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公開番号2020115719
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006371
出願日20190117
発明の名称電力制御方法、及び、電力制御装置
出願人日産自動車株式会社
代理人特許業務法人後藤特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】デッドタイム付加以外の遅延を考慮して電流の検出精度を向上させて、負荷の制御性の低下を抑制する。
【解決手段】電力制御方法は、デューティ指令値を算出し、デューティ指令値とキャリア信号との比較結果に基づいてPWM信号を生成し、PWM信号に基づいてインバータを駆動させることによりPWM電圧を制御する。電力制御方法においては、PWM電圧において発生する位相のずれに応じた補正量を用いて、キャリア信号の増減に応じてデューティ指令値を補正する場合に、当該補正される場合のデューティ指令値が、キャリア信号のピーク値を超えるか否かを判断し、補正される場合のデューティ指令値が、キャリア信号のピーク値を超えると判断される場合には、補正されたデューティ指令値のピーク値に対する超過量に応じた修正量を用いて、補正量を修正し、修正された補正量を用いて、キャリア信号の増減に応じてデューティ指令値を補正する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
PWM制御に用いられるデューティ指令値を算出し、前記デューティ指令値とキャリア信号との比較結果に基づいてPWM信号を生成し、前記PWM信号に基づいてインバータを駆動させることにより負荷に供給されるPWM電圧を制御する、電力制御方法であって、
前記PWM電圧において発生する位相のずれに応じた補正量を用いて、前記キャリア信号の増減に応じて前記デューティ指令値を補正する場合に、当該補正される場合のデューティ指令値が、前記キャリア信号のピーク値を超えるか否かを判断し、
前記補正される場合のデューティ指令値が、前記キャリア信号の前記ピーク値を超えると判断される場合には、前記補正される場合のデューティ指令値の前記ピーク値に対する超過量に応じた修正量を用いて、前記補正量を修正し、
前記修正された補正量を用いて、前記キャリア信号の増減に応じて前記デューティ指令値を補正する、電力制御方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電力制御方法であって、
前記補正量は、第1遅延に起因する第1成分と、前記第1遅延とは異なる第2遅延に起因する第2成分とからなり、
前記第1成分は、前記第1成分を用いて補正される場合のデューティ指令値が、前記キャリア信号の前記ピーク値を超える状態において、該デューティ指令値により生成される前記PWM電圧が所望のパルス幅となる成分であり、
前記第1成分を用いて補正される場合のデューティ指令値が前記キャリア信号の前記ピーク値を超える場合には、前記修正量は前記第2成分となる、電力制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の電力制御方法であって、
前記第1遅延は、デッドタイム付加の処理において付加される時間に応じて定められる遅延である、電力制御方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電力制御方法であって、
前記第2遅延は、前記PWM信号の生成から、前記PWM電圧の負荷への印加までの伝達遅延を含む、電力制御方法。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の電力制御方法であって、
前記第2遅延は、前記デューティ指令値の生成に用いられる測定値の検出遅延を含む、電力制御方法。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載の電力制御方法であって、
前記第2遅延は、前記PWM電圧に応じて前記負荷へと流れる電流の検出遅延を含む、電力制御方法。
【請求項7】
直流電源と、
PWM信号に応じて、前記直流電源から出力される直流電圧を交流のPWM電圧に変換し、前記PWM電圧を負荷に出力するインバータと、
