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公開番号2020115709
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006055
出願日20190117
発明の名称回転電機
出願人本田技研工業株式会社
代理人特許業務法人航栄特許事務所
主分類H02K 1/18 20060101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】絶縁部材が損傷し、コイルが短絡することを防止できる回転電機を提供する。
【解決手段】回転電機1は、ステータコア6及びステータコア6に取り付けられるコイル7を有するステータ5と、ケース9と、ステータ5をケース9に固定する締結部材8と、を備える。ケース9は、ステータコア6よりも線膨張係数が高い材料で形成されている。ステータコア6の締結部40とケース9の当接部90との間には、バッファプレート50が介挿されており、バッファプレート50とステータコア6の締結部40との摩擦係数は、バッファプレート50とケース9の当接部90との摩擦係数未満、かつ、ステータコア6の締結部40とケース9の当接部90との摩擦係数以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
略円環形状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられるコイルと、を有するステータと、
前記ステータコアよりも線膨張係数が高い材料で形成されたケースと、
前記ステータを前記ケースに固定する締結部材と、を備え、
前記ステータコアは、積層された複数の電磁鋼板から構成され、円環形状のヨーク部と、前記ヨーク部の内周縁から径方向に中心へ向かって突出し、前記ヨーク部の周方向に等間隔で形成された複数のティース部と、前記複数のティース部間に形成されたスロット部と、前記ヨーク部の外周縁から径方向外側に突出し、前記締結部材が挿通する挿通孔が形成された複数の締結部と、を有し、
前記コイルは、前記スロット部に挿入された複数のスロットコイル部を有し、
前記複数のスロットコイル部は、絶縁部材によって隣接する前記スロットコイル部と絶縁されており、
前記ケースは、前記ステータコアの前記締結部と前記複数の電磁鋼板の積層方向で対向し、前記締結部材が締結される締結孔が形成された当接部を有し、
前記締結部材が、前記ステータコアの前記挿通孔を挿通し、前記ケースの前記締結孔に締結されることによって、前記ステータが前記ケースに固定された回転電機であって、
前記ステータコアの前記締結部と前記ケースの前記当接部との間には、バッファプレートが介挿されており、
前記バッファプレートと前記ステータコアの前記締結部との摩擦係数は、前記バッファプレートと前記ケースの前記当接部との摩擦係数未満、かつ、前記ステータコアの前記締結部と前記ケースの前記当接部との摩擦係数以下である、回転電機。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
請求項1に記載の回転電機であって、
に記載の回転電機であって、
前記バッファプレートは、略円環形状を有し、
前記ステータコアの前記ヨーク部の前記内周縁よりも径方向外側に、前記ステータコアの前記ヨーク部の前記内周縁に沿って形成された略円環形状の内周縁を有する円環部と、
前記ステータコアの前記締結部と前記ケースの前記当接部との間に配置され、前記締結部材が挿通する挿通孔を有するバッファ部と、を備える、回転電機。
【請求項3】
請求項2に記載の回転電機であって、
前記バッファプレートの外周縁は、少なくとも1つの前記バッファ部の径方向最外側を形成する頂部から、該バッファ部と隣接する少なくとも一方の前記バッファ部の前記頂部へと、前記内周縁と略同心円弧状に延びる幅広外周縁部を有する、回転電機。
【請求項4】
請求項1に記載の回転電機であって、
前記バッファプレートは、略円弧形状を有し、
前記ステータコアの前記締結部と前記ケースの前記当接部との間に配置され、前記締結部材が挿通する挿通孔が形成されたバッファ部と、
前記ステータコアの前記ヨーク部の前記内周縁よりも径方向外側に、前記ステータコアの前記ヨーク部の前記内周縁の一部に沿って形成された略円弧形状の内周縁を有する円弧部と、を備え、
前記バッファプレートは、周方向に複数配置される、回転電機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転電機であって、
前記バッファプレートは、前記電磁鋼板と同材料で形成される、回転電機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機であって、
