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公開番号2020145878
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200910
出願番号2019041801
出願日20190307
発明の名称外装部材及びワイヤハーネス
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人個人,個人
主分類H02G 3/04 20060101AFI20200814BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】放熱性を向上できる外装部材及びワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】保護管40は、電線20を収容する収容部41を有する。保護管40は、収容部41の内周面に形成され、収容部41の内周面から収容部41の内側に向かって突出して形成された突出部55と、突出部55の表面を被覆し、突出部55の表面よりも高い輻射率を有する輻射膜70とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電線を収容する収容部を有する外装部材であって、
前記収容部の内周面に形成され、前記収容部の内周面から前記収容部の内側に向かって突出して形成された第1突出部と、
前記第1突出部の表面を被覆し、前記第1突出部の表面よりも高い輻射率を有する輻射膜と、を有する外装部材。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記外装部材の外周面に形成され、前記外装部材の外周面から外側に向かって突出して形成された第2突出部を更に有し、
前記第2突出部は、前記外装部材の外周面のうち、前記収容部を間にして熱源とは反対側に位置する外周面のみに形成されている請求項1に記載の外装部材。
【請求項3】
前記外装部材は、
前記電線を収容する溝部を有するケースと、
前記ケースに取り付けられ、前記溝部を覆うカバーと、を有し、
前記収容部は、前記溝部と前記カバーとによって構成されており、
前記第1突出部は、前記収容部の内周面のうち、前記ケースの底壁と前記カバーの前記底壁に対向する対向壁との間に設けられた内側面のみに形成されている請求項1又は請求項2に記載の外装部材。
【請求項4】
前記ケースの底壁及び前記カバーの対向壁のいずれか一方には、前記ケースの底壁及び前記カバーの対向壁のいずれか他方に向かって前記電線を押圧する押圧部が形成されている請求項3に記載の外装部材。
【請求項5】
前記輻射膜は、前記溝部の内周面全面を被覆するように形成されている請求項3又は請求項4に記載の外装部材。
【請求項6】
前記輻射膜は、前記収容部の内周面のうち前記内側面のみを被覆するように形成されている請求項3又は請求項4に記載の外装部材。
【請求項7】
前記電線と、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の外装部材と、
を有するワイヤハーネス。
【請求項8】
前記電線は、芯線と、前記芯線の外周を被覆する絶縁被覆とを有し、
前記絶縁被覆の外周面には、前記絶縁被覆の外周面よりも高い輻射率を有する輻射膜が形成されている請求項7に記載のワイヤハーネス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、外装部材及びワイヤハーネスに関するものである。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド車や電気自動車等の車両に用いられるワイヤハーネスは、高電圧のバッテリとインバータなどの電気機器間を電気的に接続する電線を備えている(例えば、特許文献1,2参照)。このワイヤハーネスにおいては、電線の保護やノイズ対策を目的として、複数の電線が金属製パイプや樹脂製パイプなどの外装部材によって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005−44607号公報
特開2018−37260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、外装部材内に挿通される電線に流れる電流は大電流化する傾向にあり、電線から発生する熱量も大きくなっている。このため、外装部材及び電線を備えたワイヤハーネスにおける放熱性の向上が望まれている。
【0005】
そこで、放熱性を向上できる外装部材及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する外装部材によれば、電線を収容する収容部を有する外装部材であって、前記収容部の内周面に形成され、前記収容部の内周面から前記収容部の内側に向かって突出して形成された第1突出部と、前記第1突出部の表面を被覆し、前記第1突出部の表面よりも高い輻射率を有する輻射膜と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の外装部材及びワイヤハーネスによれば、放熱性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
