材の取り付け作業が第4の発明よりもさらに容易になるため、顧客用地中線と接続ケーブルを長尺部材を介して電気的に接続する作業を短時間に効率よく行うことができるというという第4の発明の効果がより一層発揮される。
【0026】
第6の発明によれば、スイッチギヤの筐体の扉に第1の開口部が設けられている場合に発揮される第1の発明の効果が同様に発揮される。
【0027】
第7の発明によれば、スイッチギヤの筐体の扉に第1の開口部が設けられていない場合に発揮される第2の発明の効果が同様に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施の形態に係るスイッチギヤ用電力仮供給箱の外観の一例を示した斜視図である。
(a)は図1に示した仮扉の正面図であり、(b)は図1におけるA方向矢視図である。
図1におけるB方向矢視図である。
(a)は図1におけるC方向矢視図であり、(b)は同図(a)に示した導体の外観図である。
本発明の実施の形態に係る電力の仮供給方法の手順を示したフローチャートである。
(a)は変電所に設置されている一般的なスイッチギヤの構造を示した図であり、(b)は顧客用地中線の接続部分の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係るスイッチギヤ用電力仮供給箱の具体的な構造について図1乃至図4を用いて説明するとともに、本発明に係る電力の仮供給方法について図5を用いて説明する。ただし、図6を用いて既に説明した構成要素については、同一の符号を付すことにより、それらの説明を省略する。
【実施例】
【0030】
図1は本発明の実施の形態に係るスイッチギヤ用電力仮供給箱の外観の一例を示した斜視図である。図2(a)は図1に示した仮扉の正面図であり、図2(b)は図1におけるA方向矢視図である。また、図3は図1におけるB方向矢視図であり、図4(a)は図1におけるC方向矢視図である。そして、図4(b)は図4(a)に示した導体の外観図である。なお、図1及び図2(a)では仮扉をスイッチギヤに取り付ける際に使用される蝶番の図示を省略し、図2(b)では仮扉の図示を省略している。また、図3及び図4(a)ではスイッチギヤを破線で示すとともに、接続ケーブルを固定するためのブラケットの図示を省略している。
【0031】
本発明のスイッチギヤ用電力仮供給箱1は、スイッチギヤ52の内部にその先端部を突出させるようにして顧客用地中線63が設置されている場合に、移動機器等の三相交流電源に接続された3本の移動ケーブルを顧客用地中線63の先端部に設けられたケーブルヘッドに接続する際に用いられるものである。そして、スイッチギヤ用電力仮供給箱1は、図1に示すように、略直方体をなし、上面2cと側面2d,2d及び後面2bに平板状の蓋12が着脱可能に取り付けられた筐体2と、ドアノブ3aを有し、前述のスイッチギヤ52の筐体の扉の代わりにスイッチギヤ52の筐体に対して取り付け可能に形成された仮扉3を備えている。また、筐体2の後面2bの蓋12には、上記移動ケーブルを挿通可能に貫通孔4aが3か所に設けられている。
【0032】
図2(a)に示すように、仮扉3はドアノブ3aの下方に矩形状の開口部3bが設けられている。また、図2(b)に示すように筐体2は、仮扉3の開口部3bと同一形状の開口部4bが前面2aに設けられており、その内部には、後述する接続ケーブルを固定するための2つのブラケット5a,5bが幅方向(前後方向に直交する方向)へ水平に設置されている。なお、仮扉3は、開口部3bが開口部4bと連通するように筐体2の前面2aに対して着脱可能に取り付けられている。
【0033】
図3及び図4(a)に示すように、スイッチギヤ用電力仮供給箱1は、筐体2と仮扉3に加え、3つの貫通孔4aを通して筐体2の内部に差し込まれた3本の移動ケーブル10が後端にそれぞれ接続される3本の接続ケーブル6と、この3本の接続ケーブル6の先端にそれぞれ外挿される3つの碍子7と、両端が顧客用地中線63のケーブルヘッド63a(図6(b)参照)と3本の接続ケーブル6の先端に対してそれぞれ接続可能に形成された3本の長尺部材8を備えている。
また、3本の接続ケーブル6と3つの碍子7は、保持具9a,9bによってそれぞれ保持されている。また、保持具9aは図示しないブラケットを介して筐体2に固定されており、保持具9bはブラケット5a,5bを介して筐体2に固定されている。
【0034】
このような構造のスイッチギヤ用電力仮供給箱1において、移動機器に接続された3本の移動ケーブル10を3本の接続ケーブル6にそれぞれ接続するとともに、3本の長尺部材8の両端を顧客用地中線63のケーブルヘッド63aと3本の接続ケーブル6に対してそれぞれ接続すると、移動機器と顧客用地中線63が電気的に接続される。このとき、筐体2は、顧客用地中線63への電力供給中に、作業者や小動物等が移動ケーブル10や接続ケーブル6あるいは長尺部材8に接触して感電することを防ぐという作用を有する。特に、長尺部材8が接続された接続ケーブル6の先端付近については、3つの碍子7によって、作業者や小動物等が接触して感電することが防止される。
【0035】
