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公開番号2020115712
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006126
出願日20190117
発明の名称ロータ
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 1/27 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】簡素な構成によりロータコアに磁石を固定するとともに、ロータコアと磁石間を絶縁し、かつ磁石の割れを抑制した高性能なロータを提供する。
【解決手段】磁石挿入スロット22を有するロータコア2と、磁石挿入スロット22に一組収容される分割磁石3と、分割磁石3に巻回される単一の絶縁シート4と、を備え、絶縁シート4は、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間に配置され、絶縁シート4の少なくとも一部は、接着性及び発泡性を有する。絶縁シート4は、ロータコア2の軸方向から見てB字状に巻回されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁石挿入スロットを有するロータコアと、
前記磁石挿入スロットに一組収容される分割磁石と、
前記分割磁石に巻回される単一の絶縁シートと、
を備え、
前記絶縁シートは、前記分割磁石と前記ロータコアとの間及び隣り合う前記分割磁石間に配置され、
前記絶縁シートの少なくとも一部は、接着性及び発泡性を有することを特徴とするロータ。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記絶縁シートは、
前記分割磁石と前記ロータコアとの間及び隣り合う前記分割磁石間を絶縁するシート層と、
前記分割磁石と前記ロータコアとの間及び隣り合う前記分割磁石間を接着固定する接着層と、
を有し、
前記接着層は発泡性を有することを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記接着層は、前記シート層の一部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
前記絶縁シートは、前記ロータコアの軸方向から見てB字状に巻回されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項5】
前記絶縁シートは、前記ロータコアの軸方向から見てS字状に巻回されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータに関するものである。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、回転電機のロータとして、ロータコアに永久磁石が埋設された永久磁石埋設型のロータが使用されている。このようなロータでは、ロータ回転時における磁石の振動や割れを抑制するために、ロータと永久磁石とを接着固定する技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数の孔部が形成されたロータコアと、孔部に挿入される永久磁石と、を備え、永久磁石は少なくとも2つ以上に分割され、分割された磁石間に孔部への磁石挿入時に対して挿入後に厚みが増して各磁石を孔部の内壁面に押し付ける磁石固定手段を設けた構成が記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、磁石固定手段は、孔部への磁石挿入後に熱膨張して厚みが増すことで、分割した各磁石が孔部の内壁面に押し付けられて、永久磁石を孔部に対してがたつき無く固定させることができるとされている。
【0004】
特許文献2には、永久磁石の一方表面および他方表面と磁石挿入穴の内壁面との間に設けられた電気絶縁性の接着層によって永久磁石が磁石挿入穴内に固定された構成が記載されている。接着層には高透磁率の材料が混合されている。特許文献2に記載の技術によれば、接着層により磁石とロータコアとの間が電気絶縁されるため磁石を介して渦電流ループ経路が大きく形成されるのを防止することができ、これにより渦電流損失を抑制することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010−141989号公報
