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公開番号2020115716
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006268
出願日20190117
発明の名称時計及び時計用モータ制御方法
出願人セイコーインスツル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02P 8/02 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】時刻の補正精度を向上させることができる時計及び時計用モータ制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】時計は、コイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流をコイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超えたタイミングと、駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流をコイルに流す第2誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超えたタイミングと、の順序に基づいて、ロータが衝撃により回転した方向を判定し、第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超える第1回数及び第2誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超える第2回数に基づいて、ロータが正転方向に回転した正転回数又はロータが逆転方向に回転した逆転回数を算出し、正転回数に基づいて駆動パルスを出力する処理を停止させる、若しくは正転回数に基づいて逆方向駆動パルスを出力する第1補正処理、又は逆転回数に基づいて回転補正パルスを出力する第2補正処理、を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
指針を時計周りに回転させる正転方向又は前記指針を前記正転方向と反対の方向である逆転方向に回転させるロータ、及び前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるモータと、
前記コイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流を前記コイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超えたタイミングと、前記駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流を前記コイルに流す第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超えたタイミングと、の順序に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定部と、
前記第1誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第1回数及び前記第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第2回数に基づいて、前記ロータが前記正転方向に回転した正転回数又は前記ロータが前記逆転方向に回転した逆転回数を算出する回転数算出部と、
前記正転回数に基づいて前記コイルに駆動パルスを出力する処理を停止させる、若しくは前記正転回数に基づいて前記コイルに逆方向駆動パルスを出力する第1補正処理、又は前記逆転回数に基づいて前記コイルに回転補正パルスを出力する第2補正処理、を実行する回転補正部と、
を備える時計。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記回転補正部は、前記正転回数が1以上である場合、前記第1補正処理において、前記コイルに前記駆動パルスを出力する処理を前記正転回数と同じ回数停止させる、
請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記回転補正部は、前記正転回数が1以上である場合、前記第1補正処理において、前記正転回数と同じ回数だけ、前記コイルに逆駆動パルスを出力する、
請求項1に記載の時計。
【請求項4】
前記回転補正部は、前記逆転回数が1以上である場合、前記第2補正処理において、前記コイルに前記回転補正パルスを出力する処理を前記逆転回数と同じ回数実行する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の時計。
【請求項5】
前記回転数算出部は、前記第1回数と前記第2回数との和から2を差し引くことにより前記正転回数を算出する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の時計。
【請求項6】
前記回転数算出部は、前記第1回数と前記第2回数との和から1を差し引くことにより前記逆転回数を算出する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の時計。
【請求項7】
前記回転方向判定部は、前記第1誘起電圧の絶対値が前記第2誘起電圧の絶対値よりも先に前記所定の閾値を超えた場合、前記ロータが前記正転方向に回転したと判定する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の時計。
【請求項8】
前記回転方向判定部は、前記第2誘起電圧の絶対値が前記第1誘起電圧の絶対値よりも先に前記所定の閾値を超えた場合、前記ロータが前記逆転方向に回転したと判定する、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の時計。
【請求項9】
