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公開番号2020115707
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019006035
出願日20190117
発明の名称制御装置及びプログラム
出願人本田技研工業株式会社
代理人龍華国際特許業務法人
主分類B60L 53/63 20190101AFI20200703BHJP(車両一般)
要約【課題】電力網と車両との間で送受電するシステムにおいて、車両の駆動用電源が車両の移動先で充分な電力供給能力が残っていても、移動先の電力需要が小さい場合には、電力供給能力を生かすことができない。
【解決手段】制御装置は、第1の車両の将来の移動先を含む第1の地域に電力を供給する第1の電力網における電力需要と、第2の車両の将来の移動先を含む第2の地域に電力を供給する第2の電力網における電力需要とを示す情報を取得する取得部と、第1の電力網における電力需要及び第2の電力網における電力需要に基づいて、第1の車両が備える駆動用電源を、第2の車両が備える駆動用電源より優先して、エネルギーの蓄積又は放出を行わせる制御部とを備える。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
第1の車両の将来の移動先を含む第1の地域に電力を供給する第1の電力網における電力需要と、第2の車両の将来の移動先を含む第2の地域に電力を供給する第2の電力網における電力需要とを示す情報を取得する需要情報取得部と、
前記第1の電力網における電力需要及び前記第2の電力網における電力需要に基づいて、前記第2の車両が備える駆動用電源より優先して、前記第1の車両が備える駆動用電源にエネルギーの蓄積又は放出を行わせる制御部と
を備える制御装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記駆動用電源は、バッテリである
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の電力網における電力需要が、前記第2の電力網における電力需要より大きい場合に、前記第1の車両が備えるバッテリを、前記第2の車両が備えるバッテリより優先して充電させる
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の車両が現在において存在する地域に電力を供給する電力網における電力需要が予め定められた値より小さいことを条件として、前記第1の車両が備えるバッテリを、前記第2の車両が備えるバッテリより優先して充電させる
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記電力需要を示す情報は、電力網における電力余剰量を示す情報を含み、
前記制御部は、前記第1の電力網における電力余剰量が、前記第2の電力網における電力余剰量より大きい場合に、前記第1の車両が備えるバッテリを、前記第2の車両が備えるバッテリより優先して放電させる
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の車両が現在において存在する地域に電力を供給する電力網における電力需要が予め定められた値より大きいことを条件として、前記第1の車両が備えるバッテリを、前記第2の車両が備えるバッテリより優先して放電させる
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1の車両が前記第1の地域に存在する第1の期間、及び、前記第2の車両が前記第2の地域に存在する第2の期間を予測する期間予測部
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の電力網における前記第1の期間の電力需要及び前記第2の電力網における前記第2の期間の電力需要に基づいて、前記第1の車両が備えるバッテリを、前記第2の車両が備えるバッテリより優先して、充電又は放電させる
請求項2から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の車両が備えるバッテリを前記第2の車両が備えるバッテリより先に充電又は放電させることによって、前記第2の車両が備えるバッテリより前記第1の車両が備えるバッテリの充電又は放電を優先させる
請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1の車両が備えるバッテリの充電量又は放電量を、前記第2の車両が備えるバッテリの充電量又は放電量より多くすることによって、前記第2の車両が備えるバッテリより前記第1の車両が備えるバッテリの充電又は放電を優先させる