特開2012−244838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、磁石がロータコアに押し付けられて固定されるので、ロータコアと磁石間の絶縁が確保されない可能性がある。よって、磁石とロータコアとが導通することにより、渦電流損失が生じるおそれがある。また、例えば複数の鋼板を積層して形成されたロータコアに適用する場合、孔部側に最も突出した鋼板と磁石とが当接するため、一部の鋼板と磁石との間に大きな応力が発生する。このため、ロータ回転時の遠心力により、磁石に大きな応力が作用して磁石が割れるおそれがある。
【0007】
特許文献2に記載の技術にあっては、磁石の各面にそれぞれ接着層を貼り付ける必要があるため、貼付け作業の手間がかかる。特に、分割磁石を用いる場合、ロータコアと磁石間だけでなく磁石と磁石間にも接着層を貼り付ける必要があるため、磁石の分割数が増えるにつれて作業工程が増加するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、簡素な構成によりロータコアに磁石を固定するとともに、ロータコアと磁石間を絶縁し、かつ磁石の割れを抑制した高性能なロータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係るロータ(例えば、第1実施形態におけるロータ1)は、磁石挿入スロット(例えば、第1実施形態における磁石挿入スロット22)を有するロータコア(例えば、第1実施形態におけるロータコア2)と、前記磁石挿入スロットに一組収容される分割磁石(例えば、第1実施形態における分割磁石3)と、前記分割磁石に巻回される単一の絶縁シート(例えば、第1実施形態における絶縁シート4)と、を備え、前記絶縁シートは、前記分割磁石と前記ロータコアとの間及び隣り合う前記分割磁石間に配置され、前記絶縁シートの少なくとも一部は、接着性及び発泡性を有することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明に係るロータは、前記絶縁シートは、前記分割磁石と前記ロータコアとの間及び隣り合う前記分割磁石間を絶縁するシート層(例えば、第1実施形態におけるシート層41)と、前記分割磁石と前記ロータコアとの間及び隣り合う前記分割磁石間を接着固定する接着層(例えば、第1実施形態における接着層42)と、を有し、前記接着層は発泡性を有することを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明に係るロータは、前記接着層は、前記シート層の一部に設けられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係るロータは、前記絶縁シートは、前記ロータコアの軸方向から見てB字状に巻回されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項5に記載の発明に係るロータは、前記絶縁シートは、前記ロータコアの軸方向から見てS字状に巻回されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載のロータによれば、絶縁シートにより、分割磁石とロータコアとの間及び隣り合う分割磁石間が絶縁される。これにより、渦電流損失の発生が抑制され、ロータの性能を向上できる。また、絶縁シートの少なくとも一部は発泡性を有するので、絶縁シートが発泡して膨張することにより分割磁石とロータコアとの間及び隣り合う分割磁石間が押圧される。さらに絶縁シートの少なくとも一部は接着性を有するので、押圧された分割磁石とロータコアとの間及び隣り合う分割磁石間がそれぞれ接着される。これにより、ロータコアに分割磁石を確実に固定できる。一方、発砲した絶縁シートが緩衝材としてロータコアと分割磁石との間に配置されることにより、分割磁石に過大な応力が作用するのを抑制できる。よって、分割磁石の割れを抑制できる。
分割磁石は、単一の絶縁シートが巻回されることによりロータコアに固定されるので、分割磁石の各面に接着剤を塗布する場合と比較して、作業を容易に行うことができる。
したがって、簡素な構成によりロータコアに磁石を固定するとともに、ロータコアと磁石間を絶縁し、かつ磁石の割れを抑制した高性能なロータを提供できる。
【0015】
本発明の請求項2に記載のロータによれば、絶縁シートは、シート層と、接着層と、を有するので、シート層により分割磁石とロータコア間及び分割磁石間が絶縁され、接着層により分割磁石とロータコア間及び分割磁石間が接着される。よって、単一の絶縁シートにより絶縁と接着を兼ねることができる。また、接着層は発泡性を有するので、接着層が発泡することにより、押圧と接着とを同時に行うことができる。よって、より確実に分割磁石とロータコア間及び分割磁石間を接着固定できる。
【0016】
