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公開番号2020115743
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2020071858
出願日20200413
発明の名称ワイヤハーネス用プロテクタおよびそれを用いたワイヤハーネスの配索構造
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人特許業務法人笠井中根国際特許事務所,個人,個人
主分類H02G 3/04 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】固定対象からの突出高さを抑えつつ、分岐部を含むワイヤハーネスをコンパクトな状態で挿通保持することができる、新規な構造のワイヤハーネス用プロテクタを提供すること、およびそれを用いたワイヤハーネスの配索構造提供すること。
【解決手段】ワイヤハーネス46を構成する複数の電線が小分けされて収容される複数の電線挿通部58を有し、複数の電線挿通部58が並列配置されている一方、複数の電線挿通部58の並列方向の少なくとも一方側が電線の分岐方向とされており、分岐方向から最も遠位の電線挿通部58を除く各電線挿通部58には、長手方向に延びてかつ両側面に開口して電線の一部によって構成される分岐電線48b〜dが挿通可能な分岐電線挿通窓60が設けられている一方、分岐方向から最も遠位の電線挿通部58には、少なくとも分岐方向側の側面に分岐電線挿通窓60が設けられているようにした。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
ワイヤハーネスを構成する複数の電線が小分けされて収容される複数の電線挿通部を有し、
前記複数の電線挿通部が並列配置されている一方、
前記複数の電線挿通部の並列方向の少なくとも一方側が前記電線の分岐方向とされており、
前記分岐方向から最も遠位の前記電線挿通部を除く各前記電線挿通部には、前記並列方向に直交する長手方向の中間部分において、前記長手方向に延びてかつ両側面に開口して前記電線の一部によって構成される分岐電線が挿通可能な分岐電線挿通窓が設けられている一方、
前記分岐方向から最も遠位の前記電線挿通部には、少なくとも前記分岐方向側の側面に前記分岐電線挿通窓が設けられている
ことを特徴とするワイヤハーネス用プロテクタ。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
各前記電線挿通部がいずれも前記両側面に前記分岐電線挿通窓を有しており、前記複数の電線挿通部の並列方向の両側を前記電線の分岐方向とすることができる請求項1に記載のワイヤハーネス用プロテクタ。
【請求項3】
固定対象に固定されるベース部材と、
前記ベース部材上に隙間を隔てて対向配置される長手状の上壁部と、該上壁部の長手方向の両側部分の両側縁部からそれぞれ前記ベース部材に向かって突出する一対の支持脚部とを含んで構成された挿通部構成部材の複数とをさらに備えており、
各前記挿通部構成部材の前記一対の支持脚部が前記ベース部材に設けられた複数の固定部に対してそれぞれ着脱自在に固定されることにより、各前記電線挿通部が構成され、各前記電線挿通部の前記側面において、前記ベース部材と前記上壁部と長手方向両側の前記支持脚部によって前記分岐電線挿通窓が画成されている請求項1または2に記載のワイヤハーネス用プロテクタ。
【請求項4】
ワイヤハーネス用プロテクタを用いたワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ワイヤハーネス用プロテクタとして請求項1〜3の何れか1項に記載のワイヤハーネス用プロテクタを用い、
前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線が小分けされて前記複数の電線挿通部に挿通保持されている一方、
前記分岐方向に最も遠位の前記電線挿通部では、前記分岐方向側の前記分岐電線挿通窓を挿通して前記分岐電線が側方に引き出されている一方、それ以外の前記電線挿通部では、前記分岐方向側の前記分岐電線挿通窓と前記分岐方向側に隣接配置された前記電線挿通部の両側面の前記分岐電線挿通窓を挿通して前記分岐電線が側方に引き出されている
ことを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
