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公開番号2020115744
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2020080364
出願日20200430
発明の名称電力変換装置の制御装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02M 7/48 20070101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】本発明は、複数の電力変換装置を備えるシステムに適用され、電力変換装置の出力電力の変動を抑制できる電力変換装置の制御装置を提供する。
【解決手段】DCDCコンバータとインバータとが母線を介して接続されている。DCDCコンバータの駆動に伴って母線の電圧に重畳する高調波成分である母線高調波成分の周波数と、インバータを構成するスイッチのスイッチングパターンに含まれる高調波成分であるスイッチ高調波成分の周波数とを所定値以上離間させるとの条件を離間条件とする。また、母線高調波成分の周波数とスイッチ高調波成分の周波数との差が所定値未満となる場合において各高調波成分の少なくとも一方の振幅を低減するとの条件を低減条件とする。制御装置は、離間条件及び低減条件の少なくとも一方の条件を満たすように、例えば、インバータを構成するスイッチのスイッチング周波数を変更する。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
スイッチ(Scp,Scn,Sup〜Swn)のオンオフ操作により入力電圧を所定電圧に変換して出力する電力変換装置(20,30;20,30a,30b)を複数備えるシステムであって、前記各電力変換装置が母線(Lp,Ln)を介して互いに電気的に接続されているシステムに適用され、前記各電力変換装置を構成する前記スイッチをオンオフ操作する電力変換装置の制御装置(50)において、
前記各電力変換装置のうち、一部の電力変換装置を構成する前記スイッチのオンオフ操作に伴って前記母線の電圧に重畳する高調波成分である母線高調波成分の周波数と、残りの電力変換装置を構成する前記スイッチのスイッチングパターンに含まれる高調波成分であるスイッチ高調波成分の周波数とを所定値以上離間させるとの離間条件、並びに前記母線高調波成分の周波数と前記スイッチ高調波成分の周波数との差が前記所定値未満となる場合において前記母線高調波成分及び前記スイッチ高調波成分の少なくとも一方の振幅を低減するとの低減条件のうち少なくとも一方の条件を満たすように、前記一部の電力変換装置及び前記残りの電力変換装置のうち少なくとも一方の電力変換装置を構成する前記スイッチのオンオフ操作に用いられるキャリア信号の周波数を変更する電力変換装置の制御装置。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
スイッチ(Scp,Scn,Sup〜Swn)のオンオフ操作により入力電圧を所定電圧に変換して出力する電力変換装置(20,30;20,30a,30b)を複数備えるシステムであって、前記各電力変換装置が母線(Lp,Ln)を介して互いに電気的に接続されているシステムに適用され、前記各電力変換装置を構成する前記スイッチをオンオフ操作する電力変換装置の制御装置(50)において、
前記各電力変換装置のうち、一部の電力変換装置を構成する前記スイッチのオンオフ操作に伴って前記母線の電圧に重畳する高調波成分である母線高調波成分の周波数と、残りの電力変換装置を構成する前記スイッチのスイッチングパターンに含まれる高調波成分であるスイッチ高調波成分の周波数とを所定値以上離間させるとの離間条件、並びに前記母線高調波成分の周波数と前記スイッチ高調波成分の周波数との差が前記所定値未満となる場合において前記母線高調波成分及び前記スイッチ高調波成分の少なくとも一方の振幅を低減するとの低減条件のうち少なくとも一方の条件を満たすように、前記一部の電力変換装置及び前記残りの電力変換装置のうち少なくとも一方の電力変換装置を構成する前記スイッチのスイッチング周波数を変更する電力変換装置の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電力変換装置を備えるシステムに適用される制御装置に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、第1回転電機に接続されている第1インバータと、第2回転電機に接続されている第2インバータとを備えるシステムに適用されるものが知られている。この制御装置は、第2回転電機の1電気角周期が第1回転電機の1電気角周期の6倍であって、かつ、第1回転電機が矩形波制御されていると判定した場合、第2インバータの制御に用いるキャリア周波数を低周波側に変更する。