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公開番号2020115746
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2020081373
出願日20200501
発明の名称絶縁部材、回転電機のステータおよび回転電機
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 3/34 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転電機の製造時における異物の発生を抑制できる絶縁部材を提供する。
【解決手段】スロット絶縁紙40は、回転電機のステータコア10のスロット13に挿入され、ステータコア10とスロット13に配置されるステータコイル20とを絶縁する絶縁部材であって、第1主面50a及び第2主面50bを有するシート状の絶縁基材50と、絶縁基材50の第1主面50a及び第2主面50bの両方に設けられ、接着剤により形成された接着剤層60A,60Bと、を備える、接着剤層60A,60Bには、ステータコア10の軸方向に沿って延び、絶縁基材50が接着剤から露出する露出部61が設けられている。露出部61は、絶縁基材50に対して表裏対称に設けられている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
回転電機の鉄心のスロットに挿入され、前記鉄心と前記スロットに配置されるコイルとを絶縁する絶縁部材であって、
第1面及び第2面を有するシート状の絶縁基材と、
前記絶縁基材の前記第1面及び前記第2面の両方に設けられ、接着剤により形成された接着剤層と、
を備え、
前記接着剤層には、前記鉄心の軸方向に沿って延び、前記絶縁基材が前記接着剤から露出する露出部が設けられ、かつ、
前記露出部は、前記絶縁基材に対して表裏対称に設けられている、
ことを特徴とする絶縁部材。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
回転電機の鉄心のスロットに挿入され、前記鉄心と前記スロットに配置されるコイルとを絶縁する絶縁部材であって、
第1面及び第2面を有するシート状の絶縁基材と、
前記絶縁基材の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に設けられ、接着剤により形成された接着剤層と、
を備え、
前記接着剤層には、前記鉄心の軸方向に沿って延び、前記絶縁基材が前記接着剤から露出する露出部が設けられ、かつ、
前記露出部における前記絶縁基材の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方には、潤滑剤により形成された潤滑層が設けられている、
ことを特徴とする絶縁部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の絶縁部材と、
前記鉄心と、
を備えることを特徴とする回転電機のステータ。
【請求項4】
請求項3に記載の回転電機のステータを備えることを特徴とする回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁部材、回転電機のステータおよび回転電機に関するものである。
本願は、2017年1月16日に出願された特願2017−005106号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等の車両には、ステータおよびロータを備えた回転電機が搭載されている。ステータのステータコア(鉄心)には、ステータの径方向に延びるティースが設けられている。ステータの周方向に隣接するティース間には、コイルが挿通可能なスロットが形成されている。スロットとコイルとの間には、ステータコアとコイルとを絶縁する絶縁部材が挿入されている。ステータコアとコイルとを固定する方法として、例えばスロット内にワニスを流し込む方法がある。しかしながら、スロット内にワニスを流し込む方法では、スロットの一端から流し込んだワニスがスロットの他端から流れ出るので、流れ出たワニスを破棄することとなり、製造コストが嵩む場合がある。そこで、ステータコアとコイルとを固定する方法として、例えば特許文献1および特許文献2に記載されたように絶縁部材の両主面に加熱により発泡する発泡接着剤等の接着剤を配置する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011−244596号公報