【請求項5】
複数の前記電線挿通部における前記分岐電線の引き出し位置が、前記長手方向で相互に異ならされている請求項4に記載のワイヤハーネスの配索構造。
【請求項6】
各前記電線挿通部を挿通する小分けされた前記ワイヤハーネスの断面積が、前記分岐方向に向かって次第に大きくされている請求項4または5に記載のワイヤハーネスの配索構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に配索される多数の電線を挿通保持するワイヤハーネス用プロテクタおよびそれを用いたワイヤハーネスの配索構造に関するものである。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の電装系においては、配索される多数の電線を、ワイヤハーネス用プロテクタに挿通保持して車体側の固定対象に対して固定することにより、電線を外部の干渉部材から保護したり、電線の経路を規制することが行われている。
【0003】
ところで、このようなワイヤハーネス用プロテクタは、実開平6−70415号公報(特許文献1)等に記載されているとおり、樋状のプロテクタ本体と、プロテクタ本体の上方開口部を覆蓋する蓋体とを含んで構成されている。そして、多数の電線をプロテクタ本体に挿通した後、プロテクタ本体の側壁外方に突出して設けられたロック機構を介して、蓋体をプロテクタ本体に固定することにより、多数の電線を収容状態に保持できるようになっている。
【0004】
ところが、近年では、自動車のコンパクト化の要求に加えて、車載電装品も増加傾向にあり、ワイヤハーネスを構成する電線が増大する反面、ワイヤハーネスの配索スペースが狭まってきている。それゆえ、上述の如き従来構造のワイヤハーネス用プロテクタでは、ワイヤハーネスを挿通保持するプロテクタ本体の大型化が避けられず、ワイヤハーネス用プロテクタを決められた配索スペースに設置できない場合があった。
【0005】
特に、ワイヤハーネスの幹線から支線が分かれる分岐部を有する場合、分岐部を挿通保持する部位を追加で設ける必要があり、プロテクタの大型化が避けられなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実開平6−70415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、固定対象からの突出高さを抑えつつ、分岐部を含むワイヤハーネスをコンパクトな状態で挿通保持することができる、新規な構造のワイヤハーネス用プロテクタを提供すること、およびそれを用いたワイヤハーネスの配索構造提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ワイヤハーネス用プロテクタに関する本発明の第一の態様は、ワイヤハーネスを構成する複数の電線が小分けされて収容される複数の電線挿通部を有し、前記複数の電線挿通部が並列配置されている一方、前記複数の電線挿通部の並列方向の少なくとも一方側が前記電線の分岐方向とされており、前記分岐方向から最も遠位の前記電線挿通部を除く各前記電線挿通部には、前記並列方向に直交する長手方向の中間部分において、前記長手方向に延びてかつ両側面に開口して前記電線の一部によって構成される分岐電線が挿通可能な分岐電線挿通窓が設けられている一方、前記分岐方向から最も遠位の前記電線挿通部には、少なくとも前記分岐方向側の側面に前記分岐電線挿通窓が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、複数の電線が小分けされて収容される複数の電線挿通部が並列配置されていることから、ワイヤハーネスを構成する電線が増大した場合でも、複数の電線挿通部に小分けして電線を収容保持できることから、ワイヤハーネス用プロテクタの低背化が可能となる。加えて、複数の電線挿通部の並列方向の少なくとも一方側が電線の分岐方向とされ、分岐方向から最も遠位の電線挿通部を除く各電線挿通部が、その長手方向の中間部分において、長手方向に延びてかつ両側面に開口する分岐電線挿通窓を有し、分岐方向から最も遠位の電線挿通部が、少なくとも分岐方向側の側面に分岐電線挿通窓を有している。このような構成により、分岐方向に最も遠位の電線挿通部では、分岐方向側の分岐電線挿通窓を挿通して分岐電線を側方に引き出すことができる。また、それ以外の電線挿通部では、分岐方向側の分岐電線挿通窓と分岐方向側に隣接配置された電線挿通部の両側面の分岐電線挿通窓を挿通して分岐電線を側方に引き出すことができる。したがって、ワイヤハーネス用プロテクタに分岐部を挿通保持する追加の部位を設けることなく、分岐電線を複数の電線挿通部に亘って挿通保持することにより安定した分岐電線の保持を実現でき、分岐部を含むワイヤハーネスをコンパクトな状態で挿通保持することができる。
