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公開番号2020115728
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006675
出願日20190118
発明の名称モータ
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類H02K 21/14 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ステータにおける高磁束密度範囲の拡大が図れ、より高効率なモータを提供する。
【解決手段】モータ1は、磁石部53を有するロータ15と、ロータ15の外周側に設けられているステータ13と、ステータコアの軸方向両端部に設けられている補助コア部66とを備える。補助コア部66は径内側においてロータ15に対向するように軸方向外側に延びるロータ対向部65を有する。ロータ15は、ロータ対向部65に径方向に対向する部位に設けられた低磁束密度部532と、ステータコア16に径方向に対向する部位に設けられて、低磁束密度部532よりも高い表面磁束密度を発生する高磁束密度部531とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
磁石部(53;153;253)を有し、回転自在に支持されているロータ(15;115;215)と、
ステータコア(16)とコイル(17)とを有し、前記ロータの外周側に設けられているステータ(13)と、
前記ステータコアの軸方向両端部に設けられて、径内側において前記ロータに対向するように軸方向外側に延びるロータ対向部(65)を有する補助コア部(66)と、
を備え、
前記ロータは、外部に伝わる表面磁束密度を発生する低磁束密度部(532;1532;2532)と、前記低磁束密度部より高い表面磁束密度を発生し、前記低磁束密度部よりも前記ロータの軸方向中央部側に設けられた高磁束密度部(531)とを有し、
前記高磁束密度部は、前記ステータコアに径方向に対向し、
前記ロータ対向部は、前記低磁束密度部に径方向に対向する部分を有するモータ。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記ロータ対向部の全体は、前記低磁束密度部に径方向に対向している請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記低磁束密度部は、軸方向について前記ロータ対向部と前記ステータコアの両方にわたって径方向に対向している請求項1または請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記低磁束密度部は、前記ロータ対向部の軸方向端部よりも軸方向の外側に突出している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項5】
前記高磁束密度部と前記低磁束密度部は軸方向に離間し、互いの間には隙間(531a)が形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項6】
前記低磁束密度部は、前記ロータの表面に磁石を設置した表面磁石を有し、
前記高磁束密度部は、前記ロータの内部に磁石を組み込んだ埋込磁石を有し、
前記ロータの軸方向一端側に位置する前記低磁束密度部と前記ロータの軸方向他端側に位置する前記低磁束密度部は、前記高磁束密度部に対して周方向に逆側にずれた位置に設けられ、
前記軸方向一端側の前記低磁束密度部と前記軸方向他端側の前記低磁束密度部のそれぞれは、前記高磁束密度部に対して、前記高磁束密度部のトルクが最大となる最適進角度分、周方向にずれた位置に設けられている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記ロータの軸方向一端側に位置する前記低磁束密度部と前記ロータの軸方向他端側に位置する前記低磁束密度部は、前記高磁束密度部に対して周方向に逆側にずれた位置に設けられ、
前記軸方向一端側の前記低磁束密度部と前記軸方向他端側の前記低磁束密度部は、180度を基本次数で除算して求めた角度分、周方向にずれている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項8】
前記低磁束密度部は、前記ロータの表面に磁石を設置した表面磁石を有し、
前記高磁束密度部は、前記ロータの内部に磁石を組み込んだ埋込磁石を有し、
前記低磁束密度部は、前記高磁束密度部のトルクが最大となる最適進角度を極対数で除算して求めた角度分、前記高磁束密度部に対して回転方向にずれた位置に設けられている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記低磁束密度部はフェライト磁石を有し、前記高磁束密度部はネオジム磁石を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項10】