特開2013−9499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、接着剤が両主面に配置された絶縁部材をスロットに挿入する場合、絶縁部材をスロットに挿入する際に、接着剤がスロットの端縁に接触して剥がれるおそれがある。したがって、従来技術にあっては、スロットに絶縁部材を挿入する際の異物の発生を抑制するという点で課題がある。
【0005】
本発明の態様は、回転電機の製造時における異物の発生を抑制できる絶縁部材、回転電機のステータおよび回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様における絶縁部材は、回転電機の鉄心のスロットに挿入され、前記鉄心と前記スロットに配置されるコイルとを絶縁する絶縁部材であって、第1面及び第2面を有するシート状の絶縁基材と、前記絶縁基材の前記第1面及び前記第2面の両方に設けられ、接着剤により形成された接着剤層と、を備え、前記接着剤層には、前記鉄心の軸方向に沿って延び、前記絶縁基材が前記接着剤から露出する露出部が設けられ、かつ、前記露出部は、前記絶縁基材に対して表裏対称に設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の態様によれば、接着剤層には、鉄心の軸方向に沿って延び、絶縁基材が接着剤から露出する露出部が設けられている。すなわち、絶縁部材を鉄心の軸方向に沿って移動させてスロットに挿入する際に、絶縁部材におけるスロットの端縁に接触しやすい箇所に露出部が設けられている。そのため、スロットの端縁に接着剤が接触して、接着剤が剥がれることを防止できる。したがって、回転電機の製造時における異物の発生を抑制できる。
さらに、絶縁部材が表裏対称に形成されるので、表裏を区別することなく絶縁部材を使用することができる。
【0008】
本発明の態様における絶縁部材は、回転電機の鉄心のスロットに挿入され、前記鉄心と前記スロットに配置されるコイルとを絶縁する絶縁部材であって、第1面及び第2面を有するシート状の絶縁基材と、前記絶縁基材の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に設けられ、接着剤により形成された接着剤層と、を備え、前記接着剤層には、前記鉄心の軸方向に沿って延び、前記絶縁基材が前記接着剤から露出する露出部が設けられ、かつ、前記露出部における前記絶縁基材の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方には、潤滑剤により形成された潤滑層が設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の態様によれば、接着剤層には、鉄心の軸方向に沿って延び、絶縁基材が接着剤から露出する露出部が設けられている。すなわち、絶縁部材を鉄心の軸方向に沿って移動させてスロットに挿入する際に、絶縁部材におけるスロットの端縁に接触しやすい箇所に露出部が設けられている。そのため、スロットの端縁に接着剤が接触して、接着剤が剥がれることを防止できる。したがって、回転電機の製造時における異物の発生を抑制できる。
さらに、絶縁部材を軸方向に沿って移動させてスロットに挿入する際に、スロットの端縁に接触しやすい箇所に潤滑層が設けられるので、絶縁部材をスロットにスムーズに挿入することができる。
【0010】
本発明の態様における回転電機のステータは、上記の絶縁部材と、前記鉄心と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の態様における回転電機は、上記の回転電機のステータを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の態様によれば、上述した絶縁紙を備えているので、製造時における異物の発生が抑制され、異物による組付け不良等の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の態様によれば、接着剤層には、鉄心の軸方向に沿って延び、絶縁基材が接着剤から露出する露出部が設けられているので、絶縁部材を鉄心の軸方向に沿って移動させてスロットに挿入する際に、絶縁部材におけるスロットの端縁に接触しやすい箇所に露出部を設けることで、スロットの端縁に接着剤が接触して、接着剤が剥がれることを防止できる。したがって、回転電機の製造時における異物の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
第1実施形態に係る回転電機の全体構成を示す概略構成図である。
第1実施形態に係るステータの斜視図である。
第1実施形態に係るステータの一部を示す断面図である。
第1実施形態に係るコイルセグメント群の斜視図である。
第1実施形態に係るステータの一部を示す断面図である。
第1実施形態に係るスロット絶縁紙を展開した状態を示す平面図である。