指針を時計周りに回転させる正転方向又は前記正転方向と反対の方向である逆転方向にロータを回転させるための磁束を発生させるコイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流を前記コイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超えたタイミングと、前記駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流を前記コイルに流す第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超えたタイミングと、の順序に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定ステップと、
前記第1誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第1回数及び前記第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第2回数に基づいて、前記ロータが前記正転方向に回転した正転回数又は前記ロータが前記逆転方向に回転した逆転回数を算出する回転数算出ステップと、
前記正転回数に基づいて前記コイルに駆動パルスを出力する処理を停止させる、若しくは前記正転回数に基づいて前記コイルに逆方向駆動パルスを出力する第1補正処理、又は前記逆転回数に基づいて前記コイルに回転補正パルスを出力する第2補正処理、を実行する回転補正ステップと、
を含む時計用モータ制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計及び時計用モータ制御方法に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
現在では、ステッピングモータを使用して指針を駆動させる時計が広く流通している。このような時計では、落下等の衝撃を受け、指針が動いてしまった場合、指針の動きが輪列を介してステッピングモータのロータを回転させ、指針が表示している時刻にずれが生じてしまうことがある。このようにして生じる時刻のずれを補正する技術として、例えば、特許文献1に開示されている電子時計及び特許文献2に開示されている電子時計がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭56−110073号公報
特開昭58−66887号公報
【0004】
特許文献1に開示されている電子時計は、回転子が静止中に外部より衝撃が加えられた場合、電磁コイルに発生する誘起電圧を検出する衝撃検出手段と、該衝撃検出手段の出力と駆動信号の相別により衝撃方向を判別する衝撃方向判別手段及び該衝撃方向判別手段の出力に基づき駆動信号を制御する制御手段とを有する。この電子時計は、逆転衝撃を受けたと判別した場合、補償駆動用信号を出力し、正転衝撃を受けたと判別した場合、補償駆動用信号を出力しないことにより、ロータが逆転衝撃により180度回転した場合、時刻のずれを補正することができる。
【0005】
特許文献2に開示されている電子時計は、コイルに発生する誘起電圧に基づいて衝撃によるロータの回転を検出する回転検出回路及びコイルの両端の点のどちらの電位が高いかによって衝撃により正回転又は逆回転のいずれが発生したかを検出する回転方向検出回路が設けられている。この電子時計は、回転検出回路及び回転方向検出回路からの信号により波形合成回路及び駆動回路を制御し、時計に衝撃が加わっても時刻表示の狂いを無くすことができる。
【0006】
しかし、これら二つの電子時計は、衝撃によるロータの回転が180度(以下、180度の回転を1ステップと称する。)である場合には時刻のずれを補正することができるものの、360度(2ステップ)、540度(3ステップ)等、ロータが複数ステップ回転している場合には正しい時刻に補正することができないことがある。また、衝撃によりロータが回転していない場合でも誘起電圧が発生することがあるため、特許文献2に開示されている電子時計は、ロータの回転の検出や回転の方向を正確に検出し得ないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、時刻の補正精度を向上させることができる時計及び時計用モータ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る時計は、指針を時計周りに回転させる正転方向又は前記指針を前記正転方向と反対の方向である逆転方向に回転させるロータ、及び前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるモータと、前記コイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流を前記コイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超えたタイミングと、前記駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流を前記コイルに流す第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超えたタイミングと、の順序に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定部と、前記第1誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第1回数及び前記第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第2回数に基づいて、前記ロータが前記正転方向に回転した正転回数又は前記ロータが前記逆転方向に回転した逆転回数を算出する回転数算出部と、前記正転回数に基づいて前記コイルに駆動パルスを出力する処理を停止させる、若しくは前記正転回数に基づいて前記コイルに逆方向駆動パルスを出力する第1補正処理、又は前記逆転回数に基づいて前記コイルに回転補正パルスを出力する第2補正処理、を実行する回転補正部と、を備える。
【0009】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転補正部は、前記正転回数が1以上である場合、前記第1補正処理において、前記コイルに前記駆動パルスを出力する処理を前記正転回数と同じ回数停止させる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転補正部は、前記正転回数が1以上である場合、前記第1補正処理において、前記正転回数と同じ回数だけ、前記コイルに逆駆動パルスを出力する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転補正部は、前記逆転回数が1以上である場合、前記第2補正処理において、前記コイルに前記回転補正パルスを出力する処理を前記逆転回数と同じ回数実行する。
