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公開番号2020115721
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006446
出願日20190117
発明の名称分割型固定子および回転電機
出願人日本製鉄株式会社
代理人特許業務法人ブライタス
主分類H02K 1/18 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】磁気特性に優れるとともに、周方向の圧縮応力に起因した鉄損増大を低減し、鉄損が小さい分割型固定子およびそれを備える回転電機を提供する。
【解決手段】周方向において複数の固定子片10aに分割された、回転電機用の分割型固定子10であって、軸方向に延びる円筒状のヨーク11と、ヨーク11の内周面から径方向に延びる複数のティース12とを備え、固定子片10aのヨーク部分とティース部分とは、一体成形された複数枚の無方向性電磁鋼板が積層されてなり、固定子片10aのヨーク部分の周方向の中心部における、{111}面方位のX線ランダム強度比が2.5以上かつ{110}<001>方位のX線ランダム強度比が1.0未満であり、固定子片10aのティース部分の先端部における、{111}面方位のX線ランダム強度比が0.5未満かつ{110}<001>方位のX線ランダム強度比が5.0以上である、分割型固定子10。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
周方向において複数の固定子片に分割された、回転電機用の分割型固定子であって、
軸方向に延びる円筒状のヨークと、
前記ヨークの内周面から径方向に延びる複数のティースとを備え、
前記固定子片のヨーク部分とティース部分とは、一体成形された複数枚の無方向性電磁鋼板が積層されてなり、
前記無方向性電磁鋼板の圧延面法線方向を面方位の基準とし、前記ティースの延びる方向を結晶軸の基準とした場合に、
前記固定子片のヨーク部分の周方向の中心部における、{111}面方位のX線ランダム強度比が2.5以上かつ{110}<001>方位のX線ランダム強度比が1.0未満であり、
前記固定子片のティース部分の先端部における、{111}面方位のX線ランダム強度比が0.5未満かつ{110}<001>方位のX線ランダム強度比が5.0以上である、
分割型固定子。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記無方向性電磁鋼板の化学組成が、質量%で、
Si:2.5〜4.0%、を含有する、
請求項1に記載の分割型固定子。
【請求項3】
前記無方向性電磁鋼板の化学組成が、質量%で、
C:0.0015〜0.0030%、
Si:2.5〜4.0%、
Mn:0.05〜2.0%、
sol.Al:0.0005〜1.5%、
P:0.080%以下、
S:0.0030%以下、
Ti:0.0030%以下、
Ni:0〜0.10%、
Cu:0〜0.10%、
Cr:0〜0.10%、
Sn:0〜0.20%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.0050%、
残部:Feおよび不純物である、
請求項2に記載の分割型固定子。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の分割型固定子と、
前記分割型固定子の内周側に配置された回転子と、
前記ヨークの外周から前記複数の固定子片に密接し、前記固定子片を固定するケースと、を備える、
回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分割型固定子および前記分割型固定子を備える回転電機に関する。
続きを表示(約 8,200 文字)【背景技術】
【0002】
電動機、発電機等の回転電機として、固定子と、固定子の内周側に設けられる回転子とを備える構成が知られている。上記の固定子および回転子の材料として、無方向性電磁鋼板がしばしば用いられている。固定子を一体で製造する場合には歩留まりの低下が問題となるため、複数の固定子片を周方向に並べて組み合わせた、分割型の固定子がしばしば用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、近年、地球環境問題が注目されており、省エネルギーへの取り組みに対する要求は、一段と高まってきている。なかでも電気機器の高効率化が強く要望されており、電気自動車およびハイブリッド自動車用の駆動モータならびにエアコンのコンプレッサ用モータにおいては、その傾向が顕著である。
【0004】
例えば、特許文献2には、圧延方向の磁気特性を飛躍的に向上させた無方向性電磁鋼板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010−193659号公報
特開2006−265720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2によれば、仕上焼鈍後に所定の圧下率におけるスキンパスと歪取焼鈍を行うことで、圧延方向における磁気特性を飛躍的に向上させることが可能である。しかしながら、本発明者らが検討を行った結果、2.5%以上のSiを含有するような鋼板においては、特許文献2に記載される技術を採用したとしても、圧延方向における磁気特性を向上させることができない場合があることを見出した。
【0007】