前記PWM信号を生成する制御部と、を有する電力制御装置であって、
前記制御部は、
PWM制御に用いられるデューティ指令値を算出し、
前記PWM電圧において発生する位相のずれに応じた補正量を用いて、前記キャリア信号の増減に応じて前記デューティ指令値を補正する場合に、当該補正される場合のデューティ指令値が、前記キャリア信号のピーク値を超えるか否かを判断し、
前記補正される場合のデューティ指令値が、前記キャリア信号の前記ピーク値を超えると判断される場合には、前記補正される場合のデューティ指令値の前記ピーク値に対する超過量に応じた修正量を用いて、前記補正量を修正し、
前記修正された補正量を用いて、前記キャリア信号の増減に応じて前記デューティ指令値を補正し、
前記補正されたデューティ指令値と前記キャリア信号との比較結果に基づいて前記PWM信号を生成する、電力制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御方法、及び、電力制御装置に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
直流電源を用いて交流で駆動するモータなどの負荷を制御する方法として、パルス幅変調(PWM)制御がある。PWM制御においては、直流電源と負荷との間にインバータが設けられ、インバータをPWM信号によりスイッチング制御することで、擬似的な交流電力が負荷に供給される。詳細には、所定の周期で負荷に流れる電流値をA/D変換などのサンプリングにより検出し、検出された電流値に基づいてデューティ指令値を算出し、デューティ指令値とキャリア波とを比較する。そして、比較結果に応じてPWM信号を生成し、PWM信号の立ち上がりと立ち下がりとのタイミングでインバータのスイッチング制御を行うことで、擬似的な交流電力を負荷に印加することができる。
【0003】
PWM制御の1つの方式である三角波比較PWM方式においては、キャリア波として三角波が用いられる。キャリア波として三角波が用いられることにより、デューティ指令値とキャリア三角波との比較により生成されるPWM信号は、立ち上がりと立ち下がりとのタイミングの中間点が、三角波のピークである山及び谷の双方または一方と一致する。
【0004】
PWM信号の立ち上がりと立ち下がりとの中間点である、キャリア三角波の山および谷の片方または両方のタイミングでサンプリングを行うことにより、サンプリングのタイミングとスイッチング制御のタイミングとを時間的に離間できる。その結果、サンプリングにより得られる電流値にスイッチング制御に起因する高調波電流(PWM高調波電流)が混入しにくくなる。
【0005】
複数の相の交流電力が印加される負荷が用いられる場合には、直流電源と負荷との間に設けられるインバータは、相ごとに対をなす2つのスイッチング素子を備える。この1対のスイッチング素子が同時にスイッチング制御されるのを防ぐために、スイッチング素子のスイッチング制御を一定時間遅延させるデッドタイム付加が行われる。
【0006】
しかしながら、デッドタイム付加を行うことにより、PWM信号の位相が遅れるおそれがある。PWM信号がキャリア三角波に対して相対的に位相がずれてしまうと、PWM信号の立ち上がりと立ち下がりとの中間点においてキャリア三角波がピークとならない。そのため、キャリア三角波のピークにおいてサンプリングすると、得られる電流値に高調波電流が混入するおそれがある。
【0007】
特許文献1に開示されている技術によれば、キャリア三角波の増加又は減少の状態の判定結果に応じてデューティ指令値を補正する技術が開示されている。この技術によれば、デューティ指令値を補正することで、キャリア三角波の状態に応じてPWM信号の位相が予め進められので、デッドタイム付加によるPWM信号の位相のずれを抑制できる。その結果、得られる電流値に高調波電流が混入するおそれが少なくなり、PWM制御の精度低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6414324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
PWM制御においては、デッドタイム付加に起因する遅延だけでなく、PWM信号が生成されてからインバータが実際にスイッチング制御されるまでの遅延や、電流センサ以外のセンサにおけるサンプリングに起因する遅延などによって、生成されるPWM電圧において位相のずれが生じてしまう。
