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公開番号2020115727
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006587
出願日20190118
発明の名称電力変換装置の制御装置
出願人Mywayプラス株式会社,国立大学法人千葉大学
代理人個人
主分類H02M 7/12 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電気部品としてのコイル素子を実装しない場合においても、入力電流の歪みを十分に低減できるようにする。
【解決手段】本発明による制御装置4は、系統電源2に接続されたAC/ACコンバータ10と、負荷3に接続されたAC/DCコンバータ30と、AC/ACコンバータ10に接続された一次側コイル20a、及び、AC/DCコンバータ30に接続された二次側コイル20bを有するトランス20と、を有する電力変換装置1の制御装置4であって、トランス20の励磁インダクタンスに基づいて算出されたデューティ比が実現されるようAC/ACコンバータ10のスイッチングを実施するとともに、トランス20の励磁インダクタンスに基づいて算出された位相差が実現されるようAC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30それぞれのスイッチングを実施するよう構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
交流電源に接続されたAC/ACコンバータと、
直流電源に接続されたAC/DCコンバータと、
前記AC/ACコンバータに接続された一次側コイル、及び、前記AC/DCコンバータに接続された二次側コイルを有するトランスと、
を有する電力変換装置の制御装置であって、
前記トランスの励磁インダクタンスに基づいて算出されたデューティ比が実現されるよう前記AC/ACコンバータのスイッチングを実施するとともに、前記励磁インダクタンスに基づいて算出された位相差が実現されるよう前記AC/ACコンバータ及び前記AC/DCコンバータそれぞれのスイッチングを実施する、
制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記交流電源から前記AC/ACコンバータに流れ込む入力電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値が所与の入力電流指令値に一致し、かつ、前記AC/DCコンバータから前記直流電源に流れ込む出力直流電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値が所与の出力直流電流指令値に一致するように、前記デューティ比及び前記位相差を算出する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記入力電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値は、前記励磁インダクタンスに基づく前記トランスの一次側電流を用いて導出され、
前記出力直流電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値は、前記励磁インダクタンスに基づく前記トランスの二次側電流を用いて導出される、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記一次側電流は、前記トランスの巻き数比n、前記トランスの一次側漏れインダクタンスL