これにより、第1インバータの制御と第2インバータの制御との間の干渉を抑制し、インバータの出力電力の変動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5067325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、第2回転電機の1電気角周期が第1回転電機の1電気角周期の6倍になる場合に限らず、その他の場合にも、第1インバータの制御と第2インバータの制御との間の干渉が生じ、インバータの出力電力の変動が大きくなるといった問題が生じ得る。
【0005】
なお、インバータを2つ備えるシステムに限らず、スイッチのオンオフ操作により入力電圧を所定電圧に変換して出力する電力変換装置を複数備えるシステムであれば、上述した問題が同様に生じ得る。
【0006】
本発明は、複数の電力変換装置を備えるシステムに適用され、電力変換装置の出力電力の変動を抑制できる電力変換装置の制御装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0008】
第1の発明は、スイッチのオンオフ操作により入力電圧を所定電圧に変換して出力する電力変換装置を複数備えるシステムであって、前記各電力変換装置が母線を介して互いに電気的に接続されているシステムに適用され、前記各電力変換装置を構成する前記スイッチをオンオフ操作する電力変換装置の制御装置において、前記各電力変換装置のうち、一部の電力変換装置を構成する前記スイッチのオンオフ操作に伴って前記母線の電圧に重畳する高調波成分である母線高調波成分の周波数と、残りの電力変換装置を構成する前記スイッチのスイッチングパターンに含まれる高調波成分であるスイッチ高調波成分の周波数とを所定値以上離間させるとの離間条件、並びに前記母線高調波成分の周波数と前記スイッチ高調波成分の周波数との差が前記所定値未満となる場合において前記母線高調波成分及び前記スイッチ高調波成分の少なくとも一方の振幅を低減するとの低減条件のうち少なくとも一方の条件を満たすように、前記一部の電力変換装置及び前記残りの電力変換装置のうち少なくとも一方の電力変換装置を構成する前記スイッチのオンオフ操作に用いられるキャリア信号の周波数を変更する。
第2の発明は、スイッチのオンオフ操作により入力電圧を所定電圧に変換して出力する電力変換装置を複数備えるシステムであって、前記各電力変換装置が母線を介して互いに電気的に接続されているシステムに適用され、前記各電力変換装置を構成する前記スイッチをオンオフ操作する電力変換装置の制御装置において、
前記各電力変換装置のうち、一部の電力変換装置を構成する前記スイッチのオンオフ操作に伴って前記母線の電圧に重畳する高調波成分である母線高調波成分の周波数と、残りの電力変換装置を構成する前記スイッチのスイッチングパターンに含まれる高調波成分であるスイッチ高調波成分の周波数とを所定値以上離間させるとの離間条件、並びに前記母線高調波成分の周波数と前記スイッチ高調波成分の周波数との差が前記所定値未満となる場合において前記母線高調波成分及び前記スイッチ高調波成分の少なくとも一方の振幅を低減するとの低減条件のうち少なくとも一方の条件を満たすように、前記一部の電力変換装置及び前記残りの電力変換装置のうち少なくとも一方の電力変換装置を構成する前記スイッチのスイッチング周波数を変更する。
【0009】
上記発明が適用されるシステムでは、各電力変換装置が母線を介して互いに電気的に接続されている。このシステムにおいて、複数の電力変換装置のうち、一部の電力変換装置(以下「変動源装置」という。)を構成するスイッチが操作部によりオンオフ操作されると、母線の電圧に母線高調波成分が重畳する。この場合において、母線高調波成分の周波数と、複数の電力変換装置のうち、変動源装置以外の残りの電力変換装置(以下「被変動装置」という。)を構成するスイッチのスイッチングパターンに含まれるスイッチ高調波成分の周波数とが近接し得る。このとき、被変動装置の出力電圧に、母線高調波成分及びスイッチ高調波成分の周波数の差又はこの差に応じた値を変動周波数とする低周波成分が重畳する。その結果、被変動装置の出力電力が変動するといった問題が生じ得る。
【0010】
そこで上記発明では、離間条件及び低減条件のうち少なくとも一方の条件を満たすように、変動源装置及び被変動源装置のうち少なくとも一方の装置を構成するスイッチのオンオフ操作に用いられるキャリア信号の周波数又はスイッチのスイッチング周波数を変更する。離間条件は、母線高調波成分の周波数とスイッチ高調波成分の周波数とを所定値以上離間させるとの条件である。離間条件を満たすようにキャリア信号の周波数又はスイッチング周波数を変更することにより、母線高調波成分の周波数とスイッチ高調波成分の周波数とが近接することを回避できる。したがって、低周波成分の重畳を回避でき、被変動装置の出力電力の変動を抑制できる。