請求項2から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1の車両が備えるバッテリの単位時間の充電量又は放電量を、前記第2の車両が備えるバッテリの単位時間の充電量又は放電量より多くすることによって、前記第2の車両が備えるバッテリより前記第1の車両が備えるバッテリの充電又は放電を優先させる
請求項2から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1の車両のバッテリにおいて前記第1の車両のユーザのために確保されるべき容量の下限値である第1の下限値、及び、前記第2の車両のバッテリにおいて前記第2の車両のユーザのために確保されるべき容量の下限値である第2の下限値を示す情報を格納する格納部
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の車両が備えるバッテリの残容量と前記第1の下限値との差が、前記第2の車両が備えるバッテリの残容量と前記第2の下限値との差より大きくなるように前記第1の車両が備えるバッテリを充電することによって、前記第1の車両が備えるバッテリを、前記第2の車両が備えるバッテリより優先して充電させる
請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1の車両のバッテリにおいて前記第1の車両のユーザのために確保されるべき容量の下限値を示す情報を格納する格納部
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の車両が備えるバッテリを放電する場合、前記第1の車両が備えるバッテリの残容量が前記下限値を下回らないように、前記第1の車両が備えるバッテリを放電させる
請求項2から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
電力事業者からの電力需給情報に基づき電力需給管理センターから各電力需要者に出力される充放電指令により、各電力需要者に駐車中の電気自動車のバッテリを充放電制御して電力需給を平準化するためのシステムが知られている(例えば、下記特許文献1等を参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許5562423号公報
[特許文献2] 特許5714073号公報
[特許文献3] 特開2011−130575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電力網と車両との間で送受電するシステムにおいて、車両の駆動用電源が車両の移動先で充分な電力供給能力が残っていても、移動先の電力需要が小さい場合には、車両の電力供給能力を生かすことができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、制御装置が提供される。制御装置は、第1の車両の将来の移動先を含む第1の地域に電力を供給する第1の電力網における電力需要と、第2の車両の将来の移動先を含む第2の地域に電力を供給する第2の電力網における電力需要とを示す情報を取得する需要情報取得部を備える。制御装置は、第1の電力網における電力需要及び第2の電力網における電力需要に基づいて、第2の車両が備える駆動用電源より優先して、第1の車両が備える駆動用電源にエネルギーの蓄積又は放出を行わせる制御部を備える。
【0005】
駆動用電源は、バッテリであってよい。
【0006】
制御部は、第1の電力網における電力需要が、第2の電力網における電力需要より大きい場合に、第1の車両が備えるバッテリを、第2の車両が備えるバッテリより優先して充電させてよい。
【0007】
制御部は、第1の車両が現在において存在する地域に電力を供給する電力網における電力需要が予め定められた値より小さいことを条件として、第1の車両が備えるバッテリを、第2の車両が備えるバッテリより優先して充電させてよい。
【0008】
電力需要を示す情報は、電力網における電力余剰量を示す情報を含んでよい。制御部は、第1の電力網における電力余剰量が、第2の電力網における電力余剰量より大きい場合に、第1の車両が備えるバッテリを、第2の車両が備えるバッテリより優先して放電させてよい。
【0009】
制御部は、第1の車両が現在において存在する地域に電力を供給する電力網における電力需要が予め定められた値より大きいことを条件として、第1の車両が備えるバッテリを、第2の車両が備えるバッテリより優先して放電させてよい。
【0010】
制御装置は、第1の車両が第1の地域に存在する第1の期間、及び、第2の車両が第2の地域に存在する第2の期間を予測する期間予測部をさらに備えてよい。制御部は、第1の電力網における第1の期間の電力需要及び第2の電力網における第2の期間の電力需要に基づいて、第1の車両が備えるバッテリを、第2の車両が備えるバッテリより優先して、充電又は放電させてよい。