【0012】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転数算出部は、前記第1回数と前記第2回数との和から2を差し引くことにより前記正転回数を算出する。
【0013】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転数算出部は、前記第1回数と前記第2回数との和から1を差し引くことにより前記逆転回数を算出する。
【0014】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転方向判定部は、前記第1誘起電圧の絶対値が前記第2誘起電圧の絶対値よりも先に前記所定の閾値を超えた場合、前記ロータが前記正転方向に回転したと判定する。
【0015】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記回転方向判定部は、前記第2誘起電圧の絶対値が前記第1誘起電圧の絶対値よりも先に前記所定の閾値を超えた場合、前記ロータが前記逆転方向に回転したと判定する。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る時計用モータ制御方法は、指針を時計周りに回転させる正転方向又は前記正転方向と反対の方向である逆転方向にロータを回転させるための磁束を発生させるコイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流を前記コイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超えたタイミングと、前記駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流を前記コイルに流す第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超えたタイミングと、の順序に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定ステップと、前記第1誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第1回数及び前記第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第2回数に基づいて、前記ロータが前記正転方向に回転した正転回数又は前記ロータが前記逆転方向に回転した逆転回数を算出する回転数算出ステップと、前記正転回数に基づいて前記コイルに駆動パルスを出力する処理を停止させる、若しくは前記正転回数に基づいて前記コイルに逆方向駆動パルスを出力する第1補正処理、又は前記逆転回数に基づいて前記コイルに回転補正パルスを出力する第2補正処理、を実行する回転補正ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、時刻の補正精度を向上させることができる時計及び時計用モータ制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
実施形態に係る時計の構成の一例を示す図である。
実施形態に係るモータ駆動回路及びステッピングモータの一例を示す図である。
実施形態に係るロータを回転させる場合にコイルの二つの端子それぞれに発生する信号及びこれらの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。
実施形態に係るロータが図2に示した状態から正転方向に1ステップ回転し、自由振動している状態の一例を示す図である。
図4に示した場合における駆動パルス、誘起電圧及び補正駆動パルスと、これら三つの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例である。
図2に示した状態からロータを正転方向に1ステップ回転させた後、ロータを正転方向に1ステップ回転させる衝撃が実施形態に係る時計に加えられた場合の一例を示す図である。
図6に示した場合においてトランジスタのゲートに入力されるゲート信号及びコイルの二つの端子それぞれに発生する誘起電圧の一例を示す図である。
図2に示した状態からロータを正転方向に1ステップ回転させた後、ロータを逆転方向に1ステップ回転させる衝撃が実施形態に係る時計に加えられた場合の一例を示す図である。
図8に示した場合においてコイルの二つの端子それぞれに発生する誘起電圧の一例を示す図である。
実施形態に係る時計が衝撃によりロータが回転する方向を判定する方法を説明するための図である。
衝撃によるロータの正転回数と衝撃を受けた場合におけるロータの挙動とコイルの端子に誘起される誘起電圧との対応関係の一例を示す図である。
衝撃によるロータの逆転回数と衝撃を受けた場合におけるロータの挙動とコイルの端子に誘起される誘起電圧との対応関係の一例を示す図である。
実施形態に係る時計が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1から図12を参照しながら、実施形態に係る時計の一例について説明する。図1は、実施形態に係る時計の構成の一例を示す図である。図1に示すように、時計1は、発振回路101と、分周回路102と、制御回路103と、主駆動パルス発生回路104と、補正駆動パルス発生回路105と、モータ駆動回路106と、ステッピングモータ107と、時計ケース108と、アナログ表示部109と、ムーブメント110と、指針111と、カレンダ表示部112と、回転検出回路113と、回転方向判定回路114と、回転数算出回路115と、回転補正回路116とを備える。
【0020】
発振回路101は、所定の周波数を有する信号を発生させて分周回路102に送信する。分周回路102は、発振回路101から受信した信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生させて制御回路103に送信する。制御回路103は、分周回路102から受信した時計信号等に基づいて、時計1の各部に制御信号を送信し、これらの動作を制御する。
【0021】