【0010】
しかも、各電線挿通部に設けられた分岐電線挿通窓は、長手方向に延びて設けられていることから、各電線挿通部毎に電線が分岐される位置を長手方向で異ならせることができる。これにより、分岐方向に遠位側の電線挿通部において分岐電線が重なり合って電線束の高さが増大することも回避することができ、分岐部を含むワイヤハーネス用のプロテクタの低背化を有利に実現できる。
【0011】
ワイヤハーネス用プロテクタに関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のワイヤハーネス用プロテクタにおいて、各前記電線挿通部がいずれも前記両側面に前記分岐電線挿通窓を有しており、前記複数の電線挿通部の並列方向の両側が前記電線の分岐方向とすることができるものである。
【0012】
本態様によれば、複数の電線挿通部の並列方向の両側が分岐方向となるように、各電線挿通部の何れもが、両側面に分岐電線挿通窓を備えている。これにより、ワイヤハーネス用プロテクタの方向性が低減されて、汎用性の向上を図ることができる。
【0013】
ワイヤハーネス用プロテクタに関する本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載のワイヤハーネス用プロテクタにおいて、固定対象に固定されるベース部材と、前記ベース部材上に隙間を隔てて対向配置される長手状の上壁部と、該上壁部の長手方向の両側部分の両側縁部からそれぞれ前記ベース部材に向かって突出する一対の支持脚部とを含んで構成された挿通部構成部材の複数とをさらに備えており、各前記挿通部構成部材の前記一対の支持脚部が前記ベース部材に設けられた複数の固定部に対してそれぞれ着脱自在に固定されることにより、各前記電線挿通部が構成され、各前記電線挿通部の前記側面において、前記ベース部材と前記上壁部と長手方向両側の前記支持脚部によって前記分岐電線挿通窓が画成されているものである。
【0014】
本態様によれば、車両側の固定対象に固定されるベース部材に対して、挿通部構成部材を着脱自在に取り付けることにより各電線挿通部を構成することができる。それゆえ、ベース部材上に複数の電線を配索しつつ、分岐方向から離れた側の電線挿通部から順番に構成することで、作業性の向上や分岐部分の容易かつ安定した配索を可能にすることができる。
【0015】
しかも、挿通部構成部材が上壁部とその両側部分でベース部材に向かって突出する一対の支持脚部によって構成されていることから、各電線挿通部に挿通配置される電線の上方への突出が抑えられる。それゆえ、ワイヤハーネス用プロテクタの低背化を一層確実に実現できる。
【0016】
ワイヤハーネスの配索構造に関する本発明の第一の態様は、ワイヤハーネス用プロテクタを用いたワイヤハーネスの配索構造であって、前記ワイヤハーネス用プロテクタとして前記第一乃至第三の何れか1項に記載のワイヤハーネス用プロテクタを用い、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線が小分けされて前記複数の電線挿通部に挿通保持されている一方、前記分岐方向に最も遠位の前記電線挿通部では、前記分岐方向側の前記分岐電線挿通窓を挿通して前記分岐電線が側方に引き出されている一方、それ以外の前記電線挿通部では、前記分岐方向側の前記分岐電線挿通窓と前記分岐方向側に隣接配置された前記電線挿通部の両側面の前記分岐電線挿通窓を挿通して前記分岐電線が側方に引き出されていることを特徴とする。
【0017】