【0010】
特許文献1に開示の技術において、デッドタイム付加以外の遅延も考慮してデューティ指令値を補正する方法が考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、デューティ指令値がキャリア三角波の最大または最小の近傍の値である場合には、補正後のデューティ指令値がキャリア波の変動範囲を超えてしまう。その結果、PWM信号のパルスがデューティ指令値に応じた幅とならないため、PWM電圧に外乱が生じてしまいPWM制御の精度が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電力制御方法の一態様は、PWM制御に用いられるデューティ指令値を算出し、デューティ指令値とキャリア信号との比較結果に基づいてPWM信号を生成し、PWM信号に基づいてインバータを駆動させることにより負荷に供給されるPWM電圧を制御する。電力制御方法においては、PWM電圧において発生する位相のずれに応じた補正量を用いて、キャリア信号の増減に応じてデューティ指令値を補正する場合に、当該補正される場合のデューティ指令値が、キャリア信号のピーク値を超えるか否かを判断し、補正される場合のデューティ指令値が、キャリア信号のピーク値を超えると判断される場合には、補正されたデューティ指令値のピーク値に対する超過量に応じた修正量を用いて、補正量を修正し、修正された補正量を用いて、キャリア信号の増減に応じてデューティ指令値を補正する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、デッドタイム付加以外の遅延を考慮して、PWM電圧における位相のずれの発生を抑制しながら所望のパルス幅とできるので、PWM制御の精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1は、電力制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、PWM変換器の詳細な構成を示すブロック図である。
図3は、キャリア三角波を示す図である。
図4は、デッドタイム付加の処理についての説明図である。
図5は、デューティ指令値の算出制御の一例を示すフローチャートである。
図6は、PWM制御の一例の説明図である。
図7は、PWM制御の他の一例の説明図である。
図8は、PWM制御のさらに他の一例の説明図である。
図9は、本実施形態及び比較例についての、PWM電圧のパルス幅とデューティ指令値との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態における電力制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
電力制御装置100は、電気的な負荷であるモータ200を制御する装置である。例えば、モータ200は、ハイブリッド自動車や電動自動車などに搭載された電動機であり、電力制御装置100によってモータ200が制御されることで、車両の駆動状態が制御される。
【0017】
電力制御装置100は、直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力をモータ200に供給する。電力制御装置100は、トルク制御部1と、dq軸/UVW相変換器2と、PWM(Pulse Width Modulation)変換器3と、インバータ(INV)4と、バッテリ5と、バッテリ電圧検出器6と、電流検出器7u及び7vと、モータ回転速度演算器8と、UVW相/dq軸変換器9とを備える。バッテリ5は、本実施形態においては電力制御装置100の一部として構成されているが、電力制御装置100とは別体として構成されてもよい。バッテリ5は、直流電源であって、例えば、車載用のリチウムイオン電池である。
【0018】
モータ200は、駆動用モータやステアリング用モータなどの、多相交流で駆動する電動機である。本実施形態では、モータ200は、UVW相の三相交流電流により駆動する。また、モータ200に隣接して、回転子位置検出器201が設けられている。
【0019】