【0011】
一方、低減条件は、母線高調波成分の周波数とスイッチ高調波成分の周波数との差が所定値未満となる場合において、母線高調波成分及びスイッチ高調波成分のうち少なくとも一方の振幅を低減するとの条件である。周波数が互いに近接した高調波成分の振幅が小さいと、母線高調波成分及びスイッチ高調波成分の周波数の差又はこの差に応じた値を変動周波数とする低周波成分の振幅が小さくなる。その結果、被変動装置の出力電力に含まれる低周波成分が小さくなる。このため、低減条件を満たすようにキャリア信号の周波数又はスイッチング周波数を変更することにより、被変動装置の出力電力の変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。
モータ制御処理を示すブロック図。
母線電圧の変動がインバータ制御に及ぼす影響を示す図。
母線高調波成分のスペクトルとインバータのスイッチ高調波成分のスペクトルとを示す図。
インバータのキャリア周波数の変更態様を示す図。
第2実施形態に係るコンバータのキャリア周波数の変更態様を示す図。
第3実施形態に係るインバータのキャリア周波数の変更処理手順を示すフローチャート。
インバータ温度に応じたキャリア周波数の変更態様を示す図。
第4実施形態に係る変調方式の変更処理手順を示すフローチャート。
第5実施形態に係るDCDCコンバータの出力電圧の変更処理手順を示すフローチャート。
第6実施形態に係るモータ制御処理を示すブロック図。
パルスパターンの一例を示す図。
母線高調波成分のスペクトルとインバータのスイッチ高調波成分のスペクトルとを示す図。
パルスパターンの変更処理手順を示すフローチャート。
パルスパターンの変更態様を示す図。
母線高調波成分のスペクトルとインバータのスイッチ高調波成分のスペクトルとを示す図。
第7実施形態に係るパルスパターン変更処理手順を示すフローチャート。
第8実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。
第1インバータに起因した母線高調波成分のスペクトルと第2インバータのスイッチ高調波成分のスペクトルとを示す図。
キャリア周波数等の変更処理手順を示すフローチャート。
DCDCコンバータに起因した母線高調波成分を算出するためのモデルを示す図。
インバータに起因した母線高調波成分を算出するためのモデルを示す図。
第2インバータのキャリア周波数の変更態様を示す図。
第9実施形態に係る第1インバータに起因した母線高調波成分のスペクトルと第2インバータのスイッチ高調波成分のスペクトルとを示す図。
パルスパターンの変更態様を示す図。
第1インバータの母線高調波成分のスペクトルと第2インバータのスイッチ高調波成分のスペクトルとを示す図。
第10実施形態に係るキャリア周波数等の変更処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る制御装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る制御装置は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載されるモータ制御システムを構成する。
【0014】
図1に示すように、制御システムは、直流電源としてのバッテリ10、DCDCコンバータ20、インバータ30、モータジェネレータ40、モータ制御装置50、及び上位制御装置60を備えている。本実施形態において、モータジェネレータ40は、車載主機であり、そのロータが図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。本実施形態では、モータジェネレータ40として、同期機を用いており、より具体的には永久磁石埋込型のものを用いている。
【0015】
DCDCコンバータ20は、第1コンデンサ21、リアクトル22、第2コンデンサ23、コンバータスイッチとしての上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを備えている。DCDCコンバータ20は、バッテリ10の出力電圧を所定の電圧を上限として昇圧する機能を有している。本実施形態では、各変圧スイッチScp,Scnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、具体的にはIGBTを用いている。なお、各変圧スイッチScp,Scnには、フリーホイールダイオードDcp,Dcnが逆並列に接続されている。
【0016】