本態様のワイヤハーネスの配索構造によれば、第一〜第三の態様に記載のワイヤハーネス用プロテクタを用い、複数の電線が小分けされて収容される複数の電線挿通部が並列配置されていることから、ワイヤハーネスを構成する電線が増大した場合でも、複数の電線挿通部に小分けして電線を収容保持できることから、ワイヤハーネス用プロテクタの低背化が可能となる。加えて、複数の電線挿通部の並列方向の少なくとも一方側が電線の分岐方向とされ、分岐方向から最も遠位の電線挿通部を除く各電線挿通部が、その長手方向の中間部分において、長手方向に延びてかつ両側面に開口する分岐電線挿通窓を有し、分岐方向から最も遠位の電線挿通部が、少なくとも分岐方向側の側面に分岐電線挿通窓を有している。このような構成により、分岐方向に最も遠位の電線挿通部では、分岐方向側の分岐電線挿通窓を挿通して分岐電線を側方に引き出すことができる。また、それ以外の電線挿通部では、分岐方向側の分岐電線挿通窓と分岐方向側に隣接配置された電線挿通部の両側面の分岐電線挿通窓を挿通して分岐電線を側方に引き出すことができる。したがって、ワイヤハーネス用プロテクタに分岐部を挿通保持する追加の部位を設けることなく、分岐電線を複数の電線挿通部に亘って挿通保持することにより安定した分岐電線の保持を実現でき、分岐部を含むワイヤハーネスをコンパクトな状態で挿通保持することができる。
【0018】
しかも、各電線挿通部に設けられた分岐電線挿通窓は、長手方向に延びて設けられていることから、各電線挿通部毎に電線が分岐される位置を長手方向で異ならせることができる。これにより、分岐方向に遠位側の電線挿通部において分岐電線が重なり合って電線束の高さが増大することも回避することができ、分岐部を含むワイヤハーネス用のプロテクタの低背化を有利に実現できる。
【0019】
ワイヤハーネスの配索構造に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のワイヤハーネスの配索構造において、複数の前記電線挿通部における前記分岐電線の引き出し位置が、前記長手方向で相互に異ならされているものである。
【0020】
本態様によれば、複数の電線挿通部における分岐電線の引き出し位置が、長手方向で相互に異ならされている。これにより、各電線挿通部から分岐する電線が重なることが有利に防止されていることから、分岐する電線の一層の低背化が可能となる。
【0021】
ワイヤハーネスの配索構造に関する本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載のワイヤハーネスの配索構造において、各前記電線挿通部を挿通する小分けされた前記ワイヤハーネスの断面積が、前記分岐方向に向かって次第に大きくされているものである。
【0022】
本態様によれば、電線挿通部を挿通するワイヤハーネスの断面積が、分岐方向に向かって次第に大きくされている。すなわち、かかる電線挿通部に挿通配置される電線が、分岐方向に最も近い電線挿通部において最も細く、最も遠い電線挿通部に向かって次第に太くされている。これにより、分岐する電線が自身よりも太い電線を乗り越えることがなく、各電線挿通部を挿通するワイヤハーネスの断面積の平準化を図ることができ、低背化を有利に実現できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の電線が小分けされて収容される複数の電線挿通部が並列配置されていることから、ワイヤハーネスを構成する電線が増大しても複数の電線挿通部に小分けして電線を収容保持できることから、ワイヤハーネス用プロテクタの低背化が可能となる。また、複数の電線挿通部の並列方向の少なくとも一方側が電線の分岐方向とされ、分岐方向から最も遠位の電線挿通部を除く各電線挿通部が長手方向に延びてかつ両側面に開口する分岐電線挿通窓を有し、分岐方向から最も遠位の電線挿通部が、少なくとも分岐方向側の側面に分岐電線挿通窓を有している。これにより、分岐方向に最も遠位の電線挿通部では、分岐方向側の分岐電線挿通窓を挿通して分岐電線を側方に引き出すことができる。また、それ以外の電線挿通部では、分岐方向側の分岐電線挿通窓と分岐方向側に隣接配置された電線挿通部の両側面の分岐電線挿通窓を挿通して分岐電線を側方に引き出すことができる。したがって、追加の部位を設けることなく安定した分岐電線の保持を実現でき、分岐部を含むワイヤハーネスをコンパクトな状態で挿通保持できる。しかも、分岐電線挿通窓は長手方向に延びて設けられていることから、各電線挿通部毎に電線が分岐される位置を長手方向で異ならせることができる。これにより、分岐電線の重なりを回避することができ、分岐部を含むワイヤハーネス用プロテクタの低背化を有利に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の第一の実施形態としてのワイヤハーネス用プロテクタを示す斜視図。
図1の正面図。
図1のベース部材を示す斜視図。
図1の1つの挿通部構成部材を示す斜視図。
複数の挿通部構成部材に電線を収容すると共に分岐電線を設けた、ベース部材への取付前の状態を示す平面図。