前記低磁束密度部はフェライト磁石を有し、前記高磁束密度部はSmFeNボンド磁石を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記低磁束密度部はSmFeNボンド磁石を有し、前記高磁束密度部はネオジム磁石を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項12】
前記低磁束密度部と前記高磁束密度部は、前記ロータの表面に磁石を設置した表面磁石を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項13】
前記低磁束密度部は前記ロータの表面に磁石を設置した表面磁石を有し、前記高磁束密度部は前記ロータの内部に磁石を組み込んだ埋込磁石を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項14】
前記低磁束密度部と前記高磁束密度部は、前記ロータの内部に磁石を組み込んだ埋込磁石を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、モータに関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、断面L字形状の鍔部を、ステータコアの軸方向の外側において永久磁石の外周面に対向するように設けたモータを開示している。この鍔部によれば、永久磁石とステータティースとの対向面積を大きくすることができ、モータの効率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−220271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の開示によれば、鍔部に多くの磁束を取り込むことにより、鍔部近傍のステータコアには高い磁束密度を形成できるが、鍔部から離れた部位のステータコアには、高い磁束密度を形成しにくい。このため、特許文献1のモータは出力向上の観点において改良の余地がある。
【0005】
この明細書に開示する目的は、ステータにおける高磁束密度範囲の拡大が図れ、より高効率なモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
開示されたモータの一つは、磁石部(53)を有し、回転自在に支持されているロータ(15;115;215)と、ステータコア(16)とコイル(17)とを有し、ロータの外周側に設けられているステータ(13)と、ステータコアの軸方向両端部に設けられて、径内側においてロータに対向するように軸方向外側に延びるロータ対向部(65)を有する補助コア部(66)と、を備え、
ロータは、外部に伝わる表面磁束密度を発生する低磁束密度部(532;1532;2532)と、低磁束密度部より高い表面磁束密度を発生し、低磁束密度部よりもロータの軸方向中央部側に設けられた高磁束密度部(531)とを有し、
高磁束密度部は、ステータコアに径方向に対向し、
ロータ対向部は、低磁束密度部に径方向に対向する部分を有する。
【0008】
このモータによれば、補助コア部に比較的低い表面磁束密度を発生する部分を対向させ、ステータコアに高い表面磁束密度を発生する部分を対向させる構成により、高い磁束密度分布が補助コア部付近に偏在する状態を抑制できる。これにより、ステータコアにおいて、補助コア部から軸方向中央側に離間した部分に高い磁束密度分布を形成でき、ステータコアの広範囲に有効な磁束を流すことができる。この開示によれば、ステータにおける高磁束密度範囲の拡大が図れ、より高効率なモータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態のモータの構成を示した縦断面図である。
第1実施形態のロータおよびステータコアの構成を示した部分縦断面図である。
第1実施形態のロータを示した概要図である。
第1実施形態のステータにおける磁束密度分布を示した図である。
従来のステータにおける磁束密度分布を示した図である。
第2実施形態のロータを示した概要図である。
第2実施形態のロータの一例に関して、機械角が互いに3度ずれている2つの低磁束密度部によるコギング振幅波形を示した図である。
第3実施形態のロータを示した概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0011】
(第1実施形態)
明細書に開示の目的を達成可能なモータの一実施形態である第1実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。モータ1は、例えば、車両用機器、家電製品等に用いられるブラシレスモータに適用することができる。
【0012】
図1に示すように、モータ1は、第1エンドフレーム11と第2エンドフレーム12とによってステータ13を回転軸方向に挟持した構成を有している。第1エンドフレーム11と第2エンドフレーム12とは、ステータ13の外周に設置される複数のスルーボルト14を用いて固定されている。ステータ13の内側には、ロータ15が回転可能に設置されている。
