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公開番号2020115731
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006789
出願日20190118
発明の名称モーター制御装置および画像形成装置
出願人コニカミノルタ株式会社
代理人特許業務法人深見特許事務所
主分類H02P 6/185 20160101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】インダクティブセンス方式の初期磁極位置推定に要する時間を従来よりも長くすることなく、残留磁気の影響を低減する。
【解決手段】モーター制御装置の制御回路50は、インダクティブセンス方式を用いて三相モーター30のローターの初期磁極位置を推定する。この際、駆動回路40は、L個の電気角(L≧5)を変更しながら、各電気角でステーター巻線に電圧を印加する。ここで、第i回目(2≦i≦L)にステーター巻線に印加された電圧の電気角と、第i-1回目にステーター巻線に印加された電圧の電気角との差の絶対値は、180-360/L度以上かつ180+360/L度以下である。初期位置推定のために第1回目にステーター巻線に印加された電圧の電気角と、初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線に印加された電圧の電気角との差の絶対値は、180-360/L度以上かつ180+360/L度以下である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
センサレス方式の三相モーターを制御するモーター制御装置であって、
前記三相モーターのステーター巻線の各相に電圧を印加するための駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、インダクティブセンス方式を用いて前記三相モーターのローターの磁極の初期位置推定を行う際に、互いに異なるL個の電気角を変更しながら、各前記電気角で前記駆動回路によって前記ステーター巻線に電圧を印加させ、前記Lは5以上の整数であり、
前記初期位置推定のために第i回目に前記ステーター巻線に印加された電圧の電気角と、第i−1回目に前記ステーター巻線に印加された電圧の電気角との差の絶対値は、180−360/L度以上かつ180+360/L度以下であり、前記iは2以上かつL以下の整数であり、
前記初期位置推定のために第1回目に前記ステーター巻線に印加された電圧の電気角と、前記初期位置推定を開始する前の最後に前記ステーター巻線に印加された電圧の電気角との差の絶対値は、180−360/L度以上かつ180+360/L度以下である、モーター制御装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記制御回路は、前記三相モーターの起動命令に応答して前記初期位置推定を実行し、
前記初期位置推定を開始する前の前記最後に前記ステーター巻線に電圧が印加されるタイミングは、前記制御回路が前記起動命令を受ける前である、請求項1に記載のモーター制御装置。
【請求項3】
前記制御回路は、回転速度を徐々に低下させながら前記三相モーターを停止させるように前記駆動回路を制御する場合に、前記ローターが停止状態に至ったときのホールド角度を記憶するように構成され、
前記初期位置推定を開始する前の前記最後に前記ステーター巻線に印加した電圧の電気角は、前記ホールド角度である、請求項2に記載のモーター制御装置。
【請求項4】
前記制御回路は、ブレーキ制御またはフリーランによって前記三相モーターを停止させるように前記駆動回路を制御する場合に、前記ローターの停止後に前記駆動回路によって前記ローターが回転しない程度の大きさの電圧を第1の電気角で前記ステーター巻線に印加するように構成され、
前記初期位置推定を開始する前の前記最後に前記ステーター巻線に印加した電圧の電気角は、前記第1の電気角である、請求項2または3に記載のモーター制御装置。
【請求項5】
前記制御回路は、動作電源の供給が開始された後に、前記駆動回路によって前記ローターが回転しない程度の大きさの電圧を第2の電気角で前記ステーター巻線に印加するように構成され、
前記初期位置推定を開始する前の前記最後に前記ステーター巻線に印加した電圧の電気角は、前記第2の電気角である、請求項2〜4のいずれか1項に記載のモーター制御装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記初期位置推定のために、前記ステーター巻線への電圧印加によって生じた前記ステーター巻線の電流の検出値を取得し、