、前記トランスの二次側漏れインダクタンスn



、及び前記トランスの励磁インダクタンスL

を用いて式(1)のように表されるインダクタンスL'と、前記n



、前記L

、及び前記トランスの一次側入力電圧v

を用いて式(2)のように表される一次側入力電圧v

'とを用いて式(3)により表される電流i
L1
であり、
前記二次側電流は、前記インダクタンスL'と、前記L

、前記L

、及び前記トランスの二次側入力電圧v

を用いて式(4)のように表される二次側入力電圧v

'とを用いて式(5)により表される電流i
L2
である、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記AC/DCコンバータは、一端が前記直流電源の一端を構成する第5のノードに接続され、他端が前記二次側コイルの一端を構成する第3のノードに接続された第1の片方向スイッチ素子、一端が前記直流電源の他端を構成する第6のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の片方向スイッチ素子、一端が前記第5のノードに接続され、他端が前記二次側コイルの他端を構成する第4のノードに接続された第3の片方向スイッチ素子、及び、一端が前記第6のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第4の片方向スイッチ素子を有し、
前記AC/ACコンバータは、一端が三相交流である前記交流電源の第1相に対応する第7のノードに接続され、他端が前記一次側コイルの一端を構成する第1のノードに接続された第1の双方向スイッチ素子、一端が前記交流電源の第2相に対応する第8のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第2の双方向スイッチ素子、一端が前記交流電源の第3相に対応する第9のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第3の双方向スイッチ素子、一端が前記第7のノードに接続され、他端が前記一次側コイルの他端を構成する第2のノードに接続された第4の双方向スイッチ素子、一端が前記第8のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第5の双方向スイッチ素子、及び、一端が前記第9のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第6の双方向スイッチ素子を有するマトリックスコンバータである、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置の制御装置に関し、特に、電気部品としてのコイル素子を実装しない電力変換装置の制御装置に関する。
続きを表示(約 17,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー問題対策のため、電気自動車、家庭用蓄電池といった直流機器が普及し始めているが、こういった直流機器と系統電源を接続する際には、間に直流電力と交流電力とを相互に変換する電力変換装置を挿入する必要がある。非特許文献1には、この種の電力変換装置として、MC(マトリックスコンバータ)式DAB(デュアルアクティブブリッジ)形双方向絶縁形AC/DCコンバータを用いる例が開示されている。MC式DAB形双方向絶縁形AC/DCコンバータは双方向絶縁形AC/DCコンバータの一種であるが、回路構成をDAB形とするとともに一次側にMCを用いることで、双方向、大容量の用途に適した構成となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
繁内宏治、外4名、「マトリックスコンバータを適用した双方向絶縁形AC/DCコンバータの入力電流波形改善」、電気学会研究会資料、一般社団法人電気学会、2016年、Vol.SPC−16−153、p.25−30
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、双方向絶縁形AC/DCコンバータにおいては一般に、トランスの一次側と二次側のそれぞれに電気部品としてのコイル素子が意図的に実装されるが、これらのコイル素子の実装は製造コストを押し上げる要因となっており、コストの削減が求められていた。
【0005】
このようなコスト削減の要請に関して、本願の発明者は、例えば50kHzの高い周波数で双方向絶縁形AC/DCコンバータを動作させる場合には、必要なコイル素子のインダクタンスが小さくなり、少なくともインダクタンスの大きさだけ見ると、漏れインダクタンスを意図的に大きくした特殊なトランスであれば、トランスの漏れインダクタンスで十分に代替できることを見出した。
【0006】
しかしながら、本願の発明者が電気部品としてのコイル素子の実装を実際に排し、トランスの漏れインダクタンスで代替してみた結果、入力電流に大きな歪みが発生することが判明した。その原因は、トランスの漏れインダクタンスを大きくしたことにより、励磁インダクタンスが無視できないほど小さくなったことによるものである。これでは実際の製品に適用することはできないので、更なる改良が必要とされた。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、電気部品としてのコイル素子を実装しない場合においても、入力電流の歪みを十分に低減できる電力変換装置の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面による電力変換装置の制御装置は、交流電源に接続されたAC/ACコンバータと、直流電源に接続されたAC/DCコンバータと、前記AC/ACコンバータに接続された一次側コイル、及び、前記AC/DCコンバータに接続された二次側コイルを有するトランスと、を有する電力変換装置の制御装置であって、前記トランスの励磁インダクタンスに基づいて算出されたデューティ比が実現されるよう前記AC/ACコンバータのスイッチングを実施するとともに、前記励磁インダクタンスに基づいて算出された位相差が実現されるよう前記AC/ACコンバータ及び前記AC/DCコンバータそれぞれのスイッチングを実施する、制御装置である。
【0009】
上記制御装置において、前記交流電源から前記AC/ACコンバータに流れ込む入力電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値が所与の入力電流指令値に一致し、かつ、前記AC/DCコンバータから前記直流電源に流れ込む出力直流電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値が所与の出力直流電流指令値に一致するように、前記デューティ比及び前記位相差を算出する、こととしてもよい。
【0010】
上記制御装置においてさらに、前記入力電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値は、前記励磁インダクタンスに基づく前記トランスの一次側電流を用いて導出され、前記出力直流電流の前記励磁インダクタンスに基づく平均値は、前記励磁インダクタンスに基づく前記トランスの二次側電流を用いて導出される、こととしてもよい。
【0011】
上記制御装置においてさらに、前記一次側電流は、前記トランスの巻き数比n、前記トランスの一次側漏れインダクタンスL