第1実施形態に係るスロット絶縁紙の作用を説明する図であって、スロット絶縁紙をスロットに挿入している状態を示すステータの斜視図である。
第1実施形態の変形例に係るステータの一部を示す断面図である。
第2実施形態に係るステータの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る回転電機の全体構成を示す概略構成図(断面図)である。図1に示すように、回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。但し、本発明の構成は、走行用モータに限らず、発電用モータやその他用途のモータ、または車両用以外の回転電機(発電機を含む)にも適用可能である。
【0017】
回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5と、図示しない冷媒供給システムと、を備えている。冷媒供給システムは、ステータ3やロータ4等に冷媒を供給する。冷媒の一例は、例えばAT(オートマチックトランスミッション)のトランスミッションにおいて潤滑および動力伝達等に用いられる作動油である。回転電機1は、ステータ3の一部が冷媒に浸かった状態で使用される。
【0018】
出力シャフト5は、ケース2に回転可能に支持されている。ロータ4は、出力シャフト5に外嵌された円筒状に形成されている。なお、以下の説明では、出力シャフト5の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交し軸線Cから放射状に延びる方向を径方向といい、軸線C周りの周方向を単に周方向という。
【0019】
図2は、第1実施形態に係るステータの斜視図である。図3は、第1実施形態に係るステータの一部を示す断面図である。なお、図3では、後述するスロット絶縁紙40を簡略化して図示している。
【0020】
図2および図3に示すように、ステータ3は、ステータコア(鉄心)10と、ステータコア10に装着された複数相(例えば、U相、V相、W相)のステータコイル(コイル)20と、ステータコア10とステータコイル20とを絶縁するスロット絶縁紙40(絶縁部材)と、を備えている。
【0021】
ステータコア10は、ロータ4(図1参照)を径方向の外側から囲む、軸線Cと同軸の円筒状に形成されている。図3に示すように、ステータコア10は、円筒状のバックヨーク11と、バックヨーク11の内周面から径方向内方に突出する複数のティース12と、を備えている。ステータコア10の周方向に隣接するティース12間には、溝状のスロット13が設けられている。すなわち、ステータコア10には、周方向に沿ってティース12およびスロット13が交互に配置されている。
【0022】
スロット13は、軸方向から見て径方向に沿って延びる矩形状に形成されている。一例において、スロット13は、径方向に沿った長軸を有する矩形状を有する。スロット13を囲うステータコア10の内面(スロット形成面)は、径方向内方を向くスロット底面(第1スロット面、第1スロット形成面)13aと、スロット底面13aにおける周方向の両端部から径方向内方に向かって平行に延びる一対のスロット側面(第2スロット面、第2スロット形成面)13bと、各スロット側面13bにおける径方向内方の端部から周方向に沿って延びる一対のスロット上面(第3スロット面、第3スロット形成面)13cと、を備えている。スロット側面13bにおける径方向外方の端部には、外側隅部(第1隅部)14aが形成されている。外側隅部14aは、スロット底面13aと各スロット側面13bとの間にそれぞれ形成されている。各外側隅部14aは、軸方向から見て略直角に形成されている。スロット側面13bにおける径方向内方の端部には、内側隅部(第2隅部)14bが形成されている。内側隅部14bは、各スロット側面13bとスロット上面13cとの間にそれぞれ形成されている。各内側隅部14bは、軸方向から見て鈍角に形成されている。
【0023】
図4は、第1実施形態に係るコイルセグメント群の斜視図である。図4に示すように、ステータコイル20は、断面矩形状の平角線により形成された複数の導体セグメント21を有する。ステータコイル20は、所定本数(本実施形態では4本)の導体セグメント21を径方向に並べてそれぞれ束とした、複数のコイルセグメント群22により構成されている。図2および図4に示すように、各導体セグメント21は、平行に延在する一対の脚部24と、両脚部24を連結する湾曲した連結部26と、を有するU字状に形成された状態でスロット13に挿入された後、スロット13から突出した部分に曲げ加工が行なわれる。各導体セグメント21は、ステータコア10の一端から軸方向の一方側に突出する一対の端部21aを有している。導体セグメント21のうち端部21aの先端を除く箇所は、絶縁被膜28によって絶縁されている。