前記制御回路は、前記初期位置推定のために第k回目に印加した電圧の電気角と第k−1回目に印加した電圧の電気角との差に応じて、第k回目の電圧印加に基づく前記ステーター巻線の電流の検出値を補正するように構成され、前記kは2以上かつL以下の整数である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモーター制御装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記初期位置推定のために第k回目に印加した電圧の電気角と第k−1回目に印加した電圧の電気角との差の絶対値が180度でない場合に、第k回目の電圧印加によって生成された前記ステーター巻線の電流の検出値を補正し、第k回目に印加した電圧の電気角と第k−1回目に印加した電圧の電気角との差の絶対値が180度の場合に、第k回目の電圧印加によって生成された前記ステーター巻線の電流の検出値を補正しないように構成される、請求項6に記載のモーター制御装置。
【請求項8】
前記初期位置推定のために第i回目に前記ステーター巻線の各相に印加された電圧と、第i−1回目に前記ステーター巻線の対応する相に印加された電圧とは、互いに極性が異なるか、または、少なくとも一方が0であり、
前記初期位置推定のために第1回目に前記ステーター巻線の各相に印加された電圧と、前記初期位置推定を開始する前の最後に前記ステーター巻線の対応する相に印加された電圧とは、互いに極性が異なるか、または、少なくとも一方が0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のモーター制御装置。
【請求項9】
前記初期位置推定のために前記ステーター巻線のいずれかの相に印加された電圧について、第j回目に印加された電圧が0の場合に、第j−1回目に印加された電圧の極性と第j+1回目に印加された電圧の極性とは互いに反対であり、前記jは2以上かつL−1以下の整数である、請求項8に記載のモーター制御装置。
【請求項10】
用紙を取り出す給紙ローラーおよび取り出された前記用紙を搬送する搬送ローラーを備え、前記搬送された用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
前記給紙ローラーおよび前記搬送ローラー駆動するためのモーターの少なくとも1つを制御する請求項1〜9のいずれか1項に記載のモーター制御装置を備える、画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この開示は、モーター制御装置および画像形成装置に関し、特にセンサレス方式のブラシレスDCモーター(永久磁石同期モーターとも称する)などの交流モーターの制御に用いられるものである。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
センサレス方式のブラシレスDCモーターなどの交流モーターでは、ステーターの各相コイルに対するローターの永久磁石の磁極位置を検出するセンサーがない。このため、モーターを起動させる前に、所定の電気角でステーターに通電を行い、通電した電気角(以下、通電角度とも称する)に応じた位置にローターの磁極を引き込んでからモーターの回転を開始させることが一般に行われる。
【0003】
しかしながら、ローターの引き込みを行う際には、ローターは最大で±180°ずれた状態から引き込まれるため、ローターが大きく振動する場合がある。このような場合には、起動可能なレベルに振動が収まるまで待つ必要がある。
【0004】
また、モーターを起動させる前にローターが動くのが許容できないアプリケーションでは、ローターの引き込みの方法は採用できない。たとえば、電子写真方式の画像形成装置において、用紙搬送用の給紙ローラー用のモーターにブラシレスDCモーターを採用する場合には、磁極の初期位置推定のためにローター引き込みの方法を採用することはできない。モーター起動前にローターが動いてしまうと、それに伴って用紙が送り出されるためにジャムの原因となるからである。
【0005】
そこで、ローターの引き込みを行わずに、静止状態にあるローターの磁極位置を推定する方法として、インダクティブセンスの方法が知られている(たとえば、特許第2547778号公報(特許文献1)を参照)。この初期位置推定方法は、ローターが回転しないレベルの電圧を複数の電気角でステーター巻線に印加したとき、ローターの磁極位置とステーター巻線による電流磁界との位置関係に応じて、実効的なインダクタンスが微妙に変化する性質を利用している。
【0006】
インダクティブセンス方式を用いて初期磁極位置を推定する場合、ステーターの鉄心に残留している磁気の影響で大きな測定誤差が発生するという問題がある。特許文献2(特開2013−172511号公報)は、各電気角でステーター巻線に通電する直前に、通電する電流に対して逆相の電流をステーター巻線に流すことによって、残留磁気の影響を低減する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第2547778号公報
特開2013−172511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献2の方法の場合、通電する電流の電気角を変更するごとに毎回、残留磁気の影響を低減するための逆相電流をステーター巻線に流す必要がある。このため、ローターの磁極の初期位置推定に時間がかかってしまい、停止状態のモーターを起動させるための時間が長くなってしまう。