、前記トランスの二次側漏れインダクタンスn



、及び前記トランスの励磁インダクタンスL

を用いて式(1)のように表されるインダクタンスL'と、前記n



、前記L

、及び前記トランスの一次側入力電圧v

を用いて式(2)のように表される一次側入力電圧v

'とを用いて式(3)により表される電流i
L1
であり、前記二次側電流は、前記インダクタンスL'と、前記L

、前記L

、及び前記トランスの二次側入力電圧v

を用いて式(4)のように表される二次側入力電圧v

'とを用いて式(5)により表される電流i
L2
である、こととしてもよい。
【0012】
【0013】
また、上記各制御装置においてさらに、前記AC/DCコンバータは、一端が前記直流電源の一端を構成する第5のノードに接続され、他端が前記二次側コイルの一端を構成する第3のノードに接続された第1の片方向スイッチ素子、一端が前記直流電源の他端を構成する第6のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の片方向スイッチ素子、一端が前記第5のノードに接続され、他端が前記二次側コイルの他端を構成する第4のノードに接続された第3の片方向スイッチ素子、及び、一端が前記第6のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第4の片方向スイッチ素子を有し、前記AC/ACコンバータは、一端が三相交流である前記交流電源の第1相に対応する第7のノードに接続され、他端が前記一次側コイルの一端を構成する第1のノードに接続された第1の双方向スイッチ素子、一端が前記交流電源の第2相に対応する第8のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第2の双方向スイッチ素子、一端が前記交流電源の第3相に対応する第9のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第3の双方向スイッチ素子、一端が前記第7のノードに接続され、他端が前記一次側コイルの他端を構成する第2のノードに接続された第4の双方向スイッチ素子、一端が前記第8のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第5の双方向スイッチ素子、及び、一端が前記第9のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第6の双方向スイッチ素子を有するマトリックスコンバータである、こととしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、入力電流に歪みが発生する原因となっていたトランスの励磁インダクタンスをスイッチングに反映できるので、電気部品としてのコイル素子を実装しない場合においても、入力電流の歪みを十分に低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施の形態による電力変換装置1及びその制御装置4の構成を示す図である。
(a)は、図1に示したAC/ACコンバータ10の具体的な構成例を示す図であり、(b)は、図1に示したAC/DCコンバータ30の具体的な構成例を示す図である。
(a)は、電力変換装置1が力行動作を行う場合の電圧v

,v

、一次側電流i
L1
、及び入力電流i

,i

の各波形を示す図であり、図3(b)は、電力変換装置1が回生動作を行う場合の電圧v

,v

、一次側電流i
L1
、及び入力電流i

,i

の各波形を示す図である。
本実施の形態において採用されるトランス20のT型等価回路を示す図である。
制御装置4が本実施の形態による制御を行った場合における、(a)交流電圧e

,e

,e

及び(b)入力電流i

,i

,i

を示す図である
本発明の実施例(実線及び黒丸)と、本発明の比較例(破線及び黒四角)とのそれぞれについて、全高調波歪み率THD(Total Harmonic Distortion)を測定した結果を示す図である。
本発明の背景技術による電力変換装置100及びその制御装置110の構成を示す図である。
本発明の背景技術において採用される励磁インダクタンスを考慮しないトランス103及びコイル素子101,102を一次側に換算した等価回路を示す図である。
コイル素子101,102をトランス103の漏れインダクタンスで代替し、かつ、制御装置110が本発明の背景技術による制御を行った場合における、(a)交流電圧e

