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公開番号2020115702
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200730
出願番号2019005960
出願日20190117
発明の名称非接触電力伝送システム
出願人株式会社SOKEN,トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人深見特許事務所
主分類H02J 50/12 20160101AFI20200703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】非接触送電装置におけるインバータのターンON電流を非接触受電装置における回路制御によって抑制する。
【解決手段】車両2が、LC共振回路R2と、LC共振回路R2により非接触で受電される交流電力を昇圧するとともに直流電力に変換する倍電圧整流回路206と、送電ユニット100が備えるインバータ120のターンON電流の大きさを示すインバータ情報を送電ユニット100から受信する通信装置600と、車両ECU500とを備える。倍電圧整流回路206は可変キャパシタCb1,Cb2を含み、車両ECU500は可変キャパシタCb1,Cb2を制御するように構成される。車両ECU500は、インバータ情報によって示されるターンON電流が大きいほど、可変キャパシタCb1,Cb2によって昇圧キャパシタンスを小さくするように構成される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
非接触送電装置の送電部から非接触受電装置の受電部へ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムであって、
前記非接触送電装置は、前記送電部を構成する送電回路と、直流電力を交流電力に変換して前記送電回路へ出力するインバータと、前記インバータの出力電圧の立上り時における前記インバータの出力電流であるターンON電流の大きさを示すインバータ情報を前記非接触受電装置へ送信する第1通信装置とを備え、
前記非接触受電装置は、前記受電部を構成する受電回路と、前記受電回路により非接触で受電される交流電力を昇圧するとともに直流電力に変換する倍電圧整流回路と、前記非接触送電装置から前記インバータ情報を受信する第2通信装置と、制御装置とを備え、
前記倍電圧整流回路は、前記昇圧に寄与するキャパシタンスを変更可能に構成されるキャパシタンス調整部を含み、
前記制御装置は、前記キャパシタンス調整部を制御するように構成され、
前記制御装置は、前記インバータ情報によって示される前記ターンON電流が大きいほど、前記キャパシタンス調整部によって前記キャパシタンスを小さくする、非接触電力伝送システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、非接触電力伝送システムに関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
非接触送電装置の送電コイルから非接触受電装置の受電コイルへ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムが知られている。たとえば、特開2016−111903号公報(特許文献1)に記載される非接触電力伝送システムは、送電コイル、受電コイル、及び制御手段に加えて、直流電力を交流電力に変換するインバータと、このインバータの出力電力の高周波を低減した電力を送電コイルに供給するフィルタとをさらに備える。これらインバータ及びフィルタは、非接触送電装置に搭載されている。インバータは、複数のスイッチング素子と複数のダイオードとを含み、PWM(Pulse Width Modulation)制御により駆動される。フィルタは、可変インダクタを含む。そして、制御手段は、送電コイルと受電コイルとの結合係数を推定し、結合係数が大きくなるほどフィルタのインダクタンスが大きくなるように可変インダクタを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−111903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される非接触電力伝送システムでは、非接触送電装置が駐車場に設置され、非接触受電装置が電動車両に搭載されている。近年、環境保護などの観点から電動車両の普及が急速に進み、電動車両の車種の開発スピードが高まっている。さまざまな電動車両の車種が開発されており、上記非接触送電装置によって全ての車種に対応することは難しくなっている。非接触送電装置においてフィルタのインダクタンスを変えるだけではインバータのターンON電流を十分に抑制することができず、インバータのスイッチング損失が大きくなる可能性がある。なお、ターンON電流は、インバータの出力電圧の立上り時におけるインバータの出力電流である。