主駆動パルス発生回路104は、制御回路103から受信した制御信号に基づいて、ステッピングモータ107を駆動する主駆動パルスを発生させてモータ駆動回路106に出力する。主駆動パルスは、後述するステッピングモータ107のロータ202を1ステップ、すなわち180度正転方向に回転させるために出力される櫛歯状の電圧パルスである。なお、ここで言う正転方向は、指針111を時計周りに回転させるために後述するロータ202が回転する方向である。一方、逆転方向は、正転方向と反対の方向である。
【0022】
補正駆動パルス発生回路105は、制御回路103から受信した制御信号に基づいて、ステッピングモータ107を駆動する補正駆動パルスを発生させてモータ駆動回路106に出力する。補正駆動パルスは、後述するステッピングモータ107のロータ202が主駆動パルスにより正転方向に回転しなかった場合に出力される電圧パルスであり、主駆動パルスよりもデューティ比が大きいため、主駆動パルスよりもエネルギーが大きい。
【0023】
図2は、実施形態に係るモータ駆動回路及びステッピングモータの一例を示す図である。図2に示すように、モータ駆動回路106は、トランジスタTP1と、トランジスタTP2と、トランジスタTP3と、トランジスタTP4と、トランジスタTN1と、トランジスタTN2と、検出抵抗Rs1と、検出抵抗Rs2と、端子ОUT1と、端子ОUT2とを備える。
【0024】
トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、PチャネルのMОSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、ローレベルのゲート信号を受信するとオンになり、ハイレベルのゲート信号を受信するとオフになる。また、トランジスタTN1及びトランジスタTN2は、NチャネルのMОSFETであり、ローレベルのゲート信号を受信するとオフになり、ハイレベルのゲート信号を受信するとオンになる。なお、ハイレベルの電位は、モータ駆動回路106の電源電圧であるVDDと等しい電位である。また、ローレベルの電位は、0V又は基準電圧であるVSSと等しい電位である。
【0025】
トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3及びトランジスタTP4のソースは、互いに電気的に接続されており、モータ駆動回路106の電源電圧であるVDDが供給される。トランジスタTP3のドレインは、検出抵抗Rs1の一端に電気的に接続されている。また、トランジスタTP1のドレイン、トランジスタTN1のドレイン及び検出抵抗Rs1の他端は、端子ОUT1に電気的に接続されている。トランジスタTP4のドレインは、検出抵抗Rs2の一端に電気的に接続されている。また、トランジスタTP2のドレイン、トランジスタTN2のドレイン及び検出抵抗Rs2の他端は、端子ОUT2に電気的に接続されている。トランジスタTN1及びトランジスタTN2のソースは、互いに電気的に接続されており、0V又は基準電圧であるVSSが供給される。また、端子ОUT1及び端子ОUT2は、図示されていないコンパレータの入力端子に接続されている。さらに、このコンパレータの基準入力端子には、後述する基準電圧Vcompが入力される。
【0026】
図2に示すように、ステッピングモータ107は、ステータ201と、ロータ202と、ロータ収納用貫通孔203と、内ノッチ204と、内ノッチ205と、外ノッチ206と、外ノッチ207と、磁心208と、コイル209とを備える。
【0027】
ステータ201は、U字状に湾曲しており、磁性材料で作製されている部材である。ロータ202は、円柱状に形成されており、ステータ201に形成されたロータ収納用貫通孔203に対して回転可能な状態で挿入されている。また、ロータ202は、着磁されているため、N極及びS極を有する。ロータ202は、正転方向に回転することにより輪列を介して指針111を時計周りに回転させ、逆転方向に回転することにより輪列を介して指針111を反時計周りに回転させる。
【0028】
内ノッチ204及び内ノッチ205は、ロータ収納用貫通孔203の壁面に形成された切り欠きであり、ステータ201に対するロータ202の停止位置を決定している。すなわち、例えば、図2に示すように、ロータ202は、コイル209が励磁されていない場合、磁極軸が内ノッチ204と内ノッチ205とを結ぶ線分と直交する位置で静止する。
【0029】
外ノッチ206及び外ノッチ207は、それぞれ湾曲しているステータ201の内側及び外側に形成されている切り欠きであり、ロータ収納用貫通孔203との間に過飽和部を形成している。ここで、過飽和部は、ロータ202の磁束により磁気飽和せず、コイル209が励磁されたときに磁気飽和して磁気抵抗が大きくなる部分である。
【0030】
磁心208は、磁性材料で作製されている棒状の部材であり、ステータ201の両端と接合されている。コイル209は、磁心208に巻き付けられており、端子ОUT1に一端が接続されており、端子ОUT2に他端が接続されている。
【0031】
図3は、実施形態に係るロータを回転させる場合にコイルの二つの端子それぞれに発生する信号及びこれらの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。
【0032】
モータ駆動回路106は、ロータ202の磁極軸が内ノッチ204と内ノッチ205とを結ぶ線分と直交した状態で静止している場合において、例えば、トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTN1及びトランジスタTN2に対して図3の左側に示したゲート信号を出力する。
【0033】
これにより、トランジスタTP1は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。また、トランジスタTN1は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。さらに、トランジスタTP2及びトランジスタTN2は、櫛歯状のゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。
【0034】
この場合、図3に示すように、端子ОUT1の電圧がハイレベルとなり、端子ОUT2に櫛歯状の駆動パルスが出力される。そして、図2に示すように、VDD、トランジスタTP1、端子ОUT1、コイル209、端子ОUT2、トランジスタTN2、VSSの経路で駆動電流Idrvが流れ、コイル209に磁束Φ