【0009】
特に、頻繁にモーターのオンオフが必要なアプリケーションでは、ローターの磁極の初期位置推定に時間がかかることは問題である。たとえば、電子写真方式の画像形成装置の場合、給紙ローラーを駆動するモーターは、ローラーニップルに用紙が挟み込まれた状態で一旦停止し、印刷の際に再起動する。したがって、モーターの起動時間が長くかかることは印刷時間が長くなってしまい、装置性能の点で特に問題である。
【0010】
本開示は、上記の問題点を考慮したものであり、その目的の1つは、センサレス方式の三相モーターを制御するモーター制御装置において、インダクティブセンス方式でローターの初期磁極位置推定を行う際に、初期磁極位置推定に要する時間を従来よりも長くすることなく、残留磁気の影響を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一実施形態において、センサレス方式の三相モーターを制御するモーター制御装置が提供される。モーター制御装置は、三相モーターのステーター巻線の各相に電圧を印加するための駆動回路と、駆動回路を制御する制御回路とを備える。制御回路は、インダクティブセンス方式を用いて三相モーターのローターの磁極の初期位置推定を行う際に、互いに異なるL個の電気角を変更しながら、各電気角で駆動回路によってステーター巻線に電圧を印加させる。ここで、Lは5以上の整数である。初期位置推定のために第i回目にステーター巻線に印加された電圧の電気角と、第i−1回目にステーター巻線に印加された電圧の電気角との差の絶対値は、180−360/L度以上かつ180+360/L度以下である。ここで、iは2以上かつL以下の整数である。初期位置推定のために第1回目にステーター巻線に印加された電圧の電気角と、初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線に印加された電圧の電気角との差の絶対値は、180−360/L度以上かつ180+360/L度以下である。
【0012】
好ましくは、制御回路は、三相モーターの起動命令に応答して上記の初期位置推定を実行する。ここで、初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線に電圧が印加されるタイミングは、制御回路が起動命令を受ける前である。
【0013】
好ましくは、制御回路は、回転速度を徐々に低下させながら三相モーターを停止させるように駆動回路を制御する場合に、ローターが停止状態に至ったときのホールド角度を記憶するように構成される。前述の初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線に印加した電圧の電気角は、ホールド角度である。
【0014】
好ましくは、制御回路は、ブレーキ制御またはフリーランによって三相モーターを停止させるように駆動回路を制御する場合に、ローターの停止後に駆動回路によってローターが回転しない程度の大きさの電圧を第1の電気角でステーター巻線に印加するように構成される。前述の初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線に印加した電圧の電気角は、上記の第1の電気角である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモーター制御装置。
【0015】
好ましくは、制御回路は、動作電源の供給が開始された後に、駆動回路によってローターが回転しない程度の大きさの電圧を第2の電気角でステーター巻線に印加するように構成される。前述の初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線に印加した電圧の電気角は、上記の第2の電気角である。
【0016】
好ましくは、制御回路は、初期位置推定のために、ステーター巻線への電圧印加によって生じたステーター巻線の電流の検出値を取得する。制御回路は、初期位置推定のために第k回目に印加した電圧の電気角と第k−1回目に印加した電圧の電気角との差に応じて、第k回目の電圧印加に基づくステーター巻線の電流の検出値を補正するように構成され。ここで、kは2以上かつL以下の整数である。
【0017】
好ましくは、制御回路は、初期位置推定のために第k回目に印加した電圧の電気角と第k−1回目に印加した電圧の電気角との差の絶対値が180度でない場合に、第k回目の電圧印加によって生成されたステーター巻線の電流の検出値を補正するように構成される。一方、制御回路は、第k回目に印加した電圧の電気角と第k−1回目に印加した電圧の電気角との差の絶対値が180度の場合に、第k回目の電圧印加によって生成された前記ステーター巻線の電流の検出値を補正しないように構成される。
【0018】
好ましくは、初期位置推定のために第i回目にステーター巻線の各相に印加された電圧と、第i−1回目にステーター巻線の対応する相に印加された電圧とは、互いに極性が異なるか、または、少なくとも一方が0である。初期位置推定のために第1回目にステーター巻線の各相に印加された電圧と、初期位置推定を開始する前の最後にステーター巻線の対応する相に印加された電圧とは、互いに極性が異なるか、または、少なくとも一方が0である。