【0011】
制御部は、第1の車両が備えるバッテリを第2の車両が備えるバッテリより先に充電又は放電させることによって、第2の車両が備えるバッテリより第1の車両が備えるバッテリの充電又は放電を優先させてよい。
【0012】
制御部は、第1の車両が備えるバッテリの充電量又は放電量を、第2の車両が備えるバッテリの充電量又は放電量より多くすることによって、第2の車両が備えるバッテリより第1の車両が備えるバッテリの充電又は放電を優先させてよい。
【0013】
制御部は、第1の車両が備えるバッテリの単位時間の充電量又は放電量を、第2の車両が備えるバッテリの単位時間の充電量又は放電量より多くすることによって、第2の車両が備えるバッテリより第1の車両が備えるバッテリの充電又は放電を優先させてよい。
【0014】
制御装置は、第1の車両のバッテリにおいて第1の車両のユーザのために確保されるべき容量の下限値である第1の下限値、及び、第2の車両のバッテリにおいて第2の車両のユーザのために確保されるべき容量の下限値である第2の下限値を示す情報を格納する格納部をさらに備えてよい。制御部は、第1の車両が備えるバッテリの残容量と第1の下限値との差が、第2の車両が備えるバッテリの残容量と第2の下限値との差より大きくなるように第1の車両が備えるバッテリを充電することによって、第1の車両が備えるバッテリを、第2の車両が備えるバッテリより優先して充電させてよい。
【0015】
第1の車両のバッテリにおいて第1の車両のユーザのために確保されるべき容量の下限値を示す情報を格納する格納部をさらに備えてよい。制御部は、第1の車両が備えるバッテリを放電する場合、第1の車両が備えるバッテリの残容量が下限値を下回らないように、第1の車両が備えるバッテリを放電させてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、上記の制御装置として機能させる。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
送受電システム100の基本構成を概略的に示す。
管理サーバ40の機能構成を概略的に示す。
予定情報格納部282に格納される予定情報の一例をテーブル形式で示す。
履歴格納部284に格納される移動履歴情報の一例をテーブル形式で示す。
履歴格納部284に格納される接続履歴情報の一例をテーブル形式で示す。
ユーザ情報格納部286に格納されるユーザ情報の一例をテーブル形式で示す。
優先的に充放電させる車両30を選択する状況の一例を示す模式的な図である。
優先的に充放電させる車両30を選択する状況の他の一例を示す模式的な図である。
優先的に充放電させる車両30を選択する状況の他の一例を示す模式的な図である。
優先的に充放電させる車両30を選択する状況の他の一例を示す模式的な図である。
管理サーバ40における処理に関するフローチャートである。
本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0020】
図1は、送受電システム100の基本構成を概略的に示す。送受電システム100は、例えば電力アグリゲータが、車両が備えるバッテリを用いて、車両と電力網との間の電力を融通するV2G(Vehicle−to−Grid)を行うためのシステムである。送受電システム100は、車両が移動先の地域の電力網の電力需給に貢献できるようにする機能を有する。なお、車両が電力網へ電力を放出すること、及び、車両が電力網から電力を受け取ることの少なくとも何れかを行うことをV2Gと呼ぶ。
【0021】
送受電システム100は、車両30a及び車両30bを含む複数の車両と、定置バッテリ14a、定置バッテリ14b及び定置バッテリ14cを含む複数の定置バッテリと、充放電設備20a、充放電設備20b及び充放電設備20cを含む複数の充放電設備と、発電設備12a、発電設備12b及び発電設備12cを含む複数の発電設備と、ユーザ端末82a及びユーザ端末82bを含む複数のユーザ端末と、管理サーバ40とを備える。
【0022】
ユーザ80aは車両30aのユーザであり、ユーザ80bは車両30bのユーザである。なお、車両のユーザとは、車両の所有者や所有者の家族等、車両を使用する任意の人物であってよい。本実施形態において、ユーザ80a、ユーザ80bのそれぞれのユーザのことを「ユーザ80」と総称する場合がある。
【0023】
ユーザ端末82aは、ユーザ80aが使用する通信端末である。ユーザ端末82bは、ユーザ80bが使用する通信端末である。ユーザ端末82a及びユーザ端末82bを含む複数のユーザ端末のことを、「ユーザ端末82」と総称する場合がある。
【0024】