が発生する。ロータ202のN極及びS極が磁束Φ

によりステータ201に発生したN極及びS極それぞれと反発することにより、ロータ202は、図2に軌跡r1で示すように、θ

方向からθ

方向に回転する。この回転は、正転方向への1ステップ回転の一例である。したがって、駆動電流Idrvは、ロータ202が衝撃により回転した方向が判定される前にロータを正転方向に1ステップ回転させるために流れる電流であるといえる。
【0035】
次に、モータ駆動回路106は、ロータ202のN極がθ

方向を向いている場合において、例えば、トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTN1及びトランジスタTN2に対して図3の右側に示したゲート信号を出力する。
【0036】
これにより、トランジスタTP2は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。また、トランジスタTN2は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。さらに、トランジスタTP1及びトランジスタTN1は、櫛歯状のゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。
【0037】
この場合、図3に示すように、端子ОUT2の電圧がハイレベルとなり、端子ОUT1に櫛歯状の駆動パルスが出力される。そして、VDD、トランジスタTP2、端子ОUT2、コイル209、端子ОUT1、トランジスタTN1、VSSの経路で駆動電流が流れ、コイル209に磁束Φ

と反対方向の磁束が発生する。ロータ202のN極及びS極が当該磁束によりステータ201に発生したN極及びS極それぞれと反発することにより、ロータ202は、θ

方向からθ

方向に回転する。この回転は、正転方向への1ステップ回転の一例である。したがって、この駆動電流は、上述した駆動電流Idrvが流れる場合とロータ202のN極の向きが反対である場合に、ロータ202が衝撃により回転した方向が判定される前にロータを正転方向に1ステップ回転させるために流れる電流であるといえる。
【0038】
図1に戻り、時計ケース108は、発振回路101、分周回路102、制御回路103、主駆動パルス発生回路104、補正駆動パルス発生回路105、モータ駆動回路106、ステッピングモータ107、アナログ表示部109、ムーブメント110、指針111、カレンダ表示部112、回転検出回路113、回転方向判定回路114、回転数算出回路115及び回転補正回路116を収納している筐体である。
【0039】
アナログ表示部109は、目盛りが刻まれた文字盤である。ムーブメント110は、時計1の各部を駆動させるための機械式の機構である。指針111は、時針、分針、秒針その他の針を含む。カレンダ表示部112は、ステッピングモータ107により駆動され、日付を表示する。
【0040】
回転検出回路113は、時計1が落下等の衝撃を受けておらず、通常通りに駆動されているロータ202の回転を検出する。図4は、実施形態に係るロータが図2に示した状態から正転方向に1ステップ回転し、自由振動している状態の一例を示す図である。図5は、図4に示した場合における駆動パルス、誘起電圧及び補正駆動パルスと、これら三つの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例である。以下の説明では、図4に示したX方向とY方向により区切られた第I象限、第II象限、第III象限及び第IV象限を使用する。また、図4に示すように、第I象限及び第II象限によって構成される領域と第III象限及び第IV象限によって構成される領域との境界(図中のX軸)には、水平磁極が位置している。
【0041】
モータ駆動回路106は、図3の左側に示したゲート信号と同様のゲート信号を出力することにより、端子ОUT2に図5に示した駆動パルスP1を出力する。これにより、VDD、トランジスタTP1、端子ОUT1、コイル209、端子ОUT2、トランジスタTN2、VSSの経路で駆動電流が流れ、コイル209に磁束が発生する。ロータ202のN極及びS極が当該磁束によりステータ201に発生したN極及びS極それぞれと反発することにより、ロータ202は、図4に示した軌跡r1、軌跡r2及び軌跡r3で示すように、θ

方向からθ

方向に回転する。
【0042】
軌跡r1は、ロータ202がN極をθ

の方向に向けている状態から内ノッチ205により形成されている磁気的ポテンシャルの最大点を超え、第II象限と第III象限との境界に到達する様子を表している。また、駆動パルスP1は、ロータ202が軌跡r1で表される回転を続けている間、出力される。軌跡r2は、ロータ202のN極が第II象限と第III象限との境界に位置している状態からロータ202がN極をθ