【0013】
ステータ13は、円筒状のステータコア16と、ステータコア16に巻装されたコイル17とを備える。ステータコア16は、環状をなす外周縁部と、それぞれ外周縁部から径内側へ延び周方向に並ぶ複数のティース部とを備える。外周縁部は、その外周面が円筒面をなし、軸方向の両端面が軸方向と直交する平面状をなすように形成されている。コイル17は複数のティース部に跨って巻装されている。コイル17は各ティース部にインシュレータを介して巻装されている。コイル17は、例えば、U相、V相、W相の三相コイルである。コイル17が制御装置によって通電制御されることにより、ティース部の励磁状態が切り替えられる。励磁されたティース部に、磁石部53に設けられた磁極が磁気吸引、磁気反発されることにより、ロータ15の回転状態が制御される。
【0014】
ステータコア16は、複数枚のステータコアプレート18を軸方向に積層してかしめて一体化することによって形成されている。ステータコア16のティース部は、軸方向に積層されたステータコアプレート18のティース部によって構成されている。ステータコアプレート18は、電磁鋼板材をプレス加工により打ち抜いて形成されている。ステータコア16の軸方向の両端部には、縦断面L字状の補助コア部66が固定されている。補助コア部66は、磁性を有する部材であり、同形状のものがステータコア16の軸方向両側に1個ずつ設けられている。
【0015】
第1エンドフレーム11、第2エンドフレーム12は、金属材料によって形成され、鋳造により形成されている。第1エンドフレーム11は、円盤状の第1本体部21と、第1本体部21から軸方向に延出された円筒状の第1ステータ保持部22を備える。第1エンドフレーム11は、第1ステータ保持部22の外周面および第1本体部21に一体に設けられた複数の第1ボルト締結部23を備える。第2エンドフレーム12は、円盤状の第2本体部31と、第2本体部31から軸方向に延出された円筒状の第2ステータ保持部32を備える。第2エンドフレーム12は、第2ステータ保持部32の外周面および第2本体部31に一体に設けられた複数の第2ボルト締結部33を備える。第2エンドフレーム12は、螺子によってモータ1を外部の固定場所に固定するための固定部を有する。この固定部は、第2本体部31において2つの第2ボルト締結部33から周方向にずれた2箇所から径方向外側に延設されている。モータ1は、例えば、第1エンドフレーム11に対して第2エンドフレーム12が下方に位置するように固定場所に固定される。
【0016】
第1ステータ保持部22の先端部には、ステータコア16の軸方向の一端部が径内側に嵌合された第1嵌合部25が設けられている。第2ステータ保持部32の先端部には、ステータコア16の軸方向の他端部が径内側に嵌合された第2嵌合部35が設けられている。第1嵌合部25と第2嵌合部35は、軸方向と平行に延出されるとともに、軸方向に視て周方向に沿った円弧状をなしている。
【0017】
第1エンドフレーム11は、第1ステータ保持部22の中心軸線と直交する方向に第1嵌合部25の基端部と隣り合う第1当接面26を有する。第2エンドフレーム12は、第2ステータ保持部32の中心軸線と直交する方向に第2嵌合部35の基端部と隣り合う第2当接面36を有する。第1当接面26には、第1嵌合部25に嵌入されたステータコア16の外周縁部における軸方向の一端面が軸方向に当接している。第2当接面36には、第2嵌合部35に嵌入されたステータコア16の外周縁部における軸方向の他端面が軸方向に当接している。この状態において、第1エンドフレーム11と第2エンドフレーム12は、第1ステータ保持部22と第2ステータ保持部32によってステータ13を挟持しつつスルーボルト14によって一体に固定されている。
【0018】
第1本体部21の中央部には、軸方向の外側に凹む軸受収容部29が形成されている。軸受収容部29は、ロータコア52側からボールベアリング19を装着可能に形成されている。軸受収容部29は内周面が軸方向に延びる円筒状をなしている。軸受収容部29の底部中央には、軸受収容部29の底部を軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。第1本体部21における貫通孔の径外側の部分とボールベアリング19との間には、ボールベアリング19をステータ13側に軸方向に付勢するウェーブワッシャ41が介在されている。
【0019】
第2本体部31の中央部には、軸方向の内側に凹む軸受収容部40が形成されている。軸受収容部40は、第2エンドフレーム12の軸方向外側からボールベアリング20を装着可能に形成されている。第2エンドフレーム12は、軸受収容部40内に設置されたボールベアリング20を、第1エンドフレーム11に保持されたボールベアリング19と同軸となるように保持している。軸受収容部40の底部中央には、軸受収容部40の底部を軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0020】