【0019】
好ましくは、初期位置推定のためにステーター巻線のいずれかの相に印加された電圧について、第j回目に印加された電圧が0の場合に、第j−1回目に印加された電圧の極性と第j+1回目に印加された電圧の極性とは互いに反対である。ここで、jは2以上かつL−1以下の整数である。
【0020】
本開示の他の実施形態において、用紙を取り出す給紙ローラーおよび取り出された用紙を搬送する搬送ローラーを備え、搬送された用紙に画像を形成する画像形成装置が提供される。画像形成装置は、給紙ローラーおよび搬送ローラー駆動するための三相モーターの少なくとも1つを制御する上述のモーター制御装置を備える。
【発明の効果】
【0021】
上記の実施形態によれば、インダクティブセンス方式の初期磁極位置推定に要する時間を従来よりも長くすることなく、残留磁気の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
モーター制御装置の全体構成を示すブロック図である。
定常運転中のモーターを減速停止させてから再起動するまでのモーターの回転速度の変化を示す図である。
センサレスベクトル制御における交流電流および磁極位置を表示するための座標軸について説明するための図である。
モーターの運転中におけるセンサレスベクトル制御回路の動作を示す機能ブロック図である。
静止状態にあるローターの磁極の初期位置を推定する方法を示す機能ブロック図である。
上式(A5)で示されるU相電圧指令値、V相電圧指令値、およびW相電圧指令値と電気角との関係を示す図である。
γ軸電圧指令値Vγ*と検出されたγ軸電流Iγとの関係の一例を模式的に示すタイミング図である。
ローターの磁極位置と通電角度との相対的位置関係と、γ軸電流のピーク値との関係を示す図である。
本実施形態の比較例の場合において、通電角度と電圧指令値との関係を表形式で示す図である。
初期磁極位置推定のための電圧印加角度の順番について、第1の具体例を表形式で示す図である。
初期磁極位置推定のための電圧印加角度の順番について、第2の具体例を表形式で示す図である。
初期磁極位置推定のための電圧印加角度の順番について、第3の具体例を表形式で示す図である。
初期磁極位置推定のための電圧印加角度の順番について、第4の具体例を表形式で示す図である。
実施の形態1において、三相モーターを制御する手順を示すフローチャートである。
図14のステップS115の手順を示すフローチャートである。
図14のステップS120に示す初期磁極位置推定の一例を示すフローチャートである。
図14のステップS120に示す初期磁極位置推定の他の一例を示すフローチャートである。
定常運転中のモーターをブレーキ停止させてから再起動するまでのモーター回転速度の変化を示す図である。
モーター制御装置への電源がオンされた後に、モーターが定常運転状態に至るまでのモーターの回転速度の変化を示す図である。
実施の形態2のモーター制御装置において、初期磁極位置角度の順番の具体例を示す図である。
実施の形態2において、三相モーターを制御する手順を示すフローチャートである。
実施の形態3のモーター制御装置において、電流補正値の例を説明するための図である。
実施の形態3のモーター制御装置において、初期磁極位置推定の手順の一例を示すフローチャートである。
実施の形態3のモーター制御装置において、初期磁極位置推定の手順の他の一例を示すフローチャートである。
画像形成装置の構成の一例を示す断面図である。
画像形成装置のローラーの駆動制御に用いられるモーターとその制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。以下では、ブラシレスDCモーターを例に挙げて説明するが、本開示は、複数相の電圧によって駆動されるセンサレス方式の交流モーターに適用可能である(ブラシレスDCモーターも交流モーターの一種である)。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0024】
<実施の形態1>
[モーター制御装置の全体構成]
図1は、モーター制御装置の全体構成を示すブロック図である。モーター制御装置は、センサレス方式の3相ブラシレスDCモーター(BLDCM:Brushless DC Motor)30を駆動制御する。図1に示すように、モーター制御装置は、駆動回路40と、センサレスベクトル制御回路50と、上位制御回路60とを含む。センサレス方式であるため、ローターの回転位置を検出するためのホール素子またはエンコーダーは備えられていない。
【0025】
駆動回路40は、PWM(Pulse Width Modulation)制御方式のインバーター回路であり、モーターの通常運転では直流駆動電圧DVを3相交流電圧に変換して出力する。具体的に、駆動回路40は、センサレスベクトル制御回路50から受けたPWM信号であるインバーター駆動信号U+,U−,V+,V−,W+,W−に基づいて、ブラシレスDCモーター30にU相電圧U