前記絶縁部材は、前記スロットコイル部と、隣接する前記スロットコイル部との間に介挿された絶縁紙である、回転電機。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機であって、
前記絶縁部材は、前記スロットコイル部の外周面に被膜された絶縁被膜である、回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両などに搭載される回転電機に関する。
続きを表示(約 8,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、ハイブリッド自動車等の車両の動力源や発電源として回転電機が使用されている。回転電機は、ステータを備える。
【0003】
例えば、特許文献1の回転電機は、ステータコアとコイルとを有するステータを備える。ステータコアは、複数枚の環状のプレートが軸方向に積層されて環状に形成されている。コイルには、被膜や絶縁紙等の絶縁部が囲繞されている。ステータコアの取付部は、ケース(ステータ支持部材)に対して、例えばボルト等により固定される。
【0004】
複数のティースは、ヨーク部の内周縁に周方向に間隔をあけて設けられている。周方向で隣り合うティース間には、コイルが収容されるスロットが形成されている。ティースは、ティース本体と、鍔部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010−279232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この種の回転電機は、ティースの鍔部がコイルを囲繞する絶縁被膜や絶縁紙等の絶縁部材に対して径方向から接触して、絶縁部材が損傷し、短絡が生じるおそれがあった。これについて、図10を参照して説明する。
【0007】
図10(a)〜(d)に示すように、ステータコア106は、ボルトの軸力ARによって、ケース109の当接部190に固定されている。ステータコア106は、電磁鋼板110が軸方向に積層されて構成される。電磁鋼板110は、例えば表面が樹脂でコーティングされている。ケースの材料は、例えばアルミニウムである。ケース109は、電磁鋼板110よりも線膨張係数が大きい。
【0008】
始めに、図10(a)に示すように、電磁鋼板110の外周縁112は、ケース109の当接部190の端部193と径方向で同一面上に位置している。このとき、回転電機の温度は、常温(例えば、摂氏20度)である。
【0009】
次に、図10(b)に示すように、回転電機が高負荷状態になると、回転電機は、温度が上昇し、高温(例えば、摂氏150度)となる。すると、ステータコア106及びケース109は、ともに熱膨張するが、線膨張係数の大きいケース109の方が、ステータコア106よりも大きく膨張する。
【0010】
このとき、ケース109の当接部190と電磁鋼板110の摩擦係数は、電磁鋼板110同士の摩擦係数より大きいため、ケース109の当接部190と当接する電磁鋼板110Aは、ケース109の当接部190との摩擦力によって径方向外側に引っ張られる。この結果、ケース109の当接部190と当接する電磁鋼板110Aは、電磁鋼板110Aと隣接する電磁鋼板110Bの径方向外側に突出する。さらに、ボルトの軸力ARに起因してケース109の当接部190から電磁鋼板110Aに入力される荷重により、電磁鋼板110Aの外周縁112Aは、電磁鋼板110B側に反るように変形する。
【0011】
次に、図10(c)に示すように、回転電機が高負荷状態から低負荷状態または無負荷状態になると、回転電機は、温度が低下する。すると、ステータコア106及びケース109は、ともに収縮するが、線膨張係数の大きいケース109の当接部190の方が、ステータコアよりも収縮する。
【0012】
このとき、ケース109の当接部190と電磁鋼板110の摩擦係数は、電磁鋼板110同士の摩擦係数より大きいため、ケース109の当接部190と当接する電磁鋼板110Aは、ケース109の当接部190との摩擦力によって径方向内側に引っ張られる。しかし、電磁鋼板110Aの外周縁112Aは、電磁鋼板110B側に反っているため、電磁鋼板110Aの屈折部113Aが電磁鋼板110Bに引っ掛かる。
【0013】
この結果、図10(d)に示すように、常温に戻った場合でも、ケース109の当接部190と当接する電磁鋼板110Aは、外周縁112Aが電磁鋼板110Bの外周縁112Bと径方向で同一面となる位置までは戻らない。このため、電磁鋼板110Aのティースの鍔部は、電磁鋼板110Bのティースの鍔部より径方向外側に位置することとなる。これにより、電磁鋼板110Aのティースの鍔部がコイルを囲繞する絶縁被膜や絶縁紙等の絶縁部材に対して径方向から接触して、絶縁部材が損傷し、短絡が生じるおそれが生じる。