本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタを用いたワイヤハーネスの配索構造を示す正面図であって、図2に相当する図。
本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタを用いたワイヤハーネスの配索構造を示す正面図であって、図6とは分岐方向が逆方向の図。
分岐方向が両方向の場合におけるベース部材への取付前の状態を示す平面図であって、図5に相当する図。
図8に示す分岐方向が両方向の場合におけるワイヤハーネスの配索構造を示す正面図であって、図6に相当する図。
図4とは異なる構造の挿通部構成部材を示す斜視図。
図10に示す挿通部構成部材を有するワイヤハーネス用プロテクタを用いたワイヤハーネスの配索構造を示す正面図であって、図6に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1〜4には、本発明の第一の実施形態としてのワイヤハーネス用プロテクタ10が示されている。かかるワイヤハーネス用プロテクタ10は、ベース部材12と、複数(本実施形態では4個)の挿通部構成部材14と、を備えて構成されている。なお、以下の説明において、上方とは、図1〜4中の上方、下方とは、図1〜4中の下方を言い、また前方とは、図1中の右斜め下方、後方とは、図1中の左斜め上方を言い、さらに長手方向とは、図1中の前後方向を言うものとする。
【0027】
図2〜3に示されているように、ベース部材12は、略逆U字断面形状で下方に向かって開口して長手方向に延びる略樋形状を有しており、例えばポリプロピレン(PP),ポリアミド(PA)等の合成樹脂材料により射出成形等によって一体形成されている。また、ベース部材12の長手方向中央部分には、幅方向(図2中、左右方向)両側において固定片16が形成されている。かかる固定片16は、長手方向両側が切欠部18によってベース部材12から切り離されることにより基端側のみがベース部材12に連結されかつ下方に向かって突出する片持ち梁形状を有している。さらに、固定片16の突出端部の長手方向中央部には、下方斜め内方に向かって突出する略矩形平板状の係合部20が設けられており、かかる係合部20の突出先端部には内方に向かって突出すると共に長手方向の略全長に亘って略台形断面形状で延びる係合突起22が形成されている。加えて、ベース部材12の外周面24の長手方向両端部には、それぞれ複数対(本実施形態では4対)の固定部26,26が外周面24の周方向に相互に離隔すると共に外周面24に対して直立するように外方に向かって突設されている。かかる固定部26,26は、外周面24の周方向に相互に離隔するように形成されていると共に略矩形平板形状を有しており、突出端部の対向しない側の面には外方に向かって突出すると共に略三角断面形状で長手方向に延びる係合突起28が設けられている。かかる係合突起28の突出端面は、外周面24から離れるにつれて固定部26に近づくテーパ面とされている。
【0028】
一方、図4に示されているように、挿通部構成部材14は、略逆U字断面形状で下方に向かって開口して長手方向に延びる略樋形状を有しており、例えばポリプロピレン(PP),ポリアミド(PA)等の合成樹脂材料により射出成形等によって一体形成されている。かかる挿通部構成部材14は、長手方向に向かって帯状に延びる上壁部30と、上壁部30の幅方向の両側縁部から長手方向の略全長に亘って下方に向かって延び出す側壁部32と、上壁部30の長手方向の両側部分の両側縁部からそれぞれ下方に向かって突出する一対の支持脚部34,34と、を含んで構成されている。支持脚部34は、基端部が側壁部32に連結された略枠体形状を有しており、上下方向に開口する係合孔36の上側端縁部には、上方斜め内方に向かって突出する略矩形平板状の係合突起38が設けられている。また、挿通部構成部材14は、かかる一対の支持脚部34,34が設けられた上壁部30の長手方向の両側部分からさらに外方に向かって延び出す結束固定部40を有していると共に、結束固定部40の延出端部には幅方向の略全長に亘って突出する結束部材抜け止め突起42が形成されている。さらに、上壁部30は、支持脚部34が設けられた部位間において厚肉とされると共に平面視で略矩形形状で上方に向かって開口する肉抜き穴44が形成されており、支持脚部34が設けられた部分の強度を高めつつ合成樹脂材料を有利に節約している。
【0029】