ユーザ端末82は、例えば携帯端末、パーソナルコンピュータ、車両ナビゲーション装置等であってよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータ等を例示することができる。
【0025】
車両30aは、バッテリ32aを備える。車両30bは、バッテリ32bを備える。本実施形態において、車両30a、車両30bを含む複数の車両のことを、「車両30」と総称する場合がある。また、バッテリ32a、バッテリ32b及びバッテリ32cを含む複数のバッテリのことを、「バッテリ32」と総称する場合がある。バッテリ32は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等、様々な二次電池であり得る。
【0026】
なお、バッテリ32は、車両30の駆動用電源の一例である。駆動用電源は、燃料電池等のように、燃料を消費して車両30の動力源に提供される電気エネルギーを生成する電源を含む。燃料は、水素や、ガソリン、軽油及び天然ガス等の炭化水素燃料や、アルコール燃料等であってよい。駆動用電源は、車両30の動力源に提供される電気エネルギーを生成することができる任意の電源であってよい。
【0027】
車両30は、輸送機器の一例である。車両30は、例えば電気自動車、燃料電池自動車(FCV)等、電気エネルギーにより駆動される動力源を備える車両である。電気自動車は、バッテリ式電動輸送機器(BEV)や、動力の少なくとも一部を提供する内燃機関を備えるハイブリッド自動車又はプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)を含む。本実施形態において、車両30は、駆動用電源としてのバッテリ32を備える電気自動車である。駆動用電源としてバッテリを採用する形態において、バッテリの放電は、駆動用電源からのエネルギーの放出に対応し、バッテリの充電は、駆動用電源へのエネルギーの蓄積に対応する。
【0028】
電力網10a、電力網10b及び電力網10cは、電力系統の送電系統又は配電系統や、電力グリッドの配電網である。電力網10a、電力網10b及び電力網10cを「電力網10」と総称する場合がある。電力網10は地域毎に設けられてよい。電力網10はマイクログリッドであってよい。電力網10は、電力を消費する電力機器と電源とを接続する任意の規模の配電網であってよい。例えば、電力網10は、商業施設等の任意の施設に設けられた配電網であってよい。電力網10は建物毎に設けられてよい。電力網10の相互の間は、連系線等によって接続されてよい。
【0029】
発電設備12aは、電力網10aに電力を供給する。発電設備12bは、電力網10bに電力を供給する。発電設備12cは、電力網10cに電力を供給する。発電設備12a、発電設備12b及び発電設備12cを、「発電設備12」と総称する場合がある。発電設備12は、それぞれ電力会社等の電力事業者によって管理される。
【0030】
充放電設備20aは、電力網10aに接続され、車両30のバッテリ32を充電又は放電する。充放電設備20bは、電力網10bに接続され、車両30のバッテリ32を充電又は放電する。充放電設備20cは、電力網10cに接続され、車両30のバッテリ32を充電又は放電する。充放電設備20a、充放電設備20b及び充放電設備20cを、「充放電設備20」と総称する場合がある。充放電設備20は、例えば、住宅に設置された充放電器や、共同住宅、ビルや商業施設の駐車場又は公共スペースに設置された充放電スタンド等を含む。充放電設備20は、送受電設備の一例である。
【0031】
定置バッテリ14aは、電力網10aに接続され、電力網10aとの間で充放電する。定置バッテリ14bは、電力網10bに接続され、電力網10bとの間で充放電する。定置バッテリ14cは、電力網10cに接続され、電力網10cとの間で充放電する。定置バッテリ14a、定置バッテリ14b及び定置バッテリ14cを、「定置バッテリ14」と総称する場合がある。
【0032】
電力網10のそれぞれにおいて、充放電設備20、定置バッテリ14、及び発電設備12は、それぞれが接続された電力網10との間で電力の送受電が可能である。車両30は、電力網10により電力が提供される地域の間を移動することができる。車両30は、任意の充放電設備20に接続されて、バッテリ32の充電又は放電を行うことができる。
【0033】
管理サーバ40は、通信ネットワークを通じて、車両30、定置バッテリ14、及びユーザ端末82と通信可能である。管理サーバ40はまた、通信ネットワークを通じて、電力取引サーバ50と通信可能である。通信ネットワークは、有線通信又は無線通信の伝送路を含み得る。通信ネットワークは、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線、携帯電話回線等を含む通信網を含んでよい。
【0034】