【0014】
本発明は、絶縁部材が損傷し、コイルが短絡することを防止できる回転電機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
略円環形状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられるコイルと、を有するステータと、
前記ステータコアよりも線膨張係数が高い材料で形成されたケースと、
前記ステータを前記ケースに固定する締結部材と、を備え、
前記ステータコアは、積層された複数の電磁鋼板から構成され、円環形状のヨーク部と、前記ヨーク部の内周縁から径方向に中心へ向かって突出し、前記ヨーク部の周方向に等間隔で形成された複数のティース部と、前記複数のティース部間に形成されたスロット部と、前記ヨーク部の外周縁から径方向外側に突出し、締結部材が挿通する挿通孔が形成された複数の締結部と、を有し、
前記コイルは、前記スロット部に挿入された複数のスロットコイル部を有し、
前記複数のスロットコイル部は、絶縁部材によって隣接する前記スロットコイル部と絶縁されており、
前記ケースは、前記ステータコアの前記締結部と前記複数の電磁鋼板の積層方向で対向し、前記締結部材が締結される締結孔が形成された当接部を有し、
前記締結部材が、前記ステータコアの前記挿通孔を挿通し、前記ケースの前記締結孔に締結されることによって、前記ステータが前記ケースに固定された回転電機であって、
前記ステータコアの前記締結部と前記ケースの前記当接部との間には、バッファプレートが介挿されており、
前記バッファプレートと前記ステータコアの前記締結部との摩擦係数は、前記バッファプレートと前記ケースの前記当接部との摩擦係数未満、かつ、前記ステータコアの前記締結部と前記ケースの前記当接部との摩擦係数以下である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ステータコアの締結部とケースの当接部との間には、バッファプレートを介挿されているので、回転電機の温度上昇時に、電磁鋼板が径方向外側に引っ張られることを抑制できる。これにより、回転電機が、温度上昇後、常温に戻る際に、電磁鋼板によって絶縁部材が損傷し、コイルが短絡することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態における回転電機とケースとをシャフトの軸線方向から見た図である。
ティースの形状を斜め上から見た斜視図である。
図1のA−A断面図である。
図3のエリアERの拡大図であり実施形態のステータに係る構造を説明する説明図である。
バッファプレートの形状を説明する説明図である。
バッファプレートの第1変形例を説明する説明図である。
バッファプレートの第2変形例を説明する説明図である。
バッファプレートの第3変形例を説明する説明図である。
バッファプレートの第4変形例を説明する説明図である。
課題を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の回転電機の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。本発明の回転電機は、少なくとも発電用及び駆動用の回転電機を含む。
【0019】
本発明の一実施形態の回転電機1について図1〜図5を参照しながら説明する。添付図面では見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。また、同一の形状、構造等である場合は図面を解りやすくするため、それぞれ同符号をつけている場合がある。
【0020】
<回転電機の構成>
図1に示すように、回転電機1は、ロータ3及びステータ5と、ケース9と、を備えている。
【0021】
ロータ3はロータシャフト2を有している。ロータシャフト2の中心には、中心軸Cがある。この中心軸Cはロータシャフト2と平行であり3次元空間に定義される直線である。図1は中心軸Cを軸方向から見た図であり中心軸Cが点に見えている状態である。
【0022】
本実施形態において、径方向外側という場合は、中心軸Cが点に見えている状態で、この点を中心として円を描いて点から円へ向かう方向をいう。また、径方向内側という場合は、中心軸Cが点に見えている状態で、この点を中心として円を描いて円から点へ向かう方向をいう。さらに、周方向というときは円に沿った方向をいう。
【0023】
ステータ5は、略円環形状のステータコア6と、ステータコア6に取り付けられるコイル7と、を有する。ステータ5は、締結部材8によってケース9に固定されている。締結部材8は、例えばボルトである。
【0024】