【0024】
各導体セグメント21の一方の脚部24は、いずれかのスロット13の径方向内側の領域に挿入される。各導体セグメント21の他方の脚部24は、一方の脚部24が挿入されたスロット13から所定数のスロット離れた位置にあるスロット13の径方向外側の領域に挿入される。各導体セグメント21の一対の脚部24は、スロット13内において軸方向に延在している。各脚部24は、それぞれの外面における幅の広い一対の側面が径方向に向くように配置されている(図3参照)。各スロット13に挿入される導体セグメント21の脚部24は、周方向にU相、U相、V相、V相、W相、W相の順に並んでいる。
【0025】
図2に示すように、導体セグメント21の各端部21aは、スロット13内で径方向に隣接する導体セグメント21同士の曲げ方向が互いに逆方向となるように、かつ、同相の対応する導体セグメント21の端部21aに近接するように周方向に曲げられる。近接した端部21a同士は、TIG溶接やレーザ溶接等により接合される。また、接合された端部21aには、図示しない絶縁性の粉体塗料により粉体塗装が施されている。また、ステータコイル20における軸方向の他方側の端部には、複数のコイルセグメント群22(図4参照)における各導体セグメント21の連結部26が周方向に連続し、かつ、周方向で隣り合う連結部26同士が軸方向から見て部分的に重なるように配置されている。
【0026】
図3に示すように、スロット絶縁紙40は、スロット13に挿入されている。スロット絶縁紙40は、スロット13と、ステータコイル20と、の間に配置されている。一例において、スロット絶縁紙40は、1つのスロット13内に配される全ての導体セグメント21をまとめて囲うように配置されている。例えば、スロット絶縁紙40はステータコイル20を囲むように筒状を有する。スロット絶縁紙40は、スロット13の形状、およびスロット13内のステータコイル20の外形形状に倣って折り曲げることにより筒状になっている。
【0027】
スロット絶縁紙40は、スロット底面13aに対向する外周部41と、外周部41における周方向の端部に接続し、スロット側面13bに対向する一対の側部43と、各側部43における径方向内側の端部に接続し、スロット上面13cに対向する一対の内周部45と、を備えている。外周部41と側部43との間、および側部43と内周部45との間には、それぞれ軸方向に沿って延びる折り目47が形成されている。一対の内周部45は、径方向に重なり合うように配置されている。
【0028】
図2に示すように、スロット絶縁紙40は、軸方向においてスロット13の全長よりも長く形成されている。スロット絶縁紙40は、軸方向の端部がステータコア10の軸方向の両端面10aからそれぞれ張り出すように、スロット13に挿入されている。
【0029】
図5は、第1実施形態に係るステータの一部を示す断面図である。図6は、第1実施形態に係るスロット絶縁紙を展開した状態を示す平面図である。
【0030】
図5および図6に示すように、スロット絶縁紙40は、反対向きに配される第1主面(第1面)50a及び第2主面(第2面)50bを有する矩形シート状の絶縁基材50を備える。例えば、第1主面50aは、絶縁基材50のスロット13に対向するように配される。第2主面50bは、絶縁基材50のステータコイル20に対向するように配される。さらに、スロット絶縁紙40は、第1主面(第1面)50a上に設けられた第1接着剤層60Aと、第2主面(第2面)50b上に設けられた第2接着剤層60Bと、を備えている。一例において、絶縁基材50は、ポリフェニレンスルファイドやポリエチレンナフタレート等の、絶縁性を有するとともに耐久性に優れた樹脂材料により形成された樹脂フィルムである。なお、絶縁基材50は、例えばアラミド繊維等により形成された繊維層が上述した樹脂フィルムに積層された構成を有していてもよい。
【0031】
図5に示すように、接着剤層60A,60Bは、接着剤により形成されている。接着剤層60A,60Bを形成する接着剤としては、例えば、加熱により発泡して膨張するとともに粘着性を有する発泡接着剤を用いることができる。発泡接着剤は、例えばエポキシ系の樹脂材料からなる基材に、液体のイソペンタンを内包するアクリル系のカプセルを分散させたものである。これにより、発泡接着剤は、加熱されることでカプセル内部の液体のイソペンタンが気化して膨張し、基材を発泡させることができる。なお、以下の説明では、接着剤層60A,60Bを形成する接着剤として発泡接着剤を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0032】