,e

,e

及び(b)入力電流i

,i

,i

を示す図である。
トランス103の励磁インダクタンスが無限大であると仮定して、図9と同じ場合をシミュレートした結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態による電力変換装置1及びその制御装置4の構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態による電力変換装置1は、交流リアクトルLfと、ダンピング抵抗Rfと、入力キャパシタCfと、AC/ACコンバータ10と、トランス20と、AC/DCコンバータ30とを有する双方向絶縁形AC/DCコンバータであり、交流電源を構成する系統電源2と、直流電源を構成する負荷3との間に接続される。図1には示していないが、AC/ACコンバータ10はマトリックスコンバータ、AC/DCコンバータ30はフルブリッジ形のコンバータであり、したがって電力変換装置1はDAB形の双方向絶縁形AC/DCコンバータである。以下では、系統電源2は三相の交流電源であるとして説明を続ける。
【0018】
トランス20は、互いに磁気結合する一次側コイル20a及び二次側コイル20bを有して構成される。コイル20a,20bの巻き数はそれぞれN

及びN

であり、コイル20a,20bの巻き数比nは、n=N

/N

となる。図1に示したインダクタンスL

,L

はそれぞれ、トランス20の一次側及び二次側の漏れインダクタンスを表している。以下では、コイル20aの一端を第1のノードn

、他端を第2のノードn

と称し、コイル20bの一端を第3のノードn

、他端を第4のノードn

と称する。また、第1のノードn

を通ってトランス20に流れ込む電流を一次側電流i
L1
と称し、第3のノードn

を通ってトランス20から流れ出す電流を二次側電流i
L2
と称する。
【0019】
二次側コイル20bは、AC/DCコンバータ30を介して負荷3に接続される。以下では、AC/DCコンバータ30のコイル20b側の出力電圧(すなわち、第4のノードn

に対する第3のノードn

の電圧)を電圧v

と称する。電圧v

は、トランス20の二次側入力電圧を構成する。
【0020】
AC/DCコンバータ30は、単相交流電圧(コイル20b側)と直流電圧(負荷3側)とを相互に変換する装置である。負荷3は、例えば蓄電池やハイブリッドカーのモーターを駆動するための電力変換器であり、電力変換装置1から供給される直流電力によって動作する(充電される)場合(力行)と、逆に電力変換装置1に対して直流電力を供給する場合(回生)とがある。負荷3の一端は第5のノードn

でAC/DCコンバータ30に接続され、負荷3の他端は第6のノードn

でAC/DCコンバータ30に接続される。以下では、第6のノードn

の電圧に対する第5のノードn

の電圧を出力直流電圧V
dc
と称し、第5のノードn

から負荷3に向かって流れる電流を出力直流電流I
dc
と称する。
【0021】
一次側コイル20aは、AC/ACコンバータ10、入力キャパシタCf、交流リアクトルLf、及びダンピング抵抗Rfを介して系統電源2に接続される。以下では、AC/ACコンバータ10のコイル20a側の出力電圧(すなわち、第2のノードn

に対する第1のノードn

の電圧)を電圧v

と称する。電圧v

は、トランス20の一次側入力電圧を構成する。
【0022】
AC/ACコンバータ10は、三相交流電圧(系統電源2側)と単相交流電圧(コイル20a側)とを相互に変換する装置である。系統電源2は、互いに2π/3ずつ位相のずれた正弦波信号によって表される交流電圧e

,e

,e

を生成する三相交流電源であり、例えば商用電源である。交流電圧e

は三相交流のu相(第1相)に対応し、交流電圧e

はv相(第2相)に対応し、交流電圧e

はw相(第3相)に対応する。交流電圧e

,e

,e

を数式で表すと、次の式(6)となる。ただし、Eは入力線間電圧実効値(定数)であり、ωは入力電圧の角周波数(定数)である。以下ではe

>e

>0>e

の場合に着目して説明を続けるが、その他の場合についても同様である。
【0023】
【0024】
図1に示すように、u相に対応する系統電源2の出力端は第7のノードn