ロータ15は、ボールベアリング19およびボールベアリング20に回転可能に支持された回転軸部51と、回転軸部51に固定されたロータコア52と、ロータコア52の外周に設けられた磁石部53とを備える。ロータ15は、さらに磁石部53の外表面を覆って保持する筒状の非磁性カバー54を備える。磁石部53は、ステータコア16の内周面と非磁性カバー54を介して径方向に対向している。回転軸部51の一端部、例えば上端部は、第1エンドフレーム11の外部に突出している。第1エンドフレーム11の突出部分には、固定部材56を介してセンサマグネット57が固定されている。
【0021】
第1エンドフレーム11の外側面には制御部61が固定されている。制御部61は、第1エンドフレーム11に固定されているカバー62と、カバー62内に収容されている回路基板63とを備える。回路基板63には、センサマグネット57と対向する磁気センサ63a等を含む種々の素子が実装されている。回路基板63には、コイル17の端部が電気的に接続されている。回路基板63には、モータ1に給電するための外部コネクタが接続されるコネクタ部64が固定されている。コネクタ部64はカバー62の外部に露出している。外部コネクタから供給された電源が回路基板63を介してコイル17に供給されることにより、ロータ15は回転する。
【0022】
ロータコア52は、複数枚のロータコアプレートの積層体である第1積層体521と、複数枚のロータコアプレートの積層体である第2積層体522とを含んでいる。第2積層体522は、第1積層体521の軸方向両端部のそれぞれに一体に設けられている。第2積層体522は、ロータコア52における軸方向両端部に位置している。第1積層体521は、2個の第2積層体522によって軸方向に挟持する構成により、ロータコア52における中央部に位置している。ロータコア52の軸方向長さは、ステータコア16と補助コア部66とを組み合わせた一体物の軸方向長さと同程度に設定されている。第1積層体521に含まれるロータコアプレートは、例えばプレス加工されたSPCCなどの冷間圧延鋼板によって構成されている。第2積層体522に含まれるロータコアプレートは、例えばプレス加工されたケイ素鋼板などの電磁鋼板によって構成されている。
【0023】
補助コア部66は、ステータコア16の軸方向両端に位置するステータコアプレート18に積層された環状盤部67を備える。環状盤部67は、ステータコアプレート18に対して平行かつ同軸となるように積層されている。環状盤部67には、それぞれ径方向内側に延びる複数のティース部が形成されている。環状盤部67のティース部は、軸方向視においてステータコアプレート18のティース部と同形状をなしている。補助コア部66は、環状盤部67およびティース部がステータコアプレート18の外周縁部およびティース部とそれぞれ軸方向に重なるように設けられている。
【0024】
ロータ対向部65は、補助コア部66において、環状盤部67の径内側端部から軸方向外側へ延出されている。ロータ対向部65は、ティース部を形成する径内側端部が軸方向外側に直角に屈曲されて形成された部分である。ロータ対向部65の内径面は、ステータコア16の内径面と同径となるように形成されている。ロータ対向部65は、ロータ対向部65に対して離間する非磁性カバー54を間に介在させた構成で低磁束密度部532に径方向に対向している。
【0025】
磁石部53は、外部に伝わる表面磁束密度を発生する低磁束密度部532と、低磁束密度部532よりも高い表面磁束密度を発生する高磁束密度部531とを含んでいる。低磁束密度部532と高磁束密度部531のそれぞれには、N極、S極である複数の磁極が周方向に交互に設けられている。
【0026】
高磁束密度部531は、ステータコア16に径方向に対向する位置に設けられている。高磁束密度部531は、ロータ対向部65に対して、径方向に対向しない、軸方向にずれた位置に設けられている。低磁束密度部532は、少なくともロータ対向部65に径方向に対向する位置に設けられている。低磁束密度部532は、ロータ対向部65に径方向に対向しステータコア16には径方向に対向しない位置に設けられている構成でもよい。この構成の場合には、ステータコア16は、後述する端部側コア部162を備えない構成となる。
【0027】
低磁束密度部532は、高磁束密度部531の軸方向両端部のそれぞれに一体に設けられている。低磁束密度部532は、磁石部53における軸方向両端部に位置している。高磁束密度部531は、2個の低磁束密度部532によって軸方向に挟持されている構成により、磁石部53における軸方向中央部を含む位置に設けられている。磁石部53の軸方向長さは、ステータコア16と補助コア部66とを組み合わせた一体物の軸方向長さと同程度に設定されている。図3に示すように、低磁束密度部532と高磁束密度部531とは、周方向位置が揃っており、軸方向に整列するように設けられている。
【0028】