第1接着剤層60Aの接着剤は、スロット13内で加熱されると、絶縁基材50とスロット13との間を埋めるように発泡する。第2接着剤層60Bの接着剤は、スロット13内で加熱されると、絶縁基材50とステータコイル20との間を埋めるように発泡する。これにより、各接着剤層60A,60Bを形成する接着剤は、ステータコイル20とステータコア10とを接着固定している。
【0033】
第1接着剤層60Aには、絶縁基材50が接着剤から露出する露出部(非接着剤領域)61が形成されている。すなわち、スロット絶縁紙40は、露出部61として、接着剤が配置(塗布)されていない領域(非接着剤領域)を備えている。一例において、露出部61は、軸方向に沿って、第1接着剤層60Aの全長に亘って延びている(図6参照)。あるいは、露出部61は、少なくとも軸方向に沿って連続的に伸びるとともに、絶縁基材50の軸長さに比べて小さい軸長さ、絶縁基材50の軸長さと実質的に同じ軸長さ、又は絶縁基材50の軸長さに比べて大きい軸長さを有する。露出部61は、スロット13の外側隅部(第1隅部)14aに対向する箇所、および内側隅部(第2隅部)14bに対向する箇所にそれぞれ形成されている。すなわち、露出部61は、折り目47に対応する箇所(ステータコイル20の角部に対応する箇所)に形成されている。これにより、絶縁基材50の第1主面50a上には、第1接着剤層60Aを形成する接着剤が、軸方向に直交する方向に間隔をあけて、ストライプ状に塗布されている。
【0034】
第2接着剤層60Bには、第1接着剤層60Aと同様に、絶縁基材50が接着剤から露出する露出部(非接着剤領域)61が形成されている。第1接着剤層60Aに形成された露出部61と第2接着剤層60Bに形成された露出部61とは、絶縁基材50に対して表裏対称に設けられている。これにより、スロット絶縁紙40は、展開した状態において表裏対称となっている。
【0035】
続いて、本実施形態のスロット絶縁紙40の作用について説明する。図7は、第1実施形態に係るスロット絶縁紙の作用を説明する図であって、スロット絶縁紙をスロットに挿入している状態を示すステータの斜視図である。
【0036】
スロット絶縁紙40をスロット13に挿入する工程では、スロット絶縁紙40を予めスロット13の形状に合わせて変形させた上で、スロット絶縁紙40を軸方向に沿って移動させてスロット13に挿入する。本実施形態では、スロット絶縁紙40を断面矩形状の筒状に折り曲げた状態で、スロット13における軸方向の一方の開口から挿入する。この際、スロット絶縁紙40とスロット13との接触面積を減らして挿入しやすくするために、図7に示すように、スロット絶縁紙40における外周部41および各側部43を軸方向から見て内側に窪ませた状態で挿入する。すると、スロット絶縁紙40は、折り目47に対応する角部において、スロット13の外側隅部14aおよび内側隅部14bに接触しやすくなる。
【0037】
本実施形態では、第1接着剤層60Aには、軸方向に沿って延び、絶縁基材50が接着剤から露出する露出部61が設けられている。このため、スロット絶縁紙40を軸方向に沿って移動させてスロット13に挿入する際に、スロット絶縁紙40におけるスロット13の端縁に接触しやすい箇所に露出部61を設けることで、スロット13の端縁に接着剤が接触して、接着剤が剥がれることを防止できる。特に、本実施形態では、露出部61がスロット13の外側隅部14aに対向する箇所、および内側隅部14bに対向する箇所にそれぞれ設けられているので、スロット絶縁紙40を軸方向に沿って移動させてスロット13に挿入する際に、外側隅部14aの端縁や内側隅部14bの端縁に接着剤が接触して、接着剤が剥がれることを防止できる。したがって、回転電機1の製造時における異物の発生を抑制できる。
【0038】
また、第1接着剤層60Aを形成する接着剤が粘着性や接着性を有する場合には、スロット絶縁紙40におけるスロット13の端縁に接触しやすい箇所に露出部61を設けることで、スロット絶縁紙40をスロット13に挿入する工程において、スロット絶縁紙40とスロット13とが接着することを抑制できる。したがって、スロット絶縁紙40のスロット13への挿入性が悪化することを抑制できる。
【0039】
また、露出部61は、絶縁基材50に対して表裏対称に設けられているので、スロット絶縁紙40が表裏対称に形成される。これにより、表裏を区別することなくスロット絶縁紙40を使用することができる。
【0040】
また、露出部61は、折り目47に対応する箇所に設けられているので、接着剤層60A,60Bを形成する接着剤が折り目47に設けられて絶縁基材50から剥離することを防止できる。したがって、回転電機1の製造時における異物の発生を抑制できる。
【0041】
そして、本実施形態の回転電機1およびステータ3は、上述したスロット絶縁紙40を備えているので、製造時における異物の発生が抑制され、異物による組付け不良等の発生を抑制できる。