一実施形態のワイヤハーネスを示す概略構成図。
一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図。
一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図。
一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の外装部材及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器(機器)を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両Vの床下等を通るように配索される。インバータ11は、車両走行の動力源となる車輪駆動用のモータ(図示略)と接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、数百ボルトの電圧を供給可能なバッテリである。
【0011】
ワイヤハーネス10は、1本又は複数本(ここでは、2本)の電線20と、電線20の両端部に取り付けられた一対のコネクタC1と、複数の電線20を一括して包囲する外装部材30とを有している。
【0012】
各電線20の一端部はコネクタC1を介してインバータ11と接続され、各電線20の他端部はコネクタC1を介して高圧バッテリ12と接続されている。各電線20は、例えば、車両の前後方向に延びるように長尺状に形成されている。各電線20は、例えば、高電圧・大電流に対応可能な高圧電線である。各電線20は、例えば、自身に電磁シールド構造を有しないノンシールド電線である。
【0013】
図2に示すように、各電線20は、導体よりなる芯線21と、芯線21の外周を被覆する絶縁被覆22とを有する被覆電線である。以下の説明では、電線20の延在する方向を長手方向Lと称し、長手方向Lに直交する方向のうち複数の電線20が並ぶ方向を幅方向Wと称し、長手方向L及び幅方向Wの双方と直交する方向を高さ方向Tと称する。
【0014】
芯線21としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚り線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体や内部が中空構造をなす筒状導体などを用いることができる。また、芯線21としては、撚り線、柱状導体や筒状導体を組み合わせて用いてもよい。柱状導体としては、例えば、単芯線やバスバなどを挙げることができる。芯線21の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。芯線21は、例えば、押出成形によって形成されている。
【0015】
芯線21の長手方向Lと直交する平面によって芯線21を切断した断面形状は、任意の形状にすることができる。すなわち、芯線21の横断面形状は、任意の形状にすることができる。芯線21の横断面形状は、例えば、円形状、半円状、多角形状、正方形状や扁平形状に形成されている。本明細書において、「扁平形状」には、例えば、長方形、長円形や楕円形などが含まれる。なお、本明細書における「長方形」は、長辺と短辺を有するものであり、正方形を除いたものである。また、本明細書における「長方形」には、稜部を面取りした形状や、稜部を丸めた形状も含まれる。本実施形態の芯線21の横断面形状は、円形状に形成されている。
【0016】
絶縁被覆22は、例えば、芯線21の外周面を全周にわたって密着状態で被覆している。絶縁被覆22は、例えば、合成樹脂などの絶縁材料によって構成されている。絶縁被覆22は、例えば、芯線21に対する押出成形(押出被覆)によって形成することができる。
【0017】
図1に示した外装部材30は、例えば、長手方向Lに対して長い長尺の筒状をなしている。外装部材30の内部空間には、複数の電線20が挿通されている。外装部材30は、例えば、複数の電線20の外周を全周にわたって包囲するように形成されている。外装部材30は、例えば、飛翔物や水滴から電線20を保護する。外装部材30としては、例えば、金属製又は樹脂製のパイプや、樹脂製のプロテクタ、樹脂等からなり可撓性を有するコルゲートチューブやゴム製の防水カバー又はこれらを組み合わせて用いることができる。金属製のパイプの材料としては、銅系、鉄系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。樹脂製のプロテクタやコルゲートチューブの材料としては、例えば、導電性を有する樹脂材料や導電性を有さない樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。