車両30は、充放電ケーブル22を通じて充放電設備20に接続される。すなわち、車両30は、充放電ケーブル22及び充放電設備20を通じて、電力網10に接続される。車両30は、充放電設備20を通じて、バッテリ32と電力網10との間で送受電を行う。例えば、車両30は、バッテリ32の放電により得られた電力を、充放電ケーブル22及び充放電設備20を介して、電力網10へ放出する。また、車両30は、充放電ケーブル22及び充放電設備20を介して電力網10から供給される電力でバッテリ32を充電する。なお、電力網10との間の電力の送受電のことを「電力網10との送受電」等と呼ぶ場合がある。
【0035】
定置バッテリ14は、電力アグリゲータによって管理される。車両30のバッテリ32は、定置バッテリ14とともに仮想発電所を形成する。管理サーバ40は、電力アグリゲータによって管理される。管理サーバ40は、バッテリ32と電力網10との間、及び、定置バッテリ14と電力網10との間の送受電を制御する。
【0036】
管理サーバ40は、卸電力市場において入札により電力取引を行う。電力取引サーバ50は、卸電力市場の運営者によって管理される。管理サーバ40は、電力取引サーバ50に対して、30分を1コマとする時間単位で入札する。管理サーバ40は、約定結果に基づいて各コマにおいてバッテリ32及び定置バッテリ14を放電させて、電力網10へ電力を供給する。
【0037】
例えば、管理サーバ40は、卸電力市場における電力アグリゲータの入札に対する約定量に従って、バッテリ32及び定置バッテリ14を放電させて、バッテリ32及び定置バッテリ14から放出される電力を電力網10へ供給する。また、管理サーバ40は、需給調整市場における電力アグリゲータの入札に対して約定された調整力の範囲内で、バッテリ32及び定置バッテリ14の充放電を制御して、電力網10における電力需給を調整する。例えば、管理サーバ40は、送配電事業者や小売電気事業者からの上げディマンドレスポンス(上げDR)、下げディマンドレスポンス(下げDR)、及び上げ下げディマンドレスポンス(上げ下げDR)に応じて、バッテリ32及び定置バッテリ14の充放電を制御する。
【0038】
具体的には、管理サーバ40は、上げDRに応じて、車両30及び充放電設備20の少なくとも一方を制御することにより、充放電設備20を通じて電力網10から受け取った電力で車両30のバッテリ32を充電させる。また、管理サーバ40は、下げDRに応じて、車両30及び充放電設備20の少なくとも一方を制御することにより、車両30のバッテリ32を放電させ、バッテリ32の放電によって得られた電力を充放電設備20を通じて電力網10へ向けて放出させる。
【0039】
本実施形態において、管理サーバ40は、車両30a及び車両30bの将来の移動先の地域と、車両30が移動先の地域に停車する期間を特定する。例えば、管理サーバ40は、車両30の移動履歴情報、ユーザ80の予定情報、車両30のナビゲーション装置に設定された目的地情報等に基づいて、車両30の移動先の地域と車両30がその地域に停車する時間帯を特定する。管理サーバ40は、各地域の電力網10の時間帯毎の電力需要の予測値を取得する。車両30aの移動先の電力網が電力網10bであり、車両30bの移動先の電力網が電力網10cである場合において、車両30aの停車期間内において電力網10bで電力不足が生じる可能性が高く、車両30bの停車期間内において電力網10cで電力不足が生じる可能性が低い場合に、車両30bより車両30aを優先して充電させる。これにより、車両30aが移動先に移動した後に、車両30aに電力網10bに電力を提供することができる。
【0040】
一方、管理サーバ40は、車両30aの停車期間内において電力網10bで電力余剰が生じる可能性が高く、車両30bの停車期間内において電力網10cで電力余剰が生じる可能性が低い場合に、車両30bより車両30aを優先して放電させる。これにより、車両30aが移動先に移動した後に、電力網10bの余剰電力を車両30aに吸収させることができる。
【0041】
上述したような特定の車両30を優先的に充放電させる制御を適用できるケースとして、例えば、多数の車両30が集合住宅、ビル、商業施設、高速道路のパーキングエリア等の駐車場に駐車中の車両であり、同じ駐車場に駐車している車両30の中から優先的に充放電する車両30を選択するケースが考えられる。また、車両30が長距離を移動するバスやトラック等の商業車両であり、出発前において優先的に充放電する車両30を選択するケースにも、特定の車両30を優先的に充放電させる制御を適用できる。なお、車両30を充放電させる場合、必ずしも車両30と電力網10との間で充放電させる必要はない。例えば、車両30aの移動先の電力網10bで電力不足が予測され、車両30bの移動先の電力網10cで電力余剰が予測されている場合、車両30aと車両30bとの間の車両間充放電(V2V:Vehicle to Vehicle)により、バッテリ32bからバッテリ32aに電力を供給させてもよい。