次に、このような構成とされたベース部材12と挿通部構成部材14を含んで構成されている本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を用いたワイヤハーネス46の配索構造について、図5〜6を用いて説明を行う。なお、本実施形態では、ワイヤハーネス46は、小分けされた複数の電線からなるワイヤハーネス46a〜dを含んで構成されている。なお、かかるワイヤハーネス46a〜dは、各端部においてコネクタ等を通じて各種電気機器等に接続されている。また、理解を容易とするため、図5〜6では、ワイヤハーネス46a〜dや、ワイヤハーネス46a〜dから分岐する分岐電線48a〜dや、固定対象であるリーンフォース50や、結束テープ55,56は、仮想線で記載している。
【0030】
先ず、図5に示されているように、複数(本実施形態では4個)の挿通部構成部材14を、横方向が長手方向になるようにかつ縦方向が並列方向になるように、例えば作業台の上に上壁部30を下にして配置する。そして、複数の挿通部構成部材14の上壁部30と一対の側壁部32,32で囲まれた樋状部52に対して、上方からワイヤハーネス46を構成するワイヤハーネス46a〜dの幹線54a〜dをそれぞれ収容配置する。なお、この際には、ワイヤハーネス46a〜dの分岐電線48a〜dを、並列方向の一方側である手前側に向かって延び出すように配置する。続いて、例えば結束テープ55を用いてワイヤハーネス46a〜dの幹線54a〜dをそれぞれ複数の挿通部構成部材14の結束固定部40に対して位置決め保持すると共に、分岐電線48a〜dについても例えば結束テープ56を用いて延出端部を結束固定する。この結果、ワイヤハーネス46に対して本実施形態の複数の挿通部構成部材14が取付けられた中間部材57が完成される。これにより、電線挿通部58の長手方向の両端部分にワイヤハーネス46a〜dの幹線54a〜dを容易に位置決め保持できると共に、電線挿通部58の長手方向の中央部分には結束固定部40が形成されていないことから自動的に分岐電線挿通窓60を設けることができるのである。なお、結束部材として、結束テープ55,56以外に結束バンド等の任意の結束部材が採用可能である。
【0031】
次に、かかる中間部材57を裏返して上壁部30を上にした後、中間部材57を構成する複数の挿通部構成部材14をそれぞれベース部材12に対して取り付けることにより、本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を用いたワイヤハーネス46の配索構造が完成される。より詳細には、各挿通部構成部材14の一対の支持脚部34,34に設けられた係合孔36に対してベース部材12に設けられた対応する一対の固定部26,26を挿入する。これにより、固定部26の係合突起28が係合孔36の上側端縁部に設けられた係合突起38を外方に向かって弾性変形することでさらなる挿入が許容される。そして、挿入後は、支持脚部34の係合突起38が弾性復帰することにより、支持脚部34の係合孔36に対してベース部材12の固定部26が係合されて挿通部構成部材14がベース部材12に対して固定されるようになっている。かかる固定は、ドライバー等に器具を用いて解除可能であり、着脱自在となっている。なお、挿通部構成部材14とベース部材12との固定は、上記係合構造に限定されず、ボスと嵌合孔等の任意の公知の係合構造が採用可能である。また、ベース部材側の固定部を任意のピッチで複数設けておき、電線の量など必要に応じて任意の箇所に必要な数の挿通部構成部材を設けることにより、ワイヤハーネス用プロテクタの汎用性を向上させることも可能である。
【0032】
この結果、図6に示されているように、挿通部構成部材14の上壁部30がベース部材12の外周面24上に隙間を隔てて対向配置されている一方、かかる上壁部30から一対の支持脚部34,34がベース部材12に向かって突出されている。そして、上壁部30と一対の支持脚部34,34とベース部材12の外周面24によって囲まれた領域によって、電線挿通部58が構成されている。また、例えば図1に示されているように、各電線挿通部58の側面において、ベース部材12と上壁部30と長手方向一対の支持脚部34,34によって分岐電線挿通窓60が画成されている。すなわち、各電線挿通部58には、並列方向に直交する長手方向の中間部分において、長手方向に延びてかつ両側面に開口してワイヤハーネス46を構成する電線の一部によって構成される分岐電線48a〜dが挿通可能な分岐電線挿通窓60が設けられているのである(図4〜6参照)。