の方向に向けている状態を経て、時計周りの角速度がゼロになるまで回転する様子を表している。軌跡r3は、時計周りの角速度がゼロになった後、ロータ202が反時計周りに回転する様子を表している。ロータ202は、この後も運動エネルギーが尽きるまで時計周り方向への回転と反時計周り方向への回転とを繰り返す。
【0043】
モータ駆動回路106は、ロータ202が軌跡r2又は軌跡r3上で表される回転を続けている間、例えば、トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTN1及びトランジスタTN2に対して図5に示したゲート信号を出力する。
【0044】
これにより、トランジスタTP1及びトランジスタTP4は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。トランジスタTP3は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTN1及びトランジスタTN2は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。そして、トランジスタTP2は、櫛歯状のゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。また、この櫛歯状のゲート信号は、チョッパ信号と呼ばれる。
【0045】
この場合、図5に示すように、端子ОUT1の電圧がハイレベルとなり、ロータ202が軌跡r2で表される回転を続けている間、端子ОUT2にハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答が出力される。このスパイク状の電圧応答は、図5に示されており、駆動電流と同一の方向に流れる誘起電流Irs1をチョッパ信号により増幅して検出することにより得られた応答であり、電圧の大きさがトランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。なお、チョッパ信号により信号を増幅する処理は、チョッパ増幅と呼ばれる。
【0046】
また、図5に示すように、ロータ202が軌跡r3で表される回転を続けている間、端子ОUT2にハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答が出力される。これらのスパイク状の電圧応答は、図5に示されており、駆動電流と反対の方向に流れる誘起電流Irs2をチョッパ信号により増幅して検出することにより得られた応答である。回転検出回路113は、これらのスパイク状の電圧応答の絶対値が基準電圧Vcompを超えている場合、ロータ202が1ステップ回転したと判定する。つまり、ロータ202が落下等の衝撃により正転方向又は逆転方向に回転することなく、正転方向へ正常に回転した場合、駆動パルスが一回出力される度に絶対値が基準電圧Vcompを超えるスパイク状の電圧応答が一回検出される。一方、回転検出回路113は、これらのスパイク状の電圧応答の絶対値が基準電圧Vcomp以下である場合、ロータ202が回転していないと判定する。なお、ここで言う基準電圧Vcompは、例えば、図5に示すように、0V又は基準電圧であるVSSと等しい電位である。
【0047】
ロータ202が回転していると判定された場合、制御回路103は、通常通りの制御を続ける。一方、ロータ202が回転していないと判定された場合、制御回路103は、補正駆動パルス発生回路105及びモータ駆動回路106を制御し、例えば、図5に示した補正駆動パルスP2又は補正駆動パルスPrを端子ОUT2に出力させる。
【0048】
具体的には、モータ駆動回路106は、例えば、トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTN1及びトランジスタTN2に対して図5に示したゲート信号を出力する。これにより、トランジスタTP1は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。トランジスタTP2、トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTN1は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTN2は、ハイレベルのゲート信号を受信してオンになる。この場合、図5に示すように、端子ОUT1の電圧がハイレベルとなり、端子ОUT2に補正駆動パルスP2が出力される。
【0049】
或いは、モータ駆動回路106は、例えば、トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTN1及びトランジスタTN2に対して図5に示したゲート信号を出力する。これにより、トランジスタTP1は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTN1は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTP2及びトランジスタTN2は、櫛歯状のゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。この場合、図5に示すように、端子ОUT1の電圧がハイレベルとなり、端子ОUT2に櫛歯状の補正駆動パルスPrが出力される。
【0050】
また、回転検出回路113は、時計1に加えられた落下等の衝撃によるロータ202の回転を検出する。図6は、図2に示した状態からロータを正転方向に1ステップ回転させた後、ロータを正転方向に1ステップ回転させる衝撃が実施形態に係る時計に加えられた場合の一例を示す図である。図7は、図6に示した場合においてトランジスタのゲートに入力されるゲート信号及びコイルの二つの端子それぞれに発生する誘起電圧の一例を示す図である。
(【0051】以降は省略されています)

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