加えて、上述したような分割型固定子を用いる場合には、リング状のケースで焼嵌め等することにより、外周側から複数の固定子片を固定する必要がある。そのため、分割された隣り合う固定子片同士の間には、周方向における圧縮応力が付与されることとなる。このような周方向における圧縮応力は、分割型固定子の鉄損を大きくさせ、回転電機の効率を低下させるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、磁気特性に優れるとともに、周方向の圧縮応力に起因した鉄損増大を低減し、鉄損が小さい分割型固定子およびそれを備える回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記の分割型固定子および回転電機を要旨とする。
【0010】
(1)周方向において複数の固定子片に分割された、回転電機用の分割型固定子であって、
軸方向に延びる円筒状のヨークと、
前記ヨークの内周面から径方向に延びる複数のティースとを備え、
前記固定子片のヨーク部分とティース部分とは、一体成形された複数枚の無方向性電磁鋼板が積層されてなり、
前記無方向性電磁鋼板の圧延面法線方向を面方位の基準とし、前記ティースの延びる方向を結晶軸の基準とした場合に、
前記固定子片のヨーク部分の周方向の中心部における、{111}面方位のX線ランダム強度比が2.5以上かつ{110}<001>方位のX線ランダム強度比が1.0未満であり、
前記固定子片のティース部分の先端部における、{111}面方位のX線ランダム強度比が0.5未満かつ{110}<001>方位のX線ランダム強度比が5.0以上である、
分割型固定子。
【0011】
(2)前記無方向性電磁鋼板の化学組成が、質量%で、
Si:2.5〜4.0%、を含有する、
上記(1)に記載の分割型固定子。
【0012】
(3)前記無方向性電磁鋼板の化学組成が、質量%で、
C:0.0015〜0.0030%、
Si:2.5〜4.0%、
Mn:0.05〜2.0%、
sol.Al:0.0005〜1.5%、
P:0.080%以下、
S:0.0030%以下、
Ti:0.0030%以下、
Ni:0〜0.10%、
Cu:0〜0.10%、
Cr:0〜0.10%、
Sn:0〜0.20%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.0050%、
残部:Feおよび不純物である、
上記(2)に記載の分割型固定子。
【0013】
(4)上記(1)から(3)までのいずれかに記載の分割型固定子と、
前記分割型固定子の内周側に配置された回転子と、
前記ヨークの外周から前記複数の固定子片に密接し、前記固定子片を固定するケースと、を備える、
回転電機。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、磁気特性に優れるとともに、周方向の圧縮応力に起因した鉄損増大を低減し、鉄損が小さい分割型固定子およびそれを備える回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の一実施形態に係る回転電機の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明者らが上記課題を解決するために検討を行った結果、以下の知見を得るに至った。
【0017】
固定子片のうちヨーク部分においては、周方向における圧縮応力が付与されるため、鉄損が大きくなる。一般的に、{111}面方位が優位な鋼板は、異方性のない鋼板に比べて鉄損が大きいことが知られている。
【0018】
しかしながら、上記鋼板の特性についてさらに調査を行った結果、{111}面方位が優位な鋼板は、圧縮応力の増加に伴う鉄損の上昇量が小さいことを見出した。すなわち、圧縮応力が付与されるヨーク部分においては、{111}面方位が優位な鋼板を用いる方が好ましい。
【0019】
一方、圧縮応力が付与されることがないティース部分においては、磁気特性に優れる{110}<001>方位(以下の説明において、「Goss方位」ともいう。)が優位な鋼板を用いることが好ましい。
【0020】
ここで、上述のように、Si含有量の高い無方向性電磁鋼板においては、スキンパスを行ったとしても、Goss方位が優位とならない場合がある。そこで発明者らが種々の条件で製造された鋼板の特性を調査した結果、鋼板の異方性は、スキンパス後の最終的な歪取焼鈍における加熱速度に大きく依存することを見出した。
【0021】
すなわち、歪取焼鈍における加熱速度が速い場合には、Goss方位が優位となり、遅い場合には、{111}面方位が優位となる。そのため、歪取焼鈍における加熱速度を、ヨーク部分とティース部分とでそれぞれ調整することにより、優位となる結晶方位を作り分けることが可能となる。
【0022】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る分割型固定子およびそれを備える回転電機について説明する。
【0023】
1.全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る回転電機の構成を示す図である。回転電機100は、分割型固定子10、回転子20およびケース30を備える。
【0024】
分割型固定子10は、周方向において複数の固定子片10aに分割されており、軸方向に延びる円筒状のヨーク11と、ヨーク11の内周面から径方向に延びる複数のティース12とを備える。なお、本発明においては、ティース12間の溝底12aを通る仮想的な円Cを、ヨーク11とティース12との境界とする。また、本実施形態においては45個のティースが設けられているが、これに限定されず、例えば、12個、18個などであってもよい。