回転子位置検出器201は、例えば、レゾルバであって、所定周期でモータ200の回転子の位置を検出する。回転子位置検出器201は、回転子の電気角θを示す検出信号を、dq軸/UVW相変換器2、モータ回転速度演算器8、及び、UVW相/dq軸変換器9に出力する。
【0020】
トルク制御部1は、不図示の上位コントローラから、モータ200の駆動力を決定するトルク指令値T
*
を取得する。例えば、上位コントローラは、アクセルペダルの踏込み量などの車両の運転状態に応じて、トルク指令値T
*
を算出する。
【0021】
トルク制御部1には、さらに、バッテリ電圧検出器6により検出されるバッテリ5のバッテリ電圧検出値V
dc
が入力されるとともに、d軸電流検出値i
d
及びq軸電流検出値i
q
と、モータ200の回転速度Nとが入力される。
【0022】
d軸電流検出値i
d
及びq軸電流検出値i
q
は、モータ200へ供給される三相交流電流のうちのU相電流i
u
、V相電流i
v
を、UVW相/dq軸変換器9により変換されることで得られる。なお、U相電流i
u
、V相電流i
v
は、電流検出器7u、7vにより検出される。
【0023】
モータ200の回転速度Nは、モータ回転速度演算器8によって、以下のように取得される。モータ回転速度演算器8は、所定周期で回転子位置検出器201から検出される信号に対してA/D変換によるサンプリングを行うことにより電気角θを取得し、今回取得された電気角検出値θと前の周期に取得された電気角検出値との差分を求め、その差分から単位時間あたりの電気角検出値の変化量を算出する。そして、電気角θの検出角の単位時間あたりの変化量から、モータ回転速度演算器8は、モータ200の回転速度Nを算出する。
【0024】
トルク制御部1は、入力されるトルク指令値T
*
と、バッテリ電圧検出値V
dc
と、d軸電流検出値i
d
及びq軸電流検出値i
q
と、モータ200の回転速度Nと基づいて、電流ベクトル制御演算を実行することにより、d軸電圧指令値v
d
*
及びq軸電圧指令値v
q
*
を算出する。そして、トルク制御部1は、d軸電圧指令値v
d
*
及びq軸電圧指令値v
q
*
を、dq軸/UVW相変換器2に出力する。
【0025】
dq軸/UVW相変換器2は、次式(1)に示されるように、回転子位置検出器201にて検出された電気角検出値θに基づいて、トルク制御部1により算出されたd軸電圧指令値v
d
*
及びq軸電圧指令値v
q
*
を、三相PWM電圧指令値であるU相PWM電圧指令値v
u
*
、V相電圧指令値v
v
*
及びW相電圧指令値v
w
*
に変換する。そして、dq軸/UVW相変換器2は、変換された三相PWM電圧指令値v
u
*
、v
v
*
及びv
w
*
をPWM変換器3に出力する。
【0026】
【0027】
PWM変換器3は、バッテリ電圧検出器6から出力されるバッテリ電圧検出値V
dc
、dq軸/UVW相変換器2により変換された三相PWM電圧指令値v
u
*
、v
v
*
及びv
w
*
、及び、電流検出器7u、7vにより検出されるU相電流i
u
、V相電流i
v
に基づいて、パルス幅変調(PWM)制御に使用される、パルス信号であるPWM信号P
uu
、P
ul
、P
vu
、P
vl
、P
wu
及びP
wl
を生成する。
【0028】
インバータ4は、PWM変換器3から出力されるPWM信号P
uu
、P
ul
、P
vu
、P
vl
、P
wu
及びP
wl
に基づいてスイッチング素子が制御されることにより、バッテリ5の直流電力を交流電力に変換し、変換された交流電力をモータ200の各相に供給する。
【0029】
本実施形態において、インバータ4は、3相6アームで構成される。すなわち、インバータ4は、6つのスイッチング素子(アーム)を備え、UVWの3相で駆動される。詳細には、インバータ4は、各相に対応して、バッテリ5に対して並列に接続される配線を備え、それぞれの配線において直列に接続された1対のスイッチング素子が設けられている。そして、直列に接続された1対のスイッチング素子の間がモータ200と接続されている。なお、スイッチング素子としては、例えば、電界効果トランジスタ等で構成されたパワー素子が用いられ、制御端子(例えばゲート端子)に供給されるパルス信号であるPWM信号のレベルに応じて、オンとオフとが切り替えられる。
【0030】