で電力変換装置1に接続され、v相に対応する系統電源2の出力端は第8のノードn

で電力変換装置1に接続され、w相に対応する系統電源2の出力端は第9のノードn

で電力変換装置1に接続される。以下では、第7乃至第9のノードn

〜n

を流れる電流をそれぞれ入力電流i
eu
,i
ev
,i
ew
と称する。
【0025】
第7乃至第9のノードn

〜n

はそれぞれ、入力キャパシタCf、交流リアクトルLf、及びダンピング抵抗Rfを介して、AC/ACコンバータ10の出力端である第10乃至第12のノードn
10
〜n
12
に接続される。交流リアクトルLfは、第7のノードn

と第10のノードn
10
の間に挿入されたインダクタと、第8のノードn

と第11のノードn
11
の間に挿入されたインダクタと、第9のノードn

と第12のノードn
12
の間に挿入されたインダクタとによって構成される。ダンピング抵抗Rfは、これらのインダクタのそれぞれと並列に接続された3つの抵抗素子によって構成される。入力キャパシタCfは、デルタ結線又はスター結線によって互いに接続された3つのキャパシタによって構成されており、その3つの接続点はそれぞれ第10乃至第12のノードn
10
〜n
12
に接続される。以下では、第10乃至第12のノードn
10
〜n
12
を流れる電流をそれぞれ入力電流i

,i

,i

と称する。
【0026】
図2(a)は、図1に示したAC/ACコンバータ10の具体的な構成例を示す図である。同図に示すように、AC/ACコンバータ10は例えば、一端が第7のノードn

に接続され、他端が第1のノードn

に接続されたスイッチ素子S
up
、一端が第8のノードn

に接続され、他端が第1のノードn

に接続されたスイッチ素子S
vp
、一端が第9のノードn

に接続され、他端が第1のノードn

に接続されたスイッチ素子S
wp
、一端が第7のノードn

に接続され、他端が第2のノードn

に接続されたスイッチ素子S
un
、一端が第8のノードn

に接続され、他端が第2のノードn

に接続されたスイッチ素子S
vn
、及び、一端が第9のノードn

に接続され、他端が第2のノードn

に接続されたスイッチ素子S
wn
を有するマトリックスコンバータによって構成され得る。
【0027】
スイッチ素子S
up
,S
vp
,S
wp
,S
un
,S
vn
,S
wn
はそれぞれ、直列に接続された2つのスイッチ素子を含んで構成される双方向スイッチ(第1〜第6の双方向スイッチ素子)である。具体的に説明すると、スイッチ素子S
up
は、直列に接続されたスイッチ素子G
pu
,G
up
と、これらと並列に接続されたスナバキャパシタとによって構成される。同様に、スイッチ素子S
vp
は、直列に接続されたスイッチ素子G
pv
,G
vp
と、これらと並列に接続されたスナバキャパシタとによって構成され、スイッチ素子S
wp
は、直列に接続されたスイッチ素子G
pw
,G
wp
と、これらと並列に接続されたスナバキャパシタとによって構成され、スイッチ素子S
un
は、直列に接続されたスイッチ素子G
nu
,G
un
と、これらと並列に接続されたスナバキャパシタとによって構成され、スイッチ素子S
vn
は、直列に接続されたスイッチ素子G
nv
,G
vn
と、これらと並列に接続されたスナバキャパシタとによって構成され、スイッチ素子S
wn
は、直列に接続されたスイッチ素子G
nw
,G
wn
と、これらと並列に接続されたスナバキャパシタとによって構成される。なお、各スナバキャパシタは、半導体素子の寄生容量であってもよいし、独立した容量素子であってもよい。この点は、後述する他のスナバキャパシタについても同様である。
【0028】
スイッチ素子G
pu
,G
up
,G
pv
,G
vp
,G
pw
,G
wp
,G
nu
,G
un
,G
nv
,G
vn
,G
nw
,G
wn
はそれぞれ、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体素子と、この半導体素子と並列に接続されたダイオードとを含んで構成される片方向スイッチである。スイッチ素子G
pu
,G
up
は、第1のノードn