低磁束密度部532は、ロータコア52の表面に磁石を設置した表面磁石形であるSPM(Surface Permanent Magnet)を有して形成されている。SPMタイプに用いられる磁石は、ロータコア52の表面を取り囲む1個の円筒状体、周方向に並ぶ複数のセグメントが一体化されて円筒状体を形成する構成、によって提供することができる。低磁束密度部532に含まれる磁石は、高磁束密度部531に含まれる磁石よりも磁気エネルギが小さい焼結体であり、この焼結体として例えばフェライト磁石を用いることができる。
【0029】
低磁束密度部532は、いわゆるボンド磁石によって形成してもよい。低磁束密度部532は、磁性体粉を含有した樹脂材料を金型内で成形して製造することができる。低磁束密度部532の磁極部は、金型内で成形する際に着磁されることにより、低磁束密度部532の外周面における所定の位置に設置されることになる。この場合、低磁束密度部532の成型工程では、金型のキャビティに磁性体粉を含有した溶融状態の樹脂を注入し、所定の磁場配向を行う磁場配向工程を実施する。所定の磁場配向が完了した低磁束密度部532を固化し、型開きをして低磁束密度部532を取り出す。取り出された低磁束密度部532は、第2積層体522の外周面に固定されることにより、ロータ15において、ロータ対向部65に径方向に対向する位置に設置されることになる。
【0030】
また、低磁束密度部532は、サマリウム、鉄および窒素を含有するSmFeNボンド磁石によって形成する構成でもよい。この場合、高磁束密度部531は、低磁束密度部532よりも磁気エネルギが大きい焼結体としてのネオジム磁石を用いることができる。
【0031】
図2に示すように、低磁束密度部532は、ロータ対向部65とステータコア16の軸方向端部を含む端部側コア部162との両方に径方向に対向する範囲に設けられている。低磁束密度部532は、ロータ対向部65と端部側コア部162との両方に径方向に対向する範囲に設けられている。低磁束密度部532は、ロータ対向部65よりも軸方向に長く、ロータ対向部65よりもステータコア16の軸方向中央部側に突出する形状である。
【0032】
低磁束密度部532は、ロータ対向部65の軸方向端部よりも軸方向の外側に突出する構成でもよい。ロータ対向部65の全体は、低磁束密度部532に径方向に対向する構成でもよい。低磁束密度部532とロータ対向部65は、軸方向長さが一致する構成であってもよい。また、低磁束密度部532の軸方向長さ全体は、ロータ対向部65に径方向に対向する構成であってもよい。
【0033】
端部側コア部162は、ステータコア16における軸方向両端部のそれぞれから中央部側へ所定の軸方向長さを有する部分である。ステータコア16において軸方向中央部を含む、端部側コア部162と端部側コア部162との間には、中央側コア部161が設けられている。
【0034】
高磁束密度部531は、中央側コア部161に径方向に対向する範囲に設けられている。高磁束密度部531は、ロータ対向部65に対して径方向に対向する範囲には設けられていない。高磁束密度部531は、ステータコア16よりも軸方向長さが短い形状であり、ロータ対向部65よりもステータコア16の軸方向中央部寄りに設けられている。
【0035】
高磁束密度部531は、ロータ15の鉄心内部に磁石を組み込んだ埋込磁石形であるIPM(Interior Permanent Magnet)を有して形成されている。IPMタイプに用いられる磁石は、ロータ15の外周縁近傍において円筒状に埋め込まれた、それぞれ横断面扇状である複数のセグメントによって提供することができる。IPMタイプに用いられる磁石は、ロータ15の内部において周方向に並ぶように埋め込まれた、それぞれ横断面直方体状である複数のセグメントによって提供することができる。高磁束密度部531に含まれる磁石は、低磁束密度部532に含まれる磁石よりも磁気エネルギが大きい焼結体であり、この焼結体として例えばネオジム磁石を用いることができる。
【0036】
高磁束密度部531は、ステータ13の中央部を含む範囲に伝わる磁束密度を高めることに寄与する。IPMタイプの高磁束密度部531によれば、高回転のモータ1において好適であり、リラクタンストルクを活用できるため、このトルクが磁石トルクと合成することによって、大きな総トルクを提供できる。
【0037】
また、高磁束密度部531は、SPMタイプであり、かつサマリウム、鉄および窒素を含有するSmFeNボンド磁石によって形成することが好ましい。この構成の高磁束密度部531によれば、ステータ13の中央部を含む範囲に伝わる磁束量を大きく形成することができ、モータ1のトルク変動の低減に寄与する。
【0038】
高磁束密度部531と低磁束密度部532は、ロータコア52の表面に磁石を設置した表面磁石形であるSPMを有する構成でもよい。この構成によれば、モータ1のトルクリップルを抑え、コギングの低減に寄与する。
【0039】
高磁束密度部531と低磁束密度部532は、ロータ15の鉄心内部に磁石を組み込んだ埋込磁石形であるIPMを有する構成でもよい。この構成によれば、埋込磁石によって、モータ1のトルク変動の抑制が図れ、磁石部53の材料コストを低減できるとともにリラクタンストルクの活用によりトルクアップが図れる。またこの構成によれば、モータ1のトルクリップルを抑え、コギングの低減に寄与する。