【0018】
図2及び図3に示すように、外装部材30は、金属製の保護管40を有している。保護管40は、例えば、複数本(ここでは、2本)の電線20が1本ずつ個別に収容される複数(ここでは、2つ)の筒状の収容部41を有している。本実施形態の収容部41は、四角筒状に形成されている。
【0019】
保護管40は、溝状をなす複数(ここでは、2つ)の溝部51を有するケース50と、そのケース50に取り付けられ、各溝部51を覆うカバー60とを有している。カバー60が各溝部51を覆うようにケース50に取り付けられることによって保護管40が構成されている。また、各溝部51とその溝部51を覆うカバー60とによって各収容部41が構成されている。本実施形態の保護管40では、ケース50とカバー60とが別部品に形成されている。ケース50及びカバー60はそれぞれ、例えば、押出成形によって形成されている。このようなケース50及びカバー60は、例えば、長手方向Lの全長にわたって横断面形状が一定の形状に形成されている。
【0020】
ケース50及びカバー60の材料としては、例えば、鉄系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。ケース50の材料とカバー60の材料とは、互いに同一の材料であってもよいし、互いに異なる材料であってもよい。保護管40は、複数の電線20を飛翔物等から保護する保護機能の他に、複数の電線20を電磁波から保護する電磁シールド機能や、各電線20等に発生した熱を放散する放熱機能を有している。
【0021】
次に、ケース50の構造について説明する。
ケース50は、長手方向Lに沿って延在する底壁52と、底壁52の幅方向Wの両端から高さ方向Tに向かって突出する一対の側壁53と、底壁52の幅方向Wの中央部から高さ方向Tに向かって突出する仕切壁54とを有している。ケース50の横断面形状は、例えば、E字状に形成されている。底壁52は、例えば、長手方向Lに対して長い長尺の平板状に形成されている。各側壁53及び仕切壁54は、例えば、長手方向Lに対して長い長尺の平板状に形成されている。各側壁53及び仕切壁54は、例えば、底壁52の長手方向Lの全長にわたって延在している。各側壁53及び仕切壁54は、例えば、底壁52の上面に立設されている。例えば、各側壁53及び仕切壁54は、底壁52の上面から垂直に立ち上がるように形成されている。例えば、各側壁53の高さ方向Tの寸法と仕切壁54の高さ方向Tの寸法とは、略同じ寸法に設定されている。なお、仕切壁54の高さ方向Tの寸法を、側壁53の高さ方向Tの寸法よりも小さい寸法に設定するようにしてもよい。
【0022】
ケース50では、底壁52と、1つの側壁53と、仕切壁54とによって各溝部51が構成されている。具体的には、底壁52の上面と、互いに幅方向Wに向かい合う側壁53の側面及び仕切壁54の側面とによって囲まれた空間が溝部51となる。各溝部51は、例えば、長手方向Lに沿って延在して形成されており、図中上方に開放された形態に形成されている。2つの溝部51は、幅方向Wに沿って並んで配置されており、仕切壁54によって互いに仕切られている。換言すると、2つの溝部51が1つの仕切壁54を共有している。各溝部51には、電線20が1本ずつ個別に収容されている。溝部51の幅方向Wの寸法及び高さ方向Tの寸法は、例えば、横断面円形をなす電線20の外径よりも大きい寸法に設定されている。
【0023】
なお、以下の説明では、各溝部51を構成する底壁52の上面を収容部41の底面41Aと称し、各溝部51を構成する側壁53の側面を収容部41の内側面41Bと称し、各溝部51を構成する仕切壁54の側面を収容部41の内側面41Cと称する。
【0024】
収容部41の底面41A及び内側面41B,41Cのうち各内側面41B,41Cには、収容部41の内側に向かって突出する複数(ここでは、5つ)の突出部55が形成されている。各突出部55は、各内側面41B,41Cと連続して一体に形成されている。複数の突出部55は、例えば、高さ方向Tに沿って並んで設けられている。複数の突出部55は、例えば、高さ方向Tにおいて所定の間隔を空けて設けられている。各突出部55は、例えば、幅方向Wに沿って突出するように形成されている。例えば、内側面41Bに形成された突出部55と内側面41Cに形成された突出部55とは互いに対向している。各突出部55は、例えば、長手方向Lに沿って延びるように形成されている。各突出部55は、例えば、底壁52の長手方向Lの全長にわたって延在している。各突出部55の横断面形状は、任意の形状にすることができる。各突出部55の横断面形状は、例えば、半円状、多角形状、扁平形状に形成することができる。本実施形態の各突出部55の横断面形状は、矩形状に形成されている。
【0025】
収容部41の内側面41B,41Cは、突出部55の形成によって凹凸形状に形成されている。一方、収容部41の底面41Aには、突出部55が形成されていない。このため、収容部41の底面41Aは、平坦面に形成されている。
【0026】