上アーム変圧スイッチScpの高電位側端子であるコレクタには、正極母線Lpが接続されている。上アーム変圧スイッチScpの低電位側端子であるエミッタには、下アーム変圧スイッチScnのコレクタが接続されている。下アーム変圧スイッチScnのエミッタには、負極母線Lnが接続されている。各母線Lp,Lnは、例えばバスバーにて構成されている。
【0017】
上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnの直列接続体には、第2コンデンサ23が並列接続されている。上アーム変圧スイッチScpと下アーム変圧スイッチScnとの接続点には、リアクトル22の第1端が接続されている。リアクトル22の第2端には、バッテリ10の正極端子が接続されている。バッテリ10の負極端子には、下アーム変圧スイッチScnのエミッタが接続されている。バッテリ10には、第1コンデンサ21が並列接続されている。
【0018】
正極母線Lp及び負極母線Lnには、インバータ30の入力側が接続されている。インバータ30は、上アームスイッチSup,Svp,Swpと下アームスイッチSun,Svn,Swnとの直列接続体を3相分備えている。各アームスイッチSup〜Swnが、インバータスイッチに相当する。本実施形態では、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的にはIGBTを用いている。そして、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnには、各フリーホイールダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
【0019】
各上アームスイッチSup,Svp,Swpの高電位側端子であるコレクタには、正極母線Lpが接続されている。各下アームスイッチSun,Svn,Swnの低電位側端子であるエミッタには、負極母線Lnが接続されている。
【0020】
U相上,下アームスイッチSup,Sunの接続点には、モータジェネレータ40のU相巻線40Uの第1端が接続されている。V相上,下アームスイッチSvp,Svnの接続点には、モータジェネレータ40のV相巻線40Vの第1端が接続されている。W相上,下アームスイッチSwp,Swnの接続点には、モータジェネレータ40のW相巻線40Wの第1端が接続されている。各相巻線40U,40V,40Wの第2端は、中性点にて接続されている。U,V,W相巻線40U,40V,40Wは、電気角で互いに120°ずれている。
【0021】
制御システムは、さらに、相電流検出部70、角度検出部71、及びインバータ温度検出部72を備えている。相電流検出部70は、モータジェネレータ40に流れる各相電流のうち、少なくとも2相分の電流を検出する。本実施形態において、相電流検出部70は、モータジェネレータ40のV,W相に流れる電流を検出する。角度検出部71は、モータジェネレータ40の電気角θeを検出する。角度検出部71としては、例えばレゾルバを用いることができる。インバータ温度検出部72は、インバータ30の温度を検出する。インバータ温度検出部72は、具体的には例えば、インバータ30を構成する各スイッチSup〜Swnのうち、インバータ30の駆動時に温度が最も高くなるスイッチを温度検出対象とするものである。なおインバータ温度検出部72としては、例えば、感温ダイオード又はサーミスタを用いることができる。
【0022】
制御システムは、さらに、低電圧検出部73と、高電圧検出部74とを備えている。低電圧検出部73は、第1コンデンサ21の端子間電圧をDCDCコンバータ20の入力電圧VLrとして検出する。高電圧検出部74は、第2コンデンサ23の端子間電圧をDCDCコンバータ20の出力電圧VHrとして検出する。
【0023】
各検出部の検出値は、モータ制御装置50に入力される。モータ制御装置50は、マイコンを主体として構成され、モータジェネレータ40の制御量をその指令値に制御すべく、DCDCコンバータ20及びインバータ30を操作する。本実施形態において、制御量はトルクであり、指令値は指令トルクTrq*である。本実施形態において、指令トルクTrq*は、上位制御装置60からモータ制御装置50に入力される。上位制御装置60は、車両においてモータ制御装置50の外部に設けられており、車両制御を統括する制御装置である。なお本実施形態において、モータ制御装置50がインバータ操作部及びコンバータ操作部に相当する。
【0024】
モータ制御装置50は、DCDCコンバータ20を構成する各変圧スイッチScp,Scnをオンオフ操作するための操作信号gcp,gcnを生成し、各変圧スイッチScp,Scnに対して出力する。上アーム変圧スイッチScpの操作信号gcpと、下アーム変圧スイッチScnの操作信号gcnとは、互いに相補的な信号となっている。このため、上アーム変圧スイッチScpと下アーム変圧スイッチScnとは交互にオン状態とされる。