すなわち、筐体の扉に開口部が設けられていないスイッチギヤ52を点検や修繕工事等のために停電する場合でも、スイッチギヤ用電力仮供給箱1を用いることで、スイッチギヤ52に接続された顧客用地中線63と移動用変圧器等の移動ケーブル10の接続作業が容易になる。また、その際に顧客用地中線63と移動ケーブル10の接続箇所に作業者や小動物等が接触して感電してしまうおそれがない。さらに、スイッチギヤ52の筐体の扉に開口部を設ける加工を施す必要がない。
したがって、スイッチギヤ用電力仮供給箱1によれば、顧客用地中線63に移動機器等の移動ケーブル10を接続して顧客に電力を仮供給する作業を安価に短時間で安全に行うことが可能である。
【0036】
図4(b)に示すように、3本の長尺部材8は、金属製の平編組線が数枚重ね合わされるようにして形成された導体8aの両端に、導電性を有しネジ穴11が設けられた板材からなる端子部8b,8bがそれぞれ設けられた構造となっている。
このような構造によれば、長尺部材8が導電性に加えて可撓性を有することから、長尺部材8の両端を顧客用地中線63のケーブルヘッド63aとケーブル10の先端にそれぞれ固定する作業が容易になる。したがって、顧客用地中線63と接続ケーブル10を長尺部材8を介して電気的に接続する作業を短時間に効率よく行うことができる。
なお、長尺部材8は上記構造に限定されるものではない。例えば、長尺部材8は薄肉の銅帯によって形成されたものであっても良い。この場合も、長尺部材8は導電性と可撓性を有するため、上述の作用及び効果が同様に発揮される。
【0037】
ここで、スイッチギヤ用電力仮供給箱1を用いた電力の仮供給方法について図5を用いて具体的に説明する。なお、図5は本発明に係る電力の仮供給方法の手順の一例を示したフローチャートである。
スイッチギヤ52の点検や修繕工事等を行う場合、図5に示すように、まず、スイッチギヤ52に対する電力の供給を停止する(ステップS1)。次に、スイッチギヤ52の筐体の扉を開けて、負荷側断路器60bと顧客用地中線63のケーブルヘッド63aを接続している銅帯65を取り外す(ステップS2)。
【0038】
上記扉をスイッチギヤ52の筐体から取り外した後、その扉が取り付けられていた箇所に仮扉3を取り付けるようにして、スイッチギヤ用電力仮供給箱1を設置する(ステップS3及びステップS4)。
そして、後面2bに設けられた3つの貫通孔4aを通して、スイッチギヤ52への電力の供給が停止されている状態の移動機器に接続された3本の移動ケーブル10を筐体2の内部にそれぞれ挿入した後、3本の接続ケーブル6の後端に3本の移動ケーブル10をそれぞれ接続する(ステップS5)。
【0039】
さらに、3本の長尺部材8の両端を顧客用地中線63のケーブルヘッド63aと3本の接続ケーブル6の先端に接続する(ステップS6)。これにより、移動機器と顧客用地中線63が導通した状態になる。そこで、移動機器を稼働させて顧客用地中線63に電力を供給する(ステップS7)。
このようにスイッチギヤ用電力仮供給箱1を用いることによれば、スイッチギヤ52の筐体の扉に開口部が設けられていない場合でも、スイッチギヤ52を停電した状態で顧客用地中線63に移動機器等の移動ケーブル10を接続して顧客に電力を仮供給する作業を短時間で安全に行うことができる。
【0040】
なお、スイッチギヤ52の筐体に開口部が設けられている場合には、筐体2から仮扉3を取り外した状態のスイッチギヤ用電力仮供給箱1を使用すれば良いため、ステップS3の工程は不要となる。この場合もスイッチギヤ用電力仮供給箱1を用いた電力の仮供給方法によって発揮される上述の作用及び効果は同様に発揮される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のスイッチギヤ用電力仮供給箱及びそれを用いた顧客への電力の仮供給方法は、顧客に電力を供給する専用線が地中線の場合だけでなく、架空線の場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…スイッチギヤ用電力仮供給箱 2…筐体 2a…前面 2b…後面 2c…上面 2d…側面 3…仮扉 3a…ドアノブ 3b…開口部 4a…貫通孔 4b…開口部 5a,5b…ブラケット 6…接続ケーブル 7…碍子 8…長尺部材 8a…導体 8b…端子部 9a,9b…保持具 10…移動ケーブル 11…ネジ穴 12…蓋 50…配電線 51…主変圧器 52…スイッチギヤ 53a〜53d…隔室 54…母線 55…遮断器 56…避雷器 57…計器用変成器 58a,58b…電源側断路器 59a,59b…遮断器 60a,60b…負荷側断路器 61a,61b…3相電力ケーブル 62…架空線 63…顧客用地中線 63a…ケーブルヘッド 64…碍子 65…銅帯 66…底板

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開閉器操作リングカバー
中国電力株式会社
作業用アース取付ケーブル
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