図2に示すように、保護管40の外周面のうち底壁52の下面には、外側(ここでは、下方)に向かって突出する複数の突出部56が形成されている。複数の突出部56は、例えば、幅方向Wに沿って並んで設けられている。複数の突出部56は、例えば、幅方向Wにおいて所定の間隔を空けて設けられている。各突出部56は、底壁52の下面から収容部41から離間する方向に向かって突出するように形成されている。各突出部56は、例えば、高さ方向Tに沿って突出するように形成されている。本実施形態では、保護管40の外周面のうち熱源80から最も離れた外周面、ここでは底壁52の下面に突出部56が形成されている。換言すると、保護管40では、収容部41を間にして熱源80とは反対側に位置する外周面である底壁52の下面に突出部56が形成されている。各突出部56は、例えば、熱源80から遠ざかる方向に向かって突出するように形成されている。図示の例では、突出部56は、地面G1に向かって突出するように形成されている。
【0027】
ここで、熱源80としては、例えば、車両の排気マニホールドなどが挙げられる。また、熱源80としては、例えば、熱を反射する金属材料からなる車両のボディなどを挙げることもできる。
【0028】
本実施形態のケース50は、底壁52と、一対の側壁53と、仕切壁54と、突出部55と、突出部56とが一体に形成された単一部品である。
溝部51の内周面、つまり収容部41の底面41A及び内側面41B,41Cには、それら底面41A及び内側面41B,41Cよりも高い輻射率を有する輻射膜70が形成されている。輻射膜70は、内側面41B,41Cに形成された突出部55の表面全面を密着状態で被覆している。輻射膜70は、例えば、収容部41の底面41A全面及び内側面41B,41C全面を密着状態で被覆している。輻射膜70は、例えば、均一に薄く形成されている。輻射膜70の厚みは、例えば、10〜30μm程度とすることができる。輻射膜70は、例えば、収容部41の底面41A及び内側面41B,41Cよりも輻射率の高い黒色又は黒の近似色に形成されている。輻射膜70の輻射率は、例えば、0.7以上に設定することができる。
【0029】
ここで、ケース50を構成する金属(例えば、アルミニウム)は、一般に熱伝導率の点では優れるものの、輻射率(放射率ともいう)の点では優れない場合が多い。例えば、アルミニウムの輻射率は0.1以下である。そこで、溝部51の内周面に、その内周面よりも高い輻射率を有する輻射膜70を形成するようにした。これにより、輻射膜70を形成しない場合と比べて、輻射による熱伝導を大きくすることができる。
【0030】
このとき、ウィーンの変位則によると、物体から熱放射によって放出される光の波長のピークは、物体の温度に反比例するとされている。また、輻射率は、材料が同じでも物体の温度(光の波長)に応じて異なる値を取る材料があることが知られている。本実施形態では、ワイヤハーネス10が車両V(図1参照)に搭載されることから、輻射膜70としては、車両の使用環境で生じる高温度帯におけるピーク波長に対して高い輻射率を有することが好ましい。
【0031】
輻射膜70としては、例えば、溝部51の内周面に、その溝部51の内周面よりも高い高輻射率を有する塗料を塗布する塗装処理によって形成された塗膜を用いることができる。また、輻射膜70としては、例えば、溝部51の内周面にめっき処理が施されることによって形成されためっき膜を用いることもできる。
【0032】
本実施形態では、ケース50の外周面には輻射膜70が形成されていない。すなわち、本実施形態のケース50では、溝部51の内周面(具体的には、溝部51の内周面に形成された輻射膜70)とケース50の外周面とで輻射率が異なる。
【0033】
本実施形態のワイヤハーネス10では、各電線20の外周面に、輻射膜70と同様の輻射膜71が形成されている。輻射膜71は、各電線20の絶縁被覆22の外周面を覆うように形成されている。輻射膜71は、例えば、絶縁被覆22の外周面を密着状態で被覆している。輻射膜71は、絶縁被覆22の外周面を周方向全周にわたって密着状態で被覆している。輻射膜71は、例えば、絶縁被覆22の外周面を長手方向の略全長にわたって密着状態で被覆している。輻射膜71の輻射率は、絶縁被覆22の外周面の輻射率よりも高く設定されている。輻射膜71は、例えば、絶縁被覆22の外周面よりも輻射率の高い黒色又は黒の近似色に形成されている。輻射膜71の輻射率は、例えば、0.7以上に設定することができる。
【0034】
次に、カバー60の構造について説明する。
カバー60は、長手方向Lに沿って延在するとともにケースの底壁52に対向する対向壁61と、対向壁61の幅方向Wの両端から突出する一対の側壁63と、一対の側壁63の間において対向壁61の下面から高さ方向Tに向かって突出する複数の押圧部64とを有している。カバー60の横断面形状は、例えば、櫛形状に形成されている。本実施形態のカバー60は、対向壁61と一対の側壁63と押圧部64とが一体に形成された単一部品である。
【0035】