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、非接触電力伝送システムにおいて非接触送電装置から非接触受電装置へ非接触で電力を伝送するときに、非接触送電装置におけるインバータのターンON電流を非接触受電装置における回路制御によって抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の観点に係る非接触電力伝送システムは、非接触送電装置の送電部から非接触受電装置の受電部へ非接触で電力を伝送するように構成される。非接触送電装置は、上記送電部を構成する送電回路と、直流電力を交流電力に変換して送電回路へ出力するインバータと、ターンON電流(すなわち、インバータの出力電圧の立上り時におけるインバータの出力電流)の大きさを示すインバータ情報を非接触受電装置へ送信する第1通信装置とを備える。非接触受電装置は、上記受電部を構成する受電回路と、受電回路により非接触で受電される交流電力を昇圧するとともに直流電力に変換する倍電圧整流回路と、非接触送電装置からインバータ情報を受信する第2通信装置と、制御装置とを備える。倍電圧整流回路は、上記昇圧に寄与するキャパシタンス(以下、「昇圧キャパシタンス」とも称する)を変更可能に構成されるキャパシタンス調整部を含む。上記の制御装置は、キャパシタンス調整部を制御するように構成される。また、上記の制御装置は、インバータ情報によって示されるターンON電流が大きいほど、キャパシタンス調整部によって昇圧キャパシタンスを小さくするように構成される。
【0007】
上記非接触送電装置において、インバータの出力電圧の位相(以下、「INV電圧位相」とも称する)とインバータの出力電流の位相(以下、「INV電流位相」とも称する)との位相差(以下、「INV位相差」とも称する)がない場合には、インバータの出力力率(皮相電力に対する有効電力の比率)が1になり、ターンON電流が0になると考えられる。非接触送電装置の送電部から非接触受電装置の受電部への非接触電力伝送を行なうときに、送電部と受電部との位置合わせが不十分であり、位置ずれ(正対位置からのずれ)が生じていると、送電部と受電部との距離が長くなり、INV電圧位相に対してINV電流位相が進角側にずれる傾向がある。ターンON電流が大きくなるほど、INV電圧位相に対してINV電流位相が進角側にずれていると考えられる。一方で、上記昇圧キャパシタンスを小さくするほどINV電圧位相に対してINV電流位相が遅角する傾向がある。このため、ターンON電流が大きくなるほど昇圧キャパシタンスを小さくすることで、INV位相差を小さくことができる。INV位相差が小さくなることで、ターンON電流も小さくなる。このように、上記非接触受電装置は、非接触送電装置から電力を非接触で受電するときに、キャパシタンス調整部を制御して上記昇圧キャパシタンスを調整することによって、非接触送電装置におけるインバータのターンON電流を抑制することができる。
【0008】
上記の制御装置は、ターンON電流が所定の閾値を超えるか否かを判断し、ターンON電流が上記閾値を超える場合の昇圧キャパシタンスを、ターンON電流が上記閾値を超えない場合の昇圧キャパシタンスよりも小さくするように構成されてもよい。また、上記の制御装置は、ターンON電流の大きさを判断するための閾値を複数用いて、ターンON電流の大きさに応じて多段的に昇圧キャパシタンスの切替えを行なうように構成されてもよい。また、上記の制御装置は、リアルタイムでターンON電流の変化に昇圧キャパシタンスを追従させるように昇圧キャパシタンスを連続的に調整するように構成されてもよい。
【0009】
本開示の第2の観点に係る非接触受電装置は、非接触送電装置の送電部から送電される電力を受電部により非接触で受電するように構成される。この非接触受電装置は、上記受電部を構成する受電回路と、受電回路により非接触で受電される交流電力を昇圧するとともに直流電力に変換する倍電圧整流回路と、非接触送電装置が備えるインバータのターンON電流の大きさを示すインバータ情報を非接触送電装置から受信する通信装置と、制御装置とを備える。倍電圧整流回路は、上記昇圧に寄与するキャパシタンス(昇圧キャパシタンス)を変更可能に構成されるキャパシタンス調整部を含む。上記の制御装置は、キャパシタンス調整部を制御するように構成される。また、上記の制御装置は、インバータ情報によって示されるターンON電流が大きいほど、キャパシタンス調整部によって昇圧キャパシタンスを小さくするように構成される。
【0010】
こうした非接触受電装置は、非接触送電装置から電力を非接触で受電するときに、キャパシタンス調整部を制御して昇圧キャパシタンスを調整することによって、非接触送電装置におけるインバータのターンON電流を抑制することができる。
【0011】
なお、上記非接触受電装置における通信装置は、上記インバータ情報の送信を非接触送電装置に要求し、この要求に応じて非接触送電装置から送信されるインバータ情報を受信するように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、非接触電力伝送システムにおいて非接触送電装置から非接触受電装置へ非接触で電力を伝送するときに、非接触送電装置におけるインバータのターンON電流を非接触受電装置における回路制御によって抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の実施の形態に係る非接触電力伝送システムの全体構成図である。