本発明の請求項3に記載のロータによれば、接着層はシート層の一部に設けられているので、必要な箇所にのみ接着層を設けることにより、絶縁シートのコストを低減できる。また、分割磁石の形状や分割数に応じて接着層の配置を変更することにより、汎用性を向上できる。
【0017】
本発明の請求項4に記載のロータによれば、絶縁シートは、ロータコアの軸方向から見てB字状に巻回されているので、分割磁石とロータコア間及び分割磁石間を確実に絶縁できる。
【0018】
本発明の請求項5に記載のロータによれば、絶縁シートは、ロータコアの軸方向から見てS字状に巻回されているので、B字状に巻回される場合と比較して、絶縁シートの使用量を削減できる。よって、絶縁シートの低コスト化ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
第1実施形態に係るロータの正面図。
図1のII部拡大図。
図2のIII−III線に沿う断面図。
第1実施形態に係るロータの製造方法を示す説明図。
第1変形例に係るロータの製造方法を示す説明図。
第2実施形態に係るロータの部分拡大図。
第2実施形態に係る絶縁シートの表面の構成図。
第2実施形態に係る絶縁シートの裏面の構成図。
第3実施形態に係るロータの部分拡大図。
第4実施形態に係るロータの部分拡大図。
従来技術に係るロータの部分拡大図。
図11のXII−XII線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
(ロータ)
図1は、第1実施形態に係るロータ1を軸方向から見た正面図である。ロータ1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される回転電機のロータ1である。但し、本発明のロータ1の構成は、走行用モータに限らず、発電用モータやその他用途のモータ、車両用以外の回転電機(発電機を含む)のロータ1としても適用可能である。
【0022】
図1に示すように、ロータ1は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。軸線Cは、図1において紙面を貫通する方向に延在している。以下の説明では、ロータ1の軸線Cに沿う方向を単に軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。
ロータ1の径方向外側には、不図示のステータが間隔をあけて配置されている。ロータ1は、ステータに対して軸線C回りに回転可能に構成されている。ロータ1は、ロータコア2と、分割磁石3と、絶縁シート4(図2参照)と、を備える。
【0023】
(ロータコア)
ロータコア2は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。ロータコア2は、複数の鋼板29を軸方向に積層することにより、軸方向に延びる柱状に形成されている。ロータコア2は、軸挿通孔21と、磁石挿入スロット22と、を有する。
【0024】
軸挿通孔21は、軸線Cと同軸に形成されている。軸挿通孔21は、ロータコア2を軸方向に貫通している。軸挿通孔21には、不図示の回転軸が貫通した状態で固定されている。これにより、ロータコア2と回転軸とが軸線C回りに一体回転する。
【0025】
図2は、図1のII部拡大図である。磁石挿入スロット22は、ロータコア2の外周部に設けられている。磁石挿入スロット22は、ロータコア2を軸方向に貫通している。磁石挿入スロット22は、周方向に複数(本実施形態では16個)設けられている。図1に示すように、磁石挿入スロット22は、軸方向から見て一対の磁石挿入スロット22がV字状に配置されている。図2に示すように、磁石挿入スロット22は、磁石挿入部23と、空隙部24と、応力逃げ部25と、を有する。
【0026】
磁石挿入部23には、後述の分割磁石3が収容されている。磁石挿入部23は、矩形状に形成されている。
空隙部24は、磁石挿入部23の長手方向の両端にそれぞれ一対設けられている。空隙部24は、磁石挿入部23の短辺からロータコア2側へ向かって膨出している。空隙部24は、磁石挿入部23と連通している。
応力逃げ部25は、磁石挿入部23に収容される分割磁石3の角部に対応する位置に設けられている。応力逃げ部25は、磁石挿入部23の径方向内側の長辺において分割磁石3の角部に対応する位置から、ロータコア2の径方向内側に向かって凸となるように一対形成されている。応力逃げ部25は、磁石挿入部23と連通している。
空隙部24及び応力逃げ部25が磁石挿入部23にそれぞれ連通することにより、ロータコア2には、ロータコア2を軸方向に貫通する一つの孔(すなわち、磁石挿入スロット22)が形成されている。
【0027】
(分割磁石)
