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公開番号2020141536
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200903
出願番号2019037485
出願日20190301
発明の名称ステータ
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類H02K 3/34 20060101AFI20200807BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】効率的に、コイル、絶縁紙、ステータコアのより強固な固定を実現する。
【解決手段】実施形態に係るステータは、周方向に複数のスロット13を有する円環状のステータコア10と、スロット13の内表面の周方向、径方向、軸方向ともに設けられた凹凸部15、16と、ステータコア10のスロット13内に挿入されるコイル14と、スロット13内においてステータコア10とコイル14の間に配置され、基材21の両面に凹凸部15、16を埋めるように充填される発泡接着層22を有する絶縁紙20とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
周方向に複数のスロットを有する円環状のステータコアと、
前記スロットの内表面の周方向、径方向、軸方向ともに設けられた凹凸部と、
ステータコアのスロット内に挿入されるコイルと、
前記スロット内において前記ステータコアと前記コイルとの間に配置され、基材の両面に前記凹凸部を埋めるように充填される発泡接着層を有する絶縁紙と、
を備える、
ステータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機のステータに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
周方向に複数のスロットが形成された円環状のステータコアと、複数の導体セグメントがスロット内に挿入され連結されることでステータコアに巻回されるセグメントコイルとを備える回転電機のステータが知られている。ステータコアとコイルとの間の電気的絶縁性の確保のため、ステータコアとコイルとの間には絶縁紙が配置される。
【0003】
特許文献1には、絶縁紙として、基材とその両面に形成された発泡接着剤とからなるものが開示されている。特許文献1では、長期間にわたる熱履歴等によって発泡後の絶縁紙とステータコアとの間に間隙が発生するのを抑制するために、ワニスをスロットの内壁面と発泡接着層との間の隙間に浸み込ませ、スロットの内壁面における微細な凹凸を覆いながら隙間全体を埋めて、ワニスの固化によって固定している。
【0004】
また、特許文献2には、絶縁紙がスロット内に配置されてから絶縁紙内側にコイル導線が挿入されるときの接着層の剥がれを抑制し、コイルに対する絶縁紙の接着力を確保するために、接着材料層が、絶縁紙の一方表面上に出現していない状態で絶縁基材に担持される回転電機用の絶縁部材が提案されている。絶縁基材の一方表面は凹凸形状に形成されており、接着材料層は一方表面上の凸部の高さよりも薄く形成されていて凸部の先端が接着材料層から突出している。
【0005】
特許文献3には、ティースを有する形状の分割コアを積層したコア積層体と、コア積層体に一体成形させた絶縁用樹脂部と、絶縁用樹脂部に巻装されるコイルとを備えた分割固定子が複数個配置されたステータが開示されている。コア積層体は、ティース幅の異なる分割コアが交互に積層され、その側面の凸凹部に沿って絶縁用樹脂が成形されている。ティース側面を凹凸にすることで、絶縁用樹脂の密着度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018−107921号公報
特開2013−009499号公報
特開2007−166759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発泡接着剤は、長期間の熱履歴がかかる、経年劣化やステータの耐熱試験等での劣化が発生する。これにより、コイル、絶縁紙、ステータコアの固定力が低下するという問題がある。特許文献1では、熱履歴による絶縁紙とステータコアとの間の間隙の発生を抑制するために、別途ワニスを設ける必要があり、効率的にコイルを固定する技術が求められる。また、特許文献3では、分割コアが積層されている方向に凹凸が形成されているのみであり、さらなる固定力の確保が望まれている。