以下では、各相において、モータ200の電源端子とバッテリ5の正極端子との間に接続されたスイッチング素子を上段のスイッチング素子と称し、モータ200の電源端子とバッテリ5の負極端子との間に接続されたスイッチング素子を下段のスイッチング素子と称する。また、バッテリ5の正極端子と負極端子の両端にはバッテリ電圧検出値V
dc
だけの電位差が生じている。説明の便宜上、正極端子に生じる電位を「+V
dc
/2」とし、負極端子に生じる電位を「−V
dc
/2」として説明する。
【0031】
上段のスイッチング素子は、オン(導通状態)のときにバッテリ5の正極端子に生じる電位「+V
dc
/2」をモータ200に供給し、オフ(非導通状態)のときに電位の供給を停止する。一方、下段のスイッチング素子は、オンのときにバッテリ5の負極端子に生じる電位「−V
dc
/2」をモータ200に供給し、オフのときにモータ200への電位の供給を停止する。
【0032】
PWM変換器3は、三相PWM電圧指令値v
u
*
、v
v
*
及びv
w
*
と、バッテリ電圧検出値V
dc
とに基づいて、インバータ4に設けられる6つのスイッチング素子のそれぞれを駆動するPWM信号P
uu
、P
ul
、P
vu
、P
vl
、P
wu
及びP
wl
を生成する。これらのPWM信号に基づいてインバータ4のスイッチング素子のそれぞれが制御されることで、バッテリ5の直流電力が擬似的に交流電力に変換されて、変換された交流電力がモータ200に供給される。
【0033】
以下では、PWM変換器3における制御について、代表的に、U相に対応する一対のスイッチング素子のうちの上段のスイッチング素子へのPWM信号P
uu
と、下段のスイッチング素子へのPWM信号P
ul
との生成処理について説明する。なお、VW相についても、同様に、PWM変換器3は、V相に対応するPWM信号P
vu
及びP
vl
と、W相に対応するPWM信号P
wu
及びP
wl
とを出力する。
【0034】
PWM変換器3は、U相PWM電圧指令値v
u
*
とバッテリ電圧検出値V
dc
とに基づいて、デューティ指令値を演算する。デューティ指令値は、モータ200へ印加されるべきU相PWM電圧v
u
に対して一意に定まる。PWM変換器3は、演算されたデューティ指令値とキャリア波とを比較することで、上段のスイッチング素子に対するPWM信号P
uu
と、下段のスイッチング素子に対するPWM信号P
ul
とを出力する。
【0035】
PWM信号P
uu
がハイレベルである場合には、上段のスイッチング素子がオンとなり、モータ200のU相端子には「+V
dc
/2」の電位が供給される。PWM信号P
ul
がハイレベルである場合には、下段のスイッチング素子がオンとなり、モータ200のU相端子には「−V
dc
/2」の電位が供給される。これらの上段と下段とのスイッチング素子の制御により、モータ200のU相端子の両端にV
dc
の電位差を生じさせることができる。
【0036】
さらに、PWM変換器3は、上段と下段とからなる1対のスイッチング素子が同時にオンになるのを防止するために、PWM信号P
uu
及びP
ul
にデッドタイムを付加し、デッドタイムが付加されたPWM信号をインバータ4に出力する。
【0037】
インバータ4は、PWM信号P
uu
、P
ul
、P
vu
、P
vl
、P
wu
及びP
wl
のレベルに基づいてスイッチング素子の接続状態(オン/オフ)が切り替えられることにより、モータ200のU相コイルにU相PWM電圧v
u
を供給する。同様に、インバータ4は、V相コイルにV相PWM電圧v
v
を供給し、W相コイルにW相PWM電圧v
w
を供給する。その結果、モータ200の各相のコイルに対して、交流電流i
u
、i
v
及びi
w
が流れる。
【0038】
電流検出器7
u
及び7
v
は、それぞれ、モータ200に供給されるU相電流i
u
及びV相電流i
v
を検出する。電流検出器7
u
は、インバータ4とモータ200のU相コイルとの間に設けられるU相電力線に対して接続され、電流検出器7
v
は、インバータ4とモータ200のV相コイルとの間のV相電力線に対して接続される。電流検出器7
u
及び7
v
は、検出したU相電流i
u
及びV相電流i
v
を、PWM変換器3及びUVW相/dq軸変換器9に出力する。
【0039】
UVW相/dq軸変換器9は、電流検出器7
u
及び7
v
から出力されるU相電流i
u
及びV相電流i
v