【0042】
なお、本実施形態において、送受電とは、車両30及び電力網10の少なくとも一方から他方への電力の受け渡しが生じることを意味する。例えば、送受電とは、車両30から電力網10に向けた電力の放出が行われることを意味してよい。また、送受電とは、電力網10から車両30に向けた送電が行われることを意味してよい。なお、自宅等の電力需要家に設置した充放電器を通じて車両30が電力を放出する場合において、電力需要家側の消費電力が車両30から放出される電力より大きいときには、電力需要家側と電力網10との接続点において電力網10への正味の電力供給は生じず、接続点から電力需要家への電力供給量が単に減少するだけの場合がある。この場合でも、電力網10から見ると、電力網10外との間で電力の受け渡しが生じたとみなすことができる。したがって、本実施形態において、車両30が電力を放出する場合における電力網10との送受電において、電力網10が車両30との間の特定の接続点から正味の電力を受け取るか否かは問わない。
【0043】
図2は、管理サーバ40の機能構成を概略的に示す。管理サーバ40は、処理部42と、格納部48と、通信部46とを備える。
【0044】
処理部42は、プロセッサを含む処理装置により実現される。格納部48は、不揮発性の記憶装置により実現される。処理部42は、格納部48に格納された情報を用いて処理を行う。通信部46は、車両30、定置バッテリ14、ユーザ端末82、及び電力取引サーバ50との間の通信を担う。通信部46が車両30、定置バッテリ14、ユーザ端末82及び電力取引サーバ50から受信した情報は、処理部42に供給される。また、車両30、定置バッテリ14、ユーザ端末82及び電力取引サーバ50へ送信される情報は、処理部42により生成され、通信部46を介して送信される。
【0045】
管理サーバ40は、送受電管理装置として機能する。管理サーバ40は、1つの情報処理装置で実現されるシステムであってよいし、複数の情報処理装置で実現されるシステムであってもよい。
【0046】
処理部42は、移動先予測部210と、期間予測部220と、制御部280と、需要情報取得部290とを備える。
【0047】
格納部48は、予定情報格納部282と、履歴格納部284と、ユーザ情報格納部286とを備える。予定情報格納部282は、車両30を充放電設備20に接続する予定情報を格納する。予定情報は、将来において車両30が接続される充放電設備20の識別情報と、将来において車両30が充放電設備20に接続される期間を示す情報とを含む。予定情報は、ユーザ80がユーザ端末82に登録した情報を、管理サーバ40がユーザ端末82から取得して生成されてよい。履歴格納部284は、車両30の移動履歴情報と、車両30と充放電設備20との接続履歴情報とを含む履歴情報を格納する。
【0048】
移動先予測部210は、車両30の将来の移動先を予測する。移動先予測部210は、履歴格納部284に格納されている移動履歴情報に基づいて、車両30の将来の移動先を予測してよい。移動先予測部210は、予定情報格納部282に格納されている予定情報に基づいて、車両30の将来の移動先を予測してよい。
【0049】
需要情報取得部290は、電力網10のそれぞれにおける電力需要を示す情報を取得する。具体的には、需要情報取得部290は、第1の車両30の将来の移動先を含む第1の地域に電力を供給する第1の電力網10における電力需要と、第2の車両の将来の移動先を含む第2の地域に電力を供給する第2の電力網10における電力需要とを示す情報を取得する。電力需要を示す情報は、それぞれの電力網10における調整力の需要を示す情報であってよい。
【0050】
なお、上述した電力取引における約定量は、電力需要を示す情報の一例である。電力需要を示す情報とは、電力取引における約定価格や、買い約定であるか売り約定であるかを示す約定種別であってよい。また、電力需要を示す情報とは、将来における需給アンバランス量の予測値を示す情報であってもよい。電力需要を示す情報とは、電力網10の電力需要家における消費電力の予測値を示す情報であってもよい。電力需要を示す情報として、電力量そのものに限らず、気温情報、湿度情報、気象情報、催事情報等、電力需要に直接的又は間接的に影響を与える様々な情報を適用できる。なお、電力取引市場としては、一日前市場、当日市場、需給調整力市場等の取引市場を例示できる。電力取引の取引形態としては、これらの電力取引市場における取引形態以外の様々な取引形態を適用できる。
(【0051】以降は省略されています)

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