分割磁石3は、磁石挿入部23に収容されている。分割磁石3は、ロータコア2の内部を軸方向に延在している。分割磁石3は、磁石挿入部23に収容されることにより周方向に複数(本実施形態では16個)配置されている。分割磁石3は、ロータコア2の周方向に交互に異なる磁極となるように配置されている。分割磁石3は、軸方向から見て矩形状に形成されている。分割磁石3は、2個の単磁石31に分割されている。具体的に、分割磁石3は、分割磁石3の長手方向の中心位置で垂直に2等分された矩形状の単磁石31,31に分割されている。
【0028】
分割磁石3は、例えば希土類磁石である。希土類磁石としては、例えばネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石、プラセオジム磁石等が挙げられる。
【0029】
(絶縁シート)
絶縁シート4は、分割磁石3に巻回されている。ひとつの磁石挿入スロット22には、単一の絶縁シート4が収容されている。磁石挿入スロット22の内部において、絶縁シート4は、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間に配置されている。絶縁シート4の少なくとも一部は、接着性及び発泡性を有する。具体的に、絶縁シート4は、シート層41と、接着層42と、を有する。
【0030】
図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。
シート層41は、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間に配置されている。シート層41は、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間をそれぞれ絶縁している。シート層41は、例えばポリエステルやエポキシ、ポリイミド等の絶縁性の樹脂である。
【0031】
接着層42は、シート層41の両面に設けられている。接着層42は、シート層41のほぼ全面に塗布されている。接着層42は、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間を接着固定している。接着層42は、発泡性を有する。具体的に、接着層42は、加熱することにより体積が膨張する性質を有する。接着層42は、例えばアクリル系やゴム系、シリコーン系等の接着剤である。
接着層42により、ロータコア2に分割磁石3が接着固定されている。
【0032】
図2に戻って、このように形成された絶縁シート4は、分割磁石3に対して、ロータコア2の軸方向から見てB字状に巻回されている。具体的に、絶縁シート4は、一端部が分割磁石3の分割面に配置されて一方の単磁石31に巻回された後、一方の単磁石31における巻回方向と同じ方向に他方の単磁石31に巻回され、他端部が再び分割磁石3の分割面に配置されている。これにより、絶縁シート4の両端部が分割磁石3の分割面に配置されている。
【0033】
次に、分割磁石3及び絶縁シート4をロータコア2に装着する方法について説明する。
図4は、ロータ1の製造方法を示す説明図である。
図4に示すように、始めに、所定の形状に折り曲げた絶縁シート4をロータコア2の磁石挿入スロット22に挿入する。絶縁シート4は、分割磁石3が挿入可能な形状となるように折り曲げられている。次に、ロータコア2に収容された絶縁シート4の内部に、分割磁石3を挿入する。具体的に、絶縁シート4により形成された2つの空間に単磁石31をそれぞれ挿入する。これにより、ロータコア2に分割磁石3及び絶縁シート4を配置する。
【0034】
次に、絶縁シート4を加熱して接着層42(図3参照)を発泡させる。これにより、接着層42が分割磁石3及びロータコア2を押圧するとともに、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間を接着固定する。
このようにロータコア2に分割磁石3及び絶縁シート4を固定することにより、ロータ1を製造する。
【0035】
(作用、効果)
次に、ロータ1の作用、効果について説明する。
ここで、図11は、従来技術に係るロータ101の磁石挿入スロット122近傍における部分拡大図である。図12は、図11のXII−XII線に沿う断面図である。
図11に示すように、分割磁石103とロータコア102との間及び隣り合う分割磁石103間に絶縁シート4(図2参照)が配置されない従来技術にあっては、例えば分割磁石103が収容された磁石挿入スロット122に樹脂を流し込むことにより、ロータコア102に分割磁石103を固定する。分割磁石103の分割面には接着剤が塗布されている。図12に示すように、ロータコア102は複数の鋼板129を積層して形成されているので、磁石挿入スロット122の内壁面には鋼板129の段差により凹凸形状が形成されている。この状態において、ロータ101が回転すると、遠心力により一部の鋼板129と分割磁石103とが接触し、分割磁石103の一部に過大な応力が生じやすい。これにより、分割磁石103の割れが発生するおそれがある。