【0025】
本実施形態においては、分割型固定子10は、周方向において45個の固定子片10aに分割されている。すなわち、各固定子片10aに1つずつティース12が設けられている。また、固定子片10aは、全て同一の構成を有している。そして、それぞれの固定子片10aは、ヨーク部分とティース部分とが一体成形された、同一形状の複数枚の無方向性電磁鋼板を積層させることにより形成することができる。
【0026】
回転子20は、その軸心(回転中心)が分割型固定子10の軸心と一致するように、分割型固定子10の内周側に配置される。また、ケース30は、ヨーク11の外周から複数の固定子片10aに密接し、固定子片10aを固定する。ケース30は、例えば、焼嵌めによって固定子片10aに密着させられる。この際に、固定子片10aにはケース30により外周側から力が加えられることとなる。
【0027】
2.異方性
固定子片10aのヨーク部分は、{111}面方位が優位であり、かつGoss方位{11}<001>が少なく、具体的には、ヨーク部分の周方向の中心部における、{111}面方位のX線ランダム強度比(以下、「I{111}ともいう。)が2.5以上であり、{110}<001>方位のX線ランダム強度比が1.0未満である。ヨーク部分の{111}面方位を優位にすることにより、圧縮応力の増加に伴う鉄損の上昇量を抑制することが可能となる。I{111}は3.5以上であるのが好ましい。一方、Goss方位{110}<001>は圧縮応力の増加に伴う鉄損の上昇量が多く少ない方が好ましい。より好ましくは0.3未満である。
【0028】
また、固定子片10aのティース部分は、Goss方位が優位であり、かつ{111}面方位が少なく、具体的には、ティース部分の先端部における、{110}<001>方位のX線ランダム強度比が5.0以上であり、{111}面方位のX線ランダム強度比が0.5未満である。圧縮応力の付与されないティース部分は、Goss方位を優位にすることにより、磁気特性を向上させることが可能となり、一方で磁気特性に劣位となる{111}面方位は少ない方が優れる。{110}<001>方位のX線ランダム強度比は8.0以上であるのが好ましい。なお、ティース部分の先端部とは、ティースの長手方向における中央から先端までの領域を指すものとする。
【0029】
なお、{110}面方位のX線ランダム強度比および{110}<001>方位のX線ランダム強度比は、X線回折により測定する。また、X線ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と供試材とのX線強度を同条件でX線回折法により測定し、得られた供試材のX線強度を標準試料のX線強度で除した数値である。
【0030】
具体的には、複数枚の無方向性電磁鋼板を積層された固定子片から一枚の鋼板を採取し、ヨーク部分の周方向の中心部およびティース部分の先端部から試験片を切り出し、鏡面研磨および化学研磨を行った後、測定を行う。この際、無方向性電磁鋼板の圧延面法線方向を面方位の基準とし、ティースの延びる方向を結晶軸の基準とする。
【0031】
3.化学組成
各固定子片を構成する無方向性電磁鋼板の化学組成については特に制限は設けないが、例えば、質量%で、C:0.0015〜0.0030%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.05〜2.0%、sol.Al:0.0005〜1.5%、P:0.080%以下、S:0.0030%以下、Ti:0.0030%以下、Ni:0〜0.10%、Cu:0〜0.10%、Cr:0〜0.10%、Sn:0〜0.20%、Ca:0〜0.0050%、Mg:0〜0.0050%、REM:0〜0.0050%、残部:Feおよび不純物であることが好ましい。
【0032】
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
【0033】
C:0.0015〜0.0030%
Cは、鋼板の高強度化に寄与する元素である。一方、Cは、鉄損劣化を引き起こす元素であるため、過剰に含有すると、良好な磁気特性を得ることができないおそれがある。したがって、C含有量は0.0015〜0.0030%であるのが好ましい。C含有量は0.0018%以上であるのがより好ましく、0.0027%以下であるのがより好ましい。
【0034】
Si:2.5〜4.0%
Siは、鋼の電気抵抗を上昇させて鉄損を改善する元素である。また、Siは、固溶強化能が大きいため、鋼板の高強度化にも有効な元素である。一方、Si含有量が過剰であると、加工性が著しく劣化し、冷間圧延を実施することが困難となるおそれがある。したがって、Si含有量は2.5〜4.0%であるのが好ましい。Si含有量は2.8%以上であるのがより好ましく、3.7%以下であるのがより好ましい。
【0035】
Mn:0.05〜2.0%
Mnは、鋼の電気抵抗を上昇させて鉄損を改善する元素である。また、Mn含有量が低すぎる場合には、電気抵抗の上昇効果が小さいうえに、微細な硫化物(MnS)が析出することで、仕上焼鈍時の粒成長性が劣化するおそれがある。一方、Mn含有量が過剰であると、磁束密度が低下するおそれがある。したがって、Mn含有量は0.05〜2.0%であるのが好ましい。Mn含有量は0.2%以上であるのがより好ましく、1.5%以下であるのがより好ましい。