と第10のノードn
10
との間にこの順で、かつ、それぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続される。スイッチ素子G
pv
,G
vp
は、第1のノードn

と第11のノードn
11
との間にこの順で、かつ、それぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続される。スイッチ素子G
pw
,G
wp
は、第1のノードn

と第12のノードn
12
との間にこの順で、かつ、それぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続される。スイッチ素子G
nu
,G
un
は、第2のノードn

と第10のノードn
10
との間にこの順で、かつ、それぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続される。スイッチ素子G
nv
,G
vn
は、第2のノードn

と第11のノードn
11
との間にこの順で、かつ、それぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続される。スイッチ素子G
nw
,G
wn
は、第2のノードn

と第12のノードn
12
との間にこの順で、かつ、それぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続される。なお、双方向スイッチを構成する2つのスイッチ素子の接続について、ここではそれぞれのダイオードのアノードが相互に接続される向きで接続されるとしたが、それぞれのダイオードのカソードが相互に接続される向きで接続されることとしてもよい。
【0029】
図2には示していないが、AC/ACコンバータ10には、転流失敗時の一次側電流i
L1
を吸収するための保護回路を設けることとしてもよい。この保護回路は、フルブリッジ接続された4つのダイオードからなる整流回路と、この整流回路と並列に接続された平滑コンデンサ及び負荷とによって構成され得る。整流回路の2つの入力端はそれぞれ、第1のノードn

及び第2のノードn

に接続される。
【0030】
図2(b)は、図1に示したAC/DCコンバータ30の具体的な構成例を示す図である。同図に示すように、AC/DCコンバータ30は例えば、一端が第5のノードn

に接続され、他端が第3のノードn

に接続されたスイッチ素子G

、一端が第6のノードn

に接続され、他端が第3のノードn

に接続されたスイッチ素子G

、一端が第5のノードn

に接続され、他端が第4のノードn

に接続されたスイッチ素子G

、及び、一端が第6のノードn

に接続され、他端が第4のノードn

に接続されたスイッチ素子G

と、一端が第5のノードn

に接続され、他端が第6のノードn

に接続されたキャパシタC1とを有して構成され得る。
【0031】
スイッチ素子G

〜G

はそれぞれ、例えばMOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子と並列に接続されたダイオード及びスナバキャパシタとを含んで構成される片方向スイッチ(第1〜第4の片方向スイッチ素子)である。スイッチ素子G

は、ダイオードのアノードが第3のノードn

に接続されるように回路に組み込まれ、スイッチ素子G

は、ダイオードのカソードが第3のノードn

に接続されるように回路に組み込まれ、スイッチ素子G

は、ダイオードのアノードが第4のノードn

に接続されるように回路に組み込まれ、スイッチ素子G

は、ダイオードのカソードが第4のノードn

に接続されるように回路に組み込まれる。
【0032】
図1に戻る。制御装置4は、AC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30それぞれのスイッチングを実施する装置である。具体的には、図示しない外部装置から出力直流電流I
dc
の指令値I
dc

及び入力電流i
ev
の指令値i
ev

の入力を受け付けるとともに、交流電圧e

,e

,e

及び出力直流電圧V
dc
のフィードバック入力を受け付け、これらに基づいてAC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30それぞれのスイッチングを実施するよう構成される。制御装置4がこのような制御動作を行うことにより、系統電源2から負荷3に対し(力行の場合)、又は、負荷3から系統電源2に対し(回生の場合)、指令値I
dc

,i
ev

に応じた電力を伝送することが実現される。
【0033】
AC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30がそれぞれ図2(a)(b)に示した構成を有する場合について言えば、制御装置4は、スイッチ素子G
pu
,G
up
,G
pv
,G
vp
,G
pw
,G
wp
,G
nu
,G
un
,G
nv
,G
vn
,G
nw
,G
wn
,G