、V相電圧V

、W相電圧W

を供給する。駆動回路40は、インバーター回路41と、U相電流検出回路43Uと、V相電流検出回路43Vと、プリドライブ回路44とを含む。
【0026】
インバーター回路41は、U相アーム回路42Uと、V相アーム回路42Vと、W相アーム回路42Wとを含む。これらのアーム回路42U,42V,42Wは、直流駆動電圧DVが与えられたノードと、接地電圧GNDが与えられたノードとの間に互いに並列に接続される。以下、記載を簡潔にするため、直流駆動電圧DVが与えられたノードを駆動電圧ノードDVと記載し、接地電圧GNDが与えられたノードを接地ノードGNDと記載する場合がある。
【0027】
U相アーム回路42Uは、互いに直列に接続された高電位側のU相トランジスタFU+および低電位側のU相トランジスタFU−を含む。U相トランジスタFU+およびFU−の接続ノードNuは、ブラシレスDCモーター30のU相巻線31Uの一端と接続される。U相巻線31Uの他端は中性点32に接続される。
【0028】
なお、図1に示すように、ブラシレスDCモーター30のU相巻線31U、V相巻線31V、およびW相巻線31Wの結線はスター結線である。この明細書では、U相巻線31U、V相巻線31V、およびW相巻線31Wを総称して、ステーター巻線31と称する。
【0029】
同様に、V相アーム回路42Vは、互いに直列に接続された高電位側のV相トランジスタFV+および低電位側のV相トランジスタFV−を含む。V相トランジスタFV+およびFV−の接続ノードNvは、ブラシレスDCモーター30のV相巻線31Vの一端と接続される。V相巻線31Vの他端は中性点32に接続される。
【0030】
同様に、W相アーム回路42Wは、互いに直列に接続された高電位側のW相トランジスタFW+および低電位側のW相トランジスタFW−を含む。W相トランジスタFW+およびFW−の接続ノードNwは、ブラシレスDCモーター30のW相巻線31Wの一端と接続される。W相巻線31Wの他端は中性点32に接続される。
【0031】
U相電流検出回路43UおよびV相電流検出回路43Vは、2シャント方式でモーター電流を検出するための回路である。具体的に、U相電流検出回路43Uは、低電位側のU相トランジスタFU−と接地ノードGNDとの間に接続される。V相電流検出回路43Vは、低電位側のV相トランジスタFV−と接地ノードGNDとの間に接続される。
【0032】
U相電流検出回路43UおよびV相電流検出回路43Vは、シャント抵抗を含む。シャント抵抗の抵抗値は1/10Ωオーダーの小さい値である。このため、U相電流検出回路43Uによって検出されたU相電流Iuを表す信号およびV相電流検出回路43Vによって検出されたV相電流Ivを表す信号は、アンプ(不図示)によって増幅される。その後、U相電流Iuを表す信号およびV相電流Ivを表す信号は、AD(Analog-to-Digital)変換器(不図示)によってAD変換されてから、センサレスベクトル制御回路50に取り込まれる。
【0033】
W相電流Iwは、U相電流IuとV相電流Ivとからキルヒホッフの電流則、すなわち、Iw=−Iu−Ivから求めることができるので、検出する必要はない。より一般的には、U相電流Iu、V相電流Iv、およびW相電流Iwのうち、いずれか2相の電流を検出すればよく、他の1相の電流値は検出した2相の電流値から計算することができる。
【0034】
プリドライブ回路44は、センサレスベクトル制御回路50から受けたPWM信号であるインバーター駆動信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を増幅して、トランジスタFU+,FU−,FV+,FV−,FW+,FW−のゲートにそれぞれ出力する。
【0035】
トランジスタFU+,FU−,FV+,FV−,FW+,FW−の種類は特に限定されない。たとえば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよいし、バイポーラトランジスタであってもよいし、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。
【0036】
センサレスベクトル制御回路50は、ブラシレスDCモーター30をベクトル制御するための回路であり、インバーター駆動信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を生成して駆動回路40に供給する。さらに、センサレスベクトル制御回路50は、ブラシレスDCモーター30を起動させる際に、静止状態にあるローターの磁極の初期位置をインダクティブセンス方式によって推定する。
【0037】
センサレスベクトル制御回路50は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用回路として構成されていてもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)および/またはマイクロコンピューターなどを利用してその機能を実現するように構成されていてもよい。
【0038】