【0036】
sol.Al:0.0005〜1.5%
Alは、鋼の電気抵抗を上昇させて鉄損を改善する元素である。一方、Al含有量が過剰であると、磁束密度が低下するおそれがある。したがって、Al含有量は0.0005〜1.5%であるのが好ましい。Al含有量は0.15%以上であるのがより好ましく、1.0%以下であるのがより好ましい。なお、本明細書において、Al含有量は、sol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。
【0037】
P:0.080%以下
Pは、不純物として鋼中に含まれ、その含有量が過剰であると、鋼板の延性が著しく低下するおそれがある。したがって、P含有量は0.080%以下であるのが好ましい。P含有量は0.050%以下であるのがより好ましい。
【0038】
S:0.0030%以下
Sは、MnSの微細析出物を形成することで鉄損を増加させ、鋼板の磁気特性を劣化させる元素である。したがって、S含有量は0.0030%以下であるのが好ましい。S含有量は0.0015%以下であるのがより好ましい。なお、S含有量の極度の低減は製造コストの増加を招くおそれがあるため、S含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0003%以上であるのがより好ましく、0.0005%以上であるのがさらに好ましい。
【0039】
Ti:0.0030%以下
Tiは、不可避的に混入する元素であり、炭素または窒素と結合して析出物(炭化物、窒化物)を形成しうる。炭化物または窒化物が形成された場合には、これらの析出物そのものが磁気特性を劣化させるおそれがある。さらには、仕上焼鈍中の結晶粒の成長を阻害して、磁気特性を劣化させるおそれがある。したがって、Ti含有量は0.0030%以下であるのが好ましい。Ti含有量は0.0020%以下であるのがより好ましい。なお、Ti含有量の極度の低減は製造コストの増加を招くおそれがあるため、Ti含有量は0.0005%以上であるのが好ましい。
【0040】
Ni:0〜0.10%
Cu:0〜0.10%
Cr:0〜0.10%
Sn:0〜0.20%
Ca:0〜0.0050%
Mg:0〜0.0050%
REM:0〜0.0050%
Ni、Cu、Cr、Sn、Ca、MgおよびREMは、不可避的に混入する元素である。しかし、これらの元素は、磁気特性を向上させる元素でもあるため、意図的に添加してもよい。
【0041】
ただし、過剰に含有させると経済性が悪化するおそれがあるため、意図的に添加する場合は、Ni:0.10%以下、Cu:0.10%以下、Cr:0.10%以下、Sn:0.20%以下、Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、および、REM:0.0050%以下とすることが好ましい。なお、磁気特性の向上効果を得たい場合には、Ni:0.01%以上、Cu:0.01%以上、Cr:0.01%以上、Sn:0.01%以上、Ca:0.0005%以上、Mg:0.0005%以上、および、REM:0.0005%以上から選択される1種以上を含有させることが好ましい。
【0042】
本発明の無方向性電磁鋼板の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
【0043】
4.製造方法
本発明の分割型固定子の製造方法については特に制限は設けないが、以下に示す方法により製造することが可能である。
【0044】
4−1.無方向性電磁鋼板の製造方法
本発明の分割型固定子の素材となる無方向性電磁鋼板を製造する方法については特に制限はない。例えば、上記の化学組成を有するスラブを加熱した後、熱間圧延を施し、必要に応じて熱延板焼鈍を行い、酸洗し、冷間圧延を施し、その後、仕上焼鈍を行い、スキンパス圧延を施すことで、鋼板素材が得られる。
【0045】
スキンパス圧延における圧下率は1〜10%とすることが好ましい。圧下率が1%未満では、歪誘起粒成長に必要な歪の量が十分ではない。一方、圧下率が10%を超えると、結晶方位ごとの歪量の不均一が失われ均一化してしまう。
【0046】
また、素材段階での鋼板の平均結晶粒径は40μm以下であることが好ましい。平均結晶粒径が40μmを超えると、歪誘起粒成長の開始が遅れるため、異方性が得られないおそれがあるためである。
【0047】
4−2.固定子片の製造方法
上記の鋼板素材に対して、打ち抜き工程、積層工程、および歪取焼鈍工程を行うことで、固定子片が得られる。
【0048】
歪取焼鈍工程においては、上述のように、ティース部分においては、Goss方位が優位となるよう、加熱速度を速くし、ヨーク部分においては、{111}面方位が優位となるよう、加熱速度を遅く制御する。具体的には、ティース部分の500℃から750℃までの間の平均加熱速度が1℃/s以上となるよう局所加熱を行い、その間、ヨーク部分の加熱温度は700℃以下に維持する。その後、ヨーク部分の700℃から750℃までの間の平均加熱速度が0.1℃/s以下となるよう、全体加熱を行う。
【0049】
このように、ヨーク部分とティース部分とのそれぞれにおいて加熱速度を調整することにより、優位となる結晶方位を作り分けることが可能となる。
【0050】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
(【0051】以降は省略されています)

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