対向壁61は、例えば、長手方向Lに対して長い長尺の平板状に形成されている。対向壁61は、例えば、複数の溝部51の上方側の開口部を一括して閉塞するように形成されている。図2に示すように、対向壁61によって各溝部51の上方側の開口部が閉塞されると、各溝部51と対向壁61とによって収容部41が構成される。このため、対向壁61の下面は、収容部41の内周面の一部を構成している。
【0036】
各側壁63は、例えば、長手方向Lに対して長い長尺の平板状に形成されている。各側壁63は、例えば、対向壁61の長手方向Lの全長にわたって延在している。各側壁63は、例えば、対向壁61の下面に立設されている。例えば、各側壁63は、対向壁61の下面から垂直に立ち上がるように形成されている。各側壁63の高さ方向Tの寸法は、例えば、ケース50の側壁53の高さ方向Tの寸法よりも小さく設定されている。
【0037】
各押圧部64は、ケース50の各溝部51に対応して設けられている。すなわち、各押圧部64は、各側壁53と仕切壁54との間に設けられている。各押圧部64は、対向壁61の下面からケース50の底壁52に向かって突出するように形成されている。各押圧部64は、例えば、対向壁61の下面に立設されている。例えば、各押圧部64は、対向壁61の下面から垂直に立ち上がるように形成されている。各押圧部64の高さ方向Tの寸法は、例えば、各側壁63の高さ方向Tの寸法よりも小さく設定されている。各押圧部64は、例えば、長手方向Lに対して長い長尺の柱状に形成されている。各押圧部64は、例えば、対向壁61の長手方向Lの全長にわたって延在している。各押圧部64の横断面形状は、任意の形状にすることができる。各押圧部64の横断面形状は、例えば、半円状、多角形状、扁平形状に形成することができる。本実施形態の各押圧部64の横断面形状は、矩形状に形成されている。すなわち、本実施形態の各押圧部64は、四角柱状に形成されている。
【0038】
本実施形態では、対向壁61の下面には、突出部55が形成されていない。また、対向壁61の下面及び押圧部64の表面には、輻射膜70が形成されていない。このため、収容部41の内周面において、溝部51の内周面(具体的には、溝部51の内周面に形成された輻射膜70)と対向壁61の下面とで輻射率が異なっている。これにより、輻射による熱伝導に指向性を付与することができる。
【0039】
保護管40では、カバー60がケース50に取り付けられると、2つの溝部51の上方側の開口部がカバー60の対向壁61によって一括して閉塞される。これにより、溝部51と対向壁61とによって収容部41が構成され、その収容部41によって各電線20の外周全周が包囲される。このとき、各押圧部64は、各収容部41に収容された電線20を底壁52に向かって押圧する。各押圧部64に押圧された電線20は、収容部41の底面41Aに接触している。具体的には、電線20の外周を被覆する輻射膜71が、収容部41の底面41Aを被覆する輻射膜70に接触している。また、カバー60がケース50に取り付けられた状態では、ケース50の側壁53の上面と仕切壁54の上面とが対向壁61の下面に接触している。カバー60がケース50に取り付けられた状態では、カバー60の各側壁63が、ケース50の側壁53を幅方向Wの外側から覆っている。このとき、各側壁63は、例えば、ケース50の側壁53の外側面に接触している。
【0040】
カバー60をケース50に固定する手段としては、例えば、挟持部材などでケース50とカバー60とを上下に挟む手段、結束部材などをケース50とカバー60の外周に巻きつける手段、ケース50とカバー60とを溶接などにより一体化する手段などが挙げられる。
【0041】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)保護管40は、収容部41の内周面に形成され、収容部41の内周面から収容部41の内側に向かって突出して形成された突出部55と、突出部55の表面を被覆し、突出部55の表面よりも高い輻射率を有する輻射膜70とを有する。
【0042】
この構成によれば、収容部41の内周面の輻射率が低い場合であっても、その収容部41の内周面の一部である突出部55の表面が高い輻射率を有する輻射膜70によって被覆される。このため、輻射膜70を形成しない場合に比べて、輻射による熱伝導を大きくすることができる。また、収容部41の内周面に突出部55を形成したことにより、収容部41の内周面の表面積を増大させることができる。さらに、その突出部55の表面が輻射膜70によって被覆される。これにより、輻射による熱伝導をより大きくすることができる。したがって、収容部41の内周面と電線20の外周面とが物理的に離れていても、電線20の外周面から輻射によって収容部41、つまり保護管40に効率的に熱伝達させることができ、ワイヤハーネス10における放熱性を向上させることができる。この結果、電線20の温度上昇を低く抑えることができるため、電線20の芯線21のサイズを小さくしたり、絶縁被覆22の厚みを薄くしたりすることができる。