【0040】
図2に示すように、低磁束密度部532と高磁束密度部531とは、軸方向に離間して設けられている。ロータ15の中央部側に位置する低磁束密度部532の端部と軸方向外側に位置する高磁束密度部531の端部とは離間し、両者間には隙間531aが形成されている。低磁束密度部532と高磁束密度部531とは、直接的に接触しないように設けられていることが好ましい。
【0041】
第1実施形態のモータ1によって得られるステータ13における磁束密度分布について図4を参照して説明し、従来のモータによるステータ13における磁束密度分布について図5を参照して説明する。
【0042】
図5に図示するように、従来においては、ロータコア520の外周に設けられた磁石部530は、軸方向全体にわたって同程度の表面磁束密度を発生する構成であるため、補助コア部66とステータコア160の軸方向端部付近とに磁束が集中する。このため、ステータコア160において、高磁束密度範囲164Hが軸方向端部に集中し、低磁束密度範囲164Lが軸方向端部よりも中央部寄りの広範囲に形成されることになる。つまり、ステータコア160には、まだ有効磁束を流すことが可能な範囲が大きく、ステータコア160を有効に使用できているとはいえない。
【0043】
これに対して、第1実施形態のモータ1においては、磁石部53は、低磁束密度部532によって補助コア部66およびその付近に対して低い表面磁束密度を発生し、高磁束密度部531によってステータコア16に対して高い表面磁束密度を発生する。このため、補助コア部66とステータコア16の軸方向端部付近とに高い磁束密度が集中することがなく、図4に図示するように、端部側コア部162と中央側コア部161とにわたって軸方向に延びる高磁束密度範囲164Hが形成されることになる。つまり、ステータコア16には、補助コア部66側だけでなく軸方向の広範囲にわたって高い磁束が流れており、ステータコア16の広範囲に有効な磁束が形成されて、ステータ13における高磁束密度範囲の拡大が図れている。
【0044】
第1実施形態のモータ1がもたらす作用効果について説明する。モータ1は、磁石部53を有するロータ15と、ロータ15の外周側に設けられているステータ13と、ステータコア16の軸方向両端部に設けられる補助コア部66とを備える。補助コア部66は、径内側においてロータ15に対向するように軸方向外側に延びるロータ対向部65を有する。ロータ15は、外部に伝わる表面磁束密度を発生する低磁束密度部532と、低磁束密度部532より高い表面磁束密度を発生し低磁束密度部532よりもロータ15の軸方向中央部側に設けられた高磁束密度部531とを有する。高磁束密度部531はステータコア16に径方向に対向する。ロータ対向部65は低磁束密度部532に径方向に対向する部分を有する。
【0045】
このモータ1によれば、補助コア部66に比較的低い表面磁束密度を発生する部分を対向させ、ステータコア16に高い表面磁束密度を発生する部分を対向させる構成により、高い磁束密度分布が補助コア部66付近に偏在する状態を抑制できる。これにより、ステータコア16において、補助コア部66から軸方向中央側に離間した部分に高い磁束密度分布を形成でき、ステータコア16の広範囲に有効な磁束を形成することができる。この構成によれば、ステータコア16における高磁束密度範囲の拡大が図れるモータ1を提供できる。
【0046】
図5に示すように、従来の補助コア部における飽和磁束密度を考慮した磁石部では、ステータコアに十分な磁束が流れていないが、第1実施形態のモータ1によれば、従来と同じ体格であっても、トルクアップを図ることができる。
【0047】
ロータ対向部65の全体は、低磁束密度部532に径方向に対向している。この構成によれば、低磁束密度部532からの低磁束密度がロータ対向部65を通る支配的な磁束になるため、補助コア部66における高磁束密度の影響を抑えることができる。
【0048】
低磁束密度部532は、軸方向についてロータ対向部65とステータコア16の両方にわたって径方向に対向している。この構成によれば、高磁束密度の磁束が補助コア部66に向けて流れにくいため、磁気飽和を抑制でき、コギングを抑制できる。
【0049】
低磁束密度部532は、ロータ対向部65の軸方向端部よりも軸方向の外側に突出している。この構成によれば、低磁束密度部532から補助コア部66に入っていく磁束量を確実に増やすことに寄与する。
【0050】
低磁束密度部532と高磁束密度部531とは軸方向に離間し、互いの間には隙間531aが形成されている。この構成によれば、低磁束と高磁束とが軸方向に混在することを抑制できるため、ステータコア16側に対して、低磁束密度形成エリアと高磁束密度形成エリアとに明確に区分けされた磁束を提供することができる。
(【0051】以降は省略されています)

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