図2に示すように、ステータコア6は、複数の電磁鋼板10が軸方向に積層されて構成されている。電磁鋼板10は、表面が樹脂でコーティングされている。
【0025】
ステータコア6は、略円環形状のヨーク部20と、ヨーク部20の内周縁21から径方向内側に突出して形成され、周方向に環状に配置された複数のティース部30と、ヨーク部20の外周縁22から径方向外側に突出し、締結部材8が挿通する挿通孔41が形成された複数の締結部40と、を有する。本実施形態では、締結部40は、6個形成されている。
【0026】
ティース部30の先端には、周方向両側に突出する2つの鍔部31が形成されている。ティース部30間には、底壁面33、第1側壁面35、第2側壁面37によって囲まれたスロット部39が形成されている。スロット部39には、コイル7が収容される。
【0027】
図3及び図4に示すように、コイル7は、ステータコア6のスロット部39に径方向に積層して挿入された複数のスロットコイル部7Aを有し、複数のスロットコイル部7Aは、絶縁部材7Bによって隣接するスロットコイル部7Aと絶縁されている。なお、各スロットコイル部7Aの長手方向は、中心軸Cと略平行であり略等間隔に配置されている。
【0028】
絶縁部材7Bは、例えば絶縁紙である。これにより、スロットコイル部7Aの製造が容易となる。
【0029】
ケース9は、ステータコア6と当接し、締結部材8が締結される締結孔91が形成された当接部90を有する。ステータコア6は、締結部40がケース9の当接部90と軸方向で当接するように配置されている。締結部材8が、電磁鋼板10の締結部40に形成された挿通孔41を挿通し、ケース9の当接部90に形成された締結孔91に締結されることによって、ステータ5がケース9に固定されている。
【0030】
ケース9は、ステータコア6を構成する電磁鋼板10よりも線膨張係数が高い材料で形成されている。ケース9の材料は、例えばアルミニウムである。なお、線膨張係数とは温度上昇による物体の長さや体積が膨張する割合を温度当たりで示したものをいう。
【0031】
ステータコア6の締結部40とケース9の当接部90との間には、バッファプレート50が介挿されている。バッファプレート50とステータコア6の締結部40との摩擦係数は、バッファプレート50とケース9の当接部90との摩擦係数未満、かつ、ステータコア6の締結部40とケース9の当接部90との摩擦係数以下である。本実施形態では、バッファプレート50は、ステータコア6を構成する電磁鋼板10と同材料で形成されている。
【0032】
ここで摩擦係数とは、互いに接触する二つの物体の接触面の滑りにくさを示す係数であり、摩擦係数が大きいほど互いに接触する二つの物体の接触面は滑りにくい。
【0033】
次に、図4を参照して、ステータコア6の締結部40と、ケース9の当接部90との間にバッファプレート50が介挿されることにより、回転電機1が温度上昇しても、ステータコア6を構成する電磁鋼板10が径方向外側に引っ張られることを抑制でき、ティース部30の鍔部31により絶縁部材7Bが損傷し、コイル7が短絡することを防止できることを詳しく説明する。
【0034】
ステータコア6は、締結部材8の軸力ARによって、ケース9の当接部90に固定されている。締結部材8の軸力ARは、中心軸Cと平行な方向の力である。
【0035】
回転電機1が、低負荷状態から高負荷状態になると、回転電機1は、温度が上昇し、例えば、摂氏20度の常温から摂氏150度の高温となる。すると、ケース9、ステータコア6を構成する電磁鋼板10、及びバッファプレート50は、いずれも熱膨張するが、ケース9の線膨張係数は、電磁鋼板10及びバッファプレート50の線膨張係数より大きいため、ケース9は、電磁鋼板10及びバッファプレート50よりも大きく膨張する。
【0036】
このとき、バッファプレート50は、電磁鋼板10との間の摩擦係数よりも、ケース9の当接部90との間の摩擦係数の方が大きい。したがって、バッファプレート50は、ケース9の当接部90との摩擦力によって径方向外側に引っ張られる。一方で、バッファプレート50と電磁鋼板10との間の摩擦係数は小さいので、バッファプレート50が径方向外側に引っ張られたとしても、バッファプレート50と、バッファプレート50と軸方向で当接する電磁鋼板10との間には滑りが発生する。したがって、電磁鋼板10は、径方向外側に引っ張られることが抑制される。
【0037】
次に、回転電機1が高負荷状態から低負荷状態または無負荷状態になると、回転電機1は、温度が低下し、例えば、摂氏150度の高温から摂氏20度の常温に戻る。すると、ケース9、ステータコア6を構成する電磁鋼板10、及びバッファプレート50は、いずれも収縮するが、線膨張係数の大きいケース9の当接部90の方が、電磁鋼板10及びバッファプレート50よりも収縮する。