図1に示した非接触電力伝送システムにおいて、充電設備と車両との間で非接触電力伝送を行なうための構成を示す図である。
図2に示したインバータの回路構成の一例を示した図である。
図2に示したインバータのスイッチング波形と、出力電圧V
inv
及び出力電流I
inv
の各々の波形とを示す図である。
非接触送電装置の制御装置による昇圧キャパシタンス制御(C
11
,C
12
制御)を説明するための図である。
INV電圧位相に対してINV電流位相が進角側にずれているときのインバータの出力電圧波形及び出力電流波形を示す図である。
INV位相差φが0であるときのインバータの出力電圧波形及び出力電流波形を示す図である。
結合係数の大きさが異なる3つの状況におけるINV位相差φとR

(倍電圧整流回路への入力インピーダンス)との関係を示す図である。

11
,C
12
とR

(倍電圧整流回路への入力インピーダンス)との関係を示す図である。
結合係数が小さいときのとターンON電流との関係を示す図である。
図1に示した電力伝送システムにおいて、車両の制御装置により実行される充電制御の処理手順を示すフローチャートである。
図1に示した電力伝送システムにおいて、充電設備の制御装置により実行される送電制御の処理手順を示すフローチャートである。
図12に示したデューティ制御の処理手順を示すフローチャートである。
キャパシタンス調整部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
以下で用いられる図中の矢印F,B,U,Dは、車両を基準とする方向を示しており、矢印Fは「前方」、矢印Bは「後方」、矢印Uは「上」、矢印Dは「下」を示している。また、以下では電子制御ユニットを「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。
【0016】
図1は、本開示の実施の形態に係る非接触電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、非接触電力伝送システム(以下、単に「電力伝送システム」とも称する)10は、充電設備1(地上器)及び車両2を含む。
【0017】
充電設備1は、送電ユニット100と、送電ユニット100へ電力を供給する交流電源700とを備える。送電ユニット100は地面F10(たとえば、駐車場の床面)に設置されている。交流電源700の例としては、家庭用電源(たとえば、電圧200V、周波数50Hzの交流電源)が挙げられる。この実施の形態では、送電ユニット100が、本開示に係る「非接触送電装置」の一例に相当する。
【0018】
車両2は、受電ユニット200と、受電ユニット200が受電した電力によって充電される蓄電装置300と、受電ユニット200が受電する電力を制御する車両ECU500とを備える。受電ユニット200は、車両2の下面F20(床下)に設置された蓄電装置300の下面(路面側)に設けられている。この実施の形態では、車両2が、本開示に係る「非接触受電装置」の一例を構成する。
【0019】
車両2は、蓄電装置300に蓄えられた電力のみを用いて走行可能な電気自動車であってもよいし、蓄電装置300に蓄えられた電力とエンジン(図示せず)の出力との両方を用いて走行可能なハイブリッド車であってもよい。
【0020】
送電ユニット100は、車両2の受電ユニット200が送電ユニット100に対向するように車両2の位置合わせが行なわれた状態において、受電ユニット200へ磁界を通じて非接触で送電するように構成される。受電ユニット200は、送電ユニット100からの電力を非接触で受電する。
【0021】
以下、車両2の車輪設置面(すなわち、地面F10)から受電ユニット200の受電コイルまでの高さを、「受電コイル高さΔH」と称する。この実施の形態では、車両2の受電コイル高さΔHが、車両2の最低地上高と一致する。送電ユニット100の表面に設けられた送電コイルと受電ユニット200の表面に設けられた受電コイルとの距離は、受電コイル高さΔHに応じて変わる。
【0022】
上記送電コイル、受電コイルは、それぞれ図2に示す1次コイル101、2次コイル201である。図2は、充電設備1と車両2との間で非接触電力伝送を行なうための構成を示す図である。図1に示した送電ユニット100及び受電ユニット200は、図2に示すような構成を有する。
【0023】
図2を参照して、送電ユニット100は、交流電源700から受ける電力に所定の電力変換処理を行なうことにより送電用電力を得て、その送電用電力を受電ユニット200へ非接触で送電するように構成される。そして、受電ユニット200が送電ユニット100から受電した電力によって蓄電装置300(車載バッテリ)が充電される。
【0024】