上位制御回路60は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリなどを備えたコンピュータをベースに構成される。上位制御回路60は、センサレスベクトル制御回路50に起動指令、停止指令、および回転角速度指令値などを出力する。
【0039】
なお、上記と異なり、センサレスベクトル制御回路50および上位制御回路60が1つの制御回路としてASICまたはFPGAなどによって構成されていてもよいし、マイクロコンピューターによって構成されていてもよい。
【0040】
[モーター運転の概要について]
図2は、定常運転中のモーターを減速停止させてから再起動するまでのモーターの回転速度の変化を示す図である。図2の横軸は時間を示し、縦軸はモーターの回転速度を示す。
【0041】
図2を参照して、モーターは、時刻t10までベクトル制御方式で定常運転され、時刻t10から時刻t11までの間でモーターの回転速度の指令値が徐々に減少することによって、モーターが減速停止する。時刻t11でモーターの回転は停止し、その後の時刻t12においてステーターへの通電が停止する。時刻t12からその後の時刻t13までの間は、ステーターへの励磁電流の供給が停止された状態である。
【0042】
ここで、時刻t10から時刻t11までの減速停止の過程においても、センサレスベクトル制御方式によってモーターの回転速度が制御される。したがって、非常に低速の状態ではd軸誘起電圧の検出が困難になるのでローターの磁極の位置推定の精度が悪くなるけれども、少なくともモーターが停止する時刻t11の直前までは磁極の推定位置および推定回転速度に基づいた電気角でステーター巻線に電圧が印加され続けている。この結果、時刻t11から時刻t12まで間では、最終的な電圧指令値に対応する電気角の近傍でローターは停止していることになる。ただし、ローターの引き込みを行っているわけではないので、最終的な電圧指令値に対応する電気角とローターの磁極位置とが一致している訳ではない。この開示では、最終的な電圧指令値に対応する電気角をホールド角度と称する。時刻t11から時刻t12までの間は、ホールド角度の近傍の磁極位置でローターが停止したホールド状態となっている。
【0043】
次に、時刻t14からのモーターの再起動に先立って、時刻t13から時刻t14までの間で、ローターの磁極の初期位置推定が実行される。ローターに回転方向のトルクを与えるためには、ローターの磁極の初期位置に応じた適切な電気角でステーター巻線31に三相交流電流を供給する必要がある。このために、ローターの磁極の初期位置が推定される。本開示では、ローターの磁極の初期位置推定の方法としてインダクティブセンス方式が用いられる。さらに、実施の形態1のモーター制御装置では、初期磁極位置推定の際の通電電流の電気角の設定において前述のホールド角度が利用される。
【0044】
時刻t14においてローターの回転が開始されると、以後、センサレスベクトル制御方式によってブラシレスDCモーターが制御される。時刻t15から回転速度が一定の定常運転に入る。
【0045】
[センサレスベクトル制御方式の座標軸について]
図3は、センサレスベクトル制御における交流電流および磁極位置を表示するための座標軸について説明するための図である。
【0046】
図3を参照して、ベクトル制御では、3相ブラシレスDCモーター30のステーター巻線31に流れる3相交流(U相、V相、W相)を、ローターの永久磁石と同期して回転する2相の成分に変数変換する。具体的に、ローター35の磁極の方向をd軸としd軸から電気角で90°位相が進んだ方向をq軸とする。さらに、U相座標軸からのd軸の角度をθと定義する。
【0047】
ここで、ローターの回転角度を検出する位置センサーを持たない制御方式である、センサレスベクトル制御方式の場合には、ローターの回転角度を表す位置情報を何らかの方法で推定する必要がある。推定された磁極方向をγ軸とし、γ軸から電気角で90°位相が進んだ方向をδ軸とする。U相座標軸からのγ軸の角度をθ

とする。θに対するθ

の遅れを、Δθと定義する。
【0048】
モーターを起動させる際に、インダクティブセンス方式で静止状態にあるローターの磁極の初期位置を推定するときにも、図3の座標軸が用いられる。この場合、ローターの磁極の真の位置を電気角θで表す。磁極の初期位置を推定するために、ステーター巻線31に印加する電圧の電気角(通電角度または電圧印加角度とも称する)をθ

で表す。
【0049】
[モーター運転中のベクトル制御]
図4は、モーターの運転中におけるセンサレスベクトル制御回路の動作を示す機能ブロック図である。以下、図4を参照して、モーター運転中におけるセンサレスベクトル制御回路50の動作について簡単に説明する。
【0050】
センサレスベクトル制御回路50は、座標変換部55と、回転速度制御部51と、電流制御部52と、座標変換部53と、PWM変換部54と、磁極位置推定部56とを含む。
(【0051】以降は省略されています)

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