また、分割磁石103とロータコア102とが接触した場合、分割磁石103内部を流れる渦電流が生じることにより損失が生じ、ロータ101性能が低下するおそれがある。同様に、各単磁石131間に例えば金属片等が混入した場合や、単磁石131が軸方向に傾いて配置された場合、単磁石131同士が導通して損失が生じるおそれがある。
したがって、従来技術にあっては、分割磁石103の割れの抑制、ロータコア102と分割磁石103との間及び分割磁石103間における絶縁性の確保、という点で課題が残されていた。
【0036】
図2に戻って、本実施形態のロータ1によれば、絶縁シート4により、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間が絶縁される。これにより、渦電流損失の発生が抑制され、ロータ1の性能を向上できる。また、絶縁シート4の少なくとも一部は発泡性を有するので、絶縁シート4が発泡して膨張することにより分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間が押圧される。さらに絶縁シート4の少なくとも一部は接着性を有するので、押圧された分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間がそれぞれ接着される。これにより、ロータコア2に分割磁石3を確実に固定できる。一方、発砲した絶縁シート4が緩衝材としてロータコア2と分割磁石3との間に配置されることにより、分割磁石3に過大な応力が作用するのを抑制できる。よって、分割磁石3の割れを抑制できる。
分割磁石3は、単一の絶縁シート4が巻回されることによりロータコア2に固定されるので、分割磁石3の各面に接着剤を塗布する場合と比較して、作業を容易に行うことができる。
したがって、簡素な構成によりロータコア2に分割磁石3を固定するとともに、ロータコア2と分割磁石3間を絶縁し、かつ分割磁石3の割れを抑制した高性能なロータ1を提供できる。
【0037】
また、絶縁シート4により分割磁石3とロータコア2とを接着固定できるので、磁石挿入スロット22に樹脂を流し込んで樹脂モールドする必要がない。よって、製造時の工程数及び製造コストを削減できる。
【0038】
絶縁シート4は、シート層41と、接着層42と、を有するので、シート層41により分割磁石3とロータコア2間及び分割磁石3間が絶縁され、接着層42により分割磁石3とロータコア2間及び分割磁石3間が接着される。よって、単一の絶縁シート4により絶縁と接着を兼ねることができる。また、接着層42は発泡性を有するので、接着層42が発泡することにより、押圧と接着とを同時に行うことができる。よって、より確実に分割磁石3とロータコア2間及び分割磁石3間を接着固定できる。
【0039】
絶縁シート4は、ロータコア2の軸方向から見てB字状に巻回されているので、分割磁石3とロータコア2間及び分割磁石3間を確実に絶縁できる。
【0040】
(第1変形例)
次に、本発明に係る第1変形例について説明する。図5は、第1変形例に係るロータ1の製造方法を示す説明図である。本実施形態では、絶縁シート4を先に分割磁石3に巻回してからロータコア2に挿入する点において上述した実施形態と相違している。
【0041】
本実施形態において、始めに、分割磁石3に絶縁シート4を巻き付ける。次に、絶縁シート4が巻回された分割磁石3をロータコア2の磁石挿入スロット22に挿入する。これにより、ロータコア2に分割磁石3及び絶縁シート4を配置する。
次に、絶縁シート4を加熱して接着層42を発泡させる。これにより、接着層42が分割磁石3及びロータコア2を押圧するとともに、分割磁石3とロータコア2との間及び隣り合う分割磁石3間を接着固定する。
このようにロータコア2に分割磁石3及び絶縁シート4を固定することにより、ロータ1を製造する。
【0042】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用、効果を奏するとともに、分割磁石3と絶縁シート4とを先に一体化するので、分割磁石3と絶縁シート4とを確実に接着できる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係るロータ201の磁石挿入スロット22近傍の部分拡大図である。図7は、絶縁シート204の表面の構成図である。図8は、絶縁シート204の裏面の構成図である。本実施形態では、シート層41の一部に接着層242が設けられている点において上述した実施形態と相違している。