【0025】
モータ制御装置50は、インバータ30の各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフ操作するための操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnを生成する。モータ制御装置50は、生成した各操作信号gup〜gwnを各スイッチSup〜Swnに対して出力する。上アーム側の操作信号gup,gvp,gwpと、対応する下アーム側の操作信号gun,gvn,gwnとは、互いに相補的な信号となっている。このため、上アームスイッチSup、Svp,Swpと、対応する下アームスイッチSun,Svn,Swnとは、交互にオン状態とされる。
【0026】
続いて図2を用いて、モータ制御装置50の行うトルク制御処理について説明する。
【0027】
まず、トルク制御処理のうちDCDCコンバータ20に関する処理について説明する。
【0028】
指令電圧設定部50aは、DCDCコンバータ20の指令出力電圧VH*を設定する。電圧偏差算出部50bは、指令出力電圧VH*から、高電圧検出部74により検出された出力電圧VHrを減算することにより、電圧偏差ΔVHを算出する。
【0029】
FB算出部50cは、電圧偏差ΔVを0にフィードバック制御するための操作量として、フィードバック指令値Dcbを算出する。なお、FB算出部50cにおけるフィードバック制御としては、例えば比例積分制御を用いればよい。
【0030】
FF算出部50dは、指令出力電圧VH*と、低電圧検出部73により検出された入力電圧VLrとに基づいて、フィードフォワード操作量としてのフィードフォワード指令値Dcfを算出する。
【0031】
電圧加算部50eは、フィードフォワード指令値Dcfとフィードバック指令値Dcbとの加算値として、変圧指令値Dcrを算出する。
【0032】
コンバータキャリア生成部50fは、コンバータキャリア信号Scnvを生成する。本実施形態では、コンバータキャリア信号Scnvとして、三角波信号を用いる。本実施形態において、コンバータキャリア信号Scnvの周波数であるコンバータキャリア周波数fcnvは、固定値に設定されている。
【0033】
コンバータ比較部50gは、変圧指令値Dcrとコンバータキャリア信号Scnvとの大小比較に基づくPWM処理により、2値信号であるコンバータPWM信号GCを生成する。コンバータ信号生成部50hは、コンバータPWM信号GCとその論理反転信号との論理反転タイミング同士をデッドタイムだけ離間させる処理を行うことで、各変圧スイッチScp、Scnの操作信号gcp,gcnを生成する。
【0034】
続いて、トルク制御処理のうちインバータ30に関する処理について説明する。
【0035】
2相変換部51aは、相電流検出部70により検出されたV,W相電流IV,IW、及び角度検出部71により検出された電気角θeに基づいて、モータジェネレータ40の3相固定座標系におけるU,V,W相電流IU,IV,IWを、2相回転座標系であるdq座標系におけるd,q軸電流Idr,Iqrに変換する。
【0036】
速度算出部51bは、電気角θeに基づいて、モータジェネレータ40の電気角周波数ωsを算出する。電気角周波数ωsは、インバータ30の出力電圧に含まれる基本波成分の角周波数である。
【0037】
トルク制御器51cは、指令トルクTrq*、d,q軸電流Idr,Iqr、及びDCDCコンバータ20の出力電圧VHrに基づいて、dq座標系における電圧ベクトルVnvtの位相である電圧位相δと、指令変調率Mrとを算出する。電圧ベクトルVnvtは、dq座標系における電圧ベクトルのd軸成分であるd軸電圧Vdとq軸成分であるq軸電圧Vqとによって定義される。本実施形態において、電圧位相δは、d軸の正方向を基準とし、この基準から反時計回りの方向が正方向として定義されている。
【0038】
指令変調率Mrは、電圧ベクトルVnvtの大きさである電圧振幅Vrを出力電圧VHrで規格化した値である。電圧振幅Vrは、d軸電圧Vdの2乗値とq軸電圧Vqの2乗値との和の平方根として定義される。本実施形態において、指令変調率Mrは下式(eq1)により算出される。
【0039】
角度算出部51dは、電圧位相δに電気角θeを加算した値として、固定座標系を基準とした電圧ベクトルVnvtの位相である実位相θvを算出する。なお、固定座標系の基準としては、例えば固定座標系のU相を用いることができる。
【0040】
変調器51eは、角度算出部51dから出力された実位相θvと、指令変調率Mrとに基づいて、電気角で互いに120度ずれたU,V,W相指令値DU,DV、DWを生成する。本実施形態において、U,V,W相指令値DU,DV、DWが、インバータ30の出力電圧の指令値に相当する。