送電ユニット100は、上記電力変換処理を行なう電力変換部と、上記非接触送電を行なうLC共振回路R1と、電力変換部等を制御する送電ECU150とを備える。電力変換部は、AC/DCコンバータ130、インバータ120、及びフィルタ回路F1を含む。LC共振回路R1は、インバータ120の出力側に設けられ、1次コイル101及びキャパシタ102が直列に接続されて構成される。この実施の形態に係るLC共振回路R1は、本開示に係る「送電回路」の一例に相当する。
【0025】
AC/DCコンバータ130は、交流電源700から受ける電力を整流及び変圧してインバータ120へ出力する。AC/DCコンバータ130は、たとえば、ダイオードを含む整流回路と、送電ECU150によってチョッパ制御されるスイッチング素子(たとえば、電力用半導体スイッチング素子)を含むブースト型DC/DCコンバータとを含んで構成される。AC/DCコンバータ130は、たとえば交流電源700から受ける電力を400Vに昇圧して、電圧400Vの直流電力をインバータ120へ出力する。
【0026】
インバータ120は、AC/DCコンバータ130からの入力電力(より特定的には、直流電力)を所定の大きさ及び周波数の交流電力に変換してLC共振回路R1へ出力するように構成される。インバータ120の出力電力は、フィルタ回路F1を通じてLC共振回路R1へ供給される。この実施の形態では、インバータ120が電圧形インバータ(たとえば、後述する図3に示す単相フルブリッジ回路)である。インバータ120は、所定の周波数範囲において出力電力の周波数(以下、単に「出力周波数」とも称する)を変更可能に構成される。インバータ120を構成する各スイッチング素子は、送電ECU150からの駆動信号に従って制御される。
【0027】
インバータ120の出力周波数は、上記の駆動信号が示すスイッチング周波数(以下、「駆動周波数」とも称する)に応じて変化する。この実施の形態では、インバータ120の駆動周波数が、インバータ120の出力周波数、ひいては送電周波数(送電電力の周波数)と一致する。
【0028】
また、詳細は後述するが、インバータ120の出力電圧のデューティも、送電ECU150からの駆動信号に従って制御される。そして、インバータ120の出力電圧のデューティに応じてインバータ120の出力電力の大きさが変化する。なお、インバータ120の出力電圧のデューティは、出力電圧波形(矩形波)の周期に対する正(又は負)の電圧出力時間の比として定義される(後述する図4参照)。
【0029】
フィルタ回路F1は、キャパシタ103及びコイル104を含む。キャパシタ103はLC共振回路R1に並列に接続され、コイル104はLC共振回路R1に直列に接続されている。キャパシタ103及びコイル104によって、ローパスフィルタとして機能するLCフィルタが形成される。このLCフィルタによって電磁ノイズが低減される。
【0030】
LC共振回路R1は、1次コイル101の周囲に生成される磁界を通じて、受電ユニット200のLC共振回路R2へ非接触で送電する。LC共振回路R1は直列共振回路である。LC共振回路R1のQ値は100以上であることが好ましい。
【0031】
送電ECU150は、演算装置、記憶装置、入出力ポート、及び通信ポート(いずれも図示せず)等を含む。演算装置は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を含むマイクロプロセッサによって構成される。記憶装置は、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、プログラム等を保存するストレージ(ROM(Read Only Memory)や、書き換え可能な不揮発性メモリ等)とを含む。記憶装置に記憶されているプログラムを演算装置が実行することで、各種制御が実行される。たとえば、送電ECU150は、インバータ120及びAC/DCコンバータ130に含まれるスイッチング素子を制御して、送電電力を調整する。各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0032】
送電ユニット100は、電圧センサ181及び電流センサ182〜184をさらに備える。電圧センサ181は、インバータ120の入力電圧を検出し、その検出値を送電ECU150へ出力する。電流センサ182は、インバータ120の入力電流を検出し、その検出値を送電ECU150へ出力する。電流センサ183は、インバータ120の出力電流を検出し、その検出値を送電ECU150へ出力する。電流センサ184は、フィルタ回路F1の出力電流(すなわち、フィルタ回路F1によって処理された電流)を検出し、その検出値を送電ECU150へ出力する。また、送電ユニット100は、異常検出のための温度センサ(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0033】
なお、この実施の形態では、インバータ120の入力電圧とAC/DCコンバータ130の出力電圧とが一致する。また、インバータ120の入力電流とAC/DCコンバータ130の出力電流とも一致する。また、フィルタ回路F1の出力電流は、LC共振回路R1(1次コイル101等)を流れる電流に一致する。