【0038】
このとき、バッファプレート50は、ケース9の当接部90との摩擦力によって径方向内側に引っ張られるが、バッファプレート50と軸方向で当接する電磁鋼板10との間には滑りが発生する。したがって、電磁鋼板10は、径方向内側に引っ張られることが抑制される。
【0039】
これにより、回転電機1が温度変化した場合でも、ケース9の当接部90との摩擦力によって電磁鋼板10が径方向に引っ張られることが抑制されるので、電磁鋼板10のティース部30の鍔部31によって絶縁部材7Bが損傷することを防止でき、コイル7が短絡することを防止できる。
【0040】
<バッファプレートの形状>
図5に示すように、バッファプレート50は、略円環形状を有する。バッファプレート50は、円環部60と、バッファ部70と、を備える。
【0041】
円環部60は、略円環形状の内周縁61及び外周縁62を有する。円環部60の内周縁61は、ステータコア6のヨーク部20の内周縁21よりも径方向外側に、ステータコア6のヨーク部20の内周縁21に沿って形成されている。円環部60の外周縁62は、ヨーク部20の外周縁22と略同一の形状を有する。
【0042】
バッファ部70は、円環部60の外周縁62から径方向外側に突出した形状を有し、締結部材8が挿通する挿通孔71が形成されている。バッファ部70は、ステータコア6の締結部40とケース9の当接部90との間に配置され、ステータコア6の締結部40と略同一の形状を有する。本実施形態では、バッファ部70は、ステータコア6の締結部40と同数の6個形成されている。
【0043】
したがって、バッファプレート50は略円環形状を有し、バッファプレート50の内周縁51は、円環部60の内周縁61によって形成され、バッファプレート50の外周縁52は、円環部60の外周縁62とバッファ部70の外周縁とによって形成されており、ステータコア6の外周縁と略同一形状を有している。
【0044】
これにより、回転電機1の組立において、バッファプレート50をステータ5に位置合わせする際、バッファプレート50をステータコア6のスロット部39から軸方向に突出したコイル7を取り囲むように配置することで、容易にステータコア6のヨーク部20の内周縁21に沿って位置合わせすることができる。また、バッファプレート50をステータ5に組み付ける一度の組み付け作業で、ステータコア6の6個の締結部40とケース9の当接部90との間にバッファ部70を介挿することができるので、回転電機1の組立が容易となる。
【0045】
図4に戻って、バッファプレート50は、回転電機1の温度が上昇し、ケース9の当接部90との摩擦力によって径方向外側に引っ張られると、電磁鋼板10よりも径方向外側に突出する。すると、締結部材8の軸力ARに起因してケース9の当接部90からバッファプレート50に入力される荷重により、バッファプレート50の外周縁52は、電磁鋼板10側に反るように変形する場合がある。
【0046】
そして、回転電機1が高負荷状態から低負荷状態または無負荷状態になると、回転電機1は、温度が低下し、例えば、摂氏150度の高温から摂氏20度の常温に戻る。すると、ケース9、ステータコア6を構成する電磁鋼板10、及びバッファプレート50は、いずれも収縮するが、線膨張係数の大きいケース9の当接部90の方が、電磁鋼板10及びバッファプレート50よりも収縮する。
【0047】
このとき、バッファプレート50は、電磁鋼板10との間の摩擦係数よりも、ケース9の当接部90との間の摩擦係数の方が大きい。したがって、バッファプレート50は、ケース9の当接部90との摩擦力によって径方向内側に引っ張られる。しかし、バッファプレート50の外周縁は、電磁鋼板10側に反っているため、電磁鋼板10に引っ掛かる。このため、バッファプレート50は、摂氏150度の高温から摂氏20度の常温に戻ったとしても、回転電機1の温度上昇前と径方向で同一の位置までは戻らない場合がある。
【0048】
しかし、バッファプレート50の円環部60の内周縁61は、ヨーク部20の内周縁21よりも径方向外側であるので、バッファプレート50は、スロットコイル部7A及び絶縁部材7Bとは接触しない。
【0049】
これにより、回転電機1の温度が上昇した後、常温に戻った場合でも、バッファプレート50は、スロットコイル部7A及び絶縁部材7Bとは接触しないので、バッファプレート50よって絶縁部材7Bが損傷することを防止でき、コイル7が短絡することを防止できる。
【0050】
(第1変形例)
バッファプレート50の外周縁52は、ステータコア6の外周縁と略同一形状を有していなくてもよい。
(【0051】以降は省略されています)

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