【0042】
[第1実施形態の変形例]
図8は、第1実施形態の変形例に係るステータの一部を示す断面図である。第1実施形態では、露出部61において絶縁基材50がスロット絶縁紙40の外側に露出している。これに対して第1実施形態の変形例では、露出部61において絶縁基材50の第1主面50a上に潤滑層63が設けられている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
【0043】
図8に示すように、各露出部61における絶縁基材50の第1主面50a上には、潤滑剤により形成された潤滑層63が設けられている。潤滑剤としては、例えば絶縁基材50よりもステータコア10に対する摩擦抵抗の小さい樹脂材料を用いることができる。
【0044】
この構成によれば、スロット絶縁紙40を軸方向に沿って移動させてスロット13に挿入する際に、スロット13の端縁に接触しやすい箇所に潤滑層63が設けられるので、スロット絶縁紙40をスロット13にスムーズに挿入することができる。
【0045】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係るステータの一部を示す断面図である。第1実施形態では、スロット13のスロット底面13aが平面状に形成されている。これに対して第2実施形態では、スロット113のスロット底面113aが凹曲面状に形成されている点で、第1実施形態と異なっている。
【0046】
図9に示すように、スロット113は、軸方向から見て径方向に長く形成されている。スロット113は、径方向に沿った長軸を有する矩形状を有する。スロット113を囲うステータコア110の内面(スロット形成面)は、径方向内方を向くスロット底面(第1スロット面、第1スロット形成面)113aと、スロット底面113aにおける周方向の両端部から径方向内方に向かって延びる一対のスロット側面(第2スロット面、第2スロット形成面)113bと、を備えている。スロット底面113aは、軸方向から見て円弧状に形成されている。スロット底面113aは、一対のスロット側面113bを滑らかに接続している。スロット113には、例えば絶縁被膜を有する導線をバックヨーク111から突出するティース112に巻回することにより形成されるステータコイル120が配置される。
【0047】
スロット絶縁紙(絶縁部材)140は、スロット113に挿入されている。一例において、スロット絶縁紙140はステータコイル120を囲むように筒状を有する。スロット絶縁紙140は、スロット113の形状に倣って湾曲した筒状になっている。スロット絶縁紙140は、スロット底面113aに対向する外周部141と、外周部141における周方向の端部に接続し、スロット側面113bに対向する一対の側部143と、を備えている。外周部141と各側部143とは、滑らかに接続している。
【0048】
スロット絶縁紙140は、反対向きに配される第1主面(第1面)50a及び第2主面(第2面)50bを有する矩形シート状の絶縁基材50を備える。例えば、第1主面50aは、絶縁基材50のスロット113に対向するように配される。第2主面50bは、絶縁基材50のステータコイル120に対向するように配される。さらに、スロット絶縁紙140は、第1主面(第1面)50a上に設けられた第1接着剤層160Aと、第2主面(第2面)50b上に設けられた第2接着剤層160Bと、を備えている。各接着剤層160A,160Bは、第1実施形態の接着剤層60A,60Bと同様に、接着剤により形成されている。
【0049】
第1接着剤層160Aには、絶縁基材50が接着剤から露出する露出部(非接着剤領域)161が形成されている。露出部161は、軸方向に沿って、第1接着剤層160Aの全長に亘って延びている。あるいは、露出部161は、少なくとも軸方向に沿って連続的に伸びるとともに、絶縁基材50の軸長さに比べて小さい軸長さ、絶縁基材50の軸長さと実質的に同じ軸長さ、又は絶縁基材50の軸長さに比べて大きい軸長さを有する。露出部161は、スロット113のスロット底面113aに対向する箇所に形成されている。
【0050】
第2接着剤層160Bには、第1接着剤層160Aと同様に、絶縁基材50が接着剤から露出する露出部(非接着剤領域)161が形成されている。第1接着剤層160Aに形成された露出部161と第2接着剤層160Bに形成された露出部161とは、絶縁基材50に対して表裏対称に設けられている。これにより、スロット絶縁紙140は、展開した状態において表裏対称となっている。
(【0051】以降は省略されています)

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