したがって、各電線挿通部58はいずれも両側面に分岐電線挿通窓60を有しており、複数の電線挿通部58の並列方向の両側を分岐電線48a〜dの分岐方向とすることができるのである。ここで、本実施形態では、かかる分岐電線挿通窓60の高さ寸法:hと幅寸法(長手方向):w(図1参照)の関係は、幅寸法:wは高さ寸法:hよりも大きい(w>h)ことが好ましく、より好ましくは幅寸法:wは高さ寸法:hの2倍以上、さらに好ましくは幅寸法:wは高さ寸法:hの3倍以上、であることが望ましい。なお、本実施形態では、分岐電線挿通窓60の幅寸法:wは高さ寸法:hの5倍程度となっている。
【0033】
図6に示されているように、上壁部30と一対の支持脚部34,34とベース部材12の外周面24によって囲まれた領域によって電線挿通部58が構成されており、ワイヤハーネス46を構成する小分けされた複数の電線からなるワイヤハーネス46a〜dが、並列配置されている複数の電線挿通部58に挿通保持されている。それゆえ、各電線挿通部58に挿通配置されるワイヤハーネス46a〜dの上方への突出が抑えられることから、ワイヤハーネス用プロテクタの低背化を確実に実現できるようになっている。また、複数の電線挿通部58の並列方向の一方側(図6中、時計回り右側)が分岐電線48a〜dの分岐方向とされており、分岐方向に最も遠位の電線挿通部58(ワイヤハーネス46aが挿通保持されている)では、分岐方向側(図6中、時計回り右側)の分岐電線挿通窓60を挿通して分岐電線48aが側方に引き出されている。一方、それ以外の電線挿通部58では、分岐方向側の分岐電線挿通窓60と分岐方向側に隣接配置された電線挿通部58の両側面の分岐電線挿通窓60を挿通して分岐電線48b〜dが側方に引き出されるようになっている。
【0034】
さらに、図5に示されているように、複数の電線挿通部58における分岐電線48a〜dの引き出し位置が、長手方向(図5中、左右方向)で相互に異ならされている。これにより、各電線挿通部58から分岐する分岐電線48a〜d同士が重なり合うことが有利に防止されていることから、分岐電線48a〜dの一層の低背化が可能となっている。加えて、電線挿通部58を挿通するワイヤハーネス46を構成するワイヤハーネス46a〜dの断面積が、分岐方向(図6中、時計回り左側)に向かって次第に大きくされている(図6参照、Sa>Sb>Sc>Sd)。すなわち、より多くの分岐電線48a〜cを乗り越える必要があるワイヤハーネス46a〜dの幹線54a〜dがより小面積とされていることから、各電線挿通部58を挿通するワイヤハーネス46a〜dの幹線54a〜dおよび分岐電線48a〜cの断面積の平準化を図ることができるので、低背化を有利に実現できる。
【0035】
最後に、図6に示されているように、このようにワイヤハーネス46が配索された本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10が、固定対象であるリーンフォース50に固定されるようになっている。より詳細には、長手方向に延び出す筒状のリーンフォース50の外周面62に対して、ベース部材12の長手方向をリーンフォース50の長手方向に沿わせた状態で上方から配設した後、ベース部材12をリーンフォース50に向かって押し込む。これにより、ベース部材12の一対の固定片16,16が相互に離隔する方向に弾性変形してさらなる挿入が許容され、一対の固定片16,16の係合突起22がリーンフォース50の外周面62に設けられた図示しない取付孔に嵌合することにより、弾性復帰する。この結果、リーンフォース50に対して本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を安定的に保持されるようになっている。このように、例えばリーンフォース50のような平坦でない固定対象に対しても、ベース部材12の形状を固定対象の形状に合わせることにより、ワイヤハーネス用プロテクタ10を容易に取り付けることができるようになっているのである。なお、上記実施形態では、固定対象として筒状のリーンフォース50を例示して説明を行ったが、固定対象が車体フレーム等であってもよく、その形状も筒状に限定されず任意の形状のものが採用可能であることは勿論である。
【0036】