【0044】
本実施形態において、接着層242は、シート層41の一部に設けられている。具体的に、図7に示すように、シート層41は、第1実施形態と同様に矩形状の一枚のシート状に形成されている。接着層242は、図7に示すようにシート層41の表面(巻回時における外側、すなわちロータコア2側を向く面)において縞状に塗布されている。また、接着層242は、図8に示すようにシート層41の裏面(巻回時における内側、すなわち分割磁石3側を向く面)において縞状に塗布されている。ここで、図6に示すように、一方の単磁石31の4つの角部をそれぞれ絶縁シート204が巻回される順に角部A,角部B,角部C,角部Dと定義する。また、他方の単磁石31の4つの角部をそれぞれ絶縁シート204が巻回される順に角部E,角部F,角部G,角部Hと定義する。
【0045】
図7に示すように、接着層242は、シート層41の表面において、角部Bを含む第一領域R1と、角部D近傍の第二領域R2と、角部Dと角部Eの中間部に位置する第三領域R3と、角部E近傍の第四領域R4と、角部Gを含む第五領域R5と、にそれぞれ塗布されている。
図6及び図7に示すように、第一領域R1は、分割磁石3が磁石挿入スロット22に収容された状態において、分割磁石3の分割面及び分割磁石3の径方向外側の長辺とロータコア2とが対向する領域である。第二領域R2は、分割磁石3の径方向外側の短辺とロータコア2とが対向する領域である。第三領域R3は、分割磁石3の径方向内側の長辺とロータコア2とが対向する領域である。第四領域R4は、分割磁石3の径方向内側の短辺とロータコア2とが対向する領域である。このように、シート層41の表面において接着層242は、絶縁シート204とロータコア2とが接触する領域のみに設けられている。
【0046】
図8に示すように、接着層242は、シート層41の裏面において、角部Aと角部Bとの間の第六領域R6と、角部Cと角部Dとの間の第七領域R7と、角部Eと角部Fとの間の第八領域R8と、角部Gと角部Hとの間の第九領域R9と、にそれぞれ塗布されている。
図6及び図8に示すように、第六領域R6は、分割磁石3が磁石挿入スロット22に収容された状態において、一方の単磁石31における分割面に対応する領域である。第七領域R7は、分割磁石3の径方向外側の短辺に対応する領域である。第八領域R8は、分割磁石3の径方向内側の短辺に対応する領域である。第六領域R6は、他方の単磁石31における分割面に対応する領域である。このように、シート層41の裏面において接着層242は、絶縁シート204と分割磁石3とが接触する領域の一部に設けられている。
【0047】
本実施形態によれば、接着層242はシート層41の一部に設けられているので、必要な箇所にのみ接着層242を設けることにより、絶縁シート204のコストを低減できる。また、分割磁石3の形状や分割数に応じて接着層242の配置を変更することにより、汎用性を向上できる。
図6に示すように、接着層242は、角部D及び角部Eに対応する領域(図7における第二領域R2及び第四領域R4)に配置されているので、回転時の遠心力による磁石挿入スロット22の変形を抑制できる。よって、遠心力によるロータコア2の膨出を抑制できる。
【0048】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係るロータ301の磁石挿入スロット22近傍の部分拡大図である。本実施形態では、絶縁シート304がS字状に巻回されている点において上述した実施形態と相違している。
【0049】
本実施形態において、絶縁シート304は、分割磁石3に対して、ロータコア2の軸方向から見てS字状に巻回されている。具体的に、絶縁シート304は、一端部が一方の単磁石31と径方向外側におけるロータコア2の内壁面との間に配置されて一方の単磁石31に巻回された後、一方の単磁石31における巻回方向と逆方向に他方の単磁石31に巻回され、他端部が他方の単磁石31と径方向内側におけるロータコア2の内壁面との間に配置されている。これにより、絶縁シート304が互いに重なることなく分割磁石3とロータコア2との間及び分割磁石3間に配置されている。
【0050】
本実施形態によれば、絶縁シート304は、ロータコア2の軸方向から見てS字状に巻回されているので、B字状に巻回される場合と比較して、絶縁シート304の使用量を削減できる。よって、絶縁シート304の低コスト化ができる。
(【0051】以降は省略されています)

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