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、効率的に、コイル、絶縁紙、ステータコアのより強固な固定を実現できるステータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るステータは、周方向に複数のスロットを有する円環状のステータコアと、前記スロットの内表面の周方向、径方向、軸方向ともに設けられた凹凸部と、ステータコアのスロット内に挿入されるコイルと、前記スロット内において前記ステータコアと前記コイルとの間に配置され、基材の両面に前記凹凸部を埋めるように充填される発泡接着層を有する絶縁紙とを備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、効率的に、コイル、絶縁紙、ステータコアのより強固な固定を実現できるステータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
実施の形態に係るステータのステータコアの構成を示す図である。
図1のステータコアの一部を拡大した図である。
図2のIII−III断面図である。
図1のステータコアの一部の変形例を示す図である。
図1のステータコアの一部の変形例を示す図である。
比較例のステータコアの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図における同等の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、回転電機のステータのステータコア10の構成を示す図である。ステータが用いられる回転電機は、例えば、ハイブリッド車両に搭載される回転電機である。回転電機は、図1に示すステータコア10を用いたステータと、ステータの内周側に所定の間隔を隔てて配置されるロータ(図示せず)とで構成される。
【0014】
ステータコア10は、ロータが配置される中心穴を有する円環状の磁性体部品である。ステータコア10は、ヨーク11、ティース12、スロット13を含む。図1において、径方向と周方向が示されている。なお、軸方向は、ステータコア10の中心穴の中心軸に沿った方向である。径方向は、軸方向に垂直な面内で中心軸を通る放射状の方向であり、周方向は、中心軸を中心として円周方向に沿った方向である。
【0015】
円環状のヨーク11の内周面の周方向の複数の位置からは、所定の間隔を空けて、径方向に突出する複数のティース12が形成されている。隣り合うティース12間の空間にスロット13が形成される。スロット13も、ステータコア10の径方向に向けて延びると共に、周方向に間隔を空けて形成されている。
【0016】
ステータコア10は、所定の形状に成形された円環状の磁性体薄板を所定枚数軸方向に積み重ねた積層体である。なお、ステータコア10としては、磁性体薄板の積層体に代えて、磁性粉末を一体化成形したものを用いてもよい。
【0017】
図2は、図1のステータコアの1つのスロット13を拡大した図である。スロット13は、ステータコア10の内周面に向けて開口している。なお、本実施形態ではスロット13の周方向の幅が、径方向にわたって一定に形成されている例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、スロット13の幅が、径方向外方側へいくに従って広がるように形成されてもよいし、逆に、径方向内側へいくに従って広がるように形成されてもよい。
【0018】
スロット13の内部には、コイル14が挿入される。ここでは、1つのスロット13に6本のコイル14が一列に並んで配置されている。コイル14は、複数の導体セグメントが連結されることで、ステータコア10に巻き回される。導体セグメントは、例えば、断面矩形の平角導体を略U字状に形成したものである。導体セグメントは、互いに平行な2本のリード部と、これらを連結する反リード部とを有する。
【0019】
リード部の先端を除く導体セグメントの表面は絶縁被覆されている。リード部の先端は、図1に示すステータコア10の軸方向一端面(図1の上端面)より突出する。また、反リード部は、ステータコア10の軸方向他端面(図1の下端面)側に位置する。
【0020】
導体セグメントは、複数個がステータコア10の径方向に並んだ状態で、周方向に離れた2つのスロット13に挿入される。導体セグメントのステータコア10の軸方向一端面より突出した部分は、ステータコア10の軸方向に対して傾斜するように曲げ加工される。導体セグメントのリード先端部を曲げ加工した後で、径方向に隣り合う導体セグメントのリード部の先端を互いに溶接して連結することにより、コイル14がステータコア10のティース12に巻き回される。