【0034】
送電ユニット100は通信装置160をさらに備える。通信装置160は、車両2との間で無線通信を行なうための通信インターフェースである。通信装置160は、送電ECU150からの情報を車両2へ送ったり、車両2からの情報を受け取って送電ECU150へ出力したりする。この実施の形態に係る送電ECU150及び通信装置160は、本開示に係る「第1通信装置」の一例を構成する。送電ECU150は、通信装置160を通じて、インバータ120のターンON電流の大きさを示すインバータ情報を車両2へ送信するように構成される。
【0035】
受電ユニット200は、LC共振回路R2と、フィルタ回路F2と、倍電圧整流回路206と、平滑用のキャパシタ207とを含む。この実施の形態に係るLC共振回路R2は、本開示に係る「受電回路」の一例に相当する。
【0036】
LC共振回路R2は、2次コイル201及びキャパシタ202が直列に接続されて構成される。送電開始に先立ち、1次コイル101と2次コイル201とは鎖交磁束を生じるように位置合わせされる。そして、磁気共鳴により1次コイル101から2次コイル201へ電力が送られる。2次コイル201は、送電ユニット100の1次コイル101から非接触で受電する。LC共振回路R2のQ値は100以上であることが好ましい。この実施の形態では、LC共振回路R1及びR2として、SS方式(一次側:直列、二次側:直列)の共振回路を採用しているが、これに限られず、SP方式(一次側:直列、二次側:並列)や、PP方式(一次側:並列、二次側:並列)等を採用してもよい。
【0037】
上記のように、この実施の形態では、LC共振回路R2が直列共振回路である。以下、LC共振回路R2の2次コイル201側の端子を「L端子」、LC共振回路R2のキャパシタ202側の端子を「C端子」と称する。また、LC共振回路R2のL端子と倍電圧整流回路206の端子T5とをつなぐ電線を「電力線PL1」、LC共振回路R2のC端子と倍電圧整流回路206の端子T6とをつなぐ電線を「電力線PL2」と称する。
【0038】
フィルタ回路F2は、キャパシタ203,205及びコイル204を含む。キャパシタ203,205及びコイル204によって、ローパスフィルタとして機能するLCフィルタ(より特定的には、π型のLCフィルタ)が形成される。このLCフィルタによって上記受電時に発生する電磁ノイズが低減される。
【0039】
コイル204は、電力線PL2に設けられている。コイル204は、LC共振回路R2に直列に接続されている。キャパシタ203は、コイル204よりもLC共振回路R2側でLC共振回路R2に並列に接続されている。キャパシタ203の一端は電力線PL1に接続され、キャパシタ203の他端は電力線PL2に接続されている。キャパシタ205は、コイル204よりも倍電圧整流回路206側でLC共振回路R2に並列に接続されている。キャパシタ205の一端は電力線PL1に接続され、キャパシタ205の他端は電力線PL2に接続されている。
【0040】
倍電圧整流回路206は、2次コイル201によって受電された交流電力を昇圧するとともに整流して蓄電装置300側へ出力するように構成される。倍電圧整流回路206は、4つのダイオードからなるブリッジ回路D10の出力側に2つの可変キャパシタCb1,Cb2が接続されて構成される。ブリッジ回路D10を構成する各ダイオードは整流に寄与し、ダイオードに並列に接続される可変キャパシタCb1,Cb2は昇圧に寄与する。可変キャパシタCb1,Cb2は、車両ECU500からの制御信号に応じてキャパシタンスが連続的に変わるように構成される。この実施の形態では、可変キャパシタCb1,Cb2が、本開示に係る「キャパシタンス調整部」の一例に相当する。可変キャパシタCb1,Cb2のキャパシタンスが大きくなるほど高い電圧の直流電力が倍電圧整流回路206から出力される。可変キャパシタCb1,Cb2としては、たとえば誘電体を空気とした空気ギャップコンデンサを採用できる。なお、この可変キャパシタに限定されず、種々の公知の可変キャパシタから任意の可変キャパシタを選んで採用できる。
【0041】
可変キャパシタCb1のキャパシタンス(以下、「C
11
」とも表記する)と可変キャパシタCb2のキャパシタンス(以下、「C
12
」とも表記する)との各々が小さくなるほど、倍電圧整流回路206への入力インピーダンス(以下、「R

」とも表記する)は大きくなる(後述する図9参照)。倍電圧整流回路206において昇圧に寄与するキャパシタンス(昇圧キャパシタンス)はC
11
,C
12
に相関する。昇圧キャパシタンスは「(C
11
×C
12
)/(C
11
+C
12
)」となる。C
11
,C
12
が大きくなるほど昇圧キャパシタンスが大きくなる。
【0042】
倍電圧整流回路206の出力側には平滑用のキャパシタ207が設けられている。キャパシタ207は、倍電圧整流回路206によって整流された直流電力を平滑化する。上記倍電圧整流回路206及びキャパシタ207により、蓄電装置300の電圧が変動しても、安定した電力を蓄電装置300に供給することが可能となる。
【0043】