〜G

のそれぞれを構成する各半導体素子の制御電極に対して個別に制御信号(ハイ又はローいずれかの値を取る信号)を供給することによってこれらのスイッチ素子のオンオフ状態を個別に制御し、それによってAC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30それぞれのスイッチングを実施するよう構成される。
【0034】
図3(a)は、電力変換装置1が力行動作を行う場合の電圧v

,v

、一次側電流i
L1
、及び入力電流i

,i

の各波形を示す図であり、図3(b)は、電力変換装置1が回生動作を行う場合の電圧v

,v

、一次側電流i
L1
、及び入力電流i

,i

の各波形を示す図である。e

>e

>0>e

である場合、図3(a)(b)に示した電圧e

,e

はそれぞれ、次の式(7)(8)で表される電圧となる。
【0035】
【0036】
制御装置4は、力行時及び回生時のいずれにおいても、AC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30それぞれのスイッチングを所定のスイッチング周波数fで実施するよう構成される。したがって、図3にも示すように、電圧v

,v

の波形は、周期1/fで同じ波形の繰り返しとなる。ただし、制御装置4は、力行時には、所定時間δ/2πfだけAC/ACコンバータ10に遅れてAC/DCコンバータ30の制御を行うよう構成され、回生時には、所定時間δ/2πfだけAC/DCコンバータ30に遅れてAC/ACコンバータ10の制御を行うよう構成されている。その結果、図3にも示すように、力行時には電圧v

の位相が電圧v

の位相に対してδだけ進んでおり、回生時には電圧v

の位相が電圧v

の位相に対してδだけ遅れている。したがってδは、電圧v

と電圧v

の間の位相差を表している。
【0037】
力行時及び回生時それぞれの各周期における制御装置4の制御内容は次のとおりである。すなわち、まず力行時のAC/ACコンバータ10に関して、制御装置4は、初めに時間(1−d

)/2fにわたり、電圧v

を電圧e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
up
,S
wn
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
vp
,S
wp
,S
un
,S
vn
のそれぞれをオフとする制御である。d

は0<d

<1/2fを満たす値であり、AC/ACコンバータ10の制御のデューティ比を表している。
【0038】
次に制御装置4は、時間d

/2fにわたり、電圧v

を電圧e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
vp
,S
wn
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
up
,S
wp
,S
un
,S
vn
のそれぞれをオフとする制御である。続いて制御装置4は、時間(1−d

)/2fにわたり、電圧v

を電圧−e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
un
,S
wp
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
up
,S
vp
,S
vn
,S
wn
のそれぞれをオフとする制御である。最後に制御装置4は、時間d

/2fにわたり、電圧v

を電圧−e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
vn
,S
wp
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
up
,S
vp
,S
un
,S
wn
のそれぞれをオフとする制御である。
【0039】
次に力行時のAC/DCコンバータ30に関して、制御装置4は、初めに時間1/2fにわたり、電圧v

を電圧V
dc
に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオン、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオフとする制御である。次いで制御装置4は、時間1/2fにわたり、電圧v

を電圧−V
dc
に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオン、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオフとする制御である。
【0040】
次に回生時のAC/ACコンバータ10に関して、制御装置4は、初めに時間d

/2fにわたり、電圧v

を電圧e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
vp
,S
wn
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
up
,S
wp
,S
un
,S
vn
のそれぞれをオフとする制御である。次に制御装置4は、時間(1−d

)/2fにわたり、電圧v

を電圧e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
up
,S
wn
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
vp
,S
wp
,S
un
,S
vn
のそれぞれをオフとする制御である。続いて制御装置4は、時間d

/2fにわたり、電圧v

を電圧−e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
vn
,S
wp
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
up
,S
vp
,S
un
,S
wn
のそれぞれをオフとする制御である。最後に制御装置4は、時間(1−d