【0043】
(2)保護管40の外周面のうち、収容部41を間にして熱源80とは反対側に位置する外周面(ここでは、底壁52の下面)のみに、その外周面から外側に向かって突出する突出部56を形成するようにした。この構成によれば、保護管40の外周面の全体に突出部56が形成されるのではなく、保護管40の外周面の一部に局所的に突出部56が形成される。このため、突出部56の形成された部分の保護管40の外周面は、他の部分の外周面よりも表面積が大きくなる。したがって、電線20等から伝達された熱を、突出部56から大気中に効率良く放熱することができる。このように、保護管40の外周面の一部に局所的に突出部56を設けたことにより、輻射による熱伝導に指向性を付与することができる。ここで、突出部56が熱源80とは反対側に設けられているため、電線20等から伝達された熱を熱源80とは離れた大気中に効率良く放熱することができる。例えば、熱源80が車両のボディである場合には、保護管40の外周面からの輻射熱がボディの金属表面で反射され、ボディと保護管40との間で熱が籠もるという問題が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態の保護管40では、熱源80であるボディとは反対側の大気中に熱を効率良く放熱することができるため、保護管40と熱源80との間で熱が籠もることを好適に抑制することができる。
【0044】
(3)保護管40は、溝部51を有するケース50と、ケース50に取り付けられ、溝部51を覆うカバー60とによって構成されている。また、ケース50の溝部51とカバー60とによって収容部41が構成されている。突出部55を、収容部41の内周面のうち、ケース50の底壁52とカバー60の対向壁61との間に設けられた内側面41B,41Cのみに形成した。この構成によれば、収容部41の底面41Aを構成する底壁52の上面を平坦面に形成することができる。これにより、例えばカバー60によって電線20を押圧する場合に、その電線20を底壁52の上面に好適に接触させることができる。この場合には、電線20で発生した熱を保護管40に効率良く熱伝導させることができ、ワイヤハーネス10における放熱性をより向上させることができる。
【0045】
(4)カバー60の対向壁61の下面に、ケース50の底壁52に向かって電線20を押圧する押圧部64を形成した。この構成によれば、収容部41に収容された電線20が押圧部64によって、底壁52に向かって押圧される。これにより、電線20の外周面を底壁52の上面、つまり収容部41の底面41Aに接触させることができ、電線20の外周面と収容部41の内周面との密着度合いを高めることができる。したがって、電線20で発生した熱を保護管40に効率良く熱伝導させることができ、ワイヤハーネス10における放熱性をより向上させることができる。
【0046】
(5)また、ケース50とカバー60とを別体で構成したため、各電線20が各押圧部64により押圧されるように各押圧部64とケース50の底壁52との間に電線20を配索する作業が容易となる。さらに、カバー60の対向壁61に押圧部64を形成したため、各溝部51に各電線20が収容されたケース50に対してカバー60を取り付ければ、各押圧部64によって各電線20がケース50の底壁52に向けて押圧されるようになる。これにより、ケース50にカバー60を取り付ける作業と、各押圧部64により各電線20を押圧する作業とを同時に行うことができる。
【0047】
(6)溝部51の内周面全面を被覆するように輻射膜70を形成した。この構成によれば、溝部51の内周面に部分的に輻射膜70を形成する場合に比べて、輻射膜70を塗装処理やめっき処理などによって容易に形成することができる。
【0048】
(7)電線20の絶縁被覆22の外周面に、その絶縁被覆22の外周面よりも高い輻射率を有する輻射膜71を形成した。この構成によれば、絶縁被覆22の外周面の輻射率が低い場合であっても、その絶縁被覆22の外周面が高い輻射率を有する輻射膜71によって被覆される。このため、輻射膜71を形成しない場合に比べて、輻射による熱伝導を大きくすることができる。したがって、収容部41の内周面と電線20の外周面とが物理的に離れていても、電線20の外周面から輻射によって収容部41、つまり保護管40に効率的に熱伝達させることができ、ワイヤハーネス10における放熱性を向上させることができる。
【0049】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0050】
・上記実施形態では、各溝部51の内周面全面を被覆するように輻射膜70を形成したが、輻射膜70の形成領域は特に限定されない。すなわち、輻射膜70は、突出部55の表面全面を被覆するように形成されていれば、その形成領域は特に限定されない。
(【0051】以降は省略されています)

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