【0041】
インバータキャリア生成部51fは、インバータキャリア信号Sinvを生成する。本実施形態では、インバータキャリア信号Sinvとして、三角波信号を用いる。本実施形態において、インバータキャリア生成部51fは、電気角周波数ωsに基づいて、インバータキャリア信号Sinvの周波数であるインバータキャリア周波数finvを可変設定する。
【0042】
詳しくは、インバータキャリア生成部51fは、電気角周波数ωsが第1切替角周波数ωa以下であると判定した場合、非同期PWM処理を行うために、インバータキャリア周波数finvを固定値に設定する。本実施形態において、非同期PWM処理時のインバータキャリア周波数finvは、コンバータキャリア周波数fcnvよりも高い値である。
【0043】
インバータキャリア生成部51fは、電気角周波数ωsが第1切替角周波数ωaよりも高いと判定した場合、同期PWM処理を行うためのインバータキャリア周波数finvを設定する。
【0044】
インバータ比較部51gは、U,V,W相指令値DU,DV、DWとインバータキャリア信号Sinvとの大小比較に基づくPWM処理により、2値信号であるU,V,W相PWM信号GU,GV,GWを生成する。本実施形態では、PWM処理において3相変調方式が用いられる。
【0045】
インバータ信号生成部51hは、U,V,W相PWM信号GU,GV,GWとその論理反転信号との論理反転タイミング同士をデッドタイムだけ離間させる処理を行うことで、各スイッチSup、Sun,Svp,Svn,Swp,Swnの操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnを生成する。
【0046】
続いて、インバータキャリア周波数finvの設定手法についてさらに説明する。本実施形態において、インバータキャリア生成部51fは、コンバータキャリア周波数fcnvと、インバータキャリア周波数finvとの差の絶対値が所定値Δf以上となるように、インバータキャリアの周波数finvを可変設定する。以下、図3を用いて、この設定方法を採用する理由について説明する。
【0047】
正極母線Lp及び負極母線Lnの電位差である母線電圧には、各変圧スイッチScp,Scnのオンオフ操作に伴って、図3(a)に示すように、高調波成分が重畳する。以降、各変圧スイッチScp,Scnのオンオフ操作に伴って母線電圧に重畳される高調波成分をDC母線高調波成分と称すこととする。図3(a)には、変動周波数をfxとするDC母線高調波成分と、母線電圧に含まれる基本波成分とを示す。
【0048】
また、インバータ30を構成する各スイッチSup〜Swnのスイッチングパターンには、高調波成分であるスイッチ高調波成分が含まれている。図3(b)に示すスイッチングパターンでは、オン指示信号として「+1」の信号を用い、オフ指示信号として、オン指示信号の論理値とは異なる「−1」の信号を用いている。オン指示信号は、上アームスイッチをオン操作してかつ下アームスイッチをオフ操作することを指示する信号である。オフ指示信号は、上アームスイッチをオフ操作してかつ下アームスイッチをオン操作することを指示する信号である。また図3(b)には、変動周波数をfyとするスイッチ高調波成分と、変動周波数をf1とするスイッチングパターンに含まれる基本波成分を示す。
【0049】
インバータ30の各相において、インバータ30から出力される相電圧波形は、図3(c)に示すように、母線電圧とスイッチングパターンとの積として表すことができる。ここで、DC母線高調波成分の周波数fxと、スイッチ高調波成分の周波数fyとが近接すると、各周波数fx,fyの差及び和を変動周波数「fx−fy」,「fx+fy」とする変動成分が相電圧に含まれることとなる。なお図3(c)には、DC母線高調波成分の周波数fxと、スイッチングパターンに含まれる基本波成分の周波数f1との差及び和を変動周波数「fx−f1」,「fx+f1」とする変動成分も相電圧に含まれることを示した。
【0050】
インバータ30の負荷となるモータジェネレータ40は、インダクタンス成分を主とする誘導性負荷である。このため、相電流は、相電圧の積分で表されて、かつ、相電圧の変動周波数に反比例することとなる。その結果、相電圧に含まれる変動成分のうち、周波数が低い変動成分ほど、相電流の変動に与える影響が大きくなる。図3(c)に示すスペクトルでは、相電圧に含まれる変動成分のうち次数の低い「fx−fy」の変動成分が、相電流の変動に与える影響が大きい。これにより、インバータ30の出力電力が大きく変動し、モータジェネレータ40のトルク変動が大きくなる。
(【0051】以降は省略されています)

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