)/2fにわたり、電圧v

を電圧−e

に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子S
un
,S
wp
のそれぞれをオン、スイッチ素子S
up
,S
vp
,S
vn
,S
wn
のそれぞれをオフとする制御である。
【0041】
最後に回生時のAC/DCコンバータ30に関して、制御装置4は、初めに時間1/2fにわたり、電圧v

を電圧V
dc
に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオン、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオフとする制御である。次いで制御装置4は、時間1/2fにわたり、電圧v

を電圧−V
dc
に等しくする制御を実行する。この制御は、図2の例で言えば、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオン、スイッチ素子G

,G

のそれぞれをオフとする制御である。
【0042】
制御装置4が以上の制御を行うことにより、図3(a)(b)に示した波形の一次側電流i
L1
及び入力電流i

,i

が得られる。こうして各電流が流れることにより、電力の伝送が実現される。
【0043】
ここで、本発明の背景技術を参照しながら、本発明の課題について、再度より詳しく説明する。
【0044】
図7は、本発明の背景技術による電力変換装置100及びその制御装置110の構成を示す図である。同図と図1とを比較すると理解されるように、電力変換装置100は、第1のノードn

とAC/ACコンバータ10との間に電気部品であるコイル素子101が実装され、第3のノードn

とAC/DCコンバータ30との間に電気部品であるコイル素子102が実装され、トランス20がトランス103に置き換わっている点で、電力変換装置1と異なっている。図7に示したインダクタンスL

,L

は、それぞれコイル素子101,102のインダクタンスを表している。トランス103は、互いに磁気結合する一次側コイル103a及び二次側コイル103bを有して構成される。コイル103a,103bの巻き数はそれぞれ、図1に示したトランス20の一次側コイル20a及び二次側コイル20bと同じN

及びN

である。トランス20と同様、トランス103にも漏れインダクタンスが存在するが、コイル素子101,102のインダクタンスL

,L

がこの漏れインダクタンスに比べて非常に大きな値に設定されることから、背景技術においては無視される。
【0045】
図8は、本発明の背景技術において採用される励磁インダクタンスを考慮しないトランス103及びコイル素子101,102を一次側に換算した等価回路を示す図である。同図に示すように、本発明の背景技術において、トランス103は、励磁インダクタンス(後述する図4に示す励磁インダクタンスL

)が十分に大きいとして無視した理想トランスとみなされる。これは、励磁インダクタンスが十分に大きい場合には、励磁インダクタンスに流れる電流が小さくなり無視できるためである。
【0046】
図8の等価回路によれば、コイル素子101,102は、第1のノードn

と第3のノードn

の間に接続された1つのインダクタLとみなされる。インダクタLのインダクタンスは、図示するようにL

+nL

となる。これに従えば、コイル素子101,102には、次の式(9)で表される電流i

が共通に流れることになる。
【0047】
【0048】
式(9)と、図3に示した波形とに基づき、出力直流電流I
dc
及び入力電流i

それぞれの1周期における平均値I
dc_ave
,i
v_ave
を求めると、それぞれ次の式(10)(11)のようになる。
【0049】
【0050】
こうして得られた平均値I
dc_ave
,i
v_ave
がそれぞれ電流I
dc
,i

の指令値I
dc

,i
ev

に一致すると仮定すると、次の式(12)が得られる。制御装置110は、外部から入力された出力直流電流指令値I
dc

及び入力電流指令値i
ev

と、交流電圧e

,e

,e

及び出力直流電圧V
dc
のフィードバック結果とを式(12)に代入し、その結果として得られる2つの式をd

,δの2元連立2次方程式とみなして数値的に解くことにより、デューティ比d

及び位相差δを算出するよう構成される。そして、算出したデューティ比d

が実現されるようAC/ACコンバータ10のスイッチングを実施するとともに、位相差δが実現されるようAC/ACコンバータ10及びAC/DCコンバータ30それぞれのスイッチングを実施するよう構成される。
(【0051】以降は省略されています)

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