受電ユニット200は、電流センサ283,284をさらに備える。電流センサ284は、LC共振回路R2(2次コイル201等)を流れる電流を検出し、その検出値を送電ECU150へ出力する。電流センサ283は、フィルタ回路F2の電流(より特定的には、電力線PL1におけるキャパシタ203とキャパシタ205との間を流れる電流)を検出し、その検出値を送電ECU150へ出力する。また、受電ユニット200は、異常検出のための温度センサ(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0044】
受電ユニット200の出力電力(すなわち、キャパシタ207によって平滑化された直流電力)は、充電リレー400を介して蓄電装置300に供給される。充電リレー400は、車両ECU500によってON/OFF制御され、受電ユニット200による蓄電装置300の充電時にON(導通状態)にされる。
【0045】
蓄電装置300は、再充電可能な直流電源である。蓄電装置300は、たとえば二次電池(リチウムイオン電池やニッケル水素電池等)を含んで構成される。蓄電装置300は、受電ユニット200から供給される電力を蓄えて、図示しない車両駆動装置(たとえば、走行用モータ及びその駆動回路)へ電力を供給する。
【0046】
蓄電装置300に対しては、蓄電装置300の状態を監視する監視ユニット310が設けられている。監視ユニット310は、蓄電装置300の状態(温度、電流、電圧等)を検出する各種センサを含み、検出結果を車両ECU500へ出力する。車両ECU500は、監視ユニット310の出力に基づいて蓄電装置300の状態(SOC(State Of Charge)等)を取得するように構成される。SOCは、蓄電残量を示し、たとえば、満充電状態の蓄電量に対する現在の蓄電量の割合を0〜100%で表わしたものである。
【0047】
車両ECU500は、演算装置、記憶装置、入出力ポート、及び通信ポート(いずれも図示せず)等を含み、車両2における各種機器の制御を行なう。演算装置は、たとえばCPUを含むマイクロプロセッサによって構成される。記憶装置は、RAMと、プログラム等を保存するストレージ(ROMや、書き換え可能な不揮発性メモリ等)とを含む。記憶装置には、プログラムのほか、各種情報(たとえば、後述する図11の処理で使用されるエラー情報等)が記憶されている。記憶装置に記憶されているプログラムを演算装置が実行することで、各種制御が実行される。車両ECU500は、たとえば車両2の走行制御及び蓄電装置300の充電制御を実行する。車両ECU500から充電リレー400へのON/OFF信号等は、出力ポートから出力される。各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。この実施の形態に係る車両ECU500は、本開示に係る「制御装置」の一例に相当する。車両ECU500は、可変キャパシタCb1,Cb2を制御するように構成される。
【0048】
車両2は通信装置600をさらに備える。通信装置600は、送電ユニット100との間で無線通信を行なうための通信インターフェースである。充電設備1の通信装置160と車両2の通信装置600との間で無線通信が行なわれることによって、送電ECU150と車両ECU500との間で情報のやり取りを行なうことが可能になる。この実施の形態に係る通信装置600は、本開示に係る「第2通信装置」の一例に相当する。通信装置600は、送電ユニット100からインバータ情報を受信するように構成される。
【0049】
図3は、図2に示したインバータ120の回路構成の一例を示した図である。図3を参照して、インバータ120は、複数のスイッチング素子Q1〜Q4と、複数の還流ダイオードD1〜D4とを含む。スイッチング素子Q1〜Q4は、たとえば、電力用半導体スイッチング素子(IGBT、バイポーラトランジスタ、MOSFET、又はGTO等)によって構成される。還流ダイオードD1〜D4は、それぞれスイッチング素子Q1〜Q4に並列(より特定的には、逆並列)に接続されている。直流側の入力端子T1,T2には、AC/DCコンバータ130(図1)が接続され、交流側の出力端子T3,T4には、フィルタ回路F1(図1)が接続される。
【0050】
入力端子T1,T2間には、AC/DCコンバータ130から出力される直流電圧が印加される。図3において、V1は、この直流電圧の大きさを示す。スイッチング素子Q1〜Q4は、送電ECU150からの駆動信号によって駆動される。そして、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング動作によって、出力端子T3,T4間に出力電圧V
inv
が印加され、出力電流I
inv
が流れる(図3中に矢印で示される方向を正とする)。この図3では、一例として、スイッチング素子Q1,Q4がONであり、スイッチング素子Q2,Q3がOFFである状態が示されており、この場合の出力電圧V
inv
はほぼV1(正の値)となる。
(【0051】以降は省略されています)

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