に対する検出信号を取得し、各検出信号についてアナログ信号からデジタル信号にA/D変換するサンプリング処理を行うことにより、U相電流i
u
、及び、V相電流i
v
を求める。そして、U相電流i
u
、V相電流i
v
、及び、W相電流i
w
の総和がゼロとなる性質を利用して、UVW相/dq軸変換器9は、次式(2)に従って、U相電流i
u
、及び、V相電流i
v
と、回転子位置検出器201により求められた電気角θの検出値とに基づいて、d軸電流検出値i
d
及びq軸電流検出値i
q
を算出する。
【0040】
【0041】
UVW相/dq軸変換器9は、変換により得られたd軸電流検出値i
d
及びq軸電流検出値i
q
をトルク制御部1に出力する。トルク制御部1においては、これらのd軸電流検出値i
d
及びq軸電流検出値i
q
を用いて、d軸電圧指令値v
d
*
及びq軸電圧指令値v
q
*
に対するフィードバック制御が行われる。
【0042】
図2は、PWM変換器3の詳細な構成を示すブロック図である。図3は、PWM変換器3の処理にて用いられるキャリア三角波を示す図である。
【0043】
PWM変換器3は、デューティ指令値演算部31と、デッドタイム補償処理部32と、パルスタイミング補正処理部33と、PWM変換処理部34と、デッドタイム付加処理部35とを有する。本実施形態においては、これらのブロックのうち、デューティ指令値演算部31、デッドタイム補償処理部32、及び、パルスタイミング補正処理部33については、汎用的なコントローラによってプログラムが実行されることで、ソフトウェアとしてこれらの機能が実現される。PWM変換処理部34、及び、デッドタイム付加処理部35については、特定の機能を備えるマイコンにより、ハードウェアとしてこれらの機能が実現される。
【0044】
また、本実施形態のPWM制御においては、キャリア信号として、図3に示される三角波が用いられる。例えば、不図示のキャリア信号生成部は、カウンタにより構成され、時間の経過と共にカウント値を増減させることでキャリア三角波を生成する。なお、キャリア三角波は、パルスタイミング補正処理部33及びPWM変換処理部34における処理に用いられる。このキャリア三角波の振幅はK
D
であり、周期はt
c
である。
【0045】
再び図2を参照すれば、デューティ指令値演算部31は、次式(3)に従って、dq軸/UVW相変換器2から出力されるU相PWM電圧指令値v
u
*
と、バッテリ電圧検出器6から出力されるバッテリ電圧検出値V
dc
と、キャリア三角波の振幅K
D
に基づいて、モータ200に印加されるU相PWM電圧を生成するためのデューティ指令値D
u01
*
を演算する。なお、キャリア三角波の振幅K
D
は、デューティ指令値演算部31に予め記憶されている。
【0046】
【0047】
式(3)によれば、U相PWM電圧指令値v
u
*
が大きくなるほどデューティ指令値D
u01
*
は大きくなり、バッテリ電圧検出値V
dc
が小さくなるほどデューティ指令値D
u01
*
を大きくなる。デューティ指令値演算部31は、演算されたデューティ指令値D
u01
*
をデッドタイム補償処理部32に出力する。
【0048】
デッドタイム補償処理部32は、デューティ指令値D
u01
*
に対してデッドタイム補償処理を行うことで、後段のデッドタイム付加処理部35におけるデッドタイムt
dt
の付加に起因するPWM電圧のパルス幅の変化に対する補償を行う。なお、このような補償処理は、デッドタイム補償と称される。
【0049】
本実施形態では、デッドタイム補償処理部32は、次式(4)に従って、デューティ指令値D
u01
*
に対して、U相電流i
u
の極性(正負)に基づいてsgn(i
u
)によって符号を定め、補償量「2K
D

dt
/t
c
」を加算又は減算することで、デューティ指令値D
u02
*
を算出する。
【0050】
(【0051】以降は省略されています)

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株式会社半導体エネルギー研究所
移動体
ミネベアミツミ株式会社
回転装置
日本電産コパル株式会社
駆動装置
株式会社デンソー
モータ制御装置
中国電力株式会社
地絡保護継電器
株式会社デンソー
モータ制御装置
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