このような構成とされた本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を用いたワイヤハーネス46の配索構造によれば、ワイヤハーネス46が小分けされた複数の電線からなるワイヤハーネス46a〜dを含んで構成されており、かかるワイヤハーネス46a〜dが収容される複数の電線挿通部58が並列配置されている。これにより、ワイヤハーネス46を構成する電線が増加しても、ワイヤハーネス用プロテクタ10の低背化を有利に維持できるようになっているのである。
【0037】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの具体的な記載によって限定されない。例えば、本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を用いたワイヤハーネス46の配索構造では、ワイヤハーネス46を構成する小分けされた複数の電線からなるワイヤハーネス46a〜dの分岐電線48a〜dの分岐方向は、複数の電線挿通部58の並列方向の一方側(図6中、時計回り右側)とされていた。しかしながら、図7に示す本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を用いたワイヤハーネス46の他の配索構造のように、分岐電線48a〜dの分岐方向が複数の電線挿通部58の並列方向の他方側(図7中、反時計回り左側)とされていてもよい。あるいは、図8〜9に示す本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10を用いたワイヤハーネス46の別の配索構造のように、分岐電線48a〜dの分岐方向が複数の電線挿通部58の並列方向の両側(図9中、時計回り右側および反時計回り左側)とされていてもよい。このように、本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10では、複数の電線挿通部58の並列方向の両側が分岐方向となるように、各電線挿通部58の何れもが、両側面に分岐電線挿通窓60を備えていることから、ワイヤハーネス用プロテクタ10の方向性が低減されて、汎用性が向上されているのである。
【0038】
また、本実施形態のワイヤハーネス用プロテクタ10では、各電線挿通部58の何れもが両側面に分岐電線挿通窓60を備えていたが、図10〜11に示す本発明の第二の実施形態としてのワイヤハーネス用プロテクタ68のように、分岐方向(図11中、時計回り右方向)から最も遠位の電線挿通部64を構成する挿通部構成部材66には、少なくとも分岐方向側(図11中、時計回り右側)の側面に分岐電線挿通窓60が設けられていればよい。すなわち、図11に示されているように、分岐方向側(図11中、時計回り右側)とは反対側の側面には分岐電線挿通窓60が設けられていなくてもよい。さらに、並列方向の中央部分から両側にそれぞれ分岐電線が引き出される場合には、中央部分の両側に位置する各電線挿通部58が分岐方向から最遠位の電線挿通部58になることから、それらの分岐方向側の側面のみに分岐電線挿通窓60が設けられていてもよい。
【0039】
加えて、上記実施形態では、電線挿通部58は上壁部30と一対の支持脚部34,34とベース部材12の外周面24によって囲まれた領域によって構成されていたが、電線挿通部が上壁部と一対の支持脚部によって構成されかつ上方に開口するように形成されていてもよい。これにより、ワイヤハーネス用プロテクタを構成後にワイヤハーネス46を上方から組み付けることが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態では、ワイヤハーネス用プロテクタ10はベース部材12を有していたが、なくてもよい。例えば、複数の電線挿通部58をそれぞれ側面に分岐電線挿通窓60が開口形成された筒体によって構成し、電線挿通部58を任意の連結部材によって並列方向に連結することにより、ワイヤハーネス用プロテクタ10が構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10,68:ワイヤハーネス用プロテクタ、12:ベース部材、14,66:挿通部構成部材、26:固定部、30:上壁部、34:支持脚部、46:ワイヤハーネス、46a〜d:ワイヤハーネス、48a〜d:分岐電線、50:リーンフォース(固定対象)、58,64:電線挿通部、60:分岐電線挿通窓

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