【0021】
スロット13の内表面とコイル14との間には、絶縁紙20が配置されている。絶縁紙20は、コイル14とステータコア10との電気的絶縁を図るためのシート状の絶縁部材である。また、絶縁紙20は、スロット13においてコイル14を固定する機能も有する。絶縁紙20は、スロット13の径方向に一列に並んだ6本のコイル14の周囲の4辺を囲むように配置される。図2に示す例では、絶縁紙20は、スロット13が開口している辺において、重複している。
【0022】
絶縁紙20は、基材21と、基材21の両面に形成された発泡接着層22を含む。一方側の発泡接着層22がコイル14に向かい合い、他方側の発泡接着層22がステータコア10のスロット13の内周面に向かい合う。基材21としては、耐熱性と絶縁性を有する樹脂材料をシート状に成形したものを用いることができる。樹脂材料としては、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エポキシ樹脂等が用いられる。
【0023】
発泡接着層22は、加熱によって膨張して硬化する熱硬化性樹脂からなり、それ自体が接着性を有する。発泡接着層22は、加熱による膨張で、例えば、厚さが初期状態の数倍に厚くなる。樹脂材料としては、エポキシ系の発泡樹脂材料を用いることができる。
【0024】
図2に示すように、スロット13の内表面の周方向には、周方向凹凸部15が形成されている。この例では、周方向凹凸部15は矩形状であり、周方向凹凸部15における凹部と凸部の幅は略等しい。また、スロット13の内周面の径方向には、径方向凹凸部16が形成されている。この例では、径方向凹凸部16は矩形状であり、径方向凹凸部16における凹部と凸部の幅は略等しく、周方向凹凸部15の凹部と凸部の幅よりも大きい。隣接するティース12の側面に形成される径方向凹凸部16は、面対称な形状を有している。
【0025】
図3は、図2のIII−III断面図である。図3に示すように、スロット13の内周面の軸方向には、軸方向凹凸部17が形成されている。上述の通り、ステータコア10は磁性体薄板の積層体であり、この磁性体薄板を交互にずらすことで軸方向凹凸部17が形成される。図3に示す例では、磁性体薄板を1枚ごとにずらしているが、複数枚ごとにずらしてもよい。
【0026】
なお、ステータコア10として、スロット13の内周面に軸方向凹凸部17が形成されるように一体的に成形したものを用いてもよい。このように、スロット13の内周面、すなわち、ティース12の側面には、周方向、径方向、軸方向ともに凹凸部が設けられている。
【0027】
周方向凹凸部15、径方向凹凸部16、軸方向凹凸部17が形成されたスロット13の内周面とコイル14との間に絶縁紙20を配置した後に、所定の温度条件の下で加熱することで、発泡接着層22が膨張し、周方向凹凸部15、径方向凹凸部16、軸方向凹凸部17を埋めるように、スロット13の内周面とコイル14との間に隙間なく充填される。発泡接着層22の硬化により、コイル14、絶縁紙20、ステータコア10が固定される。
【0028】
図6は、比較例のステータコアの構成を示す図である。図6に示すように、スロット13の内周面に凹凸部が形成されていない場合、スロット13と絶縁紙20の間に間隙が発生すると固定力が低下してしまう。これに対し、実施の形態では、スロット13の内周面の周方向、径方向、軸方向ともに凹凸部を設けることで、発泡接着層22とステータコア10との接触表面積を増加させることができる。これにより、コイル14、絶縁紙20、ステータコア10が固定をより強固にすることができる。
【0029】
また、長期間にわたる熱履歴がかかる経年劣化やステータの耐熱試験等で、コイル14及びステータコア10と絶縁紙20との間に空隙が発生した場合でも、周方向凹凸部15、径方向凹凸部16、軸方向凹凸部17に発泡接着層22が引っ掛かることで、コイル14が摺動するのを抑制することができる。
【0030】
ここで、周方向凹凸部15、径方向凹凸部16、軸方向凹凸部17の変形例について説明する。図4に示す例では、隣接するティース12の側面に形成される径方向凹凸部16は、凹部と凸部がそれぞれ対向するようにずれて形成されている。図5に示す例では、周方向凹凸部15は、所定の間隔を空けて形成された三角形状の凹部を含む。凹部の幅と、凹部間の間隔とは略等しくなっている。隣接するティース12の側面に形成される径方向凹凸部16は、面対称な形状を有している。
(【0031】以降は省略されています)

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